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    元スレ金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」

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    1 :

    今日から君がこの鎮守府の提督だ。

    ──なんで私なんだ。

    良い働きを期待しているよ。

    ──嫌だなぁ……。

    ──────
    ────
    ──


    提督「鎮守府に着任する。これより、艦隊の指揮を執る」

    「は、はい! よろしくお願いします、司令官さん!」

    (このお方が電の司令官さん……。若い男性ですが、少し小柄ですね)

    (でも司令官さん、目に光が無いのです……大丈夫なのでしょうか……)

    提督「……うん?」

    「どうか……なされましたか?」

    提督「他の艦船はどうした」

    「え、えっと……電、だけですよ?」

    提督「……は?」

    「ですから……その……この鎮守府に居る艦船は、電だけですよ?」

    提督「…………」

    提督「駆逐艦一隻で……」

    「は、はい?」

    提督「どうしろってんだクソがああああああッッッ!!!!!」

    「ひぃ!?」


    拝啓、亡き父と母へ。

    私の死亡先は海のようです。

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1382027738

    2 = 1 :

    「はう……はわわわ……あぅぅ……」

    提督「──あ。ああ、すまん。取り乱した」

    「びっくりしたのです……」

    提督「だが、駆逐艦一隻でどうしろと。なんだ? 爆弾積んで敵母港に神風特攻か?」

    「ち、違います違います!! 建造したり海で拾ったりして仲間を集めるのです!」

    提督「……は?」

    「え、えっと……ですから──」

    ~駆逐艦説明中~

    「──というコトなのです」

    提督「便利だな、これ→」~駆逐艦説明中~

    「はい?」

    提督「いや、こっちの話」

    提督「まあ、やる事は分かった。最初に頂いた資源もあるし、まずは建造でもするか」

    「はいなのです」

    3 = 1 :

    「……でも、どうして建造なのですか? 海で拾ってきた方が、消費資材が少ないと思うのですが……」

    提督「…………」

    「あ……すみませんすみません! 司令官さんに意見をするなんて──」

    提督「いや、気にしなくて良い。これからも意見は言ってくれ。私一人の考えでは足りん所もあるからな」

    「え? は、はい」

    (見た目と違ってマトモなお方……なのです)

    提督「さぁて、各資材はこんくらいでいいか。頼んだ」

    妖精「え、これマジで?」

    「?」

    提督「構わんよ。やってくれ」

    妖精「まあ、提督が言うのなら……」ガッチャガッチャ

    「あの……資材はいくらご投入を?」

    提督「オールナイン」

    「え?」

    提督「上限いっぱいとも言う」

    「ええええええええええええええ!!?!」

    4 = 1 :

    「な、何をやってるのですか司令官さん!? 貴重な資源がぁ!!!」

    提督「構わんよ」

    (えええ……司令官さん、本気ですか……? 身動き取れなくなっちゃいますよ……?)

    「まともじゃなかったのです……」

    提督「よく言われる。ああ、バーナーも使っちゃって」

    「うう……本当に大丈夫なのでしょうか……」

    妖精「あたしシーラネ」ゴォォォ

    ~新しい船が出来ました~

    提督「ほう」

    「あわ……あわわわわ……」

    金剛「英国で生まれた、帰国子女の金剛デース! ヨロシクオネガイシマース!」

    金剛「貴方が提督ですカー?」

    提督「ああ。これからよろしく頼む」

    金剛「ィエース! 私にまっかせてクダサーイ!」

    5 = 1 :

    金剛「そちらのレディのお名前は?」

    「あっ。い、電と申します。金剛さん、これからよろしくお願いします!」

    金剛「ハイ! 私の実力、見せてあげるネー!」

    金剛「ところで、他の艦娘たちはドコですか?」

    提督「いや、この鎮守府は君たち二人しか艦娘は居ないよ」

    金剛「……ホワッツ!? どういう事ですカ!?」

    「あの……司令官さんは今日、着任されたばかりなのです……」

    「そして、初めての建造で金剛さんが進水されたのです」

    金剛「……と、いうことは資材は」

    「雀の涙しか残ってないのです……」

    金剛「Oh……」

    金剛(私……来る鎮守府を間違ったのカモしれません……)

    提督「では、二人共。早速ですまんが、すぐに出撃準備をしてくれ。旗艦は金剛に任せる」

    金剛(大丈夫なのでしょうカ……私達……)

    6 :

    初っ端から米帝レシピだと

    7 :

    艦これ始めたばっかの俺とまったく同じことしてんだけどこの提督

    8 :

    最初に貰う資源でオールナインってできたっけ?

    9 = 1 :

    >>8
    確か出来なかったかと。
    あれだ。きっと本部からくすねてきた。

    10 = 1 :

    ~鎮守府正面海域~

    「あ、あの……司令官さん?」

    提督「うん?」

    「ど、どうしてついてきたのですか? 危ないですよ……?」

    提督「お前達が戦場に出ているのに、上官である私が安全な場所でのうのうとするのは嫌だ」

    提督「それに、無線だけでは分からないモノもある。的確な判断を下すなら前線に立つべきだ」

    金剛(言ってる事はマトモなのですガ、そもそもテートクが居なくなったら私達もどうしようもできないデス……)

    提督「そら、敵さんのお出ましだ」

    金剛・電「!」

    提督「総員、戦闘準備。敵影から見るに駆逐艦一隻だが気を緩めるな」

    提督「金剛、砲塔をそのまま左に20°調整」

    金剛「え?」

    提督「敵が射程内に入り次第そのまま斉射」

    提督「電はそのままでいい。もし第一射が外れたら撃つから準備だけしておけ」

    「は、はい!」

    金剛「わ、わかりマシタ!」

    11 = 1 :

    提督「──今だ。金剛、テーッ!!」

    金剛「ファ、ファイヤー!」

    ロ級「ヒャhhバゴォォン! 轟沈

    金剛「おお……」

    「す、凄いのです司令官さん! 金剛さん!」

    提督「気を抜くなと言ったはずだが?」

    「あっ──」

    提督「沈みたいのか、電」

    「ご、ごめんなさい!!」ビクッ

    提督「……分かれば宜しい」

    「あ……」ナデナデ

    (温かい……。司令官さん……変な人で、厳しいけど優しいのです)

    提督「…………倒した敵艦から何か浮かんでるな」

    金剛「あれは……艦娘のデータですネ。持って帰って実体化させまショー!」

    提督「なるほど。だから『拾ってくる』か」

    提督「私が回収する。金剛、電は周囲に敵が居ないか索敵をしてくれ」

    提督(……敵艦から艦娘のデータが出てくる、か)

    提督(まるで艦娘が沈んだのが深海棲艦みたいじゃないか……)

    12 :

    実際深海はどうなんだろうね
    俺は沈んだ艦娘説は考えたくねえな

    13 :

    もしそうだとしたら吐き気を催す邪悪

    14 = 1 :

    金剛「むっ! テートク! 2時の方向から敵艦が来ますヨ!」

    提督「! 数と艦種は」

    金剛「軽巡が一隻と……駆逐艦が二隻デス!」

    提督「そうか。連戦になるな」

    提督「二人共、まだいけるよな?」

    「い、電は全然大丈夫なのです!!」

    金剛「テートクのおかげでピンピンしてるヨー!」

    提督「良い返事だ。戦闘準備に入れ」

    金剛・電「ハイ!」

    提督「……なんだあれは。一隻だけ突出してきたぞ」

    提督「金剛、さっきは細かく指示をしたが……狙えるか?」

    金剛「イエース! この距離ならまず外しまセーン!」

    15 :

    倒した敵が那珂ちゃんのポラロイドを持ってるって?

    16 = 1 :

    提督「よし。金剛、テーッ!!」

    金剛「ファイヤー!」

    イ級「ひぃぃッッハアアアア!!!」ヒョイ

    金剛「なァッ!?」

    提督「チ。避けられたか。よく見てやがる」

    提督「電は突貫してくる敵艦を撃て。金剛は奥の軽巡だ」

    提督「避ける事も考えて前門と後門で時間差で撃つんだ」

    「電の本気を見るのです!」

    イ級「オウフ!」ボゴォン! 中破

    後方イ級「!」サッ ドォン! 大破

    「あ、当たったのです!」

    金剛「ノー! 敵旗艦を庇われまシタ!」

    提督「だが、速度を維持できなくなったみたいだな」

    17 = 1 :

    提督「敵から砲撃がくるぞ。総員、衝撃に備えよ!」

    「はわわわわ!!」miss

    金剛「シット! 至近弾!!」3ダメージ

    提督「反撃だ。奴等の息の根を止め──!?」

    提督「チッ……金剛は5時の方へ砲撃! 電は敵旗艦になんとしても当てろ! 挟まれた!!」

    金剛「なんですッテ!?」

    「ひぃ!」

    駆逐ハ級「奇襲はいいものですたい」

    金剛「なんて奴ネ! 主砲、砲撃開始!!」

    駆逐ハ級「俺は不可能を可能にsバガァァン! 撃沈

    軽巡ホ級「まだだ……まだ終わらんよ!」小破

    「だ、ダメです司令官さん! 止めれません!!」

    提督「もう雷撃距離か……。金剛は敵軽巡へ全門斉射。電は魚雷と主砲を残りの駆逐艦へ撃て」

    提督「相手の錬度は低いが、気を引き締めろ」

    18 = 1 :

    金剛「バーニング──ファイヤー!!」

    「な、なのです!」

    軽巡ホ級「馬鹿なぁ……ありえん……有り得んぞぉ!!!」 撃沈

    駆逐's「「へべれげッ!」」 撃沈

    提督「……周囲に敵影はあるか?」

    金剛「──ノー。反応無いデス」

    「…………電の方も何も反応ないです!」

    提督「よし……戦闘終了。二人共よくやってくれた」

    金剛「……テートク」

    提督「うん?」

    金剛「ごめんなさい……」

    提督「……話が見えないんだが?」

    「? ……?」

    金剛「……出撃の際、私はテートクが前線に来るのを見てミステイクだと思いまシタ」

    金剛「でも、テートクが指示を出してくれなかったら今頃、私達がこうして居られたかどうか怪しかったデス」

    金剛「だから、ごめんなさいテートク」

    「金剛さん……」

    19 = 1 :

    提督「気にするな。ここは鎮守府の正面海域。そして初出撃だ。気が緩むのも無理はないだろう」

    金剛「でも! それでも私は……間違っていました……。下手をしたら、私達はロストしていたのかもしれまセン……」

    提督「……分かった。その件については後で処罰を行う。今は母港に帰ろう」

    提督「こうして生きて帰れるのも、二人が居るからこそだ」

    金剛「テートク……」

    「司令官さん……」

    提督「さて、では帰ろう。だが、索敵を怠るなよ?」

    金剛・電「──はいっ!」

    20 = 1 :

    ~母港~

    提督「二人共、燃料と弾薬を補充。そして金剛は風呂を済ませた上で私の部屋に来るように」

    金剛・電「ハイ!」

    金剛「って、テートク? どうして入渠なんデスカ?」

    提督「至近弾を貰っていただろ、金剛」

    金剛「でも、資材が……」

    提督「足りるだろう?」

    金剛「あ、あの……掠り傷ですカラ、私はまだまだ大丈夫デ──」

    提督「金剛」

    金剛「サ、サー!」ビクッ

    提督「私の命令が聞けないと? それとも慢心してそのまま出撃し、沈みたいという願望でもあるというのか?」

    金剛「ノ、ノー! 違います! 私はただ──」

    提督「異論は認めん。例え掠り傷であったとしてもしっかりと修理をする事」

    提督「……その傷が原因で沈んだら、後悔してもしきれなくなる」

    提督「指示は以上だ。各員、指示が遂行次第、休息を取るように」

    「は、はい!」

    金剛「……はい」

    21 = 1 :

    ~提督室~

    コンコン──。

    提督「入れ」

    金剛「……金剛、出頭しまシタ」

    提督「そうか。少し待っててくれ」

    金剛「…………? 何をしているんデスカ?」

    提督「報告書だ。先の戦闘での戦果と被害、そして新たに手に入った駆逐艦二隻の進水とかのな。進水は明日だが」

    金剛(……出会った時も思いましたケド……テートクは、なぜ死んだ目をしているのでしょうカ)

    提督「待たせた。すまない」

    金剛「い、いえ!」

    提督「そうか。では早速、本題に入らせてもらう」

    提督「金剛、お前は私の行動が間違っている思っていた……と言っていたな?」

    金剛「……ハイ。ごめんなさい……」

    提督「気にするなと言っただろう?」

    金剛「それはダメです! それでは、いつかテートクを軽視する者が出てくると思いマス!!」

    金剛「だから、ケジメは大事デス!」

    提督「……ふむ。確かにそうだな」

    22 = 1 :

    提督「……………………処遇を決めた」

    提督「金剛、お前を私の私欲に使わせてもらおう」

    金剛「────!! ハ……イ……」

    金剛(そうデス……テートクも年頃の人デス……)

    金剛(本当はディスライクですが、これもケジメ、デス)ギシッ

    提督「どこへ座っている。こっちだ。椅子だ」

    金剛「……ホワイ?」

    提督「いいから、ベッドではなくこっちだ」

    金剛「……?」チョコン

    提督「じっとしていろよ」

    金剛「……あのー、テートク?」

    提督「んー?」

    金剛「なんで、私の髪をブラッシングしてるのデスか?」

    提督「処遇」

    金剛「処罰じゃないんですか?」

    提督「じゃあこれが罰だ。私への不敬と私への助言。二つ合わせて+-0といった所だろう」

    23 = 1 :

    金剛「では、なぜブラッシング?」

    提督「金剛の髪を梳きたかったから。言っただろう、私欲に使わせてもらうと」

    金剛「プッ……アハハハ!」

    提督「どうした、何がおかしい」

    金剛「だって、これじゃあ罰にならないじゃないデスカ」

    金剛「私、ブラッシングされるの好きですよ」

    提督「そうか。じゃあこれからもブラッシングをして良いか?」

    金剛「もっちろんデース!」

    金剛(テートクのブラッシング、とっても優しくて丁寧デス……気持ち良いネ)

    提督「だが、あまり男に髪を触らせるんじゃないぞ?」

    金剛「何を言ってるんですか、テートク」

    金剛「私、誰にでも触らせる訳じゃありませんヨー?」

    提督「……そうか」

    24 = 1 :

    金剛「ハイ♪ テートクだからデス!」

    提督「……そうか」

    金剛「むー……。反応が薄いデース……」

    提督「ほら、ブラッシングは終わりだ。しっかりと休息を取るように」

    金剛「ぅー……もうちょっとしてほしかったデース……」

    提督「あと三十分もすれば食堂が閉まるが?」

    金剛「そ、それはテリブルです! テートクも急ぎましょう!!」

    提督「あっこら! 私はまだ仕事が──」

    金剛「体調管理も仕事の内デース! 栄養をしっかり取らないと、指揮できなくなりマスヨ?」

    提督「……そうだな。食堂へ行こう」

    25 = 1 :

    金剛さん曰く、体調管理も仕事の内らしいので私も寝ます。

    また今日、投下させて頂きますね。

    27 :

    瑞鶴が出ると聞いて
    支援

    28 :

    瑞鶴良いよね。
    適当にレシピ回したら降臨してくれたし。

    29 :

    3ヶ月デイリーで空母レシピ回し続けて昨日ようやく出てきたんですがそれは…。

    30 :

    ~食後、提督室~

    提督「ふぅ……。さあ仕事だ」ギシ

    金剛「ハイ!」

    「なのです!」

    提督「……ところで、どうして二人がここに?」

    「秘書なのです!」

    金剛「テートク、私達も手伝いマース!」

    提督「ああ……そうか。まだ秘書を任命していなかったな」

    提督「だが、秘書は一人しか付ける気がない」

    金剛「それじゃあ、どっちか一人デスカ?」

    提督「そうなるな」

    提督(さて……どっちに任命するべきか……)

    提督(…………フタフタサンマル)チラッ

    提督「よし。二人共、そこのソファーに座ってくれ」

    提督「そのまま私から命令があるまでジッとしている事」

    金剛・電「?」

    31 = 30 :

    ~十分後~

    「…………」コックリコックリ

    提督(ふむ、やはり船を漕ぎだしたか)

    金剛(あ、ナルホド。まだ幼い電には眠い時間ネ)

    「!!」フルフル

    提督「…………」ジッ

    「!!!」ハッ

    提督「…………」

    「……………………」ビクビク

    提督「電、明日の為にゆっくり休んできなさい」

    「うぅ……ハイ……」トボトボ

    提督「ああそうだ、電」

    「……?」

    提督「今日一日ご苦労。また明日も私に力を貸してくれ」ナデナデ

    「!」

    金剛「!!」

    「ハ、ハイなのです! 司令官さん、金剛さん、お先に失礼します」

    ガチャ──パタン

    32 = 30 :

    提督「さて、金剛。正式に任命する。私の秘書となり、サポートしてくれ」

    金剛「…………あのぅ」

    提督「うん?」

    金剛「私も……撫でてもらって良いデスか?」

    提督「秘書になってくれるのなら」

    金剛「ハイ! なります! 高速戦艦金剛、提督の秘書の命、受け取りました!!」

    提督「うむ。よろしく頼む」ナデナデ

    金剛「はうぅ……」

    提督「それでは仕事だ。時間が押している。書類の左上に提出先が書いてあるから、それを分けてくれ」

    金剛「ハイ! 任せてくだサーイ!!」

    提督「ああすまん。その前に」

    金剛「?」

    提督「紅茶を淹れてくれ。金剛も喉が渇いたんじゃないか?」

    金剛「! 分かりました! 紅茶はとっても得意デース♪」

    提督「期待しているよ」

    ……………………
    …………
    ……

    33 = 30 :

    金剛「テートクー、日付が変わりましたヨー」

    提督「ん、もうそんな時間か」

    提督「金剛、君はもう休んで構わない。ご苦労だった」

    金剛「……テートクは?」

    提督「私はまだやらねばならない仕事がある。ほら、そこの書類の束とかな」

    提督「金剛のおかげで山から盆地くらいにはなった。これからも頼む」

    金剛「……終わるまで手伝ってはイケマセンか?」

    提督「ならん。体調管理も仕事の内なのだろう?」

    提督「朝になったらまだやっていない事を──ああ……失敗した」

    金剛「? テートク?」

    提督(電に起床時間を伝えるのを忘れていた。参ったな……方法は無くもないが、あまりやりたくない)

    金剛「?」

    提督「いや、気にするな。独り言だ」

    金剛「あの、テートク……私に何か出来る事はアリマセンか?」

    提督「……どうした?」

    金剛「私、もっとテートクの役に立ちたいデス! だから、何か指示を下サイ!」

    提督「……そうか」

    提督「じゃあ就寝しろ。起床はマルロクマルマルだ。マルロクサンマルまでに提督室へ来るように」

    金剛「ええええええええええ!!!? テートクーッ!!??」

    34 = 30 :

    提督「お前はこの小さな鎮守府の最重要艦だ。そして明日も朝から新しい事をする。早めに寝てくれないと困るのだよ」

    金剛「ウ。ううー……分かりまシタ……」

    金剛「……テートクもしっかりスリープして下さいヨ?」

    提督「約束する」

    金剛「…………一緒にスリーピングしても──」

    提督「金剛」

    金剛「ソ、ソーリー!! お先に失礼します!!!」

    提督「ああ、おやすみ」

    金剛「良い夢を!」

    ガチャ──パタン

    提督「…………小さなミスは数多く、大きなミスは三つ」

    提督「一つ、各資材を浪費した事」

    提督「一つ、電に中破した駆逐イ級ではなく軽巡ホ級へ攻撃させた事」

    提督「……一つ、金剛に必要以上に気に入られてしまった事」

    提督「……やり辛くなるな」

    35 = 30 :

    ~翌朝~

    提督「電、起きているか」コンコン

    ……………………。

    提督「…………」コンコンコン

    『わひゃあ!? はっはい!! どなたですか!?』

    提督「私だ。起きたか?」

    『し、司令官さん!? ご、ごめんなさい! 寝過ごしてしまいました!!』

    提督「いや、起床時刻を伝えていなかった私のミスだ。それに、寝過ごしてはいないから安心しておけ」

    『は、はい……ありがとうございます……』

    提督「三十分後のマルロクサンマルに提督室へ来るように。今日進水する駆逐艦達を紹介する」

    ……………………
    …………
    ……

    36 = 30 :

    提督「今日進水した二隻の駆逐艦を紹介する」

    「雷よ。カミナリじゃないわ。そこのとこもよろしく頼むわね!」

    「響だよ。その活躍ぶりから、不死鳥の通り名もあるよ」

    「雷ちゃん! 響ちゃん!」

    金剛「知り合いデスか?」

    「はい! 姉妹艦なのです!」

    「元気みたいね! 良い事よ!」

    「見た所、暁は居ないみたいだね。すぐに会えるかな」

    提督「安心しろ。すぐとは言わないが、見つけよう」

    「さっすが司令官! 頼りになるわ!」

    「司令官、スパスィーバ」

    金剛「…………」

    提督「そんなに悲しそうな目で見るな。どれくらい時間が掛かるか分からんが、金剛の姉妹艦も見つけるよ」

    金剛「……約束デスよ?」

    提督「ああ、約束だ」

    37 = 30 :

    金剛「──アハッ。センキュー、テートク♪」

    提督「…………」

    金剛「?」

    提督「さて、と。進水して間もないんだが、君たち駆逐艦は遠征してもらう」

    金剛(テートク、一瞬だったけど……すっごく悲しそうな顔してた……)

    「遠征?」

    「資源はとても大事だからね。遠征で資源を拾ってこなければ、すぐに枯渇してしまうだろう」

    提督「…………」

    「? 司令官?」

    「あの……あ、あの……」

    「……既に、ほとんど枯渇状態なのです」

    雷・「……え?」

    38 = 30 :

    ~駆逐艦説明中~

    「オールナインって……」

    「どうしてだい、司令官?」

    提督「深い意味は無い。強いて言うなら、直感だな」

    提督「だが、そのおかげで金剛が早期にここへ来てくれた」

    金剛「ヨロシクね!」

    「……司令官、ちょっと良いかな」

    提督「許可する」

    「見た所、母港もまだまだ小さい。そして資材は枯渇寸前と聞く」

    「戦艦である彼女をまともに運用できるのかい?」

    金剛「────っ」ビクッ

    提督「できんよ」

    金剛「あ……」

    提督「だから、君たち駆逐艦には遠征に出てもらう」

    提督「その間、金剛は母港を守ってもらおう。だが、ジッとさせる訳ではない」

    提督「装備の開発や秘書としての仕事もある。彼女には資材のあまり掛からない仕事を任せる気だ」

    金剛「テートク……」

    提督「──この鎮守府はまだまだ弱小だ。この国の明日の為に協力してくれ」

    39 = 30 :

    「勿論よ司令官! もーっと私を頼りにしても良いのよ?」

    「…………」

    提督「まあ、それは建前だ」

    「建前なのですか!?」

    「たて……まえ……」

    提督「当たり前だ。国の為など二の次。一番はお前達を誰一人とて沈ませず戦争を抜け出すことしか考えていない」

    「……それは、司令官としてどうなのかな?」

    提督「知らん。ここは私の城だ。私のやりたいようにやらせてもらう」

    提督「それに、上も私へ大して期待しておらんよ。尻尾さえ振っておけば後はどうとでもやれる」

    提督「例え、駆逐艦一隻を犠牲にして敵主力戦艦を五隻討ち取れる戦況でも、私は撤退命令を出す」

    「エゴだね」

    提督「エゴの塊だよ、私は」

    「……司令官としては最底辺だね」

    「響ちゃん!?」

    「でも、嫌いじゃない。むしろ好ましい」

    「司令官、作戦指示を。私は司令官の為に動きたい」

    提督「ああ。だが、その前に──」

    40 = 30 :

    ────────────。

    「なっ……ななななななんで!? なんで私は吊るされてるんだ!?」

    提督「上官への暴言は許されるものではない」

    提督「むしろこの程度で良かったと思え」

    「ひ、響ちゃあああん!!!」

    「──あ、下着が見えそうね」

    金剛「……プリティピンク」

    「ッ!?」ビクッ

    「さ、流石にこれは……恥ずかしいな……」

    提督「反省はしたか?」

    「……もし、していないと言ったら?」

    提督「そうか」クルクル

    「あ、あああ……! た、たたた高くなった!?」

    「完全に丸見えになったわね」

    「はわわわわわわ!!」

    「ひぅっ!!」

    41 = 30 :

    金剛「テ、テートク……そろそろ降ろしてあげては?」

    提督「…………」チラ

    金剛「!!」ビクッ

    提督「……あと二分吊るしておこう」

    「ううう……」

    ~二分後~

    「たった二分だったのに……物凄く長かった……」

    「だ、だだ大丈夫ですか、響ちゃん!?」

    「ん、ああ。どこも痛くないよ。……心はちょっと傷ついたけどね」

    提督「…………」ジッ

    「!! し、司令官! 先程の暴言、申し訳ありませんでした!!」

    提督「……本当に身体は痛くないか?」

    「え? はい……どこも痛くないですけど……」

    提督「ならば良し。駆逐艦達は十分……いや、二十分後までに遠征準備をして第二艦隊船着場へ集まるように」

    提督「私は先に待っている」

    42 = 30 :

    「……響ちゃん、本当にどこも痛くないのですか?」

    「うん? ああ、ほら、毛布に包んで縛られていただろう? どこも痛くないよ」

    「え、毛布……?」

    「あら、電ったら気付いてなかったの?」

    「あうう……」

    金剛「バット、どうして大人しく吊るされたのですか? 縛られたのは隣の部屋デスから、詳しくは分からないのデスけど」

    「あ、ああ……それは……」

    提督『抵抗すれば撃つ。言葉を発しても撃つ。大人しく縛られるのと、私にこの部屋を大規模な掃除をさせるのとどっちが良いか選びたまえ』

    「──と、リボルバーを眉間に当てられて……」

    金剛・電・雷(怖ーーーー!!!!!)

    「ハッタリなのは分かっていたから抵抗も出来たけど、従うことにしたよ」

    「ハッタリ?」

    「弾倉に弾が入ってないのが見えたんだ。間違っても弾が出ないようにする為だと思うよ」

    「心臓に悪いのです……」

    43 = 12 :

    俺の股関のリボルバーを見てくれこいつをどう思う

    44 = 30 :

    「──っと、毛布が汚れてしまったね。不用意に床へ置くんじゃなかった」

    金剛「あ……」

    「うん?」

    金剛「い、いえ。なんでもないデース!」

    金剛「その毛布、皆が遠征に出てる間に洗っておくヨー」

    「ん、了解した。頼んだよ」

    金剛「まっかせなサーイ!!」

    金剛(……この毛布、提督のベッドにあった物なのデス。という事は……)

    45 = 30 :

    >>43
    すごく……スイスミニガンです……。

    46 :

    >>43
    その豆鉄砲しまえよ

    47 :

    >>43
    その汚いデリンジャーを仕舞えよ
    玉も2発しかないだろ

    48 = 30 :

    ~その夜~

    提督「ふむ……仕事は終わりか」

    金剛「途中でスコールになって、遠征も練習だけで切り上げちゃいましたからネー」

    提督「あれはかなりの痛手だった。特に燃料が痛いな」

    金剛「どうにかしてやりくりしないとイケマセンねー……」

    提督「そこは上へ申請して少し多めに頂く事にする」

    提督「今回の遠征、敵艦が現れて至近弾をいくつか貰っただろう?」

    金剛「え? ハイ……」

    提督「損傷箇所をいくつかでっち上げておいた。修理に使った燃料と鋼材を余分に要求したよ」

    金剛「そ、それって大丈夫なんデスか!?」

    提督「無論ダメだ。だが、現場に居た人間しか分からないくらいの水増しだ。まずバレんよ」

    金剛「ほええ……」

    提督「金剛、分かってはいると思うが──」

    金剛「ハイ! 私は提督の味方デス!」

    提督「感謝する」

    提督「それでは、今日の仕事は全て終了。金剛、部屋に戻って休息を取れ」

    金剛「ハイ!」

    ガチャ──パタン

    49 = 30 :

    提督「……寒いな。毛布は乾いてないし、代えの毛布を備蓄倉庫へ取りに行くか」

    ~倉庫物色中~

    提督「無い……だと……?」

    提督「仕方が無い……。風邪を引かないようにしなければ……」

    ガチャ──パタン

    提督「うん?」

    金剛「おかえりなさい、テートク!」

    提督「…………なぜここに居る」

    金剛「ちゃんと毛布を取りに自室に戻りまシタ」

    金剛「そして、休息を取る為にここへ来まシタ」

    提督「私が聞きたいのはそういう事ではない。どうしてここで寝ようと思っているんだ」

    50 = 30 :

    金剛「だって、テートクの毛布が乾いてまセン」

    提督「備蓄倉庫から取ってくる。だから自分の部屋へ──」

    金剛「午前中に備蓄倉庫を確認しましたケド、毛布なんて無かったデス」

    金剛「毛布は一枚。加えて寒い中にこのスコール。私達の二人が風邪を引かない為には一緒に寝るしかないデス」

    提督「……分かった。私は毛布無しで寝る。だから──」

    金剛「テートクが風邪を引いてしまったら、明日の仕事に影響が出てしまいマス」

    提督「暖房を使って──」

    金剛「暖房用の燃料、まだ無いですよネ?」

    提督「代えの服ならある。それを何枚か着て──」

    金剛「三着しかないデス。それでは風邪を引いてしまいマス」

    提督「……はぁ。参った。降参だ」

    金剛「ヤッタ! 私の勝ちネ! テートクー、カムヒアー!」

    提督「帽子と上着くらいは脱がせてくれ。皺が付く」

    提督「それと、私は男だと分かっているよな?」

    金剛「勿論デスよ?」

    提督「……自分の身の安全を考えないのか?」

    金剛「テートクはそんな事しまセン! それはこの間の処遇で知っていマース!」

    提督「分からんぞ。仮に金剛の予想が外れて襲ったらどうする」

    金剛「襲われたらデスか? うーん……」

    金剛「……テートクなら、受け入れちゃうかもしれまセン。アハッ」


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