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    元スレ忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」

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    302 :

    2期おめ

    303 :

    続編・・・

    二期なのかなぁ・・・

    304 :

    正式に二期と決まったらしい
    ソースはアニメ公式のTwitter

    305 :

    文化祭。
     私たちのような高校生にとって、何とも胸が躍るイベントではないでしょうか。
     中学の頃は綾ちゃんと陽子ちゃんと、楽しんだ記憶があります。
     そして、高校では――

    「……? シノ、どうかしたの?」
    「いえいえ」


     いけません、ついつい凝視してしまっていました。
     朝の光を浴びて、視界の中で映える金色の髪。
     それはまるで、奇跡のようなバランスで――


    「こらこら、シノ」
    「わっ」


     ポンッと肩を叩いたのは、大切な私の友達でした。
     陽子ちゃんは溜息をつきながら、


    「公道で、あんまりジーッと見ちゃダメだろ?」
    「うう……すみません、陽子ちゃん」
    「――ま、聞き分けのいいのは、シノの良い所だけどな」


     そう冗談っぽく言って、ヘヘッと笑う陽子ちゃん。
     そんな彼女に、私は何度助けられてきたでしょうか……。






     ――少し離れた所から、私は先を行く三人を見つめていた。
     シノの冗談にアリスが顔を赤らめ、それを陽子が優しくたしなめる。
     そんな、どこまでも仲睦まじい三人組を。


    「――うーん」
    「どうかしマシタ、アヤ?」
    「ひゃっ!? カレン?」


     ビックリした。
     その特徴的なカタコト口調に反応してそちらを見れば、予想通りそこにいたのはカレンだった。
     カレンは、相変わらず可愛らしいキョトンとした表情を浮かべながら、私を見つめている。


    「うーんと、ね……その」
    「シノとヨウコ、デスカ?」
    「……わかっちゃうの?」
    「バレバレデス」


     そう言って、クスクスと笑ってみせる。
     相変わらず、憎めない英国少女だ。


    「But……アヤは心配しスギデス」
    「そう、思う?」
    「ハイ」


     そう言って、腕を広げてターンし、笑顔を浮かべてみせる英国少女。
     そんな彼女は本当に自由で、その奔放さが私はちょっと羨ましい。


    「私とアリスは、シノが好きデス」


     ほんの少しボリュームを落として、カレンは私に言った。
     さっきまで浮かべた満面の笑みを浮かべながら、はっきりと。

    306 = 56 :

    「うん、知ってるわ」
    「アヤは、どうなのデスカ?」
    「――そう、来るのね」


     そっか、私の気持ちか。
     前方を見れば、彼女は二人の友人と喋りながら、屈託のない笑顔を見せている。


     ――どうして、陽子は……私の、こと――


     ふと思い出した記憶は、私の体温を上げるのには十分すぎた。
     いけない、まだあの時のことを忘れられていない……。
     

     でも、あの時の問いかけを、本当に忘れていいのか。
     そのことを、帰った後で考えた。
     その結果……私は、「ちょっとした」答えを出したのだった。


    「……ありがと、カレン」
    「What?」
    「思い出させて、くれて」


     そう言って、私は空を見上げる。
     本日は晴天なり――
     文化祭初日に、おあつらえ向きの天気だ。



    「わぁ……」
    「ついに、って感じだな」
    「すごーい……」


     校門には、色とりどりのデコレーションが施されており、観る人の気分を上げていた。
     一方から一方へかけられたアーチが掲げるは、「ようこそ! 〇〇高校文化祭へ!」というアート。
     後からやって来た綾とカレンも、それを見てウットリとしている様子だった。


    「――綾は、こういうロマンチックなの好きだもんな」
    「……陽子」
    「? どした?」

    307 = 56 :

    おや、おかしい。
     いつもならこんな風にからかったら、「そ、そんなこと!」とか言って顔を赤らめるようなものだけど……。


    「――そ、その」
    「……」


     モジモジとする友人は、何を思っているんだろう。
     付き合いの長い方の私も、時々分からなくなってしまう。


    「……や、やっぱり、なんでもない!」


     逡巡した末に、綾はピューッと昇降口へ走って行ってしまった。
     しかしまぁ、後ろから見ても耳が真っ赤だ。
     まるで、カレンの家での「前日祭」の時みたいに――



     ――私だって、陽子が……!――


    (……な、何を思い出してるんだ、私は!)


     いかんいかん、これはマズい。
     どうして、あの光景がフラッシュバックするんだ!


    「……陽子ちゃん」
    「シノ?」
    「あ、大丈夫ですよ、アリス。今日も可愛いですね」
    「……それ、寝起きから10回くらい聞いたよ」

    308 = 56 :

    短いですがここまでです。
    リハビリ兼プロローグ的な何か。
    本番の方は、しばしお待ちを。

    ここ最近、体調を思いっきり壊してしまっていたため、遅れてしまい申し訳ありませんでした。
    あぁ、二期が楽しみだ……(遠い目)

    310 :

     ――で。

     私たちの出し物は何かというと、少し説明に困る。


    「甘味処!」
    「メイド喫茶!」


     こんなやり取りと睨み合いの末、えらく変則的な結論に落ち着いた。
     すなわち、2つを同時並行する、ということに。
     この提案への決を採った時の委員長の困惑顔は、未だに忘れられない……。

     そして、もう一つ。
     私たちにとっては、とても重要なことがまだ残っていた。
     2つの出し物を並行して進めることはともかく、そこには「役割」というものがある。
     例えば、男子なら看板を作ったり、買い出しにすすんで行ったり。
     そして、提案の都合上、女子が目立つ役割――すなわち、メイドさんだったりを担当することになる。


    「……ええと、その」


     壇上の委員長が困惑した。同時に、烏丸先生も最前列を見つめる。
     クラスメイトの視線も、「その子」に集中することになる――


    「……ど、どうしますか、その」
    「そ、そうですねぇ――」


     委員長と先生が困惑を声に混ぜながら、協議する。
     それはまぁ、しょうがないことなんだろう。


     なぜなら――


    「……シノは、どうなるんだろう?」


     私の友人――陽子がポツリと呟いた。
     それはきっと、クラスの皆が思っていることだったと、私は思った。


    「皆さんは、どう思いますか?」


     先生と簡単な話し合いを終えて、委員長が私たちに視線を移す。
     周囲を見てみれば、ある人は顔を赤らめているし、ある人はどこかにやけているようにも見える。
     十人十色の反応を見て、委員長は最後に、「本人」と目を合わせた。


    「……大宮さんは?」
    「私、メイドさんやりたいです!」


     そうして当人――シノがハキハキと応えた時、クラス全体が妙に脱力したことは言うまでもないことだろう。

    311 = 56 :

    「とはいえ……大宮さんは、ええと」
    「そうだよシノ。シノは……その」


     逡巡する委員長の言葉を、シノの隣にいるアリスが継いだ。
     二人とも、顔が真っ赤になっている。無理もない。

     そう、何といっても、シノは――


    「……よう、お前どう思う?」
    「ええと俺は――」


     耳に入ってきたのは、いつだったかシノと話していた二人の男子生徒の声。
     私がそっちを向くと、二人もまた顔を赤らめながら、ひそひそと話していた。


    「常識的には……無し、だけど」
    「俺からすれば――有り、かなぁ」


     聞き耳を立てながら、もしかしたらこれがある意味、クラスの総意なのかもしれないと、私は思った。
     しばらく時間が経ってから、


    「皆さん」


     委員長がコホンと咳払いをして、言う。


    「――臨機応変に、いきましょう」


     明快な回答を好む委員長らしからぬ結論だったけれど、クラスは全員が頷いた、ように見えた。
     委員長、お疲れ様……。

    312 = 56 :

    ――学校祭当日・校門前


    「……なんてやり取りもあったけれど」

    陽子「結局、どうなるんだろうなぁ」

    アリス「……」

    アリス(シノからすれば、メイドさんをやりたいのは当たり前、なんだろうけど……)

    「えへへ……」

    「メイドさん……」パァァ

    アリス(あまりにも嬉しそうなシノの表情を見てると、何も言えないよぉ……)


    「あら、そういえばカレンは?」

    陽子「あぁ、さっき『OH! 待ち合わせ時間に遅れてしまいマス!』って、走っていった」

    (い、いつの間に……)



    ――教室前


    アリス「あっ、委員長さん」

    委員長「……あぁ、カータレットさん」

    委員長「そして――大宮さんたち」

    「あの! それで、メイド服は、どちらに!?」ハァハァ

    陽子「シノ、落ち着け」

    (あぁ、ここまで嬉しそうなシノを見ると、辛い……)キュッ


    委員長「……ちょっと、いいかしら」ヒソヒソ

    陽子・綾「?」

    委員長「結局」

    委員長「……色々と、職員会議で協議された結果」

    委員長「『男子』は、裏方作業に徹するべきだ、って結果になったみたい」

    二人「」

    313 = 56 :

    「メイドさん、メイドさん~♪」

    アリス「シ、シノが歌を……」

    委員長「……それで」

    委員長「そのことを、その――大宮さんに言っていいもの、なのか」チラチラ

    委員長「……」キュッ

    (委員長、苦しそう……)

    陽子(色々と苦労してたもんなぁ……)


    子A「……ん?」

    子B「あれ、委員長たち、どうした?」

    委員長「!」

    陽子「よ、よぅ、二人とも」

    (だ、男子……!)アセアセ


    子A「……あぁ」

    子B「もしかして委員長――あのこと?」

    委員長「……えぇ」

    子A「ふーん」


    子A「おはよ、大宮さん」

    「あっ、おはようございます!」ペコリ

    アリス(シ、シノが男の子と……)

    アリス(あれ、でもシノ自体、『女の子』じゃないから、これは自然で、ええと……)グルグル


    子B「……」

    子B「今、女子なら別のあそこの空き教室で着替えてるよ」

    委員長「!?」

    「わぁ、そうなんですか! 綾ちゃん、陽子ちゃん、早く行きましょう!」

    子A「待った」ポンッ

    「はい?」


    子A「いいか、大宮さん」

    子A「……今、この教室の中に烏丸先生がいる」

    子A「話してから――そことは別のトコで着替えることになりそうなんだ」

    委員長(……先生!?)

    陽子「お、おい、それどういう――」

    (ど、どうなってるの……?)

    314 = 56 :

    「……あ」

    「そう、でしたね――私としたことが」

    「お二人とも、ありがとうございます」ペコリ

    「それじゃ陽子ちゃん、綾ちゃん、アリス、また後ほど」タタタッ



    委員長「……どういうこと?」

    子A「ん、簡単なこと」

    子B「俺たちがカラスちゃんに、『大宮さんには、何としてでもメイドさんをやらせてあげてほしい』ってお願いしただけ」

    陽子「……それ、って」

    子A「職員会議だか何だか知らないけど」

    子B「大宮さんが、マズいこととか起こしそうにないことくらいは、わかってるつもりだし」

    (……こ、この人たち)


    アリス「あ、あの……」

    アリス「それじゃシノは――メイドが出来るってことに?」

    委員長「……いいの? 烏丸先生は、それで」

    子A「先生はかなり迷ったけど、最後は俺たちの提案に乗ってくれた」

    子B「まぁ、『久世橋先生に怒られちゃいますねぇ』とか溜息はついてたけど」

    委員長「――バレたら、あなたたちだって危ないんじゃないの?」

    子A「ま、別に」

    子B「中学とかと違って、内申なんて無いしなぁ……」

    子B「それに、生徒がやりたいことできない学校祭って、どう思うよ?」

    委員長「……それは」


    陽子「……ま、いっか」

    「ちょ、ちょっと、陽子?」

    陽子「そんじゃ綾、アリス、私たちはそこの教室に着替えに行こう」

    アリス「……シノ、大丈夫なのかな?」

    陽子「いいっていいって」

    陽子「なにかあった時はカラスちゃんと、そこの二人が責任取ってくれそうだし」

    子A「おお、プレッシャーだぞ」

    子B「ま、なんとかなるだろ」

    陽子「それじゃ……委員長も、お疲れ様」

    陽子「また後でなー」タタタッ

    「あ、ま、待ちなさいって陽子!」

    アリス「ヨウコー!」

    315 = 56 :

    委員長「……」

    委員長「で?」

    子A「なにか?」

    委員長「正直なところは?」

    子A「……」

    子B「……」


    子AB「大宮さんのメイド服姿に、めちゃくちゃ興味があったから」


    委員長「……後で大宮さんが問題にならなくても、あなた達は職員室に突き出すことにしましょう」アキレ

    子A「おいっ!」

    子B「委員長はマジメだなぁ」

    316 = 56 :

    今回はここまで。

    結局、欲望に人は勝てないというお話(嘘はついていない)。
    ちょっとオリキャラがでしゃばり過ぎた感がありますね……次回は、主人公勢中心で回したいと思います。
    あ、次回はカレンも登場予定です。

    今更ながら原作をちょこちょこと読み始めてみると、シノたちの学校祭にイサ姉たちは来てないんですね。
    アニメスタッフは、本当に素晴らしい改変をしたんだなぁと改めて感嘆しました。


    それでは、また。

    317 :

    乙デース!

    318 :

    あのスタッフなら二期も安心だ
    というか(ごちうさなど)最近のきららアニメは原作愛のある良作ばかりで嬉しい

    319 :

    ごめんなさい、もうしばらくかかりそうです。




    小ネタ



    「……」ズーン

    アリス「だ、大丈夫だよシノ!」アセアセ

    アリス「つ、次のGreeceには勝てる確立高いよ?」

    「――その、次は?」

    アリス「……」

    アリス「こ、Columbiaは、うぅ……」

    「……」


    「あぁ」タメイキ

    「私たちのチームも、アリスの所と当たれればいいんですけどねぇ……」

    「そう、夢の英国!」パァァ

    アリス「……」

    アリス(シノ、EnglandとUnited Kingdomの区別ついてる、よね……?)ドキドキ





    書いてて、シノはスポーツに興味持ってる姿が想像つかないことに気づきました……。

    320 = 56 :

    訂正:☓立→○率

    GL突破は難しいかもしれませんが、応援したいです。

    321 :

    乙です。
    たしかにスポーツに持っている忍は想像できない

    322 :

    体調が崩れて治らないので、もう少しお待ちください。
    ……完結しないうちに、二期になるかもしれないと思うと、何だか焦りますね。

    323 :

    まってる

    324 :

    すいません、もう少し……
    二期タイトル決まったのに、申し訳ないです。

    325 = 324 :

    あれ、トリップの様子が……
    これで間違えてたらごめんなさい。

    326 :

    意図的にHTML化寸前まで放置してるのでなければいくらかかってもいいと思う

    327 :

    すいません……もう少し。
    我ながら、虚弱体質ですね。

    328 :

    少し書けたので、投下したいと思います。
    地の文ばかりで読みにくいかもしれません。

    あと本当に今更ですが、>>32の時点でシノとアリスのコミュニケーションが成立するはずありませんね……ミスでした。
    それでは、小出しにしていきます。

    329 = 56 :

     ――AM9:00


    「わー、そっちの服、可愛い」
    「ありがと。でも、そっちも凄く似合ってるよ」


     教室のあちこちで、互いに互いを褒め合う声が聞こえてくる。
     ワイワイガヤガヤと、本番は始まっていないのに、もう学園祭のような感覚だった。


    「……みんな、キレイ」
    「いやー、アリスが和装してると、面白いなぁ」


     私が呟くと、ふんふんと納得したように頷く陽子がすぐ近くにいた。
     そちらの方へ目を向ければ、いやはやなんとも――


    「陽子、凄く似合うね」
    「そっか? へへ、ありがと。アリスも可愛いな」
    「うん! 何か、『頼れるアネキ!』って感じ」
    「……実の弟たちにも、そんな風に思われたらいいんだけどなぁ」


     素直に思ったことを言うと、陽子はクルッと後ろを向いて、頭を掻いていた。
     おそらく、照れ隠しだろう。
     察した私は、メイド服組の方へと目を転じる。


    「綾!」
    「……うぅ」


     声をかけると、綾は恥ずかしそうにモジモジとしていた。
     しかし、陽子が「頼れるアネキ」なら、綾は「花畑の百合」みたいだった。
     たおやかで、折ってはいけない雰囲気、というか……要するに、


    「綾も凄く似合う!」


     ということだった。


    「ア、アリス! そ、そんな大声出さないでぇ……」


     私が笑顔で呼びかけると、綾はガクガクと震えてしまった。
     元来、恥ずかしがり屋の性分の綾にとって、物凄く大変なんだなぁ、と一人頷く私だった。

    330 = 56 :

     実のところ、前日に実物を着てみる人もいたりした。
    「着たい人はどうぞ」というノリで。
     私たちは、採寸だけして、そのまま下校するという感じで、今日を迎えた。


     何故かといえば、そこでプルプルとしている彼女が身をもって証明してくれているし、
    「あぁ、あいつらも、もーすこし嘘をだな……」とか未だに後ろを向いて呟いている彼女もいる。


    (……みんなカワイイ)


     そんな人たちを見て、嬉しくなっていると――


    「はい、みんな! そろそろ着替え終わった?」


     あっ、壇上に委員長の姿が。
     パンパンと手を叩き、さながら教師のように見える。


    (……委員長も甘味処)


     そういえば、私はシノたちと以外、あまりお話をしたことがないような気がした。
     メイド喫茶と甘味処で別々に別れちゃうけど……それは、裏を返せば、


    (色んな人と沢山お話する機会!)


     ということになる。
     私は、今更ながらそんなことに気づき、一人胸を躍らせた――


    「……うぅ、慣れないわね」
    「もう、そろそろちゃんと立てって。綾も凄く似合ってるぞ」
    「――あ、あなたのそういう所が!」
    「またか!」


     ――後で、二人の会話を耳に挟み、「綾は大丈夫かな……」と思うのだった。
     楽しくないと「お祭り」にならないから。


    「……そーいえば」
    「な、なによ」
    「シノ、どーしたかなーって」
    「あっ」
    「あっ」


     私と綾の声は、ピタリと重なった。

    331 = 56 :

     そうだ、シノはあれから――!


    「……うん、全員、着替え終わってるみたいだし」


     委員長はそう言うと、扉の方を見て、


    「入っていいわよ」


     と、優しく言った。


    「わぁ、皆さんよくお似合いで」


     ほんわかとした口調で入ってきたのは、シノその人だった。


    「……」
    「へぇ……甘味処って、こういう感じなんですねぇ」


     女子の視線を一身に浴びせられながら、シノはどこまでもマイペースだ。
     さっきまでのザワついた感じは一瞬で立ち消え、全員が黙りこんでいた。ゴクリと唾を飲み込む音も聞こえる。
     きっと、シノは気づいていない。


    「――改めまして、大宮忍です!」


     ニッコリと微笑んで、壇上でペコリと頭を下げるシノ。
     そんな彼女に、誰もが心奪われているなんて――



    「……嘘、でしょ」
    「あれが――おとk」
    「シッ! 悲しくなるから言わないの!」


     静寂の後で、さっきまでのザワつきが戻ってきた。
     けれど、そこにあるのはさっきまでと、ちょっぴり違う感じもする。


    「私たちは私服姿を見慣れてるから何だけど……」
    「シノって、本当に恐ろしいのね……」


     改めて感じ入った、とばかりに友人二人が頷いた。
     私も便乗させてもらう。

    332 = 56 :

    「ええと、こういう格好で接客をするのは初めてなので……」


     にこやかな表情は全く崩さないままで、少しばかり頬を赤らめてモジモジとしてみせるシノ。
     何という反則級。しかし、当のかr――いや、敢えて――「彼女」は、それに気づきもしない。


    「皆さん、よろしくお願いします!」


     そう言って、シノは再度頭を下げた。
     再び顔を上げると、視線が私とバッチリ合った。


    「……」
    「――!」


     その柔和な笑みを、私は忘れられないだろう。
     今まで見たシノの顔の中で、一番キレイで、奥底にまで引きこまれそうな、その微笑みを。
     つい気恥ずかしくなって、プイッと横を向いてしまう。顔が赤らんだのを確かに感じた。


    「はーい、それじゃ大宮さんの挨拶はおしまい、ってことで」


     いいわね? と、委員長が皆に確認を取る。
     再び黙りこむ一同は、どこか困惑気味ではあった。
     それはそうだろう、事前に決を採ったとはいえ、実際に見るのとそうでないのとでは大違いだ……。


    「……」
    「よ、陽子?」


     静寂の中、隣の女の子が「パチパチ」と手を叩き始めた。
     たった一人だけの拍手は、しかし、静かな教室内によく響いた。
     それに倣って、私も同じ音を鳴らす。
     困惑気味だった綾が、私たちの後についてくる。
     そして、最後には全員を巻き込み、大きな輪になった――

    333 = 56 :

     ――AM9:30


     シノを迎えた後、最後の調整に向かっていた男子たちも戻ってきていた。
     全ての席が埋まる――おお、何だかんだで皆、楽しみなんだなぁ。
     そうして、隣同士でワイワイとやってると、カラスちゃんがゆっくりと入ってきた。


    「はい、皆さん! 今日までお疲れ様でした」


     そして響く、優しい声。あぁ、これだけで癒される……。
     周りを見れば、例えば「ホントきつかったよねー」なんて言いながら、頬が緩みきった女子の姿がある。
    「もうこんな力仕事、二度とやりたくねー」なんて言う男子も、素晴らしい笑顔だった。


     私は、そんな皆を見てしみじみと思う。
     学園祭ってのは、そういう行事だよなぁ、と。


    「そして、今日からが本番です!」


     教壇上で満面の笑みを浮かべるカラスちゃんは、本当に楽しそうだ。
     その気持ちは、きっと全員が持ち合わせているんだろう。


    「皆さん、楽しみましょう!」
    「おおーっ!」


     カラスちゃんがガッツポーズを取るのと同時に、私たちも腕を大きく上げた。
     いやぁ、始まる前からワクワクするね!


    「この服で、接客、なんて……」


     ちょいと近くのお嬢さんは、振り上げた腕がプルプルと震えてますけど……。



     さてと。
     何か色々なおカタい注意事項とかを言った後で、カラスちゃんは「それでは!」と教室を出て行った。
     チラッと時計を見れば、9時40分。うん、まだちょっと余裕アリ。


    「陽子、私、ちょっとお手洗いに行ってくるね」
    「ん、行ってらっしゃい」
    「うん!」


     律儀にそう言ってくれたアリスに返事をし、私は机に頬杖をついた。
     少し、この余韻みたいな感覚に浸っていたい……。

    334 = 56 :

    「あ、あのさ、大宮さん……」


     ん? 聞き覚えのある声だな。
     見れば、シノが今朝私が話した二人の男子といる。


    「はい、なんでしょう?」
    「……えぇと、その」
    「一緒に写真、撮ってくれるかな?」


     モジモジとした様子の二人は、こっちから見る限り、頬の赤みがバレバレだった。


    「はい、いいですよ」


     キョトンとした様子のまま、シノは立ち上がった。


    「それじゃまず、俺からでいいか?」
    「おう……3、2、1」


     パチリ、とケータイの音が鳴る。
     ちなみにポーズは、シノと男子が近くで一緒に立っているというごくごくシンプルなもの。


    「終わったぞ」
    「そんじゃ次な……いいか、大宮さん?」
    「えぇ、大丈夫ですよ」


     再度確認する男子に、晴れ晴れとした笑顔を見せるシノ(メイド服Ver)。
     自分の望んだ服を着られて、ご満悦といった風だ。


    「そ、そっか」


     おいおい、自分から声掛けといて、そんな顔赤くするなって……。
     やれやれ、と私は溜息をついた。
     中学時代まで、シノと個人的に写真を撮ろうなんて言い出す男子はいなかった。
     あの二人が特殊なのか、はたまた――


    (シノが、私たちの想像以上に「女っぽさ」に磨きをかけているのか……)



     と、机に頬杖を付きながら、何となく時計を見れば――9時50分!?
     ヤバい、そろそろ最後の打ち合わせを甘味処班で行わないと……!


    「い、委員長! そろそr」
    「そこの二人、何してるの!」
    「……あれ~?」


     当の委員長、何やら男子二人組にご不満の様子。


    「まったく、学園祭直前なのに、そんなにほうけて……」


     委員長が呆れた様子で溜息をつく一方で、シノたちは、


    「……」
    「……」
    「わぁ……」
    「な、なによ?」


     委員長を静かに見つめていた。
     キョドった様子の委員長は、なかなかレアだ。

    335 = 56 :

    「いや、お前さ」
    「なんというか――似合うな」
    「はい! とてもお似合いです!」
    「……な、ななっ」


     何言ってるの! と、震えた声が私に届く。
     あちゃー、あの三人……直前だってのに、ややこしいことしてる場合かっての。


    「おい、委員長! そろそろ」


     私が声を張り上げ、呼ぶ――


    「……あ、あの」


     ――前に小さな声が、届いた。

    336 = 56 :

    尻切れトンボ感が半端じゃありませんが、今回はここまでです。
    気づけば、放送終了から一年経ちそうなんですね……時の流れは、あっという間です。

    それでは。
    久世橋先生、誰になるのかなー、などと思いながら。

    337 :

    乙でした
    最近シノが女装ということを忘れそうになって困る

    338 :

    おつ

    339 :

    それじゃ、今回も地の文付きで投下します。
    少し、雰囲気が変わりました。とはいえ、シリアスになったというわけではない、と思います。
    どちらかというと少女漫画のような……まあ、投下しましょう。

    340 = 56 :

     

     ――AM9:48


    (あぁ、そろそろ時間が……)


     私は焦った。
     昔から、時間通りに事が運ばないと、すぐに困ってしまう性分だった。
     予定通りにやるべきことをテキパキとこなす。
     その流れが崩れると、途端にポツンとしてしまう。


     10分前になるまで、2分足らず。
     シノの元へ男子二人が行ってから、ハラハラと見ていたけど、そろそろ時間だ。
     シノを呼んで、メイド喫茶側も最後の打ち合わせを行わないといけない――


    (……どう、すれば)


     チラッと見れば、和装をした「彼女」は、どこかボンヤリとしている。
     ダメだ。こういう時のあの子は、あまり頼りにならない……。


    「……うぅ」


     ゆっくりと、私は立ち上がった。
     ただでさえ衣装のせいで恥ずかしかったのに、心臓の鼓動は倍加したようにすら感じる。
     どうすればいい? 「男子」となんて、話したこともない気さえする。シノは例外中の例外で。



     ――綾、変わったよな――



    (……陽子)


     電流が、身体に走ったような気がした。
     「図書室に行こう」と提案した私に、彼女はそんなことを言った。
     その名の通り、太陽のような笑顔で。
     その言葉が、私の中でずっと響き続けている。


    「……」


     ゆっくりと、彼らに向かう。
     少しばかり逡巡していた間に委員長まで加わり、どうやら事態はよりややこしいことになっているようだ。
     ……それでも。


    (足は、止めない……)


     そう、私は「変わった」はず。
     大丈夫だ、落ち着くのよ私。
     もう、中学時代の私は、いない――!
     四人の近くにまで行き、スゥっと息を吸い、


    「……あ、あの」


     我ながら何て、か細い声。
     ちゃんと伝わっただろうか?

    341 = 56 :

    「……?」
    「あ、綾ちゃん」


     三人の疑問符を浮かべた顔と、シノのほんわかとした表情。
     一瞬、萎縮する。けれど、踏みとどまった。
     私は、ゆっくりと話す。噛まないように、噛まないように……。


    「そ、そろそろ……時間といいますか、その」


     え、なにこれ? 
     私の口からちゃんと出ているわよね?
     ダメだ、言いたいことはまとまっているはずなのに、頭がグルグルして――


    「……あ、集まって、ですね、あの」


     ――言葉が、上手く出ない。


     すぐ近くにいる男子は、キョトンとしている。
     うっ、男の人の視線……どうしよう、なんでこんなに怖いんだろう。
     陽子やカレンなんて、あんなに当たり前のように男子とも会話している。
     シノは別としてもアリスだって、支障をきたしてない、のに。


     私だけ、取り残されたの?


     なんてことだろう。
     結局、私は変われていない……。




    「時間……あぁっ!」


     ビクッとした。
     眼前の委員長が大きな声を出したからだ。
     そして、キッと男子たちの方へ視線を向ける。


    「あなたたち、もう直前も直前じゃないの!」
    「うわ、ホントだ」
    「そろそろ男子組の方へ向かうか」
    「おう」


     大宮さん、ついでに委員長もガンバ! 
     そんなことを言いながら、男子たちは去っていく。
     ……あぁ、良かった。とりあえず、「男の人」はいなくなった。
     何だかよくわからないままホッと息をつくや否や――


    「小路さん、サンキュー!」


     ……え?
     完全に、油断していた。
     もう、「責務」は終わったのだとばかり思っていた。

    342 = 56 :

     声に反応し振り向いてしまうと、二人の男子が笑っていた。
     視線はバッチリ合ってしまう。
     でも何故か、私は震えてもいない。ピクッときたものの、すぐに止まった。
     すぐさまペコリ、と頭を下げる。
     そうするのがベスト、という気がして。


    「全く、最後まで……」


     顔をあげると、呆れ顔で呟く委員長の姿があった。ほんの少し、顔が赤くなっている。
     きっと、時間のことを失念していたからだろう。
     私は――今、どんな表情をしているのだろう。分からない。
     少しだけ頬が熱いけれど、気恥ずかしさはあまり感じられなかった。


    「それじゃ、私も甘味処班へ……っと、小路さん。ありがとね」
    「い、いや、その……どういたしまして?」


     再びペコリ。
     顔を上げれば、クスクスと笑いながら委員長が去っていこうとしていた――


    「初めて見たわ。小路さんが男子と話した所」


     ――!?
     またしても、不意打ち。
     私がクルッと振り向けば、委員長は甘味処班の人たちを集めていた……。
     
     
    (……からかわれた?)


     いや、さすがに考え過ぎか。委員長にも悪いだろうし。
     思い返してみて、普段、アリスが異性と話すレベルの10分の1位だと分析する。
     陽子やカレンと比べるのは、まだまだ無理だけど……。


    「……あれ?」
     

     何を「分析」しているんだろう、私は。
     そもそも、何をやらかしていたんだろう。
     ――思い返しても、赤面しない。
     「しっくりときた」という文章表現が、これほどピッタリ当てはまる状況はあっただろうか。
     当たり前のことを、当たり前にしただけなんだから……。



     「……綾」


     ハッと振り向けば、そこには陽子の姿。
     浮かべている表情は、今まで見たこともないほどの優しさを湛えていた。
     穏やかに、彼女は言う。


    「おめでと」
    「!?」


     そして気づけば、頭を撫でられている……。
     へぇ、陽子の手は、「女の子」してるのね。綺麗で心地いい……あれ?
     な、何をしているの、この子は!


    「よ、陽子!」
    「昔からの『親友』が変われた記念だ。少し、許してよ」


     私が顔を真っ赤に染め上げて抗議しても、意にも介さない陽子。
     ど、どうすれば……あっ、そうだ!
     甘味処班に、この子を送り込めば――!

    343 = 56 :



    「……」


    「変われたんですね。綾ちゃん」


     私が黙りこくっていると、これまた優しい声が聞こえてくる。
     さっきの「男子」と比べると、全く声のトーンが違う。声変わり、という現象がシノには起こらなかったとしか思えない。
     そう。だから私は、この子をある意味で「女の子」と見なすことが出来ている。


    「私、初めて見ました。綾ちゃんが勇気を出して、踏みだそうってした所……そして、実際に踏み出した所も。凄いです」


     私も、考えないといけないのかもしれませんね――
     シノはそう言った後で、ポツリと意味深なことを呟いた。
     この子は何を「考える」のだろうか?
     私たちのグループは、今のところ良好な関係としか考えられないけれど……。


    「もうっ、猪熊さん! 早く来ないと、話し合いが出来ないわよ!」
    「あ、ごめん委員長!」


     あっ、陽子の手が頭から離れる。
     何も感触が無くなった頭は、熱を帯びていることが感じられた。
     陽子の手は、太陽のように温かい――名は体を表すというのは本当らしい。


    「そんじゃな、二人とも! 楽しもう!」


     そう言うと、ピューッと甘味処班へと向かっていくのだった。


    「……」
    「ねぇ、シノ?」


     私は、どこかボンヤリとしている「彼女」に呼びかけた。
     どういうことなんだろう? もしかして、見えない所で軋轢が生じていたとか?
     ……まさか、ねぇ。


    「――メイド喫茶班の所、行かなきゃ」
    「……あっ」


     何か考え込んでいたようなシノは、パッと顔を上げた。


    「そうですね、ありがとうございます綾ちゃん!」


     そう言うと彼女もまた淑やかに、メイド喫茶班に合流した。

    344 = 56 :



    「……」


     勿論、本当に言いたかったことはこれじゃない。
     けれど今は――


    「学園祭、楽しまないとね!」


     そして、私もシノを追うような形で、メイド服班に向かうのだった。



     その頃になると、メイド服でいる自分というものがあまり気にならなくなっていた。
     さっきまでの気恥ずかしさが、嘘のように雲散霧消した。
     思い返すのは、「ありがとな!」と言ってくれた男子たちと、「初めて見た」と優しく言ってくれた委員長――


    (……神様がくれたご褒美?)


     そうならいいな、とロマンチックなことを考えながら、私は時計をチラリと見る。
     AM9時53分――いよいよ、なのね。

    345 = 56 :

    ここまでになります。
    ……いや、ここまで書いて、まだ肝心の本番が始まっていないことは凄いですね。
    次回は台本形式(?)中心で行っていく感じになる予定なので、トントンと進めば……いいですね。

    「少女漫画的」といっても、別に綾が件の男子に好意を抱くとか、そういう展開は考えていません。
    ただ少女漫画って、主人公の女の子も成長していく側面があるので、そう評しました。
    そもそも「きんモザにそんな要素いるかな……」とか考えていましたが、書いていたら筆が乗ったので、綾の心情描写に特に文章を割きました。
    もしかしたら自分の無知で、綾も男子と普通に話していたりする、のかなぁ……。
    陽子やカレンはそういうイメージが強いのですが、皆さんはどうでしょう?

    おっと、長くなりすぎました。
    それじゃ、ここまで。次回から、本番スタートです。

    346 :

    乙です

    綾が男子と普通に話す・・・

    うん、ないな

    347 :

    乙 次回も待ってる

    348 :

    やばい、もうすぐ一ヶ月でした……。
    もうしばらくお待ちを。

    349 :

    すみません、まだかかりそうです……。

    350 :




    ――開演


    子A「さぁ、いらっしゃいいらっしゃい!」

    子B「とびきりのメイドさんと……えっと」

    子B「和装姿の人? が接客してくれますよー」

    子A「……お前、なんか他に言いようはないのか?」アキレ

    子B「それじゃ、そっちは思いつくのか?」

    子A「悪い、無理だ」




    ――甘味処班



    委員長「あ、あの二人は……」プルプル

    陽子「まぁまぁ委員長」

    陽子「受付なら、あんな感じのお調子者の方がいいと思うよ」

    陽子「堅苦しいのは、お祭りに似合わないだろうし」

    委員長「……まぁ、猪熊さんの言うことも一理あるわね」

    委員長「それじゃ、私たちは臨機応変に接客といきましょうか」

    陽子「おー」ニコニコ


    アリス「……」

    陽子「ん、どうかしたアリス?」キョトン

    アリス「う、ううん」

    アリス「……陽子って、あの二人と仲良しなのかなーって」

    陽子「えっ」

    アリス「……」ジッ

    陽子(受付のヤツらのこと、だよね……?)

    陽子「いやまぁ、普通に話す程度だって」

    アリス「……」

    アリス「そっか」クスッ

    アリス「それじゃ陽子、そっちの班も頑張ってね!」ニコニコ

    陽子「……」


    陽子(……アリス?)

    陽子(今の問いかけはなんだろう?)

    陽子(うまく言えないんだけど、なんだか)

    陽子(少しだけ、私とあの二人が仲良しであってほしいなー、って)

    陽子(そんな感じが……)

    陽子(ま、いっか)


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