元スレ勇者「さて、魔王を倒すか」
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1 :
魔王「勇者が旅に出たという情報が入ってから、もう三年か」
従者「はい、三年が経ちます」
魔王「ということは、お前を雇い入れて三年が経つのだな」
従者「ですね。もう三年、時の流れは早いです」
魔王「時は巡り、生きとし生けるものは移り変わっていく、か・・・」
従者「なんの事です?魔王さまはいつもとお変わりないようですが」
魔王「お前の事だ」
従者「変わった・・・、私って変わりました?」
魔王「どうだろうな」
従者「あっ、もしかして今からかってます?」
魔王「(三年か・・・)」
2 = 1 :
~三年前~
家来「魔王様!たった今、斥候から勇者が旅へと出発した、との情報が入りました」
魔王「・・・そうか」
魔王「御苦労、下がってよい」
従者「五年ぶり・・・ですかの」
魔王「爺、居たのか。腰痛で寝込んでいたと聞いていたが」
従者「ふぉっふぉっふぉ。勇者が旅に出たと聞いたのでな、老骨に鞭を打って出てきたのじゃよ」
魔王「自分で老骨と言うか」
従者「じゃが、事実その通りじゃ。わしの存命中には後任を決めていただかねばなりませぬぞ」
魔王「まだまだくたばりそうにないが。しかし、勇者が出たとなれば新たに家来を雇い入れぬとな」
従者「そうじゃのう、前勇者の時はかなり激しい戦いになったしの」
魔王「うむ、適当に募集を頼む。人選も任せた」
3 = 1 :
数日後
魔王「四人、四人か。少なくはないか?」
従者「量より質、将と成り得る人材じゃ。この爺の眼力、衰えてはおりませぬぞ」
従者「お前たち、魔王様の前に並びなさい」
魔王「ふむ。左から竜人族、魔剣士、魔獣族と・・・、お前は魔術師だな」
魔術師「は、はひ」
従者「端から順に自己紹介をせよ」
魔術師「は」竜人「はっ!私は竜人村の出、魔王様に使えるべくこの日の為に己を鍛え上げました」
魔剣士「拙者は魔界武道会を勝ち上がりここに至りまする。陛下のもとで武勲を立て、忠節を尽くす所存」
魔獣「我が一族は代々魔王様に仕えております。此度は我が一族から新たにお引き立て頂き、有難うございます」
魔術師「あ、えと。私は黒魔術や召喚が得意です。りょ、料理や掃除も好きです!魔王様のためにがんばります!」
魔王「なるほど。各自、下がってよい。分からぬ事は従者に尋ねろ」
魔王「おい従者、(なんかダメそうなのが混ざっているが)」ヒソヒソ
従者「(実力は確かじゃよ)」ヒソ
4 :
つづけたまえ
5 = 1 :
夕刻
竜人「ふう、今日の任務は終わりか。初日はこんなものかな」
魔剣士「しかし、この目で見ると凄まじい迫力でござるな。あれが魔を統べる王、禍々しい力を感じましたぞ」
魔獣「力だけじゃなく眉目秀麗だしねぇ、強いしカッコいいし憧れちゃうよ」
魔術師「それに・・・、優しそうでした」
一同「えっ」
竜人「これはこれは。あの魔王様を目にしておいて優しそうとは、驚天動地でござるな」
魔剣士「真似はやめるでござる。だが、魔術師殿には少々変わってるところがありますな」
魔術師「そうですか?」
魔獣「それよりさ、明日から本格的に警備だけど配属って聞いた?俺は東塔らしいんだよね」
竜人「俺は西塔だ、料理が旨いらしいんだよぉ。ヨダレずびっ!」
魔剣士「拙者は南塔、剣士が多いようなので楽しみでござる」
魔術師「(え、私なにも言われてないよ?)」
6 = 1 :
翌日
魔王「従者よ、なぜ人々は勇者を送り込むのだろうな」
従者「なぜ、とは異なことを。分かっておるじゃろう?魔王の覇気、その力を」
従者「脆弱な人間にとって、魔王は存在自体が害悪じゃ。魔王から溢れ出る呪いの瘴気により毎年幾多もの人間が死ぬ」
魔王「それは分かっておる、だが送りこまれる勇者を幾度となく屠ってきたのだ。いい加減学習するべきではないか?」
魔王「仮に、私を倒したところで人間どもは今の国境を維持するのが精一杯だ。魔族が内政を省みず攻め立てれば滅ぶ」
従者「ふむ、勇者を送り込む理由」
従者「人間は、希望・・・とでも仄めかすのであろうの」
魔王「希望、か。都合の良い言葉だ」
従者「そうじゃな。・・・む、魔術師が来たようじゃな」
魔王「何?魔術師を呼んだのか」
従者「うむ、本城に配置する。わしは北塔じゃ」
魔王「お前は何を考えている」
従者「なに、今に分かる」
魔術師「あの、従者様。私はどこに配置されたのでしょうか・・・」
7 = 1 :
―玉座の間―
魔王「・・・」
魔術師「・・・」チラッ
魔王「・・・」
魔術師「・・・」チラッ
魔王「・・・」ジッ
魔術師「っ!」サッ
魔王「聞きたいことでもあるのか」
魔術師「い、い、いえ。大丈夫です」
魔王「さっきから私の様子を伺っていただろう、申してみよ」
魔術師「え、その。魔王様は・・・なにがお好きなのかなぁと思っていただけで」
魔王「何とは。何がだ・・・」
魔術師「ごは・・・じゃなくて、お食事です。どういったお料理がお好きなのでしょうか」
9 = 1 :
―食堂―
魔王「なるほど、さっきのはこういう事か。この飯はお前が作ったのか?」
魔術師「はい。えと、お気に召しませんでした?」
魔王「いや、見た目は今までと遜色ない」
魔王「味は・・・。旨い」
魔術師「本当ですか魔王様!?嬉しいです!」
魔王「(・・・驚いたな、これほどまでに旨い飯は初めてだ)」
魔術師「~♪」
魔王「おい」
魔術師「ひゃい!?」
魔王「これからもお前が作るのか?」
魔術師「そ、そうみたいです」
魔王「そうか」
魔術師「~♪~♪」
10 = 1 :
一ヶ月後
魔術師「魔王様、お出かけですか?」
魔王「お前たちを雇い入れ、ひと月が経った」
魔王「今日は各塔を視察する、場合によっては采配を振る」
魔術師「さいはい??」
魔王「・・・。夜には戻る」
魔術師「分かりました」
―東塔―
魔王「よく統率されているな、美しい方陣だ」
魔獣「恐悦至極に存じます」
―西塔―
竜人「魔王様、ご足労頂き有難うございます」
魔王「屈強な兵が育っている、引き続き励行せよ」
11 = 1 :
―南塔―
魔王「剣技の鍛錬か。どれ、少し手ほどきしてやろう」
魔剣士「あ、有り難き幸せ。どうぞお手柔らかに願います」
―北塔―
従者「王手」
魔王「なるほど、そう来るか」
―本城―
魔王「(予定よりも随分と早く終わった)」
魔王「・・・やはり玉座は落ち着くな」
魔王「・・・?」
魔王「魔術師が居ないようだが」
家来「はっ!この時間帯ですと厨房かと思われます」
魔王「そうか」
魔王「(そう言えば、あの飯の旨さは一体どうなっているのだろうか)」
12 :
愛液入りか
13 = 1 :
―厨房―
魔王「(ふむ、自分の城だが厨房に来るのは初めてだ)」ソッ
魔術師「~♪」
魔術師「今日はお疲れになっているかもしれないし、疲労回復の食材を多めにしましょう」ザクザク
魔王「(良く働いているようだな)」
魔術師「魔王様は毎日残さずお召し上がりになって、毎回美味しいと褒めて下さります」グツグツ
魔術師「魔術師はとても幸せですよ」
魔王「・・・」
魔術師「今日も美味しいって言ってくれるのかなぁ・・・」
魔術師「・・・お、おいしくな~れ」ビシッ
魔王「(何だあのポーズは)」
その日の晩
魔王「・・・旨い」
魔術師「ありがとうございますっ!」
魔術師「~♪」
14 = 1 :
深夜
魔王「(今日は少しばかり暑いな、目が冴えて眠れない)」
魔王「冷水でも汲みに行くか」
―井戸―
魔王「・・・」コクコク
魔王「・・・うむ」
魔王「・・・何だ?微かだが魔力を感じる。城内のようだが」
―修練場―
魔王「(修練場か、防護壁によって魔力は遮断されるはずだが)」ソッ
魔術師「・・・」
魔王「(魔術師が瞑想をしている。・・・しかし、これほどまでに凄まじい魔力を持っているとはな)」スッ
魔王「(近づいても気づかない、中々の集中力だ)」
魔王「おい」
魔術師「ひょいっ!!?!?」ガタタッ
魔王「こんな夜中に何をしている」
15 :
紫煙
16 = 1 :
魔術師「ま、魔王様。魔力の修練をするために瞑想を」
魔王「見れば分かる。何故こんな夜中に瞑想をしている」
魔術師「あの、その。日中はお仕事や雑務で忙しい日が多くて」
魔術師「なかなかまとまった時間がとれなくて、あまり魔力の修練ができていなくて」
魔術師「でも、魔王様のお力添えになるためには日々の修練が欠かせません、だから夜はここに来て瞑想を」
魔王「そうか、では明日にでも仕事量の調整を行う」
魔術師「ダ、ダメですそんな!」
魔王「そのくらいの融通は利く」
魔術師「私が勝手にやっていたことなので、ご迷惑をかけるわけには」
魔王「魔術師」
魔術師「・・・はい」
魔王「仕事についてはお前が口出す事ではない」
魔王「だが、私の為を思って修練をしていた、と言ったな。その姿勢は評価する」
魔王「・・・あと一つ。夜はゆっくりと休んで良いのだ、分かったな」
魔術師「・・・っ!はい!!」
18 = 1 :
そして、幾ばくかの月日が経ち
魔術師「痛っ・・・」
魔王「どうした」
魔術師「書類で、手を切ってしまいました」
魔王「そうか、手を貸せ」
魔術師「へっ?」
魔王「早くしろ」
魔術師「は、はいっ!」スッ
魔王「ふむ」ギュッ
魔術師「(て、手が・・・)」ドキッ///
魔術師「・・・。・・・これは、回復魔法?」
魔王「苦手ではあるが、これくらいの回復魔法なら使える」
魔術師「あ、あの。魔王様、どうして・・・私なんかに」
魔王「理由が必要なことなのか?」
魔術師「・・・っ!・・・ありがとうございます、魔王さま」
19 :
しえん
22 = 1 :
ある晩のこと
魔術師「魔王さま、ごはんの時間ですよ」
魔王「もうそんな時間か、ご苦労」
魔術師「今日はビーフシチューです」
魔王「久しく食べていなかったな、良い香りだ」
魔王「うむ、いつもながら旨い」
魔術師「ありがとうございます!」
魔王「・・・」
魔王「して、魔術師よ。お前はいつ飯を食べているのだ」
魔術師「・・・?魔王さまがお召し上がりになったあとです」
魔王「そうか、次からは同じ卓に着け。・・・せっかくの旨い飯だ、冷めた状態で食う必要もあるまい」
魔術師「そ、それは。あの、そういう訳にはまいらないでござる、ございます。わ、私なんかがそんな」
魔王「断るつもりか?」
魔術師「い、いえ!その、とっても嬉しいです・・・」
魔術師「(魔王さまと一緒にごはん!?)」ドキドキ
23 = 1 :
ある日の午前中
魔王「ふむ、雇用対策が必要だな。公共事業の拡大に重点を置く、と従者に伝えよ」
魔王「それと、王国の動向が気になる。南方の砦に兵を派遣し守りを固めよ、と南塔へ伝えよ」
家来「はっ」
魔王「以上だ、下がってよい」
魔術師「(魔王さまは内政も軍の指揮も全て一人でこなしてしまいます、いつ見てもすごい手腕です)」
魔術師「お疲れさまです、魔王さま。紅茶の用意ができましたよ」
魔王「うむ」
魔術師「(ふふっ、魔王さまは紅茶にお砂糖たくさん入れるのがお好きな事、魔術師はちゃんと知ってますからね)」
魔王「今日は・・・、パンジーか」
魔術師「え?」
魔王「月曜はいつもその花を挿しているだろう。好きなのか?」
魔術師「あ、す、好きですっ!」
魔王「そうか」
魔術師「(私、なんだか・・・、なんだかとっても嬉しいです)」ドキドキ///
25 = 1 :
雨の日のこと
魔王「・・・」ペラッ
魔術師「(今日の魔王さまは読書中)」
魔術師「(何を読まれているのでしょうか、気になります)」
魔術師「(・・・また)」
魔術師「(また魔王さまの事を考えてしまいました)」
魔術師「(最近、気がつけば魔王さまの事ばかり考えています・・・)」
魔術師「(・・・どうしてでしょう)」
魔術師「・・・」チラッ
魔王「・・・」ペラッ
魔術師「(ぱっと見には無愛想だけど、本当は表情豊かです)」
魔術師「(甘いものをお召し上がりになる時は、少しだけ顔がほころびます)」
魔術師「(私の用意したごはんをお召し上がりになる時は、もう少しだけ顔がほころびます)」
魔術師「(普段、私が一番目にしている魔王さまは、いつも優しい表情をしています)」
魔術師「(・・・気になります)」
26 = 1 :
魔王「魔術師」
魔術師「はい!」
魔王「この本を書庫に戻してきてくれ」
魔術師「はい、ただいま」
魔術師「・・・」チラッ
魔王「・・・?」ジッ
魔術師「・・・!」カァッ///
魔術師「(やっぱり、最近の私は変です)」
魔術師「(魔王さまと目が合うだけで・・・)」ドキドキ
魔術師「(もしかしてこれって・・・)」
魔術師「(・・・ふ、ふぅ。ダメです、少し落ち着きましょう)」
魔術師「(そういえば何を読まれていたのでしょうか)」
魔術師「・・・」
魔術師「(さよならププルン?)」
魔王「(・・・久々に良書と出会った)」
27 :
おもしろい
28 :
猿か
29 = 21 :
魔王可愛いww
31 = 1 :
ある日の昼下がり
魔術師「えっと、この文書はこうで」カキカキ
魔術師「こっちの書類はこれと一緒に、っと」トントンッ
魔王「(・・・仕事にも大分慣れてきたようだな)」
魔術師「今日の分はこれでおしまいです」
魔王「ご苦労」スッスッ
魔術師「ありがとうございます」
魔術師「・・・。魔王さま、それは?」
魔王「見れば分かるだろう、トランプだ。ソリティアをしている」スッスッ
魔術師「・・・」ソワソワ
魔王「・・・」
魔王「・・・カードゲームの心得はあるのか?」
魔術師「はいっ!」
魔王「ふむ、ソリティアにも飽きたな」シャッシャ
魔術師「・・・そ、それでしたら魔王さま。私・・・あの・・・」
32 = 1 :
魔王「良かろう」トントンッ
魔術師「えっ?」
魔王「相手をしてくれるのだろう、違うのか?」シャッシャ
魔術師「は、はい!喜んで」
魔王「・・・二人となると、そうだな。ブラックジャックはできるか?」
―数十分後―
魔術師「あっ!21でブラックジャックです♪」ペラッ
魔王「・・・18だ」ペラッ
魔王「・・・。・・・ポーカーはできるか?」シャッシャ
―数十分後―
魔術師「ふふふっ!フルハウスで~す♪」ペラッ
魔王「・・・ツーペア。・・・負けだ」ペラッ
魔術師「もう一戦しますか?魔王さま♪」ニヤニヤ
魔王「・・・」
魔王「無論だ」シャッシャ
33 = 1 :
さらに、幾ばくかの時が流れ
魔王「・・・」
魔術師「今日は暇ですね」ソワソワ
魔王「(不思議な奴だ、私を前にすれば畏怖を感じるのが普通)」
魔王「(だが、こいつの自然な態度はまるで)」
魔術師「あ、魔王さま。従者様がいらしたようですよ」
魔王「(従者・・・か)」
従者「いやはや魔王陛下、数か月ぶりですかな」
魔王「それくらいになるな。どうだ、北塔の警備は」
従者「快適じゃのう。温泉は心地よいし、軍師が多いゆえ将棋の相手にも困らん」
魔王「そうか。今日はどうした?」
従者「まぁ、何となく分かっておるじゃろう?従者の事じゃ、これは魔王の仕事じゃからの」
魔王「・・・そうだな」
魔王「今、この時を以って現従者を解任、北塔の守備任務を任せる。後任の従者は魔術師、お前だ」
従者「えっ、ええぇっ!??」
35 = 1 :
年が暮れ
従者「んーと・・・、これとこれを」カキカキ
魔王「多忙だな」
従者「財源管理も従者の仕事ですからね!年末なのでいつもの数倍は仕事があるんです」
魔王「そうか」
従者「んー、んー・・・と」ウトウト
魔王「(眠そうだ)」
従者「むにゃ・・・」スゥスゥ
魔王「(魔王の前で居眠りとは良い度胸だな)」
魔王「さて、っと」
魔王「(軽いな、華奢な身体をしている)」
―従者の部屋―
従者「まお・・・さま・・・」ムニャムニャ
魔王「いい気なものだな。さ、ベッドだ」
従者「まおう・・・しゃま・・・」ガシッ
36 = 19 :
従者ちゃんかわいいしえん
37 = 1 :
翌朝
従者「んっ・・・ふぁ~・・・あれ?」
魔王「・・・」スゥスゥ
従者「っ!!!(えっ、えええっ!!これは、えっ!?)」
従者「(えとっ、昨日は確か・・・、眠くなって・・・あっ!)」
従者「(ということは、魔王さまがここまで?ど、どうしよう)」
魔王「・・・」スゥスゥ
従者「っ!!(ま、魔王さまの寝顔っ!か、かわいい・・・!とっても・・・かわいい!)」キューン///
魔王「ん・・・。朝か」
従者「お、おはひょうございましゅ!(魔王さまが近いっ!いいにおいがするっ!)」キュンキュン///
魔王「あぁ、おはよう。よく眠れたか?」
従者「すみません魔王さま!あ、あの、ここまで運んでくださったのですか?」
魔王「そうだ。あまりにも気持ちよさそうに寝ていたのでな。・・・しかし」
魔王「寝相はどうにかした方が良いと思うぞ。お前、いつまで私の服を握っているつもりだ」
従者「えっ?あっ!!」パッ
38 = 19 :
しえーん
39 :
ここからどう広げていくのか
40 = 1 :
日々は過ぎ
魔術師「ふっふっふ、魔王さまのシーツ交換の時間・・・!」プルプル
魔術師「魔王さまとのお食事の次に幸せな瞬間・・・!なぜなら・・・」ダッ
魔術師「えいっ」ボフッ
魔術師「(はふ~、いいにおい・・・)」モフモフ///
魔術師「(魔王さまパワー充電~!)」ギュッ///
魔術師「ふ、ふぅ、今日はこのくらいにしておいてあげますからね!」ビシッ
魔王「おい」
魔術師「ふょいっ!!!???」ガタタンッ
魔王「・・・喉が渇いたので冷水を用意してくれ」
魔術師「い、今すぐに!」
魔術師「(み、見られてない?見られてないよね??)」
魔王「・・・それと。・・・程々にな」
魔術師「は、はい」カァァ///
41 :
かわえええええ
42 = 1 :
季節は移ろい
魔王「・・・そろそろ床に就く」
従者「あっ、あの!」
魔王「何だ」
―魔王の部屋―
魔王「・・・」
(従者「魔王さまに渡したい物が」モジモジ)
(従者「ガーベラです。私の一番好きなお花です」)
(従者「大切に育てました」)
(従者「もし・・・、もし良ければ、お部屋に飾ってください」)
(従者「いえ。その、大切に育てたのは、魔王さまにプレゼントするためですから、いいのです」)
(従者「は、はい。それでは、お、おやすみなさい!!」ババッ)
魔王「(これは従者がいつも日曜日に挿している花)」
魔王「(この香り・・・、まるで従者が傍にたたずんでいるかの様な)」
魔王「それにしても多いな・・・」ワサワサ
43 = 1 :
星は巡り
魔王「従者の姿が見えぬようだが」
家来「早朝から見かけておりません、呼びに行って参りましょうか」
魔王「寝坊だろう、まぁ良い。放っておけ」
魔王「(・・・。寝坊にしては遅い)」
―従者の部屋―
コンコン
魔王「従者、入るぞ」ガチャ
従者「ぅ・・・ゴホッ・・・」スースー
魔王「(やはりな、こういう事だろうと思っていた)」
従者「ゴホッゴホッ・・・う~んう~ん・・・」ムニャ
従者「(・・・体が・・・重い・・・熱くて寒い・・・)」
従者「(あれ・・・?・・・少し楽になった・・ような・・・)」
従者「・・・っ」
魔王「目が覚めたか」
44 = 1 :
従者「あ・・まおうさま、わたし」
魔王「ただの風邪だそうだ。あと二日は安静にしていろ」
従者「あれ・・寝衣が・・・」
魔王「侍女に変えさせた」
従者「すみません・・。でも、どうしてわたしの部屋に・・・?」
魔王「少し気になってな、様子を見に来た」
従者「・・・!」
従者「ありがとうございます」
従者「・・・魔王さまが傍にいると、いつもみたいで落ちつきます」
魔王「そうか、では暫くここに居よう。もう少し眠った方が良い」
従者「・・・はい」
魔王「(私は・・・)」
魔王「(・・・私は従者の事を親しく思っても良いのだろうか)」
従者「(やっぱり魔王さまは優しいです。そういうところ、ずるいです)」
従者「(もう、すっかり好きになってしまったじゃないですか・・・)」カァァ///
45 :
勇者いらんな
46 = 41 :
つづけたまえ
47 = 1 :
~そして今~
魔王「・・・」
従者「魔王さま~?」
魔王「何だ」
従者「いきなり静かになったので」
魔王「・・・少しだけ、昔のことを思い出していた」
従者「昔のこと?」
魔王「あぁ、お前の寝相の悪さとかな」
従者「そ、そ、そんなこと思い出さないでください~!」///
魔王「冗談だ」
従者「う~、魔王さまはいじわるです」
魔王「ふっ」
50 = 1 :
―食堂―
従者「じゃーん!今日はカニクリームコロッケですよ~」
魔王「うむ、旨いな」
従者「ありがとうございます。自分で言うのもなんですが、おいしくできました!」モグ
魔王「・・・」
魔王「しかし、お前は朝昼晩と私が食べたいものを食べたいときに持ってくるが、一体どうなっているのだ」
従者「んー、なんとなくですね」
魔王「なんとなく?」
従者「なんとなくです!魔王さまのことを考えると、ぽわーんって思い浮かぶんです」
魔王「変な奴だ」
従者「変じゃないですー」
魔王「そうだな」
従者「そうだな」キッ
魔王「おい」
従者「てへっ♪」
みんなの評価 : ☆
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