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元スレ刹那「インフィニット・ストラトス?」
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勝手に盛り上がって勝手に落ち込んで勝手に怒ってめんどくさい
シノノノさんはどうでもいいからオルコットちゃんを幸せにしてください
シノノノさんはどうでもいいからオルコットちゃんを幸せにしてください
この支援と保守……これが人の心の光……
感謝の念を抱かずにはいられない
なんだっていい! 続きを投下するチャンスだうおおおおおおおおお!
感謝の念を抱かずにはいられない
なんだっていい! 続きを投下するチャンスだうおおおおおおおおお!
そんなわけで、一日中親の仇を見るような目で見られながら、刹那は授業をやりすごした。
刹那がそうされるだけのことをしてきたのは、事実であるが。
ソレスタルビーイングのガンダムマイスターとして、戦場に武力介入し。
殺した。
アロウズの悪逆を正すため、邪魔をする者を切り伏せ。
殺した。
イノベイドを相手取り、世界の歪みを断ち切るために。
殺した。
悪鬼の所業である。
それから逃げるつもりは毛頭ない。憎まれて当然だ。その憎しみを、刹那は受けるべきなのだ。
だが。
『……私は認めない。貴様があの人の‘特別'であるなど……』
『認めるものか!』
ラウラ・ボーデヴィッヒの、あの物言い。
刹那自身が原因であることは確かなようだが、
しかし、その憎しみは刹那を特別と称した人間と言う外的要因があって始めて成立するもの。
刹那自身を特別と言ってくれた者は、確かにいる。
刹那に変革の意思を託した、ニール・ディランディ。
家族として、男性として刹那を求めた、フェルト・グレイス。
対話の末にわかえりあえた、運命の人、マリナ・イスマイール。
思いつくのはこのあたりであるが、しかし、上に挙げたメンバーの中で、
ラウラと関わりを持っている人間はいないと言っていい。
故人であり、例え肉親であろうともガンダムマイスターであることを隠し通さなければならないニール・ディランディは言わずもがな、
もしフェルトやマリナの知り合いだとしても、
彼女らの友人――あるいは、それに順ずる関係の人物――が説明もなしに初対面の人間をひっ叩くことをするだろうか?
どうにも考えがたいが、しかし、今ここで悩んでいても答えは出ない。
本人に直接問いただす方が早いか。
そう考えた刹那は、最後の時間割終了と同時に動き出すものの、
「…………」
ラウラは刹那を一瞥すると、鼻を鳴らし、足音を立てることにすら何ら頓着していない様子で、つかつかと退室していった。
呼び止める選択肢もあったが、あの敵意に満ちた瞳から推察するに、どうせ口をきいてはくれないだろう。
無意識に気落ちしてしまった刹那に声をかけたのは、
「ねえ、刹那」
「シャルル?」
「放課後、ちょっと相手してくれる? エクシアと戦ってみたいんだ」
◆
「じゃあ行くよ、刹那」
「ああ」
アリーナで向かい合う、刹那とシャルル。
青と白の二色で彩られた刹那のエクシアと、
オレンジのカラーリングが施されたシャルルのラファール・リヴァイヴ・カスタムIIは、暖色・寒色の差により丁度良く対比になっている。
先手を打ったのは、刹那のエクシア。
GNドライヴの出力を頼りに、GNソードを前方へ突き出す体勢で突撃。
それに応えるように、シャルルも刹那に吶喊。
自然、激突。
体を傾けることでGNソードの刺突を防いだシャルル。
しかし、刹那の攻勢は途切れない。
そのまま、GNソードを半回転させ、垂直に振り下ろす。
剣の進行方向上にあるのは、シャルルの首に他ならない。
シャルルとて、そう簡単にさせてはやらぬ。
左腕に装着された盾を、GNソードに覆われていない刹那の腕にかち当て、上方へと押し上げる。
GNソードごと、刹那の右腕が天を指す形になる。
これは好機と、シャルルは右腕に握り締めた手甲で、ガラ空きの腹へ拳を叩き込む。
だが、攻撃を凌がれることは覚悟の上。
左腕でGNロングブレイドを抜刀し、カウンターの形で反撃を狙う。
刹那が対策を練っていたことを悟ると、シャルルは攻撃を中止。
スラスターを吹かし、上空へと退避。
この機を逃すまい、GNロングブレイドを納刀し、刹那が後を追う。
自機の後方へ刹那が食いついていることを確認すると、シャルルはシールドと手甲を収納し、五五口径アサルトライフル――――ヴェントを呼び出す。
これこそ、シャルル・デュノアの真骨頂。
大容量の拡張領域を活用し、リアルタイムで武器を持ち替えつつ自身の有利を保つ独自の戦法、高速切替(ラピッド・スイッチ)。
純粋なスペックで第三世代ISに劣る、と言う短所を丸々潰せるほどの高等技術である。
自らへ突撃してくる刹那へ銃口を向け、シャルルはアサルトライフルの引き金を絞った。
実体弾が、まっすぐに刹那へ迫る。
しかし、迎撃を受けることなど百も承知だ。
刹那は敵の射角から外れるべく、GNショートブレイドを抜刀、空中で円を描くように進路を取り、シャルルの後方へ回り込む。
そうはさせない。
刹那を近づかせないよう、シャルルは振り返り、
背中から、斬撃を受けた。
何事か、と損害状況を確認すると、背中に敵機の武器が突き刺さっている。
その正体は、先ほど刹那が抜刀したGNショートブレイド。
GNショートブレイドを投擲してから、相手の視線を釘付けにするために大仰な軌道を描き、不意打ちを確実に成功させるための策。
シャルルが状況把握に気を取られている隙に、刹那はシャルルに接近。
離されていた距離を詰め、二丁のGNビームソードを手に持ち、交差させシャルルの機体へ×の字を掘り込む。
「くぅっ……!」
攻撃を受けながら、シャルルはヴェントを刹那の胸部に密着させ、発砲。
刹那がのけぞっている間に、バックブーストで仕切りなおしに持ち込む。
取り出したのは、ISに適応する程度に大きさを違えたライフル。
後方へ移動しながら、敵機進路を予測し弾幕を張る。
刹那としても、これをくらってやるわけにはいかない。
無規則な機動で空を駆け、確実にシャルルへ接近していく。
目測で、十メートル。ここは、刹那の距離だ。もはや、シャルルに勝ち目はない……しかし、彼の表情に、諦めの色はない。
むしろ、余裕の笑みでもって、刹那を迎え入れていた。
ここまで近づけば無用の長物とばかりに、シャルルはアサルトライフルからシールドへ装備を変更。
刹那のGNソードが、シャルルへ向かい。
シャルルのシールドが、刹那を捉え。
どちらも、寸止めの状態を保っていた。
◆
「やっぱり、近距離の読み合いじゃ刹那には勝てないね。もっと練習しなきゃ」
「だが、武器の取り回しではシャルルが勝っている。今の勝負、続けていたらわからなかった」
模擬戦を終えて、刹那とシャルルは品評会を行っていた。
互いに感想を言い合って、悪所を発見し、正す。長所を見つけ、伸ばす。
一人でただ基礎訓練を続けるより、ずっと効率的な方法だった。
「じゃあ、次は――――」
「ねえ、ちょっとあれ……!」
「もしかして……」
シャルの言葉を上塗りする形で、アリーナの女生徒が好奇の声をあげた。
それに釣られて、二人が視線を上方へ向ける。
そこには、ISがあった。
黒一色で固められた外部装甲、
随所が尖った頑強なフォルム、
巨大な後翅のごときブースター。
操縦者は、そのISのイメージといやにマッチしていた。
――――ラウラ・ボーデヴィッヒ。
その明確な敵意は未だ衰えることなく、冷たい眼光を刹那へ浴びせている。
「嘘、ドイツの第三世代じゃない……!」
「まだ本国でもトライアル段階だって聞いていたけど……」
「刹那・F・セイエイ……」
野次馬をものともせず、ラウラは刹那の名を呼んだ。
不思議と、よく通る声だった。そこに、好意的な感情は一切見受けられなかったが。
「……ラウラ・ボーデヴィッヒ」
「貴様も専用機持ちだそうだな……ならば話は早い。私と戦え」
「断る」
高圧的なラウラの命令に、刹那は背いた。
「俺たちは、対話によってわかりあえるはずだ。
ラウラ・ボーデヴィッヒ、お前が何故俺を厭うのかは知らない。
だからこそ、俺たちはわかりあわなければならない。戦いではなく、対話によって」
「貴様がどう思っていようが、私には関係ない。
……戦え」
「……何が望みだ。
お前はその戦いの先に、何を見出している。その果てで、何を得ようとしている」
「答えてやる義理はない」
「ならば、戦えない。戦いには理由が伴わなければならない。
破壊するだけの戦いは、世界を歪めるだけだ」
互いに、一歩も引かない。
各々が、自らの意思に矜持を持っているのだ。曲げられるわけがない。
「……ならば」
不意に、ラウラが肩のレールカノンを始動させる。
ISには不釣合いなほどの大口径を誇る兵装の矛先が向いているのは――――怨敵、刹那・F・セイエイ。
「刹那!」
シールドを展開し、シャルルが刹那の眼前に飛び出した。
堅牢な城壁に阻まれ、弾丸は明後日の方向へ突き抜ける。
拳銃の十倍はあるだろうか、まるでドラム缶のような薬きょうが、無造作に地面に転がった。
「シャルル!」
「いきなり戦いを仕掛けるなんて……ドイツの人は随分沸点が低いんだね!」
言葉の端に怒りを滲ませながら、シャルルは引っ張り出した六一口径アサルトカノン、ガルムの銃口をラウラに突きつけた。
>>272どうしよう
「フランスの第二世代型ごときで、私の前に立ち塞がるとはな」
「未だに量産化の目処が立たない、ドイツの第三世代型よりは動けるだろうからね……!」
「……」
今度はシャルルを睨みつけ、ラウラは感情を昂らせる。
シャルルの言はまさしく事実なのだろうが、
敵対者に味方する者の言葉に「はいそうですか」と納得するような性格をしていないだろうことは、付き合いの短い刹那にもわかることだ。
『そこの生徒! 何をやっている!』
「……ふん。今日のところは退いてやろう」
拡声器越しに伝えられた教員の声に、ラウラは害意を隠さないままISを解除。
最後に刹那へ鋭い眼光を飛ばしてから、きびすを返した。
◆
「フランスの第二世代型ごときで、私の前に立ち塞がるとはな」
「未だに量産化の目処が立たない、ドイツの第三世代型よりは動けるだろうからね……!」
「……」
今度はシャルルを睨みつけ、ラウラは感情を昂らせる。
シャルルの言はまさしく事実なのだろうが、
敵対者に味方する者の言葉に「はいそうですか」と納得するような性格をしていないだろうことは、付き合いの短い刹那にもわかることだ。
『そこの生徒! 何をやっている!』
「……ふん。今日のところは退いてやろう」
拡声器越しに伝えられた教員の声に、ラウラは害意を隠さないままISを解除。
最後に刹那へ鋭い眼光を飛ばしてから、きびすを返した。
◆
ちょっと待て
せっさんじゃシャルルの萌えイベントが見られねーじゃねーか
この朴念仁、女付き合いまじ下手だ炉
せっさんじゃシャルルの萌えイベントが見られねーじゃねーか
この朴念仁、女付き合いまじ下手だ炉
アリーナ、更衣室。
腑に落ちないと言った顔でベンチに腰を下ろし、刹那は深く考え込んでいた。
その内容はもちろん、ラウラ・ボーデヴィッヒに関することである。
個人的な怨恨があるとは言え、ラウラは刹那に向け引き金を引いた。
――――殺すつもりだったのである。
あの悪感情を詰め込んだような目の中には、殺意すら混じっていたのだ。
(……あのような子供が、殺意を……)
ソレスタルビーイングは、世界の憎まれ者だった組織。
当然、蔑視され、石を投げられ、避難されるのが相応しい対応である。
だがしかし、未だ十五、十六の子供が、刹那に復讐を誓っている事実は、決して認可できない話だった。
(彼女もまた、俺たちに……俺によって歪められたというのか……?)
されど、彼女はこの‘IS世界’の人間。
刹那が行ってきた非道を、そして救いを、彼女が知り得ているとは思えない。
加えて、刹那の過去の行いを把握しているのは、千冬と真耶、それから学園の上層部程度である。
生徒の一人が、そう易々と手を出せる領域ではあるまい。
ラウラのキスってネーナのあれみたいになるの?
でも劇場版刹那か……
でも劇場版刹那か……
では、ラウラのキスはありかなしか、多数決で決めるとしよう
これから7レス内で
・別にいいよ→勝手に学び、勝手に生き、勝手に死ぬがいい
・絶対に駄目→堪忍袋の緒が切れた!絶対に許さんぞガンダム!
のどちからをレスしたまえ。私は我慢弱い。
(だとするなら、原因はこの学園に訪れてからの俺の行動……)
「刹那……大丈夫?」
終わらない思考の連鎖を断ち切るように、同じように着替えに来たシャルルが声をかける。
「ああ……先ほどは助けられた。礼を言う」
「…………」
刹那の言葉に、何か得心のいかない点でもあったのか、シャルルはIS用のアンダーウェアの上から上着を羽織り、
「じゃあ……僕は、先に部屋に戻るね」
「わかった」
ぱたぱたと走り去って、廊下へと出て行く。
何やら妙な格好だが、他人のセンスに口出しするほど、刹那は無遠慮な男ではない。
これから7レス内で
・別にいいよ→勝手に学び、勝手に生き、勝手に死ぬがいい
・絶対に駄目→堪忍袋の緒が切れた!絶対に許さんぞガンダム!
のどちからをレスしたまえ。私は我慢弱い。
(だとするなら、原因はこの学園に訪れてからの俺の行動……)
「刹那……大丈夫?」
終わらない思考の連鎖を断ち切るように、同じように着替えに来たシャルルが声をかける。
「ああ……先ほどは助けられた。礼を言う」
「…………」
刹那の言葉に、何か得心のいかない点でもあったのか、シャルルはIS用のアンダーウェアの上から上着を羽織り、
「じゃあ……僕は、先に部屋に戻るね」
「わかった」
ぱたぱたと走り去って、廊下へと出て行く。
何やら妙な格好だが、他人のセンスに口出しするほど、刹那は無遠慮な男ではない。
>>1におまかせします
勝手に学び、勝手に生き、勝手に死ぬがいい!
まあ大して気にしないのわかりきってるしな……
まあ大して気にしないのわかりきってるしな……
結果が出たようだな。協力に感謝するぞ、フラッグファイターの諸君、そして少年!
時分は放課後。
寮へ戻る道を歩きながら、刹那はラウラの言動を思い返していた。
『……私は認めない。貴様があの人の‘特別'であるなど……』
『認めるものか!』
叩かれた頬が、痛む気がする。
彼女が抱えたあの悪意は、一体。
「答えてください教官! 何故こんなところで……!」
「何度も言わせるな。
私には私の役目がある……それだけだ」
聞き覚えのある声に、刹那ははっと音源を探る。
イノベイターの空間把握能力は、常人を簡単に上回るのだ。
秒と経たず、見つける。
後姿でわかる、あれは千冬とラウラだろう。
盗み聞きをすることに若干の後ろめたさを覚えないでもないが、もしこれで今の状況が改善されるなら。
二人から死角になるような場所へ移動し、刹那は耳をそばだてた。
時分は放課後。
寮へ戻る道を歩きながら、刹那はラウラの言動を思い返していた。
『……私は認めない。貴様があの人の‘特別'であるなど……』
『認めるものか!』
叩かれた頬が、痛む気がする。
彼女が抱えたあの悪意は、一体。
「答えてください教官! 何故こんなところで……!」
「何度も言わせるな。
私には私の役目がある……それだけだ」
聞き覚えのある声に、刹那ははっと音源を探る。
イノベイターの空間把握能力は、常人を簡単に上回るのだ。
秒と経たず、見つける。
後姿でわかる、あれは千冬とラウラだろう。
盗み聞きをすることに若干の後ろめたさを覚えないでもないが、もしこれで今の状況が改善されるなら。
二人から死角になるような場所へ移動し、刹那は耳をそばだてた。
「こんな極東の地で、何の役目があると言うのですか!
お願いです、教官! 我がドイツで、再びご指導を!」
熱くなっているのか、ラウラはいつになく饒舌だ。
「ここでは貴方の能力は、半分も活かされません!」
「……ほう」
「だいたい、この学園の生徒など、教官が教えるに足る人間ではありません!
危機感に疎く、ISをファッションか何かと勘違いしている!
そのような者たちに、教官が時間を割かれるなど……!」
「……そこまでにしておけよ、この小娘が」
「あ…………」
「少し見ない間に、偉くなったな。
十五歳でもう選ばれた人間気取りとは、恐れ入る」
ヒートアップしているラウラに対して、冷めた様子で返答する千冬。
どうやら、ラウラは千冬に対して執着があるらしい。
「わ、私は……!」
「寮に戻れ。私は忙しい」
「……くっ……!」
ドライな千冬の言葉に、ラウラは歯を食いしばって、走り出した。
去っていくラウラを見ようともせず、千冬は黙ったまま正面を見つめている。
それからやや経って、千冬は声を上げた。
「……そこの男子。盗み聞きか? 異常性癖は感心しないぞ」
プロフェッショナルとして教育を受けた刹那の潜伏を見抜くとは、中々侮れない女傑だ。
気づかれていたのなら仕方が無いと、刹那は素直に姿を見せる。
「……すまない」
「下らんことをしている暇があったら、自主訓練でもしろ。
このままでは、月末のトーナメントで、初戦敗退だぞ」
「……ああ、わかっている」
「そうか。ならいい」
刹那に一瞥をくれて、千冬は背を見せた。
――――いつもの覇気がない。
きっと、ラウラとは浅からぬ縁があるのだろう。
ならば、赤の他人である刹那が踏込むべきではない。
千冬を見送って、刹那はもう一度寮へと足を向けた。
◆
――――IS学園、寮の一棟。
シャルルも、刹那と同じく一人一部屋である。
男性独自の措置と取れなくもないが、シャルルと同時に生活していては、監視がやりづらくなることが要因だろう。
いざ隠密に事を運ぶ際、同居人が居ては面倒なことになるためだ。
扉をスライドさせ、刹那はシャルルの部屋に足を踏み入れる。
「シャルル」
名前を呼んでも、返事はない。
奥から聞こえてくる水音から、おそらくアリーナですませなかったシャワーを浴びているのだろう、と刹那はあたりをつけた。
ならば、部屋で待たせてもらおう。
肌身離さず身に着けていたぐらいなのだから、きっと大切なものなのだ。
ならば、明日でいいや、などと適当な結論には至れなかった。
刹那が部屋に到着してから一分と経たず、水が止む。
きっと、シャワーを終えたのだろう。
いくらか布擦れの音がしてから、ドアが開いた。
ポケットから目的のものを取り出して、刹那はシャルルが出てくるのを待ち。
「……え?」
「…………」
≪……やはりか≫
体にバスタオルを巻いただけの格好の女の子が洗面所から出てきて、しばらくの間言葉を失った。
◆
長い髪は束ねられておらずストレートに、白い肌に華奢な手足、
そして女性特有の腰のくびれと、その上に位置する豊満な双丘。
予想はしていたとは言え、まさかその通りだったとは、刹那も思わなかった。
じろじろ見ているわけにもいかず、刹那は手近な机にオレンジ色のロケットを置くと、さかさかと退室していく。
「あっ、まっ、待って!」
シャルルが、刹那を呼び止めた。
その声は、同じ。しかし、体は違う。
まさか、ここであなたはシャルルの妹さんですか、と問いかけるほど、刹那は間が抜けていなかった。
何より、的を射ていたティエリアの予測のおかげで、心の準備が出来ていたのも大きい。
さて、ティエリアは過去に女装したことがある。
連邦主催のパーティに、赤いドレスを着用して、単身アウェーへと飛び込んだのだ。
その時の経験が活きたのか、ティエリアはシャルルにとある疑念を抱いていた。
彼は、性別を偽っているのではないか、と。
違う性別の真似をするのは、なかなか難しいものである。不慣れであれば、すぐにボロが出るものだ。
そして、ティエリアはその破綻を見逃さなかった。シャルルが撒いた種を、ティエリアは一つ残さず拾っていたのである。
だが、性別を隠すのには相応の理由が伴うものだ。
プライバシーに関わる問題だとしたら、刹那も強引に暴くようなことはできなかった。
「……すまない」
「謝らなくていいよ……隠していたのは、僕なんだから……」
「……ああ。それよりシャルル、服を……」
「えっ? あっ、わわっ!」
「……外に出ている。終わったら呼んでくれ」
刹那は部屋の外へ出て行った。
◆
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