元スレカイジ「私立…希望ヶ峰学園…?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
201 = 184 :
舞園「気になりますよね……このDVD……どんな映像が……映っているのか」
カイジ「……、そうだな………苗木達は…まだ来ないが、先に見てみるか……自分の……DVDを」
カイジの提案にコクリと答えた舞園は、早速手近のPCを使い、DVDを食い入る様に見始める
そして、カイジも……!
《ザァァ・・・ザァァ・・・ ピッ》
カイジ(………いったい何が写って…)
《カイジ……元気かい……?》
カイジ(んな・・・・・・っ・・・・・・!?)
そこには、カイジの実の母と……公務員である姉の姿が……!
202 = 184 :
カイジ(何だよ……これ……どうして…………)
《 ブツッ 》
カイジ「ッ!!?」
一瞬の暗転……!そして…次に写ったのは……廃墟同然となった……実家の姿が……!!
カイジ「・・・・・・・ッ・・・・!」
さらに……!
《・・・・・元・・・・気・・・・か・・・・ザザザザ・・・・・・ザザ・・・・・・・》
映像は乱れ、なおかつ雑音混じりの音声……!わずかに聞き取れた……その内容は……!
《・・・・聞・・・ザザザ・・・・・絶・・・・ザザ・・染・・・・・ザ・・ザザ・・・》
カイジ「は・・・・・?おい・・・・・・・・?おい・・・・・っ・・・・・・・・!?」
《・・・・・・・・帝・・・・ザザザ・・・地・・・・・ザザ・・・ザ・・反・・・・・》
カイジ「何て言ってんだ・・・・・・!?おい・・・・・・!?外で・・・・・・何が起きて・・・・・!!?」
203 = 184 :
《・・・・・・ザザ・・・・・ザザ・・・・・親・・愛・・・・・カ・・・ジ・・へ・・・えnザザザザザ プツッ》
これを最後にカイジのDVDの映像は途切れ……残るは何もない……平面的な砂嵐のみである
舞園「いやぁああッ・・・・・・」
舞園(どうしてなの・・・!・・・どうして・・・・・こんなっ・・・・・こんなっ・・・・・・・)
ばたんっ・・・
苗木「……舞園さん、伊藤クン……大丈夫……?」
204 = 184 :
十神「………他人のことより、まずは自分のことを心配したらどうだ」
十神「これか……外の映像ってのは」
スッ・・
霧切「………」
腐川「イヤでも……見なきゃ……いけないの……?」
セレス「まずはそれぞれ、確認をしましょう……お話があれば、その後で」
石丸「セレス君の言うとおりだ……ま、まずは内容の確認……を……」
朝日奈「…そうだね」
大神「………」
不二咲「…ごくり」
山田「…気が進まないですな」
葉隠「何かイヤなものが写ってる気がっ・・・!見たくないべ・・・!」
桑田「…イヤなものかどーか占いで確かめてみろよ、……これだな、オレのは」
大和田「………はァ」
江ノ島「………」
各人宛に用意された怪しげなDVD……!
それらを目にした彼らの中には……!これまで押さえこまれていた……強烈な感情……!
外への……渇望に………覆われッ……!悪魔の囁きに耳を貸そうとする者が……現れようとしていたっ………!!
205 = 184 :
また今度
次はいよいよ・・・どう展開したらいいのか・・・割と困惑
206 :
完結させてくれよ
すげー面白い
207 :
無理に原作ルートに沿うこともないな
208 = 192 :
枕さんはもう救われてもいいと思います
209 :
今のままだと少なくとも舞園と桑田はアウトだよな
原作ブレイクしてもいいからカイジなんとかしてくれ
210 :
別に原作のままで良いよ
流れ考えるの大変だろ
211 = 207 :
むしろ>>205を見ると
原作のままやるのが難しそうに解釈できる
213 :
カイジも日頃は手袋してるんだよな
指一回取っちゃったからその手術跡隠すために
日頃はコミュ障害ぎみのクズで
追い詰められると覚悟を決めて誰も手が付けられない覚醒
戦いが終わると誰でも助ける超高校級のマザーテレサ
殺し合いだともう存在が怪しすぎる……
214 :
視聴覚室にて……用意された個々のDVDを視聴することになったカイジ達……!
それぞれの目に映った映像は……それぞれの胸に刻まれる……
苗木(………ボクの……家族にまで……手を出した……のか………?)
苗木(もしかして……皆も……ボクのと同じような内容の…?)
ある者は恐怖し、怯え、震え……またある者は、動揺を隠し切れず……!
舞園「もう・・・こんなの・・・・・耐えられないっ・・・・・・!」
ダッ・・
苗木「!……舞園さんっ……」
215 = 214 :
カイジ「……苗木、追いかけてやれ」
苗木「伊藤クン……」
カイジ「舞園が…この16人の中で……一番信用しているのは……たぶんお前だ……」
カイジ「こういうときこそ……ひとりに……するな」
苗木「………うん、そうだね」
苗木は…部屋を走り出てしまった舞園を追いかけていった…
そして、残された者達は……
216 = 214 :
腐川「な、何よ……ベタなラブストーリーなんか……いらないわよ……」
十神「他人のことに神経を傾けるほど、余裕があるのか?」
腐川「………」
腐川「ううぁあ・・・・!なんなのよぉぉぉぉ・・・・・!!!これぇ・・・・・・・キィィ・・・・ッ・!!!」
石丸「ふふふ腐川くん・・・・お、落ちっ・・・・着くんだっ・・・・・・!」
江ノ島「あ、あんたも・・・・落ち着きなさいよっ・・・・・!」
大神「江ノ島……お主も……落ち着くのだ」
カイジ(………大方の連中は、DVD(コイツ)を観て取り乱している………)
217 = 214 :
カイジ(だが……相変わらずだ)
カイジ(霧切とセレス、それからメガネは……表情や仕草を見る限り、未だに泰然自若……)
カイジ(冷静さを……失っていない)
カイジ(大神は……動揺が有るのか無いのか…よく分からないが……会話を交わしたこともないしな)
冷静さを失い、恐怖感が前面に湧き上がっている者と、あくまで感情を制御し冷静さを保ち続けている者
カイジはといえば、どちらかと言うと後者にあてはまっていた……!
カイジ(確かに……肉親がまるで死んだかのような映像……)
カイジ(外の世界で……何か……異変が起こっていると思い込ませるような映像……)
カイジ(こんなモンを……高校生のみそらで見せつけられた暁には……うろたえて当然)
カイジ(例えそれが……“超”高校級の連中だったとしても……)
カイジ(むしろ……あの冷静な連中の方が……どうかしてるくらい)
218 = 214 :
カイジ(……俺も……いきなり親や姉を顔が出てきて面食らったが……)
カイジ(このDVDに映し出された映像が……真実だと裏付けられる証拠は……皆無だ)
カイジ(何しろ、俺達をここに幽閉しているヤツが……用意したものだからな)
カイジ(信憑性が……ないだろう……?)
カイジ(俺達の恐怖心を煽り……混乱させて……)
カイジ(挙句の果てに……変な気を起こす人間が……現れることを期待した……!)
カイジ(・・・・・・陰湿な・・・・・・嫌がらせ・・・・・・・・!!)
カイジ(だから……情報を鵜呑みにしたら……ダメだ………!)
カイジ(この場は……冷静な連中こそが……怯えている連中の眼を覚まし……!)
カイジ(少なくとも……DVDを観る前の現実感まで……引き戻すべき……!)
カイジの思いを察したかのように……!銀髪が周囲に忠告する………!
霧切「いいの?」
219 = 214 :
霧切「こうして怯えていても、状況は同じ……」
霧切「それは、モノクマが最初に私達の前に現れたときの膠着状態と……さして変わらないわ」
腐川「さして……変わらない……ッ……てっ……?」
腐川「何……言ってんのよっ……・・・」
桑田「そう……だっての……!」
山田「このような映像(モノ)を見せられたんですぞ……!絶望的な状況が10割増しですぞっ……!」
不二咲「う・・・ううっ・・・・」
大和田「クソ野郎ッ・・・・」
大和田「オレはぜってーこっから出るぞ・・・・何としてでも・・・・絶対に・・・なっ・・・・!!!」
220 = 214 :
ざわ・・
直後、大和田に向けられる13人の視線……!
大和田「な・・・・なんだよ・・・?」
江ノ島「大和田……あんた」
朝日奈「その……、外に出るためには……手段選ばないっ……てこと?」
不二咲「それって……つまり……」
この時大和田、自らの発言が曲解されていることに気づく……!
大和田「な……、……違げえよッ……!!」
大和田「誰かを殺して……なんざ……思ってるワケねぇだろッ……!!」
221 = 214 :
腐川「でも、ヤクザなんでしょ……」
腐川「そういうの……常套手段……なんでしょ……暴力団(アンタタチ)には……」
カイジ「………」
大和田「オメェら勘違いすんなっ……!……オレは暴走族だよッ……やーさんなんかじゃねぇ!!」
カイジ「えっ」
カイジ、今更になって知る……大和田の素性………!
大和田「あァん!?」
カイジ「ひっ……何も…言ってません……!」
大和田「オレには守りきらなきゃいけねぇ約束があるんだッ……!」
大和田「こんなトコで……死んでたまるかっ……!!」
222 = 214 :
十神「……死にたくないなら、とどのつまり誰かを殺す他ないだろう?」
十神「この学園のルールに則るならばな」
大和田「ッせえ…!オメェだけは口も聞きたくねぇよ……!!」
十神「それはこっちのセリフだ!」
カイジ(うわ……収拾つかねぇだろ……これは……)
カイジ(といっても……もしここで俺が……)
カイジ(こいつらの間に割って入ったら……一昨日の苗木の…二の舞……!)
この状況を打破する鶴の一声は、風紀委員から放たれる……!
石丸「いい加減にしたまえッ………!!!」
石丸「このまま……不毛な言い争いを続けていても……何も解決しないだろう……!?」
223 = 214 :
霧切「石丸君の言う通りよ」
セレス「……ではどうしようというのですか?」
セレス「各々が視聴したDVDの内容について語り合って……傷の嘗め合いでもしますか?」
江ノ島「超ショックなDVD観た感想言い合って……ちょっとでもストレス解消しようってコト……?」
葉隠「それ、いいかも知れんべ……!」
大神「ならば……お主から話を始めるのが筋か……」
葉隠「え・・・・・あ・・・・・・・あぅ・・・・・・・・・・」
葉隠「や、やっぱりムリだべ・・・・!・・・・・口にするだけで小便チビりそうだべ・・・・!!」
十神「このヘタレめ」
結局、DVDの内容に関する意思疎通は上手く図れず……
224 = 214 :
セレス「これ以上、話し合いに進展が無い以上……ここに留まる理由はありませんわね」
セレス「お先に失礼いたしますわ」
大和田「………」
十神「………」
霧切「………」
ゴスロリ服の退場を皮切りに、自然と今回の集まりは解散……
石丸も自身のDVDを観たことによるショックが大きいようで……
再び学園内に散らばり行く級友達を……引き止めることはしなかった……
225 = 214 :
―廊下―
カイジ「霧切もそうだが……あんたもその鉄仮面(ポーカーフェース)……揺らがないな」
セレス「それは伊藤君も、同じようなものですわ」
カイジ「………俺の何処が……ポーカーフェイスなんだよ……」
セレス「たとえ苦悶に満ちた面持ちでして」
セレス「……内心では、次の最善の一手を冷静に見極めようとしているではありませんか?」
カイジ「………」
セレス「結局のところ、つつがなく状況を見極められて、状況判断に伴う適応性のある者だけが……この閉鎖社会で生き残るのです」
カイジ「それは前に……食堂で聞いたさ」
カイジ(この生活環境に適応すること……)
カイジ(俺以外の連中は……外の世界でさぞかし華々しい生活を送っていたんだろ)
カイジ(そういう人間にしてみれば……こういう生活ってのは……結構辛いもんなんだろう)
カイジ(俺には……逆立ちしても理解できそうにはないが)
226 = 214 :
―教室―
舞園「……ありがとうございます……苗木君……だいぶ落ち着きました」
舞園「私……取り乱しちゃって……」
苗木「もう、気にすることないよ……舞園さん」
舞園「でも・・・・・・・・私・・・・・・・・・・」
苗木「……大丈夫」
苗木「舞園さんは、必ずボクが守るから……!!」
舞園「苗木・・・・・君・・・・・・・」
苗木「絶対に、ここから出よう………!」
苗木「そして……叶えようよ………舞園さんの夢………」
227 = 214 :
苗木「そして……叶えようよ………舞園さんの夢………」
苗木「ボクにできることなんて、……ほとんどないと思うけど」
苗木「それでも……!……ボクは舞園さんのこと、精一杯応援するよ……!!」
舞園「・・・・・・・・本当に・・・・よかったです」
苗木「……え?」
舞園「苗木君が、一緒にいてくれて・・・・・・本当に・・・・・」
舞園(……心強いです)
それから数時間が経過……
各人はまちまちに夕食を済ませると……夜時間を意識しつつ
自由行動をとっていた……
228 = 214 :
―厨房―
カイジ「………」
ジュゥゥゥゥ・・・・
カイジ(…はぁ……)
カイジ(なかなか……王将のヤツみたいな味にならねぇ……)
カイジ(焼き方はともかく……やはり生地作りに改良が……必須……!)
カイジ(今度は、強力粉と薄力粉の配分を変えてみるか……)
229 :
餃子作ってる姿が板につきつつあるな
230 = 214 :
―個室(苗木誠)―
苗木「部屋の交換が校則違反にならないって……言われてみて初めて気がついたよ」
舞園「わざわざ交換してもらって……」
苗木「ううん……いいよ……!舞園さんが、それで安心できるのなら……!」
舞園「……ありがとうございます……苗木君」
苗木「それじゃ……ちょっと早いけど……また明日」
舞園「……おやすみなさい」
ばたん・・・
舞園「・・・・・・・・・」
舞園「ゴメンナサイ・・ゴメンナサイ・・・・・・苗木くん・・・・・・・・・・」
外に出たい・・・・!外に出たい・・・・・・!あの壇上(ステージ)にっ・・・・・・・・戻りたいっ・・・・・・・・・・!
そうするためには・・・・・・殺るしかない・・・・・・・・・!!
そうするほかに・・・・・・道は・・・・・・・・・ないっ・・・・・・・・・・・・・!!
精神的に追い詰められた・・・・人間が陥りやすい・・・・・・極端なっ・・・・・ゼロサム思考・・・・・・・・!!
231 = 214 :
また次回に続く
233 :
ここでどう転ぶか...
234 :
殺人トリックとか一から考えるの大変だしこれでおk
235 :
カイジまさかの第一被害者
236 :
ギャンブル依存なら最高なギャンブルがあるじゃないですかー
学級裁判っていう最高のギャンブルが、ね……
237 :
感謝知らずの奴ら・・・・・・!
100% 減点法の奴ら・・・・・・!
苗木がどうにかして犯人を捕まえてギリギリ合格・・・・・・! 100%出来て・・・ ギリ合格のライフ5個・・・・! 1つでもミスをすれば4・3・2・・・・・ それが奴らの思考法・・・・・・!
スーパー減点法
恐るべき学級裁判・・・・・・・・・!
238 = 214 :
―購買部―
カランコロン・・・
葉隠「……カプセルが出てきたべ」
大和田「あのメダル……こんなトコで使うモンだったとはなぁ……」
かぱっ・・
葉隠「中に紙切れが……なになに……」
桑田「何て書いてあんだ…?」
葉隠「『……おめでとう……ございますっ……!……貴殿は以下の景品を……見事手中に入れました……!』」
左隣にある強化ガラスの下部ハッチが開く……!
ぽとっ・・
大和田「ん、何か……出てきたよーだな」
239 :
桑田「……ってこれUNOじゃんか」
葉隠「こ、これは……」
大和田「?……どうかしたか」
葉隠「きっと神のお告げだべ……今夜はUNOで遊んで……恐怖心を少しでも和らげろっつー……!」
桑田「オメー直感だけで占うんじゃなかったっけぇ……?」
大和田「第一このマシンも何も、あのクマヤローの差し金だろ……」
桑田「それにもうじき夜時間だぜ」
桑田「自分の個室に戻らねーと……不味いだろ……?…一応……」
大和田「ン……いや、…………待てよ……………」
葉隠「どうしたんだべ……大和田っち………?」
240 = 239 :
―厨房―
トン・・ トン・・ トン・・ トン・・
カイジ(中に入れる具にも……一工夫がいるよな……?)
カイジ(隠し味とかいう……聞こえのいいプラスアルファ………!)
カイジ(………)
カイジ、ふと我に返る
誰しもときに集中力がプツリと切れて……無性に虚脱感に苛まれるもの……
カイジ(俺、なんで餃子なんかつくってんだよ……)
カイジ(よくよく考えたら……あいつは自分の『納得』のいく餃子を作って寄越せっていってるんだぞ……)
カイジ(そんなもん……まるっきりアイツの匙加減……気分に流されちまうような)
カイジ(あってないに等しい……基準だろーが……)
241 = 239 :
この時カイジ、ふと掛け時計に視線を移す
カイジ「やっべ、もうこんな時間かよ……」
カイジ「ぼちぼち切り上げて……部屋に戻らねーと……」
カイジ「第一……こんな時間に…厨房で……包丁握って……ゴソゴソしてる姿を………」
カイジ「誰かに……見られたら……」
カイジ「おそらく……誤解される……」
カイジ「早く片付け――」
ギィィ・・・・!
その時、開くはずがない(とカイジが思っていた)厨房の出入口が……音を立てて……開け放たれる………!
カイジ「・・・・!?」
そして、カイジの目の前に現れたのはっ………!!
242 = 239 :
大神「………」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
カイジ「」
この時、カイジは思った
地上最強の死神が……自らを迎えに来たのだ……と……
カイジ(やべぇ・・・・・・・・・これは死ぬ・・・・・・・・コロされる・・・・・・・・・・・)
243 = 239 :
大神「………」
逃げ場の無い空間……!巨大な“怪物”の圧倒的……威圧感っ………!!
……手から滑り落ちた包丁………!!全身から滴り落ちる……とめどもない……汗……!!
……と、その時……
朝日奈「さくらちゃん?……誰か厨房(なか)にいるのー?」
大神「そのようだ……朝日奈よ」
朝日奈「……って伊藤じゃん、……何してんの?」
カイジ「は、は・・・は・・・・・、何でもねぇよ・・・・」
244 = 239 :
この後、カイジ達は暫時会話を交わすことに……
朝日奈「つまり……さくらちゃんが自分を襲ってきたって勘違いしちゃったの~?」
カイジ「まあな……い、いきなりで……」
大神「済まなかったな……伊藤よ……驚かせるつもりはなかったのだ……」
カイジ「あ、ああ…」
朝日奈「もー!さくらちゃんはとっても優しい女の子なんだからね」
朝日奈「そんな勘違いしちゃダメだよっ……!」
カイジ「悪い……」
大神「……我はさして気にしていない」
カイジ「は、はい……」
カイジ(こうやって間近で見ると……ますます人間離れしてやがる……)
大神「……我らは……就寝前に茶を淹れんとして……ここに来た」
コポポポポ・・・
朝日奈「で、伊藤はここで何してたの?」
カイジ「見て分かると思うが……餃子を作ってたんだよ……練習で」
朝日奈「餃子を………?」
245 = 239 :
カイジ「ほら、昨日も……やってただろ」
朝日奈「やってたって……あっ……あのお昼に、……セレスちゃんとの……?」
カイジ「そうだ……あの女、餃子が好物らしくてな………」
朝日奈「………」
大神「伊藤よ、……お主も一杯、どうだ……?」
カイジ「ああ、……もらっておく……」
ごくっ・・・ ごくっ・・・
朝日奈「……要するに」
カイジ「……?」
朝日奈「伊藤ってセレスちゃんのこと好きなの?」
カイジ「・・・・・ぶぅッ・・・・がほっ・・・・げほっ・・・・げほゲホッ・・・・・!!?」
246 :
来たか
247 = 239 :
朝日奈「わっ……大丈夫、伊藤?」
カイジ「・・・・・何で・・・・そうなるんだ・・・・・・?」
朝日奈「え…だってセレスちゃんの好きなものを作ってあげるんでしょ?…そーいうイミじゃないの?」
カイジ(はぁ・・・どうして・・・・変な勘違い・・・・・するかなぁ・・・・・・・・)
カイジは朝日奈と大神に対し、ゴスロリ服との賭けの経緯について説明……あらぬ誤解を解消する
朝日奈「え~…そんなことだったの~?」
カイジ「そんなこと……なんだよっ………」
朝日奈「でもさぁ…」
カイジ「これ以上…何だ……」
朝日奈「ほら、今朝十神とかが言ってたっしょ……他人が作った食べ物を口に入れるのは……」
朝日奈「その他人に……命を預けるようなものだってっ……」
カイジ「………だから?」
248 = 239 :
朝日奈「伊藤が作った餃子を、セレスちゃんが味見してくれるってことは……」
朝日奈「セレスちゃんは伊藤のことを信頼してるってコトじゃない?」
カイジ「あのなぁ…」
カイジ(そうじゃねぇ……!)
カイジ(……あいつは…俺がコロシなんかできないタマだって……見透かしてるだけなんだって……)
朝日奈「ま、頑張りなよっ……!」
カイジ(こいつと話すのは……疲れるな……)
大神「伊藤よ……我からもひとつ聞いてよいか……?」
カイジ「……大神……サン……?…な、何か……?」
大神「お主、……山田という男と……時折話をしていたな……」
カイジ「山田……?確かに……たまに喋ってはいたが………」
大神「山田は………」
249 = 239 :
その時、厨房に新たな人影が………!
そして、現れた人物の顔は……厨房に入った瞬間……わずかに強張る………!
舞園「・・・・・・あっ・・・・・・・」
カイジ「………」
朝日奈「あー、舞園ちゃん」
大神「………」
舞園は素早く表情を取り繕い……愛想笑いを見せ
舞園「…………、こんばんは」
250 = 239 :
朝日奈「どしたの?……あ、私達は喉が渇いたからお茶でも飲もうと思って」
舞園「……私も同じです、ちょっと飲み物を取りに……」
舞園「もうすぐ食堂もこちらも……立入禁止になっちゃいますから……」
そう返答すると……舞園は冷蔵庫から紙パックの麦茶を取り出し……厨房を後にした………
カイジ(……何だ……今の感じは………)
カイジ(舞園の奴……ほんの少しだけだが………様子が………)
朝日奈「ホントだ、話してたら夜時間迫ってるよ…」
カイジ「……そうだな、俺も……片付けないと」
大神「……我らも手伝おう」
カイジ「え……いや、悪いって……」
朝日奈「いいっていいって、気にしない気にしないっ……!」
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