元スレほむら「結局残ったのは巴マミのソウルジェムとまどかの抜け殻だけだった」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
1 :
巴マミを喰ったあの魔女(シャルロッテ)を始末するとき、
どういうわけか巴マミのソウルジェムが消化不良で残っていたのを発見してしまった。
この時点の巴マミはソウルジェムの真実を知らなかった。
恐らく生きたまま肉体をぐちゃぐちゃにされた彼女の心は壊れてしまっているだろう。
でも宝石の輝きは失われていなかった。生きている。
だからだ。
一緒に爆破するのは忍びなく、盾の中に回収しておいた。
とくにそれで何をしようとか思った訳ではない。
でもそのあと、まどかが隙を突いて魔法少女化してしまい、
その存在をすっかり忘れてしまっていた。
マミの死に魔法少女になることを恐怖していたまどかがどうして契約を決心したのか?
皮肉なことに、ほむらがまどかを慰める機会を持ち、
その際に全てを話してしまったが故の結果であった。
まどかはほむらには何も言わず、全てを知った上で契約してしまった。
まどか『聞いちゃったから。もう後には引けないよ』
ほむら『どうして!?』
まどか『ほむらちゃんの言ったことは全部判ってる。
でも私は全部くつがえして見せるよ!』
そう豪語したまどかは今までで一番頼もしく見えた。
それなのに……。
2 = 1 :
結局、三樹さやかは魔女化、佐倉杏子はそれと心中。
ワルプルギスの夜にはまどかとほむらの二人で共闘したものの、
ぎりぎりまで追い詰められた状況でまどかが自分のソウルジェムを
魔女の中枢に撃ち込んで道連れ自爆。
とっさに守ったまどかの抜け殻とほむらだけが最後に残されてしまった。
結局運命は変えられなかったのだ。
ほむら「まどか。自分を犠牲にしないでってあれほど……」
ほむら「でも私は諦めない。今度こそあなたを救ってみせるから」
――そのとき。
そのとき思い出してしまったのだ。巴マミのソウルジェムが残っていたことを。
『ここに魂と肉体がワンセットあるじゃない』などと、
他人の生命を弄ぶような考えが浮かんでしまったのは悪魔の囁きだったに違いない。
ましては入れ物は自分が正に救おうと悪戦苦闘してきた相手の遺体なのだ。
巴マミのソウルジェムを取り出したほむらは、それを確認した。
ほむら「濁ってないわね」
これが、近々魔女化するような状態だったら迷わず砕いていただろう。
だが悪いことに、そう、これはおそらく『悪いこと』だ。
それは眠っているのか単に呆けているのか、
巴マミの魂は魔法を消費するような活動を止めているらしく格納した時点の輝きは保たれていた。
3 = 1 :
ほむら「動かせなくてもいいわ。あなたはまどかの身体を守っていて」
横たわるまどかの遺体の手にそれを持たせ、祈るように胸の前で両手に握らせた。
その魂が身体を欲していたからなのか単に条件反射的なものなのかわからないが、
ソウルジェムから何らかの力がまどかの身体に流れ込んていくのを確認した。
そのまま盾の中にまどかの身体を格納した。
この盾は女の子の身体一つ格納するくらいはわけない。
いつももっと重い銃火器をいくつも格納していたのだから。
ほむら「狭いけど少しだけ我慢してね」
肉体を失った魔保少女の魂と親友の遺体を合わせて旅路の道連れになんて、
正気の沙汰ではないだろう。
いや、何回も続けた繰り返しの中でほむらは正気というものを見失っていたのかもしれない。
ほむらは再び過去に跳んだ――。
4 = 1 :
なんだこの欝プロローグ。
構成失敗したかも。
5 :
構わん、続けr…いや続けてください
7 :
戻せるのは精神だけでは?
8 :
こまけえこたあいいんだよ
9 :
すまん。他のスレ読んでた。
ここまではプロローグという名の独自設定の言い訳だから。
受け付けられなければスレ閉じてくれ。
10 = 9 :
目を覚ます。
ここは病院のベッドの上。
ほむら「……大丈夫。今度こそ上手くいくわ」
言い聞かせるようにそう呟き起き上がった。
巴マミのソウルジェムはまどかの身体をしっかりと維持していた。
肌のつやもよく、眠っているようで、誰がこれを見ても『遺体』とは呼ばないであろう。
ほむら「こうして動かなくても、きっとあなたの存在が私の励みになる。
あなたは繰り返してはいけない失敗の証だから」
こうして転校のその日まで、ほむらは昼はこの時間のまどかとQBとの接触を妨害するために外に出かけ、
夜はまどかの“亡骸”を抱いて眠った。
ほむら「まどか、明日は転校する日なの。やっとこの時間軸のあなたに会えるのよ……」
語りかけようと抱きしめようと“まどかの亡骸”がほむらに微笑むことはない。
にも関わらずほむらは毎晩、空しいと判っていながら『それ』にとりとめもなく話しかけていた。
11 = 9 :
そして登校初日。
気分が悪いからと前例に従って保険係りのまどかを誘った。
ほむら「あなた、このクラスの保険係りなのでしょう?」
まどか「え? う、うん……」
ほむら「保健室まで案内してくださらないかしら?」
『動いて、話しかけるまどか』に感極まったほむらは、
人気の少ない渡り廊下でまどかを思い切り抱きしめてしまった。
まどか「え? え!?」
ほむら「……っ」
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「ぐすっ、……うっ……」
まどか「泣いてるの?」
ほむら「……」
まどか「辛いの? 保健室もうすこしだから。我慢して?」
まどかは体調が悪くて辛いと誤解したみたいだった。
まどか「先生にはわたしが言っておくからね?」
保険医の先生にあとを任せてまどかは教室に帰っていった。
結局そのあと、一回昼休みに抜け出し、
隠れてまどかを見張った以外は放課後まで保健室で寝ていた。
12 :
ほむまど上級者向け
13 = 9 :
昼間、感情をコントロールできず、まどかに忠告を与えられなかったのは、
明らかに前の時間軸から持ってきた『まどかの身体』のせいだ。
だか自分で選択した以上、その分はQBの妨害を頑張るしかないだろう。
繁華街の裏路地でQBを追い詰めていた。
ほむら「……まずいわね」
このパターンだと、ビルの裏手、一般人立ち入り禁のスペースであいつはまどかと接触する。
前の時は一撃で肉片にしてやったが、一瞬で『次』が現れて結局まどかとの接触を許してしまった。
だから足を狙った。
QBの動きが鈍る。
時を止めて接近し、そのスキルを推測され難いようにタイミングを計って停止を解き、
その白い尻尾を捕らえた。
QB『たすけて!』
ほむら「無駄なあがきはやめなさい。私にも聞こえてるわよ」
QB『まどか! まどか!』
QBはほむらの言葉を無視してまどかを呼び続けていた。
14 = 9 :
ここで殺してしまうこともできた。
だがそうすればすぐにまた新しいQBが現れ、近くにいるであろうまどかと接触してしまうだろう。
QB『悪いやつに捕まってるんだ! 助けて!』
ほむらはQBの尻尾を掴み逆さ吊りにしたまま今来た方へと歩みを進めようとした。
進めようとしたのだが、
ほむら「!?」
魔力を帯びたリボンが一瞬でほむらの身体に幾重にも絡みつき身動きが取れなくなった。
ほむら(この技は……)
「QB、無事だった!?」
ほむら「……巴マミ!?」
マミ「あら、私の名前を知ってるの? 悪い魔法少女さん?」
ほむら「……」
マミ「QB……酷い……。ここで待っててねすぐに治してあげるから」
そういって巴マミはほむらのそばに転がった白い生き物を抱き上げて壁の近くに横たえた。
そして彼女はほむらに鋭い視線を向けた。
マミ「さて、私の大切なお友達をこんな目にあわせたあなたにはお仕置きが必要かしら?」
このタイミングで巴マミが出てくるなんて完全に想定外だった。
捕縛されている状態では時間停止しても捕縛されたままなので武器を出して反撃する
ことも出来ない。
これはほむらの時間停止魔法の欠点である。
もし、ここでやられたら全てが終わってしまう――。
15 = 9 :
ほむら「……私を殺すの?」
そう口にしたほむらは実は冷静だった。
今までの経験からこの場面で彼女が自分を殺すとは思えなかったからだ。
マミ「あなたの出合った他の魔法少女ならそうしたのかも知れないけれど、
そういうのは私の趣味じゃないわ。安心して。これ以上のことはしないから」
ほむら「ずいぶん甘いのね」
マミ「そうかしら? でもあなた、魔力はたいして強くないでしょ?」
確かに、ほむらの魔法は特殊だからこの状況ではそう判断されても仕方が無いだろう。
マミ「ここであなたを痛めつけたら弱いものいじめになってしまうわ」
そういうと巴マミはほむらをそのままにしてQBの治療を始めた。
巴マミはこの際どうでも良い。
ほむらには最優先的に気にしなければならない事柄があった。
まどか「あ、あれって……」
さやか「しっ、やばいって」
マミ「あら?」
さやか「わ、見つかった! 逃げるよ!」
まどか「で、でもわたしの名前呼んでたんだよ? 助けてって」
そう。まどかである。
案の定、彼女はQBのテレパシーに騙されてこの場に来てしまっていた。
16 = 9 :
さやか「いいから! こんなとこでコスプレパフォーマンスしてる奴らに関わったら
やばいに決まってる!」
ほむらはこのまま彼女の判断通りに、二人で逃げ去ってくれれば良いと思っていた。
だが、こんなときに限って悪いことが重なるものである。
というより今までの統計上予想されたことなのではあるが。
三樹さやかはまどかの手を引き走っていったが、恐らく間に合わないであろう。
周りの景色が一変し、汚れた極彩色をコラージュしたような酷く神経に障るオブジェクトが視界を覆っていった。
魔女の結界だ。
マミ「どうやらこんなことをしている場合じゃ無さそうね」
『こんなこと』とはほむらの捕縛のことのようだ。
巴マミはほむらの拘束を解いた。
マミ「この魔女はあなたに譲るわ。行きなさい。私はあの子達を助け行くから」
そう言い放って巴マミはQBを抱えたまま、まどかたちが去った方へ走っていった。
17 = 9 :
ここで彼女を追って手の中のQBを撃ち殺すことも出来る。
巴マミの手の中ならばあいつがいきなり再生して見せることも無かろう。
まどかとの接触を防ぐにはいいチャンスだ。
だが、それをすれば、逆上した巴マミに再び捕縛され、
直接手を下さないまでも放置されて魔女の生贄にされかねない。
むしろ先回りしてまどかの周りの使い魔を始末することを優先すべきか?
そう思い至ったと同時にほむらは時を止めた。
走る姿勢のまま静止した巴マミの横を抜け、
ほむらは異空間に恐怖し立ちすくむ静止したまどかと三樹さやかのところに辿りついた。
そして周りの使い魔たちに銃弾を次々と撃ち込んでいった。
静止した空間で銃弾は放たれた後、対象に到達しないで静止する。
そして時の静止を解いた。
と、同時に銃弾はターゲットに突き刺さり爆発を起こした。
それによって周りを囲んでいた使い魔たちは一匹残らず吹き飛んだ。
ほむら(これで魔女が逃げてくれればいいのだけど)
そう思いつつ、辺りを警戒する。
まどか「……ほ、ほむらちゃんだよね?」
さやか「どうなってるのよ?」
幸いなことに魔女は逃げた。
いや少し遅かった。
巴マミが来る前に元の空間に戻って欲しかったのだが、それは彼女が到着すると同時だった。
18 = 9 :
訂正:
私はあの子達を助け行くから」 ×
私はあの子達を助けに行くから」 〇
----------------
ここで彼女を追って手の中のQBを撃ち殺すことも出来る。
巴マミの手の中ならばあいつがいきなり再生して見せることも無かろう。
まどかとの接触を防ぐにはいいチャンスだ。
だが、それをすれば、逆上した巴マミに再び捕縛され、
直接手を下さないまでも放置されて魔女の生贄にされかねない。
むしろ先回りしてまどかの周りの使い魔を始末することを優先すべきか?
そう思い至ったと同時にほむらは時を止めた。
走る姿勢のまま静止した巴マミの横を抜け、
ほむらは異空間に恐怖し立ちすくむ静止したまどかと三樹さやかのところに辿りついた。
そして周りの使い魔たちに銃弾を次々と撃ち込んでいった。
静止した空間で銃弾は放たれた後、対象に到達しないで静止する。
そして時の静止を解いた。
と、同時に銃弾はターゲットに突き刺さり爆発を起こした。
それによって周りを囲んでいた使い魔たちは一匹残らず吹き飛んだ。
ほむら(これで魔女が逃げてくれればいいのだけど)
そう思いつつ、辺りを警戒する。
まどか「……ほ、ほむらちゃんだよね?」
さやか「どうなってるのよ?」
幸いなことに魔女は逃げた。
いや少し遅かった。
巴マミが来る前に元の空間に戻って欲しかったのだが、それは彼女が到着すると同時だった。
19 = 9 :
マミ「あなた、どういうつもり?」
ほむら「見ての通りよ」
マミ「……この子達と知り合いのようね?」
まどかが契約してしまう因子は少しでも排除したいところなのだが、
ここでQBを排除しようとして巴マミと一戦交えるのは得策ではないだろう。
彼女には捕縛されたら打つ手を持たないことを既に知られてしまっている。
先手を打てば勝てないことも無いが、
これ以上手の内を見せてまで敵対してしまうことはどう考えても後々の障害になるように思えた。
幸い今彼女はほむらを戦闘において「弱い」と認識している。
だから、この場はそのまま力量の差を認めた風を装ってここで堂々と見張っていれば良い。
マミ「あなたは結界に迷い込んだお友達は助けるのに、どうしてQBをいじめたりするのかしら?」
ほむら「この子たちに会わせないためよ。でももう手遅れになってしまったわ」
マミ「なるほど。そういうことね」
それらしく納得する巴マミだが間違いなく誤解しているであろう。
それを今すぐ解く気はないのだが。
マミ「これ以上何かする気なら私が相手になるけれど?」
ほむら「無駄な争いはしないわ。あなたには勝てる気がしないもの」
見張りを続行するためにそう言ったが、それは功を奏したようで巴マミは微妙に嬉しそうにこう言った。
マミ「あなたが賢明な子でよかったわ」
20 = 9 :
さやか「ちょっと転校生、それってコスプレ? というかさっきのアレはなんなのよ?」
マミ「私が説明するわ。さっきのは魔女の結界。
あなた達に襲い掛かっていたのは魔女の使い魔よ」
さやか「ま、魔女!?」
マミ「そして私は魔女を狩るもの、『魔法少女』なの」
絶句する二人。
無理も無い。
いきなり魔女の結界に使い魔、魔法少女。非常識のオンパレードだ。
さやか「えっとあなたは……?」
マミ「まずは自己紹介かしら? 私は巴マミ。見滝原中学の三年生よ。
その制服は同じ中学よね? 二年生?」
さやか「あ、はい。三樹さやかです」
まどか「鹿目まどかです」
マミ「さっきこの子の声が聞こえたって言ってたみたいだけど?」
まどか「は、はい。頭の中に直接響いたんです。『助けて』って」
マミ「そうだったの」
まどか「それでその子は大丈夫なんですか?」
QBはマミの手の中でぐったりしているが、ほむらがつけた傷はもう癒えているように見えた。
マミ「さっき少し治療したから。命に別状は無いと思うわ」
まどか「よかった」
21 = 9 :
会話の蚊帳の外と言った風で一歩離れて話を聞いていたほむらだが、
マミ「そういえばあなたの自己紹介がまだだけど?」
ようやく話を振られた。
ほむら「暁美ほむらよ」
まどか「ほむらちゃんはわたしと同じクラスの転校生なんです」
さやか「転校生もその魔法少女ってヤツよね?」
マミ「そのようね」
さやか「じゃあマミさんの仲間ってわけですか?」
ほむら「仲間では無いわ」
マミ「彼女とは今日が初対面なのよ」
さやか「そうなんだ?」
まどか「あの、さっきケンカしてるように見えたんですけど……」
マミ「そうね、その辺も含めてお話したいんだけど、このあと私の家に来ない?」
まどか「え?」
いつもは殺害するQBをそうせず、捕獲することを選択しただけなのだが、意外な展開になった。
マミ「あなたはどうする? この子達が気になるのでしょう?」
ほむら「私を排除しないの?」
マミ「そういうのは趣味じゃないといったわ」
なにが気に入ったのか、彼女はほむらに一緒に来いと言った。
22 = 9 :
マミの部屋。
ほむらはここに同席したことを後悔していた。
別にあそこで断っても監視する方法は既に用意してあったのだから。
ただ、ほむらが他人に頼ることを止めてから今まで巴マミと敵対しなかったことは一度も無かったからつい同意してしまったのだ。
魔法少女とは。魔女を倒さなくてはならない理由とは。
そして魔法少女になるときの願い事。
ほむらにとって、この話を聞くのは苦痛以外の何物でもなかった。
真実を覆い隠し少女を破滅へと誘う悪魔の誘惑。
なによりも回復したQBの得意げな物言いがほむらの神経を逆撫でた。
何度、話を割り込んで真実をぶちまけてしまおうと思ったことか。
だが、ここで無理に話をしても信じてもらえないことは明らかだった。
それに、
QB「暁美ほむら。キミはずいぶんイレギュラーな生い立ちの魔法少女のようだね」
ほむら「……何のことかしら?」
QB「まあいいよ。君が魔法少女であることには変わりがないからね」
ほむらはこの時間軸でもQBを散々追い回しているのだが『感情がない』という言葉通り、
彼(?)はそんなことはおくびにも出さず、平然とそんなことを言った。
――ほむらがここにいるのはこの場で契約なんてしないように見張るため。
ただそれだけの理由だ。
そう自分に言い聞かせ、ほむらはひたすら耐えた。
23 = 9 :
話が一通り終わってから、
マミ「あなたはどうする?」
またそう聞かれた。
今度はまどかたちの魔女退治見学に同行するか、ということだ。
マミ「転校してきたということはこの街に留まる気なのでしょう?」
ほむら「私はあなたが魔女を狩るのを邪魔をするつもりは無いし、
干渉する気も無いわ。
でも魔法少女でないまどかたちを連れて行くのは反対よ。
危険に晒すだけでそんなの意味が無い」
マミ「意見を聞きたいんじゃないの。同行するか、この街を出て行くか。
選ばせてあげると言ってるのよ」
自由にさせるつもりは無いようだ。
ほむらを誘ったのは配下に置くためだったのかもしれない。
マミ「あなた、魔法少女の損得に徹し切れてないようだし。
だったらしばらく一緒に行動した方があなたの為にもなると思うのよ」
ほむら「大きなお世話だわ」
まどか「ほむらちゃんこの街出て行っちゃうの?」
ほむら「……出て行かないわよ」
マミ「なら決まりでいいわね?」
流れに任せていいのだろうか?
今までに無いパターンで先が読めないのだ。
少なくとも巴マミがほむらを敵視して勝手に自滅するのは防げるだろう。
問題はその先だった。
24 :
「美樹」ね。
25 = 9 :
キリが良いのでこの辺で。
続きはまた大体同じ時間帯に投下できると思います。
26 = 9 :
さんくす。
「三樹」×→「美樹」〇
27 :
楽しみにする
28 = 12 :
>>監視する方法は既に用意してあったのだから
マミさんの部屋にカメラがあるのか……盛り上がってきたな
29 = 9 :
予告より早いけど投下します。投下間隔は昨日より長めになります。
---------------
ほむら「今日は色々なことがあったわ。とうとうQBがこの世界のまどかに会ってしまったの」
家に帰ったほむらはベッドに横たわる“前回のまどか”の身体に話しかけていた。
ほむら「巴マミにも会ったわ。成り行きで一緒に行動することになったのだけど、
きっとあの人は調子に乗ってまた油断してしまう……」
ソウルジェム
前回の『遺品』である“マミの 魂 ”と“まどかの身体”は、
ここに来て十日ほど経った今もただ眠っているかのようで、その鮮度を保っていた。
ただ、魂・身体が揃っていてもそれは決して動き出すことはなかったが。
30 = 9 :
翌日の放課後。
昨日の約束どおり、魔女狩り体験コースにはほむらも参加していた。
マミ「……こうして昨日の魔女の残していった痕跡を辿るのよ」
さやか「意外と地味なんですね」
マミ「暁美さん、あなたにも手伝って欲しいのだけど?」
ほむら(まどろっこしい)
そう思ってほむらは言った。
ほむら「……こっちよ」
マミ「え?」
そのままある場所を目指して歩き出す。
ほむらは何回もの繰り返しの結果、
ワルプルギスの夜までの魔女の出現ポイントは殆んど把握していた。
さやか「ちょっと、転校生! 勝手してんじゃないわよ!」
マミ「待って、そっちでよさそうよ」
31 = 9 :
ほむら「……ここよ」
古びたコンクリート建ての建物の前でほむらは立ち止まった。
マミ「どうやら間違い無さそうね。暁美さんお手柄だわ」
ほむら「べつに」
そういって魔法少女に変身して時を止め、
ほむらはそのまま建物に入り、これから飛び降り自殺する『予定』の女を回収した。
女は建物の屋上に至る階段の途中で蹲っていたが、
そして建物から出る前に時を動かし、その女を背負ったまま戻った。
わざわざ時間停止をしたのは、行動の前にその理由を詮索されるのが面倒だったからだ。
まどか「あれ?」
さやか「いつの間に?」
マミ「その人は?」
ほむら「とり憑かれてるわ」
彼女の首には奇妙な形の痣があった。
マミ「魔女の接吻ね……」
32 = 9 :
すまん、文章直し途中のを投下してしまったのでここから。
-----------------------------
ほむら「……ここよ」
古びたコンクリート建ての建物の前でほむらは立ち止まった。
マミ「どうやら間違い無さそうね。暁美さんお手柄だわ」
ほむら「べつに」
そういって魔法少女に変身して時を止め、
ほむらはそのまま建物に入り、これから飛び降り自殺する『予定』の女を回収した。
女は建物の屋上に至る階段の途中で蹲っていたが、運ぶ途中で暴れられても困るので、時は止めたまま運んだ。
そして建物から出る直前に時を動かした。
最初から時間停止をしたのは、行動の前にその理由を詮索されるのが面倒だったからでもある。
まどか「あれ?」
さやか「いつの間に?」
マミ「その人は?」
ほむら「とり憑かれてるわ」
彼女の首には奇妙な形の痣があった。
マミ「魔女の接吻ね……」
33 = 9 :
まどか「だ、大丈夫なんですか?」
ほむら「気絶してるだけ。放っておくと結界に取り込まれてしまうから」
ほむらにとって本来どうでもいいことだったが、
途中で保護なんてことになったら巴マミはほむらにそれを任せるに決まっている。
だから先に回収したのだ。
マミ「……そうね」
巴マミのトーンが微妙に低い。勝手な行動が気に障ったか?
ほむら「余計なことだったかしら?」
マミ「いいえ、よくやってくれたわ。他には居なかったかしら?」
ほむら「多分いないわ」
マミ「結構。それじゃ魔女退治と行きましょうか?」
さやか「いよいよですね?」
まどか「ふぇぇ……」
巴マミを先頭に、さやか、まどかと続いてほむらは最後に魔女の結界の中に進入した。
34 = 9 :
QB「怖いかい?」
さやか「なんのこれしき!」
まどか「ちょっと怖いかも……」
QB「願い事さえ決めてくれたら、いつだってキミ達を魔法少女にしてあげられるからね」
ほむら「その必要はないわ」
特に話し合ったわけではないが、結界内では主戦力のマミが先頭を行き、
ほむらは最後尾で主に二人を守る役割を担った。
マミは恐らく役割について何か一言いうつもりだったのだろうが、
ほむらが当然のように列の最後に付いたことで、「この子は判ってる」と判断したのであろう。
それについては何も言わず、結界の中を深部に向かって進んでいった。
進むにつれて使い魔たちの数が多くなっていく。
さやか「きー、あっちいけ!」
さやかが持参のバットを振り回す。
これにはマミによって防御属性が付与されていた。
まどか「ひやぁぁ」
ほむらはまどかに近づく使い魔を片端から銃で吹き飛ばしていた。
さやか「って、転校生、ずいぶん物騒な武器つかうんだなあ……」
このくらいなら時間停止をするまでもない。
魔法で強化された身体で口径の大きい銃を撃てば十分対処できるのだ。
ほむら「魔法少女にルールはないわ」
と言っておいた。
変に勘ぐられないようにするためでもある。
35 = 9 :
やがて大きなホールのような所にたどり着いた。
QB「ここが結界の中心だよ」
中心には植物を模ったオブジェのような魔女。
マミ「じゃあ暁美さん、二人をお願いね」
ほむら「わかったわ」
さやか「いよいよ決戦だね!」
この魔女なら巴マミには余裕のはずだ。
だから特に心配はしていない。
大量のマスケット銃。
派手なアクション。
そして、途中反撃を食らった場面もあったが最後は、
マミ「ティロ・フィナーレ!」
さやか「やたー! マミさん格好いい!」
まどか「すごい……」
ほむら「……」
マミ「うふっ」
マミの戦闘は相変わらずだった。
得意げなその顔はやはり、初めての後輩や後輩候補に浮かれているのだろう。
36 = 9 :
結界が消えて元の空間に戻った。
巴マミが床に残された物体を拾い上げる。
まどか「それは?」
マミ「これはグリフシード。偶に魔女が持ち歩いているのよ」
さやか「グリフシード?」
マミ「そう。魔女の卵よ」
さやか「ええ!?」
QB「大丈夫。この状態なら安全だよ」
マミ「そうよ。むしろ有益なものなのよ」
そういってマミは自分のソウルジェムの汚れをグリフシードに吸収させて見せながら、これが魔女退治の報酬であると説明していた。
ほむらはそれを聞きながらなんとなく、
今この世界にはマミのソウルジェムが二つあるんだ、などと考えていた。
37 = 9 :
マミ「はい。まだ一回くらい使えるわよ」
ほむら「え?」
差し出されたグリフシードにほむらは思わず間抜けな声を出してしまった。
巴マミが敵対してない状況で少し気が緩んでいたようだ。
マミ「報酬がおこぼれじゃ不服かしら?」
ほむら「いいえ、頂いておくわ」
後衛を務めたことの報酬のつもりだろうか。
それを受けとってポケットにしまった。
マミ「それで、どうだったかしら?」
さやか「凄いです。なんかマミさんって正義の味方って感じで」
まどか「わたし、あこがれます」
マミ「ありがとう。今回は暁美さんもいたから比較的余裕だったのだけど、
危険なことをしているって事も忘れないでね」
さやか「はい!」
まどか「はい!」
ほむら「……無駄が多いわ。アクションが一々大げさだし装飾が多すぎる」
しかも今回の戦いではピンチを自演した疑いがある。
まあ、それでも余裕で勝てるだけの実力がある、とも言えるのだが。
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「率直な感想よ。あんな戦い方してたらあなたいつか死ぬわ」
さやか「こら転校生、先輩のマミさんに何てこと言うんだ」
マミ「いいのよ。同じ魔法少女からの忠告として受け取っておくわ」
ほむら「そうして」
38 = 9 :
ちょいと間開きます。
日付変わった頃再開予定。日付変わり用にトリップつけてます。
39 = 27 :
乙
面白くなってきた
40 :
再開します。
41 = 9 :
今回ほむら自身の立ち位置がかつてないポジションであるということで、
巴マミに直接忠告できるのはありがたかった。
だが、未来を見透かしたような具体的な忠告は言っても信じてもらえないだろうし、
下手に信頼を失えばまた「同じこと」になりかねないので、楽観出来ないのも事実だった。
~~
ほむらが巴マミ達の魔女狩り体験コースに同行して数日が経過した。
まどか「ほむらちゃん、一緒に帰ろう!」
一緒に『体験コース』参加するってことで放課後は毎日まどかに帰りを誘われた。
この事態は巴マミと敵対しなかったから、ということなのだろうが、
そういうわけで放課後はまどか達のグループと行動を共にしている。
とはいっても、会話には参加せず、いつも一歩下がった位置で黙って付いて歩いていた。
仁美「では、私はここで失礼しますわ」
さやか「じゃあねー。また明日~」
まどかの友人の一人である志筑仁美が彼女の家の方向に別れた後、
美樹さやかが幼馴染の見舞いに行くというので、付き合って病院に寄った。
ほむら「私はここで良いわ」
その建物の入り口で、待合室で待つというまどかにほむらは自分は外で待つと告げた。
まどかが美樹さやかと一緒に院内に入っていくのを見届けた後、
ほむらは病院の建物の外周に注意しつつ来た道を戻り、程なく『それ』を発見した。
黒々とした球体に針のようなものが突き出た装飾的な外殻の物体。
魔女の卵、グリフシードである。
来るときは見つからなかったそれは建物の外壁に刺さるようにして存在していた。
魔女が落とすものと違い、汚れを吸収しきって孵化する寸前だ。
こんな物騒なものが何故こんな場所に現れるのかは目下のところ謎である。
判っているのは、これのせいで高確率で巴マミが死ぬことだけだ。
出来ればこのまま孵化するまでほむらだけで見張って、
現れた魔女を一人で倒してしまいたいのだが、
孵化を待たずにまどか達は戻ってきてしまうだろう。
42 = 9 :
まどか「ほむらちゃん。何をしているの? そこに何かあるの?」
ほむら「……」
まどかの問いには答えず、ほむらは黙ってグリフシードを監視し続けた。
QB「グリフシードだ! 孵化しかかってるよ!」
まどか「うそ!? なんでこんなところに?」
QB「不味いよ、早く逃げないと結界が出来上がる!」
さやか「結界ってあの迷路が……。ねえまどか! マミさんの携帯聞いてる?」
まどか「き。きいてないよ」
暁美ほむらという魔法少女がここにいるのに迷わず巴マミに連絡しようとするあたり、
美樹さやかはほむらをまるで信頼していない。
まあそれは良い。
ほむら「あなた達は逃げなさい。これは私がなんとかするから」
まどか「そんな。わたしほむらちゃんが心配だよ」
さやか「まどか、まどかが先行ってマミさん呼んできて。あたしはこいつを見張ってる」
ほむら「逃げなさいって言ってるのよ。
私は巴マミと違ってあなたを守りながらなんて戦わないわよ」
さやか「こんな所に結界ができたら大変なことになるでしょ。それに転校生、
あたしあんたを信用できないわ」
要するに、見張るのはほむらの方だと言いたいらしい。
ほむら「……死にたいなら勝手にしなさい」
まどか「やめてよこんなときに。さやかちゃんも、ほむらちゃんも……」
43 = 9 :
投下しつつ読み返してみて、
ほむほむはQBがまどかと一緒に居るのを間近で見ててストレス貯めてるな、って思った。
この先そういう描写ないから補足的に。
続けます。
44 = 9 :
QB「判ったよ」
QBがまどかの肩からひょいと飛び降り、さやかの足元に立った。
まどか「QB?」
QB「まどか、キミは行ってくれ。さやかにはボクが付いてるよ。
マミならここまでくればテレパシーでボクの居場所がわかるから」
さかや「ありがとうQB」
まどか「わたし、すぐマミさんを連れてくるから! ほむらちゃんも待ってて!」
そういってまどかはかばんを置いて走り去った。
まあ良い。巴マミより先に魔女を倒してしまえばよいのだ。
さかや「ねえ、転校生」
ほむら「なに?」
さかや「あんた、こいつ卵のうちにやっつけられないの?」
ほむら「無理よ」
QB「強力な魔法を使えばそれに感応して孵化が早まるだけよ。
それにそんなことをしたら急激に活性化してかえって被害が大きくなるだろうね」
さかや「そっか……。じゃあ待つしかないんだね」
ほむら「逃げるなら今のうちよ」
さやか「誰が」
45 = 9 :
程なくして、ほむらとさやか、そしてQBはグリフシードが吐き出す結界に飲み込まれた。
QB「怖いかい?」
さやか「そ、そりゃまあ……」
QB「願い事さえ決めてくれればボクは今ここでキミを魔法少女にしてあげることもできるんだけど」
ほむら「よしなさい」
さやか「転校生には言われたくないよ。でも今はやめておく。
私にとって大切なことだから、出来ることならいい加減な気持ちで決めたくない」
ほむら「……」
少し待って、まどかが巴マミと共に結界に入ったことをQBから告げられた。
考えてみれば巴マミはここで死んでも仕方がなかった。
彼女の戦い方は前にも言ったが、無駄が多い。
そんな彼女が命がけの魔女との戦いに非戦闘員である一般人を二人も連れてくるのだ。
魔女退治を舐めているとしか言いようがない。
前回同じ場面では、ほむらが駆けつけなければまどかの命だって危なかったのだ。
やがてグリフシードの周りの不穏な気配が膨張しだした。
QB「孵化するよ! 気をつけて!」
ほむらは魔法少女に変身した。
ほむら「あなたは私の後ろにいなさい」
さやか「あんたに仕切られたくないわ」
ほむら「気に入らないなら盾にしてるとでも思いなさい! とにかく下がって!」
QB「ここは従ったほうが良い。キミはまだ普通の人なんだから」
46 = 9 :
魔女が出てくる前に、まどかと巴マミはほむら達の所へ到着してしまった。
まどか「さやかちゃん!」
マミ「おまたせ」
さやか「あー、間に合った」
マミ「暁美さんもご苦労さま。あとは任せなさい。一気に決めてあげるわ!」
いつになくハイテンションな巴マミを制してほむらは言った。
ほむら「いいえ、この魔女は私が倒す」
マミ「どうしたの? 手柄が欲しくなったのかしら?」
ほむら「別にグリフシードはいらないわ」
マミ「じゃあどうして?」
ほむら「うわついてる今のあなたじゃこの魔女は倒せない」
さやか「転校生、あんたいい加減にしなさいよ!」
まどか「こんなときにケンカはやめてよ」
QB「気をつけて! 出てくるよ!」
やがて空間が視覚的にもダイナミックに変化して、この結界の主が現れた。
一見してかわいらしいマスコットやぬいぐるみのような姿であるが、これが魔女だ。
47 :
自分の師匠に向かって失礼だなほむほむ
格好付けたがりなのはマミさんの精神安定に必要だから仕方ないことだが
48 = 9 :
>格好付けたがりなのはマミさんの精神安定に必要だから
よく判ってらっしゃる。
--------------------------------
ほむらは出遅れた。
マミ「今日はどうしても譲れないのよ。だからあなたの実力を見るのはこの次にしてね?」
魔女に向かうのを巴マミが張ったバリアに阻まれてしまったのだ。
ほむら「待って! そいつは本当に駄目なのよ!」
まどか「ほむらちゃん?」
さやか「マミさんの実力に嫉妬してるのは判るけど大人しくしてなよ。
というかアンタに守ってもらわないと私らもやばいんだから、ちゃんと仕事してよね!」
まどか「さやかちゃん偉そうだよ? 守ってもらってるんだからもっと仲良くしてよ」
さやか「うーん判ってんだけどさ……」
このときばかりは美樹さやかにもまどかにもその認識の甘さに腹が立った。
まどか「ほ、ほむらちゃん!?」
ほむらは銃を取り出しバリアに向けて弾丸を放った。
さやか「ちょっ、何やってんのよ!!」
二人を無視して二発三発と魔法を込めて撃ちこんだ。
二人を構っている場合じゃないのだ。
ほむら(まに合うか?)
49 = 9 :
さやか「ちょっ、手榴弾って!?」
まどか「え? え?」
ピンを抜いてバリアの前方の壁に投げ、まどかを抱えるようにしてバリアの後方の壁に向かって跳び、
振り返って左手の盾を構え魔法で爆発の衝撃に備えた。
美樹さやかは自力で逃げて隣でバリアに張り付いていた。
直後に爆発。
こんな閉空間で手榴弾なんてイカれてるとほむらも思うのだが、
そんなことは言ってられないほど今は切迫した状況なのだ。
今ので二人の耳が多少やられたかも知れないが、
魔法である程度防御したので後遺症が出るほどではない筈だ。
50 = 9 :
バリアが砕けるのと巴マミが「ティロ・フィナーレ」と叫ぶのはほぼ同時だった。
捕縛されたマスコットの口から、彼女を何回も葬ったアレが顔を出す。
マミ「!?」
ほむら(速い!?)
前回に見たよりも何倍も速くそいつは巴マミの頭を飲み込んだ。
その高速化は孵化時にほむらがそばにいた影響だったのかもしれない。
とっさに時間停止をしたが、巴マミの首はヤツの凶悪な牙にがっちりと挟まれてしまっていた。
みんなの評価 : ★★★
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