元スレ朋也「軽音部? うんたん?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×5
101 = 1 :
春原「時間は関係ないさ。ね、ムギちゃん」
紬「えっと…ごめんなさい、春原」
春原「呼び捨てっすか!?」
律「わははは! ナイス、ムギ!」
春原「うう…くそぅ…」
朋也「その辺にしとけ。帰るぞ」
春原「なんでだよ、お茶出してくれるって言ってんだぜ」
朋也「わざわざ練習の邪魔することもないだろ」
律「お、岡崎。あんた、いいこというねぇ。目つき悪いくせに」
朋也「そりゃ、どうも。ほら、帰るぞ」
春原「ちっ、なんだよ、もったいねぇなぁ…」
唯「まって!」
きびすを返しかけた時、平沢に手を引かれ、立ち止まる。
唯「せっかくだから、お茶していきなよっ」
朋也「いや…」
102 = 43 :
唯「いいからいいから。澪ちゃんも、それでいいよね?」
澪「私? 私は…」
と、俺と目が合う。
澪「うぅ…文句ないです…」
顔を伏せ、そうつぶやいた。
律「おまえ、ビビってYESしか言えなかっただけだろ」
澪「う、うるさい…」
唯「ほら、裏の部長である澪ちゃんもいいって言ってるんだし」
律「唯~、そんな裏とか表とか使い分けてないからなぁ~」
唯「ムギちゃん、手伝ってっ」
紬「任せて~」
朋也「あ、おい…」
ふたりに両脇をとられ、連行される犯罪者のようになってしまった。
力ずくで振り払うこともできたが、それはあまりに感じが悪すぎる。
こうなってしまうと、そのまま従うより他なかった。
春原「ちっ、うらやましい連れてかれ方しやがって…」
103 = 1 :
律「あんたは私がつれていってやるよっ」
がしっと、春原のネクタイをつかみ、そのまま歩き出した。
春原「ぅうっ…おま…やめっ…呼吸っ…」
どんどん首に食い込んでいくネクタイ。
律「さっさと歩けぃ、この囚人がっ」
だっと走り出す。
春原「うっ…だ…れがっ…つかっ…止まっ……」
半ば引きずられるようにして、視界から消えていった。
…部室に着いた時、まだあいつの息があればいいのだが。
―――――――――――――――――――――
紬「はい、どうぞ」
律「…サンキュ」
部長を最後に、全員に紅茶とケーキ(俺にはお茶とせんべい)がいき渡った。
唯「もう、りっちゃんが春原くんのネクタイ引っ張るのがいけないんだよ」
澪「律、謝っときなよ。大人気ないぞ」
律「…悪かったな」
104 = 1 :
俺たちが部室の扉を開けた時、いきなり春原が血を吹いて倒れこんでいた。
死んでいるように見えたが、ただの鼻血だった。
なんでも、部長と言い争いになり、ドラムスティックで殴られたらしい。
今は琴吹の介抱により、血は止まっていたが。
春原「…おまえはアレだけど、ムギちゃんのふとももに免じて許してやるよ」
春原は膝枕してもらっていたのだ。
律「…なにがふとももだよ、変態め」
春原から目を逸らし、小さくつぶやく。
春原「聞こえてるんですけどねぇ」
唯「あーっ、やめやめ、喧嘩はやめ! ね? ケーキ、食べよ?」
春原「ちっ…」
律「ふん…」
いらだちを残したままの様子で、ふたりともケーキと紅茶を口にした。
それを機に、俺たちも手をつけ始める。
その空気は、ふたりの発する負のオーラでひどく歪んでいた。
こんなことなら、やっぱりあそこで帰っていた方がよかったのかもしれない。
がちゃり
梓「こんにちは…」
105 = 43 :
そんな中、新たな来訪者が現れる。二年の子だった。
梓「あ…」
入ってきて、俺と春原に気づく。
梓「どうも」
軽く会釈し、ソファに荷を降ろし始めた。
朋也「ああ、よお」
春原「よぅ、二年」
梓「………」
無言で春原をじっと見つめる。
春原「あん? なに?」
梓「あの…春原先輩、血が…」
春原「ん?」
手で鼻の辺りに触れる。
春原「おあっ、やべ…」
紬「はい、ティッシュ」
106 = 1 :
春原「お、ありがと」
朋也「お前を見て興奮したんだろうな。気をつけたほうがいいぞ」
梓「え…」
朋也「こいつ、告る前には血が出るからさ」
春原「力みすぎだろっ!」
律「ぶっ…けほけほ」
澪「律…なんか私にかかったんだけど」
律「わり」
梓「………」
春原にじと~っとした視線を向け、警戒しながら一番遠い席に座った。
春原「信じるなよっ! こいつの脈絡のない嘘だからなっ!」
紬「梓ちゃんの分、今持ってくるね」
梓「ありがとうございます」
春原「聞いてんのか、こらっ」
唯「って、春原くん、もう片方からも血が…」
107 = 43 :
春原「おわ、やべ…」
朋也「おまえ…まだ告白もしてないのに、そんなことやめろよ」
春原「血の出具合によってやること変わるって設定で話すなっ!」
律「わははは!」
春原「笑うなっ!」
唯「春原くん、今ので血の勢いが増したよっ」
春原「うぉっ…」
律「いやん、私、こいつになにされるのぉ、こわぁい」
春原「うぐぐ…」
さっきまでの重い空気は立ち消え、もう普通に軽口を叩けるまでになっていた。
ひとまずは場の修復ができたようで、安心した。
―――――――――――――――――――――
澪「よし、じゃ、そろそろ練習しよう」
梓「ですね」
律「え~、もうか? まだ紅茶のこってるぞ。飲んでからに…」
澪「だめだ。明日は新勧ライブなんだぞ」
108 = 1 :
梓「そうですよ。出来次第で部員の獲得数が変わってくると思います」
唯「そうだよ、がんばらなきゃ」
律「へぇ~ええ、そんじゃ、やるかぁ…」
律「あ、残りの紅茶、あんたらで処理しといて」
軽音部の面々が立ち上がり、準備を始めた。
俺たちはぼーっとその様子を眺めながら、紅茶をすする。
そして、飲み干してしまうと、もうここにいる意味もなかった。
春原「そんじゃ、帰ろうか」
朋也「ああ」
俺たちも席を立った。
春原「じゃあね、ムギちゃん。ケーキも紅茶もおいしかったよ」
紬「あれ? 聴いていかないの?」
春原「ん? うん、まぁ…」
同意を求めるような目で俺と向き合った。
練習を見てもしかたない、とは俺も思う。
さして演奏に興味があるわけでもない。
そこはこいつも俺も同じところだろう。
唯「私も聴いててほしいな。リハーサルみたいにするからさ、観客ってことで」
109 = 43 :
唯「そのほうがいいよね、澪ちゃんも」
澪「そうだな。見られてるのを意識できていいかもな」
唯「あずにゃんも」
梓「そうですね。いいかもしれません」
唯「りっちゃん」
律「ん? まぁ、なんでもいいよ」
唯「ね? どうかな」
特にこのあとなにがあるわけでもなかった。
時間を潰せて、なおかつ役に立てるのなら、断る理由もない。
俺は部室のドアではなく、軽音部の連中がいる方に歩いていった。
そして、まるで観客席であるかのように備えつけられたソファーに腰掛けた。
春原「じゃあ、僕も」
春原も俺に続き、隣に座った。
唯「ようし、がんばるぞぉ」
律「じゃ、いくぞ。ワンツースリー…」
演奏が始まる。
そこにいる全員の表情が真剣だった。
あの、茶を飲んでいる間にみせる顔とはまったく違う。
110 = 1 :
何かに情熱を傾ける人間のそれだった。
そう…それは、俺や春原のような奴らからは、最も遠いところにあるものだ。
春原「………」
こいつも今、俺と同じことを思っているんだろうか。
こいつらといて、そんなに居心地は悪くなかった。
だがやはり、根本の部分で俺たちとは相容れることがない、と。
春原「ボンバヘッ! ボンバヘッ!」
ただのアホだった!
唯「ぶっ」
律「ぶっ」
澪「ぶっ」
梓「ぶっ」
紬「……」
春原のヘッドバンキングを使った野次によって演奏が中断された。
唯「もう、なにぃ、春原くん…」
春原「いや、盛り上がるかなと思って…」
律「全然曲調にあってないわっ、あんたの動きはっ!」
梓「デスメタルじゃないんですから…」
春原「はは、悪いね」
111 = 43 :
澪「も、もう一回な。律」
律「はいはい。ワンツースリー…」
―――――――――――――――――――――
春原「ま、なんだかんだいって、僕らとは違うよね」
ベッドの上、仰向けになり、ひとり言のように漏らす。
それは、今日の軽音部でのことを言っているのだろう。
朋也「………」
やはり、こいつも俺と同じようなことを感じていたのだ。
こいつにしてはめずらしく気を許し始めていたのかもしれない。
だから、その分、見せられた違いを心苦しく思っているんだろうか。
春原「いいけどね、別に」
また、誰に言うでもなくつぶやいた。
………。
かける言葉が見つからなかった。
だが、考えてみれば、あいつらと関わるのも明日で最後だ。
埋まらない溝があったところで、なにも問題はない。
所詮、短い間のつき合いだったのだ。
俺は一度寝返りを打った。
いや…
平沢とはまだしばらく関わることになるのか…。
といっても、席が隣で、クラス係が同じというだけの、薄いつながりだったが。
112 = 43 :
4/8 木
唯「おはよう」
朋也「おはよ」
今日はちゃんと返事をして、席に着く。
唯「岡崎くん、ちゃんと寝てる?」
朋也「ああ、さっきまで寝てたけど」
唯「そうじゃなくて、夜更かししてるんじゃないかってことだよ」
唯「もうずっと遅刻してるし…」
朋也「だから、言っただろ。不良だって」
唯「でも…」
朋也「もういいだろ。おまえには関係ない」
反射的にきつく言ってしまう。
そのことであまり探られたくはなかった。
俺の身の上話なんて、他人にしてもしょうがないから。
唯「…そうだね。ごめん…」
朋也「いや…俺もなんかきつく言っちまって、悪かったよ」
113 = 43 :
唯「そんな…私がしつこかったから、しょうがないよ」
朋也「いや…」
唯「いやいや…」
どちらも譲歩しあってらちがあかなかった。
唯「…あはは」
朋也「…は」
軽く笑いあう。
そこでこの譲り合い合戦は終わった。
理屈じゃない。けど、すぐにわかった。
これで決着がついたこと。
勝ち負けがはっきりしたわけじゃない。
それでも、お互いに納得していたことが伝わっていた。
―――――――――――――――――――――
………。
―――――――――――――――――――――
唯「岡崎くん」
朋也「なんだ」
唯「今日のお昼のこと、きのうみんなで話したんだけどね…」
114 = 43 :
唯「学食で食べてみようってことになったんだ」
唯「でも、私たち、誰も学食使ったことなかったからさ、ちょっと不安なんだよね」
唯「だから、岡崎くんがガイドしてくれたらうれしいんだけど…だめかな?」
朋也「ガイドって…食券買ってそれ渡すだけだぞ」
グルメ番組じゃあるまいし、必要ないと思うのだが…。
唯「でも、経験者がいたほうが心強いっていうか…」
唯「ほら、なんか常連だけの暗黙のルールとかあったら、絶対やぶっちゃうだろうし」
一見さんお断りの隠れ家的名店か。
ただの学食にそんなものはない。
唯「ね? だから、いっしょに食べて?」
朋也「…まぁ、いいけど」
春原とふたりだけで食べるのもマンネリ化してきて、ずいぶんと経っていたところだし…。
たまにはそういうのもいいかもしれない。
唯「やったぁ! じゃ、みんな呼んでくるねっ」
―――――――――――――――――――――
平沢が連れてきたメンツ、プラス二人で学食を目指す。
115 = 1 :
春原「なるほどね、いい目してるじゃん。僕、自称学食の帝王って呼ばれてるくらいだからね」
自称では意味がない。
唯「わぁ、すごいんだねっ」
今だけは平沢の賞賛も皮肉に聞こえた。
春原「まぁね。僕がいつもの、っていえば、カツ丼と水が出てくるんだぜ?」
律「?つけっ。つーか、岡崎に頼むって聞いてたのに、なんであんたがついてきてんの?」
春原「岡崎はいつも僕と食ってるんだぞ。こいつと食うってことは、僕と食うってことと同じなんだよ」
律「気持ち悪いくらい仲いいな…」
春原「ふふん、まぁね」
朋也「キモっ」
春原「なんでだよっ!」
律「わははは!」
朋也(ん…?)
視界の隅、グループの中に見慣れない顔をとらえた。
朋也「平沢、そっちのは…」
116 = 81 :
春原にも春をあげてください
117 = 43 :
春原「なるほどね、いい目してるじゃん。僕、自称学食の帝王って呼ばれてるくらいだからね」
自称では意味がない。
唯「わぁ、すごいんだねっ」
今だけは平沢の賞賛も皮肉に聞こえた。
春原「まぁね。僕がいつもの、っていえば、カツ丼と水が出てくるんだぜ?」
律「うそつけっ。つーか、岡崎に頼むって聞いてたのに、なんであんたがついてきてんの?」
春原「岡崎はいつも僕と食ってるんだぞ。こいつと食うってことは、僕と食うってことと同じなんだよ」
律「気持ち悪いくらい仲いいな…」
春原「ふふん、まぁね」
朋也「キモっ」
春原「なんでだよっ!」
律「わははは!」
朋也(ん…?)
視界の隅、グループの中に見慣れない顔をとらえた。
朋也「平沢、そっちのは…」
118 = 70 :
さるよけ
119 = 43 :
唯「ん? 和ちゃんだよぉ。同じクラスだし、みたことあるでしょ」
そういえば、あるような気もする。
唯「いつも私たちとお昼してるんだよ」
女生徒「どうも。同じクラスの人に今更なんだけど…」
女生徒「真鍋和です」
唯「和ちゃんは、岡崎くんと春原くんのこと知ってるよね」
和「ええ。一応クラスの人全員の名前と顔は一致してるわ」
唯「さすが和ちゃんっ」
和「ま、そのふたりに関しては、前から知ってたけどね」
唯「へ? なんで?」
和「生徒会の間ではちょっとした有名人だったからね。問題児として」
唯「あわ、問題児って…の、和ちゃん…」
春原「生徒会?」
春原が反応する。
和「ええ。私、一年の時から生徒会に所属してるの」
120 = 1 :
和「だから、あなたたちの素行については、いくらか知ってるつもりよ」
春原「…ふぅん、そう」
怪訝な顔で返した。
生徒会なんていったら、風紀にも敏感な連中じゃないのか。
春原同様、俺もあまりいい気はしない。
和「ま、安心して。あなたたちにどうこう言うつもりはないから」
まるで心のうちを見透かされたかのようなセリフだった。
律「和ってさぁ、今度の生徒会長の選挙、立候補すんの?」
和「一応、しようと思ってるわ」
唯「和ちゃんならなれるよっ」
澪「そうだな。私もそう思う」
和「ありがと」
春原「生徒会長ねぇ…」
釈然としないようで、不満気にそうこぼしていた。
―――――――――――――――――――――
律「うっへ、混んでんなぁ」
121 = 1 :
春原「いつもこんな感じだからな」
春原「おまえら、人の波に飲み込まれないようについてこいよ」
春原「おら、どけっ」
乱暴にかきわけ、進んでいく。
和「…あまり感心しないわね」
唯「ま、まぁまぁ。私たちのためにやってくれてるんだし…」
―――――――――――――――――――――
春原の先導により、券売機の前に辿り着いた。
春原「ここで食券を買うんだ。まず僕がお手本を見せてやる」
律「んなもんさすがにわかるわ」
春原は財布から千円札を取り出し、券売機に投入した。
ぺっ
吐き出される千円札。
春原「あれ? っかしいな…」
律「帝王とか言ってたくせに、こんな機械にナメられてるな、あんた」
122 = 1 :
春原「うるせぇ、こんどこそっ」
ぺっ
またも戻ってくる。
律「あんた…それ、偽札じゃないだろうなぁ?」
春原「ちがわいっ! 次こそ成功するってのっ!」
春原「カァアアアアアアアアアッ!」
気合十分で投入する。
今度は飲み込まれたまま戻ってこなかった。
やっとのことで認識されたのだ。
春原「ふぅ。ま、僕が本気になれば、こんなもんさ」
朋也「つーか、早くしろ」
ピッ ピッ ピッ
俺は後ろからボタンを押した。
選んだのは、ライス(大)、ライス(中)、ライス(小)。
春原「ああっ! なんで全種類のライスコンプリートなんだよっ!」
朋也「しるか。ライスの上にライスかけて食っとけ」
春原「意味ないだろっ!」
123 = 55 :
ライスはおかず
124 = 1 :
朋也「おまえが遅いのが悪い」
春原「ぐ、くそぅ、覚えてろよ、てめぇ」
春原「…おまえら、見たか? このように、学食はそんなに甘い場所じゃないんだぞ」
律「号泣しながら言われてもな…」
―――――――――――――――――――――
券を買うのも、残すところ二人だけとなった。
紬「うわぁ、いいなぁ、こういうの」
目を輝かせ、券売機を見つめる。
春原「お、さすがムギちゃん。期待通りのういういしい反応してくれるねぇ」
紬「うん。私、一度こういう券を買ってみたかったの」
お嬢様だと聞いていたが、やっぱりこういう庶民的なところには普段来ないんだろうか。
紬「なににしようかな」
言いながら、財布から取り出したのは、一万円札。
なんともセレブリティなことだ。
春原「ははっ、すげ…ちゃんとお釣り返ってくるかな…」
さすがにそこまでの額じゃない。
125 = 1 :
紬「う~んと…これにしよ」
ピッ
少しかがんで、出てきたお釣りと食券を回収した。
紬「はい、澪ちゃん、お待たせ」
澪「うん」
最後の一人に位置を譲る。
澪「う~ん…なんか、重たいものばっかりだな…」
朋也「なら、パンにするか?」
澪「え? あ、パ、パン…?」
朋也「ああ。ほら、あそこで売ってるだろ」
人だかりができているスペースを指さした。
今は激しい人気パン争奪戦が行われている最中だった。
澪「じゃあ…パンにしようかな…」
朋也「まぁ、これから行ったんじゃ、ロクなの残ってないだろうけどさ」
澪「そ、そうですか…」
律「なんで敬語なんだよ」
126 = 1 :
澪「いや…だって…」
律「まぁだ恥ずかしがってんのか…」
澪「恥ずかしいっていうか…遠慮は必要だろ…」
律「そっかぁ?」
澪「そうだよ…」
言って、視線をパン売り場に戻す。
澪「…それにしても、混んでるなぁ」
律「澪、行って全員蹴散らしてこいっ!」
澪「無理だって…」
蹴散らすのはもとより無理だとしても、買ってくるだけでも女の子では苦労するだろう。
………。
朋也「…おまえら、先に食券替えて、席確保しといてくれ」
朋也「春原、俺の分頼んだ」
強引に食券を握らせる。
春原「あん? おまえどっかいくの?」
朋也「そんなところだ。ほら、もういけ」
127 = 1 :
春原「? ま、いいけど」
春原「じゃ、いくぞ、おまえら」
律「いいかげん仕切るのやめろよなぁ、ったく」
唯「じゃ、あとでね、澪ちゃん、岡崎くん」
春原の後に続き、平沢たちもカウンターへ向かっていった。
朋也「で、なにがいい」
澪「え?」
朋也「パンだよ。買ってきてやるから」
勧めたのは俺だったので、最後まで面倒をみてやらないと後味が悪い。
だから、そう申し出ていた。
澪「え、あ、悪いですよ、そんな…」
朋也「いいから、言えよ」
澪「うっ…は、はい…じゃあ…」
メニュー表をしばしみつめる。
澪「クリームパンとあんぱん、それとやきそばパンで…」
朋也「わかった。金はあとで合流した時にな」
128 = 43 :
澪「あ、はい…」
朋也(いくか…)
俺は覚悟を決め、人ごみの中に突っ込んでいった。
―――――――――――――――――――――
パンを購入し、春原たちがついているテーブルを探す。
とくに苦労することなく、その場所はすぐにみつかった。
目立つ金髪はこういう時には便利なものだ。
俺はその集団に歩み寄って行った。
朋也「わり、遅くなった」
澪「あ…いえ…そんな」
朋也「ほら、パン」
澪「ありがとうございます」
朋也「540円な」
澪「はい…どうぞ」
朋也「ん、ちょうど」
代金を受け取り、俺も席に着いた。
唯「ね、だから言ったでしょ。岡崎くん、いい人なんだって」
129 = 1 :
律「いやぁ、悪人の善行ってやつじゃねぇの。ギャップでよくみえたりな」
唯「もう、りっちゃん! そんなことないよ、普通にいい人だよっ」
唯「ね、澪ちゃん」
澪「う、うん…」
紬「やさしいのね、岡崎くん」
春原「ムギちゃん、だまされちゃだめだっ」
春原「こいつのは計算なんだよっ。好感度上げようとしただけだってっ」
律「人の足引っ張るそのおまえの好感度が最悪だわ」
春原「なにぃっ!? ムギちゃん、今僕の好感度、どれぐらいある!?」
紬「えっと…ごめんなさい、不快指数のほうで表していいかな?」
春原「マイナスのメーターっすか!?」
律「わははは!」
騒がしい奴らだった。
―――――――――――――――――――――
律「にしても澪、部活でも甘いもの食べるのに、昼も菓子パン食べちゃって…」
130 = 43 :
律「そろそろ腹まわりヤバいんじゃないの?」
腹の辺りに手を伸ばす。
澪「わ、馬鹿っ、つかむなっ」
その手を払いのけた。
律「ぷにってしたぞ」
澪「うそつけっ、まだ大丈夫…なはず」
最後は消え入りそうな声になっていた。
唯「心配しなくても、澪ちゃんスタイルいいよ」
律「ま、服の上からじゃわかんないよなぁ」
澪「う、うるさいっ! いいんだよ、今日は新勧ライブでカロリー消費するんだから」
和「あら、軽音部は今日なの?」
唯「うん、そうだよ」
和「そう。がんばってね」
唯「うん、全力でやるよっ。今日はみんなを沸かせて、総スタンディングさせるんだ」
唯「それで、客席にダイブするよっ」
131 = 1 :
和「危ないから、それはやめときなさい…」
律「あんたら、今日はきっちり働いてもらうからな」
春原「わぁってるよ。あ、ムギちゃん、今日もお茶よろしくね」
紬「うん、用意するね」
律「だぁから、ムギ、しなくていいって。こいつを調子づかせるだけなんだからさ」
紬「おいしそうに食べてくれるから、なんだか私も嬉しくて…」
律「でもこいつ、ケーキつつんでたラップまでなめまわすから、きちゃないじゃん」
春原「それだけうまいってことなんだから、いいだろっ。ね、ムギちゃん」
紬「えっと…ごめんなさい、あれは正直ドン引きしてたの」
春原「笑顔で内心そんなこと思ってたんすかっ!?」
律「みんなそう思ってたわい。あと、お前が座った席は消毒してるんだからな」
春原「マジかよ…」
澪「そんなことしてないだろ」
律「あーも、澪、ネタバレすんなよ」
春原「てめぇ、話盛ってんじゃねぇよ、デコっ」
132 = 43 :
律「あぁん? 春原のくせに反抗的だな、おい」
春原「“さん”をつけろよ、デコ助野郎っ」
どこかで聞いたことがあるような気がする…。
律「はぁ? なんであんたにさんづけなんだよっ」
春原「お約束だろっ。察せよ、ったく。空気読めないやつだなぁ」
律「存在自体が場違いなあんたに言われたくないわっ」
春原「あんだよ、やんのかデコ」
春原がファイティングポーズを取る。
律「上等だっつーの」
部長もそれに応じて構えた。
唯「はいはい、ストップ、ストーップ!」
平沢が審判のように割って入り、ふたりを制した。
澪「律、なんでそんなに喧嘩腰なんだ」
律「だってさぁ…」
唯「ふたりとも、仲直りの握手しよ、ね?」
133 :
頑張ってください!!
134 = 1 :
律「やだ」
春原「やだ」
唯「うわ、いきぴったり」
律「あわせんなっ」
春原「あわせんなっ」
唯「まただ」
澪「あはは、ほんとは相性いいのかも」
律「よくないっ」
春原「よくないっ」
紬「ふふ、またね。すごい」
唯「あははっ」
澪「ははっ」
俺たちの中に、ひとつ小さな笑いが起こる。
春原「ちっ…」
律「ふん…」
それに当てられてか、喧嘩は収まったようだった。
―――――――――――――――――――――
135 = 43 :
俺と春原は食べ終わると、すぐに教室へ戻ってきた。
平沢たちはまだだべっていくつもりのようで、その場で別れていた。
唯「やっほ、岡崎くん」
と、戻ってきたようだ。
唯「今日は付き合ってくれてありがとね」
朋也「ああ、まぁ、俺はなにもしてないけど」
ほとんど春原が牽引していたように思う。
唯「そんなことないよ。澪ちゃんにパン買ってあげてたし」
朋也「ああ…それか」
唯「うん、それだよ」
言って、席に着く。
唯「いやぁ、でも、学食おいしかったよ。満足満足~」
朋也「そっか」
唯「それに、いつもよりにぎやかで楽しかったし」
唯「岡崎くんはどうだった? 私たちと食べて」
朋也「騒がしかったよ」
136 = 1 :
唯「それだけ?」
朋也「ああ」
唯「ぶぅ、もっとなんかあるでしょ~」
朋也「まぁ、退屈はしなかったかな」
唯「ほんとに? なら、また一緒に食べようね」
朋也「気が向いたらな」
唯「うん、約束ね」
―――――――――――――――――――――
………。
―――――――――――――――――――――
そして、迎えた放課後。
律「ほんじゃ、これみんな運んどいて」
俺にはよくわからないが、スピーカーやらなにやらがずらっと並べられていた。
春原「あのドラムはおまえが持ってけよ。自分のだろ」
律「私は両手がふさがってるから。ほら」
137 = 43 :
スティックを両手でもち、春原に示した。
春原「そんなもんどうとでもなるだろっ」
律「うるせぇなぁ。なんのためにあんたらがいるんだよ」
律「こういう汚れ仕事をするためだろ?」
澪「汚れって…ただの力仕事だろ」
律「とにかく、私たちは先にいってコードの配線とかやっとくから」
律「じゃ、がんばってねん」
部室から、いの一番に出ていった。
澪「ああ、もう、あいつは…」
澪「あの、私たちも運ぶんで、安心してください」
朋也「いいよ。おまえらも行っててくれ」
澪「え? でも…」
春原「おい、岡崎…」
朋也「部長の言った通りだ。こういうことをするために俺たちがいるんだからな」
唯「いいの? 岡崎くん」
138 = 1 :
朋也「ああ」
唯「そっか。それじゃ、おねがいね」
朋也「任せろ」
唯「いこう、澪ちゃん、あずにゃん、ムギちゃん」
澪「う、うん…。それじゃ、お願いします」
梓「お願いします」
紬「よろしくね」
平沢たちも出ていった。
春原「はぁ…これ全部だぜ。おまえ、カッコつけすぎな」
朋也「いいから、運ぶぞ」
春原「へいへい…」
―――――――――――――――――――――
春原「あ~、疲れた」
言われていた物は全て運び込み、設営も整った。
軽音部の連中は、実際に音を出してなにか確認しているようだった。
時計を見てみる。
ライブが始まると聞いた時間までまだ30分はあった。
139 = 43 :
だが、ちらほらと生徒が講堂に入ってきていた。
春原「おい、二年とか三年までいるぞ。暇なやつらだなぁ」
おまえが言うな。
―――――――――――――――――――――
開演時間5分前となった。
すでに席は埋め尽くされている。
それだけにとどまらず、立って見ているやつらもいた。
春原「おい、出ようぜ、岡崎」
俺たちも席に座らず、一番後ろで壁に寄りかかっていたのだが…
もう、ここまで人が詰まってきていた。春原の言い分もわかる。
正直、うっとうしい。
朋也「そうだな」
俺も出ることにした。
最後にと、一度ステージに目をやる。
すると、偶然平沢と目が合った…気がした。
唯「………っ!」
平沢は、ステージから大きく手を振っていた。
朋也「………」
140 = 1 :
振り返したほうがいいのだろうか…今から出ていくというのに。
少しの間考える。
朋也(あんな愛想振ったあと、出てかれるの見ると、士気が下がるかもしれないよな…)
なら、やっぱりここで見ていたほうが…
男子生徒1「唯ちゃんこっちに手振ってね?」
男子生徒2「俺にむいてね? 俺じゃね?」
男子生徒1「ははっ違いすぎる。あ、でも振り返してみれば?」
男子生徒2「っおまえ。むり、はずすぎる」
近くにいた奴らの会話が聞こえてきた。
こいつらは平沢の知り合いかなにかなんだろうか。
だとしたら、あれは俺ではなくこいつらにむけられたものだったのか。
朋也(はっ…なに勘違いしてんだ、俺…)
一瞬でも自分に向けられたものだと思ってしまったのが恥ずかしい。
止まりかけた体を再び動かし、外に出た。
―――――――――――――――――――――
唯『新入生のみなさん、御入学おめでとうございます』
講堂の中から平沢の声が漏れ聞こえてきた。
自分が軽音部に入ったいきさつなどを喋っているようだ。
141 :
面白いな
142 = 43 :
………。
唯『…こんな私でも一生懸命になれることをみつけることができました』
唯『すごく練習をがんばってきた、なんて胸を張っていえませんが…』
唯『でも、今まですごく楽しくてやってこれて…とても充実してました』
唯『みなさんも、私たちと一緒にバンド、やってみませんか?』
春原「なぁ、岡崎。場所移らない? 別に、こんなとこで待ってなくてもいいと思うんだけど」
俺たちは講堂の入り口付近の壁に背中を預けるようにして座り込んでいた。
朋也「…ああ、だな」
立ち上がり、歩き出す。
去っていったその場所からは、軽音部の演奏が僅かに届いてきていた。
―――――――――――――――――――――
学食まで訪れて、ジュースを購入する。
そして、適当なテーブルについた。
春原「あ~あ、ムギちゃんのケーキも今日までかぁ」
春原「なんか、惜しいなぁ」
朋也「だったら、入部でもしろよ」
143 = 1 :
春原「はっ、馬鹿いうなよ。楽器なんか興味ないね」
春原「それに、音楽はボンバヘッで全て事足りるしね」
朋也「あ、そ…」
何も言うまい。
春原「でも、ムギちゃんなら頼めばくれそうだよね。軽音部となんの関係もなくなってもさ」
朋也「表立って断られはしないだろうけど、裏ではおまえを始末する計画練り始めるだろうな」
春原「んなことする子じゃねぇよ。それに、けっこうフラグたってたと思うし」
朋也「はぁ?」
春原「わからない? あの、ムギちゃんが僕を見る目の熱っぽさが」
朋也「わかるかよ…」
春原「おまえはまだまだ青いねぇ。あとちょっとで落とせるとこまできてんだよ」
どう考えてもこいつの思い込みだった。
春原「そろそろ、呼び捨てしてもいい時期かもね」
春原「あ、それから、住所と電話番号もつきとめてさ、毎日一緒に登下校したり…」
春原「軽い恋人同士のいたずらで、無言電話してみたりとかね、ぐっへへ」
144 = 43 :
もはやストーカーになっていた。
朋也(ふぅ…)
妄想に浸る春原を視界からフェードアウトさせる。
椅子に体重をかけ、体を少しのけ反らせてから天井を見つめた。
―――…こんな私でも一生懸命になれることをみつることができました
平沢の言葉を思い出す。
朋也(一生懸命、ね…)
体勢を戻し、一気にジュースを飲み干す。
かつては、俺も…そして、春原もそんな風だったのかもしれない。
今では、そんな奴と関わることさえ嫌になってしまうほどだったが。
だが、なぜか今、平沢には…軽音部の連中には普通に接してしまっている。
朋也(なんでだろうな…)
俺は空になった空き缶を持ち直し、ゴミ箱に狙いを定め…
しゅっ
左腕で放った。
それは放物線を描き、ゴミ箱に吸い込まれていった。
春原「お、ナイッシュ」
春原「おし、僕も」
145 = 1 :
空にするためか、ごくごくと残りのジュースを飲み始める。
朋也「実はさ……う○こっ!!!!!」
春原「ぶっ!!!」
ドバっ、と鼻からも液体が噴出される。
春原「いきなりなんだよっ!?」
朋也「こうなるかな、と思って」
春原「じゃあ、やるなよっ!」
朋也「いや、でもまさかうん○で笑うとは思わなかったんだよ」
春原「笑ったんじゃねぇよ。おまえの声のでかさにおどろいたのっ」
朋也「あ、そ」
春原「ったく…くだらないことすんなよな…」
―――――――――――――――――――――
朋也(そろそろか…)
終了時間も間近にせまっていた。
今から行けば、ちょうど終わった頃につけるだろう。
朋也「春原、いくぞ」
146 = 43 :
春原「ちょっとまって、あと少しで読み終わるから」
春原は途中学校を出て、コンビニで漫画雑誌を買ってきていた。
朋也「先にいってるぞ」
春原「あー、うん。わかった」
雑誌を読みながら、気の無い返事。
俺は春原をその場に残し、ひとり講堂へ向かった。
―――――――――――――――――――――
「アンコールっ! アンコールっ!」
つくなり、聞えてくる観客の声。
唯『えへへ…みんな、ありがとう! じゃあもう一曲…』
続いて、平沢の声がして、演奏が始まった。
扉を開けてみる。
―――――――――――――――――――――
場内は熱気に包まれ、蒸し暑かった。
その中で軽音部の連中が演奏している。
ボーカルは、平沢と、秋山だった。
扉を閉め、中に入り、しばしそのまま聴き入る。
女生徒1「お姉ちゃん、すごい…」
147 = 1 :
女生徒2「憂のお姉さん、演奏してる時はかっこいいよね」
女生徒1「うんっ」
朋也(お姉ちゃん…?)
近くにいた女生徒の話が、大音量の中かすかにきこえてきた。
朋也(あいつらの中の、誰かの妹か…)
暗くて顔はあまりみえなかったので、誰の妹かは見当がつけられなかった。
きぃ
春原「ありゃ、まだやってんの」
扉を開け、春原が入ってきた。
朋也「アンコールだと」
春原「ふぅん…」
春原もその場にとどまり、演奏を聴き始めた。
すぐに引き返して雑誌の続きでも読み始めるかと思ったのだが…。
春原「………」
ステージの上、あいつらは本当に楽しそうに演奏していた。
練習の時にも見たが、本番ではよりいっそういきいきとしている。
148 = 43 :
春原「……絶対、ボンバヘッのほうがいいっての」
そうこぼしたのは、強がりだったのか。
俺たちと、あいつらのいる場所、その距離に対しての。
―――――――――――――――――――――
ライブも終わり、観客も捌けはじめた。
一度外に出て、そのまま待つ。
―――――――――――――――――――――
場内が空いてくると、中に入ってステージに向かった。
唯「岡崎くんっ!」
機材を片していた平沢が俺に気づき、あげた第一声。
唯「私、手振ったよね? 気づいたでしょ? なんで出てっちゃったの?」
ああ…あれはやっぱり、俺に振っていたのか。
勘違いではなかったようだ。
朋也「悪い。気づかなかった」
唯「嘘だよっ。目もあったじゃん」
朋也「おまえ、目いいな。俺、わからなかったよ」
唯「えぇ~、でも、ちょっと止まったじゃん…」
149 = 1 :
朋也「暗かったからな。慎重に動いてたら、そうなったんだ」
唯「そうなの…?」
朋也「ああ」
唯「そっか…」
なんとかごまかせたようだ。
朋也(って、別に嘘つくようなことでもなかったか…)
正直に、勘違いしてたら恥ずかしいから、と言えばよかったのに。
俺はなにを見栄張ってるんだか…。
唯「はぁ、春原くんもすぐ出てっちゃうし…ふたりにも聴いててほしかったのに」
朋也「最後のは聴いてたよ。な」
春原「ああ、まぁね」
唯「あ、じゃあやっぱりあの時入ってきたの、岡崎くんと春原くんだったんだ」
唯「背格好で、なんとなくそうなんじゃないかと思ってたんだ」
朋也「そっか」
唯「うん。どうだったかな? 私、メインで歌ってたんだけど…」
それは、会場の沸き具合がそのまま答えになっていた。
150 :
そういえばコテも蔵などとけいおんで書いてた気がする
コテのクセに結構完成度高かったな
みんなの評価 : ★★★×5
類似してるかもしれないスレッド
- 朋也「軽音部? うんたん?」2 (686) - [97%] - 2010/9/25 14:30 ★★★×4
- 億泰「学園都市…っスかァ?」 (369) - [47%] - 2010/10/3 2:31 ★★★×4
- 美也「にぃにー! あっさだよ-?」 (331) - [47%] - 2011/11/21 13:15 ☆
- 京介「ん、何!? これ酒かよ!」 (165) - [44%] - 2013/4/9 14:15 ☆
- 桐乃「え?嘘でしょ?」 (455) - [43%] - 2010/11/24 21:30 ★★
- 照「……2ちゃんねる?」 (356) - [43%] - 2012/6/20 6:00 ★★
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について