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    元スレ金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」

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    351 :

    アイエエエ!?ニンジャ!?テイトクナンデ!?コワイ!ゴボボーッ!

    353 :

    アザヤカなジツ!

    354 = 336 :

    戦闘シーンを考えていたら遅くなった。ごめんよ。

    355 = 336 :

    金剛「なっ、なんの声デスか今のは!?」タタタ

    川内・那珂「…………あー」タタ…

    島風「やーめーてー!! やーめーてーよー!!!」ブラーン

    提督「反省が足らんようだな」

    島風「人!! 人が集まってきてるってば!!」

    提督「ああそうだな」

    島風「スカートの中が見えちゃう! 恥ずかしいってーっ!!!」

    提督「…………」ジッ

    島風「ひぃッ!?」ビクッ

    那珂「……君、何をしたの?」

    島風「なーにーもーしーてーまーせーんー!!」

    金剛「……何もしなかった?」

    瑞鶴「そう。何もしなかったの……」

    金剛「ああー……何もしなかったのネ……」

    川内「なるほどねー……」

    那珂「那珂ちゃん納得……」

    島風「どうして納得してるのーッ!?」

    356 = 336 :

    提督「島風」

    島風「ひゃぅッ!? な、なんですか……?」ビクビク

    提督「私がどんな立場の人間か答えろ」

    島風「て、提督……です……」ビクビク

    提督「自分の立場をなんだ」ジッ

    島風「くち、く……駆逐艦、です」ビクビク

    提督「上官に対しての第一声、貴様はなんと言った」

    島風「あ……あぁぁあぁぁぁ…………」ビクビク

    提督「答えよ」

    島風「あ、あなた……何者……と、言いまし……た…………」ビクビクビク

    金剛・瑞鶴・川内・那珂(こうなって当たり前よね……)

    提督「何か言う事は」

    島風「──ごめんなさい!! 提督に不敬を働いてごめんなさいっ!!」

    提督「よろしい」クルクルホドキホドキ

    島風「う、ぅぅ……」

    357 = 336 :

    提督「…………」ジッ

    島風「ヒッ──!」ビクッ

    島風「あ、あの……何か、罰が与えられるのですか……?」ビクビクビク

    提督「うん? 既に罰は与えただろう」

    島風「え……?」

    提督「お前は私に不敬を働いた」

    島風「はい……」ビクッ

    提督「私は捕まえて吊るした」

    島風「…………」ビクビク

    提督「お前は自分の過ちを認め、そして謝っただろう」

    島風「…………?」

    提督「罰はそれで終わりだ」

    島風「……え!? か、軽すぎじゃないですか!?」

    金剛(やっぱり最初はそう思いますよネー)

    提督「知らん。この鎮守府は私の城だ。私のやりたいようにやらせてもらう」

    島風「……なんだか凄い人ですね」

    提督「…………」

    島風「──申し遅れました! 私、駆逐艦の島風です! スピードなら誰にも……提督以外に負けません! 速きこと、島風の如し、です!」ピシッ

    提督「うむ。よろしく」

    ……………………
    …………
    ……

    358 = 336 :

    提督「──さて、第二艦隊も見送ったところで第一艦隊の編成を発表する」

    提督「カムラン半島へ出撃する第一艦隊の旗艦を金剛。続いて瑞鶴、島風。以上だ」

    金剛「提督。一つよろしいデスか」

    提督「なんだね?」

    金剛「建造直後の島風をいきなり出撃に出すのは少々、酷じゃないデスか?」

    提督「私が留守の間、この母港を守ってもらわないといけない。そこに島風を置く方が酷だろう」

    提督「そして、私のやり方を覚えて貰い、尚且つ経験を積ませたいから連れて行く。金剛と瑞鶴が一緒ならば大丈夫であろう」

    金剛「ナルホド……」

    提督「他に質問のあるものは居ないか? …………居ないようだな。では、第一艦隊、出撃」

    提督「川内、那珂。 私が居ない間、母港を守ってくれ」

    川内・那珂「はい!」

    ……………………
    …………
    ……

    359 :

    かれこれ14時間も投稿を続けている>>1
    彼もまたモノカキの才に恵まれたニンジャの一員なのであった

    (睡眠時間大丈夫?雷、ちょっと心配だわ…)

    360 = 336 :

    島風「提督もついてくるんですね」

    提督「そうだ」

    島風「…………なんか納得しました」

    金剛「あんまり驚かないのデスね?」

    島風「提督の凄さはもう身に染みてますから……」ブルブル

    瑞鶴(そりゃあ、あんな事されたらねー……)

    提督「──敵も近くに居ないようだ。今の内に島風に海の上での決まりを教えておこう」

    ~提督説明中~

    提督「守らなかったら吊るす」

    島風「はいっ!!」ピシッ

    提督「…………瑞鶴」

    瑞鶴「うん。偵察機を飛ばすわね」

    島風「え?」

    金剛「敵よ、島風」

    島風「え、ど、どこ?」

    361 = 336 :

    >>359
    なんか微妙に集中力が保たないと思ったら、そんなに書いてたのか……。
    恐るべし、書きたい物語。

    362 = 336 :

    瑞鶴「──提督さん、二時の方向に重巡リ級一隻、軽巡へ級二隻、駆逐イ級一隻、ロ級二隻。陣形は単縦陣みたい」

    提督「…………重巡に艦攻、軽巡一隻に艦爆で先制攻撃。その間に金剛と島風は戦闘準備をしなさい」

    瑞鶴「了解!」

    金剛「──準備オッケーネー!」

    島風「は、はやっ! 連装砲ちゃん、お願い!」

    提督「…………準備ができたようだな」

    ──ッドォォォン!!

    瑞鶴「提督さん、艦攻の攻撃を駆逐イ級が庇ったみたい。軽巡、駆逐、共に一隻撃沈よ!」

    提督「よし、総員戦闘開始。金剛、敵重巡へ斉射。瑞鶴、第二次攻撃隊発艦。島風、蛇行を繰り返して最後尾の駆逐艦へ付かず離れずの距離を維持できるか?」

    島風「……ちょっと怖いけど、行きます!」

    提督「良い返事だ。瑞鶴の攻撃で一隻だけ切り離す。切り離せたら主砲で斉射しろ」

    金剛・瑞鶴・島風「はい!」

    リ級・前方ロ級・後方ロ級「!!」ドンドンッ!

    島風「へへーん! そんな攻撃、当たらないんだから!!」ヒョイヒョイ

    363 = 336 :

    提督「金剛、今だ。放て」

    金剛「バーニング・ラァァアアブ!!」

    リ級「!?」 撃沈

    提督「瑞鶴、敵進行方向の逆側から前方駆逐ロ級を攻撃。後方の駆逐ロ級を引き剥がせ」

    瑞鶴「はい!!」

    提督「そして──」

    島風「どこ狙ってるのー!? 遅いおそーい!!」

    島風「!! 前方の駆逐艦が大破炎上して、後ろの駆逐艦が回避行動を取った! ここね!! 逃がさないんだから!!!」

    後方駆逐ロ級「ピ、ギ──!!」 中破

    島風「あっ! 倒せなかった……! 砲身がこっちに──か、回避!!」

    後方駆逐ロ級「ガ──ッ!?」ドゴドゴッ 撃沈

    島風「──え?」

    島風「今の……艦載機の攻撃? ……護ってくれたんだ。ありがとう……」

    島風「よーし! 島風、もっと頑張ります!!」

    ……………………
    …………
    ……

    364 = 336 :

    よし、集中力が切れた!
    というわけで寝ます。また今日投下しますね。

    「吊るしたら集中力が漲るかな?」

    響ちゃん冗談にならないから止め──ひぎぃぁッ!?

    365 = 359 :

    乙です!

    また今日も楽しみにしてます

    366 :

    戦記ものとして純粋に期待しております

    367 :

    おつ

    368 :

    仕事終わりにまとめて読めるのを楽しみにしてます!

    ところでしばふ組ドコー

    370 :

    SSLはたいていどのスレでも見かける新手の荒らしだそうでとりあえずsageしてないやつはNG推奨とのことで

    371 :

    つかSSLってなんなん

    372 :

    スケベで 凄まじい ロリコン

    373 :

    ハラショー

    おもしろいスレだ。吊るすのは最後にしてやろう

    374 :

    >>370
    なるほど。つまり私はNGされるのか……。

    >>371
    「S(スーパー) S(サイヤ) L(ルイージ)だよ。その暗号っぷりから超セキュアの通り名もあるよ。この速報での取り扱いは、管理人に吊るされながら聞くと良いんじゃないかな」ブラーンブラーン

    375 = 374 :

    提督「戦闘終了、ご苦労」

    金剛・瑞鶴・島風「周囲に敵は居ません!」

    提督「よろしい」

    島風「あの、瑞鶴さん」

    瑞鶴「ん、なにかしら?」

    島風「さっきは護ってくれて、ありがとう。おかげで助かっちゃった」

    瑞鶴「それなら提督さんに言ってあげて? 島風の護衛に艦載機を割くよう指示をしたのは提督さんなの」

    島風「提督さんが……?」チラ

    提督「…………」

    島風「──助けてくれてありがとう! 嬉しかったよ!」

    提督「艦を護るのは私の務めだ」

    島風「むー。素直じゃないんだから」

    提督「時に島風。お前はヒットアンドアウェイを知っているか?」

    島風「え? んー……攻撃してすぐに離れるって戦法ですか?」

    376 = 374 :

    提督「そうだ。島風は他のどの艦よりも速い。その長所を生かしてヒットアンドアウェイで戦ってみると良いだろう」

    提督「攻撃を避けつつ射程に入り、攻撃をしてすぐに回避しつつ離れる。そうやって敵を撹乱できるのは恐らく、お前だけだ」

    島風「私だけ……?」

    提督「そうだ。島風が一番速いからだ。もしお前を追ってきたとしても、誰も追いつく事すらできんだろう」

    島風「私が、一番……」

    島風「────はい!! やっぱりそうよね! だって速いもん!」

    提督「だが、調子に乗ったら……」

    島風「しません! 吊るさないで!」ビクッ

    提督「うむ。心得ておけ。慢心は敵だ。僅かな慢心が艦隊の全滅を引き起こす事さえあるだろう」

    島風「はい!!」ピシッ

    ……………………
    …………
    ……

    377 = 374 :

    提督「今帰った」

    川内・那珂「おかえりなさいー」

    川内「提督、あの島風って子、どうだった?」

    提督「役に立ってくれたよ。そして、あの通りだ」

    島風「ハー……ハー……もう、走れない……疲れた……」グッタリ

    那珂「何があったのー?」

    提督「敵に空母が三隻居てな。輪形陣を組んでいて中々倒せそうになかったから制空権争いをしている時、島風に全力で避けてもらいつつ一番近くの空母に肉薄して、攻撃してもらった」

    川内「そんなに近く!? それって危なくない!?」

    提督「肉薄さえ出来れば逆に敵が盾となるからな。見事に指揮が崩れ、その間に制空権を取って空母の護衛艦を沈め、金剛と島風の砲雷撃で空母を撃沈してくれたよ」

    川内「島風が可哀想じゃないかな……」

    島風「無理矢理じゃないもん……はぁ……私が、希望したんだもん……へぅぅ……」

    那珂「え、自分から?」

    提督「ほら、水だ」

    島風「ありがと……。ん……」コクコク

    島風「ふー……。そうだよ、私から希望したんだよ」

    378 = 374 :

    那珂「そんな危ない役、どうして買って出たの? 近付く時に沈んじゃうかもしれないのにー……」

    島風「だって、島風にしか出来ない事だって、提督が、認めてくれたんだもん!」

    島風「それに、提督だったら絶対、ぜーったいに島風を沈ませないから!」

    川内(……ね、どうしてあんなに提督を信用してるの? 島風ってついさっき来た子のはずよね?)

    金剛(沈まないようにテートクが密かにサポート指示していたのデス。それを瑞鶴がバラしたのヨ)

    金剛(下手したら轟沈する状況だったのデスが、間一髪で助かりまシタ)

    川内(なるほどねぇ……。吊り橋効果ってヤツだっけ?)

    金剛(結果的にそうなりましたケド、絶対に考えてなかったでしょうネ。テートクですから)クス

    川内(提督だしねー)クス

    提督「ん、呼んだか?」

    金剛「イイエー?」ニコニコ

    川内「微笑ましい会話をしていただけですよー」ニコニコ

    提督「……そうか」

    ……………………
    …………
    ……

    379 :

    >>370-371
    運営すら見ないのかお前らは

    380 = 374 :

    提督「──よし、今日の書類の片付けは終わりだ」

    金剛「現在フタサンマルマル。凄いデス! 今まででベストタイムです!!」

    提督「秘書が有能で助かるよ」

    金剛「まだまだデース。いつか提督のスピードに追いつけるようになりマース!」

    提督「楽しみにしておこう」

    金剛「──あと、ここにも早くキスが欲しいですね。その先も勿論」

    提督「唇に指を当ててまあ積極的なことで」

    金剛「だってー。瑞鶴に負けてしまいますもんー」

    提督「なんの話だ」

    金剛「『提督になら身体を預けて良い』とか『艦娘は生殖能力が無いから戦闘に影響は無い』って聴こえましたよー?」

    提督「……どこまで聴いた」

    金剛「今言った所だけです。前後の話は聴いてませんけど、明らかにそういう話じゃないですか」

    金剛「髪を梳いたりするのは良いですけど、流石にそれだけは誰にも譲りたくないです」

    金剛「──提督、瑞鶴の誘い……受け取ったのですか?」

    381 = 374 :

    提督「勿論、拒否した」

    提督「それより、金剛が盗み聞きをするとはな。お前はそんな奴だったか?」

    金剛「言い出せなくてごめんなさい。シャワーを浴びようと通りかかった時、とても瑞鶴の大きな声が聴こえました」

    金剛「なんて言ったのかは分かりませんでしたが、何があったんだろうと思ってドアに手を掛けた時、さっき言った言葉が聴こえてきたのです」

    金剛「これは邪魔をしてはいけないなーと思ってその場をすぐに去りました」

    提督「成程。たしかに金剛らしいな」

    金剛「ぅー……信じてくれないですか……?」

    提督「言い方が悪かった。信用するよ、金剛」

    提督「だから昨日、急に甘えてきたのか」

    金剛「そうです……。私へ振り向いてもらおうと、少しだけ自分に素直になりました……」

    提督「うん?」

    金剛「あっ……」

    提督「聞かせてもらおうか」

    金剛「あう……ここ最近で一番の失敗でーす……」

    382 = 374 :

    提督「…………」

    金剛「…………」

    提督「……喉が渇きそうだな。金剛、新しく紅茶を淹れてくれ。新しい茶葉でな」

    金剛「えと……それは、私のも、ですか……?」

    提督「無論だ」

    金剛「くす……はい、少々お待ちくださいね」

    ……………………。

    提督「うむ。やはり茶葉が新しいと舌触りが良い。これは口が滑りそうだ」ズズッ

    金剛「…………」コクコク

    金剛「…………」フゥ

    金剛「……私ですね、本当は甘えん坊なのです」

    383 = 374 :

    金剛「できるなら、提督と四六時中くっついていたい、もっと提督に触れたい、髪を梳いてもらいたい──それくらい提督が大好きで、それくらい甘えん坊なのです」

    金剛「提督なら知っていると思いますが、私は金剛型戦艦の長女です。それ故、私には甘えれる相手が居ませんでした」

    金剛「榛名からは慕われ、比叡からは甘えられ、霧島からは頼りにされました。だから私は、妹達の望む姉になる為、頑張りました」

    金剛「強く、凛々しく、頼れる──そんな姉に、です」

    金剛「でも、私だって弱い心はあります。強い優しい人に憧れて、弱い自分を曝け出し、人に甘えたい気持ちなんていくらでもあります」

    金剛「だから、私は提督に心を惹かれました。提督は強く優しく、甘えさせてくれました。今も、弱い私を目の前にして真剣に話を聞いてくれています」

    金剛「……正直、怖いです、どんどん提督にのめり込んでいく自分が。いつか本当の私を曝け出した時、拒絶されるかもしれないんじゃ……と思っています」

    金剛「──あはっ、これが私の本性です」

    提督「…………」

    金剛「……ごめんなさい。普段、気丈に振舞っている私は、本当の私であって本当の私ではないのです……」

    384 = 374 :

    提督「……たしかに、普段の金剛からは予測が付かないな。だが、人などというものはそういうモノだろう?」

    提督「強い面と弱い面がある。矛盾した、本音と建前がある」

    提督「そう、私もだ」

    金剛「──え?」

    提督「先程、金剛は私を強い人と言った。だが、それは間違っている」

    提督「弱いなんてものではない。私は既に負けているのだ」

    金剛「…………ごめんなさい。私の頭では分からないようです……」

    提督「よい」

    金剛「……いつか、提督が良かったら教えてくれますか?」

    提督「……そうだな。約束しよう」

    金剛「…………」

    提督「…………」

    金剛「……………………提督、弱い私からのお願いです。その腕の中に、私を収めてもらって良いですか?」

    提督「……構わんよ」スッ

    金剛「ぁ──。…………ありがとう、優しい提督……」ソッ

    提督「紅茶が悪い」

    金剛「?」

    提督「紅茶が悪いんだ」

    金剛「くす──。そうですね、紅茶が悪いです────」

    ……………………
    …………
    ……

    385 = 374 :

    ~翌日~

    提督「さて……昨日忘れていた、新しい艦娘の実体化をしようか」

    金剛「誰が来るんでしょうかネー?」

    瑞鶴「空母系列と戦艦以外だったらなんでも良さそうよね」

    川内「できれば駆逐艦とか軽巡とかが良いのかな? 資材的にも」

    金剛「そうなんですよネー……もう少し良い遠征にも出ないと資材がカツカツなのデース……。かといって戦艦や空母を遠征に出すわけにはいきまセンし……」

    ……………………。

    天龍「俺の名は天龍。フフフ……提督、怖いか?」フンス

    龍田「…………」

    提督「…………」

    天龍「……あれ、どうした二人共?」

    瑞鶴(ちょっとちょっとちょっと!? あそこ物凄く怖いんだけど!?)

    (背筋が凍りそうだ……ここはいつから北国より冷たくなったんだい……)

    (な、何か龍と虎が見える気がするのです!!)

    金剛(あの天龍って子、そこが一番危険な場所と気付いていないのデスか……?)

    386 = 374 :

    龍田「…………」

    提督「…………」

    龍田「…………」タジ…

    提督「…………」

    龍田「…………!」ピシッ

    龍田「天龍型二番艦、軽巡洋艦の龍田です。提督さん、よろしくお願いします」

    提督「うむ。二人共よろしく」

    全員(何かの決着がついた──!!)

    天龍「ど、どうしたんだよ龍田? いつもと口調が違うぞ?」

    龍田「提督さん、天龍ちゃんのご無礼、私がお詫び申します。許してください」

    天龍「龍田!? こ、こんの野郎!! 龍田に何しやがった!!?」ジャキッ

    瑞鶴(あ)

    提督「…………」ジッ

    天龍「ひっ──! お、おおお俺は、負けないぞ!?」ビクッ

    提督「…………」

    天龍「…………っ」ガタガタガタガタ

    387 = 374 :

    龍田「あ、あの~……」ビクビク

    提督「龍田」

    龍田「──はい!」ピシッ

    提督「良い姉妹を持ったな」

    龍田「え? はい……?」

    提督「大切にするように」

    龍田「────勿論ですよ~」

    提督「さて……どうしてくれようか、天龍?」ジッ

    天龍「ひぃっ!? ご、ごめんなさい!!」ビクン

    提督「…………」

    天龍「~~~~!」ビクビク

    提督「龍田を護ろうとするその意思に免じて罰は無しだ」

    天龍・龍田「…………」

    天龍・龍田(良かったぁ~!)

    388 :

    (曙とか出てきたらどうなるんだろうな)

    389 = 374 :

    提督「だが、次はない」

    天龍・龍田「はいっ!」

    提督「ああそれと、天龍、龍田。礼儀さえ弁えておれば口調などは素で構わん」

    天龍「おう!」

    龍田「は~い」

    島風「……順応が早いわね」

    瑞鶴「ある意味島風と同じね」

    島風「私が速さで負けるなんてー……」

    金剛「いや……漢字が違いますからネ?」

    提督「では天龍と龍田はこれから出撃してもらおう。編成は──」

    ……………………
    …………
    ……

    390 :

    ああ…艦娘の個性が…
    加賀さんでたらいい秘書艦になるな

    391 :

    大丈夫、個性さんが生き返ったよ!

    392 = 374 :

    ~艦隊気投後~

    川内「提督ー、おかえりーっ!」ブンブン

    提督「うむ。今帰った」

    天龍・龍田「…………!」ガタガタガタ

    那珂「ど、どうしたの一体……?」

    金剛「それがー……」

    天龍『なんでだよ提督!! あとちょっとでアイツを落とせるんだ!! 死ぬまで戦わせろよぉ!!』 中破

    龍田『肉を切らせて骨を断つ……ふふっ……ふふふふっ…………え、提督さん……?』 中破

    金剛「という事がありましてー……」

    川内「ああ……提督なら絶対に認めないね、それ……」

    提督「吊るしてくる」

    天龍「あう……あぁぁ……」ビクビクビク

    龍田「だ、大丈夫よ、天龍ちゃん……私も一緒……一緒だから……」ビクビク

    ……………………
    …………
    ……

    393 = 374 :

    ~翌日~

    提督「まーた沖ノ島海域で大規模な戦闘か……」ズズッ

    金剛「またデスか?」

    提督「どうやら遠方偵察機が大量の敵艦を発見し、それの殲滅の為に元帥殿の艦隊が出撃したらしい」

    提督「戦術的には勝利したらしいが、元帥殿の艦隊も相当な痛手を負ったようだ」

    金剛「本当に、私達の管轄じゃなくて良かったデスね……」

    提督「まったくだ。まあ、今のところ私達の管轄になる事はないよ。なにせ戦力が足りないからな」

    金剛「あー……そういうのを考えたら戦力が小さいのも良いものですネー」

    提督「そうも言ってられないのが懐事情だがな」

    提督「それよりも気になるのがこっちだ」ガサッ

    金剛「? 南方海域にて非常に強力な敵艦が現る?」

    提督「航空戦、砲撃戦、雷撃戦、夜戦など、全ての攻撃を兼ね揃え、火力、装甲共に最高水準クラスのバケモノという話だ」

    金剛「なんデスかそれ……どうやって勝つんデスか……」

    394 = 374 :

    提督「出撃、撤退を繰り返して削りきるしかないだろうな。まったく、厄介なものだ」

    提督「どうやらこのバケモノ。この鎮守府の方面へ微速移動をしているらしい」

    金剛「ハァ!?」

    提督「あくまで作戦部の進路予測だが、この鎮守府が危ないと判断するのに充分だ」

    提督「できれば早く地盤と戦力を固めたいよ」

    コンコン──。

    提督「入れ」

    ガチャ──

    任務嬢「提督さん、元帥がお見えになりました」

    金剛「!」

    提督「お通ししろ」

    金剛「……………………」

    金剛(なんだか嫌な予感がするネ……)

    395 = 374 :

    元帥「やあ、大将。久し振りだね」

    提督「はっ」ピシッ

    金剛「……」ピシッ

    提督「数日前にお会いしたばかりですよ、元帥殿」

    元帥「そうだったかな? ハッハッハッ。この歳になると流れる時間が速くて敵わんよ」

    元帥「……うん? この艦娘は君の秘書かね?」

    金剛「ハッ! 英国ヴィッカース社より建造された高速戦艦金剛型一番艦、金剛デス!」ピシッ

    元帥「ふむ……。秘書としての板がしっかりと付いているみたいだね」

    金剛「ありがとうございマス。お茶をお出ししマスので、こちらに掛けてお待ちくだサイ」

    元帥「うむ。──ところで大将よ」

    提督「はっ。なんでしょうか」

    元帥「──なぜ瑞鶴が秘書でない?」

    金剛「────────!!」

    396 = 374 :

    元帥「君の報告書を見る限り、瑞鶴がこの鎮守府での最大戦力であろう?」

    金剛(…………ッ)ギリ

    提督「元帥殿、それは彼女の淹れたお茶を口にしつつ話をしましょう」

    提督「きっと納得されると思います」

    ……………………。

    元帥「ほう、これは美味い! こんなに美味い紅茶を飲んだのはいつ振りだろうか」

    金剛「光栄デス」

    提督「この通り、彼女はお茶を淹れるのがこの鎮守府で群を抜いています。仕事中での気力維持に欠かせません」

    提督「そして何よりも、瑞鶴と比べて仕事の出来が違います。艦娘全員を集え、二人を秘書としての評価を競った事がありますが、満場一致で彼女──金剛へ軍配が上がりました」

    元帥「なるほどなるほど。戦果を上回る功績がこの艦娘にあるのか」

    提督「はい。戦果についても目を通して頂いている通り、瑞鶴には及ばないものの非常に素晴らしいと言えます」

    元帥「なるほど、良く分かった」

    397 :

    凄まじい嫌な予感が……

    398 :

    ていうか先の新聞が既にフラグな件

    399 = 374 :

    提督「話は変わりますが、元帥殿がどうしてこの小さな鎮守府へ? 今はお忙しいと伺っておりますが」

    元帥「儂が忙しいと知っておるのならば、どうしてここへ来たのかも分かっておろう」

    提督「…………南方の強力な敵艦ですか」

    元帥「うむ。アレは非常に厄介だ。現存するどの艦娘よりも秀でた戦闘能力を持っておる」

    提督「仰るとおりです。倒すには複数の大規模艦隊を用いて出撃、撤退をし、敵に休む間を与えず繰り返すしかないかと」

    元帥「なるほど。敵を疲弊させて確実に討ち取る、か」

    提督「はい。複数に分ける事で待機中の艦娘は休みを取る事ができ、損傷した場合でも修復する時間が得られます」

    元帥「──だが、それをより確実に打開する方法を大将は知っておろう」

    金剛(え?)

    提督「……はい」

    元帥「建造の方はどうなっている?」

    提督「残念ながら、上手くいっていないです」

    金剛(……建造が上手くいっていない? それって本当なのデスか? あんなに速い艦娘が進水しましたよネ……?)

    400 = 374 :

    元帥「ふむ……」

    提督「…………」

    元帥「…………」

    元帥「儂の方も同じだ。良い艦船は出来上がるが、どれも問題のある物ばかりでな」

    元帥「南方の敵艦がこっちへ向かっている状況で、儂の艦隊も強化せねばならない。それゆえ、役目を果たせそうにない艦娘は──」

    元帥「──解体を繰り返すという事も辞さない程だよ」

    金剛(…………)

    提督「……心中、お察しします」

    元帥「ああ……儂も心が苦しい。大量の艦娘が解体され、普通の女子として暮らしているのだが……」

    元帥「不思議な事に、解体された艦娘はある日、忽然と姿を消す」

    提督「…………」

    元帥「それが艦娘というものなのだろう。特に手塩に掛けていた艦娘が消えるのは、とてもとても悲しいものだ」

    提督「はい。その気持ちはよく分かります。失うというのは、取り戻せないという事ですから」

    金剛(…………)


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