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    元スレアーカード「ククク…学園都市か」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×5
    タグ : - とある魔術の禁書目録 + - ひぐらし + - アウレオルス + - アーカード + - 学園都市 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    立つかな?

    2 = 1 :

    ■ロンドン郊外・ヘルシング家

    広大な部屋の中央には黒檀の執務机がひとつ。

    その椅子に深々と腰掛けているのは妙齢の美しき女性だった。

    銀のシガレットケースから取り出した葉巻に火をつけ、深々と紫煙を吐き出しながらポツリと呟く。
            ディープブラッド
    インテグラ「……吸血殺しだと?」

    英国王立国教騎士団局長インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングはギリと葉巻を噛み締める。

    情報の源が今代の大英帝国女王であるクイーンエリザードである以上、それに間違いはない。

    インテグラ「その血を吸った吸血鬼を問答無用で灰に返す……か」

    調査団からの報告書をバサリと机の上に放り投げ懊悩するインテグラ。

    インテグラ「危険だ。 …危険すぎる。 もしこのことがあの男に知られでもしたら…」

    そんな独り言に闇の中から返事が返ってきた。

    3 :

    ________
      <○√
        ∥
       くく
    しまった!
    ここは糞スレだ!
    オレが止めているうちに
    他スレへ逃げろ!
    早く!早く!
    オレに構わず逃げろ!

    5 = 1 :


                           マイ・マスター
      「ほう…面白そうな話じゃないか? 我が主」

    ズルリと影の中からソレが姿をあらわす。

    突如目の前に現れた男を見て、インテグラは酷く不機嫌そうな声で己が下僕を窘めた。

    インテグラ「いつから話を聞いていた? アーカード」

    アーカードと呼ばれた男は悪びれる様子もなくクツクツと笑いを漏らす。

    アーカード「最初からだ我が主。 吸血鬼を殺す血をもつ力。 吸血殺し。 ディープブラッド。 全て最初から私は耳にした」

    笑みを漏らすアーカードを見たインテグラは深い溜息をつく。

    インテグラ「どうやら言っても無駄なようだな」

    そう呟いたインテグラを見て大袈裟に両手を広げるアーカード。

                         オーダー
    アーカード「それは違うな我が主。 命令なら話は別だ。 飼い犬を躾けるように。 私に首輪をつけるように命令すればいい」

    まるでインテグラを試すように、主君の言葉を待つアーカード。

    だがヘルシング家当主であるインテグラにはこの男の底意地の悪い、あからさまな挑発は意味を成さない。

    6 = 1 :

    インテグラ「吸血殺し。 もしこのことがヴァチカン法王庁特務局第13課の耳に入れば厄介なことになる」

    それは裏切り者のユダの名を冠する特務機関イスカリオテ。

    ふぅと紫煙をたなびかせながら言葉を吐き出すインテグラ。

    インテグラ「奴らと我々ヘルシングはいまだに冷戦状態だ」

    豪奢なクリスタルの灰皿に葉巻を押し付けるインテグラ。

    インテグラ「ならば、火種は早いうちに摘み取っておくべきだろう」

    その言葉を聞いてアーカードは愉快そうに笑う。
                       マイ・マスター
    アーカード「…ならばどうする? 我が主」

    愉悦に身を揺らすアーカードに向けてインテグラが命令をくだす

    インテグラ「我が下僕よ。 命令する。 もし吸血殺しが驚異となるのならば摘み取ってこい!」
                   マイ・マスター
    アーカード「了解した。 我が主人、インテグラ・ヘルシング」

    楽しそうに笑いながら闇に姿を消していくアーカードにインテグラが言葉を投げかける。

    7 = 1 :

    インテグラ「それとだ。 セラスは置いていけ。 二人揃って出掛けられてはここの警備が手薄になる」

    誰もいない闇の中から返ってくる声。
                       
                           マイ・マスター
    アーカード「言われなくともそのつもりだ我が主。 標的の居場所は?」

    インテグラ「極東の島国、日本の学園都市だ」

    それを聞いた闇が楽しそうに呟く。

    アーカード「ククク…学園都市か」

    8 = 1 :


    ……かくして。

    ミディアン
    魔族

    ノスフェラトゥ
    不死者

    デヴィル
    悪魔

    ノーライフキング
    不死の王

    フリークス
    化物


    数え切れぬほどの忌み名を携えた恐ろしき超越者。

                 ヴァンパイア
    血と死と暴力を携えた吸血鬼・アーカードが学園都市に訪れる。

    9 = 1 :

    ■学園都市・メクドナルド


    土御門「そういや上ヤ~ン? 一昨日やってた深夜映画は見たかにゃー?」

    それは土御門の一言から始まった。

    青ピ「おっ! それなら僕見たで? 美人女吸血鬼がヘタレ男とイチャイチャえろえろチョイホラーな超B級映画やろ?」

    どこぞのC級映画マニアが好みそうなタイトルをあげる青ピ。

    上条「いやー…最近は帰ったらそのままグッスリバタンキューですよ。 そもそも吸血鬼なんて架空の存在でラブコメとか見てて悲しくなるだろ?」

    手をヒラヒラと振りながら興味がないことを告げる上条だったが、予想外の場所から否定の言葉が返ってきた。

    禁書「何言ってるのとーま? 吸血鬼は今も確かに存在してるんだよ?」

    上条「エート…インデックスさん? その深夜映画を観ちゃったんですか?」

    白けた声を出す上条当麻にむぐむぐと口の中をいっぱいにしながら答えるは銀髪のシスター、インデックス。

    10 = 1 :

    上条「異能の力じゃなくて吸血鬼ですかー? なーんでそんなオカルト的な存在が映画やら小説やらにバンバン出てるんですかねー?」

    シェイクをすすりながら呆れる上条に憤慨したように禁書が喰らいつく。

    禁書「あー! 信じてないんだね? 確かに吸血鬼っていうのは禁忌でありながら広く知られている存在であるのは確かなんだよ?」
    禁書「でもそれは逆に小説やテレビなんかで知られているからこそなんだよ! その存在を隠している、隠されている吸血鬼がこの世に存在するのは間違い無いんだよ!」
    禁書「私たち魔術に属する人間はカインの末裔って呼んでいるんだけど…その有り様から恐れられ忌み嫌われているっていうのもあってむぐぅ!?」

    上条「ストップ! ストーップ!!」

    水を得た魚のように目を輝かせて説明を続けようとするインデックスの口にテリヤキバーガーを突っ込む上条。

    上条「ほ、ほら! これをやるから大人しくしててくれ! な?」

    禁書「むが…これからなんだよ? 吸血鬼のなんたるかを教えてあげようとしたのにー」

    そうボヤきながらもテリヤキバーガーをムシャムシャと食べだすインデックスを見てげっそりとする上条。

    上条「いきなりこんなところで何言い出すんですか… おかげさまですっかりひかれちまってるじゃねーか」

    頭をかかえる上条の隣にはニヤニヤと笑う青ピと土御門がいた。

    11 = 1 :

    青ピ「なんや…銀髪幼女シスターで更に電波系とは上ヤンも中々コアな属性持ちやねー」

    土御門「まったくだぜい まぁ、面白かったから最後まで聞きたかったっていうのもあるけどにゃ~」

    上条「もう何とでも言ってください…」

    そう呟いた上条当麻が天を仰ぐ。

    しかし、幾分勢いが強すぎた。

    上条当麻が座っているボックス席、その後ろにいた人物の後頭部と上条の後頭部が衝突しごちんと大きな音をたてる。

    上条「い、痛ぇー!」

    痛みに悶絶する上条だったが土御門達はそんな上条を気遣うどころか羨ましがっているようなセリフを口にした。

    土御門「こいつは驚きだにゃー。 巫女さんだぜい」

    青ピ「しかも美人さん… なんで上ヤンばっかりこないな定番イベントが訪れるんや…」

    上条「き、キミタチ…ちょっとは友人をいたわろうという気持ちはないんですか…って。 巫女さん!?」

    聞き慣れない言葉を聞いて思わず聞き返す上条当麻。

    12 = 1 :

    振り返った上条当麻の目に飛び込んできたのは確かに巫女の装束を来た少女だった。

    ファーストフード店にいる巫女という奇天烈な存在に言葉を失う上条。

    そんな上条に少女がスッと手を差し出してこう言った。

    「100円。」

    上条「…はいぃ?」

    意味が判らず聞き返す上条当麻に当然のようにして説明をする巫女姿の美少女。

    「100円。 私の頭への一撃。 それの慰謝料。」

    ズイと目の前に手を突き出されガックリと肩を落とした上条当麻が何回目になるか判らないあのセリフをぼそりと呟く。

    上条「ふ、不幸だ…」

    13 = 1 :

    ■学園都市・メクドナルド


    青ピと土御門に誘われるがまま一緒の席についた巫女と簡単な自己紹介をした上条当麻は最も気になることを聞き返す。

    上条「で、あんたは巫女さんではなく魔法使い…と」

    姫神「そう。 私。 魔法使い。」

    姫神秋沙と名乗った少女はコクコクと頷く。

    禁書「だから魔法使いってなに? 曖昧なこと言ってないで専門と学派と魔法めむぐぐぅ!」

    上条「はいはい話がややこしくなるから黙ってましょうねー」

    興奮したインデックスの口の中にハンバーガーを突っ込む上条当麻。

    そして、ふと違和感に気付く。

    無表情の男たちが自分たちの座っているボックス席の周りをぐるりと取り囲んでいたのだ。

    14 = 1 :

    自分の周囲を取り囲む男たちを見て姫神が立ち上がる。

    上条「お、おい… 知り合いか?」

    アンバランスな組み合わせに思わず疑念の声をあげる上条だったが、その問に姫神があっさりと答える。

    姫神「ん。 塾の先生。」

    そう言って男たちと共にスタスタと店を出て行く姫神。

    禁書「塾の先生がお迎えもしてくれるだなんて私は過保護すぎだと思うんだよ?」

    ムッシャムッシャと上条のハンバーガーを口に放りこみながらそうインデックスが感想を言う。

    普段の上条ならば、おまえがゆーな!と言いたくなるセリフだったが、何故か姫神秋沙の態度は上条当麻の心にひっかかっていた。

    16 = 1 :


    ■路上

    青ピと土御門と別れたあと、目の前に子猫が現れる。

    飼う飼わないの押し問答を上条とインデックスが繰り広げているうちに子猫がふらりと姿を消した。

    子猫に逃げられて走りだすインデックスの後を追おうとした上条の前に突然現れたのは赤髪の魔術師。

    豪炎が上条当麻を襲い、反射的に右手でもってそれを打ち消す。

    上条「なっ! なにをするつもりだテメエ!」

    そう吠えた上条当麻に向かいステイル=マグヌスは小さく笑いこう告げた。

    ステイル「うん? 内緒話だけど?」

    18 = 1 :

    ■路上

    ステイル=マグヌスの説明を聞いて深い溜息をつく上条。

    上条「…つまりだ」

    上条「“三沢塾”にたてこもっている錬金術師が監禁した少女を助けるために行動を共にしろってことか」

    上条「それもお願いじゃなくて脅迫でかよ…」

    ステイル「おやおや脅迫だなんて人聞きが悪いな。 別に拒否してくれても構わないんだけど?」

    ぼやく上条に向かってニヤリと笑うステイル。

    ステイル「拒否すれば君の側にいる禁書目録は回収する。 ただそれだけのことさ。 まぁ君は拒否なんてしないだろうがね」

    上条「………テメエ」

    返す言葉がなく歯を食いしばる上条にステイルが一枚の写真を放る。

    ステイル「その娘の顔をよく覚えておけ。 それが“吸血殺し”姫神秋沙だ」

    写真を見て上条当麻が絶句する。

    上条「マジ…かよ…」

    そこには先程ファーストフードで見た黒髪長髪の巫女が写っていた。

    19 = 1 :




    物語は加速する。


    20 = 1 :

    ■三沢塾・昼

    ステイルと共に三沢塾に乗り込んだ上条当麻の前に現れたおかしな鎧。

    近づこうとした上条にステイルが何でもないように話しかける。

    ステイル「珍しいかい? ただの死体だよ?」

    事もなげにステイル=マグヌスはそう口にした。

    上条当麻はごく普通の予備校のロビーに死体が転がっているということに驚愕し、息を呑む。

    ステイル「何を驚いているんだい? ミイラ取りがミイラになる。 戦場じゃありふれたことさ」

    そう上条に言うと死体に向き直るステイル。

    口の中で祈りのことばを呟くと、次の瞬間に死体は灰となった。

    「行くよ ―――戦う理由が増えたみたいだ」

    十字を切りながらコートを翻すステイル=マグヌス。

    上条(……怒っているのか?)

    ステイルの後ろ姿を見てそう心のなかで呟く上条当麻。



    そのときだった。

    21 = 1 :

          「自然。 こうなるであろうということは判っていた」

    吹き抜けのロビーに声が響いた。

    ステイル「ほう…何の策も巡らさず、白昼堂々姿をさらすのかい?」

    敵意を込めたステイルの視線の先には髪を緑に染めたオールバックの男がいた。

    上条「お、おい… もしかしてあいつが?」

    ステイル「そうだ。 あれがパラケルススの末裔たる錬金術師。 元ローマ正教『隠秘記録官』アウレオルス=イザードだ」

    目の前に現れた男、アウレオルス=イザードから視線を片時も離さずに上条に説明するステイル。

    だが…

          『当然。 策は巡らせてある』

    同一でありながら新たな声がロビーに響く。

    ステイル「なっ!?」

    上条「はぁっ!?」

    驚く上条とステイル。

    22 :

    時系列把握
    しえん

    23 = 1 :

    ロビーの反対側から現れたのは全く同じ顔をしたもう一人の錬金術師。

    アウレオルス「「完全。 ここに侵入を試み、我が計画を邪魔する輩には等しく死を与えよう」」

    寸分の違いもなく二人の声が響く。

    それと同時に球体の光弾がありとあらゆるところから浮かび上がる。

    ステイル「…これはいっぱい食わされたかな。 なるほど、こんなところで死体が転がっている理由がそれか」

    歯噛みをしながらステイルが呟く。

    ステイル「まさかレプリカとはいえ“グレゴリオの聖歌隊”を創りだすとはね」

    上条「ぐ、ぐれごりおの聖歌隊? なんだよそれ!?」

    ステイル「君に魔術の説明をしたところで意味が無いさ。 それよりも僕達がチェックメイトをかけられているという事のほうが重要だね」

    何とかして打開策を模索するステイル。

    だが、広いロビーの中央に立った彼等を取り囲む無数の光弾から逃れられる術はひとつもなかった。

    24 :

    早くしろよカスが

    25 = 1 :

    アウレオルス「「厳然。 例外はない。 私は私の道を阻む者を排除する」」

    そう言って手を振り上げるアウレオルス。

    だが、その手は振り下ろされなかった。

    姫神「待って。」

    アウレオルスの前には両手を広げた姫神秋沙。

    姫神「私の目的には。あなたが必要。 あなたの目的には。私が必要。」

    アウレオルス「……」

    姫神「あなたがすべきことは人を殺すこと? それならば。私はもう降りる。」

    そう告げた姫神を見てアウレオルスはふっと微笑む。

    アウレオルス「必然。 こんなところで時間を裂く必要もなし」

    懐から取り出した金の針を己の首筋へ突き立てるアウレオルス。

    アウレオルス「少年。 魔術師。 案ずるな、殺しはしない」


            「―――全て忘れろ」

    26 :

    いくら上条の主人公補正といってもアンデルセンがでてきたら即死だろ
    神裂までならまだしもアックアすら殺しそうな人だぞ

    27 = 1 :




    物語は更に加速を増す。


    28 = 1 :

    ■三沢塾・夕方


    禁書「やっぱり…巧妙に隠してはいるけど、このビルから力を全く感じないんだよ」

    三沢塾の前に立ったインデックスが呟く。

    禁書「結界にしても異質だし… まるで侵入者を逃がさない牢のような構成?」

    ブツブツと呟きながらビルの中に踏み入るインデックス。

    そんなインデックスにどこか優しさを含んだ声がかかる。

          「当然。 私のことなど覚えてはいないだろう」

    声の主はアウレオルス。

    三年前…インデックスを救おうと奔走し、それでも力足りず絶望に身を焦がした男。

    アウレオルス「依然。 だがそれもすぐに終わる。 私は君を救うためにこの身を堕としたのだ」

    金の針をその手に取りながら諭すように言葉を続けるアウレオルス。

          「―――眠れ。 今はただ安らかに」

    29 = 1 :

    ■三沢塾入口前・夜

    夜の公園でぼんやりと佇んでいた上条当麻が、右手で持って自分の頭に触れた瞬間、全ての記憶が復元した。

    隣にいたステイル=マグヌスの記憶も同様にして復元。


    そして…上条当麻とステイル=マグヌスは再度三沢塾の前に立っていた。


    奇妙な形をしたビルの前に並ぶは銀の鎧に身を包んだ何人もの騎士。

    上条当麻の制止の声も聞かずローマ正教十三騎士団が放ったのは真なる“グレゴリオ聖歌隊”による聖呪爆撃。

    その威力に驚くのも束の間、崩れかかった巨大なビルが目の前で再生していくのを見て上条当麻は目を丸くする。

    ステイル「見たかい? あれが僕らの敵。 アウレオルス=イザードさ」

    驚く上条当麻にそうステイルが告げてビルの中に駆けこんでいく。

    上条「おっおい! 待てよ!」

    その言葉に正気づき、ステイルに遅れまいと駆け出す上条当麻。

    残されたのは原典である大魔術を無効化され呆然と地に座り込むローマ正教十三騎士団だった。

    30 = 1 :

    騎士「…信じれられぬ。 3333人の聖呪をこめた大魔術が無効化されるだと!?」

    そう一人の騎士が呟いた時だった。


    闇の中から声がした。

         「クックック…どうした? 自慢の切り札が効かないだけで諦めるのか?」

    それは闇よりも深い漆黒の哂い。

    ゾクリと十三騎士団の背に怖気が走る。

    騎士「だっ誰だ!?」

    恐怖にその背を追われるように周辺を警戒する騎士たち。

         「フン… なんだそのザマは。 ローマ正教十三騎士団が聞いて呆れる」

    クツクツと笑う声。

         「先程の小僧たちのほうが余程マシだ。 “世界の管理と運営”? ハッ! 笑わせてくれる」

    その声と共にズルリと姿を現す長身の影。

    32 = 22 :

    ジャッカルの弾とかはイマジンブレイクされちゃうのかね?

    33 = 1 :

    騎士「ま…まさかっ! 貴様が何故ここにっ!?」

    血のように赤いコートをその身に纏う男を見て騎士団は驚きに目を見開く。

    騎士「大英帝国王立国教騎士団! ヘルシングのゴミ処理係が何故ここにいるっ!!!」

    十字教の中でも忌むべき闇の機関、ヘルシング。
                      ジョーカー
    そのヘルシングが誇る最強の鬼札に向かい精一杯に声を張り上げる騎士。

    アーカード「なに…今夜はいい月だ。 こんな夜には散歩もしたくなる」

    まるで世間話をするかのように騎士団に語りかけるアーカード。

    アーカード「それよりだ。 …どうするローマ正教十三騎士団? どうするんだローマ正教? 貴様等は私をどうするつもりなのだ?」

    34 = 15 :

    だんなきた

    35 = 1 :

    それは挑発。

    信仰を試すかのようなその物言いに怒る十三騎士団。

                        ミディアン
    騎士「…知れたこと! 十字教が化物を飼っているなど我らは認めん! 今ここで滅するのみ!」

    そう叫びながらアーカードを取り囲み、銀の剣を向ける騎士達。

    それを見たアーカードの口元が裂けるように大きく歪む。

    アーカード「なるほど。 道理だ。 それは全くもって道理だ」

    己を取り囲む兇器を愛おしげに眺めながらアーカードが開戦の言葉を口にする。

    アーカード「ククク…では始めよう。 人と化物の闘争を。 己が存亡を賭けた闘争を!」

    36 = 24 :

    >>32
    ありゃ異能でもなんでもねぇだろ

    37 = 1 :

    ■三沢塾・校長室


    長机の上に寝かされたインデックス。

    その傍らには懺悔をするかのごとく地に膝を付けた男がいた。

    アウレオルス「馬鹿な……」

    上条当麻とステイル=マグヌスの前で愕然としているのはアウレオルス=イザードだった。

    錬金術師を呆然とさせたのはステイル=マグヌスによって告げられた言葉。


    ―既にインデックスは救われている―


    それはアウレオルス=イザードにとって最も嬉しい言葉であると同時に最も残酷な言葉だった。

    アウレオルス「な、何故だ? 何故貴様はもっと早く現れなかった!!」

    アウレオルスが上条当麻に詰め寄る。

    38 = 1 :

    それは純粋な怒りだった。

    自分のためではない。

    救うのが遅すぎたと、何故もっと早く救わなかったと…ただ一人の少女、インデックスの為にアウレオルスは怒っていた。

    上条当麻はアウレオルスを見ることができない。

    上条当麻に落ち度はないが、それでも錬金術師の怒りは痛いほど伝わっていた。

    謝罪の言葉など意味はない。

    ただ黙ってアウレオルスの激情を受け止めている上条当麻。

    そんな中、ポツリと少女がアウレオルスに言葉をかけた。

    姫神「でも。貴方のしたことは間違いではなかったはず。」

    アウレオルス「…っ! 知ったふうな口を聞くなっ!」

    姫神に怒りをぶつけるアウレオルス。

    39 :

    DMCのダンテとアーカードの旦那が戦ったらどっちが強いんだろうか

    40 = 22 :

    しえん

    41 = 1 :

    しかし、姫神はそんなアウレオルスを見て静かに笑いかけた。

    姫神「貴方は。その娘を救えなかった。 けど。私は貴方に救われた。」

    それは姫神秋沙の本心。

    己の力を利用しようとした過去の三沢塾を破壊してくれたのはアウレオルスである。

    そして彼女の願いを聞き入れ、保護をしてくれたのもアウレオルスなのだ。

    例え、それが単なる利害の一致だとしても姫神秋沙はアウレオルスに深い感謝の念を持っていた。

    姫神「私は。貴方と出逢うことができて本当に良かったと思っている。」

    そう呟いて膝を付いたアウレオルスの肩に手を置く姫神。

    アウレオルス「私が…貴様のことを只の駒としか見ていない。 それを知ったうえでも同じことが言えるか?」

    まるで自らを罰してほしいと、そうすれば狂うことができると言わんばかりに姫神の手を払い退けるアウレオルス。

    42 = 1 :

    しかし…それを聞いた姫神はふわりと笑いアウレオルスの口調の真似をした。

    姫神「当然。 私。魔法使い。 そんなことはとうの昔に知っていた。」

    それを聞いたアウレオルスは久しぶりに…本当に久しぶりに姫神秋沙の瞳を見た。

    アウレオルス「……」

    見つめ合うアウレオルスと姫神秋沙の間に静かな沈黙が流れる。

    ステイル「…なんだ、拍子抜けだな。 てっきり僕は戦闘になるとばっかり思っていたんだが」

    タバコに火をつけながらそうボヤくステイル。

    上条「なーんでアンタはいい雰囲気になってるのにブチ壊しちゃいますかね…」

    そんなステイルを見て肩を落とす上条当麻。





    その時だった。

    43 = 1 :

    ゾクリと上条の背筋に悪寒がはしる。

    それは圧倒的な死の予感。

    暴力の予感。

    思わず辺りを見回す上条。

    そしてそれはその場にいる者すべてが感じていた。

    アウレオルス「…疑念。 貴様らは二人か?」

    緊張の中、声をあげたのは錬金術師。

    ステイル「フン。 そんなこと聞かなくてもあんたならわかるはずだろう?」

    軽口を叩くステイルだが、その口元にあるタバコは小刻みに震えていた。

    45 = 1 :

    アウレオルス「ならば必然。 今侵入してきたものは敵であると私は決断する」

    立ち上がったアウレオルスが指を鳴らす。


    アウレオルス「“私”よ。 侵入者だ」


    その言葉に入り口から声が返ってきた。


    アウレオルス『当然。 侵入者は排除する』


    部屋の奥に立つアウレオルスと入り口に立ったアウレオルスがそこにいた。

    二人の錬金術師を見て上条当麻は思い出す。

    上条「おまえら…いったい!?」

    そんな上条当麻の疑問を鼻で笑った二人のアウレオルス=イザードが声を揃える。

    アウレオルス=イザード「「必然。 一人がオリジナル。 一人がダミーだ。 それすら思考が及ばぬとは哀れだな」」

    上条「なっ! なんですと!?」

    だが、そんな上条の憤慨はいとも容易く無視された。

    46 = 15 :

    書きためしたのか?
    いいね

    47 = 1 :


    アウレオルス「“私”よ。 もはや私の目的は無くなった。 既にこの砦に用はない」

    そう自らに話しかける錬金術師。

    アウレオルス『ならば“私”よ。 話が通じるのならば追い返すということでいいのだな?』

    上条当麻の目にはそれが高度な二人による独り言のようにも見えた。

    アウレオルス「自然。 今の私に妄執はない」

    アウレオルス『必然。 ならば私は“私”の思うとおり動くとしよう』

    そう短く言葉を残し、アウレオルスのダミーが消えた。

    そんなアウレオルスを見ながらステイルが呟く。

    ステイル「ただの侵入者にしては些か物騒な殺気を感じたんだけど…まぁここは稀代の錬金術師のお手並み拝見とするか」

    48 = 1 :

    ■三沢塾・1階

    懐から鎖のついた黄金の鏃を取り出しながらアウレオルス=ダミーが歩く。

    それは傷付けたモノを即座に灼熱の黄金に変換するという恐ろしき魔術。

    もとよりこのビルの中は全てがアウレオルスの手中にある。

    限定された状況ではあるが、この中でなら聖人とも渡り合える圧倒的な力。

    …だというのに。

    アウレオルス=ダミーはまるで十三階段を登っているような気がしてならなかった。

    アウレオルス『間然。 一体いかなる存在が私を脅かすというのか』

    そう独りごちながらロビーに出たアウレオルスの視界に飛び込んできたもの。

    アウレオルス=ダミーは我が目を疑った。

    49 = 1 :

    それは惨殺されていた。

    それは轢殺されていた。

    それは殴殺されていた。

    銀の鎧を見に纏った死体が幾つもそこに転がっていた。
                                          デスマスク
    無惨に引きちぎられた手、踏み抜かれ砕けた脚、恐怖に怯えた死に顔。

    暴風のような死に襲われたローマ正教十三騎士団の“残骸”がそこにあった。

    アウレオルス『唖然。 なんだこれは? なにが起こったというのだ!?』

    思わずそう呟いたアウレオルスの耳に靴音が響いた。

    カツ…カツ…カツ…

    それはブーツの踵を鳴らす音。

    50 = 1 :

    まるでダメな子供を馬鹿にした大人のようななくぐもった笑い声。

         「何が起こっただと? 闘争だ。 私と彼等の闘争が起こっただけ。 ただそれだけのことだ」

    暗闇の中から現れた美しき男が哂う。

    アウレオルス=ダミーは一瞥で“ソレ”が何であるかを理解する。

    アウレオルス『憮然… 今更吸血鬼など。 もはや私は求めていない』

    吐き捨てるようなアウレオルス=ダミーの言葉を聞いてクツクツと喉の奥で笑いをこぼすアーカード。

    アーカード「それは残念だ。 だが…私は求めている。 闘争を。 戦いを。 殺し合いを」

    アウレオルスに向かいゴトリと一歩足を踏み出す。

    アーカード「貴様はどうする? その手に持つものはなんだ? それ敵を討ち。 敵を殺し。 敵を滅ぼすものだろう?」

    両の腕を広げゆっくりと歩くアーカード。


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