元スレ金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」
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101 = 30 :
ありがとう。
気力が沸いてきた。
102 = 30 :
金剛「瑞鶴?」
提督「……無断で部屋に入ってきた事についてだが」
瑞鶴「あぁっ!? ご、ごめんなさい!!!」ビクビク
提督「いや、現れろと言ったのは私だ。不問にする」
提督「だが、どうして盗み聞きしていた?」
瑞鶴「それは……その……」
瑞鶴「えっと……ですね……」
瑞鶴「…………」
提督「瑞鶴」
瑞鶴「ひゃいッ!?」
提督「……………………」
瑞鶴「ぅ……」ビクビク
提督「話せ」
瑞鶴「はいぃ……」
金剛(ちょっとだけ可哀想デス……)
103 = 30 :
瑞鶴「あの……この通路を通ろうとした時、金剛さんが入っていくのが見えたの」
瑞鶴「なんだかすっごい笑顔だったから、つい気になって……」
金剛「あ、あぅぅぅ……」
瑞鶴「えっと……差し支えなければ聞いても、良いですか?」
提督「…………」チラ
金剛「…………………………」コク
提督「髪を梳いてくれとねだってきたので梳いている」
金剛「ス、ストレート過ぎですよ提督ー!!」
提督「回りくどく言った方が良かったか?」
金剛「…………いえ、このままの方が良かったデス」
瑞鶴「……仲が良いですね」
提督「懐かれてしまってな」
金剛「懐いてるんじゃありまセン。惚れているんデス」
瑞鶴「なぁ!?」
提督「お前の方がストレートじゃないか……」
金剛「開き直りまシタ!」
104 = 30 :
提督「……女心は分からん」
瑞鶴「……あの」
提督「うん?」
瑞鶴「私も立候補して良いですか」
金剛「ホワッツ!?」
提督「…………」
金剛「ど、どうしてですか!? 貴女、今日来たばっかりじゃないですか!!」
提督「それ、昨日来たばかりのお前が言えるか……?」
金剛「……あー…………」
瑞鶴「分からないんです」
提督「ん?」
瑞鶴「なんか、金剛さんが提督さんと……その……恋仲、になるのがとても嫌って思って……」
瑞鶴「でも、提督さんの事が好きかって言われたら、合ってるような違うような……良く分からないの」
提督「…………」
瑞鶴「だから、金剛さんが提督さんと恋仲になる立候補をするなら、私も──」
提督「話の途中ですまんが、一つ言わせてくれ」
瑞鶴「え?」
105 :
提督「私は金剛の想いを受け入れるともなんとも言っていないし、そもそもハッキリとした……いわゆる告白は受けていない」
金剛(言いましたのにー……)
提督「そもそも、私にとって二人は昨日今日、出会ったばかりなんだ」
提督「そんな出会ってすぐ決めれるほど飢えておらんよ」
提督「金剛がそこの所をどう思っているのか知らないが……」
金剛「アピールするだけですよ。私は食らいついたら放さないんだから!」
金剛「あ、でも、嫌がってたら流石に諦めますケドね」
金剛「提督が振り向いてくれるまで、ささやかに想い続けます」
提督「…………分かった。憶えておく」
提督「瑞鶴もそれで良いか?」
瑞鶴「え? は、はい……」
提督「それじゃあ二人共、今日は解散。明日に備えよ」
金剛「ハーイ」
瑞鶴(…………?)
瑞鶴(なんか、無理矢理に追い出そうとしてる……?)
──パタン
提督(…………はぁ)
提督(本当に困った……)
提督(……………………やりづらい……)
106 = 105 :
~翌日~
響「晴れたね」
提督「ああ、晴れたな」
提督「──これより第一艦隊、第二艦隊に分かれ、南西諸島沖に向けて出撃してもらう」
提督「第一艦隊は瑞鶴、電、雷」
瑞鶴・電「はい!」
提督「第二艦隊は金剛、響」
金剛・響「ハイ!」
提督「昨日も言ったが、今から言う事は何がなんでも守れ」
提督「『まだいける』と思ったらもう危ない。そして『もう危ない』と思ったらいつ沈んでもおかしくないと思え」
提督「慢心は死を招く。海の上では気を抜くな」
全員「はい!!」
提督「金剛、響。私の留守中、母港を守ってくれ」
金剛・響「ハイ!」
提督「出撃する。第一艦隊、出撃」
107 = 105 :
~南西諸島沖~
瑞鶴「……普通に出てきたからなんとも思わなかったけど」
雷「どうして司令官も一緒に来てるの?」
提督「電は知ってるが、お前達が戦場に出ているのに、上官である私が安全な場所でのうのうとするのは嫌だ」
提督「あと、無線だけでは分からないモノもある。的確な判断を下すなら前線に立つべきだ」
瑞鶴「もっともだけど、危なくないかしら……」
瑞鶴「提督さんが居なくなったら、私たち何もできなくなるわよ?」
提督「だからこその指示だ」
雷「? どういう事?」
提督「……本当は演習で経験を積ませるのが良いんだが、何せ資源が無いからな。私のせいで」
瑞鶴・電・雷(認めてたんだ……)
109 = 105 :
提督「それゆえ、今の艦隊は錬度が低い」
提督「それを補うために、私が直接指示を出しているんだ」
提督「正直に言うと、さっきのは建前だ。錬度が高くなれば無線で指示をする方向に切り替わるかもな」
電「かも……ですか? それは、ずっとこのまま一緒に海へ出るかもしれないという事ですか?」
提督「……よく聞いているな、電。そういう事だ」
提督「人間、誰しも矛盾した心を持っている」
提督「私の言った建前も、本当の理由も、どっちも私の本心なんだ」
提督「そして、どちらも──む」
瑞鶴「! 船の影! 偵察機、飛ばします!」
……………………。
110 = 105 :
>>108
元ネタはそれです。
知っている人が居てくれて嬉しい。
111 = 105 :
提督「……敵か。数と艦種は」
瑞鶴「数は2。駆逐ロ級とイ級です!」
提督「総員、戦闘準備開始。瑞鶴、攻撃機と爆撃機は飛ばせるか?」
瑞鶴「いつでも!」
提督「良い返事だ。飛ばせ」
瑞鶴「はい! 皆、アウトレンジで決めてよね!!」
艦爆妖精「任せろ嬢ちゃん」
艦攻妖精「……敵艦確認。沈めます」
艦戦妖精「今回は休みなのー」
ブゥゥゥン……ッドォォォオオン!!!!
瑞鶴「……敵艦、全滅させたみたいよ」
提督「よくやった瑞鶴。流石だな」
瑞鶴「──あ」
瑞鶴(……胸が高鳴るくらい、すっごく嬉しい)
112 = 105 :
雷「おおお!!! 凄い凄い!! 射程距離に入る前にやっつけた!!」
雷「これが瑞鶴を先に出させた理由かー」
提督「そうだ。射程外から一方的に攻撃できるのは、とてつもない武器だ」
提督「ところで、瑞鶴、雷」
瑞鶴・雷「?」
提督「電の方を見てみろ」
電「他に敵は居ないみたいです──って、はい?」
提督「二人がしていなかった索敵を、電は一人やっていた」
瑞鶴・雷「あ……」
提督「出撃前、私が言っていた事を暗唱せよ!」
瑞鶴・雷「ヒッ──! 『慢心は死を招く。海の上では気を抜くな』です!!」
提督「うむ、よく憶えていた。そして、さっきの君達はどうだったか答えてくれ」
瑞鶴・雷「慢心していました!! 申し訳ありません!!!」
提督「そうか。よほど海の底へ沈みたいようだ」
瑞鶴・雷「────!!」ガクガクブルブル
113 = 105 :
提督「処罰は帰ってから行う。だが、私も鬼ではない」
提督「先程の行為を覆すほどの活躍を見せてくれたら、処罰は無しとしよう」
瑞鶴・雷「ありがとうございます!!」
提督「うむ。良い働きを期待しているよ」
電(凄いのです……! 緩んでいた緊張の糸をすぐさま張り直したのです!!)
電(凄いなぁ……司令官さん)
電(そして、瑞鶴さんのあうとれんじ攻撃も凄いのです! これだったら被害が最小限なのです!)
……………………
…………
……
114 = 105 :
瑞鶴「むっ! 敵艦と思われる影を確認しました!!」
瑞鶴「──偵察機の報告によりますと、軽巡、雷巡が各一隻、駆逐が三隻のようです!!」
瑞鶴「飛ばしましょうか」
提督「意味は伝わるが、必要箇所を省略するな。それが元となって伝達に齟齬が発生する」
瑞鶴「は、はい!! 失礼しました!」
提督「ちなみに、各艦の大きさ、陣形は?」
瑞鶴「軽巡がへ級。雷巡がチ級。駆逐はロ級一隻、ハ級が二隻。陣形は単縦陣のようです」
提督「ふむ……陣形はこのまま維持。まずはハ級の二隻を艦爆、艦攻で攻撃しろ」
瑞鶴「え? は、はい」
艦爆妖精「いいのかい提督さん? 真っ二つにしてやるぜ」
艦攻妖精「了解しました。殲滅します」
艦戦妖精「まーたお仕事無しですよ……」
ブゥゥゥン……ッドォォォオオン!!!!
瑞鶴「! 一隻は撃沈、もう一隻は大破炎上! ですが、直に沈むと思われます」
提督(やはりか……まだ火力が足りない。駆逐艦を狙わせて正解だった)
115 = 105 :
流石に疲れてきた。
私、そろそろ休んで良いのかな……。
116 :
赤城さんばりに寝ておいで
117 :
もう眠いと思ったらいつ寝てもおかしくない、ということで寝た方がいいかと
118 = 105 :
おお……ほぼ12時間ぶっ続けで書いてたのか……。
にしても、書けば書くほど長編へなりそうで怖い。
短編が書けないのは辛いデース……。
無理矢理短編にするとペラッペラになりマース……。
119 :
寝よう、寝ればまた書けるから。
122 :
長編になっても構わないぜ
123 :
長編でもええよ
124 :
結局マルロクマルマルくらいまで起きてました。
今から投下します。
125 = 124 :
提督「総員、砲雷撃戦に入る。駆逐艦は主砲用意」
提督「空母は第二次攻撃隊発艦始め」
提督「敵に攻撃を許すな」
提督「電、恐らく敵の駆逐艦は旗艦の軽巡を庇おうとする。さっきの先制攻撃で随分敏感になっているはずだ」
提督「それを逆に狙え。最初っから駆逐艦を狙うんだ」
電「はいなのです!」
提督「瑞鶴は電の発砲後、敵旗艦の軽巡へ総攻撃。一切の妥協をするな」
瑞鶴「はい!」
提督「雷は敵軽巡と駆逐の両方を狙っておけ。落とし損ねていたら撃つから、いつでも撃てるようにしておく事」
提督「そして威嚇に今、敵旗艦に撃て。当たらなくて良い。敵駆逐艦を誘い出す」
雷「任せて司令官! テーッ!!」
敵軽巡「ぴぎぃ!?」ゴォン! 中破
雷「あ、船橋に当たっちゃった」
提督「よくやってくれた! 敵が怯んだこのチャンスを逃すな!」
提督「電、困惑している駆逐艦へ斉射! 瑞鶴、第二次攻撃隊に攻撃命令!」
電・瑞鶴「はい!!」
敵軽巡「Nooooooo!!!!」 撃沈
敵駆逐「連中の艦隊はバケモノか!?」 撃沈
126 = 124 :
瑞鶴「……提督さん、攻撃隊が一発目で敵軽巡を沈めたらしいから、敵雷巡にも攻撃していいかって聞いてる」
提督「許可する。──雷、残った敵雷巡へ撃て!」
瑞鶴「はい!」
雷「はーい!」
敵雷巡「えっちょ──おおおばあああああきるぅぅぅううううう!!!?!?!」ドゴドゴドゴドゴ 撃沈
提督「うむ。敵は全滅したな」
瑞鶴・電・雷「周囲に敵影ありません!」
提督「うむうむ。索敵ご苦労」
提督「やればできるじゃないか」
瑞鶴・雷「!」パァ
瑞鶴・雷「──ハッ!!」キョロキョロ
提督「うむ。もう慢心していないようだな」
提督「──さて、データも回収したし、帰ろうか」
提督「……索敵を怠るなよ?」
瑞鶴・電・雷「はい!!」
……………………
…………
……
127 = 124 :
金剛「あ、帰ってきたネ!」
響「! ご苦労様、皆」
金剛「お疲れサマ!」
金剛「戦果リザルトはどうでシタ?」
提督「上々だ。まさかデータを四つも持って帰れると思わなかった」
金剛「ワーオ! コングラッチュレイショーン!!」
響「という事は、私達は出撃しない方が良いかな?」
提督「このデータが何によるかだが、大方しなくても良いだろう」
……………………
…………
……
128 = 124 :
提督「……確認する。君達の名前は──」
提督「神通、川内、那珂、暁で間違いないな?」
神通「はい」
川内「うん、そうだよー。で、今夜って夜戦の予定とかある?」
那珂「那珂ちゃん、有名だー!」
暁「ええ、そうよ司令官さん」
暁「って、皆!!」
雷「暁!」
電「暁ちゃんなのです!」
響「……これは驚いた。まさか一発で拾ってきてくれるなんて」
提督「私も正直、驚いてる」
金剛「あのー……提督、これって」
提督「ああ」
金剛「第三艦隊の保有許可が下りるネー!!」ダキッ
提督「なぁ!?」
金剛「やったヨー! 凄い嬉しいネー!」ギュウゥ
129 :
那珂ちゃんがうざいので那珂ちゃんのファン辞めます
130 = 124 :
提督「……金剛、時間と場所を弁えろ」
金剛「はっ!」
全員「……」ジィ
金剛「あ、アハハ………………ゴメンなさい……」
提督「喜ぶ気持ちは良く分かる。が、今後無いように」
金剛「ハイ……」
提督「それはさておき……」チラ
瑞鶴・電・雷「!!!」ビクッ
提督「処遇を決めよう。三人共、提督室へ行くように」
提督「金剛、響、すまないが四人に鎮守府の案内をしてやってくれ」
金剛「了解デース」
響「いってらっしゃい、司令官、三人共」
131 = 123 :
那珂ちゃん?知らない子ですね
132 = 124 :
>>129
那珂「たった一言でウザいって言われた!?」
那珂「那珂ちゃんカナシー……」スンスン
想像以上に那珂ちゃんにイラッときたので那珂ちゃんのファンやめます。
133 = 124 :
瑞鶴・電・雷「…………」ガタガタガタ
川内「……なんであの三人、震えてるの?」
響「司令官の怖さを知っているからさ」
神通(こ、怖いお方なんですか……)ビクビク
那珂「そんな風には見えないけどー?」
暁「ええ。むしろ優しそうな人よね」
金剛「いずれ分かる日が来ると思いマース」
金剛(でも……『処遇』ですか。やっぱり優しいですね、テートク♪)
……………………
…………
……
134 :
ところでこの提督さんはモーターボートにでも乗ってるのかしらん
135 = 124 :
~提督室~
提督「……ここに呼ばれた理由は分かっているな?」
提督「出撃前の私の命令に従えなかった者が二名居る」
瑞鶴・雷「はい……っ」ビクッ
提督「それとは別の理由で、電にも来てもらった」
電「は、はい……」オドオド
電(なんでしょうか……私、何か失敗したのかな……)
提督「まずは雷」
雷「はい!!」ビクッ
提督「戦闘終了後、命令をしていたのにも関わらず気を抜き、慢心した」
提督「だが、最後の戦闘において敵旗艦軽巡に直撃弾を与え、指揮系統を狂わせて敵に攻撃させなかったのは事実」
提督「資材を消費できない中、今回の出撃で一切の被害を出さなかった事へ非常に大きな貢献してくれた」
提督「よって、罰は無しだ」
雷「え、あ──ありがとうございます!」
136 = 124 :
>>134
この提督なら当たり前のように海の上を滑ってくれると思う。艦娘と同じように。
137 :
右足が沈む前に左足を水面に置いてその左足が沈む前に右足を…を延々繰り替えしてるかとばかり
138 :
誰かの上に乗ってるのでしょう
139 :
全力で筏漕いでるんじゃね
140 = 124 :
提督「次に、瑞鶴。一歩前へ」
瑞鶴「はい!」ビクン
瑞鶴(どうしよう……私、雷みたいに特別な戦果を挙げてない……)
提督「先に述べた雷と同じ過ちを犯している、が──」
瑞鶴(おまけに戦闘中に何回も注意された……!! つ、吊るされる!?)
提督「──会敵七隻中四隻撃破。雷との共同戦果二隻」
提督「今回の出撃で一番貢献してくれている。よくやってくれた」ナデナデ
電・雷「!!!」
瑞鶴「──え? あ、あれ……はひ!?」
電(瑞鶴さん、お顔が真っ赤なのです)
雷(物凄く嬉しそう……。良いなぁ……)
提督「これにて今回の処遇は終わりだ。電以外は下がりなさい」
瑞鶴・電・雷「え?」
提督「なにかね?」
瑞鶴・雷「い、いえ!! 失礼しました」ピシッ
提督「ああ、午後からは行動を自由とする。燃料と弾薬が補充できないのはすまないがね」
瑞鶴「は、はい……」ポー
雷「はいっ司令官!」
カチャ──パタン──
提督「──さて電」
電「は、はい!!」ビクッ
提督「紅茶とココア、どっちが好きかな?」
電「…………ほえ?」
……………………
…………
……
141 = 119 :
冒頭の提督の目が死んでる伏線回収はまだだろうか
142 = 124 :
提督「大した話ではないのだが、少々気になってね──ココアの甘さ加減は丁度良いかい?」
電「はい……とっても美味しいです……。けど、どうしたのですか、司令官さん?」
提督「なに。電は敵艦を沈めると悲しそうな顔をしていると気付いてね」
電「…………」
提督「それはなぜか、私には分からんのだよ。だから教えてくれないか?」
電「……………………」
提督「…………」
電「あの……怒りませんか?」
提督「知らん」
電「ええっ!? こ、ここは『怒らないよ』とか言う場面じゃないですか!?」
提督「知らん。私が怒るかどうかは話の内容を聞かないと分からんよ。私はエスパーではないからね」
提督「それとも、私が怒りそうな内容なのかな」
電「司令官さんなら怒りそうにない……と思います。けど……」
提督「…………けど?」
電「『司令官』という立場だと、怒るのが普通かな……と思うのです」
提督「ふむ。言ってごらん」
143 = 124 :
電「はい……。あの………………戦争って、殺し合いですよね……」
電「敵も私達と同じだと思うのです……。家族が居て、仲間が居て、大切な人が居て……中には、仕方がなく戦ってる人も居ると思うのです」
電「だから……沈んだ敵も、できれば助けたい……。そう思っちゃうんです……」
提督「……………………」
電「司令官さん……。戦争には勝ちたいけど、命は助けたいって……おかしいですか……?」
提督「……どうだろうな」
提督「…………すまん、私は電の悩みを解決する事ができない」
電「です、よね……。敵を助けても、帰らせちゃったらまた戦場に──」
提督「それもあるが、私が言いたかったのはそうじゃない」
電「え?」
提督「…………」
電「……相容れれない……のですか?」
提督「確かに敵と会話を設けた事は無い。だが、それが理由というわけではない」
144 = 124 :
提督「電」
電「はい?」
提督「……電の悩みの答えは、電の思っているよりも深海の闇の中にある」
提督「触れると取り込まれるぞ」
電「………………取り込まれる……?」
電「司令官さん……? どういう事なのですか……?」
提督「知らなくて良い。できるならば──」
提督「──その悩みを忘れた方が、幸せだ」
……………………
…………
……
145 = 124 :
提督「さて、この書類を片付けねば」
金剛「ワーオ……まさにマウンテンね……」
提督「この程度で音を上げていたら、この先やっていけなくなるぞ」
提督「鎮守府を快適にすればするほど、この書類は増えていくからな」
金剛「ンー……大きくするのも問題なのデスねー……」
提督「できるなら、程々が一番だな」
金剛「ですネー……。あ、紅茶にしますか、コーヒーにしますか、それともココア?」
提督「金剛が飲みたいヤツを頼む」
金剛「ハイ! では紅茶を淹れますネ」
……………………。
146 = 124 :
金剛「お待たせネ」
提督「ん、ご苦労」ズズ
提督「……………………」
金剛「? どうしたんデスか、テートク?」
提督「金剛、お前の茶を飲ませてみろ」
金剛「え!? い、いや……それは…………」
提督「上官命令だ」
金剛「……ハイ」
提督「…………」ズズ
金剛「…………」ビクビク
提督「……やはり、薄いな」
金剛「あう……バレてしまいまシタ……」
提督「金剛の紅茶は、出涸らしを使っていたのか」
金剛「ハイ……」
提督「見えない所で健気だな、金剛。そうやって少しでも節約しようとしていたのか」
金剛「そもそも、たかが秘書の私も紅茶を飲んでいるのがおかしいのデス」
金剛「テートクは優しいから私に紅茶を飲むの許可してくれていますケド、本来だったらダメなんデスよ?」
提督「秘書の特権だ。私の城ではそうなっている」
147 = 123 :
金剛の出涸らしに見えた
148 :
>>147 朝風呂の残り湯か
149 = 124 :
金剛「そう言うと思っていたネ」ソッ
提督「む」
金剛「大好きですよ、提督」ギュ
提督「金剛、時間と場所を弁えろと言ったはずだろう」
金剛「今は仕事前のティータイムです」
提督「ここは提督室だが」
金剛「私達以外、誰も居ません。つまり、誰の目にも触れません」
提督「……まったく、抜け道を探すのが上手いな」
金剛「提督の秘書になる為の必須技術だと思いますよ?」
提督「ごもっとも」
金剛「──サテ! デスクワークをしましょう!」
提督「ああ。だが、その薄味の紅茶は私が貰う。そして、これからは使えなくなるまで私の紅茶にも出涸らしを使う事」
金剛「え?」
提督「私も鎮守府の懐に貢献せねばな」
金剛「あはっ。やっぱり、提督は優しいです」
提督「私のやりたいようにやっているだけだよ」
150 = 124 :
提督「──さて、今日の遠征練習についてだが、金剛はどう思った?」
金剛「──まだ錬度が足りないと思いマス。あれではまだ、敵が現れた時に無駄撃ちしそうデス」
提督「同意見だ。だが、上から指示された近海の警備任務の項目をギリギリながらクリアしているのも事実」
提督「そこでだ。彼女らにはしばらく警備任務と海上護衛任務で────」
金剛「海上護衛はまだ早いと思いマス。実戦で経験を────」
提督「そうだな。その方向でやって────」
金剛「こっちの資料によると────」
提督「防空射撃演習か────」
金剛「────」
提督「────」
……………………。
瑞鶴「…………」
瑞鶴(……仕事をしてるけど、楽しそう。いいなぁ……)
瑞鶴(秘書、か……。お茶の練習、しよう)
……………………
…………
……
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