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    元スレ千歌「決めた…!私、この転校を機にヤンキー辞めて、真面目に生きる!!」

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    251 = 224 :

    千歌「待てコラァ!!」ダッ!!

    絵里「くっ…」

    絵里「っああ…!!!」ザッ…!!


    メキッ!!!


    千歌「うぐっ…」

    「絵里先輩の蹴りが入った…!」

    絵里(今の音……確実に折れた…!)

    絵里(これで少しはおとなしく…


    バキィッ!!!


    絵里「あぐっ…ぶはっ…!」

    千歌「ははっ…!」

    絵里(そ…そんな……アバラが折れたのに……)

    252 = 224 :

    「…!?」

    「け…蹴りが効いてないの…!?」

    「違う……あれは……」

    花陽「か…感じてない……」

    「…!?」

    「そう……あれは、蹴りが効いてないんじゃない……痛みを感じてない……」

    「な…なんにゃ…!!それ…!!危険だにゃ!!」

    「うん……たしかに危ない……今までは、千歌ちゃんに攻撃を入れられる人なんていなかったから良かったけど、絵里先輩はそれができる……」

    「じゃ…じゃあ…!どうすればいいにゃ!!このままじゃ二人とも死んじゃうにゃ…!」

    「どうしようもない……ああなった千歌ちゃんは、相手が潰れるまで止まらない……」

    「ああなったって……」

    「仲間が傷つけられると、周りが見えなくなる……昔からそうなんだ……」

    花陽「あっ…じゃ…じゃあ……曜先輩が傷つけられたから……」

    「うん……今回は、それでも、我慢してくれてたんだけどね……自分が攻撃を食らった事で、吹き出しちゃったみたい……」

    「千歌ちゃんにとっては、初めて喧嘩でもらったダメージだから……」

    「は…初めて……レベルが違いすぎるにゃ……」

    253 = 224 :

    絵里「くっ……」

    絵里(顔の血が止まらない……)

    絵里(頭がフラフラする……)

    絵里(血が出すぎた……)

    千歌「ははっ…!」ダッ!!

    絵里(き…来た…!)

    絵里(くっ…血なんか気にしてられない…!!この化け物を倒さないと、私が殺される…!!)

    絵里(やるしかない……!)

    絵里「………」スッ…

    千歌「終わりだ…!!!」ガバッ!!

    絵里「……」


    フワリッ…


    千歌「…!?」

    (かわされた…!?)

    「いや……流された…!!??)

    254 = 224 :

    絵里「…」


    ガンッ!!!


    千歌「あがっ…!」

    絵里「……」

    千歌「くっ…」ザッ…

    千歌「…!!!」

    (な…なんだ今の動き……流れるように反撃された……合気道……?? いや…合気道とも違う……もっと攻撃的な……なにか……)

    絵里「はぁ…はぁ……」

    絵里(ダメ……呼吸が…乱れる……)

    絵里(整えなきゃ……呼吸を……!)

    千歌「………」

    絵里「…?」

    絵里(な…なに……?急に大人しくなった……)

    255 = 224 :

    千歌「………」

    (千歌…ちゃん……?)

    絵里「ど…どうしたの……?」

    絵里「今更、怖くなった?先に言っとくけど、あなたが喧嘩を辞めたくても、私は辞める気は無いわよ…?」

    絵里「あなたには……返さなきゃいけない借りがあるからね……」

    千歌「………」

    「な…なんにゃ…!?千歌先輩が急に大人しくなっちゃったにゃ!!」

    花陽「ど…どうしたんだろ……」

    千歌「あ……あぁ……」

    絵里(ん…?私を見てない…!?後ろ…?何を見て……

    絵里「…!!」

    梨子「ち…千歌……ちゃん……?」

    「あっ…!!」

    「り…」

    花陽「梨子先輩…!!!」

    256 = 224 :

    千歌「梨子……ちゃん………」

    絵里(あの子……たしか、高海さんが不良である事を隠してるとか言ってた……)

    梨子「ど…どうしたの……そんなに血を流して……絵里先輩も……」

    千歌「………」

    「り…梨子ちゃん…!!これは…!!」

    千歌「曜ちゃん……いいから……」

    「…!」

    絵里「………」

    「ど…どうなるにゃ……これ……」

    花陽「わ…分かんない……でも……」

    梨子「な…なにしてたの……?千歌ちゃん……勉強は……」

    千歌「………」

    梨子「なんで黙ってるの……?千歌ちゃん…?なにか……なにか答えてよ………」

    千歌「………」

    梨子「ち…違うよね……?これ……喧嘩じゃないよね……?そうだよね…?千歌…ちゃん……」

    千歌「………」

    千歌「喧嘩だよ……」

    梨子「…!」

    257 = 224 :

    千歌「喧嘩……私と絵里先輩の……」

    絵里「………」

    梨子「ど…どうしてそんな事…!!」

    千歌「知らないよ……理由なんて忘れた」

    梨子「…!」

    千歌「ただ……なんか自分の中で大切にしたいものがあって……それが傷つけられたような気がしたから……」

    梨子「な…なによ……それ……分かんないわよ……」

    千歌「だよね………梨子ちゃんと私は違うから……」

    梨子「違う……?なに言って……」

    千歌「私は不良だから」

    梨子「…!!」

    258 = 224 :

    「千歌ちゃん……」

    絵里「………」

    梨子「うそ……分かんない……分かんないよ……私……どうしたらいいの……」

    千歌「今まで嘘ついててごめん……それから、ありがとう……私は楽しかった……」

    梨子「なんで……なんでそんな事言うの……」

    千歌「もう一緒にいれないかもしれないから………私は不良で…梨子ちゃんはそうじゃない……悪いのは騙してた私で……梨子ちゃんは悪くない……」

    千歌「もう…私に梨子ちゃんと友達でいたいなんて言える権利はない……」

    梨子「そ…そんな……私は……」

    千歌「絵里先輩……続き…やりますか……?」

    梨子「…!!」

    絵里「あなた……」

    259 = 224 :

    千歌「………」

    絵里「遠慮しとくわ……あなたのせいで気分最悪よ…」

    千歌「………」

    絵里「最低ね……あなた……もう二度と私の前に顔を見せないでちょうだい」クルッ…

    花陽「あぁ…!絵里先輩…!!」

    「い…行っちゃったにゃ……」

    千歌「ごふっ…」ポタポタポタ…

    「ち…千歌ちゃん…!?」ダッ!

    260 = 224 :

    「大丈夫…!?血が……」

    千歌「いいから……」スッ…

    「でも…!病院行かなきゃ…!」

    千歌「………」ヨロヨロ…

    梨子「あ…」

    千歌「………」ヨロヨロ…

    「千歌先輩……梨子先輩の方に……」

    梨子「ち…千歌ちゃ…

    千歌「………」スッ…

    梨子「え…」

    花陽「な…何も言わずに通り過ぎた……」

    261 = 224 :

    千歌「………」ヨロヨロ…

    梨子「そんな……うぅ…千歌ちゃん……」ポロポロ…

    「り…梨子ちゃん…!」ダッ!

    梨子「曜ちゃん……うぅ…千歌ちゃんが……千歌ちゃんが……」ポロポロ…

    「……梨子ちゃん………」

    千歌「………」ヨロヨロ…

    「ち…千歌先輩が行っちゃうにゃ…!!」

    「ごめん、凛ちゃん…!千歌ちゃん頼める…?」

    「…!」

    「わ…分かったにゃ…!!ち…千歌先輩!待つにゃー!!」ダッ!

    花陽「わ…私は……」オロオロ…

    花陽「あっ…!そうだ!私、絵里先輩の誤解を解いてきます…!!」

    「ごめん……花陽ちゃん…ありがとう……あと、絵里先輩にも病院行くように言っておいて……」

    花陽「はい…!じゃあ、失礼します…!」ダッ!

    262 = 224 :

    梨子「うぅ……曜ちゃん……私…どうしたら……」ポロポロ…

    「…!」

    「………」

    梨子「うぅ……もう…なにも分かんないよ……私……」ポロポロ…

    「り…梨子ちゃん……」

    梨子「どうしたらいいの……私は……」ポロポロ…

    「ど…どうしたら……か……」

    263 = 224 :

    「………」

    「り…梨子ちゃんは……その…千歌ちゃんの側にいてあげればいいと思うよ……?…それが一番、千歌ちゃんのためになるから……」

    梨子「え…!?で…でも……」

    「大丈夫……千歌ちゃんは、きっと梨子ちゃんを待ってる……」

    梨子「ま…待ってる……?」

    「うん……えっと…詳しい事は後で、また話すけど……千歌ちゃんね、浦の星の時は、すごい不良で……喧嘩のカリスマだなんて呼ばれるぐらい喧嘩ばっかりしてて……」

    梨子「そ…そうだったんだ……全然分からなかった……」

    「でもね…?ちょっといろいろあって……不良は辞めるって決めて、退学になった浦の星から、この学校に来たの……」

    梨子「不良を……辞める………」

    「うん……だから、隠してた……特に梨子ちゃんにはバレたくなかったみたい……」

    梨子「え…?私に…?」

    264 = 224 :

    「そう……梨子ちゃんなの……千歌ちゃんが変われたのは梨子ちゃんのおかげなんだよ……?」

    梨子「どういう事……?」

    「今までとは全然違う生き方をするって決めるのは簡単じゃないと思う……千歌ちゃんは、きっと、すごく不安だったんだと思う……」

    梨子「……」

    「そんな時に、最初に話しかけてくれたのが梨子ちゃんだった……」

    「だから、千歌ちゃんにとって梨子ちゃんは、梨子ちゃんが思ってるよりも、ずっとずっと大切で、絶対無くしたくないものだったんだと思う……」

    梨子「そんな……そんなの……」

    「だから…その……

    梨子「私だって千歌ちゃんが大切よ……」

    「え…?」

    265 = 224 :

    梨子「高校入って初めてできた友達が、千歌ちゃんだったんだから……」

    「梨子ちゃん……」

    梨子「ありがとう……曜ちゃん……私…分かったよ……もう迷わない……」

    梨子「私……千歌ちゃんに会いに行く……会って、ちゃんと話す………そうすれば、きっと分かる……私がどうしたらいいか……どうしたいのか……」

    「梨子ちゃん…!」

    「うん…!うん…!それがいいよ…!!行こう!千歌ちゃんの所に…!!」

    梨子「えぇ……でも、その前に曜ちゃんも病院ね?曜ちゃんも、ひどい怪我なんだから……」

    「え…!?あ…あはは……私のことは別に…

    梨子「ダーメ!曜ちゃんだって、千歌ちゃんと同じくらい大切な友達なんだから…!!」

    「…!」

    「そ…そっか……/// 友達か……///」

    「あはは、ごめんごめん…!じゃあ、病院行こっか…!絵里先輩と千歌ちゃんもいるかもしれないし…!!」

    梨子「そうね……行きましょうか……」

    266 = 224 :

    梨子「……」フラッ…

    梨子「きゃっ…」

    「おっと…!大丈夫…?梨子ちゃん……」

    梨子「あ…ありがとう曜ちゃん……まだ少し頭が混乱してて……」

    「そっか……」

    (頭混乱してて、つまづくかな……? もしかして、梨子ちゃん、運動神経悪いんじゃ……)

    梨子「そ…その……ちょっと聞きたいんだけど……曜ちゃんも…その……喧嘩とかするの…?」トコトコ

    「そ…そりゃあね……た…多少は……」トコトコ

    梨子「そっか………」トコトコ

    梨子「………」トコトコ

    「………」トコトコ

    梨子「また嘘つくのね……」トコトコ

    「うぐっ…」ギクッ!

    267 = 224 :

    「す…すみません……多少じゃないです……」トコトコ

    梨子「じゃあさ、聞くけど、なんで喧嘩なんてするの?」トコトコ

    「う…うーん……千歌ちゃんのため……みたいな……」トコトコ

    梨子「それって喧嘩じゃなきゃダメなの…?謝ってどうにかなったりするものなんじゃないの…?」

    「あ…謝るのは……その…プライドが許さないというか……なんというか……」トコトコ

    梨子「………」トコトコ

    「………」トコトコ

    梨子「はぁ……全く理解できないわね……なによ、プライドって……くだらない……」トコトコ

    「仰る通りです……」トコトコ

    梨子「でも……」トコトコ

    「…?」トコトコ

    268 = 224 :

    梨子「ちょっとだけ、かっこいいわね……そういうの……」トコトコ

    「…!」トコトコ

    「梨子ちゃん……!」トコトコ

    梨子「あっ、不良がいいって言ってるわけじゃないからね?私は、不良には断固反対よ」トコトコ

    「うぅ……やっぱりそうか……」トコトコ

    梨子「だから、曜ちゃんにも喧嘩は辞めてもらいます」トコトコ

    「えぇ…!?」トコトコ

    梨子「えぇ…!?じゃないわよ!曜ちゃんが怪我するのなんて、私見たくないんだから!」トコトコ

    「うぅ…で…でも……必要になるというか……」トコトコ

    梨子「ダーメ!次、喧嘩したら友達辞めるわよ」トコトコ

    「えぇ…!?」トコトコ

    「じゃ…じゃあ……喧嘩辞めます……」トコトコ

    梨子「よろしい」トコトコ

    「はい……」トコトコ…

    269 = 224 :

    梨子「後は、千歌ちゃんね……」トコトコ

    「え…?でも、千歌ちゃんは、もう喧嘩しないって決めて…

    梨子「してるじゃない」トコトコ

    「あ…」トコトコ

    梨子「甘いのよ、決意が。ビシッと言ってあげなきゃ…!!あと、勉強も!」トコトコ

    「あはは……梨子ちゃん厳しい……」トコトコ

    梨子「曜ちゃんが散々甘やかしたみたいだからね、私が厳しくしないと…!」トコトコ

    梨子「待ってなさい!千歌ちゃん!!」








    --------------------
    -----------------
    --------------

    270 = 222 :

    こっから先はどうなるんやら

    271 = 224 :


    病院 入院棟-


    絵里「………」

    千歌「………」

    ピピピピピピピ…

    看護師「はーい、お熱計れましたね~」

    看護師「わっ…!二人とも、すごい高熱……骨も折れてるし……しばらく安静にしてる必要があるわね~」

    絵里「………」

    千歌「………」

    看護師「たしか、二人とも同じ高校なんだっけ?良かったわね~!友達が隣で!」

    絵里「………」

    千歌「………」

    看護師「じゃあ、私は行くわね!大人しくしてるのよ~」ガララ……バタンッ…

    絵里「………」

    千歌「………」

    272 = 224 :

    絵里「………」

    千歌「………」

    絵里「いや、なんで隣なのよ……」

    千歌「こっちのセリフですよ」

    絵里「………」

    千歌「………」

    絵里「その…体…大丈夫?結構強く蹴っちゃったけど……」

    千歌「大丈夫です」

    絵里「………」

    千歌「………」

    絵里「あ…あと……その……ごめんなさいね…?事情は、小泉さんから聞いたわ……」

    千歌「………」

    絵里「停学明けたら、あの子達には、私からキツく言っておくわ」

    千歌「………」

    絵里「………」

    273 = 224 :

    千歌「………」

    絵里「あれ…?無視?聞こえなかった?」

    千歌「………」

    絵里「お…怒ってる…?」

    千歌「怒ってません」

    絵里「え…えぇ~……怒ってるじゃない……」

    千歌「………」

    絵里「なんで?あの桜内さんとかいう子に見られたから…?」

    千歌「………」

    絵里「でも、あなたも悪いのよ?あんな突き放すような言い方して……」

    千歌「………」

    絵里「桜内さん、すっごい悲しそうな顔してたわよ?」

    千歌「………」

    絵里「………」

    274 = 224 :

    千歌「………」

    絵里「………」

    絵里(何も喋らない……)

    絵里(………)

    絵里(部屋替えてもらえないかしら……)



    --------------------

    275 = 224 :

    一階 ロビー -


    花陽「まさか、絵里先輩と千歌先輩が同部屋になるとは……」

    「それも隣……」

    花陽「大丈夫かな……喧嘩とかしてたり……」

    「それはないにゃ……おそらく二人で黙り込んでるに違いないにゃ」

    花陽「あはは…それ辛いね……」

    梨子「あ!花陽ちゃん!凛ちゃん!」タッタッ!

    花陽「あ!梨子先輩…!も…もう大丈夫なんですか…?」

    梨子「まあね……吹っ切れたわ」

    276 = 224 :

    「あれ?曜先輩は?」

    梨子「あ、曜ちゃんなら今、治療中よ。ひどい怪我だったからね……」

    花陽「そうですか……」

    梨子「それで……その…千歌ちゃんに会いたいんだけど……部屋分かる?」

    「え…!?会うんですか!?」

    梨子「えぇ……会って話さなきゃいけないと思ったから……」

    「………」

    梨子「どうしたの?凛ちゃん……」

    「えっと……その…今、千歌先輩に会っても、たぶん……」

    梨子「……ふふっ…いいのよ……そんなの分かってる……話してくれるようになるまで、粘るしかないわ……何日でもね…!」

    「梨子先輩……」

    277 = 224 :

    看護師「あの~…あなた達、高海さんのお友達の方?」

    梨子「え…?は…はい……そうですけど……どうかしました?」

    看護師「今、高海さんから言われたんだけどね……面会拒否だって……」

    梨子「え…」

    看護師「ごめんなさいね……そういうのは一応、患者側に権利があるから……」

    梨子「そう…ですか……」

    看護師「高海さん……なにかすごく悩んでるみたいだけど……なにかあったの…?」

    梨子「………」

    梨子「いえ…大丈夫です…!」ニコッ…

    梨子「わざわざ伝えてくださって、ありがとうございました…!」ペコリ…!

    花陽「梨子先輩……」

    看護師「そう…?じゃあ、私は戻るわね。高海さんにも、よろしく伝えておくわ」クルッ

    梨子「はい…!お願いします…!」

    278 = 224 :

    梨子「………」

    「そんな……面会拒否だなんて……」

    梨子「あはは…断られちゃった……」

    花陽「…!」

    花陽「だ…大丈夫ですよ…!きっと今日だけで、明日には……」

    梨子「うん…そうだね……!明日、また来よう!」

    花陽「はい…!きっと千歌先輩も会いたがってますよ!」

    梨子「そうね……うん…きっと……そう……」

    梨子「………」

    「梨子先輩……」

    梨子「さっ!こんな所でしょげてても、しょうがないわ!曜ちゃんのお見舞いに行きましょう!」

    花陽「あっ…は…はい…!そうですね!曜先輩も、大変ですからね!」

    「うん……」

    「………」

    (千歌先輩……)

    (一体どうしちゃったにゃ……)



    --------------------

    279 = 224 :


    病室-


    絵里「本当に良かったの?面会拒否だなんて」

    千歌「………」

    絵里「はぁ……また無視?」

    千歌「………」

    絵里「何か言ったらどうなの?ここなら私以外誰も聞いてないわよ」

    千歌「………」

    千歌「……じ…自分の中で答えも見つかってないのに……会えない…です……」

    絵里「バカね、それを一緒に探してくれるのが友達でしょ?見つかってないなら、なおさら会うべきよ」

    千歌「…!」

    280 = 224 :

    千歌「………」

    絵里「………」

    絵里「まあ、あなたの問題だから、私には関係ないけどね」

    千歌「はい……」

    ヤンキー「絵里さん…!」ガララ…!

    絵里「あら、あなた達……」

    ヤンキー「た…高海にやられたって本当ですか!?嘘ですよね!!??」

    絵里「むっ…」


    ゴチンッ!!!


    ヤンキー「いっ…いったぁ!な…なにするんですか!?」

    絵里「言う事が違うでしょ!!私は、もう全部知ってるのよ!!」

    ヤンキー「えっ……」

    281 = 224 :

    ヤンキー「ぜ…全部って……全部ですか…?」

    絵里「えぇ、小泉さんに聞いたわ」

    ヤンキー「す…すみませんでしたあああ!!!」

    絵里「謝らなきゃいけないのは、私じゃないでしょ、ほら…」

    ヤンキー「えっ……うぅ……」

    絵里「ほら!早く!」

    ヤンキー「は…はい……」

    千歌「…」

    ヤンキー「わ…わりぃ……」

    絵里「…!」


    ゴチンッ!!!


    ヤンキー「いったぁ!?な…なんですか!!謝ったじゃないですか!!」

    282 = 224 :

    絵里「あれのどこが謝ってるのよ!!ちゃんと謝りなさい!!!」

    ヤンキー「え…えぇ~……でも後輩に…」

    千歌「別にいいです」

    ヤンキー「え…?」

    千歌「私……怒ってませんから」

    ヤンキー「えっ…えぇ~……絶対怒ってるじゃん……」

    千歌「怒ってません。私の事は気にしないでください」

    絵里「………」

    ヤンキー「え…絵里さん……高海のやつはこう言ってる事だし……とりあえずは……」

    絵里「はぁ……まあ、そうね……いいわ……」

    絵里「今のこの子には、何を言っても通じないだろうしね……」

    283 = 224 :

    絵里「それで、どうしたの?ただ見舞いに来たわけじゃなさそうだけど……」

    ヤンキー「そ…そうなんです!!大変なんです!!遂に、焔ヶ丘高校(ほむらがおか)の奴らが動き出したんすよ!!」

    千歌(焔ヶ丘……?)

    絵里「そう……焔ヶ丘が……」

    ヤンキー「多分、絵里さんが入院したのを知って、一気に来る気なんです!!どうすればいいですか!?」

    絵里「決まってるわ、焔ヶ丘の奴らは全員ぶっ飛ばす……あの一件以来、ずっと、そう決めてたでしょ?」

    ヤンキー「で…でも……絵里さん抜きじゃ……」

    絵里「大丈夫よ、すぐに退院するわ。それまでは耐えてて」

    ヤンキー「っはい…!!分かりました!!よっしゃ!行くぞ!お前ら!!」

    ヤンキー「それじゃあ、失礼します!絵里さん、お大事に!!」ガララ……バタンッ…!

    284 = 224 :

    絵里「………」

    千歌「………」

    絵里「はぁ…全く……慌ただしい人たちね……ごめんね?騒がしかった?」

    千歌「いえ…別に……」

    絵里「………」

    千歌「………」

    千歌「あの……」

    絵里「ん?なに?」

    千歌「なんですか?焔ヶ丘って……」

    絵里「あら?興味あるの?不良の話よ?」

    千歌「………」

    285 = 224 :

    千歌「別に…ちょっと気になっただけです……」

    絵里「ふふっ…じゃあ、ちょっとだけ教えてあげるわ……」

    絵里「今のアキバが、なんて呼ばれてるか知ってる?」

    千歌「アキバが…?」

    千歌「………」

    千歌「オタクの街……」

    絵里「違うわ……」

    千歌「じゃあ、なんですか…?」

    絵里「………」

    絵里「不良戦国時代よ……」

    千歌「不良…戦国時代……」

    286 = 224 :

    絵里「そう……今、この秋葉原は、3つの高校が覇権を争う戦国時代に突入してるのよ」

    千歌「3つ……」

    絵里「えぇ……まず、私達の通う西の水見色高校(みずみいろ)、それから、さっき話した東の焔ヶ丘高校、そして、北の緑王学園(りょくおう)……この3つよ」

    千歌「水見色…焔ヶ丘…緑王……」

    287 = 224 :

    絵里「えぇ……中でも、私たちと焔ヶ丘は、ずっと対立してるの。一年前のある事件をきっかけにね……」

    千歌「事件……?」

    絵里「………」

    絵里「はめられたのよ……焔ヶ丘の今の二年生番長……高さ…

    看護師「はーい!それじゃあ、高海さんと絢瀬さん、お熱測りましょうね~!」ガララ…!

    絵里「あっ、はい…!お願いします」

    千歌「ちょ…ちょっと…!話の続きは…」

    絵里「ん~…よく考えたら、あなたにここまで話す必要なかったわ。まあ、喧嘩に加わってくれるなら話は別だけどね?」

    千歌「なっ…」

    看護師「はいはーい!お友達同士、お話するのが楽しいのは分かるけど、検診はちゃんとしなきゃダメよ~!はい!体温計!」

    千歌「は…はい……」












    --------------------
    -----------------
    --------------

    288 :

    面白くなってまいりました!

    290 :


    三日後 病院-


    千歌「………」ゴソゴソ…

    絵里「………」

    絵里「なんで、あなたの方が先に退院するのよ……」

    千歌「普通に私の方が軽傷だったからじゃないですか?」

    絵里「なんか負けたみたいで腹立つわね……言っとくけど、あの時、私はまだ本気出してな…

    千歌「あーはいはい…もう何回も聞きましたよ、それ……分かりましたって」ゴソゴソ

    291 = 290 :

    絵里「………」

    千歌「………」ゴソゴソ…

    絵里「………」

    千歌「よしっ…と……」

    絵里「もう行くの?」

    千歌「はい、お母さんも心配してますし」

    絵里「そう…」

    千歌「………」

    千歌「…なんですか?私がいなくなって寂しいんですか?」

    絵里「…!?」

    絵里「そそそそそそそそそそんなわけないでしょ!?だ…だいたい、あなたずっと落ち込んでるし、部屋が暗くなるのよ!!いない方がいいわ…!!」

    千歌「そうですか……」

    絵里「うっ…」

    292 = 290 :

    絵里「ま…またそうやって落ち込んで……いつまでそうしてるつもりよ…」

    千歌「………」

    絵里「また、答えが見つかるまで、とか言う気?そんなに悩んで、あなたは何を見つけたいの?」

    千歌「………」

    絵里「何かは知らないけど、きっとそれは一人で見つけられる程、簡単な答えじゃないわよ?」

    千歌「………」

    千歌「失礼します……」スッ…

    絵里「…!」

    絵里「そう……それじゃあね、また学校で」

    千歌「はい…ありがとうございました」ガララ…

    絵里「っ…」

    絵里「わ…私でよければ、いつでも相談に乗るからね…!!」

    千歌「……」バタンッ…

    絵里「あ………」

    絵里「………」

    絵里「はぁ……」

    絵里「全く……困った後輩ができたものね……」

    絵里「………」



    --------------------

    293 = 290 :

    病院 ロビー -


    千歌「…!」

    梨子「千歌ちゃん…!!」

    千歌「り…梨子ちゃん……なんでここに……」

    梨子「千歌ちゃんのお母さんに聞いたのよ!今日、退院するって……それで……」

    千歌「そ…そう……」

    梨子「うん……」

    千歌「………」

    千歌「そ…それじゃあ……」スッ…

    梨子「…!」

    294 = 290 :

    梨子「なんで…!?なんで、突き放そうとするの!?」

    千歌「…!」ピタッ…

    千歌「うっ……」

    梨子「私は……私は別に、千歌ちゃんが不良だろうが何だろうが関係ない…!!そんな事で嫌いになったりなんてできない…!!」

    千歌「………」

    梨子「千歌ちゃんが言ってくれたんじゃない……私達、友達だって……」

    千歌「そ…それは……」

    梨子「………」

    295 = 290 :

    千歌「………」

    梨子「今日……」

    千歌「え…?」

    梨子「今日の12時……駅前に来て……」

    千歌「駅前に……?なんで…

    梨子「いいから来るの!!来なかったら嫌いになるわよ…!!」

    千歌「えぇ…!?」

    梨子「それじゃあね…!待ってるから!!」タッ…!

    千歌「あっ…」

    千歌「………」









    --------------------
    -----------------
    --------------

    296 = 290 :


    12時 駅前-


    ザワザワザワザワ


    千歌「………」

    千歌(き…来てみたはいいけど……駅前って、電気街口の方で良かったのかな……)

    千歌(私達の家からすると、こっちのが近いけど……)

    梨子「…!」

    梨子「あっ!千歌ちゃーん!」タッタッタッ!

    千歌「梨子ちゃん…!」

    梨子「ごめんごめん……呼び出しといて、遅くなっちゃった……」

    千歌「う…うん……別にいいよ…私も今来たところだし……」

    梨子「そう?それじゃあ、行きましょうか…!」

    千歌「え?どこに…?」

    梨子「穂むらよ!」

    千歌「ほ…穂むら…!?」

    梨子「そう、穂むらよ」

    千歌「えぇ…?ほ…穂むらって……」

    千歌「………」

    千歌「……なに…?」

    297 = 290 :

    --------------------
    -----------------
    --------------

    穂むら前-


    梨子「ここよ」

    千歌「え…?わ…和菓子屋さん……??」

    梨子「えぇ、私の行きつけよ」

    千歌「へ…へぇ~…そうなんだ…」

    梨子「さっ、入りましょう!」ガララ…!

    千歌「う…うん……」

    穂乃果「いらっしゃいませー!!…って、梨子ちゃん!!来てくれたんだ!!」

    千歌「え…?」

    298 = 290 :

    梨子「久しぶりね、穂乃果ちゃん」ニコッ

    千歌「し…知り合い……?」

    梨子「えぇ、焔ヶ丘高校の二年生、高坂穂乃果ちゃんよ」

    穂乃果「高坂穂乃果です!よろしくね!あなたは?」

    千歌「あっ…えっと……高海…千歌………です…」

    穂乃果「へぇ~!じゃあ、千歌ちゃんだね!よろしく!!」

    千歌「う…うん……よろしく……」

    千歌(すごいグイグイくる……)

    299 = 290 :

    梨子「ごめん、穂乃果ちゃん……仕事中だったわね……ちょっと話したい事があったんだけど……」

    千歌(話…?)

    穂乃果「話!?なになに?」

    梨子「うん…できれば、部屋で落ち着いて話したい事なんだけど……」

    穂乃果「そうなの?じゃあ、お母さんに店番変わってもらうよ!お母さーん!!!」ダッダッダッ!

    梨子「えぇ!?ちょ…ちょっと!?穂乃果ちゃん!?悪い…よ……って…」

    千歌「行っちゃったね……」

    梨子「はぁ…全く……ああいう所は昔から、なんにも変わってないんだから……」

    千歌「え…?昔から?」

    梨子「まあ、ちょっとね……学校は一回も一緒になった事ないんだけど、昔からこの和菓子屋にはよく来てたのよ。それで、同学年って事もあって穂乃果ちゃんとはよく遊んだの」

    千歌「へぇ~…梨子ちゃん、ちゃんと友達いたんだね……」

    梨子「ん?なんかバカにしてる?」

    千歌「してないしてない」

    300 = 290 :

    穂乃果「うぅ…」トボトボ…

    梨子「あれ…?ダメだったの…?」

    千歌(うわぁ…分かりやすい……)

    穂乃果「うん……普通に怒られた……よく分かったね……梨子ちゃんエスパー…?」シュン…

    梨子「いや…エスパーではないけど……」

    穂乃果「でも、頑張って頼んだら、あと10分だけでいいって言ってくれたよ!!」パアッ…!

    梨子「そうなの…?じゃあ、少し待たせて貰ってもいい?」

    穂乃果「うん…!じゃあ、私の部屋使っていいよ!さっ!上がって上がって~!千歌ちゃんも~」

    梨子「えぇ!?悪いわよ…ここで待たせてもら…

    穂乃果「いいから!いいからー!ほらほらー!」グイグイ

    梨子「わわっ!ちょ…押さないでよ!分かったわよ!部屋で待たせて貰うから!」

    穂乃果「ほんと!?じゃあ、後でお茶とほむまん持ってくね!!」

    千歌「あはは……」

    千歌(ほんと、すごいグイグイくる子だな……)

    梨子「じゃあ、千歌ちゃん行きましょう。穂乃果ちゃんの部屋、二階だから」

    千歌「あっ、うん!じゃあ、使わせてもらうね、穂乃果ちゃん…!」

    穂乃果「ごゆっくり~」フリフリ



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