元スレまどか「のんびりだらだらのほほんと」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
601 = 55 :
杏子「アタシとか家隣なのに、週四のペースでほむらの家に泊まるからな」
マミ「お隣なんだから泊まる必要はないのに……」
さやか「隣だからこそ、みたいな?」
杏子「うん多分」
さやか「いいなー。羨ましい」
杏子「さやかも毎週泊まりにくるじゃん」
マミ「連休が続く日はずっといるわよね」
さやか「そうですけど。隣に友達がいて気軽に寝泊りできるっていう自由さが羨ましいというか」
杏子「なに言ってんだよ。これ以上お前に自由に立ち回られたら面倒なことこの上ねー」
マミ「佐倉さんの言う通りだわ」
さやか「酷い!」
602 = 55 :
さやか「最近の私の扱いは酷い……。酷過ぎる……」ブツブツ
マミ「言い過ぎたかしら……」
杏子「まぁでもさやかだし」
マミ「そうね」
さやか(グレてやる!)
603 = 55 :
杏子「ん?」
マミ「どうしたの?」
杏子「いや、メール……。ほむら達帰ってきたみたいだぞ」
杏子「晩飯どうするか聞かれたけどマミ達はどうする?」
マミ「そうね。頂こうかしら」
さやか「私も食べる」イジイジ
杏子「了解。じゃあそう伝えとく」
マミ「それなら暁美さんの家に移動しましょうか。お料理手伝いたいし」
杏子「そうだな」
杏子「ほら、さやかいつまでもいじけてないで行くぞ」
さやか「ふーん」
マミ「拗ねてるわ……」
杏子「めんどーな……」
604 = 55 :
マミ「どうするの?」
杏子「ほうって……。いや、無理矢理連れてく」
マミ「どうやって?」
杏子「こうする」コチョコチョ
さやか「ぶはっww あははははww やめてww くすぐったいww」
杏子「ほらいくぞー、それいくぞー」コチョコチョ
さやか「わかww わかったってwwww やwめwてw」
マミ「なるほど」コチョコチョ
さやか「ちょw マミさんまでww やめてww しぬww やめてーww」
杏子「さっきのお返しだ! うりうり」コチョコチョ
さやか「wwwwwwww」
605 = 55 :
さやか「はー……。はー……。し、死ぬかと思った……」
杏子「思い知ったか」
マミ(意外と楽しかったわ)
さやか「私あんなにくすぐってないのに……」
杏子「そうだっけ?」
さやか「そうだよ!」
606 = 55 :
杏子「まぁいいじゃん。早く移動しようぜ。そんで飯を食おう」
さやか「そんな外食しに行くみたいな言い方いいのか……」
杏子「ほむらの家はレストランであり、ホテルであり、憩いの場であるから間違ってない」
さやか「……まぁ、否定はしないけど」
マミ(否定はできないから一応謝っておくわ。ごめんなさい暁美さん)
607 = 55 :
杏子「じゃあ行くか」
さやか「そだね」
マミ「今日のメニューはなにかしら」
杏子「ニラレバらしいぞ」
さやか「? レバニラじゃないの?」
杏子「ほむらのメールはニラレバだった」
マミ「暁美さん……。少数派だったのね……」
さやか「ニラレバって言う人いたんだ……」
そんな日常の一コマでした。
608 = 55 :
今日はここまででー。
ちょっと短いような気もしますねー。
まぁその辺はリアルが落ち着いたら増やしていく感じで。
いつもコメントありがとうございます。
廃れた心が癒されます。
落ち着いたらもう一本並行でなにか書きたいなー。
速報って掛け持ちとかありでしたっけ?
609 :
乙
エタらないならなんら問題はない
610 :
乙
今夜はニラレバ食べよう
611 :
じゃあ俺タラレバで
612 :
>>611
それはカードゲーム系の議論で凄まじく出てくる言葉だ。
今日食べるかな……グリリバ
613 :
>>1乙
ニラまみれの美少女どもか……
たっくん「おねーちゃんおくちくさーい」
ざんねん、入れ歯じゃないからポリデントは使えない!
614 :
ならば○○○クチュクチュモンダミンか……
615 :
ポリデントを口に含むといい
616 :
>>610からのこの流れはいったいなんなんだってばよ……。
>>609ならもう一本書こうかな。
一応最後まで構想練ってるのが三つあるから、その内の一本を。
とりあえずプロットだけでも立てていこうかな。
617 :
>>616 >>610からのこの流れはいったいなんなんだってばよ……。
読者の昭和具合が発酵してるだけさ……
>一応最後まで構想練ってるのが三つあるから、その内の一本を。
期待期待
618 :
― 12月24日 ―
―ほむホーム
マミ「ねぇ暁美さん。ホイップクリームの予備ってどこだったかしら?」
ほむら「それならさっき杏子が買ってきているはずよ。確か袋の中に……」
ほむら「あったわ。はい」
マミ「ありがとう。そっちはどう?」
ほむら「大体の仕込みは終わったわ。ケーキはどう?」
マミ「こっちも後はデコレーションだけ。この分なら料理は大丈夫そうね」
ほむら「そうね。後は部屋の飾り付けね」
マミ「それは鹿目さん達待ちね。……任せて大丈夫かしら?」
ほむら「まぁ杏子がいるから大丈夫だと思うけど……。変な物買ってこないといいけど……」
マミ「少し不安ね……」
ほむら「……信じましょう」
マミ「ええ……」
619 = 55 :
マミ「えっと、本番は明日でいいのよね?」
ほむら「そうよ。今日はまどかとさやかは家で過ごすらしいから」
マミ「で、明日はここで過ごす、と」
ほむら「ええ」
マミ「逆じゃない?」
ほむら「え?」
マミ「いや、25日を家族で過ごした方がいいんじゃないのかなって」
ほむら「あぁ。……そうね。私もそう言ったのだけど、あの子達が……」
620 = 55 :
―回想―
さやか「まぁいいんじゃない?」
まどか「いいと思うよ」
ほむら「そんな軽いノリでいいの?」
さやか「いいのいいの。それに、あんた等も家族みたいなもんだし。変わんないって」
まどか「私もさやかちゃんと同じ。パパとママもほむらちゃん達ならいいって言ってたし」
ほむら「そうなの? それならいいのだけど……」
さやか「ってことだから御馳走期待してるからね!」
まどか「ケーキはチョコがいいかなー」
ほむら「手伝う気はないのね」
まどさや「ない!」
ほむら「もう……。わかったわ。腕によりをかけて作るから期待していて」
さやか「イエェーイ!」ハイターッチ
まどか「イエーイ!」ハイターッチ
621 = 55 :
ほむら「って言ってたから」
マミ「そ、そう。それならいいけど……」
ほむら「というわけだから料理。頑張りましょう」
マミ「……そうね。大切な家族の為だものね」
ほむら「……えぇ」
ほむら(マミ、嬉しそうね。……やっぱりまだ御両親のことを気にしてる、わよね……)ジー
マミ「? どうしたの? じっと見つめてきて……」
ほむら「……、ほっぺにクリームついてるわよ」
マミ「え!? どっち!?」
ほむら「右」
マミ「こっち? とれたかしら……」
ほむら「まだよ、私から見て……。いいわ、とってあげる。こっちにきて」
マミ「……」
ほむら「はい。とれた」パク
マミ「!」
ほむら「どうしたの?」
マミ「食べると思わなかったなって。汚くない?」
ほむら「平気よ。だって、あなたは大切な家族。だもの」
マミ「……そう。ありがとう」
ほむら「どういたしまして」
622 = 55 :
マミ「……」
ほむら「……」
マミ「鹿目さん達。しっかり買い物できるかしら」
ほむら「それ、さっきも話したわよ?」
マミ「そうだったかしら?」
ほむら「そうよ」
マミ「まぁ、いいじゃない」
ほむら「そうね」
マミ「そうよ」
ほむら「……」
マミ「……」
ほむら「ふふ」
マミ「ふふふ」
623 = 55 :
―ショッピングモール
さやか「ちょっとちょっとこれよくない!?」
杏子「なんだよそれ……」
さやか「なにって、見てわかんない? たぬきだよ!」
杏子「だから、なんで、クリスマスに、たぬきの置物なんか、買うんだって、聞いてるんだ」
さやか「え?」
杏子「なんでそんなに意外そうな顔なんだよ」
さやか「いやー、でもさ。このたぬき。似てない?」
杏子「なにに」
さやか「ほむらに」
杏子「ぶっ飛ばされるぞ」
さやか「そう言いつつも杏子だって似てるって思ってるんでしょ?」
杏子「……少し」
さやか「録音完了」ピー
624 = 55 :
杏子「!? お、おい! なんだよその携帯!」
さやか「これで杏子も仲間だからね。さぁ一緒に買おうか」
さやか「このほむら(たぬき)を!」
杏子「きったねー! サイテーだこいつ!!」
さやか「いいじゃんいいじゃん。こういうのも必要だって! せっかくのクリスマスだし!」
杏子「どういう意味だよ! っていうかこのたぬきいくらすんだよ!」
さやか「セール品だから安いよ。三千円くらい。それに一番小さいやつだし」
杏子「安い、のか? たぬきの置物なんて買ったことないからわかんないんだけど……」
さやか「安いんじゃない? 知らないけど」
杏子(納得いかねー……)
さやか「さて、あとはまどかか……」
杏子「まどかも巻き込むのかよ……」
さやか「当たり前じゃん。あ、きたきた」
杏子「……? なんか持ってないか?」
さやか「……持ってるね。しかもすっごいいい笑顔」
杏子「なんかアレ。見覚えあるな。アタシ」
さやか「奇遇だね。私も」
625 = 55 :
まどか「さやかちゃん! 杏子ちゃん! 凄いの見つけた!」
まどか「このたぬき! ほむらちゃんにそっくりじゃない!?」
さやか「……」
杏子「……」
まどか「これ買おーよ! ほむらちゃん喜ぶよ!」
さやか「……」
杏子「……」
まどか「? どうしたの?」
さやか「ねぇ、杏子」
杏子「なんだ」
さやか「一応言っておくけど。私のは半分ネタで言ってるからね? 本気じゃないからね?」
杏子「半分の時点で同罪だろ」
さやか「……確かに」
杏子「とりあえず。買うか。たぬき」
さやか「そだね」
まどか「?」
626 = 55 :
―ほむホーム
ほむら「……」
まどか「えへへー」ニコニコ
たぬき「」デーン
さやか「どうしよう。ほむらがすっごい複雑そうだよ」ゴニョゴニョ
杏子「そりゃそうだろ。だってたぬきだぞ……」ゴニョゴニョ
マミ「ちょっとこれどうするのよ……。フォローしようがないわよ……」ゴニョゴニョ
627 = 55 :
まどか「この目の辺りがねー。ほむらちゃんに似てて可愛いかなーって」
ほむら「そ、そう……」
まどか「いつもお世話になってるからそのお礼にってことで! あ、当然クリスマスプレゼントは別に用意してるから心配しないで!」
ほむら「あ、ありが、とう……」
マミ「ちょっとあれ天然なの? 天然であれなの?」ゴニョゴニョ
さやか「まどかは昔からああいうところがありまして……」ゴニョゴニョ
杏子「なんとかしろよ。幼馴染」ゴニョゴニョ
さやか「ほら、私ってバカだから……。ちょっと無理かなーって」ゴニョゴニョ
マミ「その逃げ方は卑怯よ。何も言えないじゃない」ゴニョゴニョ
さやか「はい。だと思います」ゴニョゴニョ
杏子「わかっててやってるとかマジ最悪だこいつ……」ゴニョゴニョ
628 = 55 :
まどか「えへへ」ニコニコ
ほむら「……」ジー
たぬき「」デーン
ほむら(……どこに、置こうかしら……)ジー
たぬき「」デーン
ほむら(似て、るの……?)ジー
たぬき「」デーン
ほむら「……」ジー
まどか(よかった。あんなに見つめて……。気に入ってくれたんだ)
さやか(うん。二人の考えてることが手に取る様にわかるわ)
マミ(暁美さん、可哀想……)
杏子(……とりあえず、飾り付けするか……)
629 = 55 :
ほむら「ふぅ……。やっと落ち着けるわね」
マミ「そうね。はい。紅茶」
ほむら「ありがとう。杏子もお疲れ様」
杏子「あぁ、しっかし変わるもんだな。あの地味な部屋がキラキラしてる」
ほむら「地味で悪かったわね」
杏子「いい意味でだよ」
ほむら「その言葉で全てが許されると思わないで」
杏子「はは」
630 = 55 :
マミ「それにしても、鹿目さん達が帰ったら一気に静かになるわね」
杏子「賑やかし担当だからな」
ほむら「買いもの大変だったでしょ?」
杏子「うん。あいつら、余計なもんばっか買おうとするからさ、それを戻すのに苦労した……」
ほむら「たぬきは余計なものじゃない、と」
杏子「いや、あれは、まぁ、そういうあれだから、なぁ?」
マミ「え!? そ、そうね。そうだわ。そうよ」
ほむら「動揺し過ぎよ」
杏子「は、ははは……」
マミ「ふ、ふふふ……」
たぬき「」デーン
631 = 55 :
マミ「さて、と。それじゃあご飯にしましょうか」
ほむら「そうね。じゃあ準備しましょうか」
杏子「皿並べるよ」
マミ「ええ。お願い」
QB「やぁ。お邪魔するよ」
ほむら「帰れ」
QB「うん。言われると思った」
632 = 55 :
ほむら「何しにきたのよ?」
QB「ちょっとね。ほむらの家が距離的にちょうどいいんだ」
ほむら「なによそれ……」
QB「まぁ気にしないで。……あれ? これはなんだい?」
たぬき「」デーン
ほむら「たぬきよ。まどか達のプレゼントよ」
QB「……。僕の記憶にはクリスマスにたぬきを送る風習はなかったと思うんだけど。気のせいかな?」
ほむら「気のせいよ。っていうか気にするな」
QB(なんで少しキレてるんだろう……)
QB「……。でも、このたぬき」
ほむら「なに?」
QB「よく見るとほむらに似てきゅっぷい!」パーン!
633 = 55 :
マミ「なに!? なんの音!?」
杏子「銃声!? 大丈夫か!?」
ほむら「大丈夫よ。それに銃声じゃないわ」
QB「全く……、いきなり耳元でクラッカーは酷いよ……」
マミ「あら、キュゥべぇきてたの」
杏子「なんか久しぶりだな。一ヶ月半ぶりくらいか」
QB「いや、昨日会ったよね?」
634 = 55 :
マミ「でもどうしてクラッカーなんて鳴らしたの?」
杏子「まだ早いだろ」
ほむら「こいつがどうしても鳴らしてほしいっていうから仕方なくよ」
QB「え!?」
ほむら「そうよね?」
QB「いや、僕はそんなこと」
ほむら「そうよね?」
QB「……そうです」
ほむら「ね?」
杏子「へー。珍しいな」
マミ「そうねぇ。キュゥべぇも変わってきたのかしらね」
杏子「変な変わり方だな。クラッカーに興味を持つなんて」
マミ「そうね。変だわ」
ほむら「変よね」
QB(……なにも悪くないのになんか変な人みたいに言われてる……)
635 = 55 :
マミ「まぁいいわ。キュゥべぇも晩御飯食べていく?」
QB「いいのかい?」
ほむら「構わないわよ」
杏子「アタシの分までとったら殺す」
QB「そんな馬鹿な真似はしないよ。さやかじゃあるまいし」
マミ「そうね。美樹さんじゃないものね」
杏子「まぁそうだな。さやかじゃないもんな」
ほむら「なんて愚かなの美樹さやか」
QB「全くさやかはどうしようもないね」
636 = 55 :
さやか「くしゅん!」
恭介「どうしたのさやか? 風邪かい?」
さやか「いやー、あはは。多分私の噂をしてるやつのせいかなー」
恭介「噂?」
さやか「ほら! さやかちゃんのファンとかがさ! さやかちゃんとクリスマス一緒に過ごしたいなーとかそんな、ね?」
恭介「あはは。さやかは凄いね。そんなファンがいるんだ」
さやか「いや、うん、まぁね! ほら私っていい女だからねー! あはは」
恭介「うん。そうだね。さやかと結婚できる人は幸せだと思うよ」
さやか「え!? そ、それって……」ドキ
恭介「いつか出会えるといいね。素敵な人に」ニコ
さやか「あ、はい。そだね……」ショボン
637 = 55 :
― まどホーム ―
―11時00分
まどか「てぃひひ。明日、楽しみだなー」
1人、ベランダに立つまどか。
ピンクのパジャマに茶色のカーディガンを羽織り、冬の澄んだ夜空を眺める。
まどか「さやかちゃん達とは毎年クリスマスのお祝いをしてるけど、ほむらちゃん達とは初めてだもん」
寒そうに身を震わせるが、部屋に入ろうとはしない。
口元に笑みを浮かべじっと夜空を見上げ続ける。
まどか「きっと楽しいだろうなー」
そして静かにくすくすと笑う。
吐く息は白く、頬は赤い。
638 = 55 :
まどか「……」
少し目を細める。
そして、大切な人の顔を夜空に浮かべる。
その表情は相変わらず笑顔だが、少しだけ、切なそうだ。
まどか「それに、ほむらちゃんは凄く久しぶりなクリスマスになるんだよね」
ポツリと確認するように。自分に言い聞かせるように呟く。
その言葉は自分の心をぎゅっと締め付けた。
まどか「私の為に、頑張ってくれて……。ずっと辛い思いをしてきて……」
まどか「……。私のせいで……」
私のせい。
ずっと。今までずっと。考えていたことだ。
真実を知った日からずっと。
639 = 55 :
それを知った時、自分のせいだと思った。
自分はなんてことをしてしまったんだろうと。
なんて酷いことをしてしまったんだろうと。
どうすれば彼女に償えるだろうと。
そこまで考えた時、でも、それは間違いだと気づいた。
償うことは間違いだと。
彼女はそんなモノを求めてはいない。
彼女が本当に望んでいるモノは――。
640 = 55 :
まどか「……。きっとほむらちゃんはこんなこと言ったら嫌がるんだろうな」
やめて。あなたからそんな言葉を聞く為に私はあんなことをしたわけじゃないわ。
そう言ってそっぽを向く彼女の姿がありありと脳裏に浮かぶ。
その光景を想像し、少しおかしく思う。
そう言って拗ねる彼女はきっと凄く可愛いだろうなと。
641 = 55 :
まどか「でもね、これだけは言わせて」
でも、本人には言わない。
拗ねる彼女も見たいが、彼女には笑っていてほしい。
一緒に笑っていてほしい。
それは、自分の大切な人全員に言えることだ。
「ほむらちゃん。ごめんね」
謝罪の言葉を空に伝える。
言った後、これは少し違うなと考える。
だから言葉を変えることにした。
最後の言葉を別の言葉に。
642 = 55 :
『ほむらちゃん。ありがとう』
感謝の言葉を空に伝える。
不思議と、この想いは彼女に伝わった気がした。
まどか「あ、雪……」
白い雪がひらひらと黒い空から舞い降りる。
どうやら明日はホワイトクリスマスになりそうだ。
643 = 55 :
『おやすみ、ほむらちゃん』
そして、部屋に戻る。
時計の針は11時5分を指していた。
644 = 55 :
― ほむホーム ―
ほむら「はぁ……」
夜空を見上げ、一息。
明日の準備は終わり、後は寝るだけだったが、なんとなく外の空気が吸いたくなりベランダへと出た。
ほむら「……」
屈んで今日まどか達からプレゼントされた置物と目を合わせる。
じとっとした目で見つめ返してくるたぬきを見て溜め息。
ほむら「似て、るのかしら……」
まどか曰く、可愛いところがそっくりだというが、そもそもこれは可愛いのだろうか。
首を傾げたり、上から覗き込んだりと、色んな角度でたぬきを観察するが可愛さの欠片も見当たらない。
645 = 55 :
ほむら「ふぅ……」
ぽんぽんとたぬきの頭を叩いてみる。冷たかった。
正直、無駄に場所をとるので邪魔だが、捨てるわけにもいかない。
ほむら「全く、困った子が我が家に来たわね……」
相変わらずじとっとした目で見つめ返してくるたぬきの額にデコピンを繰り出す。
ほむら「……」
痛かった。
646 = 55 :
ほむら「……」
痛む指先を押さえつつ、立ち上がる。
そして、部屋の中に戻ろうとした時、聞き慣れた声が聞こえたような気がした。
ほむら「……」
驚き振り返るが、そこには誰もいない。
647 = 55 :
ほむら「……」
再び屈んで、たぬきを見つめる。
それから、頭をそっと撫でる。
ほむら「馬鹿ね。気にする必要なんてないのに」
微笑み、呟く。
そして、もう一言。
648 = 55 :
『私こそありがとう、まどか』
ほむら「あら、雪……」
ひらひらとたぬきの頭に雪が舞い降りた。
それを見て雪なんて、随分久しぶりに見た気がするなと懐かしむ。
649 = 55 :
『おやすみなさい、まどか』
少しだけ、振りゆく雪を眺めたあと、たぬきを抱き上げ部屋に戻る。
時計の針は11時10分を指していた。
650 = 55 :
そして11時59分―
すっかり寝静まる鹿目家のベランダに2つの怪しい人影が舞い降りた。
???「うふふ……」
???「……」
???「日付が変わり次第侵入。そして目的を果たし退避。いいですわね?」
???「かしこまりました」
???「うふふ……」
???「……」
後編に続く―
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