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    元スレ朋也「軽音部? うんたん?」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×5
    タグ : - 魔王 + - CLANNAD + - けいおん! + - クラナド + - ドラクエ + - 朋也 + - 朋也「けいおん?うんたん + - 涼宮ハルヒの憂鬱 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    201 = 1 :

    「見た目のこといってんなら、釣り合い取れてると思うぞ」

    「唯は当然かわいいとして、岡崎もなんだかんだいって男前だからな」

    「そ、そうかな…って、ちがうちがうっ!」

    「今日一緒にきたのは、なんていうか…私のわがままっていうか…」

    「とにかく、そういうのじゃないからっ!」

    「ふぅ~ん、でも、なぁんかあやしいなぁ」

    「もう許してよ、りっちゃん…」

    「いやいや、こういうことは、はっきりさせなきゃだな…」

    キーンコーンカーンコーン…

    「っと、タイムアップか。ま、昼にまた詳しく聞くからな。ばいびー」

    そそくさと自分の席へ戻っていった。

    「もう…ごめんね、岡崎くん。りっちゃん、いつもあんなだから…」

    朋也「いや、いいけど…」

    なんとなく挙動が誰かに似ている気がして、逆に親近感が湧くような…。
    そう思うのは気のせいだろうか。

    ガラリっ

    202 = 43 :

    乱暴にドアが開かれる。
    教師かと思ったが、目に入ってきた金髪で、その予想が裏切られたことを知る。
    普通に春原だった。
    肩で息をしながら着席し、そのまま机に突っ伏すと、微動だにしなくなった。

    朋也(あ、死んだ…)

    かのように見えたが、呼吸のためか、上体が上下しはじめた。

    朋也(寝たのか…なにしにきたんだ、あいつは…)

    ―――――――――――――――――――――

    生徒「気をつけ、礼」

    「ありがとうございました」

    授業が終わり、弛緩した空気になる。
    そこかしこから、昼は何にするだとか、そんな声が聞えてきた。

    「いこ、岡崎くん」

    朋也「ああ」

    いつものように平沢と職員室に向かう。
    土曜日は、4時間目が終わると、清掃なしで即SHRが行われ、放課となる。
    昼を摂れるのはそれからだった。

    ―――――――――――――――――――――

    203 = 1 :

    「平沢さん」

    「はい?」

    職員室でボックスの中を漁っていると、後ろから声をかけられた。

    さわ子「今日、なんで遅刻したの? 欠席かと思って、お家に電話したのよ」

    俺が主な原因だっただけに、どうもばつが悪い。

    さわ子「でも、誰も出ないし…携帯もつながらなかったし…」

    さわ子「だから、なにかあったんじゃないかって心配してたんだから」

    俺や春原なんかは常習犯だったし、この人は大体の事情も知っているから、いつものことで済まされる。
    だが、これが普通の生徒に対する、一般的な反応だった。

    「ごめん、さわちゃん。ただの寝坊だよ。携帯は電源切ってたんだ」

    部長の時とは違い、ごまかして伝えていた。
    仲がいいとはいえ、教師なので、俺の名前を出すことをしなかったのかもしれない。
    それを思うと、罪悪感を感じてしまう。

    さわ子「寝坊って…岡崎くんや春原くんじゃあるまいし…」

    さわ子「まぁ、いいわ。それで、いつきたの」

    「三時間目の終わりだよ」

    さわ子「それ、寝すぎじゃない? 夜更かしでもしてたの?」

    204 = 43 :

    「えへへ、まぁね。ギー太がなかなか寝かせてくれなくて…」

    さわ子「よくわからないけど、夜中にギターを弾くのは近所迷惑でもあるから、やめなさい」

    「は~い」

    さわ子「夜はしっかり寝て、ちゃんと学校に来なさいね」

    「はぁ~いぃ」

    さわ子「過剰に間延びした返事はやめなさい」

    「へいっ」

    さわ子「ほんとにもう…。あ、それと、岡崎くん」

    朋也「…なんすか」

    少し落ちた気分を引きずったままこたえる。

    さわ子「中庭、がんばってくれたみたいね。用務員のおじさんも喜んでたわ」

    朋也「はぁ…」

    さわ子「今日は特にやること決めてないから、帰ってもいいわよ」

    朋也「そっすか」

    さわ子「春原くん…は今日来てる?」

    205 = 1 :

    朋也「ああ。来てるよ」

    さわ子「じゃ、あの子にも言っておいてね」

    そう言い残し、職員室の奥へ去っていった。

    「私達も、いこっか」

    朋也「ああ」

    ―――――――――――――――――――――

    「ねぇ、今日なにもないんだったらさ、部室に遊びにこない?」

    配布物を運ぶ途中、平沢が口を開いた。
    前にもこんな調子で誘われた覚えがある。

    朋也「遊びって…いいのかよ」

    「うん、もちろん。一緒にお茶飲んだり、お話したりしようよ」

    普段はそうしていると聞いていたが、真剣な平沢たちも見てしまっている。
    それもあって、やはり、俺がその中に割って入るのは野暮ったく感じる。

    「ね? 春原くんも誘ってさ」

    黙っていると、そうつけ加えてきた。

    朋也「俺は遠慮しとく。あいつはどうか知らないけどさ」

    206 = 43 :

    仮に春原がその気になったとして、俺は止めることはしない。
    あの連中の中に入っていくことをどう思うかなんて、あいつの勝手だ。

    「ぶぅ、つまんないなぁ。くればいいのに」

    朋也「おまえがよくても、他の奴らがよく思わないかもしれないだろ」

    「そんなことないよ。みんな、ふたりがいた時はいつもより賑やかでよかったって言ってたし」

    朋也「部長もか」

    「うん。いないと、なんとなく寂しいって言ってたよ」

    朋也「そっか」

    少し意外だった。あんなにも春原と仲が悪かったのに。

    「だから、ね? 遠慮しないでいいんだよ?」

    朋也「いや…それでもやっぱ、いいよ」

    むこうが歓迎ムード寄りだったとしても、どうしてもおれ自身が気兼ねしてしまう。

    「ちぇ~…」

    ―――――――――――――――――――――

    SHRも終わり、やっと昼食の時間を迎えた。

    「岡崎くん、お昼どうするの? 学食?」

    207 = 1 :

    朋也「ん、ああ…決めてないな」

    「じゃあさ、また私たちと一緒に…」

    春原「おい、岡崎。さわちゃんなにも言わずに出てっちゃったんだけど、なんか聞いてる?」

    平沢がなにごとか言いかけた時、春原が現れた。

    朋也「今日はもう帰っていいってよ」

    春原「マジ? ラッキー」

    「ていうか春原くんって、さわちゃんって呼んでるんだね」

    春原「ああ、もう長い付き合いだからね」

    「私とりっちゃんもそう呼んでるんだよ。まる被りだね」

    春原「ま、最初にそう呼び始めたのは僕だろうけどね」

    なぜか対抗心を燃やし始めていた。

    「む、そんなことないよっ。私たちなんて、会った瞬間からそう呼んでたんだから」

    春原「甘いな。僕なんて、物心ついた頃から雰囲気でそう呼んでたんだぞ」

    朋也「時系列的にもありえないからな…」

    「だよね」

    209 = 43 :

    春原「岡崎、余計なこというなよっ。あとちょっとで勝てたのによっ」

    なににだ。

    春原「ま、いいや。んなことより昼、食いにいこうぜ」

    朋也「ああ、そうだな」

    言って、立ち上がる。

    「どこいくの?」

    春原「ラーメン屋…でいいよな?」

    確認を取るように、俺を見る。

    朋也「いいけど」

    「あ~、外かぁ。じゃ、しょうがないか…」

    春原「あんだよ、なんかあんのか」

    「いや、学食だったら、一緒にどうかなと思ったんだけどね」

    春原「そんなにどうしても僕たちと一緒がいいなら、ラーメン屋ついてくりゃいいじゃん」

    そこまで熱望していない。

    「お弁当持ってきてるからね。学食なら一緒のテーブルにつけたでしょ」

    210 = 1 :

    春原「あそ。じゃだめだな」

    春原「もういこうぜ、岡崎」

    言うが早いか、ぶっきらぼうに歩き出した。
    俺もそれに続く。

    「あ、春原くんっ、ご飯食べ終わったら、部室に遊びにこない?」

    春原「あん? 遊び?」

    振り返り、そう聞き返した。

    「うん。みんなでお菓子食べたり、お話したりするんだよ」

    春原「………」

    しばし逡巡する。
    こいつのことだ、食べ物に釣られて快諾するかもしれない。

    春原「それ、僕だけ? こいつは?」

    「岡崎くんは、こないんだって」

    春原「ま、そうだよねぇ、こいつは」

    俺を見て、納得したような顔をする。

    春原「僕も行かねぇよ」

    211 = 70 :

    りっちゃんうぜぇww

    212 = 43 :

    「春原くんもかぁ…残念…」

    春原「ま、僕たち、部活なんか大嫌いだからね。わざわざそんなとこ、寄りつかないよ」

    どうしてそこまで話してしまうのか。
    ただ、行かないとだけ言っていればいいのに。
    俺は春原を恨めしく思った。
    それほど触れられたくないことだった。

    「え? どうして…」

    春原「別にいいだろ、なんでも。とにかく嫌いなんだよ」

    曖昧に答える。
    こいつも、詳しく話す気はないようだ。

    「…もしかして、楽しくなかったかな、私たちといて…」

    どうやら平沢は、断る口実として言ったものだと受け取っているようだった。
    …よかった。内心かなりほっとする。

    春原「ばぁか。んなもん、僕とこいつの友情にくらべれば屁みたいなもんだよ」

    春原「だよな? 岡崎っ」

    朋也「ああ、その通り。屁の化身みたいな奴だよ、おまえは」

    春原「なにを肯定してるんだよっ!? 一言もそんなこといってないだろっ!」

    「あははっ、確かに、仲いいよね、ふたりとも」

    213 = 1 :

    春原「ふふん、まぁね」

    ぴと ぴと

    春原「あん? なに背中つついてんの、おまえ」

    朋也「いや、俺の服、ちょっとほつれてたからさ、その糸くずだよ」

    ぴと ぴと

    春原「いや、もうやめろよっ! 地味に嫌だよっ!」

    背に手を伸ばし、はたきだす。

    朋也「動くなよ、もう少しでバカって文字が完成するんだから」

    春原「あんた、めちゃくちゃほつれ多いっすね!」

    「あははっ」

    ―――――――――――――――――――――

    朋也「おまえは行くと思ってたんだけどな」

    春原「なにが」

    朋也「軽音部」

    春原「はっ…行かねぇよ。おまえと同じ理由でな」

    214 = 43 :

    朋也「そうか…」

    秤にかけるまでもなかったということか。

    朋也「でも、昼飯は一緒でもいいんだな。ラーメン屋ついてきてもよかったんだろ」

    春原「ああ、それくらいならね」

    こいつの中では譲れるラインらしい。
    普通ならもう関わることさえしなくなっているだろうに。
    やっぱり、こいつもどこか軽音部の連中のことを気に入っていたのかもしれない。

    春原「ま、ムギちゃんがいるってのがデカイんだけどね」

    朋也「ふぅん。つーか、おまえマジなの」

    春原「ムギちゃん?」

    朋也「ああ」

    春原「彼女にできれば、将来明るそうじゃん? お嬢様だぜ?」

    朋也「そんな理由かよ」

    春原「まぁ、それだけじゃないよ。かわいいし、いいこだしね」

    春原「僕の彼女になれる条件を満たしてるってことだよ」

    こいつは琴吹の『いつか殺りたい人間』リストの最上段に載れる条件を全て満たしているはずだ。

    215 = 1 :

    ―――――――――――――――――――――

    春原「はぁ、うまかった」

    ラーメン屋で昼を済ませ、外に出てくる。

    春原「学食のもいいけどさ、たまにはがっつり、ニンニク入ったラーメンも食いたくなるよね」

    朋也「そうだな」

    これはかなり共感できた。
    チーズバーガーが無性に食べたくなる衝動と同じ原理だ。多分。

    春原「あ、コンビニ寄ってかない?」

    朋也「いいけど」

    ―――――――――――――――――――――

    近くのコンビニに入る。
    同じ学校の制服もちらほら見かけた。

    春原「今週は載ってるかな…」

    小さくつぶやき、雑誌コーナーへ向かう。
    俺もそれに倣った。

    ―――――――――――――――――――――

    春原「うぉ…ははっ」

    216 = 1 :

    手に取った雑誌を読みふけり、興奮を織り交ぜながら笑いをこぼしていた。

    朋也(口に出すなよ…うるせぇな…)

    朋也「春原、もうちょい奥にいってくれ。立ち読み客がつかえてる」

    春原「ん、おお」

    雑誌から目を離さずに移動する。

    朋也「まだ足りないって」

    春原「ん…」

    端までたどりつく。
    そう、そこはまさに、警告標識で仕切られた、いかがわしい雑誌コーナーの目の前。

    春原「うっお…へへっ」

    そんな場所で不気味なうめき声を上げるこの男。
    ただの変態だった。

    生徒1「あれって…」

    生徒2「えぇ…やばいよ…」

    生徒1「大丈夫だって…」

    うちの学校の生徒にも目撃されていた。
    その女生徒たちは、なにやら携帯を取り出すと、カメラのレンズを春原に合わせているように見えた。

    217 :

    さるさん?

    219 = 43 :

    そして、ちゃらりん、と音がすると、ダッシュで店を出ていった。

    朋也「………」

    あの春原の姿が全校生徒のデータフォルダに保存される日は近いかもしれない…。

    ―――――――――――――――――――――

    春原「岡崎、なんか思いついた?」

    朋也「いや、なにも」

    俺たちはなんの目的もなく、ただ駅前に出てきていたのだが…
    そんなことだから、当然のように間が持たなくなっていた。
    今は適当なベンチに腰掛けて、遊びのアイデアをひねり出していたのだ。
    だが、どれも不毛なものばかりで、一向に納得できる案が浮かんでこない状態が続いていた。
    つまりは…いつもの通り、暇だった。
    これが俺たちの日常だったから、もういい加減慣れてしまっていたが。

    春原「じゃあさ、白線踏み外さずに、どこまでいけるかやろうぜ」

    朋也「おまえ、ほんとガキな」

    春原「いいじゃん、この際ガキでもさ。あそこのからな出発なっ」

    指をさし、その地点へ駆けていく。

    朋也(しょうがねぇな…)

    俺も仕方なくついていった。

    220 = 1 :

    ―――――――――――――――――――――

    春原「おい、おまえもやれよ」

    俺は春原の横につき、白線の外にいた。

    朋也「俺は監視だよ。おまえがちゃんとルールに則ってプレイしてるかチェックしてやる」

    朋也「確か、踏み外すと、その足が粉砕骨折するってことでよかったよな」

    春原「んな過酷なルールに設定するわけないだろっ! どんなシチュエーションだよっ!」

    朋也「じゃあ、落ちてる犬の糞を踏んだら残機がひとつ増えるってのは守れよ」

    春原「なんでそんなもんで1UPすんだよっ!? むしろダメージ受けるだろっ!」

    朋也「いや、そういう世界観のゲームなのかなと思って。おまえが主人公だし」

    春原「めちゃくちゃ汚いファンタジーワールドっすね!」

    朋也「いいから、早くいけよ、主人公」

    春原「おまえがいろいろ言うから開幕が遅れたんだろ…」

    ぶつぶつと愚痴りながらも白線に沿って進み始めた。

    ―――――――――――――――――――――

    春原「あー、もういいや、つまんね…」

    221 = 43 :

    商店街を出て、しばらく来たところで春原が白線から出た。

    朋也「なに言ってんだよ、十分楽しんでたじゃん」

    朋也「その辺に生えてるキノコ食って巨大化とか言ってみたりさ」

    春原「どうみてもそのキノコのせいで幻覚みてますよねぇっ!」

    朋也「で、これからどうすんだよ」

    春原「帰るよ、普通に…ん?」

    春原の視線の先。
    電柱のそばに、作業員風の男がヘルメットを腰に提げて立っていた。
    時々電柱を見上げ、手にもつボードになにかを書き込んでいる。
    点検でもしていたんだろうか。

    春原「んん!? うわっ…マジかよ…やべぇよ…」

    その男を見つめたまま、春原がうわごとのようにつぶやく。

    朋也「どうした。禁断症状でもあらわれたか」

    春原「もうキノコネタはいいんだよっ。それより、おまえ、気づかないのかよっ」

    朋也「なにが」

    春原「ほら、あの人だよっ」

    男を指さす。

    222 = 1 :

    朋也「作業員だな」

    春原「そうじゃなくて、あの人、芳野祐介だよっ! おまえも名前ぐらい聞いたことあるだろ」

    朋也「芳野祐介…?」

    確かに、どこかで聞いたことがあるような…。

    春原「ほら、昔いたミュージシャンの」

    朋也「ふぅん、ミュージシャンなのか。名前はなんとなく聞いたことあるような気はするけど」

    春原「メディア露出がほとんどなかったからな…顔は知らなくても無理ないか…」

    春原「でも、それでもかなり売れてたんだぜ? おまえもラジオとかで聞いてるって、絶対」

    朋也「そうかもな、名前知ってるってことは」

    春原「はぁ…でも、この町にいたなんてな…しかも電気工なんかやってるし…それも驚きだよ…」

    朋也「ただのそっくりさんかもしれないじゃん」

    春原「いや、絶対本人だって」

    朋也「なんでそう言い切れるんだよ」

    春原「あの人が出てる数少ない雑誌も全部読んでるからね」

    朋也「おまえ、んなコアなファンだったの」

    223 = 43 :

    春原「いや、妹がファンでさ、そういうの集めてたんだよ」

    春原「それで、僕も影響されて好きになったんだけどね」

    朋也「おまえ、妹なんかいたのか!?」

    春原「ああ。言ってなかったっけ?」

    朋也「初耳だぞ。紹介しろよ、こらぁ」

    春原「実家にいるから無理だっての」

    …それもそうか。確か、こいつの実家は東北の方だったはずだ。
    というか…春原の妹なんていったら、きっとゲテモノに違いない。
    それを思うと、すぐに萎えた。

    春原「それよか、サインもらいにいこうぜ」

    朋也「俺はいいよ。ひとりでいけ」

    春原「もったいねぇの。あとで後悔しても遅いんだからな」

    朋也「しねぇよ」

    春原「じゃ、いいよ。僕だけもらってくるから」

    言って、芳野祐介(春原談)に振り返る。

    春原「あ…」

    224 = 1 :

    その先へ向かおうとしたところで、ぴたっと動きを止めた。

    春原「………」

    朋也「どうしたんだよ」

    春原「いや…ちょっと思い出したんだよ」

    朋也「なにを」

    春原「いや、芳野祐介ってさ、もう引退してるんだけど、その最後がすげぇ荒んでたって聞いたんだよね…」

    春原「当時のファンだったら絶対声かけないってくらいにさ…」

    朋也「もう時効なんじゃねぇの。いけよ」

    春原「おまえ、ほんと誰にでも鬼っすね…」

    朋也「あ、おい、もう行こうとしてないか」

    芳野祐介(春原談)は、軽トラの荷台に仕事道具を積み始めていた。

    春原「やべっ…」

    春原「岡崎、おまえも協力してくれっ」

    朋也「なにをだよ」

    春原「それとなくサインもらえるようにだよっ」

    225 = 43 :

    朋也「ああ? どうやって」

    春原「そうだな…」

    あごに手を当て、考える。

    春原「僕が合図したら、おまえは、うんたん♪うんたん♪ いいながらエアカスタネットしてくれ」

    朋也「はぁ? 意味がわからん」

    春原「いいから、頼むよっ」

    朋也「いやだ」

    春原「今度カツ丼おごるからっ」

    朋也「よし、乗った」

    ―――――――――――――――――――――

    春原「あのぉ、すみません…」

    積み作業を続ける芳野祐介(春原談)の手前までやってくる。

    作業員「あん?」

    一時中断し、俺達に振り向いた。

    春原「僕たち、大道芸のようなものをたしなんでるんですけど…」

    226 = 1 :

    春原「もしよかったら、今、みていただけませんかね?」

    作業員「大道芸なら、繁華街のほうでやればいいんじゃないか」

    春原「いや、まだそれはハードルが高いっていうか…」

    春原「まずは少人数でならしていこうと思いまして…」

    作業員「ふぅん…そうなのか」

    腕時計を見て、なにか考えるような顔つきで押し黙る。

    作業員「…まぁ、少しなら付き合ってやれる」

    春原「ほんとですか!? あざすっ!」

    春原「それじゃ…」

    春原が俺に目配せする。
    合図だった。

    朋也「うんたん♪ うんたん♪」

    春原「ボンバヘッ! ボンバヘッ!」

    いつかみたヘッドバンギング。
    その隣で謎のリズムを刻む俺。
    ………。
    俺たちは一体なにをしているんだろう…。
    というより、なにがしたいんだ…。

    227 = 43 :

    やっている自分でさえわからない。

    作業員「………」

    芳野祐介(春原談)も明らかに怪訝な顔で見ていた。

    春原「…ふぅ」

    作業員「…もう終わりか?」

    春原「え? えっと…まだありますっ」

    多分、今ので終わる予定だったんだろう。

    朋也(まさか、いいリアクションがくるまでやるつもりじゃないだろうな…)

    と、また目配せされた。

    朋也「うんたん♪ うんたん♪」

    春原「ヴォンヴァヘッ! ヴォンヴァヘッ!」

    今度は横に揺れていた。
    くだらなさ過ぎるマイナーチェンジだった。

    ―――――――――――――――――――――

    春原「ぜぇぜぇ…こ、これで終わりっす…」

    結局一度もいい反応を得ることなく、春原の体力が底を尽いていた。

    228 = 1 :

    作業員「…ひとつ訊いていいか」

    春原「はい? なんですか…」

    作業員「一体、なにがしたかったんだ?」

    それは俺も知りたい。

    春原「え? やだなぁ、エアバンドじゃないっすか」

    そうだったのか。
    というか、おまえがやったのはどっちかというとエア観客じゃないのか。

    作業員「そうか…よくわからんが、まぁ、がんばれよ」

    励ましの言葉をくれると、車のドアを開け、そこに乗り込もうとする。

    春原「あ、ちょっといいっすか?」

    作業員「なんだ、まだなにかあるのか」

    春原「あの…このシャツにサインしてくれませんか」

    強引過ぎる…。
    話がまったくつながっていなかった。
    エアバンドの前フリは一体なんだったのか…。

    作業員「俺がか?」

    春原「はい。最初のお客さんってことで、記念にお願いします」

    229 = 43 :

    作業員「…まぁ、あんたがいいなら、やるが」

    春原「あ、本名でお願いしますよ。あと、春原くんへってのもお願いします」

    ますます話が破綻していた。
    普通は役者がファンにするものだろうに。

    春原「春原は、季節の春に、はらっぱの原です」

    作業員「ああ、わかった」

    書き始める。
    これで名前が芳野祐介じゃなかったら爆笑してやる。

    作業員「これでいいか」

    春原「っ…ばっちりっす! あざした!」

    朋也(おお…)

    そこに書かれていたのは、芳野祐介という名前。
    同姓同名の他人…なんてことはやっぱりなくて、本物なのか…。

    芳野「…はぁ」

    また腕時計で時間を確認する。

    芳野「あんたら、時間あるか」

    春原「え? はい、有り余ってますっ」

    230 = 1 :

    芳野「なら、バイトしないか」

    春原「バイトっすか」

    芳野「ああ。作業を手伝って欲しいんだ」

    春原「もちろんやりますよっ」

    芳野「助かる。なら、車に乗ってくれ」

    春原「はいっ」

    元気よく答えて、助手席に向かう。

    春原「岡崎、なにつっ立ってんだよ。早くこいって」

    朋也「俺もかよ…」

    春原「ったりまえじゃん」

    朋也(なにが当たり前だ…)

    しかし、バイトだと言っていたのだから、当然バイト代も出るのだろう。
    どうせ、暇だったのだ。
    金がもらえるなら、それも悪くないかもしれない。

    ―――――――――――――――――――――

    春原「うぇ…しんど…」

    231 :

    前に三日ぶっ通しで京アニクロスSSかいた人?

    232 = 89 :

    しえん

    233 = 1 :

    朋也「俺も、脚パンパンだ…」

    梯子や街灯を支えていたのだが、これが大層な力作業だった。
    不安定なものを固定するというのが、ここまで神経を使い、なおかつ筋力も酷使するものだったとは…。

    芳野「助かったよ。ご苦労だったな」

    ちっとも疲労感を感じさせない、余裕のある佇まい。
    俺達よりよっぽど過酷な作業をこなしていたというのに…。

    春原「きついっすね…いつもこんなことしてんすか…」

    芳野「ああ、まぁな。今日はこれでも軽い方だ」

    春原「はは…これでっすか…」

    これが社会人と、俺たちのような怠惰な学生の違いなのだろうか。
    こんなにも疲弊しきっている俺たちを尻目に、この人は涼しい顔で軽い方だと言ってのける。
    午前中にも、ずっと同じような作業をしてきたかもしれないのに…。
    小さな悩みとか、そういうことをうじうじ考えているのが馬鹿馬鹿しくなるほどに、しんどい。
    社会に出るというのは、そんな日々に身を投じるということなのだ。
    想像はしていたけど…想像以上だった。
    今までどれだけ働くということを甘く考えていたか、いやというほど思い知らされた気分だ。
    でも、芳野祐介だって、俺たちとさほど変わらない歳の若い男だ。
    その男からいとも簡単に『軽い方だ』などと言われれば、ショックもでかかった。
    俺は歴然とした差を感じ、いいようのない焦燥感に襲われていた。

    芳野「あんたら、予想以上によく動いてくれたよ。体力あるほうだ」

    春原「はは…」

    234 = 164 :

    >>226
    ヘッドバンギングになっとるwww
    頑張ってくれ

    235 = 43 :

    朋也「そっすか…」

    なんの救いにもならない。

    芳野「今から事務所の方に行ってくるから、少し待っててくれ」

    春原「はい…つーか、動きたくないっす…」

    ふ、と笑い、俺と春原の肩を軽く叩き、労いの意を示してくれた。

    ―――――――――――――――――――――

    芳野「待たせたな。ほら、バイト代」

    灰色の封筒を差し出した。
    下の方に何やら会社名が書いてあった。

    春原「あざす」

    朋也「ども」

    芳野「悪いな、半分しか出なかった」

    芳野「一日働いてないのに、丸々出せるかって言われてな」

    俺は痛みの残る腕で封筒を開けた。ひのふのみの…

    朋也「これ、間違いじゃないんすか?」

    春原「はは…」

    236 = 89 :

    >>234
    すげえww
    書き溜めている分まで訂正できるとは
    なかなか気づけないぞ

    237 = 1 :

    春原もその額になにか思うところがあるようだ。

    芳野「ん? そんなことないと思うが」

    俺は芳野祐介に封筒を渡し、見てもらった。

    芳野「違わない。そんなに少なかったか?」

    いや、逆だ。どうみても、多いと思った。
    話では、これでも半分の額だという。
    もし満額もらっていたのなら。
    この額ならば、自分の力だけで食っていける…。
    けど、それはやっぱり甘い考えなんだろう。
    俺のように冷めやすい性格の人間に勤まるような仕事じゃなかった。
    きっとすぐに嫌気が差して、投げ出してしまうに違いなかった。
    じゃあ、俺はどんな場所に収まれるというんだろう…。
    俺はかぶりを振る。
    そんなことを今から考えていたくなかった。

    春原「いや、めちゃ満足っす。こわいくらいに…」

    芳野「そうか。なら、よかった」

    芳野「また暇な時にでもバイトしにきてくれ。ウチはいつだって人手不足だからな」

    芳野「ほら、名刺」

    春原「いいんすか? もらっちゃって」

    芳野「名刺くらい、別にいい」

    238 = 1 :

    春原「っしゃ! ざぁすっ!」

    俺も名刺を受け取る。そこには電設会社の名前と、芳野祐介という文字が記されていた。

    芳野「じゃあ、急ぐんでな」

    芳野祐介は荷物を持つと、向かいに止めてあった軽トラへと歩いていく。
    中に乗り込み、最後にこちらを見て片手を上げると、低いエンジン音と共に去っていった。

    ―――――――――――――――――――――

    春原「いやぁ、今日は大収穫があったね」

    ベッドに寝転び、もらった名刺を眺めながらごろごろと二転、三転している。

    春原「臨時収入はあったし、あの芳野祐介の名刺まで手に入るなんてさ」

    春原「やっぱ、日ごろの行いがいいと、こういう幸運に恵まれるんだね」

    朋也「確かに、この雑誌の後ろの方にある占いによると、おまえの星座、今日運気いいってあるぞ」

    春原「マジで?」

    朋也「ああ。でも、今日までらしいぞ。明日以降は確実に死ぬでしょう、だってよ」

    春原「どんな雑誌だよっ! 死期まで占わなくていいよっ!」

    朋也「ラッキーアイテムは位牌です、ってかわいいキャラクターが満面の笑みで言ってるぞ」

    春原「諦めて死ねっていいたいんすかねぇっ!?」

    239 = 43 :

    ―――――――――――――――――――――

    朋也「そういやさ…」

    春原「あん?」

    朋也「おまえ、芳野祐介のCD持ってんの」

    春原「テープならあるけど。聞く?」

    朋也「ああ、頼む」

    春原「じゃ、ちょっと待ってて」

    立ち上がり、ダンボールを漁りだす。

    朋也「つーか、今時テープって、古すぎだろ。音質とかやばいだろ」

    春原「文句言うなよ。ほらっ」

    240 = 1 :

    テープの入ったラジカセをよこしてくる。
    電源をいれ、再生してみる。
    ハードなロック調のメロディが流れてきた。
    歌詞もよく聴いてみると、音は激しいのに、心にじぃんとくるものがあった。

    春原「どうよ?」

    朋也「…いいわ、かなり」

    春原「だろ?」

    今日入った金もあることだし…。
    今度、中古ショップでも回ってCDを探してみよう。そう決めた。

    ―――――――――――――――――――――

    241 = 55 :

    そういえばコイツがいたなあ

    242 :

    頑張って最後まで書いてくれ
    楽しみにしてる

    243 = 43 :

    4/11 日

    目が覚める。寝起きは悪く、けだるい。
    時計を確認すると、まだ午前中だった。

    朋也(寝直すか…)

    どうせ、この時間に起きて寮に行っても、春原の奴もまだ夢の中に違いなかった。
    寝ているあいつにいたずらするもの一興だが、それ以上に睡眠欲求が強い。
    俺は二度寝するため、目をつぶって枕に頭を預けた。

    ―――――――――――――――――――――

    ………。

    ―――――――――――――――――――――

    朋也(ふぁ…だる…)

    結局、起きたのは午後一時半。
    深夜に寝ついたとはいえ、眠りすぎだった。
    加え、二度寝もしているから、いつも以上に体も頭も重い。
    そして、そんな時は食欲も湧いてこないので、まだなにも食べていなかった。
    なにか食べたくなるのは決まって時間が経ってからだ。
    それも一気にくるから、こってりしたものが欲しくなる。
    なので、時間を潰し、かつそんな食事もできるよう、俺は繁華街へ出てきていた。
    当面はCDショップを巡るつもりだ。
    お目当ては、芳野祐介のCD。
    昨日、いつか探しに出ようと決めたが、そのいつかがこんなに早く来るとは…。
    我ながら、本当にいきあたりばったりだと思う。

    244 = 1 :

    ―――――――――――――――――――――

    朋也(ないな…)

    大手CDショップの中古コーナーを回ったり、中古専門の店に入ってもまったく見つからなかった。
    すでに数件巡っているのにだ。

    朋也(もう、出るか…)

    朋也(ん? あれは…)

    懐かしいものを発見した。それは、ひっそりと棚の隅にあった。
    だんご大家族のCDだった。
    誰かが出しかけたまま放置していったのだろう。
    他のCDにくらべて少し飛び出していた。
    だからこそ俺の目に入ったのだが。
    手に取ってみる。

    朋也(平沢の奴、これのシャーペン持ってたよな、確か…)

    あいつから聞いていなければ、見つけても素通りしていただろう。

    朋也(買って、500円くらい上乗せして売りつけてやろうか)

    朋也(いや…好きなら、CDくらい持ってるか…)

    よこしまな考えをすぐに改め、CDを棚に戻し、店を後にした。

    ―――――――――――――――――――――

    245 = 43 :

    朋也(あれ…この辺だったよな…)

    俺は無性にハンバーガーが食べたくなり、店を探していた。
    以前何度か利用したことがあったのだが…見つからない。
    最近、来ていないうちに潰れてしまったんだろうか。
    だとすると、駅前の方にするしかない。
    だが、ここからは少し距離があった。

    朋也(まぁいいか…行こう)

    そう決めて、踵を返す。

    朋也(ん…?)

    すると、小さい女の子が、さっと柱に身を隠した。
    挙動がおかしかったので、なんとなく気になった。
    歩き、近づいていく。
    そして、横についたとき、ちらっと横目でその子を見てみた。
    柱に顔を押しつけ、手で覆い隠すようにしている。

    朋也(なんだ、こいつ…)

    ちょっとおかしい奴なのか…。
    あまり見すぎていて、突然振り返られでもしたら怖い。
    俺はスルーして先へ進んだ。

    ―――――――――――――――――――――

    朋也(さっきの奴どうなったかな…)

    246 = 1 :

    ちょっと歩いたところで、好奇心から振り返ってみた。

    の子「!」

    先程と同じく、柱に隠れる。

    朋也(…俺、尾けられてないよな)

    俺が振り返ると隠れるし、同じタイミングで方向変えたし…。
    しかしそれにしては下手な尾行だった。

    朋也(まさかな…)

    またしばらく歩く。そして突然…

    ばっ

    勢いよく振り返った。

    の子「!!」

    また、隠れた…。

    朋也(なんなんだよ…くそ)

    俺は歩を進めて近づいていく。
    付近までやってくると、柱の両端から髪がはみ出ていた。
    さっき見て確認した時、ツインテールだったので、その部分だ。
    俺はその子の後ろに回った。

    247 = 55 :

    風子か
    てかライブで終了だと思ってたらまだだいぶ続きそうだなおい

    248 = 43 :

    朋也「おい」

    びく、と体が跳ねる。

    朋也「おまえさ…」

    いいながら、肩に手を置く。

    の子「す、すみません、私…」

    俺がこちらを向かせる前に、自ら振り返った。

    朋也「あれ…おまえ」

    確か軽音部の…中野という子だったはずだ。

    「あの、私…CDショップのところから先輩を尾行してました」

    そんなとこから…気づかなかった…。

    「失礼ですよね…やっぱり…」

    朋也「いや、なんでまた…」

    「それは…」

    言いよどみ、顔を伏せる。
    きゅっとこぶしを作ると、俺を見上げた。

    「唯先輩の件で、気になることがあったからです」

    249 = 1 :

    朋也「平沢の? それで、なんで俺なんだよ」

    平沢のことで尾行されるような心当たりがない。

    「きのう、聞いたんです。唯先輩が遅刻してきたって」

    「それで、その原因が岡崎先輩と一緒に登校するためだったっていうのも…」

    朋也(うげ…)

    あの部長、話題にあげたのか…。

    「だから、岡崎先輩が普段どういう人なのか気になって…」

    「ていうか、唯先輩にふさわしい人かどうか…」

    ふさわしい、とは…やっぱり、そういう意味なんだろうか。
    あの部長、いったいどういうふうに話したんだろう。
    おもしろおかしく盛り上げて、あることないこと喋ったんじゃないだろうな…。
    曲解されてしまっているじゃないか。

    「あ、す、すみません、私…また失礼なことを…」

    朋也「いや、つーか、まず俺と平沢はそんな関係じゃないからな」

    「え? だって、手をつないで登校したりしてるんですよね?」

    朋也「してない」

    やはり話が盛られていた。

    250 = 55 :

    あ、ツインテって書いてあったな


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