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元スレアーカード「ククク…学園都市か」

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みんなの評価 : ★★★×5
タグ : - とある魔術の禁書目録 + - ひぐらし + - アウレオルス + - アーカード + - 学園都市 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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951 = 936 :

こちらを見上げる姫神秋沙を見てアウレオルスが静かに声をかける。

アウレオルス「…どうした姫神秋沙? …正視に耐えないのならば私の後ろにいればよい」

だが、そんなアウレオルスの言葉に姫神秋沙は頭を振る。

姫神「ありがとう。 でも違う。」

そう言って姫神がスッと指をさす。

姫神「来る。 あと少しで。」

短い言葉と共に指をさしたのは殺し合いの後方、開け放たれた窓だった。

アウレオルス「…自然。 あのような光景を見れば動転するのも無理はない」

姫神秋沙が正気を失いかけてると判断したアウレオルスが困ったように声をかける。

だが、それを聞いた姫神は無表情なその顔をピクリと動かしてアウレオルスに飛びついた。

アウレオルス「なっ!? 何を!?」

ぶら下がるように首に手をかけ、眼下数センチのところに現れた姫神の端正な顔を見て慌てるアウレオルス。

姫神「違う。 よく見て。 あっち。」

しかし、姫神はそんなことに全く頓着せず、アウレオルスの首をぐいと動かす。


そしてようやくアウレオルスはグングンと大きさを増す赤い極光に気がついたのだ。

952 :

おもしろい

953 = 936 :

   「痛っ なんですかあ! 蹴ることないじゃないですかあ!」

   「五月蝿いバカ! 何が小ジワが増えただ! お前は悪い子だ! このバカ!」

   「そっそれは心配そうなインテグラ様の緊張を解きほぐそうと… ひゃっ! 握らないでください! そこ握らないでくださいってば!」

   「バカ! 違う! 前を見ろ! 前だ前!」

   「へっ? あれっ? ぶっぶつかる!? ちょっとそこのツンツン頭な人ぉ! 避けてぇぇ――っ!!!」


赤い極光から漏れ聞こえたのは叱責と弁解、そして悲鳴にも似た叫びだった。

猛スピードで飛び込んできたそれは“不幸”にも上条当麻に直撃。

ボウリングのピンのように弾き飛ばされた上条当麻はそのまま壁に吹き飛ばされてゴロゴロと転がっていく。

   「うわー… …やっちゃった。 …これって轢き逃げですかね?」

壁にめり込んだ赤い極光は光を失い、その下から現れた黒い翼の内ではヒソヒソと声がしていた。

   「私は知らん。 やったのはおまえだろう」

   「うわ! それ酷いですよインテグラ様!」

   「五月蝿い! それより早くここから出せ!」
   
   「えっ? あっ、はい! 了解です!」

その言葉と共に黒い翼が霧散するかのように一箇所に集まっていく。

955 = 950 :

支援
終わらないと寝られない

956 :

禁書の知識ほぼないからようわからんのだが
何やら暴走?した上条とやらは人間の範疇なのか

957 = 936 :

闇が収まった場所に立っていたのは二人の女性。

一人は大英帝国王立国教騎士団ヘルシング機関の当主、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング。

そしてもう一人アーカードの眷族、女吸血鬼“婦警”セラス・ヴィクトリアだった。

部屋の惨状には目もくれず、主の姿を見て目を輝かせるドラキュリーナ。

セラス「マスタ――――!!」

まるで父を慕う娘のように、夫を愛する妻のように、飼い主と再会した仔犬のようにアーカードのもとに駆け寄っていく。

セラス「すいませんマスター! 何だか嫌な予感がしたような気がしたんですけどやっぱり気のせいでした!」

アーカード「…………」

アーカードは黒犬獣を具現化したその姿のままピクリとも動かなかった。

セラス「……マスター?」

不思議そうに首をかしげるセラス。

そんなセラスの後ろからインテグラが現れる。

インテグラ「どうしたアーカード。 お預けを喰らった狗のような顔をして」

アーカード「…………」

その言葉を聞いてゆらりとアーカードの身体が動き、巨大な黒犬獣がただの右腕に戻っていく。

958 :

上条さんはアンデルセンと違って腕がもげても全然ダメージ感がないなw

959 :

旦那、興がそれたか

960 :

>>956
正直今に至るまで暴走上条さんの正体は不明のまま
だけどなんか人間じゃないどころかなんか理不尽反則めいた存在っぽい

961 = 936 :

黒犬獣が収まると同時に、アーカードから発せられていた豪風のような殺気がピタリと止まる。

とんでもない方法で乱入してきた二人のブロンドの女性。

更には事もなげにアーカードに話しかけている姿を見て、息を飲み目を丸くする少年と少女達。

そして彼等は次に目の前で起こる光景を見て更に息を呑むこととなった。


ドラキュラ
“悪魔”が。

ノーライフキング
“不死王”が。

ヴァンパイア
“吸血鬼”アーカードが膝をつき忠誠を示したのだ。


アーカード「いや何も。 何も問題はないさ “我が主”」

そう言って畏まるアーカード。

そんなアーカードを見てフンと鼻をならすインテグラ。

部屋の惨状を見れば戦闘が起こったのは一目瞭然である。

だがインテグラはそんなことは些事だと言わんばかりに“我が下僕”に問う。

962 = 936 :

インテグラ「それで? どうだったのだ? “吸血殺し”は? 果たして“吸血殺し”はお前とセラスの脅威と成りうるのか?」

アーカードの目的。

それは“吸血殺し”が火種となるか否かということであった。

そう問うたインテグラに、畏まったままアーカードが返事をする。

アーカード「…確かに“吸血殺し”は本物だった。 …だが。 あれは私とセラスに限っては大した意味を持たない」

頭を伏せたまま主人にそう報告をするアーカード。

有象無象の吸血鬼ならばともかく、アーカードとその血族のセラスにとってはミナ・ハーカーに似た匂いも理性を崩されるほどのものではない。

端的なアーカードの答えを聞いてそれで満足したのかついにインテグラが押し黙ったままの少年達を手で指し示す。

インテグラ「そうか。 …では次だ。 この状況は一体なんだ? この子供たちはなんだ? 貴様の敵なのか?」

その冷徹な言葉にギクリと身体を震わせる少年たち。

状況から推測すれば信じ難いことではあるが、目の前にたつブロンドの婦人がアーカードの主人であることは間違いない。

もし…アーカードが敵だと言い、それを聞いたインテグラが殲滅せよと命令を下せば今度こそ確実な死が彼等を待ち受けている。

そんな彼等の心情を知ってか知らずか、アーカードはインテグラの問にニヤリと笑ってこう答えた。

アーカード「ククク… なに。 “只の”未来さ。 今はまだ羽も生え揃わね雛鳥だが… いずれ私の前に立塞がる者になって“くれる”かもしれない“希望”だ」

そう言って嬉しそうに笑うアーカード。

964 :

んもう、なんだよ
問題無いなら早く帰れよな

965 :

もし製作いくならすれ張ってくれ

966 = 936 :

そんなアーカードを見てインテグラはどういう訳か目を細めた。

インテグラ「フン。 嬉しそうだな? “伯爵”?」

主が穏やかな口調でそう問いかけ、その問いかけに穏やかな口調で答える吸血鬼。

アーカード「あぁ。 嬉しいとも。 これが嬉しくないはずがない。 わかっているだろう? “伯爵”?」

それを聞いたインテグラがふぅと溜息をはく。

インテグラ「まったく…これだから吸血鬼は困る」

そう言いながら銀細工の美しいシガレットケースを取り出し、一本の葉巻を咥えるインテグラだったがそこでピタリと動きが止まった。

インテグラ「……ふむ」

何かを考えるのも束の間、葉巻を咥えたままカツカツと硬直したままの“只”の未来達の元へと歩み寄る。

そして何も言わずにそこに立ち尽くすインテグラ。

インテグラの視線には幾つもの死線をくぐり抜け、なおかつ年齢を重ねたものにしか無い独特の威圧感があった。

神裂「な、なんでしょうか?」

そんなインテグラに問いかけることが出来たのは、やはりこの中で一番場数を踏んでいる神裂火織。

だがインテグラはピョコリと口元の葉巻を動かして、ただの名詞だけを口にした。

968 = 936 :

インテグラ「火」

神裂「…はい?」

インテグラ「火」

目の前で煙草をピコピコと動かすインテグラを見て神裂はようやくその意図に気付く。

神裂「…あの。 火というのは… 煙草に火をつけろということなのでしょうか?」

だが、それを聞いたインテグラは当然というふうに鼻を鳴らす。

インテグラ「他に何があるバカ者。 若いくせに気のきかん奴だ」

ぐにゃりと神裂火織の視界が歪む。

神裂「は、はぁ… すいません。 私は煙草を吸わないもので… あの。 彼は喫煙者なのでライターを持っているかと…」

そう言って神裂はステイルを指差した。 

ステイル「…か、神裂?」

こちらを見ようともしない神裂を見てステイルの顔が苦いものを噛んだように歪み、二人の魔術師が水面下で口喧嘩を始める。

だがインテグラにとってそんなことは興味がない。

インテグラ「火だと言っている。 誰でもいいからさっさと火をつけんか」

そう言ってピコピコと葉巻を揺らすインテグラに渋い顔をしたステイルが近づきZIPPOを取り出した。

969 :

さすがインテグラさんや
ステイルがハインケルに見える

970 = 965 :

さるよけ

971 :

>>1000までに終わりそうだな支援

972 = 936 :

だが、目の前に差し出されたZIPPOを見てインテグラは眉をしかめる。

インテグラ「フン。 ZIPPOか。 他にないのか? オイルで味が変わる」

ステイル「――ッ!」

子供の我侭のような文句を言うインテグラに危うく何事かの暴言を吐きそうになり大きく息を吐くステイル。

その時、錬金術師が声をあげた。

アウレオルス「“煙草に火を”」

それと同時にインテグラ咥えた煙草の先端に小さな火が灯った。

インテグラ「…ほぅ」

僅かに眉を上げ驚いた感情を示すインテグラが声の主であるアウレオルスを見ながら、ゆっくりと紫煙を吐き出した。

そしてそのまま、まるで何事かを思い出すようにジッとアウレオルスを見つめるインテグラ。

インテグラ「少年。 名はなんと言う?」

年季の入ったその物言いに逆らえる気が起きず、アウレオルスは自分の名を告げた。

アウレオルス「…アウレオルス=イザード。 チューリッヒ学派の錬金術師だ」

それを聞いたインテグラが大きく頷く。

973 :

旦那は全く気まぐれやさんなんだから

974 = 936 :

インテグラ「やはりな。 貴様の顔を見た時から気にはなっていたが、ようやく思い出せた。 貴様お尋ね者だろう?」

アーカード「ククク…これだから“老い”とは恐ろしい」

主の言葉を聞いたアーカードがクツクツと愉快げに笑う。

インテグラ「黙れバカ うるさいぞ」

そして笑うアーカードに間髪入れず言葉を返すインテグラ。

そのやりとりを見て呆気にとられたアウレオルスに向かってインテグラはニヤリと笑った。

インテグラ「ローマ正教の“隠秘記録官”だったのも昔。 今や世界中の宗派を敵に回した大馬鹿者で間違いないな?」

ズケズケと物を言うインテグラに思わず狼狽えるもすぐさま気を取り直すアウレオルス。

アウレオルス「――ッ! 敢然。 だが私は今でも後悔などしていない」

インテグラ「…なるほど。 骨はあるようだな。 丁度いい」

そしてインテグラはとんでもないことを口にした。


インテグラ「少年。 貴様は私の機関に、ヘルシングに所属しろ」

975 :

いきなり現れてやりたい放題だなwww
いいぞ、もっとやれ

976 :

さすがヘルシング卿

977 = 936 :

アウレオルス「な…何を言うのだ貴方は?」

アーカード「ほぅ…」

突然とんでもないことを言われ混乱する錬金術師と面白そうに笑うアーカード。

だが、インテグラはその反応も織り込み済みだと言わんばかりに説明をしだした。

インテグラ「ハッ よく考えて返事をしろよ少年。 もはやこの世界において貴様に安息の地は“ない” 違うか?」

それは事実だったが故に、アウレオルスは返事がすることが出来ない。

ローマ正教を裏切り、学園都市を敵に回し、十字教には賞金首をかけられたアウレオルス=イザードが身を置ける場所などどこにも無いのだ。

インテグラ「“だが” 我々は別だ。 異端も異端。 対化物に特化し“化物”を飼って“化物”を殲滅する特務機関、我々ヘルシングにはな」

紫煙を吐くインテグラ。

インテグラ「丁度うちも人員不足でな。 屋敷の警護から書記官まで仕事は幾らでもある」

そこまで言って意地悪げに笑うインテグラ。

インテグラ「そうだな… 少年が望むなら貴様の首を斬り飛ばして賞金を受け取りに行くのもいいかもしれん」

そう言われてはもうアウレオルスに反論する術はない。

アウレオルス「ぐっ…」

そんなアウレオルスの袖を再三引っ張ったのは姫神の小さな手。

978 :

旦那だけでもあれなのにヘタ錬金まで仲間に引き込んだら
ヘルシング機関がもはやチートどころの騒ぎじゃなくなるな

979 = 973 :

もれなく対パンピー吸血鬼最強兵器もついてくるしな

980 = 958 :

一つの機関がここまで強くなったら戦争起きそうだなw

981 = 936 :

姫神「あなたの目的は。達成された。 私のことは。気にしなくてもいい。」

そう言われアウレオルスはハッと気付く。

インデックスを救いたいという彼の願いは既に叶っているのだ。

だが、この少女に対する恩義は?

“吸血殺し”姫神愛沙の枷を取り払うのは簡単である。

黄金の鍼を一本首筋に挿して、“そうあれかし”と唱えればいい。

しかし、それで終わってしまっていいのだろうか?

この身寄りのない少女を置いて彼だけが安住の地を見つけてしまっていいのだろうか?

そう葛藤しだしたアウレオルスをニヤニヤと見つめるインテグラ。

インテグラ「何。 安心しろ。 蜜月の期間くらいの休暇なら出してやらんわけでもない。 それとも…コブ付きのままこちらに来るか?」

途端、アウレオルスの顔が赤くなった。

アウレオルス「断然! それは貴方の勘違いである! 邪推はやめてもらおう!」

インテグラ「ほぅ… そうかそうなのか」

ニヤリニヤリとインテグラが、そしていつの間にか話に混じったのかセラスがニヤける。

そこでようやくアウレオルスは自分の袖を掴んだまま離そうとしない姫神秋沙に気がついた。

982 :

ヘルシング機関みんな集まってるよ

983 = 936 :

それを見たインテグラがパンと大きく手を叩いた。

インテグラ「ハッ どうやら決まりのようだな。 受け入れの準備と手回しが終わり次第追って通達する」

強引に決定を下したインテグラが煙草を投げ捨てた。

インテグラ「いくぞ“吸血鬼” ついでだ、少々見物もして帰る」

そう言ってさっさと踵を返し部屋から出て行くインテグラ。

セラス「あっ! 待ってくださいインテグラ様ー!」

    「おいおい マジかよ! 巫女さんだぜ巫女さん! カーッ! 胸が高鳴るなーおい!」

セラス「だからー 人の中で煙草を吸わないでくださいって言ってるじゃないですかー!」
    
    「ハハハ 悪ぃ悪ぃ “つい”な 許せやセラス」

どこからともなく聞こえる男の声と会話をしながらインテグラを追うセラス。

そして、再び部屋の中には残ったのはアーカードのみとなった。

踵を鳴らし振り返る先には“聖人”が“魔術師”が“錬金術師”が“吸血殺し”が立っていた。

ゆっくりと大袈裟に一礼をするアーカード。

アーカード「ではな愛しい“人間”共よ。 いずれ御敵となって私の前に立つのを楽しみに待つとしよう」

その言葉と共に霧のように霞んでいくアーカード。

984 = 936 :

そして、ふと気がついたように陽炎のように揺らいだアーカードの意志が立ちすくんだ少年少女に向けられる。

アーカード「神裂火織。 貴様の一太刀は確かに私に届いたのだ。 次は更にだ。 更に私を楽しませてくれ」

その言葉を聞いて何故か神裂火織は微笑む。

神裂「…勿論です。 次こそは貴方の心の臓腑に届かせましょう」

それを聞いたアーカードが笑う。

アーカード「クハハッ! せいぜい気張れ! “死神”と同じ武器を使うのだ。 そのことを胸に命じておけ」


もはやアーカードの姿はなく声だけがステイルに言葉を投げる。

アーカード「神父よ。 貴様はまだまだ青い。 神父と名乗るのならば我が宿敵であった“神父アンデルセン”を超えるまで諦めを踏破し続けろ」

その言葉を聞いてステイル=マグヌスは信じられないように呟く。

ステイル「“神父アンデルセン”…!? あれは“偉人”だ。 神の意志をそのまま“体現”した“聖人”じゃないか」

その言葉を聞いたアーカードが笑う。

アーカード「ククク…奴も人だ。 貴様と同じ弱い弱い“人間”だったのだ」

985 :

ぶるぅぁぁあッッ!!!!

986 :

人間『だった』んだよなあ、アンデルセンw

987 :

隊長いたぞwwwww

988 :

ちょうど1000で終わりそうだな

989 :

あと1レスくらいで終わりかな?長かったなぁ。面白かった

990 = 936 :

次にアーカードが言葉を投げかけたのは寄り添うようにその場に立つアウレオルス=イザードと姫神秋沙だった。

アーカード「そうだ。 歪んだ過去を背負った者の側に立てるのは歪んだ過去を背負ったもののみだ」

思わず姫神秋沙が中空に言葉を投げる。

姫神「…あなたは。 最初からこのつもりで?」

だがその言葉を聞いたアーカードが哂う。

アーカード「ハッ! 笑わせるなよ“吸血殺し” 今頃私が貴様等を縊り殺していてもおかしくはない。 貴様等はただ偶然の手に拾われただけだ」


そして…未だ部屋の片隅で昏倒してままの上条当麻に言葉を投げかける。

アーカード「ククク…最も弱い人間よ。 だが“だからこそ”小僧。 貴様には“可能性”がある」

意識のない上条当麻にその言葉は届いていないのだろう。

だが、アーカードは愉悦と期待の色を交えて上条当麻の“未来”に期待する。


アーカード「さて。 私も主の元へと駆けつけるか」

そう言って揺らいでいく気配にステイル=マグヌスが話しかける。

ステイル「待ってくれ! どうして… どうして僕達を今殺さない? なんで放っておくんだ?」

その言葉に神裂がアウレオルスが姫神がギョッとする。

991 = 936 :

アーカード「ふむ…そうだな。 興が削がれたというのもある。 だが…」

僅かに沈黙したアーカードが言葉を口にしようとした時だった。

ころりとステイル=マグヌスの背中にいる小さな頭が動き、ムニャムニャと寝言を呟く。

       「うーん… とーまー もーおなかいっぱいなんだよ…」

ピシリと硬直する少年少女達。

その言葉を聞いてアーカードが大きな声で笑った。


アーカード「ククク・・・! そうだ! 今の私はもう充分に満ちている! ならば御馳走は後にとっておこうというわけだ!」


       「クハハッ! クハハハハハハ! “人間”よ! “人間”よ!!  私を失望させてくれるなよ?」


恐ろしい哄笑を闇に響かせながらアーカードの存在が闇に溶けていく。

そしてアーカードの存在が消えたのと朝日が挿し込んできたのはほぼ同時だった。



――かくして。

長い長い本当に長い一夜が明けた。

992 :

いい最終回だった

993 = 936 :

■これは後日談である。

“錬金術師”アウレオルス=イザードはヘルシング本部に特別書記官としてその身を置くこととなった。

その頭脳と魔術を活かし、新参ながらもヘルシングの戦力として大いに貢献しているという。


“吸血殺し”姫神秋沙はヘルシングへの出向を希望。

だがアウレオルスに説得され高校を卒業するまでは学園都市にて学生生活を続けることとなった。


“聖人”神裂火織と“神父”ステイル=マグヌス

必要悪の教会の魔術師として世界中を飛び回る。

しかし彼等の心にはいまだ種火のように魔王の言葉がくすぶり続けている。


そして…“幻想殺し”上条当麻は右腕を断ち切られてから先のことを何一つ覚えていなかった。

右腕に顕れた巨大な龍の顎がいったいなんだったのか、それはまだ誰も…上条当麻ですら知らない。


世界の裏側には潜む恐ろしい吸血鬼は様々な波紋を、傷跡を、希望を残して自らの領地の元へと帰っていった。

だが。 いつまた再び吸血鬼が学園都市に顕れてもおかしくはないという夢のような…悪夢のような残滓は関わった“人間”全ての胸に刻まれている。


                        <end...?>

994 = 989 :

おつかれさまです!面白かったー、次作あれば期待してるぜ。

995 = 956 :

お疲れ、面白かった
明日OVA改めて出てるだけ借りてこよう

996 :




久々の良SSだった

997 :

素晴らしかった

998 = 936 :

ギリッギリで終わったwwwwwwww

皆の空気の読みっぷりに感動しました。

長々と付き合ってくれてありがとね。

あと何度か言われてたけど億泰学園都市とか禁書ジョジョとかも俺ですごめんなさい。

じゃーまたねー

1000 = 988 :

>>1000ならOVA化


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