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元スレ刹那「インフィニット・ストラトス?」
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――――彼女は極めて有能な教官だった。
織斑千冬は、希望であった。
――――私はIS専門となった部隊の中で、再び最強の座に君臨した。
織斑千冬は、戦士であった。
「どうして、そこまで強いのですか? ……どうすれば、強くなれますか」
「……私は強くない。私では、敵わなかった者がいる」
(……違う。
……どうして、そんな弱気な顔をするのですか。
私が憧れる貴方は、強く、凛々しく、堂々としているのに……)
「……ガンダムと言う言葉を、知っているか?」
「…………いえ」
「そいつさ。私では、勝てなかった。……それで、このザマだ」
――――ガンダム。
(……許せない。
教官にそんな運命を強要した者を……
ガンダムを、私は認めない……!)
――――刹那・F・セイエイ。
――――ガンダムエクシアの、パイロット!
(力が欲しい……!)
「君は、より強い力が欲しいんだね?」
頭の中に、男の声が反響する。
高くもない。低くもない。くせもない。
――――感情は、あった。
ほくそ笑んでいる。その嘲り、不愉快だ。しかし、構わない。例え無様であっても、力を手に入れる。
(……寄越せ、力を)
「……そうかい。素直なのは、嫌いじゃないよ」
(比類なき、最強を!)
◆
>>505 設定が変なんじゃない、これもすべてアムロのせいだ。
ラウラの叫びが、会場に木霊する。
雷の様な放電現象が、シュヴァルツェア・レーゲンの着地点を中心に広がりだした。
その衝撃で、砂塵が晴れる。
姿を現したラウラは、しかし、予想と風貌を違えていた。
ISが、溶けているのだ。
粘土をこねているかのように、ぐねぐねと奇怪な動きを繰り返し、ラウラ・ボーデヴィッヒを取り込もうとしている。
「何……!?」
その光景の異常性に、シャルルが声を漏らした。
(……ティエリア)
≪ああ、急ごう。……あれは、危険だ≫
刹那も、シャルルと同じく、何かを感じていた。
しかし、それは感覚的なものではない。
形を持った、いやな予感。不安。
――――この世界に来てから一度として感知しなかった強い脳量子波を、ラウラが放っているのだ。
ラウラの顔は、恐怖に引きつっているように見えた。
初めて見せる、弱い表情。では、あれはラウラの意思とは無関係だとでも言うのだろうか。
その様を見守るしかない二人をよそに、ISだった黒い固形が、ラウラの全てを包み込んだ。
彼女の白い肌も、銀色の髪も、黒どろどろとしたそれに覆われている。
そのうち、ISだったそれは、ヒトガタを作り始めた。
未だバランスの狂った異形だが、しかし周囲の人間に嫌悪感を抱かせるには充分にグロテスクだ。
学園側も予想外の出来事だったのか、サイレンが鳴り始め、焦った様子のアナウンスが入る。
『非常事態発令! トーナメントの全試合は中止!
状況はレベルDと認定、鎮圧のため、統治部隊を送り込む。
来賓、生徒はすぐに避難してください』
観覧席のシェルターが閉まり、来賓席の人間が慌てて逃げ去っていく。
それをものともせず、黒い粘着質のそれは、ついに成形を終えた。
黒い、甲冑。
シュヴァルツェア・レーゲンの剛健さは見る影もなく、ぬらりと光る体表が、言い知れぬおぞましさを感じさせた。
その体長は、ISの二倍……先の襲撃者を彷彿とさせる外見だ。
しかし、その造形は、どこか人間を――――それも、女性をイメージさせる。
>>506
一瞬QBかと思った
一瞬QBかと思った
あれは、本当にラウラ・ボーデヴィッヒなのか?
刹那は、そう疑わずにはいられなかった。
事態を収拾すべく、教員がISを装備してやって来る。
……黒いISは、動かない。
警戒のためか、教員がライフルを構えた。
そして、吹き飛ばされる。
アリーナの壁へ、緑色のISが叩きつけられた。
突然の攻撃に、教員らは反射的に武器を構える。
黒いISが装備しているのは、一振りの日本刀だけだ。
距離を取れば、一方的になぶれるはず。
そこへ、
『待て、銃を捨てろ!』
通信機越しに、千冬の指示が下される。
教員らは、素直にそれに従った。敵の前で警戒態勢を解くなど自殺行為だが、
千冬がそんなことをさせるわけがないと、信頼しているのだ。
皆が銃を地面に置いた途端、黒い巨人の動きが止まる。
(あの動き……敵対者にのみ反応しているのか?)
刹那のそれはあくまで当て推量だが、そう推理することも出来た。
しかし、真相は分からない。あの黒いISが、人語に対して応答するかどうかもわからないのだ。
(……ダブルオーライザーを出す)
≪了解……形態移行に移るぞ≫
そこで刹那が取った選択肢は、トランザムバーストによる意思の伝達だった。
あの中にラウラが残っているのなら、GN粒子を介して対話が行えるはずだ。
刹那のISが発光、エクシアの装甲が、変形していく。
白を中心としたカラーリングが、青を基調とした色彩へ。
二つのGNドライヴが、肩へと配置される。
セブンソードは、GNソードⅡとⅢへ形を変えた。
光が収まり、刹那は早速トランザムのために操作を開始する。
「刹那、そのIS……」
「説明は後だ。今は、あの機体と対話を試みる」
「対話……?」
事情を知らないシャルルや教員は面食らっているようだが、構っている暇は無い。
二つのGNドライヴが、共鳴を開始した。
≪ツインドライヴ、同調……やれ、刹那!≫
「トランザム、バースト!」
GN粒子と、ダブルオーライザーの機体が、赤く染まる。
刹那を中心に、高濃度の粒子空間が形成された。
◆
未来への水先案内人はこのグラハム・エーカーが引き受けた!
支援
作者はどこまで書くんだい?
支援
作者はどこまで書くんだい?
>>523
ダブルオーライザーを出したかったので
>>524
少なくとも放送分(9話)まではやります
(私……私は……)
ラウラの意識は、曖昧だった。
それに合わせ、体もぼけっとしている。
宇宙空間を漂っているような心地だった。
何故、こんなことになっているのだろう。
そう思ったが、ラウラはその疑問を放り投げてしまいそうになる。
何だか、ものが考えられない。思考より、眠気が勝っているような状態だ。
けれど、彼女は思う。何故? 何故だろう。
やがて、ラウラは結論にたどり着いた。
――――感情だ。嫌だったから。
……感情。どんな感情だろうか。
いや、感情?
彼女の中の感情は、全て外に出て行ってしまったような気もするし、全部奥にしまいこんだような気もする。
ダブルオーライザーを出したかったので
>>524
少なくとも放送分(9話)まではやります
(私……私は……)
ラウラの意識は、曖昧だった。
それに合わせ、体もぼけっとしている。
宇宙空間を漂っているような心地だった。
何故、こんなことになっているのだろう。
そう思ったが、ラウラはその疑問を放り投げてしまいそうになる。
何だか、ものが考えられない。思考より、眠気が勝っているような状態だ。
けれど、彼女は思う。何故? 何故だろう。
やがて、ラウラは結論にたどり着いた。
――――感情だ。嫌だったから。
……感情。どんな感情だろうか。
いや、感情?
彼女の中の感情は、全て外に出て行ってしまったような気もするし、全部奥にしまいこんだような気もする。
ISの詰まらない戦闘シーンも刹那がいるだけでかなり面白くなるな
それはいい。とにかく嫌だったのだ。
嫌。嫌だった。何が嫌だった?
教官が、あんな顔をするのが嫌だった。嫌だ。それは嫌だろう。
何故、そうなる? 教官を沈ませて、心に傷跡を残したのは誰だ?
段々と筋道が立ってきたラウラの思考。
そして浮かんだのは、一人の男の顔。
「刹那・F・セイエイ……!」
「……ラウラ・ボーデヴィッヒ」
忽然と、この不思議な空間に出現した刹那へ向け、ラウラは敵意を露にする。
教官に嫌な思いをさせるこいつが嫌いだったし、何より、ラウラは負けた。だから、余計に腹が立つ。
「……やはり、このISの中にいたのか」
「貴様、何を……!」
「ラウラ・ボーデヴィッヒ。お前と対話するために、俺はここへ来た」
「対話だと……!」
「ああ」
「私と教官の敵である貴様に、話すことなど……!」
「教官……織斑千冬か」
何故、と言いかけて、ラウラは口をつぐむ。
この場所は、どこか変だ。そんなつもりはないのに、自分の気持ちを、打ち明けてしまう。
嫌。嫌だった。何が嫌だった?
教官が、あんな顔をするのが嫌だった。嫌だ。それは嫌だろう。
何故、そうなる? 教官を沈ませて、心に傷跡を残したのは誰だ?
段々と筋道が立ってきたラウラの思考。
そして浮かんだのは、一人の男の顔。
「刹那・F・セイエイ……!」
「……ラウラ・ボーデヴィッヒ」
忽然と、この不思議な空間に出現した刹那へ向け、ラウラは敵意を露にする。
教官に嫌な思いをさせるこいつが嫌いだったし、何より、ラウラは負けた。だから、余計に腹が立つ。
「……やはり、このISの中にいたのか」
「貴様、何を……!」
「ラウラ・ボーデヴィッヒ。お前と対話するために、俺はここへ来た」
「対話だと……!」
「ああ」
「私と教官の敵である貴様に、話すことなど……!」
「教官……織斑千冬か」
何故、と言いかけて、ラウラは口をつぐむ。
この場所は、どこか変だ。そんなつもりはないのに、自分の気持ちを、打ち明けてしまう。
>>531
IS基準(ラウラだけ裸)か00基準(みんな全裸)かはご想像にお任せします
「教えてくれ、ラウラ・ボーデヴィッヒ。
織斑千冬と俺の間に、一体何があった」
「貴様……! 白を切るつもりか!
大会の前日、教官を襲ったお前が……!」
「大会……?」
「第二回IS世界大会だ……!
教官は決勝まで勝ち残ったが、試合前日に何者かの襲撃を受けて重症を負い、不戦敗に終わった……!」
「…………」
そんな事情があったのか。刹那は、今始めて千冬の過去を知った。
千冬は、あまり自分のことを話したがらない。
ましてや、汚点になりかねないそんな話、語りたくはないだろう。
「その襲撃者の名を、私は知っている……!
ガンダム……! 貴様と同じISを装着した男が、教官の不意を打った!」
「ガンダム……!?」
刹那がこの地球を訪れたのは、つい先日のことである。
時間跳躍の技術は、西暦2364年現在、未だ開発されていない。
IS基準(ラウラだけ裸)か00基準(みんな全裸)かはご想像にお任せします
「教えてくれ、ラウラ・ボーデヴィッヒ。
織斑千冬と俺の間に、一体何があった」
「貴様……! 白を切るつもりか!
大会の前日、教官を襲ったお前が……!」
「大会……?」
「第二回IS世界大会だ……!
教官は決勝まで勝ち残ったが、試合前日に何者かの襲撃を受けて重症を負い、不戦敗に終わった……!」
「…………」
そんな事情があったのか。刹那は、今始めて千冬の過去を知った。
千冬は、あまり自分のことを話したがらない。
ましてや、汚点になりかねないそんな話、語りたくはないだろう。
「その襲撃者の名を、私は知っている……!
ガンダム……! 貴様と同じISを装着した男が、教官の不意を打った!」
「ガンダム……!?」
刹那がこの地球を訪れたのは、つい先日のことである。
時間跳躍の技術は、西暦2364年現在、未だ開発されていない。
「そのガンダムは、俺ではない」
「何を……!」
「ガンダムは、紛争を根絶するためにある。
そのような世界を歪める行為を、ソレスタルビーイングは良しとしない」
「知ったことか!」
「お前は知らなければいけない。
その怒りは、矛先を違えている。
そのままでは憎しみが歪みとなり、やがて争いを生む……!」
「そうさせたのはお前だ! ガンダムと言う存在だ!」
「違う。俺たちは、未来を切り開くために戦っている」
「…………」
刹那の低い声に、ラウラは押し黙った。
彼が嘘をついているわけではないと、直感的にわかったからだ。
誰に説明されたわけではないが、ラウラはそう思った。この場所は、きっと、己の思いを伝えるためにある。
「……お前は戦いに執着しすぎている。悪意による戦いは、世界を歪めるだけでしかない……何が、お前をそうさせた」
「……私は」
ラウラは、それだけ言って、黙った。
しかし、刹那にはわかる。高濃度のGN粒子が散布されていれば、自然とわかるのだ。
「何を……!」
「ガンダムは、紛争を根絶するためにある。
そのような世界を歪める行為を、ソレスタルビーイングは良しとしない」
「知ったことか!」
「お前は知らなければいけない。
その怒りは、矛先を違えている。
そのままでは憎しみが歪みとなり、やがて争いを生む……!」
「そうさせたのはお前だ! ガンダムと言う存在だ!」
「違う。俺たちは、未来を切り開くために戦っている」
「…………」
刹那の低い声に、ラウラは押し黙った。
彼が嘘をついているわけではないと、直感的にわかったからだ。
誰に説明されたわけではないが、ラウラはそう思った。この場所は、きっと、己の思いを伝えるためにある。
「……お前は戦いに執着しすぎている。悪意による戦いは、世界を歪めるだけでしかない……何が、お前をそうさせた」
「……私は」
ラウラは、それだけ言って、黙った。
しかし、刹那にはわかる。高濃度のGN粒子が散布されていれば、自然とわかるのだ。
「お前は……超兵なのか」
「……似ている。貴様の考えている、それとな」
超兵と言う言葉の意味を、ラウラは知らない。
だが、刹那の意思を通して、理解できる。
それと同じ原理で、刹那もラウラの生まれを把握したのだ。
「戦うだけの人生……俺もそうだ」
「…………」
「だが今は、そうでない自分がいる」
刹那の目は、まっすぐだ。
その瞳を、ラウラはじっと見つめた。自分と同じ、金色の虹彩。
「お前は変われ。
お前なら、破壊するだけではなく、分かり合うことが出来るはずだ」
「……私には」
「出来る。お前は変わるんだ。
未来と向き合うために、自分自身を変革させろ」
「……私は、強くない。
教官を失い、矜持すら砕かれて……何を頼りに生きればいいんだ」
「ならば、生きるために戦え。
自分自身のために、未来を切り開け。その先に、必ず何かがある。
お前はまだ生きている。……生きているんだ。命がある限り、人は変わっていける」
刹那自身が、そうしたように。
ラウラも、きっと変われるはずなのだ。
「……似ている。貴様の考えている、それとな」
超兵と言う言葉の意味を、ラウラは知らない。
だが、刹那の意思を通して、理解できる。
それと同じ原理で、刹那もラウラの生まれを把握したのだ。
「戦うだけの人生……俺もそうだ」
「…………」
「だが今は、そうでない自分がいる」
刹那の目は、まっすぐだ。
その瞳を、ラウラはじっと見つめた。自分と同じ、金色の虹彩。
「お前は変われ。
お前なら、破壊するだけではなく、分かり合うことが出来るはずだ」
「……私には」
「出来る。お前は変わるんだ。
未来と向き合うために、自分自身を変革させろ」
「……私は、強くない。
教官を失い、矜持すら砕かれて……何を頼りに生きればいいんだ」
「ならば、生きるために戦え。
自分自身のために、未来を切り開け。その先に、必ず何かがある。
お前はまだ生きている。……生きているんだ。命がある限り、人は変わっていける」
刹那自身が、そうしたように。
ラウラも、きっと変われるはずなのだ。
「……お前は、何故強くあろうとする。どうして、強い」
「俺は、託された……仲間の希望を、変革の意思を。だから、歩みは止めない。
そのために俺は戦う。破壊するためではない、守るための戦いを成す」
「……守るための、戦い」
――――それはまるで、あの人のようだ。
「……オーバーロード……!?
トランザムの限界時間か……」
「そうか……もう、終わるのだな」
「ああ。だが忘れるな、ラウラ・ボーデヴィッヒ。
お前は変われる……未来のために、変わるんだ」
◆
「私は……」
覚醒したラウラ・ボーデヴィッヒは、ベッドに体を横たえていた。
節々が、痛む。鍛えられているこの体が、こうまで疲労するとは。
「……何が、起きたのですか」
ベッドのそばで椅子に腰掛ける千冬に、ラウラは問いかけた。
表情を崩さないまま、千冬は答える。
「……一応重要案件である上に、機密事項なのだが……VTシステムを知っているな?」
「ヴァルキリー・トレース・システム……」
「そう。IS条約で、その研究はおろか、開発、使用、全てが禁止されている。
……それが、お前のISに積まれていた。
精神状態、蓄積ダメージ、そして何より、操縦者の意思。
……いや、願望か。それらが揃うと、発動するようになっていたらしい」
「……私が……望んだからですね……」
ラウラは、ぎゅっとシーツを握った。
>>436
ありがとう
ありがとう
弱ったその心を再び持ち直させるように、千冬は声を張る。
「ラウラ・ボーデヴィッヒ」
「はっ……はいっ」
「お前は誰だ」
「私は……」
質問の意図を探りかねて、ラウラは口をつぐんだ。
それが狙いだったのだろう、千冬は構わず続ける。
「誰でもないなら丁度いい。
お前はこれから、ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「えっ……」
「それから……お前は、私になれないぞ」
そう言い残して、千冬は保健室から出て行く。
扉が閉まる音がして、ラウラは力なく天井を見つめ。
それから、笑った。腹の底から、笑っていた。
◆
騒動が収拾して、しばらく。
シャルルと食卓を囲みながら、刹那は学園側からの通知に目を通していた。
「結局、トーナメントは中止だって。でも個人データを取りたいから、一回戦は全部やるそうだよ」
「中止……」
「ちょっと残念?」
シャルルの問いに、首を横へ振る。
進んで戦いたくはないが、一応学園側への売り込みは必要だ。
複雑な事情が絡み合っていたが、ここは一応否定の意を示しておいた。
そこへ、明るい声が介入してくる。
「セイエイ君、デュノア君、朗報ですよ!」
姿を現したのは、クラス副担任の真耶だった。
「今日は大変でしたね~。でも、二人の労をねぎらう素晴らしい場所が、今日から解禁になったのです!」
「場所……?」
シャルルが聞き返すと、真耶は待ってましたとばかりに大げさな動きをとり、言った。
「男子の、大浴場なんです!」
◆
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