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元スレ美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」
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残された美琴はまだ顔を赤らめたまま眉をひそませ悩んでいた。
そんな彼女の中ではある葛藤が生まれていた。
(でも……この間……あ……ぁんなことしちゃったし……なんか……)
一方通行が美琴に心の内を明かしてくれたあの日―――――自分は彼を抱きしめた。
その時は何とも思わなかった。
壊れそうな彼を抱きしめずにはいられなかった。バラバラになってしまいそうな彼の気持ちをこぼれてしまわないように守りたかった。
そして自分の正直な気持ちを伝える為にも美琴は彼を離さなかった。後悔なんてしていない。
だがあの日研究所から寮へ戻る道の途中、掌に一方通行の白い髪の毛に触れた感触を思い出した途端自分のした行動の大胆さを思い知らされた。
一気に気恥ずかしさが全身に込み上げてて、寮に戻ってすぐにベッドの上で一人悶え苦しんだのは言うまでもない。
今まで生きてきて恥ずかしくて死ぬかと思ったのもその時が初めてだった。
今日だって一方通行が普通に接してくれている分、自分がそのことを気にせずにいられるだけだ。
……と、そう思う反面ちょっとした苛立が美琴の心を波立っていた。
(いつも通りになってくれて良かったけど……けどッ……なんでいつも通りなのよおおぉぉぉ!!!)
言ってる事がめちゃくちゃなのは美琴もよく分かっていた。だが思わずにはいられなかった。
彼は至って普通なのだが、自分は『あのこと』を思い出すだけで恥ずかしくて体が熱くなって沸騰しそうになる。
なんだか自分ばかり気にしているみたいで一方通行が全く気にしている素振りを見せないことが無性に腹が立ってしまう。
そこへきて母からの提案だ。
女の子が男の子を家に招く(しかも泊まり)ことの重大性くらい11歳の美琴だって理解している。
そして『あのこと』との相乗効果もあり意識しまくってしまう始末だ。
そんなこんなで彼を意識する気持ちが邪魔して母からの提案を素直に受け取ることが出来ない。
本心では夏休み中に一緒に遊べるのは嬉しいと分かっているのだが心はなかなか言う事を聞かないのだ。
(ぼ、ボーイフレンド……とかママが言うから……っ!ママのバカッ!!)
『お家に友達を招くのは恥ずかしいことじゃないわよ』
(そう! 一方通行は友達……友達よ!!友達ともだちトモダチTOMODACHI……)
美琴は頭を無にして暗示のように呟く。
「それ以外なんなのだ?」という疑問は頭の隅に追いやって見ない振りをする。
自己暗示に気を取られていたせいか部屋のドアが開く音など全く耳に入って来なかった。
「……なにやってンだ? オマエ」
「ひゃあッ!!」
頭を両手で押さえつけている美琴をみて一方通行は不思議そうに声を掛ける。
缶コーヒーをコンッと音をたててテーブルに置きイスに座る一方通行。そんな彼の動向を見つめる美琴。
突然の本人の登場に驚いたが彼に事を話すタイミングは今だと感じた。
なんだかんだ言いながらも美琴の一方通行と夏を過ごしたいという気持ちは変わらないのだから。
自分の両頬をパチンと叩き、頭から余計な雑念を振るい落とす。
(大丈夫!友達なんだから……トモダチともだち)
「あっ……あのね!」
「あァ?」
「えっと……」
夏の予定について話し始める美琴。
芳川はその話に聞き耳を立てながらデスクに向かっていた。
その話はどことなく誘う言い訳を母親のせいにしているように聞こえるがそこはスルーしてあげるとしよう。
同じくそれを聞いていた後輩の研究者が芳川に慌てた様子で小声で話しかけてきた。
「(ちょっと先輩!大丈夫なんスか?一方通行を学園都市外に出掛けさせるなんて……)」
「(分かってるわよ)」
美琴は理解していなかったようだがこの学園都市は最先端の科学技術を持つ故に厳重な警備と監視が敷かれている。
一般市民ですら簡単に出入りすることが出来ないしくみになっている。しかも幼い子供とはいえ一方通行はレベル5だ。
どんな理由があろうと学園都市の外に出るなどそう簡単に許可がおりる訳が無いのだ。
だが芳川の頭の中ではある男の存在がそんな不安を掻き消していた。
「(多分大丈夫よ)」
「(へ?)」
「(彼には強力な後ろ盾(サポーター)がいるのよ。あなたも知ってるでしょ?)」
「(っていうとまさか……)」
「(えぇ。『彼』に頼めばなんとかなるでしょ)」
芳川には考えがあった。
一方通行を特力研からこの研究所へ移動させた張本人である、あの強面の刺青男ならどうにかしてくれるだろうと。
一方通行とは犬猿の仲らしいが、その人物が悪態を吐きながらも色々根回しを施し一方通行をこの研究所に入れたことは裏では有名だ。
本人は否定していたが勿論その根回しは一方通行を思ってやったことだろう。素直じゃない所まで似ていてまるで父親のようだと思った。
芳川とは顔見知り程度で何回か言葉を交わしたことしかない。
だがどうやら自分と同じ考えを持っているらしいことは直感的に通じ合っていた。
それに彼は学園都市で巨大な力を持つ一族の出。許可書のひとつやふたつ容易いだろう。
そんなことを考えているうちに、どうやら美琴は一方通行に夏休みの件について話し終えたようだった。
視線を自分の膝に向けながらモジモジする美琴は彼の返事を待っていた。
「どう……かな……?」
「………………考えとく」
2人の夏休みがはじまりを告げた。
以上です
次回から親への挨拶へn…『夏休み編』入ります!
ではまた~ ノシ
次回から親への挨拶へn…『夏休み編』入ります!
ではまた~ ノシ
乙
更新速度が速くてありがたい
美鈴さん二人のこといじりまくるだろうなぁww
更新速度が速くてありがたい
美鈴さん二人のこといじりまくるだろうなぁww
乙
この御坂はアホ毛の無い打ち止めを連想するな
口をあわあわしてきょどってる御坂を妄想して和んだ
この御坂はアホ毛の無い打ち止めを連想するな
口をあわあわしてきょどってる御坂を妄想して和んだ
美鈴さん関わると美琴だけじゃなく、一方さんまでツンデレ加速しそうなww
――――――――――
「ほらほらっ! あそこが私の家があるところ!みてみて!!」
「分かったから何度も叩くなッ 痛ェッ!」
座席に膝立ちして窓の外の景色に興奮する美琴と彼女にバシバシと叩かれた肩を押さえて顔をしかめる一方通行。
少し大きめのリュックとショルダーバッグを傍らに置き、2人は窓の外の学園都市とは違う生活感の漂う街に目を奪われていた。
美琴にとっては久し振りの『外』、一方通行にとってはほぼ初めて見る『外』だった。
芳川・美琴・一方通行の3人は学園都市外へ繋がる電車に乗っていた。
「ほらほら、他に乗ってるひともいるんだから静かにね」
2人を嗜める芳川はまるで自分が2人の子を持つ母親、あるいは遠足に引率する先生になった気分を味わっていた。
どちらかと言えば後者の方が正しいのかもしれない。教員を目指していた頃をふいに思い出し当時の自身の夢が何だか懐かしく感じる。
この日の芳川の姿はいつもの白衣ではなく灰色のパンツスーツを軽やかに着こなしていた。
今回の自分の役割はまさしく『目的地までの引率』であった。
車内は満員とまではいかないが夏休みという季節柄もあって座席が埋まる程度に混み合っていた。
人の話し声はどこか明るく高調している様子が伺えて、電車がガタンゴトンと揺れる音と絶妙にマッチしていて気持ちよく耳に入ってきた。
久し振りに見る自分の住んでいた街並みはあまり変わっていないらしくそれは美琴にとってそれは喜ばしい事のようだ。
ずっと窓の外を笑顔で見つめて時折、「あれはね~」「あそこに見えるのは~」とガイドのように説明してくるのは彼女が喜んでいる証だろう。
すると一方通行は美琴に気付かれないように声を押さえて隣に座る芳川に話しかけてきた。
「オイ」
「何かしら」
「……どォやって俺を『外』に出れるよォに仕組ンだ?」
「……なんのことかしら?」
「とぼけンな。コイツは気付いてねェみてェだが……普通ありえねェだろ、俺が『外』に出れるなンて……裏があンだろ?」
「裏なんてないわよ。ただ、貴方の『保護者』に頼んだのよ。そしたらあっと言う間にこの通り」
「……? 『保護者』って…………まさかッ!」
「多分、そのまさかよ」
一方通行は心底嫌そうに苦々しく顔を引きつらせて芳川を見つめ返した。
あの男が少なくとも彼の中では『保護者』的な認識を受けていることが少し予想外で可笑しく思えたがそれは胸の内だけで笑う事にする。
実際この件に関して『保護者』に連絡をとってみると二つ返事で外出許可がおりた。多少の条件がついたがそれも微々たるものだった。
本来なら喜ぶべき所なのだが彼と犬猿の仲である一方通行はどうやらそれが不満の様子だ。
「……チッ あの野郎ォ余計な真似しやがって……」
「あら、むしろ感謝すべきじゃない? こうして出掛けることが出来たのは彼のおかげなのよ」
「はァ!? 俺は別に……」
「こういうことは素直に受け取りなさい。よかったじゃない、御坂さんと夏も過ごせて」
「別に俺が行きてェ訳じゃねェ……。コイツがどォしてもって言うから……こっちは仕方なく付き合ってやってるだけだ」
「ふーん?」
「……なンだよ その顔は」
「いいえ~? 何でもないわよ?」
「……チッ」
都合が悪くなるとそっぽを向くのはどうやら彼のクセのようだ。舌打ちをするとさっさと芳川から視線を反らせ窓の外に顔を向けてしまった。
(まったく……素直じゃないんだから)
呆れがちに笑みをこぼしながら不器用な少年を見つめていた。
そんな当の本人の頭の中は言い訳めいた言葉を自身に囁いていた。
(俺は別にコイツと居てェわけじゃ……)
―――ないわけではなかった。
初めは自分とはあまりに真逆な、純粋培養で育った彼女の明るさや無垢なオーラにあてられているだけだと思っていた。
だが実際美琴といると楽しいと感じるようになり、今は騒がしさに心地よさを覚えているのも確かだ。彼女の笑い声は自身に安心感を与えた。
そして夏の間、彼女が来ないと知ったときは無意識に苛立ちを覚えたのも事実だった。
嬉しそうに外を見つめる美琴の横顔を横目でチラリと見る。
栗色の艶のある髪を揺らしながら上機嫌に鼻唄を歌っている。太陽の光が彼女の頬に反射して細やかな肌を輝かせていて眩しい。
視線に気付いたのか振り向いた美琴は一方通行の顔を見てニカッと笑う。
「次の駅だよ!」
「……知ってるよ」
あの日―――――彼女によって自分は救われたのだと一方通行は思う。
『そばにいちゃダメなんて言わないで』
それはずっと誰かに言ってほしかった言葉のような気がした。
誰かに必要とされる自分、それは能力でも頭脳でもなく自分自身を見てくれる存在。そんな存在になりたかったのだと初めて気付いた。
そう言って自分を抱きしめる美琴の腕の熱と彼女の鼓動の音。心地よい温もりがまだ記憶に新しい。
彼女の言葉や行動は今まで出会ったなによりも優しく、衝撃的で、心を打たれるものだった。
自分はそれによってひどく情けなくみっともない姿を曝してしまった。
だがあの日を境に一方通行の肩に積もっていたレベル5という重圧が少しだけ軽いものに変化していることに気付いた。
あの日以来あの忌々しい【夢】を見なくなった。そして『無敵』への執着も少し薄れている自覚もある。
闇の奥深くにいた光など知らない過去の自分とは全く違い、今こうして太陽の光を浴びているという実感が存在していた。
そして自分はそれを心地よく感じている。
初めて外の世界に触れた様な感覚、それはすべて彼女の影響だ。
少なくとも自分は美琴の存在によって負の感情が減っているという事実は彼自身の体を楽にさせているらしい。
きっとこの感覚を人は『救われた』と表現するのだろう。
それに気付いたとき、一方通行は美琴に借りをつくってしまったと思った。それは恩にも似た感謝の気持ちだ。
でも―――――
(コイツには借りがあるからってだけじゃねェ……それは分かってンだ)
それだけでは無い別の感情が胸の奥で息づいていた。
最初は自分に悪意を持たない希有な存在だと思っていたが、今の思いはその頃とはまた違うもののような気がする。
確かに変化している。もっと温度のある気持ちになっているという確証が一方通行にはあった。
だが自分が美琴に対して抱く気持ちが何なのかよく分からない。
人間に興味を持ったことが極端に少ない一方通行は自分の気持ちにもかなり鈍感になっていた。
だからこそ自分の気持ちを測りかねているのだ。
(グダグダ考えンのは性に合わねェンだよ……クソッ)
得体の知れない気持ちに振り回されている感覚は好きじゃない。
電車の揺れに身を任せながら、一方通行は早くこの感情の正体を突き止めたいと強く思っていた。
・・・・・・
・・・・
・・
「とぉちゃーーーくっ!!」
目的地に到着し車両の扉が開いた途端、美琴は勢い良くジャンプして駅のホームに降り立った。
「ちょっと! あぶないわよ~」
「はいは~い!」
芳川の声も聞こえているが目的地に着いた興奮が勝っているせいかスキップをしながら歩く美琴は今にも転びそうだ。
持っている荷物が左右に揺れ体のバランスが崩れているのは火を見るより明らかだった。
「ちゃんと歩けバカ」
「痛ッ なにすんのよー!ちゃんと歩いてるじゃない!」
一方通行から頭にチョップを食らいプーっと頬を膨らませる美琴は移動手段をスキップではなく早歩きに変更することになった。
3人は駅のホームから階段を降りて改札を通り、切符の券売所や売店などが並ぶ場所に出た。人混みで夏ならではの熱気が漂う。
美琴の地元とは言え彼女自身何年も来ていない場所なので自信は無かったが記憶を頼りに外への出口を目指した。
すると人の流れが吸い込まれるように出て行く場所を発見し、3人がそこへ向かうと予想通り街に出ることが出来た。
「確か駅のロータリーで待ってるって……」
美琴は周りをキョロキョロと見回して自分の母親を捜した。確か車で迎えにきてくれると言っていたのだ。
すると3人がいる場所から少し離れた所でシルバーの乗用車に寄りかかった女性がこちらに対して大きく手を振っていた。
「美琴ちゃ~~ん!!!」
「あっ! ママ~~!!」
その人物こそ美琴の母・美鈴であった。大声で愛娘の名前を呼ぶ声が木霊する。
荷物を持っている体をおぼつかない足どりで美鈴へ駆け寄る美琴の姿はまさにドラマで見る親子の再会シーンを切り取ったようだ。
駆け寄った美琴を美鈴は愛おしそうにギュッと抱きしめる。
「もぉ~~ 美琴ちゃん元気だったあぁ~~?」
「元気だったよ……って苦しッ、苦しいよママ」
芳川と一方通行は2人の元に歩み寄る。
嬉しそうな2人の邪魔をするのは些か気が咎めたが取り敢えず話をしなければ始まらない。
「どうも初めまして。2人の引率で来ました芳川です」
「あ、はい! いつも美琴がお世話になってます~」
美鈴は抱きしめていた美琴の体を離し、芳川に改めてお辞儀をして保護者同士の世間話を始めた。
髪型はロングヘアー、スキニーパンツと体のラインを強調したシャツを着こなす美鈴は11歳の子持ちとは思えない程若々しく美しかった。
彼女の持つ華やか雰囲気は母親というよりキャリアウーマンという肩書きが似合うように思えた。
(顔がコイツそっくりだな……)
(ん? なに?)
芳川と談笑する美鈴と隣にいる美琴を交互に見ながら一方通行はそんなことを思った。
視線を感じてキョトンと一方通行を見つめ返す美琴は瞳の色から髪の色・顔の作りまで美鈴にソックリだ。
美琴も大人になったら美鈴のような容姿になるのだろうと容易に想像出来て、なんだか不思議な気持ちになった。
「それでこの子が……」
「えぇ 彼がそちらでお世話になる一方通行です」
「へぇ~~……」
「……?」
美鈴は興味津々といった顔でまじまじと一方通行を見つめる。
まるで品定めをするかのように彼の足の先から頭のてっぺんまで隅から隅まで視線を這わせた。
一方通行もその視線にたじろぎ足を半歩後ろへ下がらせていた。
(なにジロジロ見てんのよ……ママ)
自分の母親の何をしでかすのか分からない行動に言い知れぬ不安がよぎった。
そう、母に会えた喜びで浮かれていた美琴は完全に忘れていたのだ。
自分の母親の性格を。
次の瞬間、美鈴は満面の笑みで右手の親指を立てウインクをしながらこう言った。
「グッジョブ!美琴ちゃん!! こんな美少年ゲットするなんて流石ママの娘ね♪ でかしたでかした♪」
「」
美琴は絶句した。
「……はァ?」
「いや~ 話には聞いてたけどホント真っ白な子ねぇ みとれちゃったわ」
「な、なっ……なっななななに言ってんのよママッ!!!??」
我に返った美琴は一方通行をより近くで見ようと詰め寄ってくる美鈴と彼の間に入りこんだ。
その理由は半分は美鈴が彼に余計なことを言わせないため、もう半分は自分の真っ赤な顔を一方通行に見せないためだった。
そんな様子を楽しむかのように美鈴はニヤニヤしながら言葉を続ける。
「なによぉ~ 美琴ちゃんはいつも彼のこと見てるんでしょ?だったら私に見せてくれても良いじゃな~い」
「はっ……はぁ? 何よそれ!意味分かんない!!」
「顔真っ赤にさせちゃってそんなに怒らないでよ~ 獲るわけじゃないんだし」
「ままま、ママ……ホンッットいい加減に……」
「大丈夫!美琴ちゃんの彼氏に色目なんて使わないから! 安心して?」
「だっ・かっ・らあぁ!!違うっつってんでしょおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
「御坂さん電気! 電気出てるわよっ!!」
(なンだこの状況)
体のまわりに帯電させた電磁波をパチパチと音を鳴らし光らせ始めた美琴は今にもそこら中を黒こげにする勢いだった。
美琴と美鈴のやりとりをイマイチ理解していない一方通行は騒がしいこの現状に呆れて見守る他なかった。
そんな彼の表情に気付いたのか美鈴は子供の様な笑顔から母親の顔に変化させ一方通行の方に向き直った。
「そういえば自己紹介がまだだったわね」
「あァ?」
「初めまして!美琴の母の御坂美鈴です。いつも美琴ちゃんがお世話になってます!」
「……どォも」
「色々話したいことはあるけど……取り敢えず家に行きましょうか!」
そう言って車の後ろのドアを開け美琴と一方通行を入るように促す。
やっと母のひやかしが終わりを告げたことで美琴は顔を火照らせながらも安堵していた。
一方通行もこの場が治まり事が先に進むと聞いて溜息が出た。
「ったく……俺のことどンな風に吹き込ンだらこォなるンだよ……」
「べっ、別にヘンなことなんて言ってないッ!!」
「(彼、この通り言葉遣いが悪いんですが……)」
「(全然気にしませんから大丈夫ですよ)」
ニコッと微笑みかける美鈴の顔は母親特有の寛容な面持ちを秘めているなと芳川は感じた。
子供のようにはしゃいでいた一面や母性溢れる一面、美鈴は容姿だけでなく内面的な美しさを沢山持っている女性なのだ。
それは同性である芳川から見てもとても魅力的で母親としての立場も彼女を輝かせる要因なのだろう。
「では3日間宜しくお願いします」
「はい!確かにお預かりしました」
3日間―――それが外出を許された一方通行の条件のひとつだった。
子供たちが車内へ乗り込み美鈴も一礼して運転席へ向かう。
エンジンが掛かる音が響き、美琴が車の窓を開け手を振って芳川に別れを告げようとしていた。
「あ」
突然、一方通行が何か思い出したかのように声をあげた。
すると美琴の開けた窓の方へ来て顔を出してきた。なにか忘れ物でもしたのだろうかと芳川は首を傾げた。
だが彼の口から出たのは予想外な言葉だった。
「アイツらに伝えとけ」
「? アイツらって?」
「学園都市(むこう)から俺らにずっとついてきてるヤツらだよ」
「……え」
「護衛だか見張りだか知らねェが、隠れ方がヘタクソで見てらンねェって伝えとけ」
「……」
彼の外出の際の条件その2、それは見張り兼護衛を付けることだった。
外には学園都市の科学力や技術を狙う輩が世界中にゴマンといる。だからこそ学園都市のセキュリティーは尋常じゃなく厳しい。
そこでレベル5が外出したとなればその輩にエサを撒くのと同一だ。それだけは避けたいというのが学園都市上層部の判断だった。
だから今回何人もの能力者を雇い彼を監視させていたのだ。勿論彼を守るためではなく学園都市を守る為に、だが。
一方通行にそのことは伏せていたのだが彼の勘の良さなのか持ち前の洞察力のせいか……どうやら彼には最初からお見通しだったようだ。
彼ははそれだけ言うと車内へひっこんでしまった。
彼等を乗せた車が前方へ進み始めると、美琴は窓から体を乗り出し「またね~!」と言いながら大きく手を振ってくる。
芳川はそれに答えるように車が見えなくなるまで笑顔で手を振り続けた。
「あの子ったら……ホント可愛くないんだから」
別れの時も振り向きもしない所は彼らしいなと苦笑する。
(楽しんできなさいね、2人とも)
そう呟くと芳川は眩しい日射しの中、今出たばかりの駅の中へ再び戻って行った。
以上です~
全体的にほのぼのグダグダと続くと思います
それではまた!
全体的にほのぼのグダグダと続くと思います
それではまた!
土「第一位を外に出すとはどういうつもりだアレイスター!」
星「なに…とても興味深いとは思わんかね。電磁通行…これでプランも大幅に短縮できる」フフフ
土「しかも相手は将来のレベル5だぞ。正気とは思えんな」
星「安心しろ。ちゃんと優秀な見張りをつけてある」
木「たりめーよ!俺の可愛いアクセラちゃんの初めての外出だぜ?きっちり撮影してもらわないとな」クカカ
星「どうかね土御門、君も一緒に鑑賞会と洒落込もうではないか」
土「」
星「なに…とても興味深いとは思わんかね。電磁通行…これでプランも大幅に短縮できる」フフフ
土「しかも相手は将来のレベル5だぞ。正気とは思えんな」
星「安心しろ。ちゃんと優秀な見張りをつけてある」
木「たりめーよ!俺の可愛いアクセラちゃんの初めての外出だぜ?きっちり撮影してもらわないとな」クカカ
星「どうかね土御門、君も一緒に鑑賞会と洒落込もうではないか」
土「」
ダメだ。同年代だと分かっていても、どうしてもロリコン乙と思ってしまう。
おつおつ
自然と口元が緩んでしまう
美鈴さんイジリストだなぁww
自然と口元が緩んでしまう
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