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元スレ美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」
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午前中に行なわれる筆記テストは研究室3部屋分ほどある大会議室で行なわれた。
部屋には美琴・一方通行・監督する研究者2人の4人だけ。
美琴は一番前の中央に座り、一方通行は後ろの端の席についてテストが終わるのを静かに待っていた。
ふとテスト中に美琴に目をやると、朝食時の伏し目がちな彼女とは違い真剣な眼差しでペンを走らせていた。
やはり自分の思い過ごしだったのだろうか。
―――彼にその答えが分かるのはこのテストが終わる約3時間後であった。
「はい終了~ お疲れさま」
「おつかれさまれす~…」
約3時間ものテストの終了を告げる研究者の声によって、ウトウトとしていた一方通行の目を覚まさせた。
美琴はというと余程疲れたのかグッタリと頭を机につっぷしている。
次のスケジュールは昼食。
彼女にとっては良い休憩時間になるだろう。
しばし美琴が起き上がるまで待ってみる。
……が、一向に彼女が動く様子がない。
5分、10分と経っても立ち上がるような素振りを見せない。
確かにテストは長丁場ではあったが昨日のスケジュールに比べたら体力的にも大した内容ではない。
朝食時の彼女のおかしな行動を思い出す。
気付けば一方通行は美琴の席へ足を向かわせていた。
「オイ」
「…あ~……テスト終わりました~」
「……」
「うぇ?…なんですか??」
「なんか……ヘンだろオマエ」
「そんなこと……ない」
「……」
明らかに彼女の様子がおかしい。
だがなにをどうすれば良いのか分からない。
なんて声を掛ければ良いのか分からない。
自分の頭脳をフル稼働させても答えが見つからない。
そんな状況が一方通行を苛立ちと戸惑いを与えていた。
今の彼は【レベル5の一方通行】ではなく、本来の姿である【不器用な13歳の少年】になっていた。
「……チッ」
「え?」
イライラが頂点に達した瞬間、一方通行は美琴の腕を掴んで大会議室から飛び出していた。
『様子がおかしい=どこか悪い=医者』の図式が頭で成立していた一方通行が目指すのは医務室。
どこか悪いなら医者に看てもらえばいい。
それが一方通行の出した結論だった。
引きずられるがままの美琴は、掴まれた腕に痛みを覚えながら現状が理解出来ないという顔をしていた。
「い、いたい……」
「ウルセェ!!黙ってろ!!!」
彼女のおかげで一方通行の苛立ちメーターがMAXを叩き出しているせいか、今の彼には彼女を気遣う余裕は無い。
自分の苛立ちを昇華するために、医務室への廊下を早足で歩いていった。
「寝不足だね?」
医務室に美琴を放り込んで暫く後、医務室の主である冥土帰しと呼ばれる男はサラリとそう言った。
「ハァ?」
「だから寝不足だよ。きっと彼女、昨日は殆ど寝てないんじゃないかね?」
医務室の隅にあるベッドにはコチラに背中を向けて横になっている美琴の姿があった。
表情は見えない。ただジッと静かに背中を丸めてうずくまっているだけだ。
「キチンと睡眠をとってなければ食欲も出ない。それで動き回れば具合も悪くなるものだよ」
「寝不足……」
「人間は環境が変わったり生活習慣が違うというだけで体調を崩すものなんだよ。ましてや彼女は子供だからね?」
「……」
「少し休んだら彼女を部屋で休ませてあげるといい。軽い食事を持っていかせるよう食堂に連絡しておく。
あと午後のスケジュールはキャンセルにするよう私から伝えておくよ」
そう言って机に置いた電話に手を掛ける冥土帰しに背を向けて、一方通行は美琴の背中に目をやる。
その目に表情は映らない。ただボーッと彼女を見つめているだけだ。
そんな彼を見ていた冥土帰しはあることを思い出していた。
(ふむ……この間彼女が言ってたのはこの娘のことだったのか)
それは芳川の話していた計画―――「一方通行に『キッカケ』を与える計画」のことだ。
冥土帰しは当初この話を聞いたとき、そう簡単に事が運ぶようには思えなかった。
ひとりの人間の心を動かすなど易々と出来ることではない。
(けれど……)
それは芳川の言っていた言葉。
『彼が―――まだ心の何処かで【誰か】を求めているなら……結果は分からないわ』
(君の計画は良い方向へ転がっているようだよ……芳川君)
フッと口元に笑みをこぼしながらカルテ用紙に『御坂美琴』の文字を書き入れた。
2人が美琴の泊まっていた部屋に着くとテーブルには2人分の食事が置いてあった。冥土帰しが用意させたものだ。
ベーコンや玉葱・人参などが入った野菜のコンソメスープ。一方通行にとっては少ないが今の美琴にとっては充分なメニューだろう。
そそくさとそれを食べ終えた美琴はベッドに入り頭から布団をかぶってしまった。
どうやら一方通行に顔を見られたくないようだ
。
すると一方通行がこの部屋にきて初めて声を掛けた。
「オマエ……なンで寝不足になったンだ」
「それは……」
彼には散々迷惑を掛けてしまった。美琴自身わかっていた。
昨日だって自分のせいで沢山手を焼かせてしまっていた自覚がある。
だからこそ、この質問には答えなければならない。
「ひとりで寝るの……こっちに来て初めてだったから……
いつもは同じ部屋の友達がいるし……だから……な、なんかっ……不安で……ッ」
次第に美琴の大きな瞳から涙がポロポロとこぼれてくる。
子供扱いされるのが嫌なのに今の自分は完全に子供だ。いや、赤ん坊並なのかもしれない。
昨夜のことを思い出す。
いつもなら部屋の電灯を落として寝るのに昨日は消せなかった。恐かったのだ。
部屋に響く外の風と雨の音が。
暗く殺風景なこの部屋が。
ひとりきりという状況が。
お化けなど信じている訳ではない。
でも壁のシミがなにかの顔に見えてしまって眠れないのは事実だ。
誰かに一緒にいてほしいと思ったが美琴はこの研究所のことを全く知らない。
知っている部屋と言えば最初に訪れた芳川の研究室くらいなものだ。
昨日一晩で寮生活では決して出なかった自分の本性がまざまざと露呈されてしまった気がした。
そんな自分が情けなくて、悔しくて、涙が止まらない。
「……」
一方通行は何も言わない。
呆れられてしまったのだろうか。
涙がこぼれてるのを知られてしまわない様にギュッと布団を掴む。
これ以上迷惑を掛けて嫌われたくない―――
「……とにかく寝ちまえ」
そう言って彼は部屋を出て行った。
……と思われたが足音もドアを開ける音も聞こえない。
涙で濡れた顔を袖で拭き布団から顔を出すと、彼はベッドサイドにイスを移動させ美琴に背を向けて座っていた。
「え……」
「……」
「なんで……」
「……また寝れなかったとか言われてもたまンねェからなァ。
テメェが寝るまでここに居てやる……だからとっとと寝ろ」
「! ……うん」
美琴は嬉しかった。
このコンクリートにペンキで白く塗られただけの壁も外の雨音もすべてが不安要素となっていたから。
ただひとり、彼がいるというだけで心が落ち着く。
美琴はただただ嬉しかった。
「あの……」
「なンだ」
「ずっとここに住んでるの?」
「……あァ」
「寂しく……ないの?」
「…………ねェな」
「そう……なんだ」
「いいから早く寝ろ」
「ふぁい……」
トロンと眠たい声を上げたかと思うと数分後にはスゥスゥと寝息が聞こえてきた。
しばらくして振り向くと美琴は布団に包まりあどけない顔をして眠りについていた。
自身の白い頭を掻きむしりながら一方通行は己の意味不明な行動に呆れていた。
何故ここまで彼女に関わるんだ。ただ与えられた役目を果たせばいいじゃないか。
なのに―――――
『寂しく……ないの?』
美琴の言葉が頭で反芻する。
【寂しい】なんて感じたことが無い。
そもそもそんな感情を自分は持ち合わせていない気がする。
【ムカつく】だとか【ウザい】などの感情が存在しているのは自覚してるが。
もう一度美琴に目をやる。
閉じた瞼に栗色の髪が掛かってしまって長いまつ毛が隠れてしまっている。
―――――気が付けば一方通行は彼女の額に手を伸ばしていた。
ハッと意識を戻し手をひっこめる。
一瞬胸の内に生じた得体の知れない「何か」を握りつぶす様に、掌をギュッと握る。
「まァ……どうせ明日で最後だ……」
美琴の寝顔を見つめながらそう呟いた。
部屋に響く雨音が止んでいく。
どうやら外は小雨になりつつあるらしい。
以上です~
テンポが悪いような気がするけど気にしない気にしない…
それではまた!
テンポが悪いような気がするけど気にしない気にしない…
それではまた!
>>115
きめえ氏ね
きめえ氏ね
学園都市だからこそ、何時誰に侵入改竄されてもおかしくない媒体でなく、紙媒体にしたんじゃないかね。
現実でも、その理由であえて最新媒体使わないところもあるんだし。
現実でも、その理由であえて最新媒体使わないところもあるんだし。
まあ電化してた方が”らしい”気がするのは同意できる、けど
実はその用紙こそが紙にそっくりな超高機能媒体だったんだよ!
とかの方が結構夢wktkかもしれない
それはともかく二人ともかわいいな
まだ高レベル能力者になってからのアレコレがないせいかスレてない美琴見てると、
やっぱ打ち止めは美琴のDNAの産物なんだろうなと思う
実はその用紙こそが紙にそっくりな超高機能媒体だったんだよ!
とかの方が結構夢wktkかもしれない
それはともかく二人ともかわいいな
まだ高レベル能力者になってからのアレコレがないせいかスレてない美琴見てると、
やっぱ打ち止めは美琴のDNAの産物なんだろうなと思う
あれ?俺の家の近くの病院ほとんど用紙だった気がするんだが…用紙ってそこまで珍しい?
不器用な関わり方が、すげぇむずむずする
堪んねぇ。良いもんだな…おつ
堪んねぇ。良いもんだな…おつ
>>1 乙
心象 描写 期待
心象 描写 期待
カルテのことですが、あれは学園都市最高技術でつくられた超極薄高機能媒体です。
というのは冗談で雰囲気重視で紙にしました。
それと人の名前って書くのと打つのと重みが違うという持論でこうなりました。
アニメで木山先生や冥土帰しが紙媒体を使ってる様子があったので良いかなと思って。なんか気にさせてしまってごめんなさい!
読んで下さってありがとうございます~ 明日投下します!
というのは冗談で雰囲気重視で紙にしました。
それと人の名前って書くのと打つのと重みが違うという持論でこうなりました。
アニメで木山先生や冥土帰しが紙媒体を使ってる様子があったので良いかなと思って。なんか気にさせてしまってごめんなさい!
読んで下さってありがとうございます~ 明日投下します!
こんなこと言うのも何だが
そのトリップを使うのはやめといたほうがいい、割れちゃってる
そのトリップを使うのはやめといたほうがいい、割れちゃってる
――――――――――――
――――――
―――
外は昨日の天気とは正反対の快晴。
雨の名残である水たまりは太陽と青空を映し輝きを放っていた。
朝、美琴が起きるとそこに一方通行は居なかった。
昨日の午後部屋で寝付いてしまってから時計の短針は一回り以上まわっていた。
体は昨日と違いダルさを感じず、それでいて頭はスッキリと冴えるような感覚。寝不足は改善されたようだ。
ふと美琴は自分の姿が昨日の格好のままであることに気付く。
少し汗もかいている。着替えをした方が良さそうだ。
おもむろにパーカーとTシャツを脱ぎ、上半身キャミソールでバッグの中の着替えを漁っていると―――
コンコン
「!?」
ドアをノックする音。
美琴は瞬間的にドアの向こうにいる人物の予想を立てた。
昨日朝1番に部屋に来たのはただひとり、一方通行だ。
そして自分の姿はキャミソール(下着)と短パン。
「~~~~~~~ッッッ!!!!!」
コンコン
追い打ちを掛ける様なノックの音が響く。
「ちょちょちょちょちょちょっっっと待ってえぇぇぇーーーー!!!!」
顔を真っ赤にしながら大急ぎでバッグから新しいシャツを取り出し乱雑に頭からかぶる。
シャツの表後ろなど関係無い、とにかく何か着なければ。こんな格好を見られてしまっては乙女として一巻の終わりだ。
プハッとシャツから顔を出し袖に腕を通す。さっき脱いだパーカーを羽織ってふぅっと息をつく。
ベッドの上で正座になり、髪の寝癖を手で押さえ、即興ではあるが最低限の身支度は整った。
「ど……どうぞ~」
カチャと開いたドアの先にいたのは―――――
「おはよう。御坂さん」
「あぁ……おはようございます、芳川さん」
研究所で最初に出会った人物、能力測定担当責任者・芳川桔梗だった。
「体調はどう?」
「大丈夫です。……すみません すごく迷惑かけてしまって……」
「良いのよ。ここに泊まるなんてこと、私は今でも慣れないわ。気にしなくて良いの」
「はぁ……」
小さく幼い彼女がひとり研究所で寝泊まりすることがどれだけ不安か、芳川は手に取る様に分かった。
申し訳なさそうに俯く美琴に優しく話しかける。
「昨日は眠れた?寝不足って聞いたけれど」
「はい。あの、一緒についてくれたから」
「一緒にって…………まさか一方通行が?」
照れながら頷く彼女をみて芳川は一瞬言葉が出なかった。
あの 一方通行が?
怪訝そうにこちらを見つめる美琴の視線に気付き、コホンと咳をして自身も彼女の座るベッドに腰掛ける。
「そうなの……彼どう?いじわるされてない?」
「さ、されてません!むしろ……」
「むしろ?」
「その……私が変なこと言っちゃっても謝ったら許してくれたり、こわいとき一緒にいてくれたり……
あんまり喋らないからよく分からないけど……いいひとだと思います」
「……」
驚きだ。彼は彼女と一体どんなやりとりをしたのだろうか。
「でもやっぱりよく分かんないひとだけど」と笑いながら一方通行のことを語る美琴は嘘をついているような空気はない。
心から思って言葉にしているのだ。
『誰かと関わることで彼が変われば』
確かに自分はそう思って今回、一方通行と美琴を引き合わせる計画を立てたのだが……
自分で計画しといてその結果に一番驚いているのも自分というのもなんだか情けない気がした。
けれど、まさかこんなにも大きな変化をもたらすとは―――嬉しい想定外だ。
(この娘が……ねぇ)
改めて彼女に目を向ける。
終始笑顔の美琴はとても可愛らしく、子供を持たない芳川でさえ母性にも似た保護欲を掻き立てられた。
もしかしたら彼女の愛らしさが彼の心を動かしたのかもしれない。
やはり男の子は女の子に弱いものなのだろうか。
しかし問題はこれからなのだ。
今日は美琴との別れの日。
彼女が離れていくと彼はどうなるのだろうか……また今までの彼に戻ってしまうのか。
人間との関係を置き去りにして、ひたすら孤独を望む彼に。
こればかりは彼次第。
芳川はキッカケしか与えることが出来ないのだ。
「……話は変わるけど、今日のスケジュールについて説明するわね」
「はい」
「今日は昨日の午後のスケジュールを午前に行なうわ。
元々今日は午前中に御坂さんを帰せる予定だったんだけど……お昼はここで食べていくと良いわ」
「分かりました」
「それじゃ私は行くわ。昨日と同じ時間に一方通行が迎えにくると思うから待っててね」
「はい!」
にこやかな表情で部屋を出ていく芳川を見送り時計に目をやる。
一方通行が来る時間はまだ先だ。
シャワーを浴びにいこうと思い立ち荷物に手をやるが、ふと手を止める。
「今日で最後……なんだよね」
今日で能力測定は終了。
それは一方通行との別れを意味している。
乙
しかしこの幼い2人を見てニヨニヨしていたい
ああもどかしい
しかしこの幼い2人を見てニヨニヨしていたい
ああもどかしい
追いついた…だと…?
>>1乙!
>>1乙!
>>145
いいぞもっとやれ
いいぞもっとやれ
>>145
ああああショタ一方たんペロペロしたいいいいい
ああああショタ一方たんペロペロしたいいいいい
>>145
悪くない、悪くないぞ
悪くない、悪くないぞ
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