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元スレ久「須賀君、悩みとかない?」 京太郎「はい?」

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スレッド評価: スレッド評価について
みんなの評価 : ★★★
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501 = 1 :

 まあ、そんなこんながあってお開きとなったわけだが――

 後日、須賀京太郎が龍門渕邸を訪れた際に、国広一にとってある転機が訪れたりするとかしないとか。

 何にせよ……コメディっぽい雰囲気で彼が苦労する事件があった、とだけ記して終わりにしたいと思う。


                                    【GIRLS und PC編】 ――カンッ

502 = 1 :

やばいともきー書くの楽しい
そして一ちゃんと仲良くなる話も凄い書きたくなった

安価【お悩み相談相手】

1 鶴賀の面子
2 阿知賀の面子

↓1

505 = 1 :

>>503 2 阿知賀の面子
安価置いて寝ますー

【安価】高鴨穏乃  【安価】新子憧
↓1          ↓2

【安価】松実玄   【安価】松実宥
↓3          ↓4

【安価】鷺森灼   【安価】赤土晴絵
↓5          ↓6


※極端なエロ、グロ。著しく道徳に反する悩み
要するに流石にこれは洒落にならないと判断したものは1個づつズレ

506 :

皆がジャージの下を履けとうるさい

507 = 499 :


回りから遊んでると見られてて辛い

508 :

おもちのすばらしさを皆が分かってくれない

509 :

妖精に攻撃が効かない

510 :

服の趣味を誰も理解してくれない

511 :

まだプロの世界に未練が残ってる

512 :

妖精に攻撃が効かないってポケモンのドラゴンタイプのことかw

513 :

>>512
クロチャー狙いがズレたんでしょうね

514 :

ワロタ
ゆうちゃー廃人か論者でいんじゃね

515 = 499 :

ユウチャーが自分のポケモンにクロチャーと名付けて可愛がってるのか……胸熱

516 :

妖精ワロタ
一瞬お薬やってるのかと思った

517 :

>>509これワロタ

518 :

皆さん悩み相談が真剣でわろた

519 :

比較的原作沿いでありえそうな他の悩みをぶっちぎって異彩を放つ妖精へのダイレクトアタック
こういうの好き

521 :

>>509
氷の妖精とか冬の妖精とか、宥に寒い思いをさせる妖精を追い払おうとしても追い払えないとかの意味かと思ったww

522 :

君メルヘンやなあ!

523 :

服装の話題が多いな

525 :

PHENOMの時代はロマンがあったのになぁ

526 :

>>524
エアーマンが倒せない、ならぬ『宥「⑨チルノが倒せない」』ってのを連想しちゃった

527 :

結構な間隔が開いてるので生存報告
年末進行のせいで色々テンパってるという……申し訳ありません
多分明日には

関係ないですけど、部長は自分で書けばいいじゃない精神でいくべきだと悟りました

【悩みまとめ】>>506-511
高鴨穏乃:皆がジャージの下を履けとうるさい
新子憧 :回りから遊んでると見られてて辛い
松実玄:おもちのすばらしさを皆が分かってくれない
松実宥:妖精に攻撃が効かない
鷺森灼:服の趣味を誰も理解してくれない
赤土晴絵:まだプロの世界に未練が残ってる

528 :

妖精の場違い感が酷い...

529 :

>>1は宥の悩みをどう書いてどう処理するのか全然予測できねえww
ここの部長はすっげえ可愛い性悪だから、投下されるのが待ち遠しくて堪らん

530 :

誰か、京:『ルパン・ザ・ファイヤー/ルパン三世のテーマ』/久:『Butter-Fly(桃井Ver)』
な感じの京久コンビ物下さい
京太郎は『LOVE LOVE SHOW』でもいいです

ぼちぼちいきます

531 = 1 :



【幕間】

532 = 1 :


 某日、清澄麻雀部。

 時節柄気温が下がったので、暖房を入れだしたそんな部室。

 須賀京太郎はある事を決意し、口を開いた。


京太郎「部長……打てますか?」


 余談ではあるが、台詞は以前に打った、宮永家家族麻雀で影響されたらしい。

 簡単に言うと、軽度の厨二病発症だ。

 影響元は宮永父こと宮永界――若き頃は人鬼だったのかもしれない――である。


 ちなみに、同卓した宮永家長姉はどこぞのシャイニングフォームを凌駕した強さで、

 妹はアルティメットフォーム的な何かだったらしい。

 比喩表現なので深く追求してはいけない……宮永家って怖い。


「珍しいわね……」

「IH終わった頃から卓に誘っても打たずに、ずっとネト麻してたのに」

京太郎「ちょっと思うところがありまして」

「ふーん……なるほどねー」


 竹井久の年下の弟見るような、微妙に生暖かい微笑みが一つ。

 照れ隠しで頭を掻きつつ、須賀京太郎は、見透かされてる気がするな、との感慨を抱いた。


 尚、打たなかった理由は簡単だ。

 単純に皆と同卓するには、基礎とかそういう諸々がお話になっていない、そう感じたから。


 だからこそ、教本やネト麻で勉強をしていたのである。

 当たり前だが、その事は宮永咲には伝えてあったりする。

533 = 1 :


 そして、今になって打とうとする理由も簡単で。

 教えてもらっていた幼馴染より、『もう初心者は完璧に脱してるよ』と、お墨付きを頂いたからだ。


 そうなれば麻雀を打つ者として、部の仲間へある種の憧れを抱いている彼のこと。

 皆と打ちたい、と思うのは当然の因果なわけで。


 まあ、実際はもっと早く初心者の領域は脱し、現状の中級者以上となっていたのだが……

 その幼馴染がすんなりと告げなかった理由は、察して頂きたい。


 おそらく大義名分は大事、ってことだ。

 須賀京太郎がその辺りの機微を、欠片も汲み取ってないのは哀しい事実だったりする。


「じゃあ――誰か須賀君と打ちたい人?」


 その言葉に、はーい、と須賀京太郎以外の全員――竹井久も含み――が挙手した。

 といっても、原村和は挙手の際、声を出してはいないが。

 ジャンケンで決めましょうか、と竹井久の鶴の一声があり、集まる女性陣一同。


 ……で、どうなったかといえば。 


優希「負けちゃったじぇ……仕方ない、観戦するかー」

「……京ちゃん、後ろで牌譜取ってあげるね」

「なんだか罪悪感が」

まこ「こればっかりは運じゃしのう」

「私とまこと和ね……」


「……これって、私達が新生須賀君の初めての女の子ってわけね」

「しかも4P、男冥利に尽きる! やったね、須賀君!」

京太郎「……部長、男って女の人の下ネタは結構引くんですけど」

「いつも男同士ではしてるのに?」

京太郎「うっ、がっ、それは……ノ、ノーコメントで」

「その答え方は『してます』って、言ってるようなものよ」


 そんな漫才のようなやり取りがあり。

 洗牌され、背を向けて置かれた四種の風牌を順番に掴んだ。

534 = 1 :


「……南、ですね」

まこ「北じゃな」

京太郎「西、っと」

「当たり前だけど――東ね」


 掴み取りにて、仮親となった竹井久が席に座り、各々も腰を下ろした。

 宮永咲、片岡優希は椅子を須賀京太郎の後方に置き、それに座る。

 竹井久の腕が伸ばされ、卓中央に向かう彼女の細くしなやかな指。


 起親という、最初の運命を決める為に、踊る賽の目。


「……四・一(じご)――四・五(じく)、っと」


「起親なのはいいけど……地獄って語呂なのは縁起が悪いかもね」

「四(死)が二つも入ってるし……なんちゃって!」


 おどけた調子だ。

 ブラックユーモア過ぎるのではないだろうか。

 竹井久に突き刺さる、他の部員の呆れが混じった視線。


「場を和まそうと思って、少しボケてみただけなのに」

「皆そんな目で見なくていいじゃない……」


 泣き真似しても無駄だったりする。

 他の三人の嘆息が零れた。


「まあ……始めましょうか」


 眼差と声音に真剣な色が帯びた。

 締めるとこは締めるんだよな、この人……そして、いつもはユーモアを。

 と、須賀京太郎は誰かの格言――全くその通りであると思う――を思い出す。

 そして、原村和、染谷まこと同時に、肯定を示す為に頷き――


 ――対局が始まった。

535 = 1 :


■□■

 一~九:萬子
 ①~⑨:筒子
 1s~9s:索子

 ルール:半荘戦
 持ち点:3万点持ち

 赤ドラ:あり(萬子に一つ、筒子に二つ、索子一つ)
 槓ドラ:全て即乗り

 喰い断:あり 後付け:あり  喰い替え:なし 二飜縛り:なし
 飛び:あり 役満の責任払い:あり 大明槓の責任払い:あり

 多家和:なし、全て頭跳ね 流し満貫:なし
 オーラス:親の和了止めあり、聴牌止めあり、途中流局は連荘

 九種九牌、四風連打、四家立直:途中流局

 二人以上槓している状態の時、四開槓流局:あり(槓時点で途中流局)
 槓した者が一人しかいないなら四開槓流局しない。但し五回目の槓は出来ない

 国士無双は暗槓でも槍槓可能。ただしフリテン十三面待ちの場合は自摸和了のみ


 東家:竹井久    30000
 南家:原村和    30000
 西家:須賀京太郎 30000
 北家:染谷まこ   30000

536 = 1 :


 須賀京太郎は己の胸の鼓動が、やたら早く鳴っている事を自覚する。

 自身の唾を飲む音がやたら大きく聞こえた。


 卓の下で、右手を一度固く握りしめる。

 そして、開く。


 ……これは緊張だろうか。

 ――否、違う。


 ……それとも焦燥だろうか。

 ――否、違う。


 ……これは、きっと。

 きっと、挑戦への高揚だ。


 手牌に視線を落とし、黙考。

 心は熱いまま。

 思考は冷静に。


 東一局0本場 ドラ:南


 配牌:須賀京太郎                                                    
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
 │二│二│四│②│③│④│⑦│⑧│.1 │.4 │.5 │  │  │
 │萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│索│発│中│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘


京太郎(……ドラ無しだけど、そう悪くない。自摸によっちゃ早いタンヤオ聴牌が見込める)

京太郎(全員格上なのは解りきってるけど――さて、どこまでやれるか)


 起親の竹井久が牌を自摸り、手出しの①筒を切る。

 そうして東一局0本場は開始された。


 自摸り、捨てる。

 自摸り、捨てる。

 その繰り返しで生まれる、卓と牌の奏でる音が響く。


 二巡目。

 須賀京太郎が河に置いた東に反応する者もなく、手出しと自摸切りで淡々と進む。

 静かな滑り出しであった。


 動きがあったのは九巡目。機先を制したのは――

537 = 1 :


 ――須賀京太郎。


 手牌:須賀京太郎
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │二│二│四│②│②│③│④│④│⑥│⑦│⑧│.4 │.5 │ │③│
 │萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│ │筒│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘


 ③筒自摸。


 配牌から筒子が順調に伸び、急所である嵌張を引き入れ、3s6s待ちにて聴牌。

 常に確認はしていたが、須賀京太郎は改めて河を鋭く見た。


 河:竹井久
 ①一発1s一八
 ⑧③九


 河:原村和
 九⑨東北発南
 南南1s


 河:須賀京太郎
 1s東西9s七発
 ①九


 河:染谷まこ
 ⑨西②8s西8s
 5s一


京太郎(……嵌③筒を自摸るとは幸先がいいぜ)

京太郎(部長は直近の③九と自摸切り、染谷先輩は5s一と手出し)

京太郎(和はドラの南から全て自摸切り……広い一向聴か聴牌ってとこか?)

京太郎(いや、和なら普通の手の場合、東一先行聴牌ならまず立直が入る)

京太郎(つーことは、聴牌はまだだと思っても良い……)

京太郎(何にせよ、ここが埋まればダマでいく場面じゃないな……)


京太郎「立直(リーチ)!」


 気合が篭った立直宣言が為された。

 河に放たれ、曲げられる四萬。

539 = 1 :


(……二家が先行、この場況と自分の牌姿)

(――当然、オリ)


 ノータイム手出し、①筒。


 揺るぎの無い冷静な判断だ。

 原村和、彼女の真骨頂は――凍牌と云うべき、澄んだ氷の如き判断力による、その打ち筋。

 それを存分に発揮し、彼女はこの局、ベタオリを選択した。


 ……そういえば、彼女の父親――原村恵――は学生時代に『氷のK』とか呼ばれていたのだろうか。

 もしそうであれば、前述した宮永父とあわせて考えると……

 麻雀の強さは遺伝しちゃったりするのだろうか。

 そこんとこどうなんですかね、この世界。


 まあ、それはさておき。


 当たり牌である、須賀京太郎の3s6sも、染谷まこの④⑦筒も。

 場に顔を出す事がなく進んでいく。


京太郎(五萬……際どい所を――通せっ)

まこ(……)

(ん……五萬、入り目の後先ってやつかしら)


 手牌:竹井久

 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │二│四│六│⑦│⑦│.2 │.2 │.2 │.3 │.3 │.3 │.6 │.8 │ │五│
 │萬│萬│萬│筒│筒│索│索│索│索│索│索│索│索│ │萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘


 聴牌となる五萬自摸。

540 = 1 :


(タンヤオのみだし……)

(ダマで暗刻手に変化、危険牌自摸で回すのも視野に入れて良いけど――)

(――ここは、こう!)


「立直っ!」


 二萬が鋭く曲げられた。

 嵌7s待ちだ。


(効率? リスク管理? 後追いの愚形だから自重?)

(親だし、それだけ考えるのなんて面白くないわ――)


京太郎(追いつかれた……流石部長)

京太郎(悪そうな顔で楽しそうに追っかけ立直なんてしちゃって……)

京太郎(堪らないなあ……そういう部長の熱いとこ、好きっすよ――)



京太郎・久((――捲り合い、上等!))



(なんだか二人が燃えている気がしますね……安牌っと)

京太郎(……げ、三萬。何で危なそうなとこばっかり――行けっ!)

まこ(シャボで受けてたら、とか考えても仕方ないしのう……ん、安牌)

(きたぜ、ぬるりと、ってね――白。生牌だけど……通せっ)


 誰も当たり牌を掴まぬまま進んでいく。

 まるで、この局の勝者を決めかねているように。


 が、数巡後。

 最初に当たり牌を掴んだ者がいた。

541 = 1 :


 それは染谷まこであった。


 手牌:染谷まこ                                              
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐       ┌─┬─┐
 │三│三│六│七│八│⑤│⑥│.4 │.5 │.6 │ │.6 │ ┌──┤五│六│
 │萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│索│索│索│ │索│ │四萬│萬│萬│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘ └──┴─┴─┘


 自摸、6s。


まこ(――っ!)


 危険牌自摸で僅かに思索。

 彼女は眼鏡をずらし、裸眼で場を慎重に眺める。


まこ(……押す? いや、それはない……多分これは刺さる――)

まこ(――なら、一旦回す!)


 一向聴戻し、打三萬。


 この選択により局面は。

 以前、染谷まこがお調子者コンビと称した。

 須賀京太郎、竹井久――二人の一騎打ちの様相を呈した。


(まこは手出し安牌……オリか回ったってとこね……ん、また白)

(私空気ですね……現物)

京太郎(……赤⑤筒かよ! さっきから危険そうな所を引き過ぎぃ!)


 中盤、須賀京太郎の先制立直により始まったこの状況。

 残すは、もはや後二巡……そして、その結末は。

542 = 1 :




 ――うつしみは 欠けゆくばかり 月光の

       藍なる影を 曳きて歩まむ――
 

 二十六夜月を彷彿とさせる彼女の笑み。

544 = 1 :






    須賀君、それは通らないなあ――



545 = 1 :


 毀れされた言葉。

 続いて。


「――栄和(ロン)」


 和了形:竹井久
                                                     ┌─┐
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┤.7 │
 │四│五│六│⑦│⑦│.2 │.2 │.2 │.3 │.3 │.3 │.6 │.8 │索│
 │萬│萬│萬│筒│筒│索│索│索│索│索│索│索│索├─┘
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘   


「……裏は乗らず、3900」


 須賀京太郎の7s放銃で決着となった。


 東一局0本場:結果

 東家:竹井久    30000→34900
 南家:原村和    30000
 西家:須賀京太郎  30000→25100
 北家:染谷まこ   30000

546 :

悪い笑顔ですねぇ……

548 = 1 :


 東一局1本場、十一巡目。


 手牌:須賀京太郎

 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
 │四│五│六│④│④│⑤│⑥│⑦│⑧│.6 │.6 │  │  │ │  │
 │萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│西│西│ │西│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘
       赤


 自摸牌は自風である西。


京太郎(……あの配牌から、良くここまで育ってくれたもんだ)

京太郎(――打④⑤⑧筒、どれかで聴牌)

京太郎(だけど――)


 河:竹井久
 北白⑨二2s九
 4s2s8s7s


 河:原村和
 9s南4s七八三
 ⑦白北三八⑨


 河:須賀京太郎
 九南②二①2s
 3s東中三

 河:染谷まこ
 白8s1s一⑨九
 1s九8s


 須賀京太郎は長考する。

 深く。重く。探るように思考の海へ。


京太郎(和が典型的な混一色気配……⑦筒が手出しで溢れた時点で聴牌してると思って良い)

京太郎(部長は鳴いてるものの、手出しで索子が続いてるから回ってるはず)

京太郎(染谷先輩も⑨自摸切り以降は全て手出し……部長と同様だろう)

京太郎(何にせよ、筒子は現物以外は和に刺さってもおかしくない)

549 :


京太郎(……)

京太郎(……)

京太郎(皆なら、こういう時どうするかな……)

京太郎(咲なら、上手く回すか、当たり牌をビタ読みして西槓からの嶺上開花しそうだ)

京太郎(優希なら、『直感で、がーっと立直して、ずばーっと一発自摸るんだじぇ!』とか思ってそう)

京太郎(和なら、予め場況と点数状況を思索して、ノータイムだろう)

京太郎(染谷先輩なら、場を慎重に見て経験から判断を下す)

京太郎(部長なら……敢えてシャボ受けして、当たり牌をすり抜けて一発自摸りそう)

京太郎(……ま、俺は皆と違うから、そうは出来ないだろう)


 だから。

 そう、だからこそ。

 この選択、この一打は――


 学んだ事を思い出す。

 幼馴染と共に。


 牌理は行け、と命じている。

 己の直感も、ここは日和るな、行くべきだ、と告げている。

 ならば。


京太郎「――通らば立直!」


 打④筒。

 栄和、との声は上がらず。

 千点棒が供託された。


 ――平凡かもしれないが、誰かの模倣ではなく。

 須賀京太郎の、意思が、確かに、込められた、一打であった。



 手牌:原村和
 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐       ┌─┬─┐ ┌─┐    ┌─┐
 │③│③│④│⑤│⑦│⑧│⑨│ ┌──┤①│①│ │  ├──┤  │
 │筒│筒│筒│筒│筒│筒│筒│ │①筒│筒│筒│ │東│  東│東│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └──┴─┴─┘ └─┴──┴─┘


(――④筒切り立直。強い牌を通してきますね、須賀君)

まこ(店仕舞い……現物)

(連荘は諦めるとして……とりあえず南っと)


 厳しい牌を通した須賀京太郎。混一色聴牌の原村和。

 この二人の一騎打ちとなった。

 奇しくも神の視点であれば⑨筒が純空の為、両者とも待ちは同聴となる③⑥筒。


 そして――十六巡目。

 この局の終止符となる、和了宣言が為された。

550 = 1 :





    ――自摸



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