のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,062,769人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    元スレ千歌「決めた…!私、この転校を機にヤンキー辞めて、真面目に生きる!!」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    551 = 511 :

    穂乃果「……」ダッ…!!!

    千歌「うっ…」

    千歌(ま…まだ来る…!!)

    ことり「千歌ちゃん…!!」

    千歌「う…うん…!!これは逃げた方が良さそうだ…!!」ダッ…!!!

    穂乃果「くっ……待てっ…!!」タッタッタッ!!!

    千歌「いや、待つのは穂乃果ちゃんの方だよ…!!一旦、話し合おうって…!!!」タッタッタッ!!!

    ことり「逃げて…!!遠くまで…!!!絶対、闘っちゃダメだから…!!!」

    千歌「わ…分かってるよ…!!!」タッタッタッ!!!

    穂乃果「……」タッタッタッ!!!

    552 = 511 :

    ことり「………」

    ことり「穂乃果ちゃん……」

    --------------------

    穂乃果「昔みたいに戻れるって言ったけど、やっぱり無理かもしれないや……私、もう知っちゃったから……嫌な事も含めていろいろ……」トコトコ…

    --------------------

    ことり「………」ウルウル…

    ことり「…っ」

    ことり「ダメだ……今は感傷的になってる場合じゃない……穂乃果ちゃんを止めなきゃ……」

    ことり「できる……やれる……そう穂乃果ちゃんに教えて貰ったから……」

    穂乃果の鞄 ズズズ…

    ことり(穂乃果ちゃんの鞄……ここに置いてくわけにもいかないよね……)

    553 = 511 :

    ことり「よっと……」グイッ…

    ことり「ん…?重い……」

    ことり「何が…」

    拳銃 ポロッ…

    ことり「…!!??」

    拳銃 ガンッ…ゴロゴロ……

    ことり「こ…これって………」













    --------------------

    554 :


    凛、花陽サイド-


    花陽「………」ゴクリッ…

    海未「……」ズリッ…

    「…!」

    (来る……行かなきゃ…!)

    (後手に回れば、凛に勝ち目は無い…!)

    (先手を取って、速さで圧倒する…!!)

    555 = 554 :

    海未「……」ズ…

    (今にゃ…!!)

    「にゃあああっ!!!」ダッ!!!

    海未「……」ユラリ…

    「…!」

    (隙あり…!!チャンス…!!!)

    海未「……」

    (ここだぁっっ!!!) ゴォッッ!!!


    ガンッッッ!!!!


    花陽「あっ…!」

    「…がはっ……!」フワリッ…

    海未「………」

    (い…今……何が……)

    花陽「カ…カウンター……!!」

    556 = 554 :

    海未「若いですね……私が、そう簡単に隙を見せるとでも…?」

    「…!」

    (そ…そうだった……) クラッ…

    --------------------

    千歌「例えばだけど、不用意に前に出たり、わざとガードに隙を作って狙わせたり……相手の次の攻撃を誘導するの!」

    --------------------


    (なにも……)

    (なにも身につけてなんかいなかった……)

    (ダメだ……もう…頭が…回らない……)

    (ごめん……ごめん…千歌先輩…曜先輩……) フラフラ…

    花陽「り…凛ちゃん…!!!」

    557 = 554 :

    海未「眠りなさい……」

    (凛の……) フラッ…

    海未「……」

    花陽「そんなっ…!」ウルッ…

    「……」フラァ…

    (凛の……負…

    ??「おっと…」ポスッ…

    海未「…!!?」

    花陽「あ…あぁ……!」

    「うっ…な…なんにゃ……?」

    ??「星空…凛さんだったかしら…?ありがとうね、それと、遅くなってごめんなさい…病院抜け出すのは大変で……」

    「え…?」

    海未「っ……」

    海未「あ…あなたは……!!」

    絵里「さぁーて……ウチの可愛い後輩を傷つけた罪は重いわよ……?園田さん……」

    海未「絢瀬…絵里……!!!」

    花陽「え…絵里先輩っっ…!!!」ウルッ…!

    558 = 554 :

    「絵里…先輩………」

    絵里「喋らなくていいわ…ゆっくり休みなさい……後は、私がやるから……」

    「…!!」

    「絵里先輩……」ウルッ…

    「凛……凛…ダメだったにゃ……凛…なにもできなかったにゃ……うぅ……」ポロポロ…

    絵里「泣かないのよ…可愛い顔が台無しだわ」ニコッ

    絵里「小泉さん…」

    花陽「は…はいっ…!!」

    絵里「星空さんをお願いできるかしら……あなたといる方が、星空さんも休まるだろうから」

    花陽「…!!」

    花陽「はいっ…!!」

    花陽「り…凛ちゃん…!!」ダッ!

    「うぅ……かよちん……」ポロポロ…

    花陽「凛ちゃん…!かっこよかったよ…!!勝てはしなかったけど、恥じる事なんてないよ…!!凛ちゃんは、最高にかっこよかったよ…!!!」

    「かよちん……」

    「うぅ……ありがとう……ありがとう…かよちん……やっぱり、かよちんは最高の親友だにゃ……」

    559 = 554 :

    海未「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

    絵里「さて……私の仕事はこっちね……」

    海未「………」

    海未「…あなたの退院は、たしか明日だったはずです……何故、ここに……」

    絵里「ふふっ…知らせてくれたのよ……私の学校の生徒が……」

    海未「くっ…余計な事を……」

    絵里「水見色の愛すべき生徒が血を流してる……そしたら私が出ないわけには、いかないでしょ?水見色は私の学校なんだから…」

    海未「ずいぶんと母校に思い入れがあるようですね……絢瀬絵里……」

    絵里「…さっきからフルネームで呼ぶの辞めて貰えないかしら……一応、年上よ…?」

    海未「敵に敬語を使う人間はいません……」

    絵里「使ってるじゃない……」

    海未「っ…ず…ずいぶん余裕ですね……勝てると思ってるのですか…?私に……」

    絵里「勝てるわね」

    海未「…舐められたものですね……」

    560 = 554 :

    絵里「私が強すぎるからね、あなたが弱いわけじゃないわよ?」

    海未「戯言を……」ズリッ…

    「…!」

    (あ…あれは…!!)

    「絵里先輩!気をつけて!!来ます!!」

    絵里「教えてくれてありがとう、星空さん。おかげでカウンターが狙えそうだわ」ニッ

    「え…!?」

    海未「…!!」

    海未「敵に次の攻撃を教えるとは……愚かな行動を取りましたね…絢瀬絵里…!」ズリッ…

    絵里「あなたじゃ、分かってても防げないからね」

    海未「っ…!」

    絵里「試してみなさいよ」クイクイ…

    海未「なっ…」

    絵里「ふふっ…」

    海未「怒りましたよ……」ゴゴゴゴゴゴ…

    花陽(な…なんで、あんなに相手を挑発するようなマネを……)

    561 = 554 :

    海未「望み通り、試してあげますよ…!!」ダッ!!

    絵里「……」

    海未「……」ザッ…!!

    「…!!」

    絵里「……!」キッ…!

    海未「はあぁっ…!!」ゴオッッ!!!


    スカッ!!


    海未「…!!?」

    絵里「若いわね……」

    海未「はっ…!」


    ドカッッッ!!!!


    海未「ぐあっ……!」

    花陽「き…決まった…!カウンター…!!」

    562 = 554 :

    海未「くっ……」

    花陽「す…すごい……なんて見切りの能力……」

    「いや…違うにゃ……」

    花陽「え…?」

    「今の海未先輩の攻撃……いつもの海未先輩より、少し大振りで隙があったにゃ……」

    花陽「そ…そうなの…!?」

    「うん……それで、それをさせたのが……」

    花陽「あっ…!」

    花陽「あ…あの挑発……」

    「うん……あそこから絵里先輩の攻撃は始まっていたんだにゃ……」

    563 = 554 :

    絵里「ふふふっ……あなた、格闘技は相当やるみたいだけど、路上はやらないタイプでしょ」

    海未「…!」

    海未「な…何故それを……」

    絵里「そういう所よ、今のがハッタリだったら、相手に喧嘩経験が無い事をバラす事になるわよ?」

    海未「…!!」

    絵里「路上での喧嘩はね、格闘技とは違うの……単純な暴力の勝負だと思ったら大間違いよ」

    海未「くっ……」

    花陽「す…すごい……絵里先輩…海未先輩を圧倒してる……」

    564 = 554 :

    海未「……」タラリッ…

    絵里「どうしたの……?来ないなら、こっちから行くわよ?」

    海未「っ……」

    海未(くっ…まさかアキバ四天王の一人、絢瀬絵里が出てくるとは……迂闊でした……そうと分かっていれば……)

    海未(そうと分かっていれば……っ)


    ヤンキー「へっへっ…水見色の奴ら、ビビって逃げて行きやがったぜ!」ザッザッ…

    ヤンキー「お前が、木刀なんか持ってるからだよ!どっから持ってきたんだよ!」ザッザッ…

    海未「…!?」クルッ…!

    海未「あっ…!」

    565 = 554 :

    ヤンキー「あー?剣道部の部室から借りてきたんだよ、いいだろ?」

    絵里「……」

    絵里(あれは……焔ヶ丘の……)

    花陽「う…嘘……敵が……」

    「ま…まずいにゃ……」

    海未「あなた達…!!」

    ヤンキー「え…?」

    ヤンキー「あっ…!う…海未さん…!!」

    ヤンキー「お…お疲れ様です…!!!」バッ!

    絵里「くっ……面倒な事になりそうね……」

    566 = 554 :

    海未「………」

    ヤンキー「あっ…!あれ…!?海未さんが闘ってるのって……」

    ヤンキー「あ…絢瀬絵里…!?」

    ヤンキー「四天王の一人じゃないですか!!加勢しますよ!!」

    花陽「…!!」

    「くっ…こ…こうなったら、凛も……」

    花陽「凛ちゃん…!それは……!」

    「でも…!このままじゃ、絵里先輩が危ないにゃ…!!凛が行かないと……」

    海未「…いえ……加勢は必要ありません……」

    「え…」

    絵里「……?」ピクッ…

    ヤンキー「え…!?な…なんでですか…!?相手は四天王ですよ!!流石の海未先輩でも……」

    海未「大丈夫です……ただし、その木刀……貸していただいてもよろしいでしょうか…?」

    ヤンキー「え…?ぼ…木刀を……?」

    「あっ…!!」

    絵里(木刀……)

    「そ…そうだったにゃ……」

    花陽「え…?ど…どうしたの…?凛ちゃん……」

    567 = 554 :

    「う…海未先輩は……」

    ヤンキー「ど…どうぞ……」スッ…

    海未「………」

    海未「…赤樫ですが……良いですね……」ブンッ…ブンッ…

    ヤンキー「あ…あかがし……?」

    海未「木刀の種類ですよ、まあ、この赤樫は本赤樫では無いようですが……」

    ヤンキー「…??」

    絵里(今の素振り……そして、木刀への知識……)

    絵里(この子……まさか……)

    「う…海未先輩は……」

    花陽「う…海未先輩は……?」ゴクリッ…

    「け…剣道の…有段者なんだにゃ……!!」

    花陽「えぇ…!!?」

    568 = 554 :

    絵里「くっ……」

    絵里(やっぱり……)

    海未「さ、あなた達はもう行きなさい……ここは私、一人で十分です」

    ヤンキー「…!は…はいっ…!!失礼します…!!」ダッ!!

    海未「ふぅ……さて……」

    海未「……」ピタッ……

    花陽「…!」

    花陽(き…綺麗……構えただけなのに……)

    絵里「っ……」

    海未「行きますよ……?」

    「や…やばいにゃ……」

    絵里「………」










    --------------------

    569 = 554 :


    曜、梨子サイド-


    善子「行くわよ…!!」

    花丸「ずら!!」

    「くっ…」

    梨子「曜ちゃん…!!逃げて…!!」

    善子「堕天究極奥義!!」

    (来る…!!)

    善子「堕天龍堕天DATTEN!!!」バッ!!

    袖口 キラッ…

    「ん…?」

    善子「発射…!!」

    袖口 ブシャッ!!!

    「…!!」

    「むがっ…!?」バシャッッ!!

    梨子(曜ちゃんの顔に謎の液体が…!?)

    570 = 554 :

    「………っ!!」

    「かっ…」

    梨子「え…?」

    善子「ふっ…」ニヤリッ…

    「かっ…辛ああああああああああいっっ!!!辛い!!辛い!!辛い!!辛いいいいっっ!!!」

    「み…水…!!水!!!り…梨子ちゃ……水を……あっ…あああっ…!!」

    梨子「え…!?ええ…!?そ…そんな事言われたって、私、動けないわよ…!?」

    善子「今よ!ずら丸!!今度こそ、楽にしてやりなさい!!」

    花丸「言われなくても行くずら!!」ダッ!!

    「ぐ…ぐぅ……痛い……顔全部痛い……梨子ちゃ……助けて……」

    梨子「そ…そんな事言ってる場合じゃ無いわよ!!攻撃が来てるわ!!避けて!曜ちゃん!!」

    花丸「逃がさないずらああ!!!」ダッダッ!!

    「む…むぐぅ……梨子ちゃんが全然、心配してくれない……本当に痛いのにぃ……」

    571 = 554 :

    善子「な…なんで当たるのよ!!まさか、もう眼が見えるように!?」

    「見えないよ!!痛すぎて開けられるわけないじゃん!!」

    花丸「じゃ…じゃあ、なんで……」

    「あんな大声出して、突っ込んできたら、見えなくても位置ぐらい分かるよ!!」

    花丸「はっ…!」

    善子「そ…そんな……」

    梨子「そ…そう言われればそうね……」

    花丸「まさか、そこを突かれるなんて……」

    善子「なかなかのキレ者のようね……」

    「いや、普通に分かるよ!!バカなの!?」

    梨子「曜ちゃん……顔が痛すぎるのか何だか知らないけど、口が悪くなってるわよ……」

    572 = 554 :

    善子「バ…バカ……?今、私達の事をバカだと言ったわね……」ゴゴゴゴゴゴゴ…

    花丸「許さないずら……もう、大声出して突っ込むのは辞めるずら……」ゴゴゴゴゴゴゴ…

    「ぬぐぅ……まだ痛い……なんなのこれ……」

    梨子「曜ちゃん、気をつけて!!相手二人とも、怒ってるわよ!!」

    「私も怒ってるよ…!!」

    「ぜぇ~ったい許さない!!眼なんか見えなくても、関係ない!!全力でぶっ飛ばす!!!」ザンッ!!

    善子「くっくっくっ……眼が見えないのに、どうやって攻撃を当てるつもり…?行きなさい、ずら丸…今度は静かにね……」

    花丸「…分かったずら……」コソッ…

    梨子「曜ちゃん!来てるわよ!!」

    「分かってる…!!」

    573 = 554 :

    「ふぅっーー……」

    「………」

    花丸「………」ソロォ~……

    「………」

    --------------------

    曜、幼少期-

    空手道場-


    師匠「違うぞ…曜よ……見るのではない……感じるのじゃ……」

    「……?」

    「全然意味が分かんないであります!!ししょー!」

    574 = 554 :

    師匠「視覚だけに頼っていては、ダメじゃという事じゃ……聴覚、嗅覚、触覚……全ての感覚を用いれば、見えぬ物などないのじゃ……」

    「………」

    「わ…分かったであります!!ししょー!」

    (………)

    (ぜ…全然意味分かんない……)


    --------------------

    (…今なら、ちょっとだけ言ってる事分かるよ……師匠……)

    575 = 554 :

    (………)

    (心を落ち着かせて……)

    (全神経を鋭く集中させる……)

    風 サァー……

    鳥 チュンチュン…

    手錠 カチャ…

    花丸 ゴクリッ…

    (……いた……左側……まだ遠い……)

    花丸 スッ…

    (少しずつ近づいてる……おそらく一歩で詰めれる距離に来て、右ストレートを狙ってる……)

    576 = 554 :

    花丸 スッ…

    梨子「よ…曜ちゃん……」

    梨子(な…何なの……この言い知れぬ雰囲気は……)

    善子「……」

    汗 タラリッ…

    善子「くっ……」

    善子(眼が見えないっていうのに、何故ここまでの迫力を……)

    花丸「……」スッ…

    「………」

    花丸(行ける……この距離なら一歩で……)

    「………」

    花丸(でも……)

    「………」ゴゴゴゴゴゴゴ…

    花丸(な…なんなんずら……この予感は……)

    花丸(近づいちゃダメだって言うこの予感は……!)

    577 = 554 :

    「………」

    花丸「ぐっ…」タジッ…

    「…!」

    (今の気配……引いた…!?チャンス…!!)

    「…」ギュルンッ…!

    花丸「…!」

    「ハアァッ…!!」ブンッ!!


    バシィィンッッ!!!


    花丸「いっ……!?」

    花丸「ぐ…ぐあああっっ…!!」

    善子「ず…ずら丸…!!」

    578 = 554 :

    花丸「う…ぐ……くぅ……」

    花丸(ロ…ローキック……足の感覚が……)

    「見つけたよ……ずら丸ちゃん……」

    花丸「…!」

    「正確な位置は分からなかったからね……ローで足、止めさせて貰ったよ…動けないでしょ…?」

    花丸「っぐ……」

    善子「ずら丸…!!何やってるのよ!!早く逃げなさい…!!」

    花丸「わ…分かってるずら……!!」

    花丸(分かってる…分かってるけど……!)

    花丸(足が、まだシビれてるずら…!今は立ってるのがやっとで……)

    579 = 554 :

    「位置さえ分かれば、後はこっちのもの……」

    「行くよ……」スッ…

    花丸「っ…!」

    花丸(どうせ、動けないなら……)

    花丸(こっちから攻撃に出てやるずら……!!)バッ!!

    梨子「…!曜ちゃん、危ない…!!」

    「……」


    スカッ…!


    花丸「…!?」

    花丸(な…なんで……見えてないのに……)

    580 = 554 :

    「……」バッ…!

    善子「…!ずら丸!前!!」

    花丸「え…


    ガンッッッ!!!


    花丸「…!!」グラッ…

    花丸(こ…こめかみに……見えてないのに……)

    「……」ザッ…!


    ズンッッッ!!!


    花丸「~~っ!!」

    花丸(み…みぞおち……!?)

    「はっ…!!」


    ガツンッッッ!!!!


    花丸「ぶはっ…!?」

    梨子「…!?」

    善子「あ…顎を……蹴り上げた……」

    581 = 554 :

    花丸「うぅ……」フラッ…

    花丸「……」ドサッ…!!!

    「セイッ!!!」


    スカッ!!!


    「あ…あれ…!?」

    花丸「う…うぅ………」ゴロンッ…

    善子「ずら丸…!!」ダッ…!!

    「え…?」

    善子「ずら丸…!!ちょっと!!しっかりしなさい…!!ずら丸…!!ずら丸!!!」ユサユサ…!!

    花丸「う…う~ん……」ユサユサ…!!

    「あ…あぁ……倒れたのか……」

    梨子「…!?」

    梨子「よ…曜ちゃん、まだ目開けられてなかったの…!?」

    582 = 554 :

    「え…?う…うん……顔すごい痛いし……」

    梨子「う…嘘……じゃあ、さっきの攻撃は……」

    「あー…あれは……何というか…その…なんとなく気配でローキック打ったら、当たって……それで…位置が分かってからは、まあ練習通りに……」

    善子「…!」

    善子「な…なによ!それ!!意味分からないわよ!!そんな理由で、ずら丸がやられたって言うの!?本当は眼開いてたんでしょ!!」

    「いやいや…違うって、実際、熟練の人なら気配を読むような人もいるし…その後は、私が何千何万と繰り返してきた動きだもん……眼が見えなくても、関係ないよ」

    善子「…!!」

    善子「な…何千何万……」

    善子(今まで、空手やってた不良なんて沢山いた……でも、たいてい喧嘩目的だし、不良だから長続きしなかったような奴ばっかりで、大して強くも無かった……)

    善子(だけど、この人は違う……本物だ……本物の空手家だ……)

    583 = 554 :

    「………」ス…スゥ……

    「いたっ…!」ギュッ…!!

    「う…うぅ……やっぱりダメだ……痛すぎて開けられない……」

    善子「……」

    (まだ、後一人倒さないといけないっていうのに……!!)

    善子「………」ゴソゴソ…

    「…!」

    (バックを探る音…!何か来る…!!) ザッ…!

    584 = 554 :

    善子「………」ゴソゴソ…

    善子「……」

    善子「……」バッ…!

    「…!」

    梨子「…!?」


    バシャッッ…!


    「わ…ぶっ…!?」

    梨子「え…!?な…なに…!?」

    善子「水よ……顔洗いなさい」

    「え…!?あ…あぁ……本当だ……」

    梨子「水…!?なんで!?どういう事!?」

    善子「私達の負けって事よ……鍵も置いておくわ……」ポイッ…

    鍵 カランッカラン…

    梨子「あ…!」

    585 = 554 :

    「………」ゴシゴシ…

    善子「ほら、行くわよ…ずら丸……」グイッ…

    「………」スゥ……

    梨子「あ…!曜ちゃん!!目、開けられたのね!!」

    「………」

    善子「………」

    梨子「え…」

    「………」

    善子「ふっ……なに?その顔は……勝って嬉しくないの…?」

    「………」

    586 = 554 :

    善子「こんな形だから不満…?言っとくけど、もう無理よ、私達は二人で一人……片方がやられたんなら、それで終わりよ……それに……」

    善子「あなたみたいな本物に出会えた……私も不良だからね…ただ純粋に、あなたのその強さを尊敬しちゃったの……その時点で、もう私の負けだわ……」

    「………」

    梨子「………」

    梨子(こ…この子……バカな子だと思ってたけど……意外なところあるのね……)

    善子「それじゃあ、私はずら丸を病院に連れてくわね……会えて良かったわよ、渡辺曜……」クルッ…

    「……」

    「……」ガシッ…

    善子「え…?」クルッ…

    「なにいい感じに帰ろうとしてんの?私は、あんたにムカついてんだけど…?」ニコニコ

    善子「へ…?」

    梨子「え…」

    587 = 554 :

    「千歌ちゃんに何度もナメた口聞いた罪…償って貰わないとね…?」ニコッ!

    善子「う…嘘……」

    梨子「いや…千歌ちゃんって……」

    「せー…のっ…!」

    善子「い…いやいやいやいや…!!ちょっと待って!?え!?ええ!?今、いい感じに帰れる流れじゃなかっ…

    「ごちゃごちゃうるさいよ」ニコッ!

    善子「え…


    ゴンッッッ!!!


    梨子「あぁ……もう……」

    善子「あ…あひゅー……」バタンッ…!

    花丸「うっ……」バタンッ…!

    「はー!スッキリした…!!大満足!!」ニッコリ!

    588 = 554 :

    「これで、千歌ちゃんの威厳は守ったぞー!!私、最強ー!!!」

    梨子「あ…あぁ……」

    梨子(や…やっぱりダメだ……この人……千歌ちゃん以上にバカかも……)

    「さーて…!じゃあ、囚われの梨子ちゃんを解放してあげようかな!」タッタッ…!

    梨子「はぁ……私の手錠解いたら、そこの二人連れて病院行くのよ…?」

    「えぇ…!?なんで私が……」

    梨子「やったの曜ちゃんでしょ……責任持ちなさい」

    「えー……面倒くさい……」

    梨子「ダメよ、行くの…!ことりちゃんとの約束破ったんだから、これぐらい我慢しなさい…!」

    「ぶー……分かったよー……」スッ…

    梨子「当たり前よ……」

    589 = 554 :

    「もー…梨子ちゃん、真面目すぎ……」カチャカチャ…

    手錠 カチャッ…!

    「お…開いた……」

    梨子「ん…んん~…!!」ノビィー……

    梨子「やっと、解放された…!!もう、手が痛いわ……」

    「あはは……結構長い間、手錠されてたもんね……」

    梨子「そうね……曜ちゃんが、喧嘩しだすから」

    「え…!?いやいやいや、私が喧嘩しなきゃ、ずっと手錠されてたよ!梨子ちゃん!!」

    梨子「話し合えば、すぐ渡してくれたかもしれないわ」

    「い…いや……だから、不良に話し合いとか通じないって……」

    梨子「不良である前に人間よ…?言葉が通じるなら、やりようがあるはずだわ、すぐに暴力に訴えるのは良くないわよ」

    「う…うーむ……」

    「そ…それは……そうかもしれないけど……」

    590 = 554 :

    善子「う…うーん……」ゴロンッ…

    「あれ…?起きた…?」

    善子「ん…」パチッ…

    善子「あ……あれ…?空……?」

    「おーい」ヌッ…

    善子「…!?」

    善子「ぎゃ…ぎゃあああっ!!あ…悪魔!!や…やめて!!来ないで!!!」ズザザザザッッ!!

    「あはは…もう、何もしないって……」

    善子「え……ほ…本当に……?」

    「ほんと、ほんと、後ろから私より怖い人に睨まれてるから」

    梨子「………」ジィーーー…

    善子「え…」

    善子(嘘…!あの人、そんなに強かったの!?)

    591 = 554 :

    花丸「う…うぅ……」

    「あ、ずら丸ちゃんも起きた?」

    花丸「う…こ…ここは……」ムクリッ

    善子「なに寝ぼけてんのよ……やられたのよ、私達二人とも……この渡辺曜に……」

    花丸「あっ……」

    花丸「そっか……」ゴロンッ…

    花丸「まる達、負けたずらか……」

    善子「そうね……完敗だったわ……」

    「いやいや、結構苦戦したよ?私だって、ずら丸ちゃんのタックルで相当ダメージあるし……」

    善子「………」

    花丸「…花丸ずら……」

    「え…?」

    592 = 554 :

    花丸「花丸ずら…!!ずら丸は、善子ちゃんが勝手に呼んでるだけずら!!本名じゃないずら!!!」

    善子「あはは…ずら丸、ごめん……」

    花丸「…!!」

    花丸「ずら丸って呼ぶなずら!!」ポカッ…

    善子「いてっ…!」

    花丸「まるには、花丸っていう、ちゃんとした名前があるずら…!善子ちゃんにも、そう呼んで欲しいずら……!」

    善子「え~……でも、今更だし……それに、あんただって、私の事ヨハネって呼んでくれないわけだし……」

    花丸「ヨハネは本名じゃないずら…!」

    善子「…!?」

    善子「ほ…本名よ…!!」

    593 = 554 :

    花丸「なに言ってるずら…!!じゃあ、なんでクラスの名簿に津島善子って書いてあるずら!?津島ヨハネだって、先生に言いに行けばいいずら!」

    善子「うぐっ……そ…それは……その…善子は仮の名前で……その…ヨハネは……知られてはいけない名前というか……下界では善子として活動しているというか……」

    梨子「はいはい……何言ってんのか分かんないけど、くだらない事で言い争っちゃダメよ…?二人とも……」

    善子「…!」

    花丸「なっ…!く…くだらない事じゃな…もがっ…!?」

    善子「ず…ずら丸…!!」グググッ…

    花丸(よ…善子ちゃん…!?く…苦しいずら…!!)

    善子「ダメよ……逆らっちゃ……さっき知ったけど、この人は、渡辺曜より強いのよ…!!逆らったら、なにされるか……」コソコソ…

    花丸「…!?」

    花丸「こ…この人が……?」

    梨子「…?」

    花丸(ぜ…全然強そうに見えないのに……)

    花丸(まさに、能ある鷹は爪を隠すずらね……)

    花丸「…敵わないずら……」ガックシ…

    梨子「え…?」

    594 = 554 :

    善子「今はまだね……」スクッ…

    花丸「そうずらね……」スクッ…

    「あ…あれ……?二人とも、もう行くの?」

    善子「いつまでも、敵と仲良く話してるのも、おかしいでしょ?私達は帰るわ」クルッ…

    花丸「次会った時は覚えとくずらよ!!絶対、二人ともやっつけてやるずら!!」ザッ…

    梨子「え…!?わ…私も…!?」

    「あはは…なんでだろ……ドンマイ、梨子ちゃん」

    梨子「ド…ドンマイじゃないわよ……私なにもしてないのに……」

    595 = 554 :

    「あはは…あ、いてて…」ズキッ…

    梨子「…!」

    梨子「曜ちゃん!大丈夫!?」

    「う…うーん……ちょっとマズイかも……梨子ちゃん、助けて…」

    梨子「えぇ…!?マズイの!?じゃ…じゃあ、病院…!病院行かないと…!!」

    「運んで~」

    梨子「は…運ぶの…!?できるかしら……」

    「できる、できる、人間一人くらい訳ないって」

    梨子「そ…そう…?じゃあ……」

    梨子「ふぬぬ……」グググッ…

    「………」

    梨子「ぬぬ~……っ!」グググッ…!

    「………」

    梨子「っはぁ……!む…無理……曜ちゃん、重すぎ……」ハァ…ハァ…

    「いや、梨子ちゃんが力無いんだよ……私、別に太ってないし……」

    596 = 554 :

    「はぁ……仕方ない…歩くか……」スクッ…

    梨子「ごめんなさい……力無くて……」

    車 ブーン…

    「あ、すごい車だ…!乗せてもらおうかな?」

    梨子「はぁ…?な…なに言って……」

    「すいませーん!病院までー!!」ブンッ!ブンッ!

    梨子「ちょ…」


    車 ブオオオオンッッッ!!!


    「…!?」

    597 = 554 :

    梨子「あぁ……通り過ぎちゃった……」

    「………」

    梨子「…内浦じゃどうだったか知らないけど、東京じゃ、知らない人を車に乗せてくれる人なんていないわよ…?」

    「い…今の……」

    梨子「…?」

    梨子「曜ちゃん……?」

    「……綺羅…ツバサ………」

    梨子「え…?」

    「綺羅ツバサだった……今、車に乗ってたの……」

    梨子「えぇ…!?き…綺羅ツバサ…!?」

    梨子「それって、たしか…A-RISEの……」

    「う…うん……」

    598 = 554 :

    「………っ」

    「あいつ……本当にいたんだ……ここに……っ」

    梨子「よ…曜ちゃ……」

    「ぐっ……」

    拳 グググッ…

    梨子「…!」

    梨子「…………」

    --------------------

    「でも、私の口からは言えないよ、千歌ちゃんの問題だから…」

    --------------------

    梨子「っ……」

    梨子「よ…曜ちゃん…!!」

    599 = 554 :

    梨子「そ…その……!やっぱり、教えてもらえないかしら…!千歌ちゃんと曜ちゃんが昔、何があったのか…!!」

    「………」

    梨子「もう前とは違って、私は二人が不良だって事知ってるし……それに、なにより…私だけ、仲間外れは嫌よ…!!」

    梨子「二人が何か悩んでるなら、助けになりたい……!何もできないかもしれないけど……それでも、何もしないでいるなんて、できない…!!」

    「……梨子ちゃん………」

    梨子「友達だから……大切な……」

    「………」

    梨子「………」ジッ…

    「…はぁ……」

    梨子「曜ちゃん……」

    「後で、千歌ちゃんに怒られても知らないからね……?」

    梨子「…!」

    梨子「う…うん…!」

    600 = 554 :

    「………」

    「先に言っとくけど、聞いてて気持ちがいい話じゃないからね……私も、できれば思い出したくないし……」

    梨子「わ…分かったわ……ごめんなさいね……」

    「いいよ……思い出したくないけど、私も梨子ちゃんには知ってて貰いたい……」

    梨子「…曜ちゃん……」

    「……あれは…」

    「…私達が、ここに転校して来る前の八月…夏休み……」

    梨子「………」ゴクリッ…










    --------------------


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について