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元スレ提督「墓場島鎮守府?」
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* その日の夕方、厨房 *
長門「暁、もう比叡は……」
暁「……」
電「暁ちゃん……」
暁「ごめんなさい、長門さん、電」
暁「もう少しだけ、頑張らせて」ニコ
長門「暁……!」
提督「よう、邪魔すんぞ」
電「司令官さん……えええ!? ど、どうしたのです!?」
比叡「……」カカエラレ
長門「提督!? 比叡をなぜここに連れてきた!?」
提督「暁がおかゆ作ってるとこを見せたくてな。暁、そういうわけだ、気合い入れて作れよ」
暁「……わ、わかったわ!!」
提督「ほれ比叡、座ってろ」
比叡「……」ストン
長門「提督! どうしてこんな状態の比叡を厨房なんかに連れてくるんだ……!」ヒソヒソ
提督「いいから比叡に暁の姿を見せてやれ」
長門「は……?」
提督「見せてやれっつったんだ。じゃ、あとは任せる」
長門「お、おい!? どこへ行く提督!? な、何を考えているんだあの男は!!」
暁「……」ジャーッ
比叡「……」
電「比叡さん……暁ちゃんをじっと見てるのです」
長門「なに!?」
暁「……」コトコトコト
比叡「……」
長門「比叡が、暁の所作を目で追っている……?」
暁「……」パッパッ
比叡「……」
比叡(……つくってる)
比叡(……あのときの、わたしも……)
暁「塩加減は……」ペロ
比叡「……」
比叡(……あのひとは、おいしいといってくれなかった)
比叡(……なんでだろう)
比叡「……」ツゥー…
電「! 比叡さんが……!」
長門「涙を……!?」
暁「……よし、っと。比叡さん、できたわ! え? な、なに!? どこか痛むの!?」
比叡(……このこは、わたしが、ごはんをたべないことをしんぱいしてくれてる)
比叡(……わたしが、たべないと、わたしとおなじで、きっとかなしむ)
比叡(……それは……きっと、よくない)
比叡「……」フルフル
暁「そ、そう? 痛かったら我慢しちゃだめなんだからね!?」
長門「比叡が……反応を返した……!」
暁「ふー、ふー……比叡さん、はい、あーんして……」
比叡「……」
比叡(……わかる)
比叡(……この子は、ずっとわたしに、ごはんをつくってた)
比叡(……あの悲しみを……この子にも味わわせるのは……ぜったいに、よくない……!)
比叡「あ……」
比叡「……」パク
暁「!」
電「や……」
長門「やった……!」
比叡「……」モグ モグ コクン
暁「……だ、大丈夫!? 熱くなかった!?」
比叡(……ああ)
比叡「……い」
暁「え?」
比叡「……おい、し……い……」ポロポロポロ
暁「……そ、そう! 良かったわ! た、たくさんあるんだから、ちゃんと食べてね!」ウルッ
比叡「……!」コクコク
電「やったのです……暁ちゃん、やってやったのです!!」ダキツキッ
長門「ああ……暁、よくやったぞ……!」グスッ
* 一週間後 *
長門「た、大変だ!!」ドタドタドタ
提督「なんだ、うるせえな」
長門「ひ、ひ、比叡が料理を作ると言い出したんだ!!」
提督「それが大変なのか?」
長門「大変だとも! 私が前の鎮守府にいた時の比叡の料理は、まるで化学兵器だったんだぞ!?」
提督「ふーん」
長門「ふーん、って、おい!? この鎮守府の死活問題だぞ!? 提督!!」
提督「ん、昼だな。飯だ飯、食堂に行くぞ」
長門「提督!?」
* 食堂 *
朧「で、呼ばれてきたんだけど……」
吹雪「とってもいい匂いがします!」
明石「長門さんは防毒マスクが欲しいって言ってきてたけど……」
由良「全然そんな感じの空気じゃないわね、ね」
大淀「むしろ、なんだかわくわくしますね」
初春「提督は長門に教えてなかったのかのう?」
不知火「どうやらそのようですね」
如月「なあに? 何の話?」
神通「また提督の意地悪でもあったんですか?」
不知火「ええ、実は……」
電「お料理ができたのです!」
暁「みんなに配るわよ!」
霞「えっ、ちょっと……すごいんじゃない!?」
朝潮「おいしそうです!」
潮「こ、これを、あの比叡さんが……!?」
長門「……提督、これは一体……」
提督「あの比叡はな、料理が上手なんだ。で、ああなってた原因が『提督に自分の料理をおいしいと言ってもらえなかったから』らしい」
長門「……」
提督「で、暁が作ってるところを見せれば、少し刺激になるんじゃねえか、ってな。ぶっちゃけ博奕だったが、ここまで回復できたみたいでなによりだ」
長門「……提督は本当に人が悪い……」ガックリ
提督「ククク、今頃気付くなよ。ほれ、もたもたしてると食いっぱぐれるぞ」
*
比叡「……あ、あの、いかがでしょうか、お味の方は」
提督「おう、うまかったぞ。毎日頼みたいくらいだ」ニヤ
比叡「ほ、本当ですか!?」パァァ
提督「とはいえ、残念だが厨房も回り番だ。お前だけに任せるわけにはいかねえ。だから……」
提督「暁! お前、比叡に料理を教えてもらえ」
暁「! ま、まかせなさい! レディーなんだもの、頑張るわ!」フンス
電「あ、暁ちゃんばっかりずるいのです!」
朝潮「司令官! 僭越ながら朝潮もご教授賜りたいと思います!」ビシッ
提督「というわけでな、比叡。今後、厨房はお前に任せる。時間があれば他の連中に料理を教えてやってくれ。頼むぞ?」
比叡「は、はいっ!!」ビシッ
*
長門「今回は、暁が頑張ってくれたおかげだ。暁のおかげで比叡も幸せそうだし、私たちもおいしいご飯が食べられる……幸せなことだ」
提督「ん」
長門「なあ、提督? 暁はなぜこの鎮守府に来たんだ?」
提督「……」
長門「この鎮守府では建造したことがなく、私たちのように流れ着いたり、大淀のように左遷されたりした艦娘しかいないんだろう?」
長門「教えてくれ。あの暁は、いったい何をしたんだ? 何をされたんだ?」
提督「……」
長門「……」
提督「お前らと同じで、どっかの鎮守府から逃げてきた、って聞いてる。本人はそのことを覚えちゃあいないから、真相はわからんがな」
長門「……!」
提督「初春に聞いてこい。たまたまだが、あいつも暁に助けられた口だ」
* 一方 *
W(以下W提督)「ったく、あいつめ……自分で手前の腹を撃つとか、何を考えてんだ」
トントン
扶桑「提督、榛名さんが見えました」
W提督「ん。入れ」
榛名「失礼します……」チャッ
W提督「ああ、楽にしてくれ。金剛型の3番艦、榛名、だな。先日は大変失礼した」
榛名「いえ……」
伊勢「提督、彼女がV提督鎮守府の?」
W提督「ああ。奴からある程度の経緯は聞いてるし、こういうものを預かってきた。これは君のだろう」 っ「解体願」
榛名「それは……」
W提督「我が艦隊にはまだ高速戦艦がいない。君が良ければ、しばらくうちで働いてほしいんだが、頼めないかと思ってね」
W提督「それが嫌なら、君の希望通りにしよう。どうだろうか」
榛名「……少し、お時間をいただけますか」
W提督「わかった。君の答えが出るまで、待つとしよう。それまでの間、形式上はうちに転籍した扱いにさせてもらう」
榛名「はい……失礼します」ペコリ
W提督「扶桑、榛名を部屋に案内してやってくれ」
扶桑「畏まりました」
伊勢「……いいの? 提督ってば航空戦艦好きを公言してたじゃない」
W提督「身も蓋もないが、だからこそ俺は高速戦艦の実力を知らん。彼女がどんな戦い方をするのか見たいというのは個人的な希望だ」
W提督「それに……あそこまで不幸な身の上だ。俺があの時声を荒げたのもあるし、無碍に扱うことはできなくてな……」
伊勢「やれやれ、甘いね提督ったら」
W提督「ともかく、お前が来てから航空火力艦に頼りっきりだったからな。高速戦艦の運用も考えないと……」
W提督「伊勢、榛名に随伴させる重巡と軽巡のリストを作ってくれ。彼女を旗艦とした艦隊の演習メニューも検討しよう」
伊勢「了解です!」
>>214
さんくす。助かった
さんくす。助かった
* 鎮守府 長門の私室 *
長門「初春よ、まずは礼を言う。比叡が流れ着いてきた理由を調べてくれたそうだな」
初春「うむ、あやつに頼まれての。少々時間がかかったが、無事解決できたようでなによりじゃ」
長門「ああ……比叡も酷い目に遭ったものだ。その比叡を看病した暁が何故この島へ来たのか、それを知りたくてな」
初春「なるほどのう。あの男はわらわに丸投げと来たか……」
長門「暁は記憶を失っていると聞いた。一体なにがあったんだ?」
初春「うむ。おそらくは暁がおった鎮守府に原因があると踏んで、不知火と共に話を聞きに行ったんじゃが……そこは既に廃墟になっておった」
長門「廃墟!?」
* 一年前 I提督鎮守府 建造ドック *
暁「暁よ! あなたが提督ね! 一人前のレディーとして扱ってよね!」ビシッ
暁(決まったわ!)フフン
女性提督(以下I提督)「あら、素敵なレディーね? 私はこの鎮守府の司令官、I提督よ。よろしくね」
暁(!!)
I提督「? あら、どうしたの?」
暁(こ、この人が私の司令官!? 足の運び方といい、指先の仕草といい、とっても優雅で素敵!)
暁(この人……レディーだわ! それも一人前どころじゃない、模範的なレディー!)ピキーン!
暁「……う、ううん、なんでもないわ!」
I提督「それじゃ翔鶴、響を呼んでもらえる? 彼女に部屋に案内してあげて」
翔鶴「承知いたしました」ペコリ
暁(あの翔鶴さんが秘書艦かあ……品の良い振る舞い、司令官にはお似合いの秘書艦だわ……!)
暁(暁も、あんなふうになれたら……)
響「暁」
暁「きゃっ!? ひ、響!?」
響「響だよ。不死鳥の通り名もある響だよ」
暁「し、知ってるわよ! 私の妹だもの! それより良かった、この鎮守府に響がいて!」
響「そうだね。第六駆逐隊はまだ私しかいないからね。私も暁に会えて嬉しいよ」ニコ
暁「もう、他人行儀ね! 暁はお姉さんなんだから、なんでもまかせておいて!」
* * *
暁「ひ、へぇ、もう、らめぇ……」ゼェゼェ
響「任せてと言ったのは暁じゃないか」
暁「い、いきなりこんなハードな訓練が待ってるなんて聞いてないわ!」プンスカ
響「そのくらい声を出せるならまだ大丈夫だね。さ、続きだよ」ニコ
暁「ま、待ってぇぇぇ!?」
* 1週間後 *
暁「」ボロッ
I提督「あら、暁。満身創痍ね?」
暁「ま、まだまだ、暁はやれるんだから……!」
I提督「ねえ翔鶴、暁の練習相手って……」
翔鶴「響ちゃんですね。おそらく妹だからいいところを見せたいんじゃないでしょうか」
I提督「うーん……あの子、二次改装待ちなのよね。練度も相当上だし、暁が相手をするのは大変じゃない?」
翔鶴「はい、だと思います」
I提督「……そうね。それじゃ、執務室にいらっしゃい。休憩しなさいな」
暁「えっ!? ……その、訓練は」
I提督「命令よ。響にも連絡するわ。それならいいでしょう?」
暁「は、はいっ!」
* I提督鎮守府 執務室 *
I提督「紅茶でいいかしら?」
暁「は、はい!」オロオロ
I提督「どう? ここには慣れた?」
暁「え、えっと……響にも、みんなにもよくしてもらってるわ! け、けど……」
I提督「けど?」
暁「……」
I提督「いいのよ暁。そうやって溜め込んでも良いことはないわ。つらいときはつらいと言いなさい」
暁「……!」
* *
I提督「そう。やっぱり今の訓練は今の暁には過酷すぎるかしら」
暁「で、でも、暁は響のお姉さんなのよ! 妹に弱いところは見せられないわ」
暁「なにより響が頑張ってるんだもの、暁も一緒に頑張ってみせたいし……」
I提督「レディーとしての自覚もあるし?」
暁「そ、そう! でも……最近、ちょっと自信もなくなっちゃってきたけど……」ションボリ
I提督「そう……それじゃ、レディーの練習もしてみましょうか?」
暁「え?」
* *
I提督「胸を張って、顎を引いて」
暁「こ、こう?」
I提督「そう。それで肩の力を抜いて。それでいいわ。そうやって、まっすぐ前を見て」
暁「……これじゃ、司令官のお顔が良く見えないわ」
I提督「たとえその体が小さくても、素敵なレディーなら、殿方の方から跪いて顔を覗き込まれるものよ?」
暁「そ、そういうものなの?」
I提督「そうよ、だから堂々としてなさい? ほら、上を向いたら頭の上に積んだ本が落ちちゃうわ」
暁「!」ビシッ
I提督「ふふ、いい子ね、上出来よ」
* * *
* *
*
* 現在 墓場島鎮守府 長門の部屋 *
初春「まあ、暁が着任した当初は良い鎮守府じゃったと聞いておる。本営を聞いて回った時の評価はおおむね好評じゃった」
長門「……」
初春「それがあるとき、I提督の鎮守府は深海棲艦の猛攻撃を受け、壊滅寸前に追い込まれた。事の不幸は、その鎮守府の立地じゃな」
初春「三方を海に囲まれた岬の鎮守府。いかに航空戦力に優れていても、東西から分かれて本拠地を叩かれてはひとたまりもない」
初春「そして北の陸路の補給線も深海の艦載機によって分断されたとあっては、ジリ貧じゃな」
長門「……応援は」
初春「なかった」
長門「何故だ」
初春「僻みじゃ。なまじ可憐な女性提督、戦果も人気も周囲の鎮守府より上で、しかもたたき上げとなれば、妬み嫉みの格好の的じゃろうて」
初春「友人もおったはずじゃが、そこにも妨害があったというしの……世渡りが下手じゃったのは否めぬな」
長門「……それが、それが軍人のやることか」
初春「聞き間違いなら相済まぬが……お主もそういう軍人から逃げてきたのではないのかのう?」
長門「……っ」
初春「出る杭は打たれる、憎まれっ子世にはばかる。よくもまあこんな言葉が世にあるものじゃ……」
暁がちゃんとレディしてると思ったら……
これは記憶飛ばし不可避ですな……
やるせねぇなぁ……
これは記憶飛ばし不可避ですな……
やるせねぇなぁ……
見直してみたら一番大変な目に遭ってるのが翔鶴さんだった……。
ちょっと(?)えぐい表現が出ますので閲覧注意です。
そして暁がレディになってはいけない風潮なんて私は知らない。
続きです。
ちょっと(?)えぐい表現が出ますので閲覧注意です。
そして暁がレディになってはいけない風潮なんて私は知らない。
続きです。
* 2週間前 I提督鎮守府 連絡通路 *
暁「川内さん! 夜戦禁止令ってどういうこと!?」
川内「資源がないの。弾薬も燃料も底をつきそうだってのに、補給線が切られちゃっててどうしようもないんだって」
響「それで資源の消費を抑えるための、苦渋の決断ってことらしいよ」
川内「補給線を復旧させようにも、あっちは陸路だから私たちじゃ足手まといだしね……」
響「遠征部隊も狙い撃ちされてる。バケツはあるけど、資材がないと修理できない……」
暁「……司令官は?」
川内「……」
響「……」
暁「ど、どうしたの?」
* I提督鎮守府 執務室 *
I提督「……翔鶴、私はどうしたら……」ゲソッ
翔鶴(中破)「提督、どうかお気を確かに持って」
I提督「……翔鶴……ごめんね」ギュ
暁「司令官、あんなにやつれて……」
川内「対空は翔鶴さんの艦載機が最大戦力だったんだけど、それ以外に対空装備が整った娘がいなかったのが痛恨でね」
響「翔鶴さんが艦載機を飛ばせないとなると、万事休す……そういうわけにはいきたくないんだけど」
ドォン
暁「きゃっ!?」
川内「このままじゃ、ここに攻め入られるのも時間の問題だね……なんとかしなきゃ」
暁(だけど……どうしたらいいの?)
* 戦況は、膠着状態のまま *
「他の鎮守府からの応援は1週間後だって!?」
「遅すぎる! そこじゃない鎮守府への連絡は取れないの!? 本営は!?」
「物資がつきそうです! あと3回も出撃できるかわかりません!」
* 数日後、朝 *
暁「し、司令官……?」
I提督「……」ギョロリ
暁「あ、あの、翔鶴さん、い、いったい何が……」
I提督「……」ギュウ
翔鶴「つっ……て、提督、大丈夫です。私はどこにも行きませんから」
暁「……」
翔鶴「暁ちゃんごめんなさい、提督は私に頼りっきりになってしまったみたいで……」
提督「だれ……? ……翔鶴を……とらないで」ジロッ
暁「……!」ビクッ
翔鶴「だ、大丈夫です提督、暁ちゃんはそんなことしませんよ? ね?」
I提督「……あかつき……」
暁「……!」コクコク
I提督「……うふ、ふふふ」ニタァ
暁「!」ゾワァッ
* その日の深夜 J鎮守府内廊下 *
暁(こんな時間に目がさめちゃった……)
暁(司令官、大丈夫なのかしら……)
……
暁(? 何の音?)
チャプ
暁(ドックに誰かいるの?)
「…………」
「…………」
暁(この声、司令官?)
暁(翔鶴さんも一緒にいるみたい……?)チラッ
「翔鶴……」
「て、提督……」
暁(……!?)
暁(し、司令官と翔鶴さんが、入渠用のプールの中で裸で抱き合ってる!?)カァァ
暁(ま、待って、何かの間違いじゃ……)チラッ
* その日の深夜 I鎮守府内廊下 *
暁(こんな時間に目がさめちゃった……)
暁(司令官、大丈夫なのかしら……)
……
暁(? 何の音?)
チャプ
暁(ドックに誰かいるの?)
「…………」
「…………」
暁(この声、司令官?)
暁(翔鶴さんも一緒にいるみたい……?)チラッ
「翔鶴……」
「て、提督……」
暁(……!?)
暁(し、司令官と翔鶴さんが、入渠用のプールの中で裸で抱き合ってる!?)カァァ
暁(ま、待って、何かの間違いじゃ……)チラッ
「翔鶴……どうして、出撃したの……?」
「そ、それは……」
「こんなに傷だらけになって……」
暁(そ、そっか、翔鶴さん、無理を押して出撃してたのよね……)
「提督……やめて、ください……!」
「それでも、こんなに綺麗だなんて、ずるいわ」
暁(あ、あれ、修理よね? 修理……に、見えない……ど、どうしよう……どうしよう!)オロオロドキドキ
「提督、どうか……おやめください……本当に」
「駄目よ、もっと見せて……!」
「え……提督、その工具は」
「翔鶴……あなたの、すみずみまで……!」
「提督、なにを……っ!」
「あなたは、誰にも渡さない……!!」
ドシュッ
「てい、と……く……!?」
「……ふ、ふふ」
暁「え……!?」ビクッ
ガタン
I提督「……だあれ?」ギョロリ
暁「ひっ!?」
翔鶴「あ、暁、ちゃん……!?」
I提督「あかつき……あかつき……!」ニタァ
I提督「ふふふ……みて、あかつきぃ」
ズグッ グジュジュジュッ
翔鶴「あ、がああああっ!?」
暁「翔鶴さんっ!!」
ズリュッ
I提督「ほら、みて……しょうかくの、『なかみ』」
I提督「とっても、きれい……!」スリスリ
暁「っ!!!」ゾッ
翔鶴「てい、とく……たすけ……」
I提督「うふ、うふふふ……しょう、かく……しょうかくぅ……!」
ズグッ
翔鶴「ーーーーーっ……!!」
暁「……っ! ……っ!!」
翔鶴「あ、かつ、き……逃げ……」
暁「っ、……っ!!!」
暁(声が、出ない……いや、いやあ……こんなの、嫌ぁ!)
ダッ
I提督「あか、つき、ちゃあん……どこへ、いくのぉ……? ねぇ……!」
I提督「……」
I提督「どう、したの、かしら……ね? しょう、かく……うふ、うふふふ……」
翔鶴「……」
I提督「しょうかく? いっしょに、いく、のよ……ねえ、しょおかくぅ……?」
ズジュッ
ズシャッ ブチ
ブチブチブチッ
* 廊下 *
暁(なんで……なんで、司令官が翔鶴さんを……!)グスッ
ドォォン
暁「きゃあっ!?」
深海棲艦「……」
暁「こ、こんなところにまで深海棲艦が……!?」
深海棲艦「……」ニタァ ジャキ
暁(砲撃!?)バッ
ズドォン
暁「っ!」ゴロゴロッ
深海棲艦「……」
暁「……」ジャキ
深海棲艦「……」ケタケタ
暁「なんで……なんで、こんなことをして、笑っていられるのよ……」
深海棲艦「……」
暁「……暁は、怒ってるんだから」グスッ
深海棲艦「……」ケタケタ
暁「笑わないで! 暁は、怒ってるんだからあぁぁあ!!」
ドォン
暁「返してよ! 司令官を返してよ!」
ドォォン
暁「あなたたちが来てから、司令官は……司令官はぁぁ!!」
ズドォォン
深海棲艦「」プスプス…
暁「……はーっ、はーっ」
暁「ううっ……えぐっ、ぐすっ」ペタン
暁「う、うあああぁぁぁん」ポロポロポロ
ピチョン
暁「!」ビクッ
ペタッ ペタッ
暁「……」フリムキ
全裸でずぶ濡れのI提督「……見つ、け、たぁ」
暁「!!!」ゾワッ
I提督「どう、したの……? あな、たが、にげる、だ、なんてぇ……?」
暁「あっ、あああ……」ガタガタガタ
暁「し、しっ、しれ、かんっ……! そ、そ、『それ』っ、『それ』は……ぁ……っ」プルプル
I提督「うふ、うふふふ……ほらぁ、あか、つき、ちゃんも、おい、でぇ……」ズイ
暁「……」
暁「……う……ひぁ」フルフル
暁「あああああああああああああああ!!!!」ダッ
I提督「……」
I提督「わたしぃ……きら、われ、ちゃった……ね? 『しょうかく』ぅ」
I提督「……ふ、ふふふふふふ」ケタケタ
誰も突っ込んでないけど神速じゃなくて拙速だよな
神速は人間わざではない速度だろ
神速は人間わざではない速度だろ
この場合は神速でいいはず。
兵は神速を貴ぶと、兵は拙速を尊ぶって慣用句があるっぽい。
作者はちゃんと神速を貴ぶって使ってるし前後の文脈からして理解して書いてると思う。
兵は神速を貴ぶと、兵は拙速を尊ぶって慣用句があるっぽい。
作者はちゃんと神速を貴ぶって使ってるし前後の文脈からして理解して書いてると思う。
神速は魏書、拙速は孫子が元ネタのようで。
あのシーンでは、作戦の巧拙を考えず、とにかく急いでいることを強調したいので『神速』を用いてます。
でも、作戦の内容的には『拙速』の方が適切かもしれませんね。
では続きです。
あのシーンでは、作戦の巧拙を考えず、とにかく急いでいることを強調したいので『神速』を用いてます。
でも、作戦の内容的には『拙速』の方が適切かもしれませんね。
では続きです。
* * *
川内「鎮守府の真正面まで迫って来てるって!?」タタタッ
響「うん、迎撃か鎮守府の放棄か、決めないといけないよ」タタタッ
川内「提督は?」
響「それが、連絡が取れないんだ」
川内「どうして……って、なにこれ! 廊下が濡れてる!」
響「人の……裸足の足跡が残ってる。まさか、深海棲艦!?」
川内「この先は執務室……提督が危ない!?」
* 執務室 *
川内「提督!」ガチャバーン!
川内たちに背を向けて窓の外を見る裸のI提督「……」
響「司令か……司令官!? 服はどうしたの!?」
I提督「……」
川内「提督! 深海棲艦が迫って来ています! 迎撃か、鎮守府の放棄か……」
ズドォォン
響「! 鎮守府がまた攻撃を受けてる……!」
川内「提督! ご決断を!」
I提督「……だいじょうぶ」
川内「!?」
I提督「だいじょうぶ……しょうかくと、いっしょですもの……ふふ、うふふふ」クルリ
響「……し、司令官?」
川内「そ、その腕に抱えているのは……」
「司令官! 司令官大変です!」
川内「!」
艦娘「せ、川内さん!? 大変なんです! ドックに、翔鶴さんの、首のない死体……が……!」
川内「……」
響「司令官……それは、まさか」ヨロッ
I提督「ね、しょうかく……わたしたち、ずっと、いっしょよ……うふふふ」
チュ
艦娘「……っ! ……っっ!」ヘタッ
響「……なんて、こと」クラッ
川内「……伝令! 現時刻を持って本鎮守府を放棄し撤退する! 総員、退避して!」
響「! 川内さん、それじゃ司令官は……!」
川内「私たちが呼びかけて素直に来てくれると思う!?」
響「……っ」
川内「夜間なら艦載機も飛ばせない! 陸路を使って逃げるよ!」
川内「あなたも急いで連絡! 腰抜かしてる場合じゃないわ!」
艦娘「はっ、はいぃ!」ダダッ
ドカァン
川内「敵陣での爆発!? 誰!? 深海棲艦へ攻撃を仕掛けてるのは!」
I提督「……ああ、あかつきちゃん……あかつきちゃんだぁ……うふ、うふふふ」
川内「ええ!? な、なにやってんの、あの子は!」
響「っ!」ダッ
川内「響っ! 待って!」
I提督「……みて、しょうかくぅ……ひかりが、とっても、きれい……うふ、うふふふ……」
I提督「……うふふふふふ……!」
* * *
* *
*
* ??? *
暁(中破)「……!」
暁「……ここは……どこ?」
??「……暁……」
暁「? 誰?」
I提督「暁」
暁「司令官!! 無事だったの!?」
I提督「暁!」ニコッ
暁「良かった……! しれーかーーん!」ダッ
I提督「うふふ……」
I提督「あかつきちゃぁん……!」ギョロリ
暁「!!!」
* とある洋上 *
暁「!」ビクッ
ザザーン
暁「……夢……?」プカプカ
暁「……」
暁「……ここ、どこかしら」ムク
暁「痛っ……!」
暁「……」
暁「暁は、どうして怪我をしてるの……?」
暁「……」キョロキョロ
暁「それに、さっきの夢、なんだったのかしら……」
ザザーン
暁「……」
暁「どうしよう……ここ、どこだかわからないわ」
暁「……!」
暁「あれは……砲撃音?」
* *
暁「……たしかこっちね。誰かいるのかしら……」
暁「……」
(海面下に沈んでいく艦娘の姿)
暁「!」
(ゆらゆらと揺れる淡い色の長い髪の毛)
暁(……しょうかく、さん……?)
ズキッ
暁「!? く……な、なに?」
(ゆっくりと海底に沈んでいく艦娘の姿)
暁「! ……だ、だめ……」
暁「だめ……! 沈んじゃ、だめよ……っ!!」
暁「ど、どうしたら……どうしたら!」
暁「あ……!」
* *
ギリギリギリ… ザバーッ
(暁の背中の艤装に連結した錨にひっかけられて引き上げられる初春)
暁「良かった、なんとかなったわ……大丈夫?」
初春「う、うう……ここは……」
暁「ここ? ごめんなさい、暁も迷子なの。電探があればいいんだけど……」
初春「……おぬしが、わらわを、助けてくれたのじゃな……」
暁「ええ、そうよ。砲撃の音がしたから来てみたら、あなたが沈んでくところが見えて……」
初春「そう、じゃったのか……すまぬ、礼を言う」
暁「いいのよ、暁は暁にできることをしただけよ」ニコ
初春「……!」
暁「それより、どこか休める場所を探さないと……」
初春「のう、暁よ。何故、おぬしのような者が、こんなところで一人でいるのじゃ?」
暁「え? それは……」
ズキッ
暁「……どうして、暁が、ここに……?」
初春「なに?」
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