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    元スレあかり「最近ごらく部にいてもつまらない」

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    1 :

    京子「ちなちゅ~♪」ダキッ

    ちなつ「ちょっ、やめてください京子先輩っ」グイッ

    京子「そんな事言わないでさっ、ねっ、ちゅっちゅ~♪」

    ちなつ「もぉぉっ!ほんとやめてくださいってっ!」グイグイグイッ

    結衣「こら、ちなつちゃんが嫌がってるだろ。離れろ!」

    京子「照れてるだけだよ。ね、ちなちゅ~」

    ちなつ「だー! ぜんっぜんそんなんじゃないですから! 助けてください結衣せんぱぁ~い!」

    結衣「こら、いい加減にしろっ!」ガツン

    京子「痛ッ! ちょ、そんな強く叩かなくても……」

    ちなつ「あーん、こわかったですぅ結衣せんぱぁ~い♡」ダキッ

    結衣「ちょ、ちなつちゃんも抱きつかないで!?」

    京子「むむむ、このナンパ結衣め!」

    結衣「誰がナンパだ!」

    ちなつ「私、結衣先輩にならナンパされたいです!」

    結衣「しないから……」




    あかり「…………」ハァ

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1442547522

    2 = 1 :

    あかり(なんか最近、あかりがますます空気になってる気がするよぉ……)

    あかり(京子ちゃんはとっても優しくて面白いし、結衣ちゃんはクールで格好いいし、ちなつちゃんはとっても可愛くていい子なのに……)

    あかり(あかりは取り柄もないし可愛くもないし、それに特にやりたい事も提案できないし……)

    あかり(第一あかりって、なんでごらく部にいるんだろう)

    あかり(あかりがごらく部に入ったのって、たまたまあかりが京子ちゃんと結衣ちゃんの幼馴染だったってだけだもん)

    あかり(もし、あかりが2人の幼馴染じゃなかったら……多分あかりはごらく部に入部してないよね……)

    あかり(京子ちゃんも結衣ちゃんも、あかりが2人の幼馴染だったからっていうだけでこの部に誘ってくれたんだもん……)

    あかり(あかりって本当に、ごらく部に必要な人間なのかなぁ……最近京子ちゃんと結衣ちゃんは話しかけてきてくれる事も少なくなっちゃったし……)

    あかり(なんか…………最近ごらく部にいてもつまらないなぁ……)

    京子「あかり?」ジィー

    あかり「わわわっ! な、なに京子ちゃん?」アタフタ

    3 = 1 :

    京子「いや、なんかさっきから黙ってるから。そんなんじゃ益々影が薄くなっちゃうぞぉ~?」

    あかり「ひ、酷いよ京子ちゃ~ん! あかりだってちゃんと頑張ってるんだらねぇ!」プンプン

    結衣「でも本当に大丈夫かあかり? なにか暗い表情してたけど。まるでそのまま消えちゃいそうな……」

    あかり「結衣ちゃんまでぇッ!」プンプン

    京子「ほほー、さては恋の悩みだな?」

    あかり「え、えぇー! 違うよぉ!」

    ちなつ「あかりちゃん、まさか結衣先輩の事を……」ジロッ

    あかり「違うよぉ、本当に何でもないから大丈夫だってばぁ!」

    結衣「そうか? それならいいんだけど…… 体調が悪かったらすぐに私たちに言わないとダメだぞ」

    京子「そうそう! なにかあったら京子ちゃんに任せときなさい!」

    あかり「あはは、ありがとう京子ちゃん!結衣ちゃん!」

    ちなつ「あ、もちろん私もだからねあかりちゃん!」

    あかり「うん!」

    京子「いまだチャンス! ちなちゅー!!」ムギュ!

    ちなつ「きゃあー! 油断してたぁ!!」

    結衣「こぉらいい加減にしろって言っただろ!!」

    京子「ちゅっちゅー!」

    ちなつ「や、やめてー!! 私の初めては結衣先輩にぃ!!」

    結衣「そ、それもそれで勘弁願いたいかも……」

    結衣(それに私はあの玄関での事件を忘れてないよ、ちなつちゃん……)

    あかり「あははは…………」

    4 = 1 :

    あかり(やっぱりこんな展開に戻っちゃうと途端にあかりがする事がなくなっちゃう……)

    あかり(それどころか私がここにいるとみんなに心配をかけちゃって、寧ろ迷惑にしかなってない……)

    あかり(…………………)

    あかり「ごめんね、やっぱりあかり少し体調が悪いみたい。今日はもう帰る事にするね」

    ちなつ「え、大丈夫なのあかりちゃん!?」

    京子「むむむ、ちなちゅから心配されるとは……! あ、ちなつちゃん、私も少しアタマが痛いような……」

    結衣「さっき私に殴られたからだろうが!」ガツン

    京子「あてっ!」

    結衣「全く…… あかり、家まで送ってくよ。かばん貸して」

    ちなつ「あ、私が持ちますよ! 結衣先輩はあかりちゃんの事を支えてあげてください!」

    あかり「お、大袈裟だよぉ! あかりもう中学生なんだから1人で帰れるもん!」

    京子「遠慮するなってぇ~ 私たちあかりの幼馴染なんだぞ!」

    ちなつ「私だってあかりちゃんの大切な友達だもの!」

    あかり「本当にいいから!」バッ

    結衣「あっ……かばん!」

    あかり「みんなごめんね! あかりに構わずに部活動進めちゃっていいから! それじゃあね!」

    あかり(一週間前からずっとみんなに悪い感情を持っちゃってるあかりに、心配してもらう価値なんてないもん!)

    ガラガラ!

    京子「ちょ、あかり!?」

    結衣「あかっ…………行っちゃった」

    5 = 1 :

    京子「……ちなつちゃん、教室であかりに何か変わった事はなかった?」

    ちなつ「い、いえ特には思い当たらないですけど。強いて言うなら少し櫻子ちゃんや向日葵ちゃんと仲良くなったかなぁって事しか……」

    結衣「大室さんと古谷さんとか。それなら別に問題はない、寧ろいい事だな」

    京子「うーん、どうしたんだろうねあかりの奴。なんか最近暗くなってない?」

    結衣「京子もそう思うか?」

    京子「うん、大体一週間くらい前からじゃなかったっけ?」

    結衣「うん。なにか思いつめた表情をする事も多くなったし。なにか悩みでもあるのかなって思ってたんだけど」

    京子「結衣もかぁ~ それなら最近あかりに話しかける回数が減ったのも……」

    結衣「あかりが何か相談してくれるのを待ってたんだよ。……って、その言い方からすると京子もか」

    京子「うん。言いだしてくるのを待ってたんだよねぇ。昔からあかりって私か結衣に相談してくれてたから」

    ちなつ「…………………」ポカーン

    結衣「ちなつちゃん?」

    ちなつ「いえ……2人ともあかりちゃんの事をよく見てるんだなって思いまして。正直私はあかりちゃんの変化に全く気付いてませんでしたし」

    京子「まー幼馴染だからね。あかりの事は嫌でも目に入って来ちゃうよ」

    結衣「そうそう。それに本当に微妙な変化だからちなつちゃんが気付く事ができなくても全然変じゃない」

    6 = 1 :

    ちなつ「でも…………」

    京子「ちなちゅは優しいなぁ~! そんなところも大好きだぜ!」サッ

    結衣「だからどさくさに紛れて抱きつこうとするな!」ガシッ

    京子「はいは~い」

    結衣「まったく……」

    京子「…………………………」

    京子「よしっ! いまからあかりの家に行くぞ!」

    ちなつ「へっ!?」

    結衣「京子!?」

    京子「あのあかりがここまで思い詰めてるなんて余程の事に違いない! 多少無理にでも聞き出してやらないと!」

    結衣「そんな無理に………いや、でも……そうかもしれないな」

    ちなつ「結衣先輩まで!」

    結衣「無理に聞き出そうとはしないけど、なにか悩みがあるならそれを打ち明けて貰えるよう頼みに行くくらいはしたい。それに私たちはあかりの味方である事を伝えないと!」

    京子「そうそう♪ 我々あかり親衛隊はいついかなる場合もあかりの味方なのだ!」

    ちなつ「あかりちゃんの親衛隊って……」

    結衣「それは無視していいよちなつちゃん」

    京子「なんだよつれないぞぉ結衣ィ……」

    結衣「はいはい。とりあえず早い所行かないと」

    ちなつ「そ、そうですね。今ならまだあかりちゃんに途中で追いつけるかもしれません!」

    京子「よっしゃ行くぞぉ!」

    ちなつ「おぉ~!」
    結衣「お、おぉ~……」カアア

    7 = 1 :

    あかり「はぁ、はぁ……」

    あかり(思わず走って来ちゃったけれど……京子ちゃんたち怒ってるよねぇ)

    あかり(せっかく結衣ちゃんがかばん持ってくれてたのに無理やり奪っちゃって……ちなつちゃんや京子ちゃんの善意も断っちゃって……)ジワッ

    あかり(うぅ、あかりってすごく悪い子だ…………)

    あかり(もういいや、明日謝ろう。とにかく今日は帰らないと…………って)

    あかり「あぁ! 家の鍵を教室に忘れちゃったよぉ! 机の中に入れっぱなし! 取りに行かないとぉ!」タタタタッ






    京子「ほら行くぞぉ!」

    結衣「こ、こら京子! 廊下を走るな!」

    ちなつ「ふ、2人とも足早すぎ!」

    京子「むむむ、昇降口にももういないか! ほら、早く追いつかないと!」

    結衣「あっこら!」

    ちなつ「待ってください結衣せんぱぁ~い!」

    8 = 1 :

    あかり「はぁ、あかりって何やってるんだろ。勝手に1人で落ち込んで、みんなに心配かけちゃって……」

    あかり「なんか……もうごらく部に行きづらいなぁ……」

    あかり「あ、鍵あった。これでようやく帰れるよぉ」


    ガラララ


    綾乃「へ?」

    あかり「うぇ?」


    ドシーン!



    綾乃「きゃあっ!?」

    あかり「あわっ!?」


    バサッ!


    綾乃「あ、プリントが!!」

    あかり「うわぁ、目の前が真っ白だよぉ! 一体何がぁ!」

    綾乃「あら、あなた赤座さん?」

    あかり「って、杉浦先輩!」

    綾乃「ごめんなさい赤座さん! いま、プリント運んでて前をよく見てなかったの! 怪我とかは大丈夫!?」

    あかり「い、いえあかりこそごめんなさい! あかりも全然前見てなくて! あ、プリント拾うのお手伝いします!」

    綾乃「別に大丈夫よ、このくらい1人ですぐに……」

    あかり「それじゃああかりの気が済みません!」

    綾乃「そ、それならお願いしようかしら。私はこっちの方を拾うから赤座さんはそっちをお願い」

    9 = 1 :

    あかり「よっと。これで全部ですね!」

    綾乃「ええ、そうね! 赤座さんのおかげで早く終わっちゃったわ」ニコッ

    あかり「元々あかりがぶつかっちゃったのがいけないんですし。杉浦先輩もお怪我はありませんか?」

    綾乃「ええ、大丈夫よ。それじゃあ私はこれを持っていかなくちゃいけないから」

    あかり「あ、あの……もし良かったらお手伝いします!」

    綾乃「へ?」

    あかり「そんな顔が隠れちゃうくらいのプリントを1人で運ぶのは危ないですよぉ! いま暇なんでお手伝いさせてください!」

    綾乃「で、でもいいの? 歳納京子達を待たせてるんじゃない?」

    あかり「ッ!」ズキッ

    綾乃「赤座さん?」

    あかり「…………………」

    綾乃「……………」

    綾乃「分かったわ。それじゃあ手伝って貰ってもいいかしら?」ニコッ

    あかり「は、はい! 落とさないよう頑張ります!」

    10 = 1 :

    ガラララ


    綾乃「ただいま戻りました!」

    あかり「し、失礼します……」

    千歳「綾乃ちゃんおかえり~ それと赤座さん?」

    櫻子「あかりちゃんじゃん! どしたの!!」

    綾乃「プリントを運ぶのを手伝って貰ったの。赤座さんのおかげで助かっちゃったわ」

    櫻子「おぉー流石はあかりちゃん! どっかのオッパイバカのばかっぱいにも見習ってもらいたいもんだよまったく!」

    向日葵「櫻子、それは誰のことを言ってますの?」ギロッ

    千歳「ありがとな~赤座さん。ウチの綾乃ちゃんがお世話になりました~」

    あかり「い、いえ! 大したことはしてないですよぉ!」

    向日葵「ありがとうございました赤座さん。さ、後はわたくしが引き継ぎますわ」

    あかり「うん、お願い向日葵ちゃん!」

    向日葵「おっとと……あら?」

    千歳「どないしたん?」

    向日葵「このプリント、並び順がめちゃくちゃですわ。ほら、名前順になってるはずなのにワ行の方がこの位置にありますの」

    あかり「っ!!」

    千歳「ほんまや。回収したクラスが間違えたんかな~?」

    綾乃「ああ、ちょっと来る途中でプリントを落としちゃって。今から私が並び替えておくわよ」

    櫻子「あ、私も手伝いますよ杉浦先輩! この量だと1人じゃ時間かかるでしょうし」

    綾乃「いえ、大室さんはそのまま自分の作業を進めてちょうだい。これは私が1人でやるから大丈夫」

    櫻子「えぇ、でも杉浦先輩も自分の作業があるじゃないですか……」

    綾乃「気持ちは嬉しいのよ。でも最近生徒会の仕事が増えて来ちゃって大室さんも余裕がなくなってきてるんでしょう? 私のことは気にしなくても平気だから……」

    11 = 1 :

    あかり「あ、あかりがやります!」

    綾乃「赤座さん?」

    あかり「杉浦先輩がプリントを落としたのはあかりがぶつかったのが原因ですし……」

    綾乃「気持ちは嬉しいけれど……これ以上赤座さんに迷惑をかけちゃうわけには……」

    あかり「め、迷惑なんかじゃないですよぉ! お願いしますやらせて下さい!」ペコリ

    綾乃「…………うーん、でも赤座さんは生徒会のメンバーじゃないし……」

    千歳「手伝ってもらったらええやん」

    綾乃「ち、千歳!? そんな勝手なこと……」

    千歳「赤座さんが頭下げてまで頼んでくるんやし、ここで頼まないのは逆に失礼になると思わん?」

    綾乃「うぅ……」

    あかり「………………」

    綾乃(なんだろう、今日の赤座さんはいつもと雰囲気が違うのよね。いつもより暗いというか……なにか元気がないというか…… それにいつもよりも必死?)

    綾乃(千歳の言う通りここは好意に甘えちゃおうかしら。それに少し赤座さんとお話しもしたいし……)

    綾乃「赤座さん、本当にお願いしちゃっても大丈夫?」

    あかり「も、もちろんです! あかりが全部悪いんですから!」

    綾乃「もう赤座さん! 私も前を見てなかったんだから悪いに決まってるじゃないの。あまり1人で背負いこもうとしちゃダメじゃない!」

    あかり「あ、あぅ…………」

    綾乃「…………ふふっ」ナデナデ

    あかり「っ!?」

    綾乃「それじゃあお願いしちゃおうかしら? もちろん私も手伝うけどね!」

    あかり「は、はい! 頑張ります!」

    綾乃「よーし、ファイトファイトファイファイビーチよ!」

    12 = 1 :

    あかり「え~っと、この人のはこっちでこれはこっちかな」

    綾乃(さっきはつい撫でちゃったけれど……赤座さんってなんか放っておけない感じなのよね)

    綾乃(言うなれば……そう、妹みたいな。凄く可愛くて愛嬌あって、それにいい子なのよね)

    綾乃(そろそろ切り出しちゃっても大丈夫かしら……)

    綾乃「ねぇ赤座さん」

    あかり「は、はい……なんでしょうか?」

    綾乃「いえ。なんか今日の赤座さん、いつもと雰囲気が違う気がして」

    あかり「……そ、そうでしょうか」

    綾乃「えぇ、なにか体調が悪いっていうのとも違う……そう、何かに悩んでいるとか。そんな感じがするの」

    あかり「っ!!」

    あかり(京子ちゃんや結衣ちゃんすら気付かなかった事なのに!)

    綾乃「何かに悩んでいるなら1人で抱え込んじゃダメよ。歳納京子とか船見さんとか、あなたには相談できる人が沢山いるんだから」

    あかり(す、杉浦先輩が……あ、あかりの心配をして……)ウルウル

    綾乃「も、もちろん私だって相談に乗るわよ? 学校の副生徒会長なんだし、それに知らない仲ってわけでもないんだから」

    千歳「いざとなったらうちも相談に乗ったるで。可愛い後輩のためなんやし」

    櫻子「え、なになにあかりちゃんなにか悩みでもあるの!? それならこの櫻子様にどーんと任せなさい!」

    向日葵「櫻子なんかに任せたら解決するものも解決しなくなりますわよ」

    櫻子「なにおー!? それなら向日葵なら相談のれるってのかよー!」

    向日葵「当然でしょう! 赤座さんのためなら大抵の事は頑張れますわ!」

    13 = 1 :

    櫻子「それくらい私もだよ! 私が普段どれだけあかりちゃんに助けられているか知らないだろう」フンスッ

    向日葵「なんで自慢気なんですかあなたは………赤座さん?」

    あかり「……………………」プルプル

    綾乃「赤座さん……あの、なにか気に触る事を言っちゃったかしら…………?」

    千歳「そ、そんな泣かんといて……!」

    櫻子「このでかっパイが怖いの?」ツンツン

    向日葵「ひぁ!? このバカ櫻子! くたばれ!!」ドゴォッ!

    櫻子「うぎゃっ!!」

    あかり「ううん違うよぉ………み、みんなが心配してくれて……それが嬉しくて…………」グスッ

    向日葵「そ、そんな事当然じゃないですの! 私たち、大切なお友達じゃないですの!」

    櫻子「私の事も心配しろよー!」

    向日葵「あら、生きてましたの?」

    櫻子「人を勝手に殺すなー!」

    あかり「……グスッ、ふふ……2人とも、本当に仲がいいんだねぇ……」

    櫻子・向日葵「「それだけはない!!」」

    綾乃「息ぴったりじゃない」

    千歳「ツンデレとツンデレもええわぁ~ まだ鼻血はでないけど」

    綾乃「出たら困るわよ!!」

    あかり「ふふ、そうですね……」

    千歳「はいこれティッシュ。これで涙を拭いてな」

    あかり「あ、ありがとうございます」

    千歳「いつかの借りを返しただけや、気にせんといて」

    櫻子・向日葵「「ワーワーギャーギャーオッパイチッパイ!」」

    綾乃「こぉら2人とも! 喧嘩してないで早く作業しないと罰金バッキンガムなんだからね!」

    あかり「…………………」

    綾乃「赤座さん?」

    あかり「あの…………相談、乗っていただいてもいいですか?」

    15 :

    既視感

    16 :

    もう少し続けて
    まだ分からないから

    17 :

    千歳「なるほどなぁ、赤座さんは疎外感を抱いとるわけかぁ」

    櫻子「粗大缶? でっかい缶詰の事?」

    向日葵「疎外感ですわ! その……早い話が、仲間はずれ……という事です」ボソッ

    櫻子「な、なんだってー! こんなにいい子のあかりちゃんを!?」

    綾乃「なるほど。歳納京子や船見さんにその事は話したの?」

    あかり「いえ、話してません……」

    櫻子「なんでなんでー! ビシッとバシッと言っちゃえばいいのにぃー!」

    向日葵「赤座さんがそんな事を言えるわけないでしょう!」

    千歳「親しき中にも礼儀ありって言うもんなぁ~」

    あかり「それに最近それが顕著になってきて……京子ちゃんも結衣ちゃんもあかりにあまり話しかけてくれなくなって……それに、こっちから話しかけると少し身構えてるような気がするっていうか……」

    綾乃「身構える?」

    あかり「はい。やっぱり2人ともあかりとは話し辛いのかなって……会話が弾む事もないですし、あかりと話してもつまらないのかなって思っちゃって……」

    櫻子「ちなつちゃんはどうなの? 同じクラスで友達じゃん!」

    あかり「ちなつちゃんは表面上は普通に接してくれるけど、部室に行くとすぐに結衣ちゃんの所に行っちゃって……」

    向日葵「なんとなくイメージは出来ますわね」

    18 = 1 :

    あかり「こうしてみるとやっぱりあかりはいらない子なのかなぁって……思っちゃって…………」

    櫻子「そんな事ないよ! あかりちゃんは絶対に必要な子だって! 向日葵のおっぱいを犠牲にしてでも私はいて欲しいくらいだもん!」

    向日葵「勝手に私の胸を犠牲にしないでよ!」

    櫻子「あかりちゃんがいなかったら、私は何度お弁当を素手で食べなくちゃいけなくなった事か! 花瓶の花ももうとっくに枯れちゃってるよ! それに私も学校でつまらない思いをしちゃうもん!」

    向日葵「そうですわね。私も学校で赤座さんとお話しするのをとても楽しみにしてますの」

    千歳「うちもやで~ たまにしか会う事ないけど、会うたんびに赤座さんに癒されてんで」

    綾乃「私も! 確かに普段あまり会話はしないけど、大室さんや古谷さんにお話しを聞いたりしてるし、たまにこうやってお話しできたりするととても楽しいわよ!」

    あかり「ほ、本当ですか……?」

    綾乃「当然じゃない!こんなにいい子を邪険に扱うなんて、少し歳納京子と船見さんを見損なったわ!」

    千歳「見損なうは少し言い過ぎかもしれんけど、あまり褒められた事やないねぇ~」

    あかり「ち、違うんです! 京子ちゃんも結衣ちゃんも悪くなくて……全部あかりが悪いんです! だ、だからみんなの事を悪く言うのは止めてください……」ウルッ

    綾乃「ぁ……」

    千歳「ご、ごめんな赤座さん」アタフタ

    向日葵(赤座さん、なんてお友達想いでいい子なんですの……!)



    櫻子「いや、どっからどう考えても先輩方とちなつちゃんが悪いじゃん」スパーン

    綾乃「ちょ!?」
    千歳「お、大室さん!?」
    向日葵「ばっ!?」

    19 = 1 :

    あかり「さ、櫻子ちゃん……! 違くて! 全部あかりが…………」

    櫻子「あかりちゃんの事を少し仲間はずれにしてる時点でそれは悪い事だと思うよ。だって大切な友達で幼馴染なんでしょ? 私は友達の事を無視なんてしないし無視されたらスッゲー怒るよ? もちろん向日葵にも」

    櫻子「私はバカだから今までいろんな事を間違えてきてばっかりだけどさ、そんな事人間なら誰だってする事じゃん。先輩方だってたまには間違えたりするよ」

    櫻子「そんな時はさ、気付いた人がそれを注意してあげないとダメだと思うんだ。私なんて向日葵や姉ちゃん、妹にまで注意されてるよ? でもそのおかげで悪い事や失敗に気付けるんだもん。スッゲー感謝してる」

    向日葵「櫻子……」

    櫻子「あかりちゃんはとってもいい子だし優しいし、頭も良くて気遣いできるいい子だもん。人のために行動できるいい子だし……それに、えと……スッゲーいい子だもん! この櫻子様が保証する!」

    向日葵(そろそろ櫻子の語彙力に限界が……)

    櫻子「だからさ、自分が悪いだなんて思い込んじゃダメだよ! あかりちゃんはずっと扱いに我慢してきたんでしょ? そろそろ怒ってもいい頃だってば! ね、向日葵?」

    向日葵「」
    綾乃「」
    千歳「」


    櫻子「あ、あれ? どうしたの?」


    向日葵「櫻子がこんなにもまともなことを言うなんて……!!」

    綾乃「夢みたい……」

    千歳「明日は台風かもしれんなぁ」

    櫻子「どういう意味だー!!」



    ワーワーギャーギャーツケモノツンデレ!

    20 = 1 :

    あかり「………はぁ、そうかもしれないねぇ」

    櫻子「あかりちゃん?」

    あかり「何でもかんでも1人で背負いこんじゃうよりも、少しは京子ちゃん達にも背負って貰ってもいいのかもしれないなぁって思ったんだぁ」

    向日葵「赤座さんっ!」

    櫻子「おぉ! いい調子だよ!」

    あかり「うん、そうだね! ありがとう櫻子ちゃん、向日葵ちゃん! ありがとうございました杉浦先輩、池田先輩! あかり、胸がスッキリしました!」ニコッ

    あかり「明日、京子ちゃん達に謝ります! それと少しお説教もしちゃうもん! 明日が楽しみだよぉ」

    櫻子「あ、あともう一つあかりちゃん!」

    あかり「なぁに櫻子ちゃん?」

    櫻子「あのさこれはお願いなんだけどさ…………」





    櫻子「明日から生徒会に入らない!?」

    21 :

    生徒会に入るあかりは珍しい
    どっちに転ぶか

    22 :

    いつも思うけどあかり以外のごらく部メンバーもそこまで冴えないだろ
    少なくとも劣等感感じる程じゃない

    23 :

    >>22
    他の二人はともかく京子ちゃんのハイスペックっぷりは異常

    24 :

    劣等感は相手うんぬんじゃなく自分を過小評価してるからだろ

    25 :

    結衣も陸上の勧誘蹴ってごらく部だからスペックは高いのでは

    26 :

    あかり生徒会に入る話はどうしてもごらく部メンバーの株が落ちちゃう

    27 :

    確かに京子結衣ちなつは好きなことに突っ走る猪突猛進、あかりは被害妄想が強い構ってちゃんに見える
    でもそれが面白いってことなんじゃね?なもりもあかり=空気で楽しませてるんだし

    28 :

    別に最近のあかりは不憫ではないけど
    そうじゃなくても単純に掘り下げる余地があっていいと思います

    29 :

    京子「おっはよーちなちゅー♪」ギュ

    ちなつ「だぁー 朝から引っ付かないでください!!」

    京子「朝からちなちゅに会えるだなんて~ これは神の思し召しに違いないよぉ~♡」ムギュ

    結衣「ふん」ガツッ

    京子「あだぁー!」

    結衣「ったく」

    ちなつ「あ~ん、ありがとうございます結衣先輩♡」ムギュ

    結衣「ち、ちなつちゃんもあまり腕にくっつかないで……」

    京子「結衣ばっかりずるいぞ~ 私にも抱きついてこーい!」バッ

    ちなつ「そんな両腕を開いても私は飛び込みませんからね」

    京子「もう、シャイなんだから」

    結衣「そのポジティブさ、少し分けて貰いたいくらいだな」

    30 = 1 :

    ちなつ「心配しなくても大丈夫ですぅー!! 私の心は結衣先輩一色ですから!」

    結衣「あぁ、うん……ありがと」

    京子「ムスー」プックリ

    結衣「お前も分かりやすく膨れるなよ」

    京子「ほーい」

    結衣「まったく。2人とも何のためにこんな朝早くにここに来たのか覚えてるのか?」

    京子「あったりまえよ! そもそも言い出したの私じゃんか!」

    ちなつ「そ、そうですね。ふざけてる場合じゃなかったです」

    結衣「昨日はあかりに会えなかったからな。今日は確実に会おう」

    ちなつ「でもなんでこんなに朝早くから会いに来たんです?」

    京子「それはちなちゅに早く会うための口実さ」キラッ

    31 = 1 :

    結衣「」グッ

    京子「も、もといあかりがとっても心配で早く会いたかったからさ! 昨日の様子もおかしかったし!」

    ちなつ「…………」ジーッ

    京子「ち、ちなちゅ? その顔は……なに?」

    ちなつ「………………」ジーッ

    京子「視線の先には私!! そして眼差しは疑い!!」

    結衣「大丈夫、それは本当の話だから。その証拠にほら、この携帯の履歴を見てごらん」

    京子「ちょちょ!? それは見せない約束………」

    ちなつ「うわっ!? なにこのメールの数! しかも……全部あかりちゃんのことばかり!」

    京子「あ、あぅ……」カアァ

    結衣「私も凄くあかりのことを心配してるけど、一番心配してるのは京子なんだよ」

    ちなつ「………」

    ちなつ(京子先輩、普段あかりちゃんの事をおちょくってばかりいるけれど、異変に気付いたり裏ではこんなに心配してたり、あかりちゃんの事が本当に好きなんだなぁ)

    ちなつ「行きましょう、京子先輩、結衣先輩! 早くあかりちゃんと会わなくちゃ!」グイッ

    京子「うひゃ!」

    結衣「うわっ!」

    ちなつ(私だってあかりちゃんを心配している気持ちは2人に負けないつもりです! たとえ昨日まであかりちゃんの異変に気付かなかったとしても、今から精一杯あかりちゃんのために行動してやるんだから!)





    京子(棚ぼたでちなつちゃんに手を握ってもらえたのは嬉しいんだけど…………)

    結衣(ち、力が強くて……手が痛い…………)

    32 = 1 :

    ピンポーン


    京子「あかり~! 学校行くぞぉ!」

    結衣「声が大きいって、まだ結構早い時間なんだからさ!」

    ちなつ「下手すれば今頃あかりちゃんが起き始めてるくらいですもんね」

    ピンポーン

    京子「あかりー! この家は完全に包囲されている、下手な抵抗は諦めて出て来い!」

    ちなつ「ちょ、あまり鳴らすとお家の人の迷惑になっちゃいますって!」

    ガチャ


    あかね「あら、京子ちゃんに結衣ちゃん。それにちなつちゃんじゃない」ゴゴゴゴゴ

    京子「おはようございますあかねさん!」

    結衣「おはようございます」

    ちなつ「お、おはよう…ございます……」

    ちなつ(な、なんかすごいオーラが出てるような気がする……)

    あかね「おはよう。今日はどうしたの? こんなに朝早くからここへ来るなんて」ゴゴゴゴゴ

    結衣「実はあかりにちょっと話したい事があって。まだ寝てますよね?」

    あかね「え、あかり? あかりならもう学校に行っちゃったけど」ゴゴゴゴゴ

    結衣「え……」

    京子「なっ……」

    ちなつ「も、もう……ですか? どうしてです?」

    あかね「なにか用事があるって言ってたわ。詳しく聞こうとしたのだけれども教えてくれなかったのよ」ゴゴゴゴゴ

    結衣「そ、そう……ですか」

    京子「……………………」

    あかね「……もしかして、なにか心当たりがあったりする?」ゴゴゴゴゴ

    結衣「い、いえ……特には…… な、京子?」

    京子「…………………………」

    結衣「京子?」

    京子「…………………………」

    ちなつ「あ、あの……! 大丈夫です! と、とりあえず私たち学校へ急ぎますので! 朝早くに失礼しました!」タタタタッ

    結衣「あ、ちなつちゃん!? す、すみません失礼しますあかねさん!」グイッ

    京子「……………」

    あかね「あら?」ゴゴゴゴゴ

    33 = 1 :

    ちなつ「はぁ、はぁ……あのままあそこにいたら……ヤられてたかも……」

    結衣「やられてたって……ちなつちゃんはあかねさんをなんだと思ってるの」

    京子「…………あのさぁ」

    結衣「ん?」

    京子「これってもしかして……私たち、避けられてる……?」

    結衣「…………………」

    ちなつ「……そ、そんな……まさか…………」

    京子「……………」

    結衣「……………」

    ちなつ「せ、先輩……」

    ちなつ(今まで見たこともないくらい落ち込んじゃってるよ2人とも! あかりちゃん、早く私たちのところに来てー!!)








    綾乃「はぁ、まさかこんなに朝早くから学校へ来ることになるとは思わなかったわ」

    ガラララ

    綾乃「あれ、鍵が開いてる?」

    あかり「あ、おはようございます杉浦先輩」

    綾乃「赤座さん!? どうしたのこんなに朝早くに、しかも生徒会室で!」

    あかり「昨日相談に乗ってもらったせいで最終下校時刻になっちゃって……それでお仕事が終わらないままになっちゃったから……少しでも終わらせておこうと思って……」

    綾乃「そ、そんな気を使わなくても良かったのに……」

    あかり「あの、このプリント全部名前順に並び替えておきました。それと櫻子ちゃんと向日葵ちゃんがやっていた書類整備も終わってます」

    34 = 1 :

    綾乃「そ、そこまで……でもなんで書類整備も出来たの? やり方とか知らないはずなのに」

    あかり「昨日の帰り道に櫻子ちゃん達から聞いたんです! あの、チェックしてもらってもいいですか?」スッ

    綾乃「え、えぇ」

    ペラッペラッ……

    綾乃(全部完璧に終わってる……! しかも古谷さんや大室さんの仕上げたものよりも完成度が高い!)

    綾乃「赤座さん、あなた今日何時から学校にいるの?」

    あかり「確か1時間位前にここに来ました」

    綾乃「い、1時間ッ!?」クワッ

    あかり「あわわ!? な、なにかダメなことしちゃいましたか!?」

    綾乃「1時間でこれだけの仕事を終わらせたの!? しかもたった1人で!?」

    あかり「は、はいぃ……ごめんなさい!」

    綾乃(こ、この子……普段のんびりしてるからそうとは思わなかったけど、かなりの逸材だわ! 多分この子はなにか作業を与えた時に光るタイプね)

    綾乃(歳納京子も船見さんも赤座さんを見誤り過ぎよ! この子はごらく部にいるよりも生徒会にいた方が絶対に活きるはず!)

    綾乃(……とは言っても)チラッ

    あかり「?」キョトン

    綾乃(この子がどうするかはこの子が決める事なんだけれどもね)ナデナデ

    あかり「わひゃあ!?」

    綾乃「ありがとう赤座さん。すっごく助かっちゃったわ。本当にありがとう」ナデナデ

    あかり「えへへ! そう言ってもらえて嬉しいです!」ニコッ

    綾乃「あ、でも赤座さんは生徒会じゃないんだからこの部屋に勝手に入ったのは罰金バッキンガムなんだからね!」

    あかり「そ、そんなぁ!? あかり、お金持ってきてないよぉ~!」アタフタ

    綾乃「……クスッ、冗談よ」ナデナデ

    あかり「ひ、酷いですよぉ杉浦先輩~」プンプン

    綾乃「っ!」ドキッ

    綾乃(これは可愛いわね…… 益々生徒会に欲しい人材だわ!)

    35 = 1 :

    あかり「あ、少し馴れ馴れしくしちゃったかもしれません! ごめんなさい杉浦先輩!」

    綾乃「べ、別に平気よ。歳納京子や船見さんと同じ感覚で話しかけてくれて構わないわ!」

    あかり「えへへ、ありがとうございます杉浦先輩。京子ちゃんに聞いていた通りとっても優しい人ですね!」

    綾乃「とっ、ととと歳納京子が!?」カアア

    あかり「はい。頭もいいし優しいし、いつも学校の事を気にかけている素晴らしい人だって聞いてます」

    綾乃「ほ、ほほ褒め過ぎよ!! わ、私なんてまたまだなんだから!」

    あかり「でも、昨日あかりの事をすごく心配してくれてとっても嬉しかったです!」

    綾乃「そんなの当然じゃないの。赤座さんだって私の大事な後輩なんだから」

    あかり「ありがとうございます! あかり、とっても嬉しいです!」

    綾乃(歳納京子……あなた、なんでこんなに可愛い赤座さんを邪険にしたりしたのよ…………)

    綾乃「あーあ、やっぱり私も赤座さんを生徒会に欲しいわね。ねぇ、やっぱり今からでも入る気はないかしら?」

    あかり「あ、ごめんなさい。でもあかり、昨日も言いましたけれどやっぱりごらく部が大好きなんです! 京子ちゃんも結衣ちゃんもちなつちゃんも!」

    綾乃「ええ、分かってるわ」

    36 = 1 :

    あかり「昨日は落ち込んじゃったけれど、きっとみんなもあかりの事大切に思ってくれてると思うんです。あかりに酷い事を言うのも、きっとあかりとお話ししたいからだと思うんです!」

    綾乃「まぁ確かにそうね。歳納京子ってそういう所あるし」

    綾乃(ただ船見さんの方はあまりそういうイメージがないんだけれども、恐らくそれが友達と幼馴染の差なんでしょうね)

    あかり「もしみんながあかりの事を想ってくれてるなら、あかりもそれに応えたいんです! あかりに悪い所があるなら、それを治してみんなと仲良くしたいです!」

    綾乃「ふふふ、そうね」ナデナデ

    綾乃(ただ、赤座さんに本当に悪い所があるとは思えないけれど……)

    あかり「でも今回ばかりはあかりも黙ってませんよぉ! 昨日櫻子ちゃんに言われた通り、謝り終わったらあかりからも言いたい事を言ってやります!」

    綾乃「そう、頑張ってね赤座さん! きっとみんなも分かってくれるわよ」

    あかり「はい! それじゃあ杉浦先輩、失礼します! 本当にありがとうございました!」




    ガラララ



    綾乃「………本当に全部終わってる。それに部屋が少し片付けてあるから、作業自体はもっと早くに終わってたのね」

    綾乃「それに作業だけじゃない。赤座さんは他の人のために進んで行動する心も持ってるし、気遣いもできる優しい子」





    綾乃「………赤座さん、私なんかよりあなたの方がよっぽど生徒会に向いてるわよ」

    37 = 1 :

    ー教室ー


    ちなつ(あの後公園で2人の気持ちを落ち着かせてたから、結局遅刻ギリギリになっちゃった……)

    ちなつ(2人はなまじあかりちゃんと過ごした時間が長いから、ショックが大きい! ここはこのチーナがどうにかしないと!)

    ちなつ(先輩方2人のためにもここで私があかりちゃんとコンタクトを図らなければ!)

    ガラララ!

    ちなつ「おはようあかりちゃ……」



    櫻子「ありがとうあっかりちゃーん!」ギュッ

    あかり「ちょ、ちょっと櫻子ちゃん!! あんまりくっつかないでよぉ~」

    向日葵「こら櫻子! あまりくっ付いては赤座さんに迷惑でしょう!」

    櫻子「だってあかりちゃんがいい子すぎるのがいけないんだもん! 私たちの作業が終わってるなんて信じられないよ!」

    向日葵「確かにそうですわね。あれだけの作業を短時間で終わらせるだなんて……赤座さん恐るべしですわ」

    櫻子「やっぱりあかりちゃんは生徒会入るべきだって! 来年生徒会福会長補佐として私の下で働いてよ~」

    向日葵「補佐どころか副会長にだってなれますわよ。再来年には会長も夢ではありませんわ」

    あかり「2人ともあかりの事を褒めすぎだよぉ」ニコッ

    ちなつ「………ぁ」

    ちなつ(あかりちゃんがあんなに笑ってる…… 最近は私たちにあまり笑顔を見せてくれてないのに…………)






    京子『これってもしかして……私たち、避けられてる……?』




    ちなつ(ま、まさか本当に…………)

    38 = 1 :

    あかり「……ぁ」

    櫻子「んぁ? あ、ちなつちゃんだー!」

    向日葵「あら、本当ですわ。今日は普段よりも随分遅かったですわね」


    あかり(き、昨日のことを謝らなくちゃだよぉ…… 緊張するけれど、でも勇気を出さなきゃだよね!)

    ちなつ「ッ!」サッ

    あかり「……え」

    櫻子「……………」

    あかり(いま、ちなつちゃん……あかりと目を逸らした……?)

    ちなつ(しまった……朝の京子先輩のセリフが頭に浮かんでつい目を逸らしちゃった! ど、どうしたらいいのチーナ!!)

    あかり(や、やっぱりちなつちゃん、あかりの事を邪魔だと思ってるのかなぁ…………)ウルッ

    キーンコーンカーンコーン♪

    ちなつ(あぁ! でも目が合わせられない! 目を合わせる勇気がない! もし私が話しかけても無視されたりしたら………)ガクガク

    あかり(やっぱりあかり、迷惑だったんだねぇ…… このまま話しかけてもちなつちゃんに迷惑にしかならないよぉ)

    ちなつ(お願いあかりちゃん! 私にそっちから話しかけてきて! 私待ってるから!)


    櫻子「どったのあかりちゃん?」

    向日葵「吉川さんも早く席に着いたらいかかですか? もうチャイム鳴りましたわよ」

    あかり「あ、うん。なんでもないよぉ……」

    ちなつ「あ、うん。そうだね」

    向日葵「?」

    櫻子「…………」

    39 = 1 :

    櫻子「よっしゃ放課後だーい!」

    あかり(放課後になっちゃったけれど……)

    ちなつ(あかりちゃんと全く話さないままだったから、この先ごらく部に行くまでが気不味い……)

    あかり(あかり、ごらく部に行かない方がいいんだよねぇ……)

    ちなつ(あかりちゃんにどうやってごらく部に来てもらおうかな……)

    あかり(どうやってごらく部を休もうかなぁ……)

    向日葵「今日も新しい仕事が来ますから、頑張りましょうね櫻子」

    櫻子「当然! それに私には秘密平気がある! ね、あかりちゃん!」グッ

    あかり「へ?」

    櫻子「ちなつちゃん! 今日ちょっとあかりちゃんを借りるからね! よっし行こうー!」タタタタッ

    あかり「ちょっとぉ! あかりを引っ張らないでぇ!」

    向日葵「ちょっと櫻子! ごめんなさい吉川さん。それではまた明日」

    ちなつ「ぁ…………」






    向日葵「ちょっと櫻子! 赤座さんを無理やり引っ張って連れて来るなんて迷惑でしょう! 部活もあるんですし」

    あかり「ぜぇぜぇ……あかり、久々に全力疾走したよぉ~」

    櫻子「あかりちゃん」

    あかり「へ?」

    櫻子「あかりちゃんには悪いけど、いま私はモーレツにちなつちゃんに怒ってる!」

    向日葵「櫻子、いきなり何を言って……!」

    櫻子「とりあえず生徒会室に入ろう」

    向日葵「え、えぇ……」

    向日葵(このように怒る櫻子を見るのは初めてですわ)


    ガラララ

    40 = 1 :

    綾乃「お、来たわね」

    千歳「今日も赤座さんおるんやね~」

    松本「……」

    櫻子「会長、杉浦先輩、池田先輩! こんにちは! そして会長、お話があります!」

    ズンズンズン

    松本「……?」

    櫻子「このあかりちゃんを生徒会に入れてください! お願いします!!」


    あかり「え?」





    あかり「えぇえぇぇぇ!?」







    千歳「なるほどなぁ…… そのクラスのお友達が赤座さんを無視してたんかぁ」

    櫻子「はい! 朝だってせっかくあかりちゃんが謝ろうと声をかけようとしたのに目を逸らしたんです! 偶然見ちゃいました!」

    向日葵「た、確かに少しよそよそしかったですけれど、櫻子の考えすぎじゃあありませんの? 吉川さんがそんなことをする人には思えませんわ」

    あかり「ううん、違うよ向日葵ちゃん。あかり、朝に目を逸らされたもん」ウルッ

    櫻子「ほらね!」

    あかり「あかり……やっぱり、ごらく部にいらない人間なんだ」グスッ

    綾乃「赤座さん……」

    松本「…………」スッ

    あかり「あ、ハンカチ…………ありがとうございます、会長さん」

    松本「…………」ナデナデ

    あかり「えへへ、心配してくれてありがとうございます。そんな事言われたの久しぶりです」

    松本「……!?」

    綾乃「へ? 赤座さん、会長が何を言ってるか分かるの?」

    あかり「え? はい、分かりますけれど……皆さんは分からないんですか?」

    41 = 1 :

    千歳「うちらには分からんねん。まず聞こえへんしなぁ」

    櫻子「あかりちゃんってスッゲー耳がいいんだね!」

    向日葵「いえ、そういう問題じゃないでしょうに……」

    松本「…………………!」

    あかり「そ、そんな事できませんよぉ! 3年生の先輩にそんな事!」オロオロ

    松本「……!」ギュ

    あかり「わ、分かりましたから! い、一回だけですからね! その、えっと……」

    あかり「りせ、ちゃん……?」

    松本「………………!!」ブンブンッ!

    綾乃「うひゃあ! 会長が今まで見た事もないような満面の笑みで赤座さんの手を取って振っている!?」

    千歳「嬉しさのあまり感情の数値が振り切れちゃったみたいやね」

    西垣「私とお話できる友達がずっと欲しかった、と松本は言っているぞ」

    綾乃「ちょお、西垣先生! いつの間に!?」

    西垣「松本が普段出さないような大声を出していたからな、思わず様子を見に来てしまった」

    松本「……!」ダキッ

    あかり「か、会長さん~ あまりあかりを抱きしめないで下さいよぉ~」

    千歳「大声出してたんかぁ。まぁ、それはさておき」スチャ

    千歳「眼福やぁ~」タラー

    向日葵「ちょ、池田先輩! ティッシュ!」

    千歳「毎度毎度ホントに済まんなぁ~」

    42 = 1 :

    また後で続けます

    44 :

    乙乙

    45 :

    すごくいい雰囲気!どうにか生徒会に定着しないものか!

    46 :

    やはり天使同士は波長が合うのか

    47 :

    櫻子「ところで会長! あかりちゃんの生徒会の件は……」

    松本「!!」カキカキ

    綾乃「か、会長が猛スピードで何かを書いている!」

    松本「……」スッ

    あかり「へ、生徒会役員就任推薦書? しかももう推薦者の欄に会長の名前が書いてある」

    西垣「松本のやつ随分と乗り気だな。すぐにでも赤座を入れる気だ」

    櫻子「やったー!! 最近は仕事が多かったからメチャクチャ助かるよ!」

    松本「…………」

    あかり「あ、あの会長……」

    松本「……」

    あかり「え? あ、その……りせ、ちゃん………」

    向日葵(もうりせちゃんと呼ばせるのは確定なんですのね……)

    あかり「あかり、実は別の部活に入ってるんです……ですので……」

    松本「……………」

    あかり「あ、はい。ごらく部っていう部活に」

    松本「…………?」

    あかり「その、多分届け出は出してないと思います。なんていうか、特に活動もしてませんので」

    松本「……………」

    あかり「確かにそうですね。あと、さっきのあの話もそうなんですけれど…………」

    松本「………………………」

    あかり「はい……ありがとうございます…………でも、踏ん切りがつかなくて……みんなとっても優しくしてくれたので……」

    48 = 1 :

    松本「………?」

    あかり「い、いえそこまでして貰うわけにはいきません! これはあかりの問題ですから!」

    松本「…………」

    あかり「はい。でも、それって逃げてるんじゃないかって思っちゃって……それに…自信ないですし」

    松本「………」

    あかり「……はい、確かにそうですけれども」

    松本「……………」チラッ

    綾乃「へ? わ、私がどうかしましたか?」

    西垣「赤座の仕事での活躍ぶりはかなり凄まじいんだろう? と松本は言っているぞ」

    綾乃「あ、それはもう! 下手をすれば私なんかよりもスピードも正確さも上なんじゃないかっていうぐらいです!」

    松本「………………」ニコッ

    あかり「えへへ、ありがとうございます」ニコッ

    松本「……………」

    あかり「分かりました。少しお話ししてきます。りせちゃん、本当にありがとうございました!」ニコッ

    松本「…………」グッ!



    ガラララ!



    櫻子「あかりちゃん行っちゃったね。どういう事?」

    西垣「要約しよう」

    49 = 1 :

    西垣「まず、ごらく部は正式な部ではないから生徒会と掛け持ちしてもOK。ただ、赤座は今その部で問題を抱えているらしいから、それについて松本は心配をしている」

    西垣「松本的には赤座にごらく部を辞めて欲しいらしいが、赤座は歳納とかに世話になったからといって辞める踏ん切りがつかない。なにしろ幼馴染だしな」

    西垣「それならば自分がごらく部に行って赤座が辞めることを伝えようかと松本は提案したが、それを赤座は断った。それならと、松本は部は辞めなくてもいいから、ごらく部との問題が解決できそうになるまでの間だけここで働かないかと提案をした」

    西垣「赤座はそれを問題からの一時的な逃げではないかと心配している。それならやはりきちんと決断をしなくてはならない。ごらく部を辞めるか生徒会を諦めるかのどちらかをな」

    西垣「やはり松本的には生徒会に入ってもらいたい。いまなら生徒会長と副会長に直々にスカウトされたっていう理由も使えるからな」

    西垣「現に赤座の能力は杉浦も認めるくらいで、このままごらく部にいるのは宝の持ち腐れ以外の何物でもない」

    西垣「でも、最終的に赤座のことを決めるのは赤座以外の何者でもない。どんな決断をしても私は赤座を応援する、と松本は言っている」

    西垣「そして赤座はごらく部に話をしに行ってしまった」




    千歳「ほぇ~ あの短い会話の中にとんでもない情報が詰め込まれてんねんな~」

    綾乃「一体会長と赤座さんの頭はどうなってるのかしら?」

    櫻子「えっと……つまりどういう事?」

    向日葵「相変わらずおバカですわね……」

    櫻子「なにおーー! 馬鹿って言う方が馬鹿なんだよこのばかっぱい!!」バシッ!

    向日葵「あ痛!」

    松本「………」ドキドキ

    西垣「赤座がどんな決断をしても応援するとは言ったが、やはり生徒会に入って貰いたいという気持ちが強くなってきて、今更緊張し始めている松本も可愛いぞ」

    50 = 1 :

    ーごらく部ー




    ちなつ「と、言うわけであかりちゃんは今日は来ません」

    京子「……」ズーン
    結衣「……」ズーン

    ちなつ(うぅ、この暗さ……今までにない程のごらく部のピンチじゃ……)

    京子「……ちっぱいちゃんめぇ~」

    結衣「おーむろさんめ……」ギリッ

    ちなつ「ちょっとしっかりして下さい! いつもみたいに元気になって下さいよぉ!」

    京子「ちなつちゃんちゅっちゅーちゅっちゅーだいすきだー」

    結衣「こらーやめろきょうこーはやくはなれろー」

    ちなつ「えぇい! いい加減にして下さい!!」





    京子「すみませんでした」

    結衣「うん、ごめんねちなつちゃん。少し私たちおかしかったよね」

    ちなつ「いえ、もう大丈夫ですから。それよりも早くあかりちゃんの事を考えないと……」

    京子「………………」ズーン

    結衣「………………」ズーン

    ちなつ「ちょっと2人ともしっかりして下さい!」


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