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    元スレ女旅人「なにやら視線を感じる」

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    みんなの評価 : ★★★×4
    タグ : - ストライクウィッチーズ + - + - 傭兵と騎士 + - + - 女騎士 + - 男勇者 + - 神スレ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    351 = 103 :


     旦

    その後は何事もなく順調に進み、一週間程で商業の町に着くことができた。
    夫婦と使用人二人と握手を交わし、たまに遊びに来てくれと言われた。
    どうやら彼らはこの町一の大商人の跡取りらしく、今はすぐに発つものの冬はここで過ごしているらしい。

    「オレオレ! ぜってーししょーみたいに強いヨーヘーになる!」

    「やめとけやめとけ、ロクな金貰えなくて食うに困るぞ」

    「じゃあ騎士! かっちょいい騎士になる!」

    「それもやめておけ」

    口を尖らせ「なんでだよぉ」と文句を言う兄の頭にぽんぽんと手を乗せ、

    「大人しく家業を継げ。 強くなったら、それで家族を守ってやれ」

    目はとても優しく、そしてどこか切なげであった。
    俺は耳が痛い。 戦にはご縁のない俺の故郷では家業を継ぐのは長男の役目であるためだ。

    352 = 221 :

    なんか、意味もなくわくわくしてきた

    353 = 103 :

    別れの挨拶も終え、さぁ行こうかという時に足がずっしりと重くなった。
    見てみると、俺の左脚には目を赤くした妹がぎゅっとしがみ付いていた。
    「あらあら」と母親が苦笑いする。

    母親「ほら、お兄さん困ってるでしょ? バイバイしなきゃ」

    脚から引き剥がされた妹の目には大粒の涙が溜まり、顔はくしゃくしゃになっている。
    どうしたもんかなと目線の高さを合わせるために しゃがみこむと、いきなり飛びついてきた。
    そして選りにも選って彼女の目の前で、俺のほっぺにちゅーをしたのである。
    唖然としていると、五歳の少し増せた少女はさっと放れ、そしてぱたぱたと母親の場所まで走った。

    「ばいばい!!」

    賑やかな町が一瞬静まるほどの大きな声で叫び、腕がもげるのではないかと思えるほどに大きく手を振った。
    遠く離れ、人混みに紛れても、少女は小さな手を振り続けた。

    354 = 191 :

    妹の将来が不安だw
    ボサ男みたいな変態好きになっちゃらめ><

    355 = 298 :

    アサクリしたくなってきた

    356 = 322 :

    人生強くてニューゲームしたいでござる

    357 = 191 :

    夢や希望に溢れてた時期が俺にもありました。

    359 = 335 :

    友達もいっぱいいました

    360 = 221 :

    ああああ俺もこんな時代に生まれて傭兵したかったぁぁぁぁぁぁぁ

    ま、初陣で死ぬけどね・・・・

    361 = 103 :


    宿にて一泊し、朝、この町を出発した。
    ママの店のある町までは、雨さえ降らなければ五日程で行くことができるだろうか。
    「行きはよいよい帰りは辛い」と言った感じで、この町から行くには最短ルートでも少々時間がかかる。

    「確かお前はここで倒れていたな」

    途中でからかわれる。 彼女とその部下を傷つけたことを未だにずるずると引きずっている俺にとって
    それは冗談になっておらず、思わず顔を顰めてしまう。 その様子を見て、彼女はくすくすと笑った。

    なんとなくだが、彼女の笑顔は最初よりも柔らかくなったような気がする。
    特にあの家族と接してから――……つまりは、俺の力ではないわけだ。

    362 = 103 :

    全くの二人きりというのは久々のことであった。
    今は馬の蹄音も貨車の音も、兄妹の喧嘩声や歌い声も何も聞こえない。
    森が風によってざわめく音と野生生物の蠢く音、
    そして右後ろからの彼女の静かな足音だけが俺の耳に届いた。 少し、緊張する。
    そんな沈黙を破ったのは再び彼女である。

    「……あそこで倒れていたということは、この道を通って、その途中クマに襲われたのだな」

    「そうなるね」

    「私も去年この道を通って、さっきの町に行った。 着いたのはお前が倒れていた日と同じ日だ」

    「へ、へぇ~」

    「つまりは、お前は私のすぐ後ろを歩いていたことになる」

    363 = 103 :

    ひやり、と汗をかく。
    俺から彼女の姿は見えないが、視線だけは感じる。
    素足でイラガの幼虫を踏んでしまったかのように、ぢくぢくと背中を突き刺す。
    しまった、話のネタにと思って喋ったが、それではいつどこを通ったのか教えているようなものではないか。
    もしやこんなところで後を尾行けていたことがばれるのではないか。 おいおいおいやばいよやばいよ!

    「ぐぐぐ偶然だね!」

    「偶然か?」

    「偶然! 偶然!!」

    「その後戦場でも会ってるんだ。 偶然にしては出来すぎていないか」

    「それは本当に偶然だから!」

    「『それは』?」

    のおおおおおおおおおおおおおおおおお

    364 = 335 :

    のおおおおおおおおおおおおおおおおお

    365 = 350 :

    2回目までは偶然、3回あったら必然ってエロゲの中の人が言ってた。

    366 = 103 :

    「……と、とにかく、本当に偶然だ!」

    「偶然なぁ」

    「いいいくつかの偶然が重なるとそれが必然だと思ってしまう傾向は人間の悪い癖だと思います」

    「む……なら、本当に偶然なのか? それにしてはやけに不自然な否定だが」

    「いやだって、……俺がずっと後付けてたみたいに思われるのは……」

    「確かにそのように思われるのはいい気がしないな」

    「そ、そうそう」

    「そうか。 すまんな、お前を信用していると言いつつストーカーまがいの事をしていたのではと疑った」

    「はははやるわけないない」

    「もし本当にやっていたとしたら軽蔑しかしないな」

    おれ に 9999 の せいしん てき ダメージ!  ▼

    367 = 331 :

    のおおおおおおおおおおおおおおおおお

    368 = 191 :

    エロゲでは全ては必然なんだよ
    パンを咥えたあの娘も、見知らぬ可愛い娘との同棲も

    369 = 103 :

     旦

    「いくつかの偶然が重なるとそれが必然だと思ってしまう」というあいつの言葉には心当たりがあった。
    半年ほど前、兄王子――陛下からの信頼も厚く、すでに国の一部の統治を
    任せられており別の場所で暮らしている――が、宮廷に訪れていたときである。

    「聞いてくださいよ! 本日殿下が……無能じゃないほうの殿下がいらしているのですけど!
        なんと、五回! 五回も廊下ですれ違っちゃったんです! しかも三回、目が合ったんですよ!」

    「それは偶然だったな」

    「偶然なんかじゃないんです! そんなに偶然が重なるわけがないんです!
        限られた時間の中であんなに目が合っちゃったら、もう偶然なわけがないんです!
        きっと私と兄殿下は運命の赤い糸で結ばれちゃっているんです! きゃーどうしましょう騎士様!」

    妄想もいいところである。

    370 :

    気持ち悪い文だな

    371 = 191 :

    無能じゃないほうww

    372 = 103 :

    ただ偶然同じ場所を通り、ただ偶然目が合った、それも一方的な勘違いかもしれないというのに、
    たったそれだけで、それが運命の仕業だという下女を酷く馬鹿にした覚えがある。
    多分、同じようなものだろう。

    そう、ただ単に偶然が重なっただけではないか。 偶然同じ時期に同じ道を通っただけだ。
    それだけで私の後をついてきたのではないかと考えるのは自意識過剰というものだ。
    足音はおいておくとして、尾行する者特有の視線だって全く無かった。

    第一あいつには私を追う理由などないではないか。
    戦場でも、酔いつぶれた時も、私に何もしなかったのだから。

    373 = 350 :

    発言がばれたら下女打ち首確定

    374 = 103 :

    日が暮れると小さな洞穴の入り口に火を焚き、質素な夕食を済ます。
    限られた食料を取り合って喧嘩する声も聞こえたりはぜず、とても静かなものだった。

    ボサボサの頭をした男が荷物を探り「デザート」と言ってまたリンゴを放り投げた。
    食料は一緒に買って回ったはずだが、リンゴを買った覚えは無い。

    「いつの間に買ったんだ」

    ボサボサ頭「肉を吟味している間にちょろりと。 金は俺のだから安心して」

    「何故、リンゴなんだ」

    ボサボサ頭「今の時期美味いし、安いからね」

    こいつ本当は、私の好物がリンゴであることを知っているのではないか。
    齧り付くと、口の中で甘く少し酸っぱい果汁がじゅわりと染み出た。 やはり、美味い。

    375 :

    夜中からずっと見てる

    376 = 103 :


    翌日、翌々日もひたすら歩き続けた。 去年のように雨が降ることはなさそうでなによりである。
    ボサボサの頭をした男はこの道をよく通るらしく、この数日も全く地図を見もせずすいすいと進んでいく。
    ならば何故今更クマになど襲われたという話になる。 「運悪くしっぽ踏んだんだよ」 馬鹿か。

    近道もいくつか知っているらしく、少々険しい道も歩いた。
    私が歩けると言ったから通っている道なのに、なにかと手を貸してくれようとしている。
    実際無理しているところなどないので「助けなどいらん」と出された手を払いのける。

    眉を下げる仕草は、相変わらず眼帯には似合わない。

    377 :

    まさかこんなにも続きが気になるなんて…

    378 = 103 :


    昔女に振られた理由について話しながら小さな川の側を歩いていた時である。
    突然、目の前の男が立ち止まった。 その肩に私の鼻がぶつかりそうになる。
    文句を言おうとすると、男は閉じた口の前に立てた人差し指を運んだ。
    「静かに」という合図である。

    こいつは耳がいい。
    いつか馬車に乗っていたときも後ろから迫る盗賊の蹄音に気付いたほどである。
    今回も何者かの気配がしたのだろう。 ……まさかクマが現れた訳でもあるまい。

    ボサボサ頭「……ちょっと、多いかも」

    379 = 322 :

    熊の尻尾・・・だと・・・

    380 = 103 :

    言った瞬間、背後でガサリと茂みが揺れる大きな音がした。
    私とボサボサ頭の視線はそこに奪われる。 先には武器を持った者。
    と、一瞬私の視界の端――男の死角で、何かがきらりと光った。

    まさか。
    男を突き飛ばす。

    バン、という音と共に放たれた矢は、また、私の肩を射た。

    ボウガンを持った男は舌打ちをし、そして逃げていく。
    ボサボサ頭が私の名を叫ぶ。

    382 = 103 :

    「大事無い、さっさと追え!!」

    ボサボサ頭「……ッ すぐ戻る!!」

    ボウガンの男を追い、私は残される。
    刺さった矢を抜こうとすると、またガサリと音がして三人の男が現れた。
    手には、剣を持っている。

    「……いいだろう、丁度腕が鈍っていたところだ」

    思わず笑みがこぼれた。
    久しぶりに剣を抜く。

    383 = 350 :

    何気に弓の出現率高いよね

    384 = 103 :

     旦

    木々を掻き分け雑魚の首を飛ばしボウガンを放った男を追う。
    あいつの走り方は少々おかしい。 裾に隠れているが、もしやあれは――

    崖に追い詰めると、相手は動きを止めこちらに振り返った。
    その顔には見覚えがあった。

    弓兵「よぉ」

    かつての戦場で、同じ傭兵として雇われていた――
    そして、決闘の途中にボウガンを放ち、彼女の左脚に命中させた男。

    「なんのつもりだ」

    弓兵「そりゃこっちの台詞だよなァ?」

    385 = 331 :

    私が女旅人を貫いた矢です

    386 = 350 :

    僕もアヌスも貫いてください。

    387 = 103 :

    弓兵「テメェの為を思ってあの女隊長を撃った! しかしどうだ、テメェはその恩を仇で返しやがった。
        おかげで碌な飯にもありつけやしねぇ! こんな片脚無ぇカタワなんか誰も雇いたくねえってよ!!」

    弓兵「しかもだ! やっと見つけたテメェは、あの女隊長と仲良くしてやがるじゃねえかよ!
        一緒に落ちた場所でヤって仲良くなったのか? そんなことでオレの人生めちゃくちゃにされたのか!?」

    「お前の人生なんか知るかお前の存在価値なんか彼女に比べればシラミ以下だ」

    弓兵「一々ムカつく野郎だな。 ……まぁ良い! テメェを殺すつもりだったが、
        あの女がそんなに大事だってんならむしろ外して正解だったみたいだな!」

    「どういう意味だ」

    弓兵「あの矢には毒がたっぷりと塗ってあった! テメェは一生悔やんで死ね!!」

    388 = 298 :

    死んでなかったのか

    389 = 331 :

    >>386
    毒がついてるみたいですよ?

    390 :

    大丈夫
    毒なら俺が舐めといた

    391 = 381 :

    この弓兵はケツの毛毟られて氏ね

    392 = 191 :

    アナザーストーリー
    ~復讐に心を支配された男、弓兵~

    393 = 103 :

    弓兵の左の義足を叩き折り、マウントポジションをとる。
    首元につきつけた剣は既に薄い皮膚を切り血を滴らせていた。

    「解毒剤を出せ今すぐだそうすれば楽に殺してやる」

    弓兵「んなもん無えよ!! 毒はヘビのもんだ、一度食らったら必ず死n」

    手首を捻ると弓兵の首からは汚い血が噴き出した。
    役立たずに興味はない。
    立ち上がり、彼女の元へ急いで戻る。

    「……俺の、せいじゃないか! くそ……!!」

    394 = 322 :

    この弓兵の気持ちはよく分かる
    こいつもうこれから生きていけないだろうな

    395 = 350 :

    >>389
    ドロっとした毒がさきっちょから出てくるんですね?

    396 = 102 :

    言いたいことも言えない

    397 = 322 :

    弓兵(お前ら)「リア充死ね」

    398 = 103 :

    彼女の名を呼ぶ。 彼女の名を叫ぶ。
    返事は無い。

    地面に剣が突き刺さっているのが見えた。
    近付いていくと、そこにはぐったりと木に凭れる彼女の姿があった。

    再び彼女の名を呼ぶ。
    返事は、ない。

    彼女の手には、肩に刺さっていたであろう矢が握られている。
    ここに来る前に、俺が斃した覚えの無い者の死体が五体転がっていた。
    彼女はそれらを斃した後、矢を抜いたのだろう。 だとすれば、毒はもう全身に――

    399 = 298 :

    仲間を助けたと思ったらカタワにされたでござる
    しかもそいつは幸せそうに生きてるときたもんだ

    400 = 191 :

    そして返り討ちに・・・


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