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    元スレエルフ「……そ~っ」 男「こらっ!」

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    151 = 123 :

    騎士「その様子じゃ、特になにもしていないみたいだな」

    エルフ「いえ、それは……その」

    騎士「いやいや、いいんだ。戦争が終わってエルフを奴隷として買う富裕層とかたくさん見てきたけれど、そういった行為をさせているやつらがほとんどだったから、ちょっと気になっただけだ」

    エルフ「男さんはそんなことしないです……」

    騎士「そうだよな……。あいつがそんなことするわけないよな。でも、前のエルフだったら……」

    エルフ「……えっ?」

    騎士「なんでもない、独り言だよ。お茶ありがとう、男も来る気配がないから今日は一度帰るとするよ」

    152 = 123 :

    バイト行ってきます。続きは夜中だと思います。更新遅れてすいません。

    エルフ「あ、ちょっと待ってください!」

    騎士「なんだい?」

    エルフ「あの、あなたは私を見てなんとも思わないんですか? その、街の人たちは私がエルフってだけで差別するのに……」

    騎士「ああ、そのこと。正直言うと俺はエルフが嫌いだよ。戦争中にあいつらに家族を殺されたし、戦っているときも何度も傷を負わされたからな」

    エルフ「……」

    騎士「男も俺と同じようにエルフに家族を殺されて復讐のために軍に入ったのに……。一時期は一緒の隊で戦場に出たりもした。
     それなのに、あいつどういう心境の変化があったのか軍をやめてエルフを買って自分の傍に置くようになって……。
     ――と、こんな話を君にするつもりはなかったんだが、つい口が滑ったよ。それじゃあ」ギイィィ

    エルフ「……」

    エルフ「男さんが、エルフに家族を殺された……?」

    ……



    騎士「あんなことさっきのエルフに言ったけど、最近の男は昔に比べてよく笑うようになったよな」テクテク

    騎士「そうなったのは前のエルフがあいつの傍にいた時からか……」

    153 :

    続き楽しみにまってる

    154 :

    ふぅふぅふぅふぅふぅふぅふぅ

    155 = 154 :

    ふぅ

    156 = 154 :

    ふぅ…

    157 = 154 :

    158 = 120 :

    162 :

    163 :

    今日も遅いのか!このやろう!
    早く書きやがれ!このやろう!
    バイトで身体、壊すなよ、このやろう!

    166 :

    170 = 167 :

    171 = 118 :

    172 :

    174 :

    175 :

    帰りました~。今から寝落ちまで続き書きます。

    177 = 175 :

    過去ログ見たら濡れ場ないのに賢者になってる人が何人かいたw どこ見てそうなったw

    ……



    「ただいま~」ガチャリ

    エルフ「あ……男さん、お帰りなさい……」シュン

    「……なにかあった?」

    エルフ「い、いえ。なにもありません……」ギクシャク

    「そ、そう? ならいいんだけど……」ギクシャク

    エルフ「……」

    「……」

    エルフ(騎士さんの言っていたことが本当なら、私の前にこの家にいたエルフと何かがあって男さんは変わったんですよね。そのことについて聞きたい……。
     でも、私にはそんなことを聞く資格もないですし……。
     そもそも、私はなんでこんなに男さんに干渉しようとしているんでしょう。これは奴隷としてふさわしい行動じゃありません。
     主人を立てて、過度の干渉をしない。こんな当たり前のこともできないなんて……。私は奴隷失格です。
     でも……それでもっ!)

    178 = 175 :

    「僕は今日はもう寝るから、遅くならないうちに寝なよ」テクテク

    エルフ「あっ……ッ!」トテテ

    「えっ……」

    エルフ「……」ギュッ

    「どうしたの? やっぱり何かあった?」ジッ

    エルフ「……」フルフル

    「え~っと」オロオロ

    エルフ(ど、どうしましょう。男さんを行かせたくなくて咄嗟に抱きついてしまいましたけれど、どうするか何も考えていません)

    エルフ「あ、あの!」

    「うん?」

    エルフ「私も、一緒に寝てもいいですか?」

    「えっ……?」

    179 = 175 :

    すまんのう、遅い時間に帰ってきてるから待っててくれた人ほとんど寝てしまってるかね。

    ――男の自室――

    (帰ってきてエルフの様子が少しおかしかったから心配はしていたけれど、一体どうしてこうなった)アセアセ

    エルフ「男さん……」ギュッ

    (一つのベッドに二人が寝ているからやたら狭い。それに密着してるから吐息が首元に……)

    エルフ(あうぅ。男さんとの距離が近いです。自分から言っておいて言うのもなんですけれど、これはものすごく恥ずかしいです。
     でも、こうでもしないと男さんと話ができませんでしたし……)

    「……」アセアセ

    エルフ「……」オロオロ

    「……はぁ。それで、急にこんなことをしてどうしたの? 何か理由があるんでしょ?」

    エルフ「それは……」

    「もしかして話せないようなこと?」

    エルフ「違います。話せなくはないんですけれど、これを話したら男さんの気分がもしかして悪くなってしまうかもしれなくて……」

    「それって、この間のことかな?」

    エルフ「……はい」

    「……」

    エルフ「……」

    エルフ(うぅ。沈黙が辛いです。でも、今回は前のように途中で引くなんてことはしません。
     たとえこれで嫌われて男さんに冷たくされるようになっても全部話してもらうまではテコでも動きません)

    180 :

    >>179
    見てるよー

    181 = 175 :

    おお! ありがとう~。山場なんで頑張ります!

    182 = 175 :

    「そっか……。やっぱり気になるよね。わかった話すよ」ムクリ

    エルフ「あ、私も起きます」ムクリ

     ベッドに腰掛け。

    「旧エルフはね、君がここに来る前にこの家にいた奴隷なんだ」

    エルフ(やっぱり……)

    「僕は昔、まだエルフと人間が戦争をしていた時に家族をエルフに殺されたんだ。
     それで、家族の仇を取るために魔法を勉強して軍に入った。もちろん戦争にも参加した」

    エルフ「……」

    「たくさんのエルフを殺して、仲間である人を殺されて。戦争の熱に当てられていつの間にか仇を取ることよりも生きることが頭を支配するようになった。
     戦時中じゃ、その日その日を生きるのに精一杯で仇を取るために戦うなんてことは二の次になったんだ」

    エルフ「……辛くなかったんですか?」

    「辛かったよ。でもそういった実感を持てたのは戦争が終わってからだよ。戦時中はそんなこと考えもしなかった」

    「しばらくして戦争が終わった。人間側の勝利って形でね。戦争に負けたエルフのほとんどは殺されるか奴隷として扱われるかになった。そして、僕は軍を辞めたよ。
     やることもなくなったし、戦うことに疲れたっていうのが一番の理由だけど」

    「家族のいなくなった世界で一人で生活していたある日、たまたま市場に来ていた奴隷商が売り出していたエルフがいたんだ。それが旧エルフだよ。君の先輩みたいなものだね」

    183 = 175 :

    エルフ「……」

    「最初はホントに興味本位だったんだ。たぶん、行き場のなくなった憎しみをぶつける相手が身近に欲しかったっていうのもあった。その場で商人と交渉して彼女を買った」

    「思い返せば彼女にはひどいことしかしなかったよ。冷たい態度をとって、あしらったり、無視をしたりもした。
     そんなことばかりしていたせいか、ある日彼女が僕の目を盗んでこの家から抜け出したんだよ」

    エルフ(あ……これって日記に書いてあった)

    「その時僕は何故か無性に焦ったよ。彼女が傍にいる生活があまりにも普通になっていたから、急にいなくなられたことに少なからずショックを受けたんだろうね。
     だけど、当時の僕はそんなことを認めたくなくて、自分のものを取り戻すなんて理由で彼女を探したよ。そして、路地裏で男に囲まれてる彼女を見つけた。
     その光景を見た瞬間、やたらと頭に血が上って気づいたら魔法を使って男たちを追い払っていたよ。きっと、あの時は酷い顔をしていたと思う」

    184 = 175 :

    エルフ(ここから先は日記を見ていないから私の知らない話になります……)

    エルフ「それで、そのあとはどうなったんですか?」

    「いや、それだけだよ。ただ、それから旧エルフの態度が変わっていったんだ」

    エルフ「どんな風に?」

    「それまでは、黙って僕の言うことを聞いているだけだった彼女がやたらと明るくなって世話を焼きたがったんだ。
     街の人にひどいことをされても泣き顔を見せようともしないで、僕に冷たくされても笑顔を浮かべて受け流していた」

    「正直、その変化に僕は戸惑った。どうして、そんな風に笑っていられるのかもわからなかったし、それが打算的なものじゃないっていうのをなんとなく感じていたから。
     彼女が僕に向けてくる視線が日を増すごとに強くなって、それが好意なんだって気づくのに時間はかからなかった」

    185 = 175 :

    エルフ「それで、男さんは旧エルフを受け入れたんですか」

    「……いや。僕は、彼女を受け入れられなかったよ」

    エルフ「受け入れられなかった? 受け入れなかったじゃないんですか?」ドキッ

    「ああ。彼女が好意を向けられているのに気づいて、戸惑って。でも、それを心のどこかで喜んでいる自分がいたんだ。僕自身そんな自分の変化に驚いたよ。
     彼女と過ごしているうちに、あれだけ憎かったエルフを受け入れようとしている自分が確かに居るんだってことに気づいてしまったんだ。
     でも、それを認めたくなくて僕は彼女を拒絶し続けた。それでも、彼女は僕に好意を向け続けてくれたんだ」

    「これだけ話して、多分旧エルフがどうなったかなんとなく想像がついているんじゃないかな? 彼女が今、ここにいない現状。それがどう言う意味なのかってことに……」

    エルフ「それは……」

    エルフ(分かってしまいました。男さんが、あの夜の日に向かっていった場所。あの石の意味も、その相手も……。
     だから、だからそれ以上悲しそうな顔をして話さないでください……)ウゥ

    186 = 175 :

    「彼女はもうここにいない。随分前に死んだんだ……」

    エルフ「……」

    「僕は最後まで彼女を受け入れることができなかった。だから、次にもし奴隷を買うことになったら彼女にできなかったことをしてあげようと思ったんだ。
     今度は自分の心の思うままに……素直に」

    エルフ「それが……私なんですね」

    「うん。だから、僕は君には出来るだけ優しくしてる。もちろん、君のことは大事だと思っている」

    エルフ「でも、それは旧エルフのことがあるからですよね……」

    「少なからず、そういう面がないとは言い切れない。でも、君は大事な家族だと思っている。だから、こうして全部話したんだ。これで、僕の話は全部だけど、満足したかな?」

    エルフ「はい……。ありがとうございます」ペコリ

    「それじゃあ、今日はもう寝よう。もうだいぶ遅い時間になったからね」

    エルフ「……」

    エルフ(このままでいいんでしょうか……。確かに、男さんに全て話してもらって、どうして男さんが私に優しくしてくれるのか、その理由もわかりました。
     でも、このままじゃ何も変わりません。男さんは旧エルフのことを引きずったままで、私もそれに甘えているだけ。
     そんな、そんな誰かの代わりなだけの私なんて……嫌です!)

    187 = 175 :

    エルフ「男さん!」

    「ん?」

    エルフ「私、頑張ります! 料理も、お掃除も、お洗濯も。男さんの手伝いもします!
     今は全然仕事も未熟で役に立たないような奴隷ですけれど、いつか絶対に役に立つようになってみせます!
     だから、私を見てください! 誰かの代わりなんかじゃない、ありのままの私を! 
     私、頑張りますから……。だからっ……!」ポロポロ

    「あ……」ハッ

    エルフ「あれ? おかしいです……。泣くつもりなんて全然なかったのに……。
     すみません、すみません……」ポロポロ

    「エルフ……」ギュッ

    エルフ(あっ……男さん、初めて私の名前呼んでくれました。それに、抱きしめてくれて。男さんの体大きくて温かい……)

    「ごめん、僕はまた同じ間違いをするところだった。大事にしているだなんて言って、エルフのことを本当に見ていなかった」ギュッ

    エルフ「いいんです……今はきっと旧エルフさんへの想いの方がきっと強いと思いますから。でも、いつかきっと私の方を向かせてみせます」

    エルフ(ああ……。今まで感じていた胸のモヤモヤや締め付けるような苦しみの意味がようやく分かりました。私はきっと旧エルフに嫉妬していたんですね。
     それに、男さんに抱きしめてもらって胸が温かくなるこの感覚。きっと、これが恋なんですね……)

    エルフ「私は、絶対にあなたの傍を離れるつもりはありませんから。覚悟してくださいね、男さん」

    188 = 175 :

    ……



    あれから、随分と月日が流れた。相変わらず、穏やかな毎日が続いている。
    昔に比べて私はだいぶ仕事もできるようになったと思う。最近は料理を作って男さんが笑顔になってくれるのを見ると嬉しくてたまらない。
    旧エルフのお墓にも男さんと一緒に行った。やっぱり、お墓の前に来ると男さんは寂しそうな顔をするけれど、帰る時には笑顔を向けてくれる。
    いつかきっと、男さんの傷が癒されて私の方を完全に向いてくれた時には私は……

    「お~い、エルフ。市場に買出しに行くけれど一緒に来るか?」

    エルフ「……はい! 少し待ってください!」パタン

     手元にある一つの日記帳と、ペンを置いて私は男さんの元へと歩いていく。玄関の前で前を向いて私を待つ男さんに気づかれないよう、私はその背にこっそりと忍び寄る。

    エルフ「……そ~っ」チュッ

    「こらっ!」

     男さんの頬に口づけをし、その背に抱きつく。

    エルフ「男さん、大好きです!」


    エルフ「……そ~っ」男「こらっ!」 ――完――

    190 = 175 :

    これでこのssは終わります。
    バイト等で更新が遅れる中読んでくださった方々、五日間お付き合いくださりありがとうございました。
    今回初ssということで書き溜めなしで書いたのですが、どうにか終わることができました。

    リクエストや質問があれば受け付けます。
    お疲れ様でした!

    192 :

    寝てる間に終わってただと・・・
    乙!面白かったよ

    193 :

    >>1乙!

    楽しかったぜ

    194 :

    おつ
    面白かった!

    195 :

    お疲れ様!

    196 :

    >>1乙!

    たのしかったよ

    197 :

    おもしろかった

    >>1

    198 :

    乙!おもしろかったぞ、このやろう!
    男が、エルフに惚れていく所がよみたいぞ、このやろう!
    続きを書きやがれ!おねがいします!このやろう!

    199 :

    >>1
    乙面白かった

    200 :

    >>1
    乙!!
    さて遅刻だ!
    どうやって言い訳しようw


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