元スレ麦野「ねぇ、そこのおに~さん」2
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
351 :
SS神はおらぬか~?
麦野 「ねぇ、そこのおに~さん」
一方通行 「あァ?」
で、お願いします。
ありがちな設定で言えば、出会って、恋いに落ちて、相手の事を知らなくて、暗部抗争の中で、出会うとか。
ていうか、なんでもいいんだよ~~!! むぎのんがいたら、むぎのんさえ居れば、後は何も要らないんだよ。
352 :
一方通行とかは出来ればよそでお願いしたい
私は上麦のままが良いです はい
353 :
>>351
今すぐスレを立てて書き始めるんだ。
354 :
麦野 「ねぇ、そこのおに~さん」
アックア 「何であるか」
ヴィリアン「……」
いや、何でもない。
麦野 「ねぇ、そこのおに~さん」
建宮 「?」
天草式一同「「教皇代理がナンパされてる……!?」」wktk
いや、本当何でもないんです。
355 = 350 :
そう言えばナンパスレだった
356 :
>>346
あるぜよ
上条「ねぇ、そこのおね~さん」
麦野「私?」
逆バージョンだと罰ゲームで声かけてる風にしか見えねぇ
357 :
麦野沈利の朝は早い。
麦野「…おはよう…」
ディレクター(以下、D)「いつもこんなに早いんですか?」
麦野「…頭ガンガンするからちょっと黙っててくんない?…」
この女性は麦野沈利さん。年齢××歳。
学園都市230万人の頂点に位置するレベル5(超能力者)、第四位原子崩し(メルトダウナー)だ。
ドキュメント2010~『学園都市暗部』で戦う女性達~
~AM3:30~
外はまだ月も沈み切らない午前三時半。彼女は出迎えに寄越したワゴン車に乗り込み目的地へと向かう。
もちろんそんな彼女を支える優秀なスタッフも既に同乗している。
滝壺「むぎの、まだ眠い?」
麦野「眠い…頭クラクラする…身体フラフラする」
フレンダ「結局、麦野も朝に弱い低血圧な乙女な訳よ」
絹旗「麦野超頑張って下さい。今から片付けたら朝には帰れますよ」
麦野「んー…とうま…そんなところさわっちゃだーめ…うふふ…あのこおきちゃう…んっ…」
絹旗「麦野超寝ないで下さい!麦野!なんて夢見てるんですか!」
滝壺「むー…はまづら…ばにーさん似合ってるよ…にんじんさんもいる?いらないの?」
絹旗「滝壺さんもですよ!なに超つられてるんですか!」
彼女の脇を固めるは共にレベル4である『能力追跡』滝壺理后さんと『窒素装甲』絹旗最愛さん、そしてフレンダさんだ。
358 = 357 :
D「皆さん随分お若いんですね?」
絹旗「超余計なお世話です。ってどこ撮ってんですか!カメラ超止めて下さい!」
ワンピースの裾を直しながら絹旗さんが言う。現場に向かう緊張感が、一層彼女達を張り詰めさせているのだろうか。
D「今日の現場はどんな感じですか?」
フレンダ「今日は機密データの横流しを企んでる馬鹿共のゴミ掃除って訳よ!結局、夜討ち朝駆けは強襲の基ほ…痛い痛い痛い麦野痛い!」
麦野「フーレンダ…ベラベラしゃべってんじゃねえよボケが。×××ジュージュー焼かれたい?あっ、今の所カットで」
そんな彼女達と私達スタッフの緊張を和らげるように笑みを浮かべる麦野さん。
その笑顔には確かな経験に裏打ちされた自信に満ち溢れていた。
フレンダ「あいててて…お!キタキタキタぁ~!結局、無事到着って訳よ!」
ワゴンが目的地に到着したようだ。空気が再び張り詰めたものになる。
D「カメラ回してもいいですか?」
麦野「んー…まあ、自己責任って事で」
辿り着いた場所はとある研究所だった。
未だ白む気配のない朝の空気と同じように寒々しい予感が我々を襲った。
359 = 357 :
~AM4:25~
研究者A「ぐああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!」
研究者B「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァー!!!」
研究者C「助けてええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇー!!!」
麦野「あっはっはっはっはっはっは!逃げろ逃げろ獲物の豚野郎!臭っせえ糞袋の詰まった腹の底から叫んで糞漏らしながらくたばれ!食いでのない豚はバラ肉ミンチだァァ!!!」
騒然とする現場の最中、先ほどまでの柔和な印象から凛とした表情を見せる麦野さん。
これが彼女の仕事の顔か、と思わずにはいられない。
D「なんと言いますか…声をかけづらい雰囲気がありますね…」
滝壺「うん。私はそんなむぎのを応援している」
現場は30分としない内に作業が完了したようだ。
撤収作業に麦野さんが戻ってくる。その表情には達成感が溢れていた。
D「聞いていたよりもハードなお仕事なんですね」
麦野「ん?ああこれ?この血私のじゃないから。全部返り血」
これから一度自宅に戻って身支度を整え直し、フィアンセの家に朝ご飯を作りに行かなければならないのだと言う。
だから決して辛い顔は見せられないのだと麦野さんは笑って答えてくれた。
肉体的にも精神的にもキツい『暗部組織』という仕事に携わる、彼女の原動力をそこに見た気がした。
~AM7:00~
D「シャケ弁、ですか」
麦野「好物なの。あっ、でもこれは自分用かな?アイツらのは手作り。メニュー毎回考えるのって正直面倒臭い」
仕事の後、立ち寄ったコンビニで彼女が選んだのは何の変哲もないシャケ弁当。
この辺りにも飾らない彼女の質実な人柄が伺え――
続かない。朝帰りのテンションで書いてしまいました。反省はしている。
360 :
あー
うん
362 :
>>341
見てみたいw。オリアナが上条さんに対して本気になればなおいい。(まあないと思うけど。)
363 :
まとめサイトから来た。偽善使いの作者に質問したい事があるのである。
ラスト辺りの絹旗の伏線はなんだったのか
どんな本読んでるのか
いたら教えて欲しいのである
364 :
>>362
オリアナさんはめっちゃ誘惑するけど絶対に自分からは行かない気がするww
365 :
>>363
簡潔にお答えさせていただきます。
絹旗が麦野を尾行していたのは麦野記憶喪失→上条暗部落ちのための伏線でした。
どのような展開を予定していたかはご想像にお任せします。
読んでいる作家は本田孝好、K・羽音、吉元由美、村山由佳などです。
366 :
新約禁書に麦のん出そうだ。上条さん死んだかわからんくさいが。このスレでは救われててよかったぜほんと。作者濡れ場マダー?
368 :
とある星座の偽善使い(フォックスワード)の者です。
以前いただいたリクエストですが、昨夜手をつけたら仕上がってしまいました。
R―18指定な内容になってしまったのですが、投下しても大丈夫そうならこちらでもよろしいでしょうか?
未だ年賀はがきが終わらないため今すぐにSSは落とせませんが…
タイトルは「とある聖座の女王崩し(メルトダウナー)」になります。
それでは失礼いたします。
369 :
カモーーン
370 :
おお
371 = 368 :
とある星座の偽善使い(フォックスワード)の者です。
年賀はがきと数の子の塩抜きのため、とある聖座の女王崩し(メルトダウナー)の投下は今夜21時前後になります。
それでは失礼いたします。
372 :
数の子は大事だよな
舞ってる
373 :
よっしゃーーーーーーーーーー!!!これで今年も心置きなく年を越せる!!ありがとう神様。。
374 :
>>368
まじありがとおおおおおおおおおおお
375 :
この>>1ならやってくれると信じてた。かずのことかマジ子宝
376 = 368 :
とある星座の偽善使いの者です。それでは時刻となりましたので投下させていただきます。
そして幾つか注意事項を…
1:上麦R―18です。苦手な方は戻るを押して下さい。
2:時間軸としてはエピローグ後の物語です。
3:基本的に麦野の一人称視点です。
では投下いたします。
377 = 368 :
ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ…
灰色の空、鉛色の雲、鈍色の雨、鼠色の路地裏。
麦野「………………」
赤色の肉片、朱色の内臓、紅色の血痕、緋色の斑道。
麦野「――――――」
濡れた髪、透けた衣服、冷たい驟雨、耳鳴りのようにつんざく雨音、生温い死体の温度。
麦野「 」
その日、私は生まれて初めて人を殺した。
378 = 368 :
?「…の…ぎの…」
どこからか声が聞こえて来る。身体を揺り動かされる感覚。
僅かな寒気、微かな寝汗、静かな声音、素肌を滑る羊毛肌掛け布団。
そして…私がつけるフラゴナールと、『彼』自身の良い匂いがした。
上条「麦野?大丈夫か?麦野」
麦野「へ…?」
上条「魘されてたぞ…悪い。あんまり苦しそうだったからつい起こしちまった」
頬に添えられた手の暖かさ、降ってくる声の優しさに瞼を開く…
そこには、目を覚ました私を見守るように見つめてくれる『彼』…上条当麻の姿があった。
部屋の中はバースタンドの間接照明を除いて薄暗く、未だ外は雨が降る夜更け。
麦野「…当麻…」
上条「待ってろ。今タオルとなんか飲み物持ってくるから」
そうだ。今日は週に一度の土曜日お泊まりの日だったと寝汗に濡れて張り付いた前髪を払いながら私は思い返す。
夕食にはビーフストロガノフと余ったサワークリームでフルーツサラダを振る舞って…
後はお酒が入ってお定まりのコース。私から肌を合わせたのか当麻から身体を重ねたかは思い出せなかった。
麦野「ごめん…アンタまで起こしちゃったわね」
上条「いいって…ほら」
自分で言うのも何だが私は寝起きは最悪だが寝相が良い方だ。
お気に入りのぬいぐるみがないと寝つきが悪いが、鼾だ歯軋りだ蹴飛ばすだなんて被害届けは今の所当麻から出ていない。
夢に魘されて起きるのなんていつ以来だろうと…手渡されたシャテルドンを口にしながら私は未だ冷め切らぬ眠気を追い払えずにいた。
上条「どんな夢見てたんだ?」
麦野「えっ…」
上条「昔、母さんが言ってたんだよ。怖い夢を見たらその内容を他人に話してみろ、そうすればもう同じ夢は見ないってさ」
当麻の母親。大覇星祭の時に初めて出会った非現実的なまでの若々しさと瑞々しい肌を保っていた女性。
しかしそれを思い返すより先に、私は先程まで見ていた夢の内容を思い出していた。
379 = 368 :
麦野「(言える訳ないっての…殺しの処女切った時の夢見てたなんてさあ)」
上条「沈利?」
麦野「んー?なんか見てたっぽいけど起きたら忘れちゃった」
当麻は“麦野”と呼んだり“沈利”と呼んだりと一貫しない。
そんな詮無いことを考えながら適当にお茶を濁す。
起き抜けの纏まり切らない思考の中では最も一般的な言い訳で切り抜けられた気がした。
上条「そっか…なら良いんだけどな」
麦野「だいたいさあ…この私がたかが夢如きで怖がったり落ち込んだりするほどナイーブな女だと思う?」
ソッとベッドの上で胡座をかいている当麻に向かい合うように跨る。
手を回した背中がまた少し逞しくなったように感じる。最近あまり爪が立たない。
背も少し伸びたみたいだし、このままだと見下ろされる日もそう遠くないかも知れない。
上条「思うさ。沈利だって女の子だろ?ほら、コイツとか」
麦野「気安く触んな。アンタの先輩だよそいつは」
上条「上条さんはぬいぐるみでせうか…」
麦野「随分とまあ抱き心地の悪いぬいぐるみだこと」
首筋に鼻先を埋めて、身体をこすりつける私の髪を撫でながら傍らのぬいぐるみを見やる当麻。
幼い頃、執事や両親に何度言われても手放せずこの学園都市(まち)にまで連れて来てしまったぬいぐるみ。
レベル5に認定された時、暗部に落ちた時、いつも側にいてくれた。
なんとなく当麻と交わす時は別の部屋にいてもらう。
ごめんね。エッチの合図代わりにしちゃって。
380 = 368 :
上条「麦野は抱き心地良いからなー…なんかフィットする感じつーか」
麦野「フィットだなんてやらしーんだー」
上条「それに良い匂いがする」
麦野「アンタもね。私のあげた香水つけてないみたいだけど」
上条「あれ女の子用だろ?それに上条さんにそんな高級品は似合いませんの事ですよ」
麦野「オードゥボヌールは男女兼用。せっかくアンタとお揃いにしようと思ったのに」
香水をつけはじめたのは人を殺めてから。血の匂いや死臭で馬鹿になった鼻は染みついた匂いに気づけないから。
だから出来るだけ纏うようにしている。けど首筋はダメね。シミの元になるから。
ああ駄目だ。あんな夢を見たから。そんな事ばかり頭をよぎる。
麦野「ん~…あったかい。ぬいぐるみって言うか湯たんぽかな?アンタは」
夢の中は雨だった。初めての殺しも雨だった。撃たれるような冷たい雨。
全身の血液が氷水と入れ替わってしまったような感覚。あの時きっと私は思った。“これが悪い夢なら良かったのに”と
上条「ったく…わかったよ。気が済むまで湯たんぽしてやるって」
当麻は決して“私の気が済むまで”とは言わない。
そうすると私がすぐさま身をかわす質なのを知っているから。
けれど言質は引き出せた。建て前をありがとう、当麻。
麦野「…湯たんぽよりお熱いのが欲しくなってきたかにゃーん…」
上条「おっ、おい…さっき」
麦野「おかわりー」
ゆっくりと当麻を押し倒す。頭の中が演算で割り切れない感情で占められていく。
後悔を味わうつもりも懺悔に浸るつもりも贖罪を乞うつもりもない。
ただ今は、そんな不透明な感情に懊悩させられるより、もっと原始的な欲求に身を焼きたかった。
麦野「グッチャグチャに、かき回して」
早くイカせて。狂いそうだから。
上か下かもわからないほどに。
優しくしたら、舌を噛み切るから。
ドロドロに溶かして、アンタの体温で。
イヤな事、忘れさせて
381 = 368 :
~1~
目を瞑り、瞼の中に広がる闇に溶けながら私の手は当麻の頬を両手で包み込み指を這わせる。
暗闇の中で重なる唇のぬくもりがどこか心地良い。
下唇を軽く食み、上唇を軽く舐めるようにして。
走らせる指先が当麻の耳元から黒髪に触れる。いつもと違う香り。私が使っているのと同じシャンプーの匂い。
麦野「あっ…んうっ…」
舌先で歯を舐める。じゃれ合いの時間はおしまい。滑り込ませた舌で当麻を探し求める。
歯茎をなぞり上顎を滑り頬の裏を掠め…ヌルヌルと絡ませた舌に唾液の泡立つ音がする。
舌先同士を小突き合わせ、合わせた舌腹を当麻に預ける。
痛いくらい吸い立てられる。当麻の指先がそうする間にも、ベビードール越しに私の腰回りを抱き締めてくる。
上条「沈利…どうした?」
麦野「んっ…」
上条「まだしゃべれないなんてとこじゃないだろ?」
少し固い指先が、私の身体に埋まる。右手が、弱い背骨から肩甲骨を滑り落ちて行く。
かと思えば下から上へうなじにかけて這い登ってくる。
目を瞑っていたってわかる。きっといつもの人好きのする笑顔とは違った成分の入り混じった微笑。
私のこんな顔を当麻しか知らないように、当麻のこんな顔だって私しか知らない。
麦野「だっ…たら…啼かせて…みなさ…いよ」
上条「じゃあ、インデックスがいないから遠慮無しだな」
麦野「あっ…!」
ベビードールの肩紐を外され、肌蹴られる。そして左手が私の泳ぐ胸元を鷲掴みにする。
食い込む指先の感覚が、開きそうな毛穴を通して感じられる。
付け根から先端まで、強さと痛さのちょうど良い力加減で。
382 = 368 :
上条「どうした?まだ遠慮してんのか?」
麦野「うるっさ…調子…乗ん…っ!」
手のひらでおもちゃのように転がされ、心臓まで掴まれているよう。
かと思えば人差し指と親指で、無理矢理しこり立たされる。
抗議しようとして、舌先を甘く噛まれて唾液が微かに溶けて胸に落ちる。
私が上なのに一方的に良いようにされ、私が年上なのに一方的に弄ばれてしまう。
麦野「はっ…あっ…うん!」
当麻が下にさがったかと思えば、今度は熱い舌が、口が、私の乳首に軽く歯噛みされる。
ベッドの縁についた手が震える。腕から力が抜けそうになる。
微かな痛みの後にそれを癒やすようにゆっくり広がる温かみに、身体の芯がドロリと溶ける。
麦野「(ム…カつく…勝ち誇った…顔しや…がって…!)」
手の平の上で踊らされる事に身を委ねる自分に腹が立つ。
なのに乳首をなぞる舌のざらつきに脇腹がくすぐられたようにひくつくほど心地良い。
歯噛みして耐えていると…今度は当麻が身体を起こして
麦野「やっ…あっ…ちょっと…!」
向かい合わせで抱え込まれ、鎖骨に舌が這う。徹底して征服される感覚。
背中に爪を立ててやり返してやりたいのに当麻の頭を抱え込んで離れられない。
すると…当麻の手が、膝小僧から太股を撫で、ベビードールの裾をはぐってきた。
麦野「んんっ…」
触れてくる。薄布一枚隔ててなぶるように。濡れた鎖骨に吐息がかかって喋れない。
くぐもった声音が、当麻の指の動きに合わせて漏れ出して行く。
わかってる。当麻が気に入るように強請らないといつまで立っても生殺しのままだって
麦野「とう…ま!」
上条「ん?」
下腹部からゾワゾワと立ち上りゾクゾクと這い上りザワザワ駆け巡る触感。
意地悪な癖に、指使いがひどく丁寧だ。鎖骨から首筋にかけて熱い舌が滑って来る。
焚き付けておきながら、炙られるような仕打ち。
383 = 368 :
麦野「ちゃっ…ちゃんと…」
上条「なんだよ」
麦野「ちゃんと…触って…ぅっ!」
少し強く指先で押し込められる。ビクンと当麻の膝の上で身体が跳ねる。
どこからか涙が滲んでくる。ずっとこのままにされたら、ずっとこうされたら、どうしていいかわからなくなる。
麦野「触って…くだ…さい…」
当麻の手に自分の手を重ねて導く。口をついて出た自分の言葉が信じられない。
けれど当麻はそれがいたく気に入ったのか…差し入れて来た。その指先を
麦野「はっ…あっ!」
最初は…多分小指だったと思う。かと思えばその指が引き抜かれて
麦野「うっ…うん」
ヌルリと今度はもう少し太い指が入って来た。
ゆっくりと何かを確かめるように私の中で蠢く指先…もしかすると…指を順番に?
グチュッ…
麦野「―――ッ!」
上条「さっきよりひどいな」
入って来る。太い指と長い指が。その深さと速さに声にならない悲鳴が上がる。
聞こえてくる音にならない音。私の中で沸き立つ水音。止めて。聞かせないで。私を淫乱な女にしないで。
麦野「ああっ、あっ…あっ…あっあっ…やだ…当麻…やだぁ!んんっ…」
当麻の唇が私の声音を遮る。口の中を舌で滅茶苦茶にされて、私の中が指で無茶苦茶にされる。
見下ろされてる。見られている。私のクシャクシャになった顔が当麻の瞳に映ってる。
クチュクチュと音が立って耳を塞ぐ事すら許されない。
舌の根まで当麻に吸われて、胸元を弄る手まで加わる。
麦野「当麻…とうま!やっ、あっ!あっ、はあっ!ああっあう…!」
どんな強いお酒を飲まされるより頭の芯が灼かれて行く。
こすられて、摘み上げられて、なされるがままで、弄ばれて――
384 = 368 :
上条「グチャグチャにかき回してって言ったのは――沈利、お前だぞ」
その言葉と同時に、当麻の濡れた指先が…私の一番敏感な部分に触れた。
その感触を覚えた途端に、固くしようとした身を開かされた。
麦野「あぁっ…あっぁあ…」
這う。優しげな手先で。愛しそうな指先で。泣きそうになる。震えにも似た声が勝手に溢れ出す。
もう太股はひどい事になっている。何も言い返せない。抗う事も逆らう事も。
麦野「んぁっ…はっぁぁ…あっ…ふ!」
指先がゆっくりと這うたび私の腰が震える。背中に伝う一滴の冷たい汗が感じられる。
声というより、空気を吐き出しているような私を…当麻は力強く抱き寄せ、言った。
上条「いいか…?」
麦野「…うん…」
今度は、優しくキスしてくれた。
目に見えない鞭と、目に見える飴。
巧みに使い分けられて、良いように転がされている自分。
――当麻しか知らない、私の顔――
385 = 368 :
~2~
遠くから、雨音が聞こえてくる。近くから、水音が聞こえてくる。
麦野「んっ…んくっ…んっ…ふっ…」
自分の唇から沸き立つ水音、自分の唇から零れる唾液が絨毯についた膝の上に落ちる。ポタ…ポタと唇の端から。
そんな浅ましい私を当麻は髪を優しく撫でてくれる事で応えてくれる。
たっぷり唾液を出して、いっぱい音を立てて、たくさん舌を絡ませて、私は当麻を見上げる。
麦野「ねえ…気持ち良い?当麻…」
上条「………………」
口に含めるだけ唇を被せて、舌をくねらせる。鼻を抜けるように息をする。
ピチャピチャと見せ付けるように下から上へと…そして辿り着いたらもう一度…根元まで喉を真っ直ぐに開くよう意識して。
当麻はあまり声を出してくれない。だからその表情をこうやって伺う。
右手は当麻の脹ら脛の裏側や内股を探るように這わせながら、左手は当麻自身を支え持ってゆるゆると指を巻きつける。
麦野「(や…ば…クラクラ…してきちゃった…冷たく…ならない)」
跪く太股同士をこすりあわせるまでもなく…濡れているのがわかる。
先端に小刻みに舌を弾かせるようにピチャピチャと…未だ滲む味が変わる様子がないと、当麻曰わく私の“長い舌”が教えてくれる。
絡ませた糸ごと舐め取って、塗り付けた唾液に吐息を吹きかけ、自らを汚すように頬を寄せて、当麻を見上げる。
386 = 368 :
麦野「(違う…私は…Mなんかじゃ…ない)」
私は他人を見下ろし他者を見下す側の人間。少なくとも、男の持ち物にされて喜ぶような類の人間じゃない。
なのに…当麻の足に身体を、肌蹴た胸をこすりつけるように揺する腰がまるで媚びを売ってるみたいで…
私をそうさせるアンタが、愛おしくて憎らしい。
上条「麦野…無理だって…そんな目されたら…マジで我慢出来なくなっちまう」
当麻の手が胸元に入ってくる。まただ。また溢れて来る感覚がある。
ねえ当麻、私は今どんな顔してるの?どんな目で見上げてるの?
脳の奥底から、ドロドロの黒い蜜が溶け出すみたいになってる麦野沈利(わたし)は。
こうやって、首を振って頭を振って、舌を使って喉までアンタが欲しい私(むぎのしずり)は?
上条「沈利…」
チュポッ…と締め付けていた唇から離される。一筋の唾液の架け橋が薄暗い寝室の絨毯に落ちる。
胸元を撫でていた当麻の手が…私の脇の下に差し込まれ、立ち上がらされる。
麦野「いいの?飲んであげたかったのに…」
上条「…欲しいんだ、沈利」
額に、子供が“おやすみ”のキスをされるように口づけられる。
頬に、子供が“おはよう”のキスをされるように口づけられる。
口に、優しいキスを受ける。子供じゃない私はその意味を知っている。
深く、強く、一つに結ばれるために。私達は、繋がっていく。
387 = 368 :
~3~
麦野「んっ…」
当麻の足を跨いで、膝をつく。右手を当麻の首に巻き付けて、左手を当麻自身に添えて腰を浮かせて。
麦野「んはっ…あくっ…」
上条「し…ずり」
当麻が腰を支えてくれる。手にした当麻の体温より熱く感じられるそれに手を添え、私にあてがう。
入口に触れた瞬間、思わず腰が跳ねそうになるのを押さえて。
もうお互いに焦らすゆとりなんてない。だから…
腰を下ろしていく。熱い。これだけドロドロに溶けてもまだ形がわかるのは、本能?
麦野「ああっ!あっ…あぁぁっ…とぉ…まぁ!」
一気に満たされ、一度に充たされて行く感覚。容易くそれを飲み込んだ私は、誰に憚る事なく声を上げる。当麻の耳元で。
倒れ込むように当麻の首に両手を回して抱きつく。
深く繋がれて、顔が見れて、強くくっつけるから。
麦野「あっ…ん…あっ…うん…ああっ、あっ、あっ、あぁあ!」
当麻の身体にしがみついて、腰を使う。支えてくれる手が私の肌に強く食い込む。
中から外側に広げられるみたいで、痛くて怖かったはずの行き止まりに当たって気持ち良い。
それが引きずり出されて行く感覚、脇腹と下腹部が引きつりそうになる。
上下に、前後に、左右に、湿って粘った密やかな音が立つ。
上条「沈利…!」
麦野「よ…んで…もっと…呼んで…私の名前…もっと呼んでぇ!」
当麻の胸元に乳首が擦れて、肌がこすれて、強い力で抱かれるのが心地良い。
お腹の中から気持ち良い鈍痛がする。もっともっと当てて。気持ち良い所に。
突き上げられ、しゃくりあげられて、貫かれて、えぐられて。
名前を呼ばれる度に、自分の女の部分が悦ぶのがわかる。
私はここにいて、息をして、存在していて、愛されているとわかるから。
388 = 368 :
上条「痛っ…」
麦野「あふっ、ふぅんっ、んっ、い、いい、深い…あっ、はぁっ…!」
前後に腰を使う度にベビードールの裾が当麻の足にこすれて熱くて痛い。でも止めないで。やめないで。
見つけた…気持ち良い所。私の敏感な部分が腰をくねらせる度に擦れて気持ち良い。
かぶさる髪をよけて、肌蹴た胸元を当麻が掴んで来た。
優しくしないで強くして。痛くていいから気持ち良くして。
真っ直ぐ、強く、早くして。爪を立てても歯形をつけても、声を上げても何しても――ここには、私とアンタの二人しかいないんだから
麦野「ああっ、ぁんっ、当麻っ、いいっ、いいっ…届いて…届いてる…いっぱい、いっぱいしてぇ!」
上条「くっ…沈利…沈利…沈利!」
泳ぐ乳房をすくいあげられ、当麻の指の形に合わせて歪んで行く。
串刺しにされる私にキスしながら、また背中をさすられる。
脚が震えて爪先と足の指まで丸まって行く。一突きごとに叫びが区切られ、重い衝撃なのに苦しくない。
回すように腰をうねらせて、それに合わせて当麻が私を踊らせる。
蕩ろけきった私の中身と当麻が身震いするのがわかる。
当麻の声音が、私の吐息が、揺れているから。わかるから。
直に伝わる熱さが、堅さが、形が、私を当麻のものに作り替えて行く。
389 = 368 :
麦野「当麻ぁ!当麻っ!とうま…とーま…当麻…!一緒に来てとうまぁっ!!」
きっとぬいぐるみが私を見てる。浅ましく声を上げて、卑しくキスをせがんで、いやらしく腰を使って、淫らな顔をした私を。
インデックスには聞かせられないよがり声を上げて、アイテムのメンバーには見せられない女の顔をした私を。
果てて。私の中で。アンタの匂いでむせかえるくらい白く塗り潰して。塗り替えて。塗り込めて。わからせて。一緒に来て。
上条「沈利…!」
麦野「あっ…あぁぁあぁっ…ああぁっああ…あっ…はぁん…ん!当麻…来て…きてっ…あっ!…ぁぁ…あんんっ…!!」
目の前が真っ赤に見えて、頭の中が真っ白になって、胸の中の真っ黒な気持ちが溶けて行く。
熱いものが注がれて、満たされて、染み込んで、脈打つそれの回数をいつしか数える事を覚えて…
当麻が、私が、私達の動きが止まる。濡れ過ぎてわかりにくいけれど…感じる。子宮で、細胞で、本能で。
今ならわかる。愛しいオスを喰らうメスカマキリの気持ちが。
今ならわかる。愛しい子らに自分を喰らわせるメスグモの気持ちが。
当麻に貫かれて達した瞬間、私の中で果てた当麻の背中に爪を立てる度に…実感する。
390 = 368 :
――私は、コイツを道連れにしてやりたいんだって――
上条「はっ…はぁー…はあー」
息を切らせた当麻を、私は抱き締める。力が入らない腕で、包み込むように。
今度は…爪を立てずに…けれど新たに生まれた爪痕に…指を這わせて。
上条「…沈利…」
私は子供が嫌い。母性を求めてくる男が嫌い。女を持ち物にするような男はブチコロシ確定。だけど。
上条「愛してる」
麦野「…んっ…」
――アンタが、私だけ見てくれるなら私は何もいらない――
――その爪痕が消えたら、また新しいのつけてあげる――
――アンタは、私のモノだよ。当麻――
391 = 368 :
~4~
麦野「かーみじょう…私が泣くまでやるなって…あれほど言ったよねー?あれー?あれー?」
上条「すいませんでしたぁっ!!!」
交わした後、結局もう一回いたしてしまった私達は朝を迎えてしまい…
二人仲良くお風呂に入り直す羽目になってしまった。
シーツも洗濯しなくてはいけない原因を作ったのはこの男だが、私も共犯なのでその点は許してやらないでもない。
湯船の中で土下座しようたって出来る訳ないでしょうが。私も入ってんだから。
麦野「なーんてね…この牛乳風呂の後始末で許してあげる。もうお腹一杯だし、私もそういう気分だったから」
上条「悪い悪い…なんつーか、今日の麦野がいつもとちょっと雰囲気違って見えてさ」
麦野「そうね。そろそろ始まるから欲しかったのかもね」
夢を見たせいなのか、月のものが訪れる前の情緒不安定のせいなのか、それら全てをひっくるめてこうなったかなんて私にだってわかるはずはない。
子宮が少し膨らんだりするのがわかる。少し重めの私は立ったり座ったりするだけで痛むから。
上条「結局、朝んなっちまったなー…」
麦野「…お風呂上がったら一回寝よっか?今度はエッチ無しで」
上条「いいのか?今から寝たら遊びにいけないかも知れないぞ?」
麦野「腰が痛いの。だーれかさーんのせいでー」
上条「すまん…」
バスルームの換気扇から射し込む朝の光に目を細める。
もう七時過ぎだ。今から寝れば昼過ぎくらいだろうか。
今日は二人でダラダラ過ごしながらお菓子でも作って、インデックスへのお土産にでも持たせてあげよう。
まあ…帰る頃にはもう一回くらいしているかも知れないけど。
麦野「(夢…ね)」
かつて自分が暗部に触れたきっかけがあの路地裏の惨劇ならば
かつて私が当麻と出会ったきっかけがあの路地裏の会敵ならば
かつて自分が一人の少女を助けるきっかけがあの路地裏の戦闘ならば
392 = 368 :
麦野「(くっだらない)」
上条「お?」
当麻の濡れた身体にしがみつく。おかしいな。私こんなに甘えん坊じゃなかったはずなのに。
上条「ったく…インデックスがいないとほんとべったりだよな」
麦野「アンタが私を甘やかすからよ」
僅かに微睡む。当麻の胸の鼓動に耳を当てるようにして。
相手が生きていて、それがわかる私も生きている。
生きた人間に触れるより、生きた人間を壊した数の方が遥かに多い私の左手。
歪んだ優越感が湧いて来る。今までコイツがどんな女と知り合ってきても、この先どんな女が現れてもこう思う。
『奪えるもんなら奪ってみろ』って
麦野「ねえ…やっぱり帰る時は香水つけて帰ってよ」
上条「インデックスに噛みつかれるっての…なんでそんなこだわるんだよ?」
麦野「アンタにあげた香水はね、ポルトボヌールってシリーズの一つなの」
上条「?」
麦野「意味は…“幸運の御守り”」
私はね、今のアンタが好き。
口に出して、言葉に出して、面と向かって未だに言えないけれど。
もっと早く出会えていたらって、もう遅すぎるんじゃないかって思う時もあるけど。
この先もずっと一緒にいられる保証なんてどこにもないけど、私はアンタより先に死ぬつもりはないしアンタが私より先に逝くだなんて許さない。
――今のアンタとずっと一緒じゃないとイヤだから――
393 = 368 :
上条「はあっ…わかりましたよ。でも上条さんそういうのした事ないから、教えてくれよな」
麦野「よろしい」
言ったでしょ?私と出会った事を後悔させてやるって。
離してなんてやらない。アンタを誰にも渡さない。
自分の曲がった根性と、歪んだ愛情と、ひねくれた性格がこんなに嬉しく思えた事はない。
悪夢に魘されて、その側にいてくれる誰かがアンタで…本当に良かった。
麦野「それじゃあ、私先に上がるから。なんか食べたいのある?」
上条「ん~…じゃあパンが食いたいかな!」
昔ぬいぐるみを膝に乗せて読み聞かせをした鏡の国のアリスの一節を思い出す。
赤の女王は言った。“その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない”と
昔読んだ科学誌の一説を思い出す。“生き残るためには戦い、産み、進化せねばならない”という赤の女王の仮説を。
麦野「ん。任せなさい♪」
私は女王(レベル5の第四位)
私は原子を統べる女王(メルトダウナー)
そして――上条当麻だけの女王(むぎのしずり)
――忘れないで――
――私は、当麻(アンタ)のモノだよ――
とある聖座の女王崩し(メルトダウナー)・完
394 = 368 :
とある星座の偽善使い&とある聖座の女王崩しの者です。
以上、投下を終了させていただきます。蛇足ですが今回登場した嗜好品を
1:シャテルドン…フランス産のスパークリングミネラルウォーターです。別名ミネラルウォーターのシャンパン。麦野のおめざです。
2:フラゴナール…フランスの練り香水のブランドです。麦野が上条につけさせようとしていた銘柄は男女両用のオードゥボヌールです。自分とおそろいにしたいのと他の女の虫除け対策です。
それでは皆さん良いお年を…私も再びROMに戻りつつ栗きんとんをふかしに行きます。失礼いたします。
396 :
結局、超乙なんですよ。
なんだと??ROMに戻りつつ粟(あわ)きんメインの話を書いてくれるだと?
397 :
作者よくやった・・ありがとう神よ。
愛情なのかヤンデレなのかギリギリのラインが良かった。
でも一番恐いのは、この話しの後にくり金とん蒸かしに行く作者が恐い・・
そして上条さんがナチュラルにSだったwwまた書いてくれ。ロムなんかで満足してんじゃ(RY
398 :
GJ
今までROMに徹してきた俺だが、感化されたのでSS投下しようかなと思う
今日ではないけど、近いうちに上麦頑張る
399 :
>>394
乙~
今回のは「Labyrinth」と何が混ざったやつなんだろう?
「餓えた太陽」とか「seed」とかかなぁ?
400 = 368 :
たくさんのレスありがとうございます。少し恥ずかしかったですが、投下して良かったです。
栗きんとんが潰し終わりました。
>>398さん
今からワクワクテカテカしています。
>>399
はい。今回は『Labyrinth』と、ANOTHER SINGLES収録の『QUEEN』から閃きました。タイトルと麦野の女王様気質に合うかなと
みんなの評価 : ★★
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