元スレ女旅人「なにやら視線を感じる」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
201 = 190 :
女騎士が徐々に可愛くなりすぎて生きるのが辛くなってきた
203 = 103 :
ジョッキを掲げ、コゥンというぐぐもった音が鳴る。 乾杯。
四分の一程度飲み、一息をつく。 慣れはしたが、やはり美味いとは思えない。
私「で。 どこに行っていた」
ボサボサ頭「地方貴族同士の小競り合いとか色々。 某有名傭兵団に当たっちゃって困ったよ」
私「それでその目か」
ボサボサ頭「負け戦確定して逃げようと思ってたら流れ矢が」
なんとも下らん理由で右目を失ったものである。
運が悪かったなとしか言いようが無い。
204 = 158 :
このスレのおかげで睡眠不足です
楽しみでしかたない。支援
205 = 103 :
血の滲むような特訓のお陰でスラスラと筆記体で文章を書けるようになったとか、
話したいことはあったが、結局は何も喋らなかった。
いつものように、無言で酒を飲みチーズとつまむだけだった。
しかし、それでもよかった。
こいつと居るだけで、この五ヶ月で荒んだ私の心は綺麗に洗われるような気がした。
何故そう思えてしまうのかは分からない。 分からないが――
私「久々に会えて嬉しかった」
去り際に言ったこの言葉は、私の素直な気持ちであろう。
206 :
おいついた
こういうスレ久しぶり
207 = 103 :
旦
彼女とは特に会話はなかった。 まぁ、いつも通りである。
この五ヶ月でどんなことがあったか彼女に聞きたいと思っていたが、
彼女を見るだけで俺の心はふくふくと満たされた。
しばらく飲んだ後、彼女は「明日も早くから仕事がある」と言って席を立った。
彼女と別れるのは残念だが、今日偶然にも会えただけでも良しとしよう。
彼女「久々に会えて嬉しかった」
彼女が横切るときにそう言った。
その言葉の意味を理解するのにはしばらく時間を要した。
208 = 103 :
俺「旦那ァ、久々に会った子が『会えて嬉しかった』って言ったんだ。 どう思う?」
宿屋「誰だそりゃ」
俺「え、あー……お店の娘なんだけど」
宿屋「そりゃただの営業だな、またお店に来てくださいねー(はぁと)っていう」
俺「いや、言いなおそう。 その子とは飲み友達だ。 お姉さんがいっぱい居るバーじゃない」
宿屋「ほー? でもどっちにしたって社交辞令だろうよ」
俺「しゃ、社交辞令……」
宿屋「お前みたいに収入の安定しない根無し草に脈があると思うな。 期待するだけ無駄だ無駄」
俺「そっか……そうだよなぁ……」
209 = 103 :
期待するだけ無駄、か。 そうだ、そうなんだが。
そんな希望の全く無い状態から、今の彼女の飲み友達というポジションまで辿り着けたという事実が
俺にもうちょっと先まで行けるのではないかという甘い期待を持たせてしまっている。
自惚れるな。 調子に乗るな。 付け上がるな。
自分に言い聞かせながら、今日も――今回は四日ぶりに、店に入る。 と。
珍しく彼女が俺よりも先に席について、テーブルに伏していた。
寄ると、俺に気付いた彼女は、とても疲れたような顔をあげた。
そんな彼女の顔も色っぽ――ではなく。
俺「何かあった?」
210 :
.
211 = 103 :
訊いても、彼女は「いや」とかぶりを振るだけだった。
こんな疲れた表情は見たことがない、何かあったに違いないが――
彼女が言いたがらないのなら無理に訊くこともあるまいと、黙って席についた。
しかし、どうも酒も進んでいるようには見えない。
こんな所に寄らず、はやく帰って寝たほうがいいのではないかとさえ思う。
チーズをつまみながら、ちらりと彼女を見る。
やはり、何か話しかけたほうがいいのだろうか。 しかし何を言えばいいのか――
彼女「なぁ」
俺「あ、はい」
彼女「お前は次、いつ町を出る」
俺「……はい?」
212 = 191 :
やっとこさ追いついた
話の内容はありきたりだが、何故か面白い
ロミジュリのような展開じゃなくてよかた
214 = 103 :
ななな何故そんなことを知りたがりますか!
そりゃ、こっちに金があってこの町に彼女がいるのなら一生ここに居たいけども
そんな事を彼女に言うわけにはいかんだろう。 俺は彼女のことをどうしようもない程に
好きだけれども、彼女にそんな気があるわけないから、そんな事を言ったら引かれる。
俺はやっと掴んだこの「飲み友達」というポジションを手放したくはないのだ。
とは言っても、もし彼女が俺を嫌い、もう一緒には飲みたくない、
さっさと町から出て行けと言うのであれば、彼女の望んでいることであるし、大人しく従う他ない。
俺「……この町は料理が美味い、特に今は秋だから、まぁ金の続く限りは。
あ、でも、もし出て行けと言うのであれば、その……いつでも出て行けます、はい」
彼女「そうか。 ……なら、出て行って欲しい」
俺「あ、…………は、」
彼女「それで、私も連れて行って欲しい」
215 = 189 :
俺も俺も!!
216 = 103 :
すみませんちょっといみがよくわかんないです。
ワタシモツレテイッテホシイ? watasimo tureteittehosii? 私も……
……
俺「っはあぁぁあああ!!?」
彼女「おい静かにしろ」
俺「あはい」
俺「え、ちょ、っと、え、つまり、一緒に旅を……え?」
彼女「ああ」
俺「え、お、おお……ま、まずはおお落ち着くぁwせdrftgyふじこ」
彼女「お前が落ち着け」
217 = 103 :
酒を一気に飲み、一息ついて、まず落ち着く。
危ない危ない、紳士たるもの常に冷静であるべきだ、落ち着いて考えよう。
まず。 彼女は確実に、共に旅をしようと――そう言った。
俺「話が見えない。 どうしてそんな事を」
彼女「……私は、疲れたんだ」
俺「疲れた?」
彼女「あそこでの生活が嫌になったんだ」
218 = 103 :
旦
今日は珍しく、全くと言っていいほどにすることが無かった。
午前の鍛錬が終えてから軽く汗を洗い落とし、部屋に戻る。
側近に訊いても提出すべき書類があるわけでも誰かに会う約束があるわけでもなく、
本当に、何も無かった。 面倒は面倒だが無かったら無かったで困るものである。
本棚から適当に一冊選び、ソファに腰掛けパラパラと捲る。
これは最近読んだばかりだな、と思っていると、ドアが開く音が聞こえた。
王子「うわぁ~、せんまい部屋ァ」
ずけずけと入ってきたのはこの国の王子であった。
219 = 103 :
双子の弟で、王位継承位第二位の17歳の少年である。 ろくに勉強しようともせず、
甘やかされたこいつは随分と我侭に育ってしまった。 御聡明な兄とは正反対だ。
私「殿下。 こんな狭い部屋に何の御用で」
王子「別に用は無いんだけどさぁ」
王子は部屋をきょろきょろと見回した。 勲章を流し見、そして壁に掛けられた剣の前で足を止める。
実際に手に取り、しげしげと見つめ、そして振りかぶってみたりする。
素人が剣を振るというのは流石に危なっかしくて見ておられず、王子に近付いて注意する。
私「無闇に触れては危険です、お止めください」
王子「だいじょーぶだよ、剣ぐらいちょっとは習ってんだからさぁ」
220 = 103 :
王子は、近付いた私の顔をじっと見る。
身長は私と同じぐらいか少し大きいぐらい。 顔はまだ青臭い。
王子「ここまで近くで見るのは初めてだけどキミ、可愛い顔してるんだね」
私「……勿体無いお言葉で」
相手をするのは面倒臭い。 さっさと帰ってくれないか。
そう思うも、王子は帰るような素振りは見せない。
私の周りをゆっくりと歩き、私の身体を嘗め回すように見る。 嫌な目つきだ。
決していい気分はしない。 王子でなければとっくに剣の錆になっていたろうに。
王子「よし、決めた」
背後から声が聞こえたと同時に、太股に気色悪い手がねっとりと触れるのを感じた。
222 = 191 :
ゆとりですまんが、さるよけって何?
223 = 103 :
王子「キミはボクの所有物だ」
私「……戯れ事はお止めください、殿下」
王子「ふざけてなんかないよ」
尻を撫で回していた手は徐々に前に移動し、そして私の陰部へと到達した。
私は思わず腰の短剣に手を伸ばす。
私「殿下。 私にも限度が御座います。 それ以上続けると言うのであれば――」
王子「どうなるの?」
ぱっと私から手を放す。 そして私の前に歩み出てナスビのような顔を近付けた。
王子「ねぇ、どうなるの? ボクをそのナイフで殺そうって言うの? ねぇ」
224 = 190 :
やっちまなーつか俺がやる
225 = 103 :
王子「いいよ、別に。 でも王子であるボクに少しでも傷つけたりしたらどうなると思う? ねぇ」
王子「それに本当は感謝してほしいんだよねぇ、王子であるボクに相手してもらえるんだから。
……将来、兄上にもし不幸があったら、次の王の座はボクのものになる。
その時、もしかしたら王妃にキミを選ぶかもしれないんだよ? そういうのも捨てちゃうワケ?」
私「そのようなものに興味は御座いません」
王子「……いいのかなぁ。 キミがもし、すこしでもボクに反逆の意を見せたりしたら――
ボク、凄く怒るだろうね。 何をするだろう? 例えば、キミの属する騎士団を潰しちゃうとか?」
私「……! 卑怯なッ!!」
王子「何とでも言えば良いよ。 よく考えてよね、ボクはどっちでもいいから。
キミが大人しく言うことを聞いて、ボクのオモチャになるか、
反発してキミ個人としてのプライドを守る代わりに、キミの大切な恩人や仲間がいる団を潰すか」
王子「キミなら分かるよね。 どっちが利口な選択か」
私は血が滲むほどに下唇を噛締め手を握り締め、王子は目を細め口の端をつり上げた。
短剣から手を引いた瞬間押し倒され、私の唇はあっけなく奪われてしまった。
226 :
いや、俺がやる!
227 :
ばいばいさるさん
短時間に同一人物だけが大量に書き込むと書き込めなくなる現象
IPかえるか他のやつが書き込めば何とかなる
たぶん
228 = 189 :
最後までしたというなら、今から王子を殺しにいく
229 = 191 :
>>227
なるほどそういうことか、説明サンクスコ
231 = 103 :
抵抗する唇を貪り、強引に舌をねじ込み、絡ませる。
離すと、間には白い糸が引いた。
憎たらしい程に可笑しそな顔の王子が馬乗りにして見下す。
王子「弱いモンだねぇ騎士団の隊長さんも! たった一言で!」
王子「最初から決まってるんだよ、選択の余地がないことなんか!」
私の腰から短剣を抜き取り、服の端に切れ込みを入れる。
王子「権力の前じゃ、キミみたいなたかが平民の人間なんかさぁ!!」
そして力任せに引き裂き、乱暴に服を剥ぎ取り、私の上半は裸を露にした。
232 = 190 :
ちょマジでやめて
233 :
やめろおいおおおおおおやめてくれ・・・・・
234 = 103 :
王子「うわっ!!?」
王子は私の上から転げ落ちた。 そして怪物を見るかのように、私を指差す。
王子「な、なんだ、お前、そんな身体で……!!
そんな化け物みたいに醜い身体が、女のものだって言うのか!?」
そして未だに倒れる私に寄って、「汚らわしい」「奇形」と腹を蹴る。
口に入ったゴミを外に出すかのように、臭い唾を私の顔に吐き捨て、
王子「あ゛ー興ざめた! 気分悪ぃ!! 帰る!!」
と、床を踏鳴らしながら部屋から出て行き、壊れそうなほどに強くドアを閉めた。
取り残された私は、しばらくそのまま天井を見ていた。
235 = 103 :
ソファに凭れ呼吸を整えていると、ドアがノックされ下女が入ってきた。
ケーキを焼いたから食べないか、とのこと。 何も言わずに手を振った。
私「それより、服を引っ掛けて破いてしまった。 替えを頼む。 楽なやつを」
下女「はい、分かりました」
服を取りに部屋を出ようとしたが、ドアの前で足を止めた。
私の表情を窺がい、おどおどと少し口ごもりながら私を心配した。
下女「……大丈夫ですか? お顔が、真っ青です」
何も言わないまま、またひらひらと手を振る。
下女は困ったような顔をし まだ何か言いたげだったが、そのまま部屋を出て行った。
膝を抱きかかえ、顔を埋める。
あのボサボサの頭をした男のだらしない顔が見たいな、と思った。
236 = 189 :
歴戦の後に対してなんたる・・・!
237 = 227 :
これ勝手に被害者面して
あいつが勝手にせまってきた
とか王子が言ってきやがるよね
239 = 206 :
中世は権力こそ正義ですし・・・
240 = 103 :
ボサボサ頭「何かあった?」
開口一番がそれだった。 下女にも言われたが、私は相当酷い顔をしているようだ。
この男もやはり何か言いたげではあったが、何も言わないまま席についた。
こいつは、私のことをどう思っているのだろうか。
やはり弟王子やそこらの傭兵達の様に――私を慰み者としか見ていないのか。
それとも、この町にいる間だけ共に酒を飲む、ただそれだけの人間だと思っているのか。
そして、私はどうなのだろう。 私はこいつをどう思っているのか。
戦場で仇として出会い、情けをかけられ助けられ、そしてまた偶然この場所で出会ったこの男を。
決闘で清々しいほどに負かされ、数えられる程度しか共に酒を飲んでいないこの男を――
241 = 190 :
後々邪魔だから兄に謀殺される運命だといえ今すぐ消してやりたい
242 = 227 :
いや、こういう操りやすそうなのは
黒幕の隠れ蓑にされるから
逆に残っちゃうよ
243 = 103 :
共に旅をしたいと、告げた。 いつの間にか口が勝手に喋っていた。
当然こいつは大層驚いたが、酒を飲んで深呼吸をすると落ち着きを取り戻し、
そして真っ直ぐ私の顔を見て問うた。 何故そんなことを言うのか、と。
私「私は、疲れたんだ。 あそこでの生活が嫌になったんだ」
いろいろな出来事が頭を過ぎった。
どれもこれも、吐き気がするほどに嫌な事ばかりだ。
言いたいことは山のようにあった。 言うことができれば、どれだけ楽になるだろうか。
しかし喉から搾り出すことができたのは、たったこれだけの言葉だった。
244 :
追いついた
絶壁に発情するあたり王子も紳士の資質があったのに…
惜しい人を亡くしたな
245 = 103 :
私「もちろん、お前が嫌だと思うのであればそれでいい、今日の話は忘れてくれ」
忘れて、今までのように、毎日じゃなくてもいいから共に居させてくれ。
どうか私から離れないでくれ、お願いだから――……言える、わけがない。
だいたい嫌がるに決まっているのだから、こんなことを言っても余計に――
いや、それとも旅をしようと言った時点で――嫌われてしまったかもしれないな。
しかしその予想は大きく外れた。
ボサボサ頭「えっと、じゃあ、行こっか」
少し恥ずかしがる男の言葉を聞いた瞬間、
私の中の糸のようなものがプツンと切れ、目の前が真っ暗になった。
246 = 103 :
旦
店員によると、彼女は開店前から来てそれからずっと飲み続けていたらしい。
酒が進んでないように見えたのは限界が近付いていたからだったようだ。
だったら、あの言葉も酔った彼女の戯言なのだろうか。
糸がプツンと切れたように眠る彼女を見て考える。 どうしたものか。
最初に彼女がそうしたように、このまま店に放置しておけばいいのだろうか。
いや、彼女のような美しいかつ可愛い女性が無防備にもこんな場所に寝ていては
他の酔っ払った客に何をされるかわかったものではないし、放置はダメ絶対。
彼女の肩を揺すってみる。 起きる気配なし。
だめだこりゃ
250 = 175 :
>>249
待て。良く読み直せ。
みんなの評価 : ★★★×4
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