私的良スレ書庫
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元スレ晴絵「個人戦は見学していくからね」
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東京にいても、ふとした時に実家のことを考えてしまう
例えば、今みたいにインターハイの会場にいてもだ
普段は家のお仕事のお手伝いをする時間が多いし、どうしても気になってしまう
この前、お父さんに電話した時は松実館では大部屋を使ってインターハイの観戦イベントを開いて大盛況だった、って言ってたけど……
いや、応援してくれたの素直に嬉しいんだけど……つまるところ、近所の人たちと宴会開いただけだよね?
うちはけっこう歴史のある由緒正しい旅館で、毎年泊まりに来てくれるお客さまもいるけれど……
正直、経営状況は年々悪くなっているような気がする
将来的には……いつか、その、私がお婿さんを取って旅館を継ぐつもりでもある
お姉ちゃんには自分の好きなことをしてほしいもんね
とにかく、そういうことで……しっかりと旅館を続けていくためにもなにか考えないといけないと思う
「いつもので」
いつもの……常連さんにだけ許された言葉だ
つまり、松実館でも常連さんに対してなにかもっとサービスを……
玄「……いつもの?」
ちょっと待って
ここはインターハイ会場の売店だ
いつもの、なんて言って通じるほど長期的に開いてる店舗でもないのに……
「ん?」
あ、目があった
玄「……こんにちは」
「……どうも」
この人は……たしか、準決勝で憧ちゃんと打った新道寺女子の江崎さんだ
試合中もジュースを片手に持っていた気がするけど……どれだけ買えばいつもの、で通じるのだろうか
仁美「……飲む?グァバジュース」
玄「あ、そんな……グァバジュース?」
玄「おお……仄かな甘味と酸味が……」
仁美「うまかやろ?」
……珍しい名前の響きに釣られてつい一口いただいてしまった
これはなかなかのなかなか……じゃなくって
仁美「そいで、どげんかしたと?」
玄「え?」
仁美「うちで良ければ話しば聞くよ?……話して楽になるこつもあるけんね」
――――――
仁美「なるほど……実家の旅館が」
玄「はい……どうしたらいいのかな、って」
ほぼ初対面の人に話すことでもないと思うけれど、お姉ちゃんや阿知賀のみんなに話して心配かけたくないし……いいよね?
仁美「あの……こん光熱費凄いこつになってるのは?」
玄「え?これくらいじゃないですか?そりゃうちはお姉ちゃんが一年中こたつやストーブ使ってますけど……」
仁美「……なんもかんもお姉ちゃんが悪い」
玄「えぇ!?」
玄「でも、うちではこれが普通ですよ?」
仁美「松実さんとこで普通でも他所では異常やけんね?」
玄「でも、暖房機具止めたらお姉ちゃんが……」
仁美「……ここは削れんか」
そんな、支出の原因がまさかお姉ちゃんだったなんて……
仁美「んー、新しい客層ば取り込むんは?」
玄「お客さんの新規開拓ですか……」
玄「でも、いったいどうしたら……」
仁美「娘二人がインターハイ出とうし、お客さんと麻雀打つとか」
玄「なるほど!麻雀好きな人が来てくれるかもしれませんね!」
忙しい中、お客さんと麻雀打てるかはわからないけど良いかもしれない
全国から麻雀好きなお客さんが……和ちゃんたちを招待してみたりしても良いかもしれない
仁美「あとは……そう、マスコットキャラクターば作るとか」
玄「マスコット?」
仁美「ゆるきゃらとか流行っとるの知っとーと?某市のキャラクターなんか凄い稼いでるらしいし」
玄「ああ……テレビで見たことあります!」
仁美「女性や子供が好きやし、上手くいけばグッズ展開とかして更に収入が!」
玄「ふぅ~む、なるほどなるほど……なるほどー」
仁美「実家にはなんかウリとか、名物とかなかと?」
ウリ、名物……あった!
玄「うちにはお姉ちゃんの素晴らしいおもちがあります!」
仁美「お餅?」
仁美「松実さん……あー、宥さんの方は餅つきでも趣味にしよっと?」
玄「お姉ちゃんのおもちをついたりこねたり!?」
なんて素晴らしい考えだろうか
おっきくて、やわらかくて……
玄「うへへ……」
仁美「……?」
――――――
仁美「……そいはいかんやろ」
仁美「あんたお姉ちゃんになんばさせるつもりなん?」
仁美「実家の旅館はそーゆうお店じゃなかやろ」
玄「すみません……少々取り乱しました……」
だって、江崎さんが名物って言うからお姉ちゃんのおもちしかないと思ったんだけど……
仁美「まぁ、よか……とりあえずそいは問題外としても……」
仁美「地元のものとか……あとは分かりやすく名前から取るとか」
玄「えっと、まつみかんちゃん!とかそういう感じですか?」
仁美「ん……蜜柑のキャラが『お客さんをお待ちしてます!』とかそげな感じで」
なるほど、ちょっとそれっぽいかもしれない
仁美「あ、参考になるかはわからんけど……うちにもマスコットば居るばい」
玄「新道寺女子にマスコットがいたんですか?」
仁美「ん……しんどうくんっちゅうんやけど」
江崎さんがペンとメモ用紙を取り出してさらさらとイラストを描く
仁美「……どう?」
玄「わぁ~!かわいいですねぇ!」
灼ちゃんなんかは特にこういうの大好きだと思うなぁ
仁美「……パパとママも居るんよ」
玄「家族がいるんですか?」
仁美「そりゃいるよ人の子だから」
玄「ひとのこ?」
頭にリボンをつけている方がママで、首に蝶ネクタイをつけている方がパパらしい
玄「素敵ですねぇー」
とってもかわいらしい
うちもこういうかわいいキャラクターを作れば新しいお客さまを開拓できるかな?
仁美「…………」
……江崎さんがにやけながら小さくガッツポーズしてる
なにか良いことがあったのかな?
仁美「あ、ちょうどここにしんどうくんぬいぐるみがあるんやけど……」
玄「作ったんですか!?」
仁美「ん……あんまし気に入ったけん自分で作ったんやけど……松実さんが褒めてくれて嬉しかったけん、もろうてくれん?」
玄「……いいんですか?」
仁美「ん……自分のはまた作ればよか」
玄「……ありがとうございます!いただきますね!」
仁美「それと、良かったら連絡先教えてくれん?」
玄「こちらからお願いしたいです!またアドバイスとかいただきたいです!」
えへへ、しんどうくんプレゼントされちゃった!
私もお友だちが増えて嬉しいよー!
姫子「あ、江崎せんぱーい!」
仁美「姫子!……そいに部長も」
あちらから駆け寄ってくるのは新道寺の副将・大将の白水さんと鶴田さんだ
どうやら江崎さんを長いこと引き留めすぎたらしい
哩「なかなか帰ってこんから心配……きゃっ!」
白水さんが何かに躓いたのか盛大に転ぶ
そして、手に持ったジュースが宙を舞う
バシャッ
玄「あ……」
江崎さんから受け取った、しんどうくんぬいぐるみに……
仁美「う、うちらん友情の証が……」
びしょびしょになっちゃった……
……でも、友情の証って言ってくれたのは凄く嬉しいな
哩「あ、えっと……す、すまん!しんどうくんが……」
姫子「死にました」
姫子「おしまい」
哩「死ぬオチはちょっと……」
カン!
新道寺の政治家さんは書きたいネタもあるんだけどやっぱり言葉のハードルが高くてなかなか手を出せない……
ダヴァンとかよりよほど国境を感じます
今度の単行本の特典は誰が来ますかねー
ダヴァンとかよりよほど国境を感じます
今度の単行本の特典は誰が来ますかねー
乙
しんどうくんは色々反則ww
特典はユキ希望 ビフォーアフターで
しんどうくんは色々反則ww
特典はユキ希望 ビフォーアフターで
今気づいたけどしんどうくんってまだ単行本収録されてないですね……リアルで追ってない方いたらすみませんでした
>>220チカちゃんと一緒で変身前のが好きです。ちょっと野暮ったい方が好きなのかな
爆発漫ちゃんとかはタイミングなくなりそうだし期待したいなぁ……
中華麺すするハオとダヴァンとか…あと染谷先輩特典くださいマジで
>>220チカちゃんと一緒で変身前のが好きです。ちょっと野暮ったい方が好きなのかな
爆発漫ちゃんとかはタイミングなくなりそうだし期待したいなぁ……
中華麺すするハオとダヴァンとか…あと染谷先輩特典くださいマジで
東京に来てからお気に入りのお散歩コース、ベンチに座ってちょっと一息
あの子は毎日荷物をたくさん持って走っている
つい気になって声をかけてみたんだ
宥「あの……亦野さん?」
誠子「はいっ!……あれ?松実さん?」
宥「はい……松実宥です……その、えっと」
……つい話しかけてみたものの、何も考えていなかった
亦野さん困っちゃうよね?
誠子「……すみません!ちょっと急いでるんで!」
宥「あぅ……」
誠子「荷物置いたら戻ってきますから!良かったら待っててください!」
どうしよう
特に用事があるわけでもないのに呼び止めてしまった
……しかも、亦野さんはわざわざ戻ってきてくれるらしい
うん、亦野さんはいい人だね
……じゃなくって!とにかく、なにか話題を考えておかないと
誠子「お待たせしましたっ!」
ぅわ亦野さん足早い
宥「えと……その、こんにちは」
誠子「こんにちはー」
宥「……あの、忙しいなら私のことは気にしなくてもいいので」
誠子「いえ、大丈夫ですよ。 私は個人戦の地区代表逃してますし……まぁ、うちからは宮永先輩と大星が参加するんで有力選手の牌譜整理したり、調整は手伝ってますけど」
それって結構忙しいんじゃ……
誠子「あ、戻ったときに尭深……中堅の渋谷がお茶淹れてたんで水筒に移して持ってきたんですよ。 あったかいですけど、どうですか?」
宥「……私、あったかいの好きです」
誠子「そうじゃないかと思ったんですよ」
亦野さんがどうぞ、と笑顔で紙コップを差し出してくる
……コップまで準備して来てくれたらしい。 かなり気を遣わせてしまったようだ
宥「……おいしいです。 とってもあったかい味がします」
誠子「そう言ってもらえると尭深も喜びます」
亦野さんも嬉しそうだ
渋谷さんとも仲がいいんだろうなぁ
誠子「お茶請けにお煎餅とかどうですか?甘いのが良ければチョコとかも持ってますけど」
宥「えっと、じゃあお煎餅を……」
誠子「りょーかいですっ!」
宥「ふふっ……おいしいなぁ」
誠子「たまにはこうしてのんびりするのも良いですね」
今日もお天気だし、とっても気持ちがいい
……亦野さんと違って、私はいっつものんびりしてるけど
誠子「あっ」
宥「どうしたの~?」
誠子「カード、三尋木プロでした!私、ファンなんですよ」
宥「よかったねぇ~」
しばらく好きなプロ雀士や日本代表ベストメンバーは誰だ、小鍛治プロが第一線に復帰するって噂が……とか、そんな話で盛り上がる
なんだかとっても話しやすくて、気配り上手な子だ
気がつけばコップはお茶で満たされてるし、お菓子も勧められるままにいただいて……
誠子「宥さん、口元チョコついてますよ」
宥「あ……ごめんねぇ、誠子ちゃん」
誠子ちゃんはサッとハンカチを取り出して口元を拭ってくれて……
あ!いつの間にか名前で呼びあってる!
私もお友だちつくるの上手になってきたのかなぁ
宥「えへへ……」
誠子「どうしました?」
宥「なんでもないよっ」
誠子「……ふふ」
誠子ちゃんがそっと頭を撫でてくれる
とっても優しい手つきできもちいいなぁ
……あれ?私、さっきからご主人様にお世話されるわんちゃんみたいになってる?
誠子「……あ、すいません!宥さんの方が先輩なのに頭撫でちゃったりして!」
宥「んー?誠子ちゃんの手、きもちいいからもっとしてほしいなぁ」
誠子「……じゃあ、失礼します」
宥「えへへ……誠子ちゃん、こういうのなれてる?」
誠子「……大星とか、なんというか犬猫的な可愛がりかたをしてますけど……それで、つい」
宥「そっかぁ」
大星さん、かわいいもんねぇ
それじゃあやっぱり私も犬的な扱いかなぁ?
宥「わんわん!」
誠子「……かわいい」
えへへ……また撫でられちゃった
誠子「えっと、それでどうしたんですか?」
宥「?」
誠子「いや、その……さっき、宥さんに呼び止められたじゃないですか?なにか用があったんじゃないかなって」
宥「あっ」
忘れてた
宥「えっとね?……特に用事はなかったの」
誠子「そうなんてすか?」
宥「私、いっつもお散歩してて……ここで休憩してると毎日誠子ちゃんが荷物抱えて走ってたから気になっちゃって……それだけなの。 ごめんね?」
誠子「そんな、謝ることじゃないですよ……宥さんとのんびりできて良かったですし」
宥「そう?……えへへ、ありがとう」
誠子「毎日ここら辺走ってたのは……うち、お菓子の消費量とか多くて」
宥「部員さん多いもんねぇ」
誠子「いや、主に宮永先輩が……なんでもないです」
誠子「まぁ、それで買い出しとか私が行ってたんですよ」
宥「……そうなの?」
白糸台の部員さんは会場にも大勢来ているのに、団体戦メンバーの誠子ちゃんが?
誠子「……身体動かしてた方が落ち着くんですよね」
宥「……誠子ちゃん?」
誠子「覚えてます?準決勝」
宥「……うん」
私たち阿知賀女子は一位抜けして、白糸台は二位通過だった。 誠子ちゃんは……
誠子「マイナス59400は……さすがに、無いですよねぇ」
宥「……決勝は、良かったと思うよ?」
誠子「私も、思ったよりよく打てたと思いますよ?」
誠子「うち……白糸台は複数のチームを組んで、部内戦で最も成績の良かったチームが大会に出るんですよ」
宥「うん……聞いたことあるよ」
誠子「まぁ、宮永先輩が圧倒的すぎてこの三年は実質宮永先輩のチームが大会に出る状態だったんですけど」
誠子「……宮永先輩が一年生でインターハイ優勝してますから、今の一・二年生は先輩に憧れて、って子が多いんですよ」
誠子「もちろん私も例外じゃなくて……虎姫に誘われた時は本当に嬉しくて」
誠子「どの部員も当然、弘世部長と宮永先輩の虎姫入り狙ってましたからね……勝ち続けて、実力を示さないといけなかった……周囲を納得させるだけの力を示さないといけなかったんです」
誠子「私一応、部内のチーム対抗戦でも、対外試合でも、団体戦の副将戦で二位以下なんてあの試合まで取ったことなかったんですよ?」
誠子「でも、結局白糸台は準決勝二位通過、優勝も逃してしまって……」
誠子「部の性質上、みんな他チームにライバル意識はありますし……失点量は私が圧倒的ですし、ちょっと居づらいんですよね」
誠子「虎姫のみんなは私を責めたりしないけど……私が気にしちゃうというか、それでみんなもちょっと気まずそうというか」
誠子「あー……ごめんなさい!こんな話を……準決勝から対戦してた宥さんに言ったらダメですよね」
……誠子ちゃん、辛そうだ
宥「……いいよ?私が聞いてあげる」
誠子「でも……」
宥「誠子ちゃんは真面目で、しっかりしてるから……回りの子にもそういう,弱いところは見せづらいんだよね?」
宥「チームの子たちにも心配かけたくないんでしょ?私なら、ほら……誰にも言わないから」
宥「んーとね?一回吐き出した方が楽になると思うなぁ」
……私も、お母さんの時はたくさん泣いて、それから少しずつ立ち直っていけたんだもんね
――――――
誠子「……ありがとうございます。 ちょっと楽になりました」
宥「えへへ……どういたしまして」
誠子「なんか、宥さんってぽわぽわしてて……守ってあげなきゃいけない感じに見えましたけど……」
誠子「なんというか……やっぱりお姉さんなんですね」
宥「うん!私はお姉ちゃんだよ~?」
誠子「あはは……妹さんが羨ましいです。 私一人っ子ですし……宥さんみたいなお姉ちゃんがほしかったかも」
宥「……それじゃあ、私がお姉ちゃんになってあげる!」
誠子「へ?」
宥「ほら、お姉ちゃんって呼んで?」
誠子「え、いやいや!さすがにそれは……!」
顔赤くしちゃって、誠子ちゃん照れてるんだ……かわいいなぁ
宥「いいからいいから……ほら、お姉ちゃんが甘やかしてあげる!」
たまには強引なのもいいよね?
隣に座る誠子ちゃんを抱き寄せて、今度は私が頭を撫でてあげる
誠子「わわっ!」
宥「えへへ……いい子いい子」
誠子「あ……う……」
宥「ほら、ね?」
誠子「お……お姉ちゃん……?」
――――――
宥「玄ちゃ~ん!ただいま~!」
玄「おかえり!お姉ちゃん、今日もご機嫌だねっ!」
宥「うんっ!今日は妹ができちゃった~」
玄「ふぇ!?」
宥「ふんふ~ん♪」
玄「お父さん……いつの間にか再婚したの!?」
宥「!?」
カン!
誠子ちゃん大好きです。決勝ではどうかプラスで終わって欲しい……
次回は巴さんで。ビジュアル的にどストライクなんだけど描写薄めで辛い。日和も永水は基本ボケっぱだし…
あ、またキャラ名挙げていただければ拾ってこうと思います
次回は巴さんで。ビジュアル的にどストライクなんだけど描写薄めで辛い。日和も永水は基本ボケっぱだし…
あ、またキャラ名挙げていただければ拾ってこうと思います
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