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    元スレ男「ペット達が人間の女の子になった」

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    151 = 79 :

    居間

    「……すー……」

    「……くかー……」

    「……」こっくりこっくり

    「あっ、……いけない……寝ちゃうとこだった……」

    「起きてなくちゃいけないのに……」

    「黒。終わったよ」

    「あ、男兄さん……お疲れ様でした」

    「これくらい何ともないよ。それより、黒の方は大丈夫なの?」

    「え?」

    「足」

    「あ、い、いえ。だ、大丈夫です。何ともないです」

    「そっか。よかった」

    152 = 79 :

    「さ、次は茶だけど……」

    「……どうします?茶ちゃん凄く良く眠ってますけど……」

    「起こさなくていいよ。起こすのも可哀想だし」

    「それに、起こしても起きないだろうしね」

    「ふふっ。そうですね」

    「じゃあこのまま二人とも移動させたら、俺達も寝ようか」

    「はいっ」

    「あ、でも、この子たちどうやって移動させます?」

    「私が動いたら起こしちゃいますし……」

    「俺が起こさないように抱っこして連れてくよ。だから黒はもうちょっと待っててくれる?」

    「え、でも、そうしたらまた兄さんが……」

    「いいから。それ以外にどうしようもないんだし」

    153 = 79 :

    「……すいません。重ね重ね……」

    「気にしない気にしない。黒だって足辛いだろうし、お互い様だよ」

    「わ、私は……」

    「よいしょっ……と。やっぱり三毛は軽いなぁ」

    「っす。にゅふふ……っす」

    「なんの夢見てるんだ……まぁいいや。じゃあ連れくから、もうちょっと茶の事お願いね」

    「あ……兄さん……」

    「……ありがとうございます」

    154 = 79 :

    「……」

    「私も茶ちゃんの事、運べないかな……」

    「ん……え……!?」

    「あ、足が動かない……」

    「な、なにこれ?どうして?」

    「今までこんなことなかったのに……な、なんなのっ!?」

    「……ん」

    「あ……」

    「こ、これ以上騒いだら茶ちゃん起こしちゃうかもしれない……」

    「ど、どうしよう……」

    155 = 79 :

    「黒。三毛の事運んできたよ」

    「お、男兄さぁん……」

    「え、ど、どうしたの?そんな声出して……」

    「あ、足が……」

    「足?足がどうかしたの?」

    「う、動かないんですっ」

    「……茶を乗せてるからじゃなくて?」

    「ち、違いますっ!か、感覚が無くて、力が入らないんですっ!」

    「あー……。なんとなく理由は解ったよ」

    「な、なんですかっ!?私の足、どうしちゃったんですかっ」

    156 = 79 :

    「何ともなって無いよ。それはただ痺れただけだよ」

    「しび、れた?それって……」

    「ちょっと待って……よいしょっと……」

    「……んう……」

    「茶ちゃん?ど、どうするんですか?」

    「またこの子も運んでくる。その間、黒は出来たら床にうつ伏せに寝っ転がっといて」

    「そうしたら動くくらいにはなってると思うから」

    「そ、そうなんですか……?」

    「うん。それは保障する」

    「は、はい……」

    「じゃ、行ってくるからね」

    157 = 79 :

    「え、ええと……うつ伏せ?」

    「ホントにこれで……よいしょ」

    「……」

    「あ、なんか暖かいものが足に……」

    「んいっ!?」

    「あし、う、動くけど……なんなのこれぇっ!」

    「い、いたい?かゆい?ど、どっちも?」

    「ああぁ……気持ち悪いよぉ……」

    158 = 79 :

    親の寝室

    「ずっと膝枕やってれば足ぐらい痺れるよなぁ」

    「というか、あれだけビックリするってことはやっぱり猫は足って痺れないんだな」

    「……くー……」

    「……よしよし。ここで寝ててね」

    「んぅ……」

    「よしと。……うーん」

    「……くー……」

    「……くかー……」

    「……」

    「俺、寝れるとこあるかな……」

    159 = 79 :

    居間

    「ううぅ……」

    「だいぶ良くなった?黒」

    「あ、お、男兄さん……これが……痺れ、ですか?」

    「うん。そう。長い間さっきみたいな座り方してるとそうなるんだ」

    「そ、うなんっ!ですかぁ……」

    「もうちょっとしたら収まるから。後少しだけ我慢して」

    「は、はいぃ……」

    「……」

    (やっぱり足痺れてる人見ると悪戯したくなるよなぁ……)

    「……」ツン

    「んひゃんっ!?」

    160 = 79 :

    「お、男兄さんっ!?な、何を……」

    「うーん……悪戯?」ソー

    「だ、だだ、駄目ですっ!もう、もうだめぇっ!」

    ツン

    「んひゃぁあっ!!」

    「足がしびれると、こう言うふうに触られたら大変な事になるから、あんまり痺れさせないようにね」

    「俺みたいな人に悪戯されるから」

    「わかり、わかりましたからっ!もう……もうっ!」

    ツン

    「んきゃぁあっ!!」

    161 = 79 :

    「はぁ……はぁ……」

    「ごめん。やりすぎた」

    「ひどいですよ……男兄さん……」

    「あはは。ごめん」

    「もう……」

    「でも、もう足は何ともないだろ?}

    「あ、は、はい……」

    「あの足のツンツンは早く痺れを抜く為でもあったんだ」

    「ただ悪戯したかっただけじゃないんだよ」

    「そ、そうなんですかっ?」

    「うん。もちろん」

    (嘘だけど)

    162 = 79 :

    「男兄さんはやっぱりもの知りですね……すごいです」

    「いやぁ……あはは……」

    「それじゃあ足のしびれも取れた事だし、俺達も寝よっか?」

    「あ、は、はいっ」

    「立てる?」

    「だ、大丈夫です……やっ」フラッ

    ダキッ

    「あ……」

    「おっとと。……大丈夫?」

    「あ、す、す、すいませんっ!私、重いのに……ご、ごめんなさいっ!」

    「い、今離れますか……わぁっ」フラフラ

    「あはは。無理しなくていいよ。それに全然重くないし」

    163 = 79 :

    「で、でも……」

    「いいから。今までこんなこと無かったんだし、こんなことなっちゃうのも仕方ないんだから」

    「あ、歩けないんだったらこのまま抱っこして寝室行く?黒の事あんまり抱っこしてあげれてなかったし、いい機会だ」

    「い、いいですいいですっ!重いのは変わってませんしっ!悪いですっ」

    「そう?……そっか。ちょっと残念だな」

    「え?」

    「昔から黒は他の子たちに遠慮していつも遠巻きから見てたから、全然触れてあげれなかったし」

    「久しぶりに黒のこと触れるなって思ってたんだけど……」

    「そ、そんな……私なんか触っても……皆みたいに気持ち良くないですよ……」

    「そんなことない。猫の時の話だけど、一番手触りは好きだったんだよ?」

    164 = 79 :

    「艶があって、しっとりとしてて……。他の子も気持ちは良かったんだけどね」

    「やっぱり一番は黒だったよ」

    「……」

    「黒、髪の毛、触っていい?」

    「は、っはい!」

    「……」さわさわ

    「……っ」ビクッ

    「うん。やっぱり黒は今でも一番だ」

    「だから、自分のことそんなふうに言っちゃ駄目だよ」

    「……は、はい……」

    「うん。いいこいい子」ナデナデ

    165 = 79 :

    「それで、抱っこなんだけど……どうする?歩く?」

    「俺としては黒の事抱っこしたいけど」

    「あ、でも嫌なら……」

    「い、いえっ!……あ、あの、にいさん……」

    「ん?」

    「その、いや、嫌じゃなかったら……その」

    「嫌じゃないよ」

    「……」

    「……だ、だっこ……だっこ、おねが、いしても……い、いですか……?」

    「うん。もちろん」

    「……いくよ?」

    「は、はい……」

    166 = 79 :

    「よ、いっしょっ……!」

    (お、重ぉっ!柴よりは、軽いけど……ぉ!)

    「だ、大丈夫ですかっ?重くないですかっ」

    「だ、大丈夫大丈夫……。それじゃあ寝室行くよ?」

    「は、はいっ!」

    (た、倒れないよな……)フラフラ

    「……あ」

    「……」

    「……」ぎゅっ

    167 = 79 :

    寝室

    「……くー……」

    「……すー……」

    「……じさん……くふふ……」

    「あはは……寝相悪いな。みんな」

    「そ、そうですね……」

    「あ、でも茶の横は空いてるな……黒、そこでいい?」

    「は、はい。私は何処でも……」

    「うん。じゃあそこで……よいしょ」

    「ん……」

    「これでいいな」

    「あ、ありがとうございました……」

    「すいません……手間かけさせてしまって……」

    「ううん。黒の事久しぶりに触れて良かった」

    168 = 79 :

    「……」

    「あ、あの……男兄さんは、何処で寝るんですか?」

    「どうしようかな……。茶の傍にいないと駄目だろうしなぁ」

    「だ、だったら……茶ちゃん横のもう片方少しだけ空いてますし……そ、そこで寝ませんか?」

    「今から寝る場所探すのも、た、大変でしょうし……」

    「……うん。確かに面倒だし、そうだね。そこで寝よっかな」

    「は、はいっ!それが良いですっ」

    「し、静かにね」

    「あ、は、はい……ごめんなさい……」

    「いいよ。皆起きてないし」

    「じゃあ……寝るかぁ」

    「……そうですね」

    169 = 79 :

    「…………くろ?」

    「あ、茶ちゃん、起こしちゃった?」

    「…………ん」

    ギュッ

    「あ……ふふ」ナデナデ

    「……すー……」

    「やっぱ茶は黒の事大好きだよなぁ」

    「そ、そうなんでしょうか……」

    「うん。昔からこうやって茶がくっつくのって黒ぐらいだし」

    「小さいころから世話焼いてたのがあるのかな」

    「い、いえ、世話なんて……私は……」

    170 = 79 :

    「いいや、黒はしてたよ」

    「昔から茶の遊び相手になってたし、毛づくろいも手伝ってあげてたしね」

    「それは……そう、ですね」

    「それに、ホントに茶が小さい頃だけど……」

    「あ、そ、それはっ」

    「乳離れしてない茶に黒がおっぱいあげてたのが凄く印象に残ってる」

    「自分の子供でもないのにそこまでするんだなって驚いたよ」

    「あと母性本能って凄いんだなって思わされた」

    「そ、うですね……あ、あはは……」

    「……あの時は、茶ちゃん。お母さん、お母さんって言ってたから……」

    「それでどうにか出来ないかなって思って……それで……」

    171 = 79 :

    「な、なんか、ふわふわしますねっ!あは、あはは……」

    「ふわふわ?」

    「ええと、顔が熱いというか、なんていうか……」

    「あー、あはは……そっか」

    「その時から……いや、その前からだけど、この子は優しい子なんだなって思ってた」

    「……」

    「あ、ありがとう、ございます……」

    「……寝よっか。今日は色々あって疲れたでしょ」

    「そう、ですね……流石に、今日は……ふあ……」

    172 = 79 :

    「……黒。あとさ」

    「……はい?」

    「黒は……元の姿に戻りたいよな?」

    「……」

    「……そうですね。今日でさえ、こんなに男兄さんに迷惑を掛けてしまってるんですし」

    「早く戻って……いつも通りに過ごせたらな、と思います」

    「そっか。……そうだよな」

    「はい。……どうしてそんなことを?」

    「うん?うーん……白にも同じこと聞いたんだけどさ、白は戻りたくないって言ったんだ」

    「だから、黒はどうなのかなって思って」

    「そうだったんですか。……白姉さんがそんなんことを……」

    「うん。てっきりみんな戻りたいものだと思ってたからびっくりしちゃったよ」

    「……でも白姉さんの気持ち、少しだけですけど、わかります」

    「そうなの?」

    「はい。この姿じゃなかったら、こうやって男兄さんと話す事、できなかったですから」

    「そう?……俺と話すことぐらい、どうでもいい事だと思うけどなぁ」

    173 = 79 :

    「い、いえっ!それはすごく、うれしい事です」

    「少なくとも、私にとっては……」

    「そっか……。そう言って貰えると凄くうれしい」

    「そ、そうですか?え、えへへ……」

    「そろそろ寝よっか。ごめんね。寝るの邪魔しちゃって」

    「い、いえっ!……そんな、全然」

    「ありがとう。でも、嫌だったら言ってくれていいからね」

    「無理させるのは嫌だし」

    「む、無理なんかしてないです。むしろ話せて、とっても……楽しかった……です」

    「やっぱり優しいね。黒は」

    「い、いえっ、私なんか全然……」

    「あはは。……寝よう。おやすみ」

    「は、はい。おやすみなさい。男兄さん」

    174 = 79 :

    「……黒」

    「……はい?」

    「俺、みんなが元に戻る方法探すの頑張るからさ」

    「黒も、不便だろうけどそれまで頑張って」

    「……はい。もちろんです」

    「ありがとう」

    「はい。……男兄さん」

    「……」

    「……すー……」


    「……」

    (……元に戻れば、今まで通りに暮らせる)

    (そうすれば、男兄さんにも、お母さん、お父さんにも、迷惑はかけなくて済む)

    (それが一番いい。そう思う)

    (……でも)

    「……ぐー……」

    (元に戻ったら、落ち着かないけど、このフワフワした気持ちともお別れなのかな……)

    (それは少し……いや、かもしれないな)

    175 = 79 :

    眠いので今日はここまで。
    また終わらなかった……。明日から頑張る。
    また少し改編。改悪になってなきゃいいなぁ。
    それではまた明日の夜にでも。

    176 :

    乙! 

    待ってるよ

    177 :

    乙乙、猫飼ってたから楽しみ

    180 :

    あれ?
    まだ更新されてない

    181 :

    昨日更新するって言っておいてこのざまです。
    今日の夜にはちゃんと更新しますんで……すんません。

    182 :

    待ってるよ

    183 :

    待ってるぞ

    184 :

    待つ

    185 :

    もう夜だな。

    舞ってる

    187 = 79 :

    翌日

    「ん……良く寝た……」

    「……すー……」

    「……この子……」

    「ああ茶か。人間になってたんだっけ……」

    「やっぱ夢じゃないんだな……」

    「……すー……」

    「……柴と、三毛が居ない」

    「先に起きたのかな……」

    「……朝ご飯作りにいくか」

    188 = 79 :

    居間

    「あー!あにきおはようっす!ごきげんうるっす!」

    「おはよう。ご主人」

    「おはよう。二人とも」

    「結構前から起きてた?」

    「ういっす!一番のりっす!」

    「……私は三毛に起こされた」

    「あはは、なるほどね」

    「あにきっあにきっ!」

    「うん?」

    「おんぶっ!」

    「あーおんぶね。昨日してあげられなかったしなぁ……」

    189 = 79 :

    「いいよ。おいで」

    「やったぁ!っす!……とうっ」

    「うお」

    「えへへっ!やっぱこれっすねっ!」スリスリ

    「はいはい。よかったねー」

    「ご主人。お腹空いたぞ」

    「ああそうだね……そろそろ皆起きて来るだろうし、作らなきゃね」

    「ちょっと待ってて。簡単に作っちゃうから」

    「さ、三毛。そろそろ降りて」

    「えーまだいいじゃないっすかーっ」

    「だーめ。降りないと、ご飯作ってあげられないよ?」

    190 = 79 :

    「それはいやっすっ!」

    「じゃあ降りないとね」

    「それもいやっすーっ!」スリスリ

    「ええ、まいったなぁ……」

    「三毛。降りろ。ご主人が困ってる」

    「犬の言う事なんか聞かないっすよっ」

    「……そうか。じゃあ、お前の事を元に戻して貰うように頼んでくるかな」

    「ええっ!?犬、そんなこと出来るんすかっ!」

    「ああ。それをできる奴は私の部下だからな」

    「ほ、ほんとすか……」

    「それが嫌だったら、すぐ降りろ」

    「……わかったすよー」するする

    「いいこいい子。後でまたやってあげるからな」

    「ほんとっすか!?ぜったいっすよっ」

    「うん。絶対だ」

    191 = 79 :

    「へへへっ!じゃあ待ってるっすからねっ」タタタ

    「はいはい」

    「柴、ナイスだ」

    「ふん。当然だ」ブンブン

    「よしよし」ナデナデ

    「ふ、ふふふふ……」

    「じゃあ作ってくるね。三毛と待ってて」

    「あ、ご、ご主人」

    「うん?どうしたの?」

    「私も何か手伝う事は無いか?二人いた方が作業も捗るだろう?」

    「それに、これは人間として覚えることだろうしな」

    192 = 79 :

    「うーん今日はただトースト焼こうと思ってるだけだしね……」

    「特にして貰う事は無いかな」

    「そ、そうか……」

    「……あ、だったら三毛の事見て貰ってていいかな」

    「まだ何しでかすか解らないし」

    「……ああ。わかった」

    「それと、トースト焼き上がったら皿持ってって貰いたいから、その時手伝って貰っていい?」

    「俺だけだったらちょっと大変だし」

    「っ!あ、ああ!わかった」

    「頼むね。柴」

    「ああ。任せろ」ブンブン

    (顔には出てないけど、凄い嬉しそうだな……)

    193 = 79 :

    ―――――――――

    「よし、完成。後は柴を呼んで……あれ?」

    「……」

    「ち、茶ちゃんっ!あ、お、男兄さん。おはようございます」

    「二人とも、おはよう。……どうかしたの?」

    「あの、茶ちゃんが……」

    「……なんでいっしょにねなかった」

    「え?」

    「あのね、だからそれは……」

    「……男、起こすって言った」

    「……でも、こなかった」

    「……朝もいなかった」

    「……うそつき」

    「……男の、うそつき!」

    194 = 79 :

    「それは……ごめんね」

    「起こしてって言われたのに、起こさなかったのは悪かった」

    「……」

    「でもね。その時も、朝も、茶はぐっすり眠ってたから、起こすのは駄目かなって思ったんだ」

    「茶は、気持ち良く寝てた時に起こされるの嫌いだろ?」

    「……きらい」

    「……でも、起こして欲しかった」

    「……一緒に、寝たかった」

    「ごめんね。茶の気持ち、わかってあげられなかった」

    「でも、今度からも、茶の事は起こさない」

    「……なんで?」

    195 = 79 :

    「茶の事が大事だから」

    「……?」

    「猫の時はね?起こしてもすぐに寝られたし、体も丈夫だったから起こせられた」

    「でも今は人間だから、あんな夜遅くに起こされたりしたら病気になっちゃうかもしれないんだ」

    「……なんで?」

    「三毛の時と一緒。ちょっとかじっただけでも、泣いちゃったでしょ?」

    「……うん」

    「三毛と同じくらい今の茶の体は泣いちゃいやすいんだ」

    「だから、ちょっとしたことで病気になっちゃったりしちゃうんだ」

    「だから、俺は茶の事起こさない」

    「大事な茶が病気になんかなっちゃ足りしたら、俺が泣いちゃうから」

    「茶は俺の事泣かせたくないって言ってくれたもんな」

    「……ん」

    196 = 79 :

    「だったら……わかってくれる?」

    「ちゃんとこれからは夜に起こさないように、一緒に寝るから。ね?」

    「……わかった」

    「うん。いい子だ」ナデナデ

    「……ん」

    「それじゃあ朝ごはんは出来てるし、ご飯にしよう」

    「用意したいから、柴の事呼んできてくれるかな」

    「……」コクリ

    「もう来てるぞ」

    「あ、早いね」

    「台所で何か騒いでたからな。何事かと思ってきた」

    「ああ……なるほど」

    197 = 79 :

    「茶。あまり我がままを言うもんじゃないぞ」

    「もうお前は人間なんだからな」

    「……」タタタ

    「あ。……全く」

    「黒、茶の事見てやってて」

    「あ、は、はいっ」

    タタタ

    「……ご主人。あまり甘やかすのはどうかと思うぞ」

    「ただでさえご主人は下の奴らに甘いんだからな」

    「少しはお父様を見習ったらどうだ?」

    「うーん……そうなんだろうけどね……」

    「どうにも怒りきれないというか……」

    198 = 79 :

    「全く……それだからご主人は」

    「あ、そうだ柴」

    「な、なんだ?」

    「朝ごはん出来たから並べるの手伝って?」

    「もうみんなお腹空いてるだろうし」

    「ま、まだ話は……」ぐぅ

    「う……」

    「ね?」

    「……わかった。まずは朝ごはんにしよう」

    「うんうん。それがいいそれがいい」

    「……調子がいいんだから。……ん?」

    ドドドドド

    「おとこぉー!」

    「……騒がしいのが来たな」

    199 = 79 :

    「男ぉっ!」

    「おはよう、白」

    「うん。おはようっ♪……じゃなくてっ!」

    「なんでいっしょに寝てないのっ!寝てても撫でてって言ったじゃないっ!」

    「起きたら誰もいなくてビックリしたんだからっ!」

    「だって、皆の布団用意しないといけなかったし……」

    「でもっ!それでもぉっ!」

    「それに、やっぱり撫でてたら白の事起こしちゃうと思ったしね」

    「それでもよかったのっ!むしろそれが良かったのっ!」

    「え?そうなの?」

    「そうだよっ!だって……」

    「うるさいぞ。毛玉」

    200 = 79 :

    「……あら、柴いたの?」

    「私の姿を見逃すなんて、お前の目は腐ってるのか?変えて貰った方がいいんじゃないのか?」

    「あら、見えないなら変える必要はないわね。見たくないものを見れなくても済むんですもの」

    「……減らず口を」

    「若いものですから。ねぇ?おばさま?」

    「だからやめてって。怖いから」

    「あにきーごはんまだっすかぁ……」

    「もうぼく、おなかぺこぺこっす……」

    「ほ、ほら、三毛もこう言ってるしご飯食べよう!ご飯!」

    「……ふん」

    「……ふん」

    (仲良くならんもんかな……)


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