元スレカイジ「私立…希望ヶ峰学園…?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
151 = 147 :
(参照・座席イメージ)
霧切 山田 セレス 大神 朝日奈 不二咲 江ノ島
――――――――――――――――――――――― →
厨房
→
―――――――――――――――――――――――
葉隠 大和田 桑田 舞園 苗木 カイジ 石丸
十神
――――
――――
腐川
↓食堂入口↓
152 = 147 :
そして、カイジの隣に着席していた石丸が、起立して高らかに宣言する……!
石丸「ただいまより、第一回朝食会を開催する!……一同着席……!」
江ノ島「てかアンタ以外立ってすらないし、…あ…もう1人居たわ」
腐川「何よっ……人の……勝手でしょ……」
十神「…いいからそこの席にでも座っていろ、目障りだ」
腐川「はいィ・・・・っ・・・・・・!!」
カイジ(あの小説家とやら……メガネの前では態度が急変するな……)
石丸「それでは諸君、まずは朝食を取ろうではないか…手を合わせて……!」
石丸「いただきますッ!」
朝日奈「いただきま~っす!」
大神「頂戴する……」
江ノ島「はいはいいただきま~す」
大和田「小学生かよッ…」
葉隠「お米の神様、農家の皆様……豊穣神の恵みに感謝……いただきます…だべ」
大和田「……」
153 = 147 :
多少の不協和音はあれども、各々用意された朝食に箸をつける
周りと談笑するものもいれば、黙々と食事を口に運ぶ者、あるいは何やら考え事をしながら咀嚼している者もいる
舞園「……苗木君」
苗木「…ん、何…舞園さん?」
舞園「はい、あ~ん」
苗木「!!?……ち、ちょっとっ……!?」
舞園「ふふ…冗談ですよ」
苗木「もう……からかわないでよ……」
リア充・・・・・・!・・・・圧倒的・・・・・リア充っ・・・・・・・・!!!
桑田「………」
カイジ「………」
154 = 147 :
カイジ「……その……、……仲が……いいんだな」
苗木「あ、いやそのっ……ご、誤解しないでっ……!……ボクと舞園さんは……!」
舞園「同じ中学校出身なんです……最初の自己紹介のときにも話しちゃいましたけど」
桑田「…舞園ちゃんは中学の頃からアイドルなんだよな?」
桑田「おう苗木、オメー相当周りからウラヤマがられてたろ」
苗木「そんな……羨まがられるも何も……中学時代は舞園さんと面識なかったし……!」
舞園「そうですね……あの頃は私、ちょっと苗木君に避けられていたようですし……」
桑田「ンだとオイ?……舞園ちゃんシカトとか…どーいうこった苗木っ……!」
苗木「ち、違うよ……!……舞園さんはアイドルだし……ごくフツーの中学生のボクには遠すぎる存在で……」
カイジ「………」
石丸「どうしたんだい伊藤君、少し表情が暗いようだが……」
カイジ「あ、いや……何でも」
苗木達の会話に耳を傾けながら……カイジは自身と彼らとの間にある見えない壁を意識していた……
155 = 147 :
カイジ(やっぱり、苦手だ……こういう雰囲気は……)
カイジ(何というか……自然な人と人の関わりの中に……すんなり入り辛いんだよな……)
カイジ(これで外にいれば……仕事の上下関係なんかで気まずくなってすぐ辞めちまったり…)
カイジ(何てことになるが、横一線の関係しかない分、ここは気が楽だな……あのクマの存在は別として)
そのようなことを考えながら、カイジは周りを見渡してみる………
苗木らは相変わらずあれこれ談笑中、その左側にいる大和田と葉隠は時折ぽつりぽつりと言葉の応酬
カイジの正面に並ぶ女子4名も、それなりに話に花を咲かせている様子
一方……
カイジ(隣の石丸は…いかにも規則正しくといった感じで黙々とメシを食っている)
カイジ(メガネと小説家は相席だが一切会話はない……片方は何かいろいろ喋りたそうだが)
カイジ(そして向かって左側の3人にいたっては……まるでお互いに興味がないといった雰囲気……)
カイジ(各々が自分の世界に入って、バリケードを張ったまま、ただ並んでいるだけ………、そう見えるだけなのかも知れないが)
156 = 147 :
と、その時……!
誰に向けるともなく、1人の少女が口を開いた……!
けして大音声ではないが………周囲のざわつきを貫き通すような一声
霧切「ひとつ、聞きたいのだけれど」
しんっ・・・
一瞬にして、周りのぼそぼそとした喧騒が掻き消される
朝日奈「どうしたの、霧切ちゃん…?」
霧切「私がここに来た頃には、既にテーブルに食事が用意されていたのだけれど」
霧切「……誰が朝食を作ったのかしら?」
それは、やや遅れて食堂に現れた者にはもっともな疑問であり……カイジもまた気づいていたが
誰も指摘する者がいないのでそのまま捨て置いていた質問だった……
157 = 147 :
不二咲「それなら……」
朝日奈「最初に来た私と、さくらちゃんと不二咲ちゃんで用意したんだよ~」
大神「用意といえども……たいした手間ではなかったが……」
朝日奈「野菜やハムを切ってサラダにしたり、飲み物淹れたり、パンを配ったり……サ○ウのごはんをチンしたり」
不二咲「他の皆が来る前に、ほとんど準備は終わってたよ」
石丸「僕も彼らと同時に食堂入りしたのだけれど、皆の遅刻防止のため一度寄宿舎エリアに戻ったので、な」
大和田「遅刻防止っつーか……ありゃサツの朝方のしょっぴきだろ……」
桑田「むしろ強制連行じゃね」
霧切「……そう」
葉隠「どうしてそんな神妙な顔をするんだべ?」
霧切「わからないの…?」
葉隠「?」
カイジ「ハッ……つまり……!」
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十神「今後の食事の準備に関して、取り決めが必要なのか否か……そういうことを言いたいのだろう?」
カイジ「…ッ」
カイジ、発言に遅れをとる……!一瞬の遅れ……!場合によっては命取り……!
霧切「そうよ」
霧切「これまで2日間は、基本的に各人が自ら食事を用意し、片づけをしていた」
霧切「けれど、今日から朝食会を開いて、こうして一同に集って食事を取るのなら」
霧切「……今回のようにまとめて用意して、片付けも行うほうが効率的でしょう……?」
石丸「なるほど!」
石丸「確かに霧切君の言うとおりだ!……だが、今朝のように」
石丸「毎回早く食堂入りした生徒が自主的に準備をするというのは不公平感があるだろう…!」
舞園「それなら…ローテーションを組むというのはどうでしょう?」
159 = 147 :
桑田「ローテ?」
舞園「はい、食事当番を決めるんです……4人一組くらい……一日交代で」
舞園「それなら朝食会も毎日時間通りにできますし、4人もいれば誰かが体調不良でも、準備に支障はないでしょうし」
山田「……なるほど、良案ですな」
大和田「……ま、いんじゃねぇの」
十神「……まったく、お前達はまるで脳ミソが足りてないな」
大和田「ああッ……!?オメェ今何つったァ……!!」
十神「何だ?……反応するということは愚鈍を認めたようなものだぞ」
大和田「ぶっとばされてェのか……!!」
大和田、激高……!しかし、苗木の時の一件もあり、手は……出さないっ……出せないっ……!!
160 = 147 :
十神「考えてもみろ……誰かに自」
カイジ「自分の食事を…任せるということは……!!」
セレス「自らの命をその“誰か”に預けることも同然なのですよ」
不二咲「え……それはどういう……」
霧切「文字通りの意味よ」
十神「……ふん」
メガネ、セリフを奪われ……憮然とした表情……!
霧切「この中の誰かが、…舞園さんの案なら4人が、16人分の食事を用意できるのならば」
霧切「この4人は……その気になれば、他の人間をいとも簡単に殺害する機会(チャンス)を得るわ」
一同「・・・・・・・・・・・・!!」
霧切「例えば、……毒を盛る……といったような方法で」
一瞬で凍りつく食卓っ……!霧切と同じ考えが浮かんでいた者も、そうでない者も……!
その可能性を言葉として“咀嚼”することで……俄然現実“味”をまして迫ってきた……!“食べ物”
なだけに………!
161 = 147 :
霧切「利便性を追求すると、…どうしてもそれに伴うリスクが生じてしまう」
十神「そういうことだ」
石丸「そ、そのような……ことなど……」
江ノ島「いるわけないっしょ……さすがに…そんな本気(マジ)な奴……!」
十神「いないとどうして断言できるんだ?」
十神「現に俺は、この朝食を他の全員が口にするまで手をつけなかった」
朝日奈「なっ・・・・!」
十神「他の奴が用意したものなど……ナニが入っているか分からんからな」
十神「バイキング形式だから、全員がもれなく口にした後は……喉を通してやったが」
朝日奈「ひっどいよ・・・!!そんなに・・・疑うなんてっ・・・・・!!」
十神「何度言ったら分かるんだ?……俺はお前達を信用なぞしていない」
162 = 147 :
大神「朝日奈……そう取り乱すな、十神の言うことも……確かに理に適っている」
桑田「はん……十神の言い方にはイラつくがよ……確かに、それもそうだわ……」
苗木「そんな……」
山田「誰か1人でもその気になれば……!我々全員……一瞬でお陀仏にィっ……!!」
モノクマ「…それは違うよ」
一同「・・・・・・!!」
モノクマ、唐突に食堂に出現ッ………葉隠の……頭上に……!
葉隠「わっ・・・・!わっ・・・・!そこを退くんだべっ・・・・・・・!」
モノクマ「こらこら……無理に振り払おうとしない」
モノクマ「先生に暴力を振るったら校則違反だよっ……今のはノーカンにしてあげるけどねっ…!」
腐川「本当に……神出鬼没ね……」
十神「なんだ、腐川(オマエ)まだいたのか?」
腐川「ふぇぇ・・・」
163 :
食べ物なだけに……!
じゃねーよwwww
164 = 147 :
セレス「で、……『それは違う』とはどういうことなのですか?」
モノクマはカイジ達に対し、“コロシアイ”の補足説明を行った
……即ち、1人の“クロ”がコロすことができるのは、2人までであるということ
……共犯の場合は、実行犯(実際に殺害行為を行った者)のみが“クロ”に該当するということ
……自殺の場合は、自殺者=“クロ”になるということ
……事件が発生した場合、発見者が3人を越えた時点で緊急放送が入るということ
……そして事件後、しかるべき後に“学級裁判”が執り行われるということ
モノクマ「ん~~、ここで話しておくべきことは……これぐらいでいいかなっ……」
165 = 147 :
霧切「仮に2人の人間が意思の連絡なく、別々に犯行を企てて、同一人物を全く同時に殺害したとしたら?」
霧切「例えば……2人とも拳銃を利用した場合、ね……学園内に拳銃が存在するかどうかは置いておくとして」
霧切「2人のうち、どちらの放った弾丸が致命傷になったのか断定できない場合」
霧切「……両者とも“クロ”ということになるの……?」
モノクマ「・・・・・・・・えー?・・・・・・・・刑法的な論点は置いといて・・・」
モノクマ「・・・・・・RECが仕事してくれるさ・・・きっとっ・・・!」
166 :
観測出来ない場所で殺された場合ってどうなるんだっけ
167 = 147 :
モノクマ「ではでは……」
カイジ「おい、ちょっと待て…!」
カイジ「“学級裁判”って……何だよ……?ちゃんと……説明しろよ……!!」
モノクマ「学級裁判が、何…だって?……それはね……!」
モノクマ「 だ れ か が コ ロ さ れ て か ら の お た の し み ~ ! ! ! 」
それだけを言い残し、モノクマは颯爽と退場っ……!!
168 :
凄い面白い
169 = 147 :
結局その後、食事当番制についてはうやむやとなり
……原則として自給自足の方針でいくことが暗黙のうちに確認された
朝食会は、各人の信頼関係を醸成するどころか、逆に相互の疑念を深める結果となってしまった……!!
終了後、食器の片付けは準備をした朝日奈らが率先して行う他、一部の者は自主的に手伝い
……他のものは食堂を後にしつつある
その中で……
山田「しかし霧切響子殿はよく頭が切れますなぁ」
霧切「………」
山田「おおっ……華麗にスルー…されましたぞっ……」
170 = 147 :
カイジ「……なあ、セレスさんよ」
セレス「あら、伊藤君」
セレス「また、わたくしに薔薇の鞭で躾けられたくなったのですか?」
カイジ「・・・ぶっ」
山田「むほッ!?……伊藤カイジ殿!?……それは誠ですかなっ……!?」
カイジ「信じるなよっ・・・・!・・・・コイツの口から出任せだッ・・・・・!!!」
セレス「うふふふ、少し口が滑りました」
カイジ「出鱈目を……言うなっ……!…その上で、あんたに聞きたいことがある……!」
セレス「……何でしょうか?」
カイジ「昨日、あんたは……購買部で雀卓を入手したといっていただろ」
カイジ「実際にそこに行ってみると……いわゆるガチャポンみたいなのが陣取ってて……」
カイジ「その後ろの強化ガラスの向こうにいろんなモノが雑多に置かれているようだった」
セレス「……察するに、わたくしがどうやって“雀卓”を入手したのか、と聞いているのですね」
171 = 147 :
カイジ「ああ……」
山田「ふむ……」
セレス「現場を見てその程度のことも推測できないとは……小学生並の知性しか兼ね備えていないのですね」
カイジ「ッ……、まったく見当がつかなかったわけじゃない」
カイジ「…あのガチャにコインを入れて、アイテムを入手するんだろうということは想像がつく」
セレス「ちなみにガチャではなく“モノモノマシーン”と命名されているそうです」
カイジ「だが……問題はそのコインの出所だ……!ここには貨幣というものが…存在しないはず……!!」
セレス「そこで“モノクマメダル”を利用するのです…!」
カイジ「モノクマ…メダル…!?」
172 = 147 :
ちゃりーんっ・・・! ちゃりーんっ・・・! ちゃりーんっ・・・! ちゃりーんっ・・・!
その時……!大量のメダルがっ……!!……目の前のテーブルの上に……ぶちまかれる………!!!
カイジ「!!!」
山田「なななな!?」
セレス「まぁ・・・!」
霧切「……これのことよ、モノクマメダル」
173 = 147 :
カイジ「これ……全部で…少なくとも100枚…以上っ……!…いったい……何処で……?」
霧切「校内を探索する途中、至るところで見つけたわ」
霧切「何らかの手がかりになるかと思って随時回収していたのだけど」
霧切「……あの機械に投入する物だったのね」
山田「いやはや……こんなメダルがこの学園内に隠されていたとは……気づきませんでしたぞ」
セレス「これだけの数を2日間で……よほどお1人でお暇でしたのでしょうね」
霧切「…………」
174 = 147 :
カイジ「これを使えば、いろんなモノがドロップできるわけか……!」
セレス「そうです」
セレン「どんな景品がドロップできるかは運次第……コインの投入枚数は1枚から99枚まで可能ですが」
セレス「一度の投入によって獲得できるモノは……1つだけ」
セレス「ただ、メダルの投入数によって……以前に獲得したドロップ品との重複率が変動するようです」
セレス「……わたくしはこれまで」
セレス「雀卓の他に、Eカード、リ○キーダイス、ローズウィップ、焼き土下座強制機、リムジンをドロップしました」
セレス「いずれも獲得難易度Bランク以上の代物です」
カイジ「半分以上嘘臭ぇが……いろんなモノが手に入るのは……事実のようだな……!」
175 = 147 :
山田「なるほどなるほど……ですが疑問ですな」
山田「なぜアイテムドロップなどという……いわば余興などを、黒幕殿は用意したのでっ……?」
霧切「黒幕は私達にコロシアイを扇動しつつ、一方で平和的な共同生活を送る選択肢も与えている」
霧切「モノモノマシーンという“遊戯”を提供し、アイテムの獲得という物欲を満たす機会を与え……」
カイジ「……まぁ、そんな御託を並べるのはもういいだろ?」
霧切「…どうして?」
176 = 147 :
カイジ「あんたはその大量のメダルを……今すぐ購買部のマシンに投入するつもりか……?」
霧切「今すぐ?」
霧切「……そのつもりは、ないけれど」
カイジ「だったら……勝負をしようぜっ……」
霧切「……?」
カイジ「あんたが集めたそのメダルが……賭けの対象っ……!対象として……俺と……ギャンブルをっ……!!」
この時、山田は悟った……!……伊藤カイジという男は……もしやギャンブル中毒なのではないか…と…!
他方、ハッパをかけられた銀髪は……!……実に透徹として……無表情な…!
……冷ややかな目で、カイジを見据えていた…!!
177 = 147 :
また次回
…次には例のDVDが出てくるとこまで……
179 :
メダルでギャンブルするなwwww
180 :
が、銀髪……この提案を無視……!!
カイジ……空振り……それもそう……
カイジ自身……賭けの対象となるコインの所持数……0……!
181 :
そういえば福本キャラに女ギャンブラーっていたっけ?
182 :
カイジ負けて捜査の時霧切にこき使われそうw
183 = 178 :
>>181
名前持ち女キャラ自体少ないだろ
184 :
カイジから唐突にギャンブルを持ち掛けられた銀髪……!
そのポーカーフェイスは崩れないが……内心は多少なりとも困惑しているであろうことは……
想像に難くない……!
霧切「………」
カイジ「こちらが勝った場合には……そのメダルを全て俺に譲ってもらう……!」
カイジ「で、もし俺が…負けた場合には……」
セレス「当該メダルの枚数の2倍程度……倍返しくらいが相場でしょうか?」
セレス「モノクマによりますと、メダルは毎日一定数……新たに学園内の随所に配置されるとのこと」
セレス「具体的な数字は定かではありませんが、労を惜しまず毎日探し続ければ」
セレス「……収集不可能な数量ではないでしょうね」
山田「しかし……200枚以上拾い集めるとなると……骨の折れる作業になりますな」
カイジ「だが……その程度の労苦……汗水垂らして強制労働させられるのに比べれば……屁でもないこと」
霧切「ちょっと待って…」
185 = 184 :
山田「では……実際に賭けとなると、何をするのですかな?」
セレス「霧切さんは、校内を探索するのがお好きなようですから…」
カイジ「あまり時間を取らせるのも……悪いな」
山田「短時間で終わる賭け……、コイストスなど……最適なのでは……!……まさにコインがここにありますし」
霧切「ちょっと…」
カイジ「いや、仮にも100枚以上のメダルを賭けるんだ……さすがに五分五分の一発勝負は軽忽過ぎる」
セレス「では、じゃんけんで決めるのはどうでしょうか?」
山田「じゃんけん……ですと?……それこそ安直……そもそもギャンブルですらないのでは……!」
カイジ「……いや……じゃんけんも立派なギャンブルさ」
186 = 184 :
セレス「山田君は、“じゃんけんの必勝法”というものを聞いたことはありませんか?」
山田「必勝法……確かにそんな話は聞いたことが……しかし、唯の都市伝説…オカルトの類なのでは…?」
カイジ「それは違うぞ、……山田」
カイジ「単純計算なら……グー、チョキ、パーの手がそれぞれ出る確率は等しく3分の1だが……」
カイジ「実際には相手の性格、心理状態を推し量ることで勝率をグッと上げることが……云々……」
セレス「心理状態は体の動きにも影響を及ぼしますわ……例えば腕を振上げた瞬間の拳の角度が……云々……」
霧切「……………」
ギャンブルの相手当事者でありながら……置いてきぼりにされる銀髪……!
霧切「ちょっと…待ってもらえるかしらっ………!!」
187 = 184 :
し・・・んっ・・・
ようやく沈黙が訪れる……食堂の一隅……
霧切「賭博をする、しないの話の前に……確認しておきたいことがあるわ」
霧切「いいかしら?」
カイジ「……ああ、いいぜ」
霧切「あなたの目的は……このメダルを獲得することで得られるであろう、ドロップアイテムにあるの……?」
霧切「それとも、……もしかして……賭博自体をやりたいだけなの……?」
カイジ「そりゃあ……当然…………後者だっ……!」
188 = 184 :
カイジ「勿論、モノモノマシーンとやらで如何に有用なモノをドロップするか……それ自体も興味があるが……」
カイジ「それだけなら、最初からあんたのようにメダルを探し歩けばいいだけのこと……」
カイジ「つまり……敢えてリスクを抱えるとしても、一攫千“金”を目論見たい……って話だ……」
霧切「………、どうしてそこまで賭博に拘るの……?」
カイジ「理由なんざっ………たったひとつ………!」
カイジ「勝った……ときの……!恍惚感っ……達成感っ………!願望成就の境地……心の桃源郷………!!」
カイジ「そこに到達すること………!それこそが………すべて………!!」
霧切「そ、そう」
山田「………」
鬼気迫る熱弁に……2人が少々引き気味なのに漸く気づいたカイジは……!
カイジ「………」
カイジ「ま、まあ……否が応にも闇世界に引き擦り込まれちまって………自分が博打をする意味ってのを」
カイジ「いろいろ……考えてたら……」
……その時カイジ、背後より肩をポンと叩かれるっ……!
189 = 184 :
カイジ「…!?」
石丸「話は聞かせてもらったよ……伊藤君」
カイジ「石…丸……?」
石丸「賭博は違法行為……!……脱法行為……犯罪だぞッ………!!」
セレス「違法もまた法ですが」
石丸「許されがたい行為を……僕は見逃すわけには………いかないッ………!!」
石丸、猛然と抗議……!!それはぐぅの音も出ない正論っ………!!
カイジ(う……鬱陶しい………!)
190 = 184 :
石丸「伊藤君、考え直すんだ……まだ君ならば……十分更正の余地がある……!」
石丸「そう僕は…確信している……!!!」
霧切「………、そうね…賭博はよくないわ、私は無関係だから」
メダルを素早く回収した銀髪は、さらりとした髪をなびかせながら…その場を立ち去る……!
カイジ「お、おい……ちょっと待っ」
セレス「あら…もうこんな時間、お洗濯を済ませなければなりません」
山田「おおっと……僕も自室に戻って煩悩を持て余さねばなりませんね……」
さりげなく理由をつけて、食堂を後にするゴスロリ服と山田………!
カイジ「おいッ…!お前ら……まで……!」
191 = 184 :
石丸「伊藤君!……いい機会じゃないか」
石丸「君の未来のためにも……!……賭博で身を汚した過去を反省し、善良な真人間として更正するべきだ!」
カイジ(はぁぁ・・・・・・・)
カイジ(早く説教・・・・・・終わんねぇかな・・・・・・・・・・)
この後、石丸の説諭は約1時間に渡って続くことになる
すべてはカイジのことを思っての発言であったが……
ギャンブル漬けの生活に慣れきった者にとって………!
今更…善良な一市民になれというのは絵空事に等しく……!
すべての言葉は暖簾に腕押し……!…馬の耳に念仏……!
…博徒に職業訓練を施すが如く……無意味な時間の浪費であった………!!
192 :
来たか
193 :
でも桃源郷とか目指してる段階のカイジはボロ負けしか・・・
一旦ボロ負けしてどん底に落ちたら這い上がるタイプだけど・・・
194 = 184 :
そして、時刻は午後3時を過ぎたころ……
―個室(伊藤カイジ)―
カイジ「ふぁ~あ…………ったく」
カイジ(山田もセレスも……俺を見捨てやがって……)
カイジ(………『見捨てやがって』……?いや、それは…違うな……)
カイジ(別にあいつらが……仲間だってわけでもない………)
カイジ(たまたま……あの女がギャンブラーで、ついでにその近くに山田がいただけ……)
カイジ(そういう偶然……偶発的な事情で………あいつらと関わる機会が増えただけ)
カイジ(別に……無理に周りと関わらなくても……問題はないんだ)
カイジ(あのメガネや霧切のように……周囲と一線を画していても……それで村八分にあうわけでもない)
カイジ(そういう……環境になってるんだからな………仕込まれている……といってもいい)
195 = 184 :
カイジ(だから……別に一匹狼でも………)
カイジ(…………)
カイジ「やっぱ違う……そうじゃない……」
カイジ「何がそうじゃないのか……自分でもよく分からないが……」
カイジ「ひとつだけ……確かなことは……」
カイジ「結局のところ……俺は……ギャンブルを………易々とは……捨てられない………」
カイジ「ただ……それだけだっ……………」
カイジ、ベッドから立ち上がり室内で伸びをする
カイジ(まだ……昨日…セレスと交わした麻雀(ギャンブル)の条件は継続している……)
カイジ(………どうせ暇なんだ)
カイジ(餃子作りでも……するか……)
部屋を出て、食堂に向かおうかと廊下を歩いていたカイジのもとに……
「伊藤クン……!」
196 = 184 :
カイジ「!……苗木か?」
苗木「よかった……見つけた」
カイジ「俺を…探してたのか……?」
苗木「うん……それが、モノクマがまた…ボク達に話したいことがあるからって」
苗木「体育館に集合するようにって……」
カイジ「え…」
苗木「さっき放送が流れてたけど……聞こえなかった…かな」
カイジ「あ、ああ悪い……ちょっとうとうと……してた」
カイジ「手間かけたな……」
苗木「ううん……ボクは構わないよ、行こうか」
足早に体育館に向かう両名……そして、16人が集合した上で
学園長ことモノクマの布告が始まる……!
197 = 184 :
モノクマ「まったく、君達の消極的な姿勢には……失望を禁じえないよっ……!」
大和田「つーか…!いい加減に正体現せやっ……!……変態殺人鬼がっ……!!」
モノクマ「ヘンタ=イ=サツジンキー…?ソ連の音楽家か何かぁ……?」
大和田「ふ…ざけんなコラ……!」
ひそ・・
カイジ「……殺人鬼がどうこうって……何の話だ……?」
江ノ島「知らないー?“ジェノサイダー翔”ってヤツ……ほら、いろんなウワサのある……」
不二咲「もしかしたら…犯人はその連続殺人鬼なんじゃないか……って皆で話してたの……」
カイジ(知らねーな……)
198 = 184 :
モノクマ「前略……やっぱり、“動機”の提供が必要みたいだねぇ……」
モノクマ「というわけで……学校の外の映像を見せてあげることにしましたぁ……!」
モノクマ「ある場所にブツを用意してあるから……どうぞ覗き見ちゃってくださいなっ………!」
モノクマ「おしまいに」
モノクマ「うぷぷぷ……真実はひとつだけ……学園の謎を知りたければ……好きにすればいいよっ」
などと、今回も概ね一方的に話し、終わるとさっさと消えてしまう……
大和田「……おい」
大和田、出入口付近にいたカイジと苗木を指名……!
カイジ「え…」
苗木「え…」
大和田「ちょっくら行って来い……そのブツとやらを探しによッ………!」
カイジ、苗木は無抵抗に同意……!……舞園も加わり3人で……映像を視聴可能な部屋へ移動……!
199 = 184 :
―視聴覚室―
そして、それらしいブツは……すぐに3人の視野に入る………!
カイジ「……この……ダンボール箱は……?」
舞園「疎開資料でしょうか……?」
苗木「……それはないと思うよ」
その中には……16枚のDVDが……封入……!
苗木は、このDVDの存在を知らしめるために体育館へ……一方、残されたカイジと舞園は……
カイジ「……全員の名前が……ラベルに……載ってるな」
舞園「そうですね………どうします……?」
カイジ「ん…?」
200 :
カイジは外の世界潰れてるって聞いたら
もう帝愛が俺を追ってくる心配なし……!ここで一生暮らそう……っ!
とか内心喜んでそうww
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