私的良スレ書庫
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元スレ美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」
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そういう話は禁書スレで
禁書次巻もこのスレの続きも楽しみに待ってるよ
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どうもです~
残暑お見舞い申し上げます!
それにしてもレス数といい賢者たちといい…一体何が起こったというの…?
よく分かんないけど投下します!
残暑お見舞い申し上げます!
それにしてもレス数といい賢者たちといい…一体何が起こったというの…?
よく分かんないけど投下します!
・・・・・・
・・・・
・・
夏に食べるアイスの寿命はとても短い。
早急にアイスを食べ終えた2人は座るベンチで少しの時間ゆったりとまどろんでいた。
すると突然―――
「あっっ!!!」
「ッ!?」
突拍子も無い声が耳に飛び込んできた。
声の主は勿論美琴。声も表情も共に驚いた様な何かを発見した様なそんなリアクションをしている。
隣からの突然の大声に驚き、大抵のことには冷静に対応出来る一方通行もつい声を荒げる。
「いきなりデケェ声出すンじゃねェッ!! ……ってオイッ!」
一方通行の声が聞こえていないかのように美琴は突然ベンチから飛び降りて一直線に走り出した。
まるで状況が理解出来ないが放っておく訳もいかず反射的に一方通行は美琴を追いかける。
「チッ……なンなンだよ」
美琴が向かったのはベンチから10m程先にある公園の端の木が植え付けられ木陰になっている場所。
何かを見つけたのか突然彼女はその場に座り込んだ。ギョッとしながらも一方通行は彼女の元に駆け寄る。
「オイッ! 一体どォいう……」
「みてみて!」
「あァ?」
「ほら、子猫!」
美琴の座り込んだ場所から1m先に小さな三毛猫がチョコンと座っている。木陰を利用して涼んでいるようだ。
こちらに向かってニャーと鳴く姿からどうやら人には慣れているらしい。よく見ると首もとに赤い首輪をつけている。
彼女が「はぅ~」と両手を頬に当てながら顔を緩ませる様子を見るといきなり大声を出して走り出した原因はコレのようだ。
半ば呆れながらも一方通行は溜息を吐いて美琴の隣にしゃがみこむ。
「かわいいぃ~~!!触りたい~~!!!」
膝を抱えニヤケ顔でトロけそうな声をあげる美琴は今にも子猫に飛びつきそうな勢いだ。というか飛びつくだろう。
(…………ン?)
一方通行の予想を反して美琴はその場にしゃがみこんだままだ。
思い立ったら即行動タイプの美琴がウズウズしながらもその場から動こうとしない。
ただしゃがんで少し離れた所から子猫を見ているだけ。いつもの彼女の行動としてはどうみても妙だ。
「オイ、触りてェなら触れば良いじゃねェか」
「あー……うん。そうなんだけどねぇ」
「あン?」
「…………私さ、体から微弱な電磁波が出てるんだ。動物ってそういうのに反応するの」
「……」
「犬とか猫とか好きなんだけど、怯えられちゃって……」
「ふゥン……」
「あ~~ 触りたかったなぁ~……」
子猫を眺めながらどこか切なげにそのことを語る美琴は触るのをもう諦めているようだ。
きっと彼女はもう何度も同じ状況に出会ったのだろう。なんとなくだが一方通行にはそう思った。
そして一方通行は自らの掌を開いてもうひとつの考えを巡らせる。
ならば自分の能力で体内電流を操作すればどうだろうか。だが一方通行自身今まで誰かの体内電流を操作したことはない。
正直彼女に対してやったことのない方法で能力を使うというのも少し気が引ける。
(実際やったことねェけど)
自身の右手を眺めながら心内で呟く。隣では美琴が子猫を愛おしげに見つめている。
(……やってみるか)
「オイ」
「ん? なに~」
ペタッ
「ッ!!!???」
何も言わずに一方通行は美琴の頬に手をあてた。
頭は帽子で隠れているし、腕は膝を抱えているし、自分が触れられる所は顔くらいだったからだ。他意は欠片も無かった。
しかし美琴の方はそんな理由知ったこっちゃない。
頬に触れられた瞬間、ボンッと爆発音がなったかと思うほど一気に顔面を紅潮させた。
いきなりすぎる一方通行の行動に理由も分からず恥ずかしいやら何やらで目が回りそうになった。
やっとの思いでアワアワと口を動かして何が起こったのか説明を求めることが動転する彼女が唯一出来たことだった。
「ふ……ふええぇぇっ!!?? ちょちょっとッ!!?」
「いいからちょっと黙ってろ」
美琴の頬に手を当てたまま、瞼を閉じて何か思考を巡らせ始める一方通行は至って冷静だ。
(~~~~~な、何なのよおぉぉ!!!)
彼のそんな様子を見てふざけているわけでは無いと察することは出来たが、触られてる事実が美琴を混乱させていた。
触れられている頬が熱いことや、心臓がバクバク鳴っているのは無視しようと必死で目をキュッと瞑る。
一方通行が一体何をするつもりなのか全く想像がつかない。そのことへの緊張感が胸の鼓動を速くさせていた。
フッ
しばらくすると一方通行の手が自分から離れて行くのを感じた。
そっと瞼を開けると一方通行の紅い瞳が自分を見つめていたので、美琴は思わずドキンと心臓を飛び跳ねさせてしまう。
「猫、触ってみろ」
「え?」
「電磁波出ねェから、触ってみろ」
「もしかしてさっきのって……能力使ってたの?」
「……いいから早く触れ」
おそるおそる美琴は子猫に近づき、そっと小さく柔らそうな頭を撫でてみる。
「…………あっ!」
すると子猫は目を細め気持ち良さそうにミャーと可愛らしい鳴き声を上げて美琴の手にすり寄ってきた。
その瞬間美琴はパアァァと顔を輝かせて子猫と一方通行を交互の見て、言葉にならない感動をアクションで伝える。
瞳から星が飛び出してくるのではないかと思う程にキラキラと煌めかせている。嬉しさがそのまま表情に溢れているのだ。
「ありがと~~~ッッ!!!」
子猫に触れた喜びでさっきまでの緊張が吹っ飛んでしまった美琴はとびっきりの笑顔で一方通行にお礼を言った。
彼の方もとりあえず体内電流のベクトル操作が成功したことに胸を撫で下ろしていた。美琴の喜ぶ顔を見るのも悪くない。
(そォいやァ……)
終始笑顔の美琴にふとさっき感じた疑問を投げ掛ける。
「ところでよォ」
「ん~~? なにぃ~~??」
子猫を抱き上げながら幸せそうな声色で美琴は返事をする。
一方通行の言葉に耳を貸しながらも彼女は目の前の小さな三毛猫に夢中だ。そんな彼女に一方通行は爆弾を落とす。
「オマエの顔すげェ熱かったけど、熱でもあンのか?」
「ッ!!!」
折角忘れていたのに。何故わざわざ思い出させる様なことを……。
恨みがましくも思ったがどうせ彼のことだ。意識など全くしていないのだろう。不思議そうにこちらを見る顔でそれが分かる。
「べ、別にっ……暑いだけ!!なんでもないッッ!!!」
「そォか?」
「そ・う・な・のッ!!!」
「?」
死んでも本当のことなんか言うもんか。そう固く決意して隣の鈍感野郎の言葉を跳ね返す。
「ねー?」と抱いた子猫に話しかけると子猫の方は「ミャ?」と首を傾げているが気にしない。
何故そんなに強く否定するのか分からない一方通行は怪訝な顔をしたまま、楽しげに子猫を抱く美琴を見つめていた。
公園にいるのは2人だけ。
だが、そんな彼等を見ていた人物がひとりいた。
「その子は貴方達の猫ちゃん?」
突然後ろから話しかけられ2人揃って肩をビクッと震わせる。
声の正体を突き止めるべく勢いよく振り向く。するとそこには日傘を差した女性が立っていた。
ふわっとしたセミロングの髪に何処か品の漂わせる装いのその女性は2人を驚かせてしまったことに気付いたらしい。
「あらあら、ごめんなさいね。驚かせてしまったかしら?」
「あ、いえ……」
申し訳なさそうな表情で謝られてしまっては、こっちまで申し訳なく思ってしまう。とりあえず美琴はペコリとお辞儀をした。
逆に一方通行はその女性に対して警戒心丸出しの視線を送っている。どうやら彼女を信用していないようだ。
そんな彼等の心情を知って知らずか、女性は美琴達の傍にしゃがみこみニッコリと笑顔を向けてくる。
「可愛い猫ちゃんね。あなた達が飼っているの?」
「えっと……違います。私たちはたまたまここで見つけたんです」
「そうなの。あら、首輪もしてるし何処かのお家の猫ちゃんなのね」
子猫の顎の下をくすぐりながらそう言うその女性の優しげな顔に美琴は直感的に(このひとは良い人だ)と感じ取る。
美琴は自分にはそれなりに人間を見る目があると自負している。少なくとも自分の直感には自信があった。
年は自分の母親くらいだろうか。服装や表情といい、お嬢様のような雰囲気を纏った彼女を悪い人間と思うことは美琴には不可能だ。
するとその女性は美琴と一方通行に笑いかけながら話しかけてきた。
「あなた達、この辺じゃあまり見かけない子ね。学園都市から来たの?」
「あ、はい」
「オイ」
まだ警戒心を解いていない一方通行が美琴の言葉を静止させる。
「(ちょっとなによ!)」
「(テメェが警戒心無さ過ぎなンだろォが!)」
「(はぁ?なんで警戒すんのよ)」
「(だからそォいう所が無防備だっつってンだよッ!)」
小声で喧嘩を始めた2人。
元来、子供同士の喧嘩というのは大人から見れば可愛らしいものが多い。これはまさにそれだった。
にこやかに彼等を見守る女性は母性溢れる様子でまるで自分の子供を見つめる目をしている。
それに気付いた美琴と一方通行はバツが悪そうに口論を止めると、笑い声をもらしながら女性は話しかけてくる。
「ふふっ 2人はとても仲良しなのね」
「えっと、あの……」
「実は息子が今、学園都市にいるの。丁度あなたと同い年くらいかしら」
そう言って一方通行に視線を向けて懐かしげに微笑むその女性は、昨日見た美琴を心配する美鈴の姿にとてもよく似ていた。
一方通行は自分に対する恨みや憎しみの眼差しには慣れている。だがこういう暖かで包み込む様な視線は別だ。
むず痒く慣れない温もりを感じてどうすればいいのか分からなくなる。胸に淀んだ警戒心が徐々に萎えていく。
「なかなか会えなくてね……だからあなた達を見てつい話しかけてみたくなっちゃったの。勿論猫ちゃんも見たかったのだけれど」
睫毛を下ろし子猫と手を戯れ合わせる彼女はどこか寂しげだ。息子と会えない寂しさを募らせているのだろう。
「いきなり話しかけたんですもの。怪しい人だと思われてもしょうがないわ、ごめんなさい」
「そんなことないです! えっと……この子も触られて喜んでるしっ!ほら!」
美琴によって急に体を持ち上げられた子猫が「ミャッ!?」と驚く鳴き声を上げている。
そんなことおかまい無しに女性に子猫を突き出す美琴は必死に彼女に喜んでもらおうとしているように見えた。
それを察したのだろうか。女性はクスッと笑い、三毛猫の体を撫でながら優しげな声で美琴に囁く。
「ありがとう」
・・・・・・
・・・・
・・
「さよならー!」
手を振りながら去って行く女性を公園から美琴も彼女に伝わるように精一杯手を振る。
結局少しばかりの談笑をしたあと、彼女は用事があったことを思い出したらしく2人の元から去っていった。
差した白いレースの日傘がどんどん遠くなっていくのを見つめながら自然と言葉がこぼれる。
「優しいひとだったね」
「…………」
「もう、一方通行ったらあんな態度取らなくても」
「テメェが全然警戒しねェからだろォ。ったく……」
彼をそんなに呆れさせる様なことはしたのだろうか。
イマイチ納得がいかないが美琴の頭には女性が言っていた言葉が少し気になっていた。
「さっきのひと、息子も学園都市にいるって言ってたよね……もしかして知ってる子だったりして」
「ンなワケねェだろ。学園都市にどンだけ学生がいると思ってンだ」
「もしかしてってこともあるでしょ? 名前聞いておけばよかった~」
「…………オマエはホンッッッットにバカなンだなァ」
「しみじみとバカって言うなっ!!」
(可愛らしい子達だったわねぇ……)
セミロングのウェーブのかかった髪を揺らしながら女性は思う。
そして先程出会った少年と少女を思い出していた。
少年はかなりの色白で被ったキャップから見える髪の毛も真っ白。風貌も相まって警戒するさまには子供らしからぬ迫力があった。
かたや少女は可愛らしいという言葉がピッタリな容姿と笑顔を持っていた。まさに無邪気を絵に描いた様な少女。
無邪気な彼女と警戒する彼の構図。それはまるでお姫様と彼女を守る騎士(ナイト)の関係のようでとても微笑ましい。
ふいに我が息子の顔が脳裏に浮かび上がる。
「当麻さん元気にしてるかしら……」
大切な息子の名前を呟く。
息子と同年代の少年少女と接したことで日頃隠している息子への想いがひょっこり顔を出し始めた。
まだ中学生の息子は学園都市で上手くやっているのだろうか。
いや、上手くなくていい。ただ楽しく毎日を幸せに過ごしていてくれれば親としてこれ以上に嬉しいことはない。
そうだ、帰ったら電話してみよう。用事なんて特にない。
あるとすれば声が聞きたいだけ。自分は母親なのだから理由なんてそれだけで充分だろう。
光り照る太陽の下、白い日傘をクルッとまわしてしまうのは機嫌が良いことの表れ。
息子の声を聞くという淡い楽しみが増えたことに幸福感を覚えながら上条詩菜は日傘を白く輝かせていた。
以上です。
いつも読んで下さってありがとうございます!
前は一週間に2回投下を心掛けていたんですが実際やってみるとなかなか…
これからもなるべく早いペースで投下したいとは思っていますが、遅いときもあるのでご了承下さいませませ。
ではまたっ ノシ
いつも読んで下さってありがとうございます!
前は一週間に2回投下を心掛けていたんですが実際やってみるとなかなか…
これからもなるべく早いペースで投下したいとは思っていますが、遅いときもあるのでご了承下さいませませ。
ではまたっ ノシ
リアタイ投下初遭遇!!
乙です!! 相変わらずニヤニヤさせてもらったww
自分のペースで投下していけば良いと思うよ
乙です!! 相変わらずニヤニヤさせてもらったww
自分のペースで投下していけば良いと思うよ
乙
今回も癒されたわ~
無理せず自分のペースで投下すればいいと思うよ
楽しみに待ってる
今回も癒されたわ~
無理せず自分のペースで投下すればいいと思うよ
楽しみに待ってる
乙
このスレ本当癒しだわ~
自分のペースでやってって下さいな
このスレ本当癒しだわ~
自分のペースでやってって下さいな
乙なんだよ!!
毎回ニヤニヤをありがとうっ!!
次回の投下も待ってるよwwww
マイペースでがんばって!!
毎回ニヤニヤをありがとうっ!!
次回の投下も待ってるよwwww
マイペースでがんばって!!
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