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元スレ淡「咲は私の言うとおりにしてればいいんだから!」
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ぼんやりと、淡は物思いに耽っていた。
その姿を見た2軍の麻雀部員たちは、憂い顔の大星さんも可愛い!と囁き合う。
決して考え事をしている淡を邪魔しないよう、小声で。
ここ白糸台高校で、淡は名門麻雀部唯一の一年レギュラーとして特別視されている。
加えて大星家の財力は半端なものではなく、学園にもかなりの寄付をしていた。
これで注目を浴びない方が、どうかしている。
学校内には多くのファンがいて、こうしてほーっとしているだけでも誰かしらに視線を向けられしまう。
だが淡にとってそんなことは、慣れたもの。
どこともなく目の前の光景を眺めていた。
誠子「よっ、淡。何考え事してるんだ?」
尭深「もしかして立ったまま寝てるとか?」
丁度通り掛かった先輩達に声をかけられる。
淡「寝てないし。目、開けてるでしょ」
尭深「淡ちゃんなら出来そうだと思って」
淡「どういう意味だよタカミー!」
不機嫌そうに言い返す淡を見て、誠子がたしなめる。
その姿を見た2軍の麻雀部員たちは、憂い顔の大星さんも可愛い!と囁き合う。
決して考え事をしている淡を邪魔しないよう、小声で。
ここ白糸台高校で、淡は名門麻雀部唯一の一年レギュラーとして特別視されている。
加えて大星家の財力は半端なものではなく、学園にもかなりの寄付をしていた。
これで注目を浴びない方が、どうかしている。
学校内には多くのファンがいて、こうしてほーっとしているだけでも誰かしらに視線を向けられしまう。
だが淡にとってそんなことは、慣れたもの。
どこともなく目の前の光景を眺めていた。
誠子「よっ、淡。何考え事してるんだ?」
尭深「もしかして立ったまま寝てるとか?」
丁度通り掛かった先輩達に声をかけられる。
淡「寝てないし。目、開けてるでしょ」
尭深「淡ちゃんなら出来そうだと思って」
淡「どういう意味だよタカミー!」
不機嫌そうに言い返す淡を見て、誠子がたしなめる。
尭深「ずばり、新しい獲物探していたとか?」
二人は淡が見てた方向に目を向ける。
少し離れた場所で、恋人同士なのかじゃれあっているカップルがいた。
誠子「はあ…また人の物に手ぇ出すのか?」
淡「またって、何よ」
誠子「前に揉めたこと忘れたのか、バカ」
淡「バカって言うな」
誠子「じゃあ、覚えてるよな。彼女と別れてまで付き合ったのにヒドイって、乗り込みして来た女子の件」
淡「そんなことあったっけ?」
尭深「誠子ちゃん、駄目だよ。淡ちゃんには何言っても無駄だから」
来るもの拒まず、去るもの追わず。
この学校に入って、淡の付き合った相手の数は片手じゃ足りない。
気に入ったら、恋人がいようがおかまいなし。
そのくせ、飽きたら即捨てる。
そんなヒドイ女、誰にも見向きされないのが普通なのに
未だに淡と付き合いたい女生徒は後を絶たない。
不思議な話だ。
二人は淡が見てた方向に目を向ける。
少し離れた場所で、恋人同士なのかじゃれあっているカップルがいた。
誠子「はあ…また人の物に手ぇ出すのか?」
淡「またって、何よ」
誠子「前に揉めたこと忘れたのか、バカ」
淡「バカって言うな」
誠子「じゃあ、覚えてるよな。彼女と別れてまで付き合ったのにヒドイって、乗り込みして来た女子の件」
淡「そんなことあったっけ?」
尭深「誠子ちゃん、駄目だよ。淡ちゃんには何言っても無駄だから」
来るもの拒まず、去るもの追わず。
この学校に入って、淡の付き合った相手の数は片手じゃ足りない。
気に入ったら、恋人がいようがおかまいなし。
そのくせ、飽きたら即捨てる。
そんなヒドイ女、誰にも見向きされないのが普通なのに
未だに淡と付き合いたい女生徒は後を絶たない。
不思議な話だ。
淡「言っとくけど、別にあのカップル達になんて興味ないから」
誠子「じゃあ何で見てたんだ?」
淡「見てないよ。ちょっとぼんやりしてただけ」
そんな中、尭深が恋人達の方を見て「あ」と声を上げた。
尭深「ひょっとして淡ちゃん、あの子達のことが羨ましいんじゃない?」
淡「はあ?」
尭深「だって、淡ちゃんの付き合い方っていつも長く持たないじゃない」
尭深「あんなほのぼの幸せそうなやり取り、したこと無いでしょ?」
意地悪く尭深は笑う。
淡「ふん。庶民の幸せなんて、私の足元にも及ばないし」
そのまま二人の前を通り過ぎ、淡は歩き出す。
本当はわかっている。
尭深に指摘された通り、先程の名前も知らない恋人達を見ていた。
お互いがお互いを見つめて、蕩けそうな顔して笑っている。
幸せだと纏ってる空気でわかる。
庶民の恋愛だとバカにしても、何故か虚しい。
そう、淡はあの二人が羨ましかった。
自分にもあんな風に目と目を見ただけで幸せだと思えるような相手が欲しい。
いつも手にするのは淡の上辺しか見ようとしない人ばかり。
運命の相手なんか信じていないけれど、巡り合えたらどんなに幸せだろう。
尭深達が知ったらきっとからかわれるに違いない。
だから誰にも言わない。心の中の一番奥に仕舞ってある秘密。
誠子「じゃあ何で見てたんだ?」
淡「見てないよ。ちょっとぼんやりしてただけ」
そんな中、尭深が恋人達の方を見て「あ」と声を上げた。
尭深「ひょっとして淡ちゃん、あの子達のことが羨ましいんじゃない?」
淡「はあ?」
尭深「だって、淡ちゃんの付き合い方っていつも長く持たないじゃない」
尭深「あんなほのぼの幸せそうなやり取り、したこと無いでしょ?」
意地悪く尭深は笑う。
淡「ふん。庶民の幸せなんて、私の足元にも及ばないし」
そのまま二人の前を通り過ぎ、淡は歩き出す。
本当はわかっている。
尭深に指摘された通り、先程の名前も知らない恋人達を見ていた。
お互いがお互いを見つめて、蕩けそうな顔して笑っている。
幸せだと纏ってる空気でわかる。
庶民の恋愛だとバカにしても、何故か虚しい。
そう、淡はあの二人が羨ましかった。
自分にもあんな風に目と目を見ただけで幸せだと思えるような相手が欲しい。
いつも手にするのは淡の上辺しか見ようとしない人ばかり。
運命の相手なんか信じていないけれど、巡り合えたらどんなに幸せだろう。
尭深達が知ったらきっとからかわれるに違いない。
だから誰にも言わない。心の中の一番奥に仕舞ってある秘密。
インターハイ県予選が始まる頃。
一軍の部室ではレギュラー達が練習に明け暮れていた。
菫「よし。今日のところはここまで!」
部長の菫は三連覇に向けてやけに張り切っていた。
が、チーム虎姫一の実力者である照は何やら憂い顔だ。
誠子「元気ないですね、宮永先輩」
照「…そう?」
菫「ははーん。お前まだ妹のことが諦めきれていないのか」
照「だって…咲と一緒に麻雀したかったのに…」
淡「……妹?」
ふいに聞こえてきたその言葉に淡が反応する。
淡「テルー、妹なんているの?」
照「うん、いるよ。二つ下なんだ」
淡「へえー。で、何組なの?」
照「妹は…うちの学校に入らなかったんだ」
淡「へっ?」
姉妹なのに別の高校に通う理由が分からない。
淡は訝しげに尋ねた。
一軍の部室ではレギュラー達が練習に明け暮れていた。
菫「よし。今日のところはここまで!」
部長の菫は三連覇に向けてやけに張り切っていた。
が、チーム虎姫一の実力者である照は何やら憂い顔だ。
誠子「元気ないですね、宮永先輩」
照「…そう?」
菫「ははーん。お前まだ妹のことが諦めきれていないのか」
照「だって…咲と一緒に麻雀したかったのに…」
淡「……妹?」
ふいに聞こえてきたその言葉に淡が反応する。
淡「テルー、妹なんているの?」
照「うん、いるよ。二つ下なんだ」
淡「へえー。で、何組なの?」
照「妹は…うちの学校に入らなかったんだ」
淡「へっ?」
姉妹なのに別の高校に通う理由が分からない。
淡は訝しげに尋ねた。
淡「で、その妹さんはどこの学校に通ってんの?」
照「……臨海女子」
東京では白糸台と並ぶ麻雀の名門校ではないか。
ますますもって分からない。
淡の物問いたげな視線に気づいたのか、照がため息をつきながら応える。
照「憧れの人が通ってるんだって」
淡「憧れの人?」
照「その人と一緒に麻雀がしたいからって、咲は臨海を選んだんだ」
淡「へぇー…」
照の妹。一体どんな打ち手なのだろうか。
少し、いやかなり興味がある。
――――
照「……臨海女子」
東京では白糸台と並ぶ麻雀の名門校ではないか。
ますますもって分からない。
淡の物問いたげな視線に気づいたのか、照がため息をつきながら応える。
照「憧れの人が通ってるんだって」
淡「憧れの人?」
照「その人と一緒に麻雀がしたいからって、咲は臨海を選んだんだ」
淡「へぇー…」
照の妹。一体どんな打ち手なのだろうか。
少し、いやかなり興味がある。
――――
――――
淡「ここが臨海かー」
淡は臨海女子の校門前に立っていた。
照の妹を偵察する為だ。
淡「…そういえば、下の名前聞いてなかった」
顔も名前も知らずに、臨海に来てしまったことを今思い出す。
淡「ま、いっか。何とかなるでしょ!」
見ればわかるだろうと、堂々と校舎の中に入り麻雀部部室を探してまわる。
淡「あ、ここだね。よし…」
ドアを薄く開け、中をそっと覗いてみる。
が、どうもそれらしい人物は見つからない。
淡(は、ははーん。さては私が偵察来ると察して警戒してるのかな?)
そうとでも思い込まなければ、やっていけない淡だった。
ここまで足を運んで何も情報を得ず帰るなんて冗談じゃない。
誰でもいい。
適当に捉まえて照の妹の情報を聞き出そう。
そう思い、淡が身を翻した瞬間。
?「きゃあっ!」
淡「わっ!?」
突然視角に現れた少女とぶつかってしまう。
淡「ちょっと!急に廊下の向こうから出てこないでよ、危ないじゃない!」
?「あ、ご、ごめんなさい」
?「あの、怪我とかしませんでしたか?」
小さくなりながら、少女が申し訳無さそうに声を掛けてきた。
淡「それは大丈夫だけど」
?「そうですか。よかった…じゃなくって、本当にごめんなさいっ」
また少女は謝る。
ごめんなさいしか浮かばないのかと、淡はつまらなさそうに少女を見つめた。
淡「謝らなくてもいいけど。その代わり」
びくっと、少女は肩を竦める。
何を要求されるかと、怯えているようだ。
小動物そっくりな様子に少し笑ってしまう。
意地悪な気持ちが湧き、淡は一歩距離を縮める。
すると少女は一歩下がる。
淡「白糸台の大星淡」
?「えっ?」
淡「私の名前。名乗ったんだから、あんたも名前教えてよ」
少女は一瞬きょとんとした後、ああ、と微笑んだ。
小さくなりながら、少女が申し訳無さそうに声を掛けてきた。
淡「それは大丈夫だけど」
?「そうですか。よかった…じゃなくって、本当にごめんなさいっ」
また少女は謝る。
ごめんなさいしか浮かばないのかと、淡はつまらなさそうに少女を見つめた。
淡「謝らなくてもいいけど。その代わり」
びくっと、少女は肩を竦める。
何を要求されるかと、怯えているようだ。
小動物そっくりな様子に少し笑ってしまう。
意地悪な気持ちが湧き、淡は一歩距離を縮める。
すると少女は一歩下がる。
淡「白糸台の大星淡」
?「えっ?」
淡「私の名前。名乗ったんだから、あんたも名前教えてよ」
少女は一瞬きょとんとした後、ああ、と微笑んだ。
?「お姉ちゃんとこの学校の。そういえば制服もお姉ちゃんと同じだ」
気づかなかったよ、と少女はマイペースに頷いている。
淡「で。あんたの名前は?」
咲「あ、ごめんなさい。私は宮永咲といいます」
ぺこっと礼儀正しく頭をさげる少女に、淡はしばし絶句した。
まさか目の前の少女が照の妹だったとは。
咲「あ、あの…?」
訝しげに声をかけてくる咲に、気をとりなおして応える。
淡「ふーん、咲か。覚えたからね」
咲「え、あの?」
淡「今度あんたんとこの部長に言っとくよ。おたくの部員にぶつかられたって」
咲「え」
一瞬で固まる咲の表情。
気づかなかったよ、と少女はマイペースに頷いている。
淡「で。あんたの名前は?」
咲「あ、ごめんなさい。私は宮永咲といいます」
ぺこっと礼儀正しく頭をさげる少女に、淡はしばし絶句した。
まさか目の前の少女が照の妹だったとは。
咲「あ、あの…?」
訝しげに声をかけてくる咲に、気をとりなおして応える。
淡「ふーん、咲か。覚えたからね」
咲「え、あの?」
淡「今度あんたんとこの部長に言っとくよ。おたくの部員にぶつかられたって」
咲「え」
一瞬で固まる咲の表情。
辻垣内智葉は厳しい部長としても有名だ。
ちょっとからかってやろうと淡は声をあげる。
淡「あー、さっきぶつかられたとこが痛いなー」
淡「骨に異常とかあったらどうしよっかなー」
咲「あ、あわわ…」
淡の言葉に咲は慌てふためく。
そんな咲の様子に、淡はこっそりほくそ笑んだ。
これが宮永咲との出会い。
淡が初めて出会った、思い通りにならない相手だった。
――――
ちょっとからかってやろうと淡は声をあげる。
淡「あー、さっきぶつかられたとこが痛いなー」
淡「骨に異常とかあったらどうしよっかなー」
咲「あ、あわわ…」
淡の言葉に咲は慌てふためく。
そんな咲の様子に、淡はこっそりほくそ笑んだ。
これが宮永咲との出会い。
淡が初めて出会った、思い通りにならない相手だった。
――――
――――
練習が終わったら、すぐ校門まで来いとの命令に咲はちゃんと来た。
咲「あの、これからどうするつもり…?」
待たせておいた車に、乗れと指示をする。
初対面の人間の所有する車だからか、咲も不安げにしているが
構わず淡は中へと押し込んだ。
淡「そんなに心配しないでよ。別に誘拐しようなんて思ってないから」
咲「そ、そうですか」
ビクビクする咲が可笑しくて、思わず堪えていた笑い声が漏れてしまう。
咲「何で笑ってるの?」
淡「べっつにー」
そうこうしている間に、車が停まる。
淡「着いたよ。降りて」
淡の言葉に咲は素直に車から降りた。
咲「あ、ここって…」
周囲を見て気付いたようだ。
淡「行くよ」
咲「ねえ、どういうこと?」
質問する咲を無視して淡は歩くように促す。
訝しい顔をしたものの、咲は渋々足を動かした。
校門をくぐり、目的地へと辿りつく。
そこは咲の姉である照が通っている白糸台高校だった。
きょろきょろともの珍しそうにあたりを見回す咲を横目で見やりながら
ひたすら廊下を歩きつづけ、たどり着いた麻雀部部室のドアを開けた。
誠子「淡!お前練習さぼってどこ行ってたんだよ」
誠子が呆れたように声をかけてきた。
その横には、座ってお茶を飲んでいる尭深。
咲は二人をまじまじと見つめる。
視線に気付いた誠子も、咲を上から下まで興味深そうに眺めた。
周囲を見て気付いたようだ。
淡「行くよ」
咲「ねえ、どういうこと?」
質問する咲を無視して淡は歩くように促す。
訝しい顔をしたものの、咲は渋々足を動かした。
校門をくぐり、目的地へと辿りつく。
そこは咲の姉である照が通っている白糸台高校だった。
きょろきょろともの珍しそうにあたりを見回す咲を横目で見やりながら
ひたすら廊下を歩きつづけ、たどり着いた麻雀部部室のドアを開けた。
誠子「淡!お前練習さぼってどこ行ってたんだよ」
誠子が呆れたように声をかけてきた。
その横には、座ってお茶を飲んでいる尭深。
咲は二人をまじまじと見つめる。
視線に気付いた誠子も、咲を上から下まで興味深そうに眺めた。
誠子「その子は何なんだ?」
淡「宮永咲。テルーの妹だよ」
誠子「え…」
一瞬ぽかんとする誠子だが、すぐに我に返るとあたふたと喚き出した。
誠子「お、お前っ!何先輩の妹さん連れてきてんだよ!」
淡「ちょっと先輩方にこいつの実力を見てもらおうと思ってね」
咲「えっ」
淡の言葉に思わず声を上げる咲。
咲「どういうこと!?」
淡「見てわかんないの?今からあんたは私たちと打つから」
咲「な、何で!?そんな勝手に…」
慌てふためく咲に、淡は腕を組みながら告げる。
淡「そう、やりたくないんだ。ならさっきの件を辻垣内に報告しちゃおっかなー」
咲「わかったから!やればいいんでしょ」
肩を落とす咲を見て、誠子と尭深が顔を見合わせた。
淡「宮永咲。テルーの妹だよ」
誠子「え…」
一瞬ぽかんとする誠子だが、すぐに我に返るとあたふたと喚き出した。
誠子「お、お前っ!何先輩の妹さん連れてきてんだよ!」
淡「ちょっと先輩方にこいつの実力を見てもらおうと思ってね」
咲「えっ」
淡の言葉に思わず声を上げる咲。
咲「どういうこと!?」
淡「見てわかんないの?今からあんたは私たちと打つから」
咲「な、何で!?そんな勝手に…」
慌てふためく咲に、淡は腕を組みながら告げる。
淡「そう、やりたくないんだ。ならさっきの件を辻垣内に報告しちゃおっかなー」
咲「わかったから!やればいいんでしょ」
肩を落とす咲を見て、誠子と尭深が顔を見合わせた。
淡が自分から誰かに勝負しようと持ちかけるなんて珍しい。
しかし、照の妹である咲には二人とも興味を持っていた。
誠子「私は亦野誠子と言うんだ。よろしく」
尭深「渋谷尭深です。よろしくね」
咲「あ、どうも…」
淡「挨拶はその位にして、さっさとはじめるよ。咲」
咲「え、うん…あ、名前」
淡「別にいいでしょ。宮永じゃ先輩とかぶっちゃってややこしいし」
淡「あ、私のことも淡でいいから」
咲「う、うん」
そっけなく言う淡に咲はこくりと頷いた。
淡「じゃあ、はじめるよ」
淡(ふん。思いっきり恥をかかせてやるんだから…!)
しかし、照の妹である咲には二人とも興味を持っていた。
誠子「私は亦野誠子と言うんだ。よろしく」
尭深「渋谷尭深です。よろしくね」
咲「あ、どうも…」
淡「挨拶はその位にして、さっさとはじめるよ。咲」
咲「え、うん…あ、名前」
淡「別にいいでしょ。宮永じゃ先輩とかぶっちゃってややこしいし」
淡「あ、私のことも淡でいいから」
咲「う、うん」
そっけなく言う淡に咲はこくりと頷いた。
淡「じゃあ、はじめるよ」
淡(ふん。思いっきり恥をかかせてやるんだから…!)
手を抜くつもりもなく、最初から淡は全力だった。
当然勝つと思っていた。
淡「嘘…」
だけど、結果は敗北。
呆然とする 淡をよそに、尭深は淡々と結果を告げる。
尭深「咲ちゃんが1位、淡ちゃんが僅差で2位。私が3位でラスが誠子ちゃん」
淡は無反応のまま動かない。相当ショックだったようだ。
誠子「さすがは宮永先輩の妹さん。完敗だよ」
咲「いえ、そんな」
尭深「でも淡ちゃんも惜しかったね」
尭深に話しかけられ、ようやく淡は自分を取り戻す。
当然勝つと思っていた。
淡「嘘…」
だけど、結果は敗北。
呆然とする 淡をよそに、尭深は淡々と結果を告げる。
尭深「咲ちゃんが1位、淡ちゃんが僅差で2位。私が3位でラスが誠子ちゃん」
淡は無反応のまま動かない。相当ショックだったようだ。
誠子「さすがは宮永先輩の妹さん。完敗だよ」
咲「いえ、そんな」
尭深「でも淡ちゃんも惜しかったね」
尭深に話しかけられ、ようやく淡は自分を取り戻す。
淡「ふ、ふん。こんなのマグレなんだからね!」
強がる淡に向かって、咲はにこりと微笑んだ。
咲「淡ちゃん、強いんだね。私、すっごく楽しかったよ!」
淡「……っ」
何だろう、今。
確かに心臓がはねる音がした。
尭深「咲ちゃん、よかったらお茶でも飲む?」
誠子「ああ、そろそろ弘世先輩と宮永先輩も監督とのミーティングから戻ってくる頃だしな」
尭深「そうだね。皆でお菓子でも食べて待ってようよ」
咲「あ、すみません。私そろそろ帰らないといけませんので」
誠子「そうか。今日は淡が無理矢理連れてきてしまってすまなかったね」
咲「いえ。皆さんと打てて楽しかったです」
尭深「また遊びにおいでね」
咲「はい」
和やかに交し合う先輩たちと咲との会話に、はっとして淡は我に返る。
強がる淡に向かって、咲はにこりと微笑んだ。
咲「淡ちゃん、強いんだね。私、すっごく楽しかったよ!」
淡「……っ」
何だろう、今。
確かに心臓がはねる音がした。
尭深「咲ちゃん、よかったらお茶でも飲む?」
誠子「ああ、そろそろ弘世先輩と宮永先輩も監督とのミーティングから戻ってくる頃だしな」
尭深「そうだね。皆でお菓子でも食べて待ってようよ」
咲「あ、すみません。私そろそろ帰らないといけませんので」
誠子「そうか。今日は淡が無理矢理連れてきてしまってすまなかったね」
咲「いえ。皆さんと打てて楽しかったです」
尭深「また遊びにおいでね」
咲「はい」
和やかに交し合う先輩たちと咲との会話に、はっとして淡は我に返る。
淡「咲!今日は負けたけど、今度は絶対勝つから!」
咲「うん。また打とうね」
お邪魔しました、と咲はぺこりと頭をさげて部室を出ていった。
誠子「あれが宮永先輩の妹さんか~、いやほんと強かったな」
尭深「そうだね。淡ちゃんと良いライバルになれそう」
淡「ライバル…」
淡がぼそっと呟くと同時に、部室のドアが開いた。
菫「皆、待たせたな」
照「全く監督の話は無駄に長いんだから…」
誠子「先輩方お疲れさまです」
尭深「あ、宮永先輩。今しがた先輩の妹さんがいらしてたんですよ」
照「えっ、咲が!?」
尭深の言葉に照が目を見開く。
照「それで、咲はどこに!?」
誠子「もう帰っちゃいましたよ」
照「……そう」
がっくりと照が肩を落とす。
菫「しかし何だって照の妹さんがここに?」
尭深「淡ちゃんが連れてきたんです」
照・菫「は!?」
咲「うん。また打とうね」
お邪魔しました、と咲はぺこりと頭をさげて部室を出ていった。
誠子「あれが宮永先輩の妹さんか~、いやほんと強かったな」
尭深「そうだね。淡ちゃんと良いライバルになれそう」
淡「ライバル…」
淡がぼそっと呟くと同時に、部室のドアが開いた。
菫「皆、待たせたな」
照「全く監督の話は無駄に長いんだから…」
誠子「先輩方お疲れさまです」
尭深「あ、宮永先輩。今しがた先輩の妹さんがいらしてたんですよ」
照「えっ、咲が!?」
尭深の言葉に照が目を見開く。
照「それで、咲はどこに!?」
誠子「もう帰っちゃいましたよ」
照「……そう」
がっくりと照が肩を落とす。
菫「しかし何だって照の妹さんがここに?」
尭深「淡ちゃんが連れてきたんです」
照・菫「は!?」
翌日。
さすがに2日連続で部活をサボる訳にいかないので
終わると同時に、淡は臨海女子へとお付きの運転手に車を走らせた。
昨日は菫と照に「勝手なことをして」とがっつり怒られてしまった。
が、淡は全く懲りていない。
それどころか、どうしても咲に勝ちたくて
またこうして会いに来る始末。
淡「今度こそあいつにぎゃふんと言わせてやるんだから!」
拳を握りしめ、淡はずんずんと歩き出す。
麻雀部の部室前まで来ると、ドアをそっと開けて中を覗いた。
淡(咲は…咲はどこ?)
きょろきょろと中を見渡すと、お目当ての少女の姿が見えた。
淡(いた。なんだ、辻垣内と一緒か)
いきなり声を掛けて、二人の反応を見てやろうと考える。
さすがに2日連続で部活をサボる訳にいかないので
終わると同時に、淡は臨海女子へとお付きの運転手に車を走らせた。
昨日は菫と照に「勝手なことをして」とがっつり怒られてしまった。
が、淡は全く懲りていない。
それどころか、どうしても咲に勝ちたくて
またこうして会いに来る始末。
淡「今度こそあいつにぎゃふんと言わせてやるんだから!」
拳を握りしめ、淡はずんずんと歩き出す。
麻雀部の部室前まで来ると、ドアをそっと開けて中を覗いた。
淡(咲は…咲はどこ?)
きょろきょろと中を見渡すと、お目当ての少女の姿が見えた。
淡(いた。なんだ、辻垣内と一緒か)
いきなり声を掛けて、二人の反応を見てやろうと考える。
淡(堅物で有名な辻垣内は、勝手に入ってくるなとか怒りそうだけどね)
二人に近づこうと意気込んだところで、ふいに淡は動きを止めた。
智葉の方は何か咲に指導しているらしく、真面目で威厳のある顔をして話している。
部長らしい態度でこれは問題は無い。
対して聞いている咲は、神妙に頷いているけれど。
淡(あいつ、もしかして…)
ただの部長として見てる目では無い。咲の時折覗かせる表情からピンと来る。
熱のこもった視線で智葉を熱心に見つめている。
淡(そういえば、咲は誰かに憧れて臨海に入ったってテルーが言ってた)
淡(……うん。間違いない)
宮永咲は、辻垣内智葉に対して特別な感情を抱いてる。
智葉だけを写しているであろう咲の大きな目。
いつか見た恋人達と似ているようで、少し違う。
同じように見て欲しいのだろうか。
満たされず、寂しそうにも見えた。
二人に近づこうと意気込んだところで、ふいに淡は動きを止めた。
智葉の方は何か咲に指導しているらしく、真面目で威厳のある顔をして話している。
部長らしい態度でこれは問題は無い。
対して聞いている咲は、神妙に頷いているけれど。
淡(あいつ、もしかして…)
ただの部長として見てる目では無い。咲の時折覗かせる表情からピンと来る。
熱のこもった視線で智葉を熱心に見つめている。
淡(そういえば、咲は誰かに憧れて臨海に入ったってテルーが言ってた)
淡(……うん。間違いない)
宮永咲は、辻垣内智葉に対して特別な感情を抱いてる。
智葉だけを写しているであろう咲の大きな目。
いつか見た恋人達と似ているようで、少し違う。
同じように見て欲しいのだろうか。
満たされず、寂しそうにも見えた。
書き溜め分終了です。
次は5日後の日曜に投下予定です。
しつこくてすみませんが、荒らしは華麗にスルー!でお願いします。
次は5日後の日曜に投下予定です。
しつこくてすみませんが、荒らしは華麗にスルー!でお願いします。
乙
早く完結まで読みたい
あと荒らしもそれに構う奴もひたすらスルーして書き続ければええんやで?自動保守みたいなもんだから
早く完結まで読みたい
あと荒らしもそれに構う奴もひたすらスルーして書き続ければええんやで?自動保守みたいなもんだから
最後まで書き溜めて投下したら?そしたらやる気失う前に終わるだろ?とりあえず乙
作者は誰しも多かれ少なかれ構ってちゃんな部分はあると思うが
そこは隠そう
そこは隠そう
これだから咲豚は…
盲目も咲ハーとか糞つまんねーことしてたし
咲豚にろくな奴いないな
盲目も咲ハーとか糞つまんねーことしてたし
咲豚にろくな奴いないな
>>29の上から目線っぷりで草
京太郎「この話はIfですが、実際の咲と淡は俺のチ○コ奪い合っております^^」
京太郎「これから2人ともしっかり雌豚として調教していくのでどうか4649~(^_^)v」
京太郎「これから2人ともしっかり雌豚として調教していくのでどうか4649~(^_^)v」
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- 食蜂「きょうはとうまさんといっしょにあそびました」 (287) - [46%] - 2014/6/30 14:00 ★
- 男「王女助けたらどえらいことになってしまった」 (179) - [46%] - 2014/6/7 11:00 ★
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