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    元スレ朋也「軽音部? うんたん?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×5
    タグ : - 魔王 + - CLANNAD + - けいおん! + - クラナド + - ドラクエ + - 朋也 + - 朋也「けいおん?うんたん + - 涼宮ハルヒの憂鬱 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    601 = 43 :

    春原「そんなの簡単だよ。そのファンクラブの会員どもが犯人なんだろ?」

    春原「だったらさ、そいつらをちっとシメてやればいいんだよ」

    血の気の多いこいつらしい意見だった。

    「やっぱ、それしかないのか…」

    「そ、そんな…暴力はダメだ」

    「でもいいのか? このまま監視されるようなマネされ続けて」

    「それは…」

    春原「まぁ、いいから、僕にまかせとけって」

    春原「ちょうど食べ終わったとこだしさ、今から軽く行ってきてやるよ」

    春原「おい部長、そのカードって、持ってた奴のことなんか書いてるか」

    「いや…書いてないな」

    春原「ちっ、じゃあ、一から調べるしかないか…」

    「待て、私も行くぞ。こいつの持ち主は顔割れてるからな」

    春原「お、そっか。でも、足手まといにはなるなよ」

    「へっ、そっちこそ」

    602 = 1 :

    好戦的なふたりが、息巻いてテーブルから離れていった。

    「あ、ちょっと待って…」

    止める声にも振り向かず、どんどん先へ進んでいく。

    「はぁ…どうしよう…」

    「私も、行ってくるね」

    琴吹が席を立った。

    「え…そんな、ムギまで…」

    「心配しないで。私はあのふたりが無茶しないか、見ておくから」

    「なら、私も…」

    「澪ちゃんたちはまだ食べ終わってないでしょ? ゆっくりしていって」

    「それじゃ」

    言って、ふたりの後を追っていった。

    「ああ…なんでこんなことに…」

    「琴吹さんがいれば、とりあえずは心配することないんじゃないかしら」

    「そうだよ、ムギちゃんなら、圧倒的な力で制圧できるから、大丈夫だよっ」

    603 = 43 :

    容量落ちか1000まで行ったときは

    朋也「軽音部? うんたん?」2

    で建て直すね。
    だから面白いと思ってくれる人たち、ついてきてくれ

    604 = 1 :

    「って、全然大丈夫じゃないだろ、それはっ」

    「うそうそ、話し合いになると思うよ、きっと」

    「まぁ、それなら…」

    「でも、澪ちゃんてやっぱりすごいよね。ファンクラブなんてさ」

    「澪ちゃん、美人だから、人気あるもんね。男の子にも、女の子にも」

    「そ、そんなことないぞ、別に…」

    「そんなことあるよ。女の私から見ても可愛いって思うもん」

    「岡崎くんも、そう思わない?」

    朋也「俺か? そうだな…」

    さらさらの長い黒髪、白い肌、ちょっと釣り目がちな大きい目、ボリュームのある胸…
    特徴もさることながら、顔も綺麗に整っている。
    これなら、男ウケも相当いいだろう。

    朋也「俺も、美人だと思うけど。秋山は」

    「だよね~」

    「あ…あ…あぅ…」

    「あ、顔真っ赤だぁ、かわいい~」

    605 = 43 :

    「う、うるさいうるさいっ」

    照れ隠しでなのか、ばくばくと弁当を口にし始めた。
    その様子を、なんとなく眺めていると…

    「あとでちょっと話があるんだけど」

    真鍋が小声で俺に耳打ちしてきた。
    なんだろう…またなにかやらされるんだろうか。

    ―――――――――――――――――――――

    朋也「話って、なんだ」

    「澪のファンクラブのことよ」

    朋也「あん?」

    予想外の単語が出てくる。
    てっきり、また生徒会関連での仕事の依頼だと思っていたのだが…。

    「これ、なんだかわかる?」

    朋也「ん…?」

    真鍋が俺に見せてくれたのは、秋山のファンクラブ会員証。
    それも、会員番号0番だった。クラブ会長とまで書いてある。

    朋也「おまえが創ったものだったのか、あいつのファンクラブ」

    606 = 1 :

    「違うわ。これは、譲り受けたの。ファンクラブの創設者からね」

    朋也「どういうことだ?」

    「このファンクラブを作ったのはね、前生徒会長なの」

    「私の先輩…直属の上司だった人ね」

    朋也「はぁ…」

    いや、待てよ、それなら…

    朋也「まぁ、なんでもいいけどさ、おまえが現会長なんだろ?」

    朋也「だったら、その権限で、末端のファンにマナーを守るよう勧告してやれないのか」

    「それは…無理ね、多分」

    朋也「どうして」

    「おそらく、すでに新しく会長の座についた人間がいるんでしょうから」

    「私がなにもしていないのに、活動が活性化してるのがいい証拠よ」

    朋也「おまえに断りもなくそんなことになるのか」

    「ええ、十分なりえるわ。それも、私自身に責任の一端があるからね」

    朋也「なんかしたのか」

    607 = 43 :

    「したというか…何もしなかった、ってことね」

    朋也「……?」

    どういうことだろう…。

    「私、進級と同時にクラブ会長の任をまかされてたんだけど…ほったらかしにしてたのよ」

    俺が把握できないでいると、真鍋がそう続けてくれた。

    「きっと、なんの音沙汰もないことに不満の声が上がったんでしょうね」

    「それで、業を煮やした会員たちが、会長を決め直したってところでしょう」

    朋也「ああ…そういうことか」

    「今となってはもう、この会員証には何の価値もないわ…」

    「だから、あなたと春原くんには、できるだけ澪を守ってあげて欲しいの」

    「いくらお遊びとはいえ、あの人が組織した部隊だから…女の子だけじゃ、キツイと思うし」

    朋也「部隊って、おまえ…たかがファンクラブだろ」

    前から思っていたが、こいつは芝居がかって言うのが好きなんだろうか。

    「そうとも言い切れないわ…だって、あの人だもの…」

    震えたように、自分の身を抱きしめた。
    あの真鍋が怯えている…

    608 = 1 :

    ファンクラブの名が出た時もむせて、動揺していたが…
    前生徒会長…かなりの人物だったに違いない。

    「今回ばかりは、生徒会の力も使えないわ」

    「もし、万が一、私があの人に、形としてでも、歯向かってしまった事が耳に入れば…」

    ぶるっとひとつ身震いした。

    「…考えたくもないわ」

    朋也「いや、でも、もう卒業してるんだろ? だったら…」

    「甘いっ!」

    朋也「うぉっ…」

    珍しく真鍋が声を張り上げたので、思わず後ずさりしてしまう。

    「確かに、首都圏に進学していったけど、子飼いの精鋭部隊がまだ現2、3年の中にいるの」

    「私も詳しくは知らされてないけど、存在するってことだけは確かなのよ…」

    「それも、役員会内はもちろん、会計監査委員会や生徒総会にまで構成員を潜り込ませているとか…」

    「確か、人狼、とかいう…」

    「とにかく、その子らに粛清の命が入れば、私とてただじゃすまないわ」

    「だから、滅多なことはできないの。ごめんなさいね」

    609 = 43 :

    朋也「いや…いいよ。なんか、おまえも大変そうだし…」

    「そう…わかってくれて、うれしいわ」

    一息つくと、かいた冷や汗をハンカチで拭っていた。

    朋也(思ったより厄介な連中なのかな、秋山澪ファンクラブ…)

    ―――――――――――――――――――――

    ………。

    ―――――――――――――――――――――

    放課後。軽音部部室。

    「おい、ヘタレ。ジュース買ってこいや」

    春原「………」

    「聞いてんのか、こら、ヘタレ」

    春原「ヘタレヘタレ言うなっ!」

    「だって、ヘタレじゃん。ラグビー部来た瞬間逃げるし」

    昼休みのことだ。
    こいつらが会員を脅しに行った先で、なぜかラグビー部に立ち塞がれ、逆に追い返されたらしい。
    まるで用心棒のような振る舞いで助けに来たそうな。
    …これが、真鍋が侮れないと言っていた由縁なのかもしれない。

    610 = 1 :

    バックに強力な味方をつけるだけの組織力があると、この一件から読めなくもない。

    春原「2対1になったからだろっ」

    「絡みに行った方はひ弱そうだったし、頭数に入んないだろ」

    「結局、ラグビー部一人にびびってただけじゃん」

    春原「ちがわいっ」

    「いいいわけは女々しいぞ、ヘタレ」

    春原「ぐ…くそぉ…」

    がちゃ ばたん!

    扉が開かれたと思ったら、またすぐに閉められた。

    「はぁ…はぁ…」

    中野が息を切らし、座り込んでいた。

    「どしたの、あずにゃん」

    「なんか…外に変な人たちが…」

    「変な人たち?」
    「変な人たち?」

    「はい…なんか、澪命ってハチマキしてて…」

    611 = 323 :

    いや面白すぎるだろ……
    特にクラナドの空気の再生率がパねぇ

    どこまでも支援するわ

    612 = 43 :

    「ひ…」

    間違いない。ファンクラブの連中だ。

    春原「おし、僕が全員ぶっ飛ばしてきてやるっ! 汚名挽回だっ!」

    立ち上がり、肩を怒らせながら扉へと歩いていく。

    「そんなもん挽回してどうすんだよ、アホ…」

    がちゃり

    春原「うっらぁっ! うざってぇんだよ、ボケどもっ!」

    子生徒1「うわ…DQNだ」

    子生徒2「…死ね」

    子生徒3「軽音部に男は要らないし、普通」

    子生徒4「澪ちゃん見えたっ!」

    子生徒5「澪ちゃんっ」

    春原「邪魔なんだよ、てめぇら全員っ!」

    集まっていた男たちを払いのけていく。

    春原「おら、帰れ帰れっ! ここは僕の食料庫だっ!」

    613 = 1 :

    趣旨が変わってきていた。おまえは三橋か。

    子生徒「つか、なに、おまえ?」

    階段を上がってきた男が春原の前に立ちふさがる。

    春原「ああん? 見てわかんねぇのか、用心棒だよ、ヒョロ男くんよぉ」

    子生徒「俺たち、なんか危害加えるようなことした?」

    春原「いるだけで迷惑なんだよぉ、ああん?」

    子生徒「いや、いちいちすごまなくていいけどさ…」

    子生徒「君と、そっちの…春原と岡崎だよね? 素行が悪くて有名な」

    子生徒「用心棒とかさ、不良がするわけないし、嘘だよね」

    春原「マジだよ、ああん? ぶっとばされてぇか、おい?」

    子生徒「そんなことしたら、明日、ラグビー部に殺してもらうけど、おまえ」

    春原「は、はぁん? じ、自分でこいよな…」

    明らかに勢いが失速していた。

    子生徒「そんなことするわけないでしょ。バカか、やっぱ」

    春原「ああ!? てめぇ…」

    614 = 43 :

    子生徒「いいの? ラグビー部、頼むよ?」

    春原「……やっぱ、暴力はいけないよね」

    速攻で心が折れていた。

    子生徒「だいたいさぁ、なんで君ら軽音部の部室にいんの? だめでしょ、男がいたら」

    子生徒7「うん、普通そうだよな」

    子生徒8「男マジいらねぇ」

    子生徒9「女の子同士だからいいのに」

    口々に賛同し始めた。

    子生徒「澪ちゃんは、りっちゃんと付き合うべきなんだからさ」

    春原「………は?」

    その言葉に、春原だけでなく、俺たち全員が唖然とする。

    子生徒1「いや、澪唯いいって」

    子生徒2「王道で澪梓とか俺はいいな」

    子生徒3「王道は澪紬だって」

    子生徒4「それは邪道」

    615 = 1 :

    にやつきながら、ぼそぼそと話し始めた。

    春原「………」

    春原「おい、岡崎っ」

    ダッシュで俺の元に駆け寄ってくる。

    春原「なんか、あいつら気持ち悪ぃんだけど…」

    朋也「ああ…」

    子生徒「ねぇ、そのふたり、要らないから出入り禁止にしてよ」

    廊下側から声をかけてくる。

    「そ、そんなことしたくないよ…」

    子生徒「なんで? 唯ちゃんは男とか興味ないでしょ? 女の子の方がいいんだよね?」

    「え、ええ? そんな…」

    子生徒3「あ、あれじゃね、男に気がある振りして、澪ちゃんの気を引くという」

    子生徒4「ああ、それだ」

    子生徒5「やべぇ、早くしないと澪ちゃん取られちゃうよ、りっちゃんっ」

    「う、うぅ…」

    617 = 43 :

    「…あんたら、さっきからなに言ってんだよ」

    「私たちが女同士で付き合うとか…そんなのあるわけないだろっ」

    子生徒2「ツンデレ? 今の、ツンデレ?」

    子生徒6「厳密には違うよ」

    子生徒7「本心言うの恥ずかしいんじゃね?」

    子生徒8「ああ、それだ」

    「いい加減にしろってっ! あんたらがそういうのが好きなのはわかったよっ!」

    「でも、それを私たちに押しつけんなっつーのっ! そんな性癖ねぇんだよっ」

    気圧されたのか、皆押し黙り、沈黙が流れる。

    春原「ほら、わかったか。おまえらの方がいらねぇってよ。帰れ帰れ」

    そんな中、春原が一番最初に声をあげた。

    子生徒「おまえら男ふたりが帰れ」

    春原「ああ? 物分りの悪ぃ奴だな…」

    子生徒「バカに言われたくねぇよ」

    春原「…てめぇ、大概にしとけよ、こら」

    618 = 1 :

    本気で怒ったときの顔だ。
    今にも殴りかかっていきそうな気迫で近づいていく。

    子生徒「…わかった。とりあえず、暴力はやめろ」

    春原「………」

    立ち止まる。

    子生徒「こうしよう。俺たちと勝負するんだ」

    春原「勝負だぁ?」

    子生徒「ああ。そっちが勝ったら、今後軽音部と澪ちゃんには近づかない」

    春原「んだよ、喧嘩なら今すぐやってもいいぜ」

    子生徒「だから、暴力はやめとけって言っただろ」

    春原「じゃあ、なんなんだよ? 囲碁とか言わねぇだろうなぁ」

    子生徒「頭使うのは君らに不利だろうからな。そうだな…スポーツでどうだ」

    春原「それじゃ、おまえらに不利じゃん、ヒョロいのしかいねぇしよ」

    子生徒「実際にやるのは俺らじゃないよ。用意した人間とやってもらう」

    春原「はっ、プロでもつれてこなきゃ、勝てねぇぞ」

    子生徒「じゃ、勝負を飲むってことでいいか?」

    619 = 43 :

    春原「おお、あたりまえだ」

    朋也「まて、そっちが勝ったらどうするつもりだ」

    子生徒「まず、君らに軽音部から消えてもらう。部員と関わるのも自重しろ」

    子生徒「それから、澪ちゃん」

    「え…」

    子生徒「澪ちゃんには、プライベートなことから、なにからなにまで…」

    子生徒「俺らが知りたいことは、全て教えてもらうよ」

    子生徒「それと、俺ら以外の男と喋るの禁止ね」

    「そ、そんな…」

    「むちゃくちゃだ、そんなのっ」

    春原「言わせとけよ、どうせ僕らが勝つしね」

    「んな無責任なこと言って…負けたらどうすんだよっ」

    春原「それはねぇっての。で、競技はなんだよ」

    子生徒「そっちに決めさせてやる」

    春原「ふん…じゃあ、バスケだ。3on3な」

    621 = 1 :

    朋也「おい、春原…」

    子生徒「あと一人は?」

    春原「アテがあるんだよ。だから、いい」

    子生徒「そうか。わかった。じゃあ、試合は3日後の土曜。詳細はまた後で伝える」

    春原「ああ、わかった」

    勝負の約束を交わすと、男は周りの連中をぞろぞろと引き連れて去っていった。

    朋也「おまえ、3on3って、まさか俺にもやらせるつもりじゃないだろうな」

    春原に近寄っていき、声をかける。

    春原「もちろん、そのつもりだけど」

    朋也「俺が肩悪いの知ってるだろ。俺はできねぇぞ」

    春原「おまえは司令塔でいいよ。シュートは任せろ」

    朋也「3on3で一人パス回ししかできない奴がいるなんて、相当のハンデだぞ」

    朋也「おまえ、わかってんのかよ。一人はアテがあるとか言ってたけどさ、もう一人他に探せよ」

    春原「ははっ、僕に頼み事できる知り合いが、そんなにいるわけないじゃん」

    朋也「………」

    622 = 43 :

    ぽかっ

    春原「ってぇな、あにすんだよっ!」

    朋也「土下座して運動神経いい奴に頼んで来いっ」

    春原「おまえでいいっての。ほら、バスケってさ、チームワークが重要じゃん?」

    春原「知らない奴より、おまえとの方が連携も上手くいくって」

    朋也「だとしても、それだけじゃ無理なの」

    春原「大丈夫だって。どうせ、あっちも大した奴用意できねぇよ」

    春原「バスケ部のレギュラーとかだったら、ちょっとキツイかもだけどね」

    朋也「………」

    そこが気にかかっていた。
    あの男は、妙に自信があるように見えた。
    それは、つまり、レギュラークラスも用意できるということなんじゃないのか。

    春原「な? 楽勝だって」

    朋也「はぁ…簡単に言うな」

    春原「ま、さっさと三人揃えて、練習しようぜ」

    しかし、勝負は三日後。
    相手も、俺たちも時間がない。

    623 = 1 :

    そんな短期間で交渉が上手くいくかといえば、そうは思えないし…
    俺たちが付け焼刃の練習で戦えるようになるとも、断言できない…
    条件は、五分のような気もする。

    「…あの、なにがどうなってるんですか」

    「ん、ああ…」

    ―――――――――――――――――――――

    「ファンクラブ…ですか」

    騒動が収まり、一度気を落ち着けるため、コーヒーブレイクを取っていた。

    「ああ、気持ち悪い奴らだよ。勝手に私たちがレズだと思ってんだもんな」

    「あら…でも、いいじゃない、女の子同士、なかなか素敵だと思うな」

    「…いや、まぁ、ムギが言うとそんなでもないけどさ…ソフトだし」

    「でも、あいつらは自分の価値観押しつけてくるとこが気に入らないんだよ」

    「ああいう手合って、女に対してもそういう傾向があったりするんだよな」

    「理想からちょっとでもズレてると、異様に毛嫌いしたりするんだぜ」

    「ほんと、自分勝手なお子様だよ」

    春原「ま、僕らがコテンパンにノしてやるから、大船に乗ったつもりでいろよ」

    624 = 596 :

    お前らwwwwwwwwwwwwwwwwwww見てて腹立つなwwwwwwwwwwwえwっwwwww

    625 = 89 :

    けいおんが女子高の理由がわかったw

    626 = 452 :

    俺…アニソングランプリと交互に見てたんだけど…こっちの方に見入ったよ

    627 = 43 :

    はぁ~、っと拳に息をかけた。
    時代錯誤な表現が多すぎて、頼りなく映る。

    「おまえ、絶対勝てよ? そんだけ豪語するんだからな」

    春原「ああ、楽勝さ。すでに勝ってるようなもんだよ」

    そううまくいけばいいのだが…。

    ―――――――――――――――――――――

    春原「おー、ここだここだ」

    やってきたのは、文芸部室。
    文化系クラブの部室が宛がわれている旧校舎の一階に位置している。
    軽音部の部室である第二音楽室からは、階段を二度下るだけでたどり着けた。

    朋也「おまえ、こんなとこに奴に知り合いなんていたのか」

    春原「なに言ってんだよ、おまえもよく知ってる奴だって」

    朋也「あん?」

    俺と春原の共通の知人で、文芸部員?
    誰だろう…心当たりがない。

    がちゃり

    その時、部室のドアが開かれた。

    628 = 1 :

    子生徒「…ん? おまえら…」

    春原「よぅ、ひさしぶりだなっ、キョン」

    朋也(ああ…こいつか)

    キョン「ああ…久しいな、ふたりとも」

    このキョンという男は去年、俺たちふたりと同じクラスだった奴だ。
    素行が悪いわけでもなく、ごく普通の一般生徒だったのだが、なぜか気が合った。
    理屈っぽい奴で、なにかと俺たちの悪ふざけを止めてきたのだが、よくつるんでいたことを思い出す。
    ちなみに、キョンというのはあだ名で、本名は知らない。
    周りからそう呼ばれていたので、俺たちもそれに倣ったのだ。

    朋也「おまえ、文芸部なんて入ってたのか」

    春原「あれ? おまえ、知らねぇの? ここ、文芸部じゃないんだぜ」

    朋也「いや、はっきりそう書いてあるだろ」

    教室のプレートを指差す。

    キョン「あれは、裏側だ」

    朋也「裏?」

    キョン「表側に現在の部室名が書かれてある」

    朋也「ふぅん…」

    629 = 363 :

    急展開すぎる

    630 = 43 :

    春原「ま、とにかく、変な団体になっちまってるんだよ」

    春原「そんで、おまえもその一味なんだよな」

    キョン「まぁ、そうだな。でも、よく俺がここの人間だって知ってたな」

    キョン「話したこと、なかっただろ、部活のこと」

    春原「わりと有名だぜ、おまえらの部活。その部員もな」

    キョン「相変わらず、くだらない事には詳しいんだな」

    春原「いい情報網を持ってるって言ってくれよ」

    キョン「はいはい…。で、今日はなんの用だ」

    キョン「なにか用事があるんだろ。でなきゃ、おまえらがこんなとこ来るわけないもんな」

    春原「お、察しがいいねぇ、さすがキョン」

    キョン「ああ、それと、ひとつ訊いていいか」

    春原「なに?」

    キョン「そっちの女の子たちは、なんなんだ」

    俺たちの後ろ、じっと黙って並んでいた軽音部の連中を指さした。

    春原「ああ、こいつらはさ…」

    631 = 323 :

    京アニが集まっていたとは……

    632 = 514 :

    キョンくんwwwwwwwwwwwってwwwwwwwwwww

    633 = 1 :

    春原は、どういった経緯でここまで一緒にやってきたのか、おおまかに説明していた。

    キョン「へぇ…そんなことがあったのか」

    春原「だからさ、3on3のメンバー、頼めない?」

    キョン「まぁ、俺自身はやぶさかじゃないが…団長様がなんて言うかな」

    春原「許可とってきてくれよ」

    キョン「はぁ…わかったよ、善処してみる」

    春原「お、センキュー。頑張れよっ」

    背を向けて、ひらひらと手を振り、部室へと戻っていくキョン。

    「…あんたら、妙なのと付き合いあるんだな」

    朋也「あいつのこと、知ってるのか」

    「知ってるもなにも、あたしらの学年で知らない奴がいたことの方が驚きだよ」

    「SOS団だかなんだかで、1、2年の頃、すげぇ暴れまわってたんだぜ?」

    朋也「へぇ、そうだったのか」

    「っとにおまえは、やる気がないっていうか…そういうことに疎いんだな」

    朋也「まぁな」

    634 :

    ハルヒがこちらに付いた時点で負ける気がしない

    635 = 363 :

    キョンは3年か

    636 = 43 :

    「涼宮さんって人が、すごくギター上手かったよね」

    「ああ、一年の時の文化祭な…あれは、確かにすごかったな」

    「聞いた話だと、素人だったらしいぞ」

    「そうだったのか? 信じられないな…」

    「そんなにすごかったんですか?」

    「興味あるなら、映像あるから、今度見せてやるよ」

    「ほんとですか?」

    「ああ。それと同時に蘇る、澪のしまパンの悲劇…」

    ぽかっ

    「あでっ」

    「思い出させるなっ」

    秋山は顔を赤くして、涙目になっていた。

    「あちゃ~、りっちゃん、地雷踏んじゃったね」

    「あれはお蔵入り映像だからな…マニアの間では高値で取引されているらしい」

    「ええ!? う、嘘だろ…」

    637 = 89 :

    ID確認しちまったよ……

    638 = 1 :

    へなへなと倒れこむ。

    「あー、うそうそ、立ち直れ、澪っ」

    「………」

    しゅばっと立ち上がる。

    ぽかっ ぽかっ

    「いでっ! 二発かよっ」

    「おまえが変な嘘つくからだっ」

    ―――――――――――――――――――――

    がちゃり

    キョン「………」

    しかめっ面で出てくる。

    春原「お、どうだった?」

    キョン「…なんとか許可が下りたよ」

    春原「やったな、さすがキョンっ」

    キョン「今度カツ丼おごってもらわにゃ、割に合わん…」

    639 = 596 :

    長門1人で楽勝wwwwwww^^

    640 = 43 :

    頭をさすりながら言う。
    多分、なにかぶつけられたんだろう。
    ドアの向こうからは、女と言い合いをする声と、物が飛び交っているような音が聞えていたのだ。
    なにかしらないが、ひと悶着あったんだろう。

    春原「消費税なら、おごるよ」

    キョン「セコいところは、相変わらずなんだな…」

    ―――――――――――――――――――――

    「おらおら、どしたーっ、全然入ってないぞぉ」

    春原「おまえのパスが悪いんだよっ」

    「なにぃ、人のせいにするなっ」

    グラウンド。
    隅の方に設置された外用ゴールの前に集まった。
    春原は、シュート練習。
    俺とキョンは、1対1で、交互にディフェンスとオフェンスの練習をしていた。
    軽音部の連中は、こぼれ球を拾ってくれたりしている。

    朋也「キョン、ディフェンスはもっと腰落としたほうがいいぞ」

    キョン「こんな感じか」

    朋也「ああ、それでいい」

    キョン「けっこうしんどいな、これは…」

    641 = 1 :

    朋也「でも、文化部にしてはよく動けるほうだぜ」

    キョン「そうか?」

    朋也「ああ。あとはスタミナがあればいいんだけどな」

    キョン「悪いな。何ぶん、体育会系なノリとは縁のない生活をしてきたもんでな」

    朋也「もう一本いけるか?」

    キョン「ああ、こい」

    朋也「よし」

    ―――――――――――――――――――――

    朋也「っはぁ…」

    からからになった喉を水道水で潤す。
    顔も、思いっきりすすいだ。
    気持ちがいい。
    こんな感覚、いつぶりだろうか。
    はるか昔に味わったっきり、ずっと忘れていた。

    「あの…これ、使ってください」

    そこへ、秋山が恭しくタオルを持ってきてくれた。

    朋也「ああ、サンキュ」

    642 :

    おまえらdisられてんぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

    643 = 43 :

    受け取って、顔についた水気を拭き取る。

    朋也「これ、洗って返したほうがいいよな」

    「いえ、大丈夫です」

    朋也「そうか? じゃあ…はい」

    タオルを差し出して、返す。

    「あ…はい」

    「………」

    「あの…すみませんでした」

    朋也「なにが?」

    「勝負なんて、させちゃって…」

    朋也「いや…春原の奴が勝手に受けたのが悪いんだから、気にすんなよ」

    「でも…」

    朋也「いいから。な?」

    「はい…」

    朋也「それとさ、敬語も使わなくていいよ。俺にも、春原にも、キョンにもな」

    644 = 1 :

    朋也「ちょっと不自然だろ? タメなんだからな」

    「え…あ…はい」

    朋也「はい?」

    「う…うん…」

    朋也「それでいい」

    「あぅ…」

    ぽんぽん、と肩を軽く叩き、グラウンドへ戻った。

    ―――――――――――――――――――――

    春原「だぁー、疲れたぁ…」

    キョン「同じく…」

    朋也「俺も…」

    三人とも、地面に寝転がる。
    暗くなり、もうボールがよく見えなくなっていた。
    練習も、ここで終わりだった。

    春原「あしたは朝錬するからな」

    寝転がったまま言う。

    645 = 452 :

    >>603
    全力で付いていくぜ
    がんがれ

    646 = 43 :

    朋也「部活かよ…」

    春原「それくらい徹底してやって、大差で勝ってやるんだよ」

    朋也「なんでそんなにやる気なんだ、おまえは」

    春原「僕をバカ呼ばわりしたあの野郎が悔しさで顔を歪めるとこ見たいからね」

    朋也「あんがい根に持ってたんだな、おまえ…」

    春原「まぁね」

    キョン「…それにしても、おまえら、なんか変わったよな」

    キョンがぽつりとそう漏らした。

    春原「なにが?」

    キョン「こういうことに、真剣になるような奴らでもなかったろ」

    朋也「………」

    それは、確かにそうだ。
    いつだって、部外者でいて、傍観して…
    必死に頑張るやつらを、斜めから見おろしていた。

    キョン「いつもおちゃらけてて、楽しそうだったけどさ…」

    キョン「どこか、懸命になることを避けてるっていうか…」

    647 = 1 :

    キョン「わざと冷めたようにしてた気がするんだよ」

    キョン「でも、今は他人のために、こうまで頑張ってるしな」

    キョン「なにか、あったのか」

    朋也「………」

    春原「………」

    俺と春原は黙ったまま顔を見合わせた。
    お互い、気づかないうちに、そんな熱血漢になってしまったのだろうか。
    いや…そんなわけない。
    こんなにも汗をかけるのは、あいつらのためだからだろう。
    それは、春原も同じ想いのはずだ。

    朋也「…別に、何もねぇよ」

    春原「ああ。前と、全然変わってないけど?」

    キョン「…そうか。まぁ、いいさ」

    「お疲れさまぁ~」

    平沢の声がして、体を起こす。
    軽音部の連中が、こっちにやってきていた。
    ボールの片づけが終わったんだろう。

    「スポーツドリンクの差し入れだよぉ、どうぞ」

    648 = 414 :

    どこまでもついていくよ

    649 = 642 :

    こんな凄まじい>>1ははじめて見た・・・

    保守なんてする暇すら与えない投下速度・・・

    650 = 43 :

    朋也「お、サンキュ」

    「はい、春原くん」

    春原「なかなか気が利くじゃん」

    「はい、どうぞ」

    キョン「ああ、どうも」

    三人とも受け取った。

    春原「もう喉からからなんだよね、僕」

    言って、プルタブを開け、一気に飲み始める。

    春原「ぶぅほっ!」

    いきなり噴き出した。

    春原「って、なんでおしるこなんだよっ!」

    「わはははは! ひっかかりやがった!」


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