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    元スレ千歌「決めた…!私、この転校を機にヤンキー辞めて、真面目に生きる!!」

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    51 = 46 :


    教室前廊下-


    「あ…あれが高海千歌先輩……」コソコソ

    花陽「す…すごい……もう二年の鮫島先輩達を舎弟にしてる……」コソコソ

    「あんなのは、ただの口だけヤンキーにゃ。それよりも…千歌先輩の隣にいる人の方が気になるにゃ……」

    花陽「誰だろう……私も分かんないや……」

    「かよちんが分かんないなら、ヤンキーじゃないんじゃ……」

    花陽「でも、見た感じだと千歌先輩と対等っぽいよ?ただ者じゃないかも……」

    「たしかに……」

    52 = 46 :



    ガタッ…


    「あっ…!出てくるにゃ…!!」

    花陽「う…うん…!!」


    千歌「それでね~、マフラーを変えると全然音が違ってね~…」

    梨子「へぇ~、千歌ちゃんバイク詳しいのね~」

    「……」ジーーー……

    千歌「まぁね~!乗ってたから!」

    梨子「えぇ…!?そうなの…!?」

    花陽「……」ジーーー……

    千歌「う…うん…!前の学校ではね!」

    梨子「えぇ…!?バイクで行って良かったの!?」

    「……」ジーーー……

    千歌「あっ…そ…それは……」

    花陽「……」ジーーー……

    千歌「………」

    「……」ジーーー……

    梨子「………」

    花陽「……」ジーーー……

    「……」ジーーー……

    千歌「え…!?なに…!!??」

    「…!」ビクッ!

    53 = 46 :

    千歌「なんでずっと見てるの!?何か用!!??」

    梨子「ち…千歌ちゃん……落ち着いて……」

    花陽「あわわ……」

    梨子「ほら…怖がっちゃってるじゃない……全く……」

    千歌「あ…あはは……ごめんごめん……つい…」

    梨子「あなた達…一年生?何か用があったんでしょ?どうしたの?」ニコッ

    花陽「あわわ……」
    --------------------
    花陽視点-

    梨子「てめぇら一年か!?何の用じゃコラァ!!」

    --------------------
    花陽「あわわわ……」

    「か…かよちん…!!しっかりして…!」

    花陽「り…凛ちゃん……」

    千歌「いや、梨子ちゃんも怖がられてるじゃん……」

    梨子「あ…あれ……?おかしいな……」

    54 = 46 :

    花陽「わ…私の事はいいから……凛ちゃんだけでも逃げて……」

    「そんな…!かよちんを置いて逃げるなんてできないにゃ!!」

    千歌「……」

    梨子「……」

    花陽「でも…このままじゃ二人とも……」

    「大丈夫にゃ…!凛がなんとかするから!!」

    梨子「あー…あの~……」

    「…!」

    「かよちんに手は出させないにゃ!凛が相手にゃ!!」

    花陽「り…凛ちゃん…!」

    梨子「え…えぇ……?」

    55 = 46 :

    「喧嘩のカリスマだかなんだか知らないけど、凛の方が強いにゃ!!」

    千歌「…!」

    「にゃああああ!!」バッ!!

    梨子(え…!?速…


    パシッ!!


    「え…?」

    花陽(り…凛ちゃんが止められた…!?)

    千歌「もぅ……危ないなぁ……」

    梨子「千歌ちゃん…!」

    「そ…そんな……凛のスピードが……」

    千歌「えー…っと……その…凛…ちゃん…?いきなり人を殴ろうとしちゃダメだよ…?」

    「…!」

    花陽「凛ちゃん……」

    千歌「じゃあ、帰ろ?梨子ちゃん」

    梨子「そ…そうね……」

    梨子「じゃ…じゃあね…!えっと…凛ちゃんと…か…かよちゃん…!」

    「………」

    花陽「あっ…は…はい…!さようなら……」

    56 = 46 :

    「………」

    花陽「………」

    「かよちん……」

    花陽「…!」

    「今まで凛のスピードについてきた人っていたっけ……?」

    花陽「え…えっと……絵里先輩…くらいじゃ……」

    「だよね…」

    花陽「凛ちゃん……」

    「ふっふっふっ……」

    花陽「え…?」

    「さすが喧嘩のカリスマさん……面白くなってきたにゃ……」

    花陽「り…凛ちゃん……」

    「決めた…!凛、絵里先輩の前に千歌先輩を倒す!!」

    花陽「えぇ…!?た…倒すの…!?」

    「うん…!!絶対……」

    「絶対やってやるにゃ!!」

    花陽「…!」

    花陽「うん…!!」



    --------------------

    57 = 46 :


    帰り道-


    梨子「はぁ……怖かった……急に殴りかかってくるんだもん……」トコトコ

    千歌「そ…そうだね~……」トコトコ

    千歌(うぅ……喧嘩のカリスマって言ってたし、あれ絶対、私狙ってるよなぁ……)

    千歌(はぁ…私は、普通に暮らしたいだけなのに……)

    梨子「あの子達、ヤンキーよね…?」

    千歌「え…?あ…あぁ……だろうね」

    58 = 46 :

    梨子「はぁ……しつこく絡まれたりしないわね…?私…ああいう人達苦手で……」

    千歌「えっ…」

    梨子「だって、ほら…話が通じないし…気に入らないと暴力振るうし……」

    千歌「う…うん……」

    梨子「はぁ…何もないように静かに暮らしてたのに……なんで、またこうなるのかしら……」

    千歌「ま…また…?」

    梨子「うん……その…昔にも、ヤンキーの人達にしつこくされた事があって……」

    千歌「………」

    梨子「だから…絶対そういう人達には関わらないように!って思ってたの……」

    千歌「そ…そっか……」

    千歌(うっ…)

    千歌(こ…これは……)

    千歌(絶対、私が元ヤンだってバレちゃいけないやつだ…)

    59 = 46 :

    梨子「あっ…じゃあ、私の家ここのマンションだから」

    千歌「え…!?」

    梨子「じゃあね、千歌ちゃん」ニコッ

    千歌「え……」

    千歌「えええええええええええええええ!!??」

    梨子「えぇ…!?な…なに…!?」

    千歌「わ……」

    梨子「?」

    千歌「私の家も……ここ……」

    梨子「え……」

    梨子「ええええええええええええええ!!??」


    60 = 46 :

    --------------------
    -----------------
    --------------

    マンション-


    千歌「え……?」

    梨子「うそ……」

    千歌「そ…そこ梨子ちゃん家……?」

    梨子「う…うん……」

    千歌「え……じゃ…じゃあ……」

    梨子「うん……お隣……」

    千歌「ええええええええええええええ!!??」

    千歌「そういえば、隣の人、桜内だった!!」

    梨子「私も、そういえば、高海さんが挨拶に来たってお母さんから聞いた…!!」

    千歌「こ…こんな事って……」

    梨子「あるのね……」

    61 = 46 :

    千歌ママ「あっ、千歌おかえり~」

    千歌「お母さん!」

    梨子「お母さん!?」

    梨子(若っ!?)

    千歌「仕事、今終わり?今日早いね」

    千歌ママ「愛する娘の面倒見なきゃいけないからね、早めに抜けさせてもらったの」

    千歌「おー!ありがとう!お母さん!」

    千歌ママ「それより…千歌…?あなた、今日は喧…

    千歌「わー!!!わー!!!」

    千歌ママ「えぇ…?どうしたの……?」

    千歌「な…なんでもないよ……」ダラダラダラ…

    千歌(危なかった……お母さん…急に喧嘩とか言うんだもん……梨子ちゃんにバレるじゃん……)

    62 = 46 :

    梨子「あ…あの……」

    千歌ママ「あっ…あら!桜内さんのとこの娘さんね!たしか…梨子ちゃんって言ったかしら!美人さんね~」

    梨子「え…!?///」

    千歌ママ「なに?千歌、この子と友達になったの?いい子見つけたじゃない!」

    千歌「えへへ……まあね…」

    千歌ママ「乱暴者だけど、根は優しい子だから…よろしくね?梨子ちゃん」

    千歌「あっ…」

    千歌(ら…乱暴者って……!)

    梨子(乱暴者…?)

    梨子「は…はい…!こちらこそ、よろしくお願いします…!」

    千歌「ふ…ふぅ……」

    千歌(なんとかバレはしなかったか……)

    63 = 46 :

    千歌ママ「それじゃあ、家入りましょう?またね、梨子ちゃん」

    梨子「あっ…!は…はい…!失礼します!」

    千歌「じゃーねー、梨子ちゃん」フリフリ

    梨子「うん、じゃあね、千歌ちゃん」フリフリ


    ガチャ…


    梨子(………)

    梨子(それにしても……)

    梨子(千歌ちゃんのお母さん、若いわね……)

    梨子(………)

    梨子(千歌ちゃんも年取ったら、ああいう感じなのかしら……)

    梨子(………)

    梨子(まあ、いいや……私も家入ろ……)


    ガチャ…



    --------------------

    64 = 46 :


    高海家-


    鍋 グツグツ…


    千歌ママ「どう?学校には慣れた?」

    千歌「まあまあ……」

    千歌ママ「東京はすごいでしょ?人もたくさんいて、みんな忙しそうにしてて」

    千歌「ん…そうだね」

    千歌ママ「………」

    千歌「………」

    千歌ママ「本当にあなた、喧嘩してない?」

    千歌「…!」

    千歌「し…してない……」

    千歌ママ「………」トントントン…

    千歌「………」

    千歌ママ「まあ…千歌がそう言うな、信じるけどね、もう喧嘩はしちゃダメよ?」ジャーー……

    千歌「わ…分かってる……」

    千歌「ぼ…暴力は暴力しか生まない……でしょ?」

    千歌ママ「そう……分かってるじゃない」

    千歌「………」



    --------------------

    65 = 46 :


    次の日 朝-


    千歌「ふぁ~あ……眠い……」

    千歌「行ってきま~す……」ガチャ…

    「あー!!出てきたにゃー!!」

    千歌「………」

    千歌「……はい…?」

    「降りてくるにゃー!!勝負にゃー!!」

    千歌「こ…これは……」

    梨子「さっきからずっとこの調子で……」

    千歌「梨子ちゃん!?」

    梨子「おはよう…千歌ちゃん…」

    千歌「お…おはよう……」

    66 = 46 :

    梨子「なんか、喧嘩のカリスマだの…浦の星の番長だの……よく分からない事を言ってて……」

    千歌「うっ……」

    千歌(わ…私の事だ……)

    「降りてくるにゃー!!」

    千歌「うぅ……」

    梨子「はぁ……なんだか分かんないけど登っては来ないみたい……まあ、このままじゃ学校に行く事もできないけど……」

    千歌(………)

    千歌(狭い所で戦ったら自慢のスピードが生かせないからだろうなぁ……)

    千歌(うぅ…めんどくさい……)

    千歌(ぶん殴って黙らせるわけにもいかないし……かといってこのままじゃ学校に行けないし……)

    67 = 46 :

    千歌「………」

    千歌「しょーがない……」

    梨子「千歌ちゃん…?」

    千歌「走ろう」

    梨子「え…!」

    千歌「走って逃げよう」

    梨子「む…無理!!」

    千歌「大丈夫だよ!私達の方が一個上だし、普通に走っても…」

    梨子「無理よ!私すっごい足遅いもん!!」

    千歌「………」

    梨子「絶対追いつかれるわ」

    千歌「………」

    千歌「そんな自信満々に言われても……」

    68 = 46 :

    梨子「でも、事実よ」

    千歌「………」

    千歌「はぁ……分かったよ……」

    梨子「?」

    千歌「じゃあ、私が囮になるから、梨子ちゃん先逃げてて」

    梨子「えっ…!」

    梨子「ダ…ダメよ…!!そんなの…!千歌ちゃんを置いて私だけ逃げるなんて…!」

    千歌「大丈夫……」

    千歌「私…梨子ちゃんと違って足早いから!」ニカッ!

    梨子「なっ…」

    千歌「じゃ!そういう事で!たぶん私、遅刻するから、適当に誤魔化しといてー!」タッタッタッ!

    梨子「えぇ…!?ちょっと!千歌ちゃん!?」

    69 = 46 :

    「ん?」

    「あっ!降りてきたにゃー!!」

    千歌「こっちだよー!!」タッタッタッ!!

    「待つにゃー!!」ダッ!

    千歌「よしっ…!こっち来た…!」タッタッタッ!!

    「逃げても無駄にゃー!!」タッタッタッ!!


    タッタッタッタッタッ……


    梨子「…す…すごい……」

    梨子「二人とも速い……もう見えなくなっちゃった……」

    梨子「………」

    梨子「ああいう人達は、きっと運動会とかも楽しかったんだろうなぁ……」

    梨子「私、トラウマしかない……」

    70 = 46 :

    梨子「はぁ……学校行こ…私も遅刻しちゃう……」

    梨子「………」タッタッタッ…

    梨子「………」トコトコトコ…

    花陽「あ…あの……」

    梨子「…!?」ビクッ!!

    梨子「か…かよちゃん…!?」

    花陽「は…はなよです……おはようございます…」

    梨子「あ…そ…そう……はなよ…ちゃん……おはよう……」

    梨子「え……?」

    梨子「も…もしかして……ずっと居たの…?」

    花陽「はい……凛ちゃんと一緒に……」

    梨子「見えなかったけど……」

    花陽「隠れてました……」

    梨子「なぜ……」

    花陽「恥ずかしくて……」

    梨子「………」

    梨子(え…?なんで…!?)

    71 = 46 :

    花陽「そ…その……梨子先輩……」

    梨子「え…?な…なに……?」

    花陽「ご…ごめんなさい……!」

    梨子「えっ…?」



    --------------------

    72 = 46 :


    万世橋-


    千歌「はぁ…はぁ……」タッタッタッ!!

    「待つにゃー!!」タッタッタッ!!

    千歌(ぐぅ…ま…まだ喋る余裕があるのか……) タッタッタッ!!

    「にゃあああ!!」タッタッタッ!!

    千歌(めちゃくちゃ走るの得意だな…この子……私だって地元じゃ一番二番を争うくらいに速かったのに……) タッタッタッ!!

    「捕まえたにゃ!」ガバッ!

    千歌「わあっ…!」スルリッ…!

    「あー!避けられたにゃ!!」

    千歌「ひぃ…!」タッタッタッ!!

    「待つにゃー!!なんで勝負しないにゃー!!」タッタッタッ!!

    千歌(喧嘩しちゃダメだからだよ…!!) タッタッタッ!!

    千歌(あーもー!上手いことまいて、学校行こうと思ってたのにー!!) タッタッタッ!!

    「往生際が悪いにゃー!!」タッタッタッ!!

    千歌「は…速……」タッタッタッ!!

    千歌(うぅ…ごめん…梨子ちゃん……今日、私、遅刻じゃなくて欠席かも……) タッタッタッ!!



    --------------------

    73 = 46 :


    通学路-


    梨子「そ…そんな……花陽ちゃんが謝る事じゃ……」

    花陽「いや……私のせいなんです……」

    梨子「え…?」

    花陽「実は……凛ちゃんが、喧嘩ばかりするのは私のせいで……」

    梨子「そ…そうなの……?」

    74 = 46 :

    花陽「はい……その…えっと……あんまり言いたくない事なんですけど……私…昔いじめられてて……」

    梨子「…!」

    花陽「ほら…私……こんな性格だし…鈍臭いから……それで、クラスの子にバカにされて……」

    梨子「そ…そう……」

    花陽「そういう時はいつも決まって凛ちゃんが助けてくれて……」

    梨子「凛ちゃんが…?いい子じゃないの……」

    花陽「そうなんです……凛ちゃんは本当はすごく優しくて…人を殴るなんて……よっぽどの事でもない限りしたくないはずなんです……」

    梨子「じゃあ、なんで……」

    花陽「凛ちゃんは、私を守るためだって言ってくれてます……」

    梨子「花陽ちゃんを……?」

    75 = 46 :

    花陽「はい……凛ちゃんは私がいじめられないように強くなるんだ!って言ってて……」

    梨子「そう……」

    花陽「そうやって誰彼構わず喧嘩ばかりしてたら、中学の時に「アキバの暴れ猫」なんて異名まで付いちゃって……」

    梨子「アキバの暴れ猫……」

    花陽「それで、私……どうしたらいいか分かんなくて……凛ちゃんは私のためにやってくれてる事だから……私も少しでも凛ちゃんの力になろうって思って……」

    梨子「それで、不良に詳しいのね……花陽ちゃんは……」

    花陽「はい……」

    76 = 46 :

    梨子「………」

    梨子「花陽ちゃん……」

    花陽「は…はい…なんですか…?」

    梨子「厳しいことを言うようだけど……それは間違ってるわよ」

    花陽「…!」

    梨子「花陽ちゃんか本当に凛ちゃんの事思ってるなら、止めてあげなきゃ…!」

    花陽「と…止める……」

    梨子「そう……このままじゃ凛ちゃんは、いつか大怪我をするかもしれない……それに凛ちゃんだけじゃない……凛ちゃんに傷つけられた人も沢山でる……」

    花陽「…!」

    77 = 46 :

    梨子「それは、すごく良くない事……分かるでしょ?」

    花陽「は…はい……」ウルウル…

    梨子「えぇ…!?ちょ…ちょっと…!なんで泣くの!?私、キツく言い過ぎた!?」

    花陽「ち…違います……ただ…今までそんな風に言ってくれた人いなかったから……」ウルウル…

    梨子「…!」

    梨子「そう……辛かったわね……」

    花陽「でも、今の言葉で決心がつきました…!私……今日、凛ちゃんに言ってみます…!!」

    梨子「えらい!きっと凛ちゃんも分かってくれるわ」

    花陽「はい…!ありがとうございます…!」

    梨子「あとは……」

    花陽「………」

    梨子「あの二人が、学校に来るかどうかが問題ね……」

    花陽「そ…そうですね……」



    --------------------

    78 = 46 :


    秋葉原UDX-


    「はぁ…はぁ……」

    千歌「はぁ…はぁ……」

    千歌(やっと止まった……)

    千歌(私も、もう走れないけど……)

    「はぁ…はぁ……」

    (凛が追いつけないなんて……)

    「はぁ…はぁ……」

    千歌「はぁ…はぁ……」

    「……ぐっ…」

    千歌「…?」

    「にゃああっ!!」ガバッ!!

    千歌「おわっ!」スルリッ…!

    「ぐぬぬ……また避ける……」

    79 = 46 :

    千歌「はぁ…はぁ……」

    「なんで逃げてばっかりにゃ!強いんだから、正々堂々勝負するにゃ!!」

    千歌「ぐっ…」

    「食らうにゃ!!」サッ…!

    千歌「…!」

    「にゃ!」ブンッ!

    千歌「おっと…」スッ…

    「にゃ!」ブンッ!

    千歌「ほっ!」スッ!

    「にゃ!!」ブンッ!

    千歌「わっ…と!」スッ!

    「なっ…」

    「凛のパンチが当たらない……」

    80 = 46 :

    千歌「………」

    千歌「たしかに…凛ちゃんのパンチは速い……」

    「…!」

    千歌「普通の相手なら、これで十分通用するだろうね……」

    「な…何が言いたいにゃ…!」

    千歌「速さだけじゃ、私には通用しないって事!」

    「…!」

    「速さ…だけ……」

    千歌「やるだけ無駄だよ……?もう完全に遅刻だけど、学校行こうよ」

    「…!」ムカッ

    「無駄じゃないにゃ!!第一、千歌先輩は一回も反撃もできてないにゃ!これは凛のスピードについてこれてな…

    千歌「…」サッ!

    「…!」

    「にゃ…」

    (す…寸止め……)

    千歌「はい…終わり……今のを振り抜いてたら凛ちゃん立てないよ?」

    81 = 46 :

    「た…立てたにゃ!!だいたい、なんで振り抜かないにゃ!!凛は情けなんて…

    千歌「あー!もー!うるさいなー!!喧嘩はやめるって決めたんだよ!!」

    「え…?」

    「な…なんでやめるにゃ!!そんなに強いのに!」

    千歌「………」

    千歌「強くないよ…」

    「え…?でも……」

    千歌「凛ちゃんは強さを分かってない……喧嘩に強いは強さじゃない……」

    「…?」

    「ど…どういう事にゃ……?」

    千歌「喧嘩が強くても何も守れないって事」

    「…!」

    82 = 46 :

    「そ…そんな事ないにゃ…!!凛は今まで喧嘩に強くなる事で、かよちんを守ってきたにゃ…!」

    千歌「かよちゃんを…?」

    千歌「そう……じゃあ、それは間違ってる」

    「…!?」

    「なんで、そんな事言うにゃ…!凛はかよちんの事を思って……」

    千歌「凛ちゃんが本当にかよちゃんの事を思ってるなら、喧嘩は辞めるべきだよ」

    「で…でも…!凛は…」

    千歌「………」

    「凛は……かよちんのために……」

    千歌「………」

    千歌「はぁ……じゃあ、少し昔話してあげるよ」

    「昔話…?」

    千歌「あんまり話したくない事なんだけどね……凛ちゃんは私と似てるから……」

    「?」

    83 = 46 :

    「ど…どういう事にゃ…?」

    千歌「このままだと凛ちゃんは、いつか必ず後悔する……私と同じように……」

    千歌「そうなって欲しくはないから……」

    「千歌先輩と同じように……?」

    千歌「そう……あれは私が、まだ浦の星にいた頃の話……」

    「……」ゴクリッ…



    --------------------

    84 = 46 :


    同じ頃 二年生教室-


    先生「えー…で、あるからして……」

    梨子「………」

    梨子(千歌ちゃん遅い……もう一限始まっちゃったじゃない……)

    梨子(もう……なにやってるのかしら……)

    先生「あー…じゃあ、桜内さん、この問題解けるかしら?」

    梨子(まさか今頃、凛ちゃんに捕まって、いじめられてるんじゃ……)

    先生「………」

    梨子(そんな…私を庇ったばっかりに……)

    先生「あー……桜内さん…?」

    梨子(どうしよう……今からでも助けに……)

    先生「………」

    生徒「おーい…」ツンッ

    梨子「え…!?なに……?」ビクッ!

    生徒「指されてるよ…?」

    梨子「え…?」

    先生「………」ゴゴゴゴゴゴゴ…

    梨子「あ……」

    梨子「す…すみませんでした……」

    先生「次からは気をつけるように…!」

    梨子「はい……」

    梨子(うぅ……このままじゃ全然集中できない……)

    梨子(千歌ちゃん……無事に帰ってきて……)



    --------------------

    85 = 46 :


    秋葉原UDX-


    --------------------
    -----------------
    --------------

    千歌「…それで私は浦の星を退学になって、今は、お母さんを頼って、こうして秋葉原にいるの……」

    「じゃ…じゃあ、千歌先輩が喧嘩しない理由って……」

    千歌「うん……あんな事があったからだよ……」

    千歌「暴力は暴力しか生まない……」

    「…!」

    「で…でも…!千歌先輩は友達のために…!」

    千歌「理由はどうであれ、暴力は暴力……」

    千歌「そんな方法でしか訴えられなかった私がバカだった……それだけだよ……」

    「…!」

    86 = 46 :

    「………」

    (す…すごい……凛と一つしか変わらないのに……こんな事まで考えてるなんて……)

    千歌「だから、凛ちゃんには私のようにはなって欲しくない……」

    (ダメだ……凛……とても、この人には敵わない……)

    千歌「かよちゃんなら、喧嘩以外で守る事ができる……それに、きっとその方が、かよちゃんも嬉しいはずだから……」

    「わ…分かったにゃ……」

    「いや……分かりましたにゃ…!!」

    千歌「う…うん……」

    千歌(急に敬語……)

    87 = 46 :

    「凛、感動しました…!!千歌先輩、すごいです!凛も千歌先輩みたいな、立派な人間になりたいです!」

    千歌「そ…そう…?えへへ……そこまで言われると照れるね…///」

    千歌「じゃあ…まあ、頑張ってね!凛ちゃん!私も応援してるよ!」

    「はい!!ありがとうございます!!凛は、一生千歌先輩についていきますにゃ…!!!」

    千歌「え…?」

    「よろしくお願いします…!!」ペコリッ!

    千歌「んん…??」

    千歌(あれ…?なんか話がおかしな方向にいってるような……)

    88 = 46 :

    「鞄お持ちしますにゃ」スッ…

    千歌「え……あ…ありがとう……」

    「んん…!?すごく軽いにゃ!!」

    千歌「あぁ…お弁当ぐらいしか入ってないから…」

    「お弁当だけ!?す…すごいにゃ…!!教材が無くても授業が分かるなんて…!!」

    千歌「え……いや…そうは言ってな…

    「喧嘩だけじゃなくて勉強もすごいなんて……さすが千歌先輩だにゃ…!!」

    千歌「あ…あはは……」

    千歌(ど…どうしよ……この状況……)

    「それじゃあ、学校行くにゃー!!」ダッ!!

    千歌「えぇ…!?ちょっと!?また走るの!?」

    「当たり前にゃ!!早くかよちんに話がしたいにゃ!!」

    千歌「えぇ……私、もう疲れたよ~…」

    「いいから、早く走るにゃー!」

    千歌「うぅ……もうタメ口に戻ってる……」

    89 = 46 :

    「あっ!それから、千歌先輩!かよちんの本名は「はなよ」だにゃ!かよちゃんじゃ誰か分からないにゃ!」

    千歌「えぇ…!?そうなの…!?じゃあ、なんで、かよちんに…?」

    「昔の事すぎて覚えてないにゃ!」

    千歌「えぇ……気になる……」

    「って、そんな事はどうでもいいにゃ!!早く学校行くにゃ!!さあ、走るにゃ!!」ダッ!!

    千歌「あっ…!ちょ……」

    凛 タタタッー!!

    千歌「あ……」

    凛 タタタッー!

    千歌「………」

    凛 タタタッー…

    千歌「うぐぐ……」

    千歌「もう…!!分かったよ!!走りゃあいいんでしょ!走れば!!」ダッ!!

    千歌「うおおおおおお!!!凛ちゃん待てぇぇいっ!!!」タタタッー!!!



    --------------------


    90 = 46 :


    同じ頃 三年生教室-


    先生「えー…で、あるからして……」

    絵里「………」

    ヤンキー「絵里さん…」

    絵里「…」

    ヤンキー「少しお耳に入れたい事が…」

    絵里「………」

    絵里「なに…?」

    ヤンキー「二年の事なんですが…」

    絵里「…」

    ヤンキー「~~~~」コソコソ…

    絵里「…!」

    絵里「………」

    絵里「へぇ……」

    絵里「………」

    絵里「喧嘩のカリスマ……ねぇ……」

    絵里「………」




    92 = 46 :


    翌日 昼休み 二年生教室-

    --------------------
    -----------------
    --------------

    ワイワイガヤガヤ


    梨子「時制が間違ってるわ、やり直しよ」

    千歌「えぇっー!?どこが!?合ってるよ!!」

    梨子「ここよ、これはメアリーが昔から今までずっと住んでいるわけだから現在完了形よ」

    千歌「げ…現在完了形……!?」

    梨子「そうよ」

    千歌「…って、なに……?」

    梨子「知らないの!?千歌ちゃん、前の学校で何してたのよ!」

    千歌「あ…あははー……えっと…友達とじゃれあってた……かな…?」

    梨子「はぁ!?どういう事よ……」

    千歌「あはは……」

    梨子「あはは、じゃないわよ……このままじゃ千歌ちゃん赤点になるわよ…?」

    千歌「そ…そうですね……」

    93 = 46 :

    「えぇっー!?千歌先輩、赤点なんですか!?」ガララッ!!

    千歌「わっ…!り…凛ちゃん…!!」

    「頭良かったんじゃなかったんですか!?」

    千歌「いやぁ~……あれは凛ちゃんが勝手に勘違いしただけで……」

    「なっ…!み…見損なったにゃー!!」

    千歌「…!?」

    千歌「そ…そんな事言ったって、しょーがないじゃん!!私、頭悪いもん!!!」

    「あー!!開き直ったにゃー!!情けないにゃ!!」

    千歌「な…情けなくないもん!!だいたい、私のが先輩なんだから敬語…

    梨子「はいはい……もう千歌ちゃん落ち着いて……」

    千歌「むぅ……わ…分かったよ……」

    94 = 46 :

    梨子「凛ちゃんも何か用があって来たんじゃないの?」

    「あっ、用があるのは凛じゃなくて、かよちんで……」

    梨子「その花陽ちゃんが見当たらないけど……」

    「それは……」

    花陽「はぁ…はぁ……凛ちゃん足速い……」

    「あっ!かよちん、やっと来たにゃー!」

    梨子「走ってきたのね……」

    千歌「そんな急用なの…?」

    花陽「は…はい…!!大変なんです…!!」

    千歌「何が…?」

    花陽「ち…千歌先輩が…です…!」

    千歌「え…?」






    --------------------
    -----------------
    --------------

    95 = 46 :


    数分後-


    千歌「えぇ…!?私が三年生からマークされてる!?」

    花陽「は…はい……目立った事をしてなくても、やはり千歌先輩ほどのビックネームとなると……」

    千歌「そ…そんな……」

    梨子「?」

    「あっ…」

    梨子「ビックネーム…?千歌ちゃんが?」

    千歌「あ…!」

    梨子「なにかスポーツでもしてたの…?」

    花陽「え…?いや……その…だって、千歌先輩は…もがっ!」

    「か…かよちん…!!ちょっとこっちに来るにゃ…!!」

    花陽「むがっ…!もがもがっ…!?」ガララッ…!ピシャンッ!!

    96 = 46 :

    梨子「え…?な…なに……?」

    千歌「わー!!水筒こぼしちゃったっー!!!」

    梨子「えぇ…!?ちょっと…なにやってるの!?」

    千歌「あはは…ごめんごめん……拭くの手伝って……」

    梨子「はぁ……もう、しょうがないわね……」

    千歌「ありがとー…!」

    千歌(………)

    千歌(い…今のは危なかった……) フキフキ

    千歌(てっきり、花陽ちゃんにも凛ちゃんが伝えてくれたのかと……) フキフキ

    千歌(り…凛ちゃんめ……さては、私が不良辞める話しかしてなかったな……) フキフキ

    千歌(これは、お仕置きが必要だね……) フキフキ

    千歌(うん…これは暴力じゃない……罰だよ…罰……)

    千歌「ふふふっ…」

    梨子「え……なに……?」

    97 = 46 :

    花陽「す…すみませんでしたっー!!」ガララッ!!

    千歌「あはは……いいよいいよ、知らなかったんだから、しょーがないって」

    千歌「だから、悪いのは……」

    千歌 ギロリッ…

    「ひっ…!」ビクッ!

    千歌「あとでね…?」

    「そ…そんな……」

    梨子「?」

    98 = 46 :

    梨子「えっと……なんだか、よく分からないんだけど……その…千歌ちゃんが三年生にマークされてるのは、なんで…?」

    花陽「あっ…!そ…それは……えっと……」

    「ち…千歌先輩が、転校してきたのに、ウチの番長に挨拶にも行かないからだにゃ…!!」

    花陽「…!」

    千歌(凛ちゃんナイスフォロー!)

    梨子「挨拶……?そんなの私もしてないけど……」

    花陽「あっ…そ…それは……」

    「えっと……し…知らないんですか!?ウチの生徒はみんな、番長に挨拶に行ってますよ…!?」

    花陽「え…」

    「ね…!?かよちん!」

    花陽「う…うん…!」

    千歌(なんじゃそれ……無理があるでしょ……)

    梨子「そ…そうなの…!?ど…どうしよう……私も挨拶に行かないと……」

    千歌「…!?」

    99 = 46 :

    「………」

    「梨子先輩って…詐欺とかあいそうですね…」

    梨子「えぇ…!?なんで急に、そんな事言うの!?」

    「なんでもないです…」

    千歌「じゃ…じゃあ!私と梨子ちゃんで挨拶に行ってこようか…!!」

    花陽「えぇ…!?ほ…本当に行くんですか…!?」

    梨子「え…?行かなきゃいけないんじゃないの…?」

    「そうです…!そうです…!行きましょう!今すぐにでも!」

    花陽「り…凛ちゃん!?」

    「大丈夫にゃ……三年生も、そうすぐには仕掛けてこないはずにゃ……」コソコソ…

    花陽「で…でも……いきなり敵地の真っ只中に行くなんて……」コソコソ…

    100 = 46 :

    梨子「なんの話?」

    「な…なんでもないです…!!さっ!行きましょう!行きましょう!」

    「何かあった時のための護衛として、凛もついて行くにゃ……かよちんは先に教室に戻ってて……」コソコソ…

    花陽「う…うん……気をつけてね…」コソコソ

    千歌「よーし…!じゃあ、三年生のフロアに向けてしゅっぱーつ…!!」

    「お…おーーっ!!」

    梨子「?」

    梨子「おー! ……?」



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