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    元スレ千歌「決めた…!私、この転校を機にヤンキー辞めて、真面目に生きる!!」

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    201 = 159 :

    ヤンキー「ひ…ひぃ…!!」ダッ!!

    ヤンキー「あ…!おい!!逃げるな!!」

    ヤンキー「わ…私も…!!」ダッ!!

    ヤンキー「あんたが逃げるなら、私も…!」ダッ!!

    ヤンキー「ちょ…ちょっと……!」

    ヤンキー「に…逃げろーーっ!!」ダッ!!

    ヤンキー「おい…!」

    ヤンキー ダダダダダダッッ!!!!

    ヤンキー「あっ……」

    「に…逃げた……」

    202 = 159 :

    ヤンキー「くっ……」

    「どうする?もうあんた一人だけだけど……やる?」

    ヤンキー「…!」

    ヤンキー「ちっ…!お…覚えてろよ!!お前ら!!後で絵里さんが黙ってないからな!!!」

    「絵里先輩…?」

    「それなら、今日話したよ」

    ヤンキー「は…話した……??怒ってなかったのか……??」

    「うん、なんか今は学校内でモメてる場合じゃはいって」

    ヤンキー「なっ…」

    ヤンキー「そ…そんな……!」

    203 = 159 :

    「で?どうすんの?あんたも逃げた方がいいんじゃない?」

    ヤンキー「ちっ…!」

    ヤンキー「な…なんとしても、お前らは潰すからな!!覚えてろ!!!」ダッ!!

    「はいはい、じゃあね~」

    「は…はは……勝った……」ストンッ…

    花陽「凛ちゃん…!?大丈夫…!?」タッ!

    「だ…大丈夫にゃ……ちょっと腰が抜けただけ……」

    花陽「そ…そっか…良かった……」

    「さすがに、これだけの人数相手にやるのは、初めてだったから……」

    「そりゃあね…よく一人で立ち向かったよ…凛ちゃんは……」

    「はは…かよちんが傷つけられたから……ついカッとなって……」

    花陽「凛ちゃん……」

    204 = 159 :

    「そっか……大切な友達なんだね……」

    「でも、あんな無謀な喧嘩は、もうしちゃダメだよ?私が来てなかったら、本当に危なかったんだから!」

    「たしかに……凛、捕まっちゃったし……」

    「あれだけの人数の中に入っていけばね……当然後ろを取られちゃうから」

    「後ろを……」

    「うん、喧嘩において後ろを取られるのは絶対やっちゃいけない事だから……もし、大人数とやらなきゃいけないんだとしても、狭い路地に逃げ込んで、一人一人倒していくのが定石だよ」

    「な…なるほど……勉強になるにゃ……」

    「あはは…こんなの喧嘩でしか役に立たないけどね……」

    「いや…喧嘩で役に立てば十分にゃ…」

    205 = 159 :

    「………」

    「あのさ……気になったんだけど、凛ちゃんって喧嘩辞めたんじゃなかったの?いいの?こんな事しちゃって……」

    「そ…それは……」

    花陽「………」

    「わ…分からないにゃ……」

    「そっか……」

    「さっきはアキバで一番になるとか言ったけど……本心では、どうなのか分からない……凛は結局、何がしたいのか……何を守りたいのか……」

    「何を守りたいのか……か…」

    「千歌先輩も、それが分からないって言ってたにゃ……」

    「そっか…千歌ちゃんも……」

    206 = 159 :

    「あ…あの……曜先輩は、なんで喧嘩するんですか…?」

    「あれ…?急に敬語…?」

    「あっ…/// や…やっぱ無しで……」

    「え~!残念……」

    「い…いいから、答えて欲しいにゃ!」

    「えっと…何で喧嘩するか…だっけ…?私の場合は……まあ、完全に千歌ちゃんのためかな……」

    「…!」

    「私は、別に、自分のプライドとか誇りとかみたいなものは、そんなに大事じゃなくて……なによりも千歌ちゃんを支えたい……そんな感じかな…」

    「そ…そうですか……」

    「まあ、そんなに悩まなくてもいいんじゃない?好きにやれば……それが不良ってもんでしょ!」

    「…!」

    207 = 159 :

    花陽「私もそう思う……」

    「かよちん…!」

    花陽「凛ちゃんは、いつも私のためって言ってくれるけど、私は凛ちゃんの好きなようにやってくれるのが一番……」

    花陽「さっき喧嘩の時に、凛ちゃんが凛ちゃんじゃなくなるから…って言ってよね…?」

    「あっ……う…うん……そういえば……」

    花陽「あれなんじゃないかな…?凛ちゃんが大切にしたいもの……」

    「…!」

    「凛が……凛であるため……?」

    「………」

    「う…うーん……難しいにゃ……」

    「あはは……なんか哲学的だもんね…」

    「り…凛のやりたいようにやればいいって事なのかな……?」

    「ん~…そうなんじゃない?分かんないけど……」

    花陽「わ…私は、それがいいと思うよ…!」

    「かよちん……」

    208 = 159 :

    花陽「うん…!凛ちゃんがやりたいようにやる……それが一番凛ちゃんらしくいれる方法だと思う…!」

    「…!」

    「そ…そっか……凛のやりたいように……」

    「………」

    「うん…!なんかスッキリしたにゃ…!!やっぱり、凛はこんな難しい事考えずに、やりたいようにやるのが合ってるにゃ!!」

    花陽「凛ちゃん…!」パアァッ!!

    「よーし!なんか、そう思ったら、すごく気が楽になったにゃ!!元気出てきたにゃ!!」

    「あはは…単純だなぁ~」

    「ん~……!!なんか走りたい気分だにゃ!!かよちん、一緒に走るにゃー!!!」ダッ!!

    花陽「えぇ…!?ちょっと、凛ちゃん…!?」

    「早く来るにゃー!!」ダダダッ!!

    花陽「あ…ああ…!もう、あんなに遠くに…」

    「すご……あんな喧嘩した後なのに、よく走れるな……」アハハ…

    花陽「はい……えっと、じゃあ、私も行きますね…。ありがとうございました…!曜先輩!」

    「うん、じゃーねー」

    花陽「さようなら…!失礼します…!!」

    花陽「凛ちゃん、待って~!!」ダッ!

    209 = 159 :

    「………」

    「ふぅ……」

    「………」

    「ん……」ノビィー…

    「あ…いたたたた……」

    (ちょっと、食らっちゃったかな……)

    (う~ん……それにしても、今回は、さすがにヤバかった……)

    (人数も多いし、さすがに三年生だけあって、一人一人が強い……)

    (逃げてくれて助かったよ……)

    「………」

    (まぁ、なにはともあれ……)

    拳 グッ…

    (千歌ちゃんを守れた…)

    (それだけで十分……)

    210 = 159 :

    (………)

    (あとは……)

    --------------------

    ヤンキー「な…なんとしても、お前らは潰すからな!!覚えてろ!!!」ダッ!!

    --------------------

    (あの言葉……)

    (一応、まだ終わってないって思った方がいいのかも………)







    --------------------
    -----------------
    --------------

    211 = 159 :

    次の日 昼休み 屋上-


    「こうかにゃ?」ブンッ!ブンッ!

    「うんうん、いい感じいい感じ」

    花陽 ガチャ…

    「あ、花陽ちゃん来た」

    花陽「こんにちわ、あれ?曜先輩と凛ちゃんだけですか?」

    「うん、千歌ちゃんは梨子ちゃんに捕まって勉強してるよ、今度のテストやばいみたいで…」

    花陽「あはは……」

    212 = 159 :

    「曜先輩!これは!?」ブンッ!

    「あはは、それはダメ」

    「えぇ~!?かっこいいのに!!」

    花陽「何してるの?」

    「曜先輩に、蹴り技教えて貰ってるにゃ!」

    「なんか、相手を一撃で倒せる大技が欲しいんだって」

    花陽「なるほど…それで蹴りですか……」

    「本当は、蹴りなんて難しいものじゃなくて、顔掴んで、ヘッドバッドからの膝蹴り食らわすとかが一番、楽で強いんだけどね」

    花陽「うわ……エグいですね…それ……」

    「うん、確実に鼻が折れるし、戦意喪失するか、痛みで気を失うからね」

    「でも、そんなのスマートじゃないにゃ!!凛はスマートに勝ちたいにゃ!!」

    「はいはい……分かったって……でも、蹴り技ってのは本当に難しいし、そうそう決まるもんでもないんだよ?」

    「そうなのかにゃ?」

    213 = 159 :

    「ちゃんと体重かけて蹴るのは高等技術だし、それに、なによりも一本足になるってのは、すごくリスキーな事だからね。だからこそ、相手に隙が無いと打てない…」

    「な…なるほど……」

    花陽「じゃあ、相手に隙を作る技術も必要になるんですね……」

    「そうそう、まあ、その点、凛ちゃんはスピードがあるから、相手をフラッシュさせるのは簡単だけどね」

    「フラッシュ?」

    「ひるませる事だよ、ダメージを与えるんじゃなくて、ひるませる……だから……」

    「こう…!」ヒュッ!!

    「速…!」

    「拳を握ってないからね、脱力して、ただただ速く腕を振る……これでも、顔あたりに当てられたら、相手はひるむよ」

    「なるほど…!」ヒュッ!!ヒュッ!!

    「そうそう、そんな感じそんな感じ」

    214 = 159 :

    花陽「ふふっ、凛ちゃん楽しそうだね」

    「うん…!強くなるのは楽しいにゃ!!」ヒュッ!!ヒュッ!!


    ザワザワ…


    「ん?なんか下が騒がしいな…」ヒョイッ!

    「あ…!」

    花陽「曜先輩どうかしたんですか?」

    「し…下……」

    花陽「え…?下…?」ヒョイッ…

    花陽「…!!」

    花陽「あ…あれって……!」

    「うん……」

    花陽「き…昨日の…三年生…!!!」

    「それに絵里先輩も……」

    「えぇ…!?絵里先輩と三年生が…!?」

    215 = 159 :

    花陽「な…何してるんだろう……」

    「三年生の人達……全員、包帯巻いてる……」

    花陽「松葉杖ついてる人も……」

    「えぇ!?凛達、そこまでやったっけ!?」

    「やってない………全員逃げたわけだから、立てない程のダメージは無かったはず……」

    花陽「ぎ…偽装……」

    「うん……」

    「な…何のために…!?」

    「………」

    「分からない……」

    「ただ……私達にとって良いものだとは、考えにくいね……」

    「そ…そんな……」

    「………」

    216 = 159 :


    --------------------


    校門前-


    絵里「え…?渡辺さんと星空さんと高海さんに……?」

    ヤンキー「はい……私達は、ただ散歩してただけなんですが……突然その三人に襲われて……」

    絵里「そう……それはヒドイわね……じゃあ、私の方から、三人に話を…」

    ヤンキー「…!」

    ヤンキー「は…話じゃなくて、けじめとってくださいよ!!あんた、ウチらの番長でしょ!!」

    絵里「それはそうだけど、渡辺さんと星空さんと高海さんも、この学校の愛すべき生徒よ。争う気はないわ」

    ヤンキー「くっ……」

    絵里「あなた達の言ってる事は信じるわ……でも、私はあの三人が、理由もなくそんなヒドイ事をする人じゃないって事も信じてる」

    絵里「それに、今は学校内でモメてる場合じゃない……あなた達もわかってるでしょ…?」

    ヤンキー「そ…それはそうですけど…!!」

    217 = 159 :

    ヤンキー「落ち着いて…」スッ…

    ヤンキー「なっ…!こ…これが落ち着いてられるか!!」

    ヤンキー「いいから……」

    絵里「?」

    ヤンキー「絵里さん、分かりました。それじゃあ、絵里さんから、三人に話聞いてきてください………でも……忘れないでくださいよ?私達が、ここまでの怪我を負わされた事……」

    絵里「……」

    絵里「そうね……それに関しては、どんな理由であれ許せない事だわ。ちゃんと叱っておく」

    ヤンキー「お願いします……」ニヤッ…

    ヤンキー「?」

    218 = 159 :

    絵里「それじゃあ、私は戻るわね。みんな、ちゃんと安静にしてるのよ」

    ヤンキー「はい…!部屋で大人しくしてます!」

    絵里「ふふっ、本当に?あなた達、すぐ暴れるから不安だわ…?」

    ヤンキー「なっ!だ…大丈夫ですよ!!絵里さん!全く……」

    絵里「まあ、とにかくお大事にね?停学明けを楽しみにしてるわ」

    ヤンキー「はい…!それじゃあ、失礼します!」

    絵里「じゃあね、また1週間後に」

    ヤンキー「はい…!さようなら!」

    絵里 トコトコ…

    219 = 159 :

    ヤンキー「………」

    ヤンキー「お…おい…!!どういう事だよ!!この怪我で、絵里さんに報復してもらうんじゃなかったのかよ!!」

    ヤンキー「最初は、そのつもりだったけどね……やっぱり、あの人はその程度じゃ動かない……」

    ヤンキー「じゃ…じゃあ!諦めたのか!?」

    ヤンキー「まさか…!ちゃんと、次の手は考えてもあるわよ……ふふふっ……」

    ヤンキー「つ…次の手……?」

    ヤンキー「えぇ……やるのは、人目につきにくい授業中……みんな、バットは持ってきたわね?」

    ヤンキー「あぁ…それなら、私が持ってきたわよ、でも、これ何に使う気なの……?」

    ヤンキー「ふふっ……それはね……」

    220 = 159 :


    --------------------


    屋上-


    「絵里先輩、普通に帰っていったにゃ……」

    花陽「なんだったんだろう……」

    「三年生にも動きはない……」

    (これは、絵里先輩に、報復を頼んだけど断られたって考えていいのかな……普通に考えれば、そうだろうけど……)

    --------------------

    ヤンキー「な…なんとしても、お前らは潰すからな!!覚えてろ!!!」ダッ!!

    --------------------

    (………)

    (いや……考えすぎか………)

    221 = 159 :

    (………)


    キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


    「あ、昼休み終わっちゃったにゃ」

    花陽「はっ!り…凛ちゃん、次体育だよ!!着替えなきゃ!!」

    「あー!忘れてたにゃー!!急いで教室行くにゃ!!」ダッ!!

    花陽「あぁ…!待って凛ちゃん!!」ダッ!!

    「………」

    「曜先輩、何やってるにゃ!!授業遅れるにゃ!!」

    「あっ…あぁ……ごめんごめん…ちょっと考え事してて……今行くよ」スクッ…

    「………」

    (大丈夫……)

    (うん……大丈夫…だよね……?)









    --------------------
    -----------------
    --------------

    222 :

    なにする気だ?

    223 :

    展開が気になる

    224 :


    授業中-


    ヤンキー ザッ…

    ヤンキー「周り……誰もいないわよね」

    ヤンキー「うん…でも、不安だから見張りはつけておいたよ」

    ヤンキー「そう……じゃあ……」

    ダイヤモンドプリンセス号「………」

    225 = 224 :

    ヤンキー「こ…これよね……絵里さんのスクーター……」

    ヤンキー「えぇ……たしか、祖母に貰ったものとか言って、すごく大切にしてたわ……」

    ヤンキー「そうね……つまり、これが壊されれば……さすがの絵里さんも……」

    ヤンキー「………」ゴクリッ…

    ヤンキー「や…やるわよ……!」

    ヤンキー「えぇ…!」

    ヤンキー「ちょっと気が引けるけど……」

    ヤンキー「高海を潰すためだから…!」ザッ…

    ヤンキー「オラァ!!」ブンッ!!


    バキィッ!!!



    226 = 224 :

    --------------------
    -----------------
    --------------


    ダイヤモンドプリンセス号 ボロボロ…

    ヤンキー「はぁ…はぁ……」

    ヤンキー「こ…このくらいで十分よね……」

    ヤンキー「えぇ……これだけやれば、さすがの絵里さんもキレるでしょ……」

    ヤンキー「自分が殴られたのと、私達がやられたのもあるしね……」

    ヤンキー「三度目の正直ってやつね……」

    ヤンキー「え……意味違くない…?」

    ヤンキー「仏の顔も三度までってやつよ……」

    ヤンキー「あ…そっちか……」

    ヤンキー「いや、二度ある事は三度あ…

    ヤンキー「ちょっと!頭悪い会話してないで、さっさと最後の仕事終わらすわよ」

    ヤンキー「え…?まだ、何かやるの…?」

    227 = 224 :

    ヤンキー「一番大事な事をやってないでしょ!ほら!ちょっと釘貸して!」

    ヤンキー「え…?う…うん……どうぞ」

    ヤンキー「はい、どうも」

    ヤンキー「な…何するの?」

    ヤンキー「まあ、見てなさいって」

    ヤンキー「これを使って……」

    ガリガリガリ…

    ヤンキー「よし……」

    ヤンキー「あっ…!」

    229 :

    ぜんぜん慕われてなくてワロタ

    230 = 224 :


    放課後-


    千歌「曜ちゃーん!」タッタッタッ…

    「あ、千歌ちゃん!」

    千歌「ごめん……待った?」

    「全然!それより、梨子ちゃんは大丈夫なの?」

    千歌「うん……鬼の形相で追いかけてられたけどね……びっくりするほど足が遅かったから、簡単にまけたよ」トコトコ…

    「あはは…そっか……」トコトコ…

    231 = 224 :

    千歌「全く……放課後まで勉強させようとするなんて……梨子ちゃん、ひどいよ…!」トコトコ…

    「まあまあ、梨子ちゃんは千歌ちゃんのためを思ってやってくれてるわけだし……それに、本当にテストやばいんでしょ?」トコトコ…

    千歌「大丈夫だよ!いざとなったら、隣の梨子ちゃんの回答用紙を~……」トコトコ…

    「いやいや…ダメでしょ…それは……」トコトコ…

    絵里「………」

    千歌「あれ?絵里先輩だ!おーい!絵里せんぱーい!」タッタッタッ

    絵里「………」

    千歌「ん?絵里先輩…?」

    232 = 224 :

    絵里 ギロッ!

    千歌「…!」

    絵里 ヒュッ!!!

    千歌「わっ…!?」スカッ!

    「ちょ…ちょっと、絵里先輩!?」

    千歌「あ…危ないじゃないですか!!なんで急に…」

    絵里「許さない……」

    千歌「え……?」

    絵里「あなた達……何が狙いなの……?」

    「な…何を言って……」

    233 = 224 :

    絵里「高海さん……あなた、不良辞めるって言ってたわよね……?それなのに、なんでこんな事するの……?」

    千歌「え…ええ??な…なにがなんだか……」

    絵里「とぼけるつもり……?私の大切な仲間とダイヤモンドプリンセス号を傷つけて……」

    「…!?」

    千歌「え…?絵里先輩の仲間とダイヤモンドプリンセス号を……???」

    「まさか……」

    曜 バッ!

    「あっ…!」

    ダイヤモンドプリンセス号 ボロボロ…

    「こ…これって……」

    「ん?何か文字が……」


    宣戦布告 高海千歌


    「…!!」

    234 = 224 :

    絵里「言ったわよね……それは、祖母から貰った大切なものだって……」

    絵里「さすがの私も、我慢の限界よ……」

    絵里「私を殴って……私の仲間を傷つけて……私の大切な物まで傷つけて………そこまでして、私を怒らせたかったわけ……?」

    千歌「え…ええ…??」

    「ち…違うんです!絵里先輩!!これは、私達じゃなくて…

    絵里 ザッ!!!

    「え…


    ガツンッ!!!


    千歌「…!」

    絵里「もう言い訳は聞き飽きたわ」

    「あ…あぅ……」

    (お…重い……なんてパンチ……)

    235 = 224 :

    千歌「よ…曜ちゃん…!!」タッ…!

    「うぅ……」

    千歌「だ…大丈夫!?曜ちゃん!曜ちゃん!!」

    絵里「……」

    千歌「ちょ…なんで、こんな事するんですか!!絵里先輩!!!」

    絵里「先にやったのは、あなた達でしょう……?」

    千歌「だ…だから……なんの事か……」

    千歌「…!」

    絵里 ブンッ!!!

    千歌「危なっ…!」スカッ!

    絵里「……」

    絵里(また避けた……)

    236 = 224 :

    「あれ?絵里先輩と千歌先輩達だにゃ!おーい!」

    花陽「ん?なにか様子が……」

    千歌「凛ちゃん!花陽ちゃん!」

    絵里「星空さん……」

    「うぅ……」

    「え……??なに…この状況……」

    花陽「曜先輩……?」

    「は…はめられた……逃げて……」

    「え…?はめられた…?」

    絵里 バッ!!

    「え…

    花陽「凛ちゃん!危ない!!」


    ガッッッ!!!


    絵里「………」

    千歌「い…いたた……」

    「千歌先輩…!!」

    237 = 224 :

    千歌「だ…大丈夫?凛ちゃん」

    「は…はい……でも、千歌先輩が…」

    千歌「大丈夫…ガードしたから」

    千歌(いったぁ~っ!!腕折れるかと思った!!)

    絵里「……」

    絵里「ふっ…どうやら、喧嘩のカリスマってのは嘘じゃないようね……私の攻撃を、ここまで耐えたのは、あなたが始めてよ」

    千歌「そ…そりゃどーも…!!ていうか、とりあえず、攻撃すんの辞めてもらえませんか!?」

    238 = 224 :

    「そ…そうです…!!絵里先輩は誤解してます!!」

    絵里「……」

    絵里 サッ!

    千歌「あっ…!」

    「…!」


    ガツンッッッ!!!!


    「あがっ…!」

    花陽(か…顔を蹴り上げた……ひどい…!)

    「曜先輩…!!」タッ…!

    「あっ…ぶはっ……あぁ…うっ…」ボタボタ…

    絵里「その血の量……鼻、折れたかしら……?私と同じね…ふふっ……」

    千歌「………!」

    239 = 224 :

    花陽「曜先輩…!曜先輩!!」

    「だ…大丈夫……大丈夫だから……」

    千歌「曜…ちゃん……」

    「ち…千歌ちゃん………ダメだよ…?喧嘩しちゃ……そしたら…あいつらの思惑通りに…」

    千歌「…!」

    千歌「……っ」

    千歌「わ…分かってる……」

    千歌「なんだか知らないけど……はめられたんでしょ……?私達……」

    千歌「大丈夫……堪えるから……」

    拳 グググ……!

    「千歌ちゃん……」

    千歌「凛ちゃんも曜ちゃんも、そこを離れないで……目の届く位置にいないと守れないから……」

    「うん……」

    「わ…分かったにゃ……」

    240 = 224 :

    絵里「あら…?なに?その目は……」

    千歌「………」ゴゴゴゴゴゴ…

    「ダ…ダメだよ……千歌ちゃん……」

    絵里「ふふっ…無抵抗な相手を殴るのは、私の趣味じゃないからね……」

    絵里「やる気になってくれたみたいで、嬉しいわ…!!」ダッ!!!


    スカッ!


    千歌「…」

    絵里「まだよ…!」ブンッ!!!


    スカッ!


    千歌「…」

    絵里「…!?」

    花陽「避けた…!!」

    241 = 224 :

    千歌「………」

    絵里「あなた……」

    「まさか…千歌先輩……攻撃しないで、全部避ける気じゃ……」

    花陽「え…絵里先輩相手に…!?そ…そんなの……」

    「できる…」

    花陽「…!?」

    「千歌ちゃんは、カウンターの名手だから……相手の攻撃を見切るのは誰よりも上手い……」

    絵里「ふんっ…ナメた事してくれるわね……」

    千歌「わ…私は攻撃する理由がないので……」

    絵里「あら?さっき、私、あなたの友達の鼻を折ったのよ?それでも怒らないの?」

    千歌「その曜ちゃんが、ダメだって言ってますから……」

    「…!」

    242 = 224 :

    「ち…千歌ちゃん……」

    (すごい……昔は、すぐに手が出てたのに……)

    (本当にすごいよ……ちゃんと変われたんだね……千歌ちゃん……)

    千歌「お…お願いです……話を…聞いてください……」

    絵里「声……震えてるわよ…?本当は私を殴りたいんじゃなくて?」

    千歌「そんな事…ないです……それより、話を…」

    千歌「誤解…なんです……」

    絵里「再三やっておいて、今更なに!? 往生際が悪いわよ!!」

    千歌「お願いです……話を……」


    絵里「黙りなさい…!!」ヒュッ!!

    千歌「くっ…」スカッ…!

    絵里「ふんっ…!」ブンッ!!!

    千歌 スカッ…!

    絵里「ちっ…」

    243 = 224 :

    「す…すごい……本当に全部避けてる…」

    「当然だよ……千歌ちゃんは、浦の星の時は一度も攻撃を食らった事が無かったんだから……」

    「い…一度も…!?」

    「うん……何人が相手でも……大人が相手でも……絶対に攻撃を食らわなかった……」

    「だからこそ、喧嘩のカリスマと呼ばれた……誰一人、千歌ちゃんに触る事もできない……」

    「す…すごいにゃ……だったら絵里先輩も…」

    花陽「どうだろう……」

    「え…?」

    花陽「絵里先輩は強いよ……」

    「……花陽ちゃん………」

    244 = 224 :

    絵里「このっ…!」ゴオッ!!

    千歌「うっ…」スカッ…!

    千歌(は…早い……それでいて強い……)

    千歌(顔の横を通る風切り音が教えてくれる……)

    千歌(この人は強い……!)

    絵里「ふんっ…!」バッ!!

    千歌「くっ…」カスッ…!


    「絵里先輩の攻撃が……!」

    「かすった…!」

    245 = 224 :

    千歌(まずい……このままじゃ……)

    絵里「ちっ…ちょこまかと……!」

    千歌(一度、捕まえるかなんかして、動きを止めないと……!)

    絵里「はっ!」ヒュッ!!!

    千歌(ここだ…!)

    千歌(まず、避けて…) スカッ…!

    千歌(捕まえる…!!) バッ!!!

    絵里「…!」

    スカッ…!!

    千歌(な…!の…仰け反って……

    絵里 ゴオッ!!!

    千歌「え…


    ガツンッ!!!


    千歌「ぶっ…!?」

    246 = 224 :

    千歌(なっ……ど…どこから攻撃が……)

    絵里「………」


    「…あ…あそこから蹴りを…!?」

    「あんなに仰け反ってるのに、回転して片足で、威力ある蹴りを撃てるなんて……」

    花陽「あれです……」

    「え…?」

    花陽「あれが、絵里先輩の強さなんです……バレエで鍛えられたバランス感覚で、どんな体勢からでも攻撃してくる……」

    「バ…バレエ…!?」

    花陽「うん……絵里先輩は子供の頃からバレエをやっていたらしくて……当然、バランス感覚も抜群で……」

    「バランス感覚……」

    「うん……つまり、体幹が強いって事だね……」

    (なるほど……だから、あれだけ重いパンチが打てたのか……)

    247 = 224 :

    千歌(くっ…私が攻撃を…

    絵里 ザッ…!!

    千歌「…!!」


    メキィッ!!!


    千歌「あっ…あがっ…!」

    絵里「………」


    「か…顔に蹴り……」

    「ひどいにゃ……」

    花陽「でも、あれも絵里先輩の強さのひとつ……」

    花陽「さっき、曜先輩の顔を蹴り上げたように、相手を壊す事に一切の躊躇がない……」

    花陽「故に、氷の女王……いままで絵里先輩と戦って無事で済んだ人はいません……」

    「そ…そんな……」

    248 = 224 :

    千歌「………」ポタポタ…

    「…!」

    「ま…まずい…!!」

    「千歌ちゃんが…!!!」

    「え…?」


    千歌「………」ゴゴゴゴゴゴ…

    絵里「?」

    「ち…千歌先輩の雰囲気が……」

    「や…やばい……あれは……」

    千歌「ふっー…ふっー……」ゴゴゴゴゴゴ…

    絵里「鼻息なんか荒くして、どうしたの?蹴られてキレた?」

    「絵里先輩…!!逃げて…!!」

    絵里「え…?」

    千歌「こっの……」

    千歌「金髪アホ野郎があああああああああっっっっ!!!!」ザッ!!!

    絵里「な…!」

    絵里(き…金髪アホ野郎…!?)

    249 = 224 :

    千歌 ヒュンッ…!!

    絵里「…!」


    バキィッ!!!!


    絵里「…!? ぶっ…ぶはっ…!!」

    「お…折れてる鼻を……!」

    「やばい……」

    千歌「まだまだぁ!!」ガシッ!!

    絵里「あぐっ…」

    絵里(あ…頭を……)

    千歌「ふんっ…!!!」メキョッ!!!

    「へ…ヘッドバット……」

    絵里「あぐぁ…」ブシュッ…!

    花陽「血が……」

    千歌「もいっちょ!!!」グイッ!!

    「あ…!まさか……」


    グチャ…


    絵里「あ…あぁ……」ボタボタ…

    「ひ…膝……」

    「これ……曜先輩が言ってた……」

    「う…うん……顔を掴んでから、ヘッドバット、膝蹴りの二連撃……」

    花陽「ひっ…ひどい……」

    250 = 224 :

    千歌「ふふっ…!」グイッ…

    絵里「あ…あぁ……」

    千歌「あははっ!!!」バッ…!!

    花陽「嘘…!まだやる気なの…!?」

    絵里「くっ…」

    千歌「オラァッ!!」ブンッ!!!

    絵里「くあっ…!」スカッ…!!

    絵里「ぐっ…」ヨロヨロ…

    「避けた……」

    花陽「でも、もうフラフラ……」


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