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元スレ提督「墓場島鎮守府?」
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* 幕間 *
L大尉「あ、そうだ。帰る前に古鷹に会っていくよ」
提督「まだ何か用があんのか」
L大尉「ああ、耳かきをしてもらいたくてね!」
香取「!?」
提督「どうせなら教えてもらえよ。俺はやり方を教えてもらったぞ」
大淀「!?」
香取「……」
大淀「香取さん、せっかくですから、あなたが古鷹さんから耳かきのやり方を教えてもらったほうが良いのでは?」
香取「え、ええ、そのほうが良さそうですね」
大淀「もし、そうするのなら……覚悟してくださいね」
香取「!?」
提督「おい大淀、帰り際の香取のやつ、足下が覚束なかったが、なんかあったのか?」
大淀「いえ、なにも?」ニコー
提督「?」
* 昼過ぎ 墓場島埠頭 *
部下1「中佐、到着しました! どうぞこちらへ!」
中佐「ふん、ここが××島か。景色だけは悪くない」ザッ
部下2「中佐殿がこのような島を管理なさっておられるとは、存じませんでした」
部下3「辺鄙な場所でなければ、リゾート地に使えそうですな!」
中佐「そうでもないぞ。この島はいわくつきだ」
部下1「なんですって!?」
中佐「世界には、不思議と深海棲艦が近寄らない海域がある。この海域もそのひとつだ」
中佐「昔のお偉方は、この島に鎮守府を建てて、泊地としてここを足掛かりに深海棲艦と事を構えるつもりだったが……」
中佐「島の北の海底火山のせいで海流が強く、多くの船が行き来するには不便極まりなかったのだ」
中佐「船舶事故も増えて物資補給が滞り、ここに着任した奴らが焦れて本営に見捨てられたなどと言い出した」
中佐「その話に尾鰭背鰭がついて、いつの間にやらこの島は流刑地扱いされるようになっていたのだよ」
部下2「そ、そのような島を、中佐殿はわざわざ自分のものになさったのですか……!」
中佐「ああ。それでここに准尉を住まわせたおかげで、大和が手に入るんだぞ?」
部下3「ははっ! さすが中佐殿、先見の明ということですね!」
中佐「お前たちは運がいい。建造されて間もないこの俺の大和を見ることができるのだからな!」
部下たち「ははっ!!」
中佐「……それにしてもだ」
中佐「あの役立たずめ、上官が顔を見せたと言うのに出迎えもないとは、どういうつもりだ!」
部下1「まったくだ……中佐、私めが大和を連れてきます!」
中佐「待て。呼ぶなら提督を呼べ。奴に大和を連れてこさせろ!」
部下1「はっ!!」ダッ
* 倉庫 *
提督「……」カリカリ
長門「提督、この荷物は?」
提督「ん、こりゃ明石の荷物だな。あとで持っていくから、シャッターの隣に取り置きしておいてくれ」
古鷹「提督、こちらの箱の数量確認終わりました!」
提督「おう。やっぱり数が足りねえな、あとで中将に報告しとくか」
部下1「……ここか!?」
提督「? 誰だあんた」
部下1「貴様が提督准尉か!?」
提督「それより誰だって聞いてるんだが」
部下1「海軍中佐がお見えだ! 早く出てこい!」
提督「今、手が離せないんだよ。せっつくくらいなら手伝え」
部下1「なに!?」
長門「ではこれを運んでもらおうか」ヒョイ
部下1「ぬおおお!?」ズシーッ
提督「よし、とっとと運ぶか。もたもたすんな、置いていくぞ」ヒョイ スタスタスタ
部下1「ま、ま、待てええええ!」
* 1時間後 埠頭 *
部下1「」ゼーゼー
提督「なんだ、来てたのか。何時に来るかくらいちゃんと連絡しろ」
中佐「ふざけるな! いったいどのくらい待たせたと思っている!」
提督「こんな島に来るくらいだ、暇なんだろう?」
中佐「いい加減にしろよ、提督准尉! 射殺されたいか!」
提督「……」
中佐「准尉、命令だ。大和を連れてこい」
提督「無理だ」
中佐「命令だと言ったはずだ!」
提督「……だったらついてこい。来ないなら勝手にしろ」クルリ スタスタ
中佐「……」ギリッ
部下2「なんなんだあいつは……!」
部下3「中佐に対し無礼にもほどがある!」
部下2「中佐殿のお手を煩わせるほどでもありません、自分が大和を連れてまいります!」
中佐「……いや、いい。案内させてやれ。大和を迎え終えたら、どうとでもできる」ギリッ
部下2「は、はっ!」ゾクッ
部下3「お、おい、行くぞ、大丈夫か」
部下1「ああ……ひ、酷い目にあった」
* 島の南東 海岸部 *
朝潮「はっ! 司令官、お疲れ様です!」ビシッ
提督「よ。朝潮、大和たちはまだ戻ってきてないか」
朝潮「はい! 予定ではあと10分程度で戻ってきます!」
提督「……」チラッ
部下2「……おい、大和はどこへやった!」
ドーン
部下2「!」
提督「海を見ろ。見ての通り海上演習中だ、10分程度だから、戻ってくるまで待ってろ」
部下3「貴様、人をさんざ待たせておいて、まだ待てだと!?」
中佐「……部下3、貴様に望遠鏡を預けていたな」
部下3「はっ! どうぞ!」サッ
中佐「……」スチャ
中佐「……おお」
中佐「おおお!」
部下1「中佐!」
部下2「中佐殿!」
中佐「あれが……あれが大和か……!」
部下1「ご確認できましたか!」
中佐「ああ、間違いない。大和だ! 戦艦大和だ!」
部下たち「「おめでとうございます!」」
提督(中佐のための艦娘じゃねえよ……なにがおめでたいんだか)イラッ
中佐「……」
部下2「中佐殿? いかがされました」
中佐「……美しい」
部下1「は?」
中佐「あの優美なる姿! 写真で見たよりも、はるかにいい女だ!」
中佐「あれが……俺のものになるのだな……! ふふ、ぐふふふ……!」ヌタァ
提督「……キモッ」ヒキッ
部下3「じ、准尉! 口を慎め!」
提督「悪いことは言わないから、あの顔やめさめてから大和に会わせろよ」
提督「あれじゃ第一印象最悪じゃねーか、女に会わせる顔じゃねえ」
部下3「そ、それもそうだな」ハッ
提督(思わず本音を言っちまったが……肯定すんのかよ)
部下3「ち、中佐殿、嬉しいのはわかりますが、お顔を緩ませたままでは舐められてしまいます……!」
部下2「そ、そうです! 最初が肝心です! 威厳ある態度で臨まねば、誰が大和の司令官か示しがつきません!」
中佐「ふははは、ああ、わかっている。わかっているとも。しかしだな、見れば見るほど大和はいい女だ……」
中佐「まさかこの齢にもなって、一人の女に心を奪われるとは思ってもみなかった……!」
部下1「もしや……一目惚れ、ですか」
中佐「そうかもしれんなあ……ふふふ、ぐふふふふ……!」デレッ
部下たち((笑顔が(気持ち悪っ!)))
提督(マジかよ……大和の奴、本当に大丈夫か?)
朝潮「あ、あの、司令官? あの方はいったい……」
提督「ああ、お前は初見か。俺の直属の上官の中佐だ」
朝潮「あ、あの方がですか……」ブルッ
提督「顔色が悪いな。気持ち悪いか」ヒソヒソ
朝潮「し、正直に言えば……」ヒソッ コクリ
中佐「おお、演習を終えたようだな。ふふふ、こちらへ来るか! くくく……いいぞ、そのまま俺の胸に飛び込んでこい!」
提督「言うことがいちいち気持ち悪い」ボソッ
部下3「て、提督准尉!? 貴様、何を言う!?」
提督「ん? 何か?」
部下3「……な、なにも言ってないのか?」
提督「なにも言ってないぞ?」
部下3「……」
提督(危ねえ、声に出てたか)
朝潮(司令官も朝潮と同じ感想を抱いてましたか……安心です)ホッ
中佐「よおし、さっそく連れて帰るぞ!」
提督「中佐、現時点でそれは無理だ」
中佐「貴様ごときに俺へ意見する権限があると思うか!」ギロリ
提督「中将からの指摘だが?」
中佐「……チッ、なんだ。手短に話せ」
提督「この鎮守府には轟沈を経験した艦娘が多数在籍している」
提督「仮に、その艦娘たちが万が一にでも深海棲艦になった場合、それを鎮圧する者が必要だ」
提督「そうなれば、この鎮守府で建造された大和こそが、その役目に相応しいと中将も判断している。おいそれと連れて行くわけには……」
中佐「ふん、それなら赤城と加賀をここに置けばいい! 後で連れてくる!」
提督「……」ハァ
中佐「あの大和が、こんな鎮守府に好きこのんで留まるわけがないだろう! どけ!」ダンッ
提督「つ……!」ヨロッ
大和「!」
朝潮「司令官!? 大丈夫ですか!?」
中佐「……ふ、ふふふ」スタスタスタ
* 沖合 *
ザァァァ…
大和(……人に嫌われる、というのは少々抵抗はありますが、これも提督と一緒に過ごすため……!)
大和(如月さんや神通さんと一緒にリハーサルもしてきました! 何とかして帰っていただかないと……)
大和(……)
大和(あれが、中佐……?)
ドクン
大和(……)
大和(……え……?)
大和(あの人は……)
ゾワッ
大和(あの男は……!!)
* 一方の海岸部 *
中佐「ついに、ついに大和が……俺の元に!」ズカズカズカ
中佐「はは、ははははは!! さあ、早く向かってこい! 俺の前に跪け!」
ゴゴゴゴゴゴ
大和「…………」
ガシャン
部下1「?」
提督「……?」
部下2「お、おい。いま、大和の主砲が……」
ジャコン
提督「大和……?」
中佐「待ちわびた! 待ちわびたぞ、やま
ド ガ ァ ァ ァ ァ ァ ン !!
提督&朝潮「「!?」」
部下たち「「「!?」」」
世の中には生理的に受け付けない存在(モノ)ってあるよねぇ。
更新とニッケルボトムサウンド、お疲れ様でした。
今度は溶鉱炉実装ですって。
更新とニッケルボトムサウンド、お疲れ様でした。
今度は溶鉱炉実装ですって。
モクモクモク…
朝潮「……」アングリ
部下1「ち、中佐!?」
部下2「ど、どういうことだ提督准尉!? 貴様、騙し討ちしたのか!!」
提督「……なにやってんだ、あいつは」
部下3「き、貴様の指示だろう!? なんてことをさせる!!」
提督「指示してねえよ! 嫌なら嫌と言えくらいは言うが、普通いくらなんでも主砲ぶっ放せとか言わねえだろが!」
部下3「お、おお!? す、すまん」
部下2「じゃ、じゃあ、大和の独断……!?」
部下1「煙が晴れてきたぞ……中佐!」
中佐「……」ボーゼン
部下2「中佐殿! ご無事でしたか!」ダッ
提督「チッ……なんだ、意外としぶてえな」ダッ
部下3「中佐の足元にでかい砲撃の跡が……!」
部下1「あれが大和の主砲の威力か……!」ゾクッ
中佐「……な、なんだ!? いったいどうしたんだ!? 暴発か!?」ガタガタ
大和「……」ゴゴゴゴゴゴ
中佐「お、おい、やま」
大和「近寄らないでください」ジャコン
中佐「!?」
大和「次は直撃させます」ギロリ
中佐「」
部下1「中佐! ご無事ですか!」
提督「おい待てお前! 近づくな!」ガシッ
部下1「なにをする!」
提督「異常事態だ。あんなに殺気立った大和を俺は見たことがねえ」
提督「嫌がるくらいならわかるが、出会い頭に主砲を撃つなんて想定外もいいとこだっつったろ」
部下1「じゃあどうしろと……」
提督「俺が行く。あんたたちじゃあ大和は止められねえだろ」スッ
部下2「……わかった、なんとかしてみせろ」
提督「ああ」
朝潮「司令官……!」
提督「大丈夫だ、下がってな」
提督(……とは言ったものの)チラッ
大和「……」ゴゴゴゴゴゴ(←全砲門を中佐へ向けて仁王立ち)
中佐「……」(←腰が抜けてて動けない)
提督(ちょっとこのまま中佐の無様な姿を眺めていたい気にもなるな)
中佐「く、くくく……面白い冗談だ」ヨロヨロ
提督「おい大和、少し落ち着け」
大和「提督。こちらの、面白くない顔の御仁は何奴ですか」
中佐「」
提督「俺の直属の上司にあたる、本営の中佐だ。この前まで少佐だったんだが、昇格した」
大和「この人が……この人がですか」ムスッ
敷波(うわあ、大和さんあからさまに嫌そうな顔してる……)
不知火(汚物でも見るような眼差しですね)
部下1「な、なんだその顔は!」
部下2「大和だからって調子に乗るな!」
提督(なんだそりゃ)
中佐「ふ、ふふふ、まあいい。喜べ、大和。貴様はたった今から俺の部下だ」
大和「嫌です」
中佐「」
大和「聞こえませんでしたか?」
大和「絶対に嫌です。あなたの部下なんて死んでもお断りいたします」
中佐「」
大和「そういうわけですから、尻尾を巻いてお引き取りください」
中佐「」
部下たち「「「」」」
提督(容赦ねえ)
大和「なんですかその間抜け面は。あなたは、この大和を自分の部下にできると思っていたのですか?」
中佐「な、なぜだ! なぜ」
大和「近寄るなと言いましたよ」ギロリ
中佐「ひっ」タジッ
提督(あ、こりゃ任せてていいわ)
大和「なぜ? なぜあなたの部下になるのが嫌か、ですって?」
大和「それは、あなたの存在そのものが嫌だからです」
中佐「」
朝潮(……そこまで言ってしまうんですか)タラリ
中佐「こ……こ、この俺の何が嫌だと言うんだ!」
大和「顔です」
中佐「」
中佐「 」
朝潮(うわぁ……)
提督(マジ容赦ねえ)
大和「顔の造形のすべてが不快です。虫唾が走ります」
中佐「き、き、きさ」
大和「声も嫌です。油虫が汚泥を這いずるような耳障りな声、聴くに堪えません」
中佐「……っ!!」
大和「それから、ここからでもわかるこの下品なにおい。趣味の悪い香水がお好きなんですね。嗜んでおられるたばこも安物のようで」
大和「そこにあなたの体臭も混ざって、形容しがたい悪臭を放っていること、自覚してないのですか?」
中佐「~~~~っ!!!」
大和「ああ、ご自身の鼻が麻痺していらっしゃるんですね。でしたらお医者様に診ていただいたほうが良いでしょう」
大和「すぐにお帰りになって、そのまま入院していただけると、なお嬉しいのですけれど」
中佐「ふ、ふざっ、ふ」
大和「私は大まじめです」ギンッ
中佐「んぎぎぎ……」
提督「おい大和、その辺にしておけ。事実であってもわざわざ憚られるようなことは言わなくていい」
部下3(……さりげなく中佐がディスられてないか?)
大和「も、申し訳ありません……ですが、私としても嫌なものは嫌です!」
大和「この中佐のそばにいることが苦痛です。喜べだなんて、冗談でも笑えません!」
大和「この人の部下になるくらいならこの場で解体されたほうがましです。提督、解体届はありますでしょうか」ズイッ
提督「……ん……」タジッ
中佐「提督准尉! 貴様は新造艦娘にどんな教育をしている! 馘にするぞ!」
大和「あぁ?」ギロリ
中佐「」
朧「今の、提督そっくりだ……」ボソッ
如月不知火電敷波神通「……」コクコク
大和「ああ、そうですか。自分の思い通りにならなければ、すぐに弱い立場の者をなじって八つ当たり」
大和「それが中佐になった者のやり方ですか。まるで子供ですね、なんて情けない」フッ
中佐「うぎぎぎぎ……!!」プルプルプル
大和「この大和の目から見て、褒められるべきところがここまでに一つも見受けられない人間が、中佐?」
大和「軍隊の上層部が時折迷走してしまうのは、やむを得ない事情があることもありますが……」
大和「こんな愚物に民の血税を注ぎ込んでいるだなんて、国民が不幸だとしか言いようがありませんね」フゥ
中佐「おごあああああ!」ブチブチブチーッ
部下3「中佐殿!?」
部下1「お気を確かに!」
部下2「提督准尉! いい加減にしろ!」
提督「俺に言っても仕方ないだろ。おい大和、少し落ち着け」
大和「す、すみません提督……! 落ち着くためにも、もう下がってよろしいでしょうか!?」
提督「潮か」
大和「私としても不本意なのですが、ここまで嫌悪感を催す御仁だったとは思いもよらず……」
大和「ああ、今日はこの大和の厄日です。天中殺でしょうか……」
提督「そーだなあ……とりあえず、もうこれ以上喋らねえほうがいいんじゃねえか?」
中佐「そ、そうだ! もう諦めて上官の命令に従え!」
大和「それとこれとは話が別です」ギロリ
大和「たとえ提督の仰ることであっても、たとえ世界中から嫌な女と罵られようとも、この人だけは断固受け入れられません!」ギンッ
中佐「……」
提督「だ、そうですよ。もう諦めたほうが良いのでは?」
中佐「あ、諦めが早すぎるぞ!」
提督「こういうのは諦めが肝心だと思うが……」
大和「そうです、むしろこの場で人生を諦めてください」ガシャン
中佐「ふざけるな! 黙って聞いていれば調子に乗りやがってええええ!!」
大和「調子に乗っているのはほかならぬあなたでしょう」
大和「海軍の要職であった『提督』が爆発的に増加した今のご時世、その中で将官にまで上り詰めたのならいざ知らず……」
大和「たかだか中佐になった程度でこの大和を従えられると考えるほうが、余程見通しが甘いのでは?」
中佐「んぐ……っ!」
大和「それにそもそも、私はこの島の妖精たちによって、この島のために建造された艦娘です」
大和「この島に駐留する覚悟さえもない、あなたの下で戦う気など毛頭ありません」
中佐「そんなものは詭弁だ! お前たちは我が国のために戦うために建造された艦娘だ!」
中佐「その使命を捨て、こんな島で油を売ることがお前の果たすべき役割ではない!」
大和「でしたら、提督がこの島で果たすべき役割とはなんです? あなたが提督准尉をこの島の鎮守府に着任させた理由は!?」
中佐「う……ぬっ」
大和「さぞ大層な理由がおありなのでしょう? それがないというのなら、あなたに将来的な展望も見えていないということでは?」
大和「そんな使えない人材に、この大和が身を寄せる理由がどこにあると? どこに資格があると仰いますか」
中佐「っ……何が資格だ! 提督准尉は俺の部下だ! 部下は上官の言うことを聞け! それが正しい組織というものだ!」
大和「噴飯! 自分の行いが正しいと胸を張って証明できない人間が、正しい組織を語ろうと言うのですか!」
提督「あー、大和。とりあえず落ち着け。中佐も一旦矛を収めてくれ」
大和「……!」
中佐「む……!」
提督「いったん二人とも離れてくれ。ここは中佐の部下たちにも話を聞きたい」テマネキ
部下2「お、俺たちにか」
提督「ああ。中立的な立場で訊きたい。正直に答えてくれ」
部下1「……」ゴクリ
提督「これ、もう無理だろ」
部下1「……」
部下2「……」
部下3「……」
提督「いや、黙られても困る。傍から見てても絶望的な状況じゃねえの? 朝潮もそう思うだろ?」
朝潮「はいっ! 穏やかな話し合いとは程遠いと思います!」
提督「ここまで見てても全然歩み寄る気配がねえ。和気藹々どころか、一触即発ムードじゃねえか」
部下1「い、いや……」
部下2「しかし……」
部下3「なあ……」
提督「このままじゃあ、連れて行く途中であんたたちの乗船沈められてもおかしくねえぞ?」
提督「自分の身に何かあってからじゃ遅いんだ。違うか?」
部下1「……」
部下2「……」
部下3「……」
提督「だからなんでだんまりなんだよ……」アタマカカエ
中佐「もういいだろう提督准尉。説得はもういい、四の五の言わずに大和を渡せばいいんだ」
提督「……今のままじゃあ、中佐が死んでも俺たちは責任取れないぞ?」
中佐「いいからお前はもう口出しするな!」
提督「本当にいいんだな? 言ったな?」
中佐「くどい!!」
大和「だったら今すぐ死ねやくそがああ!」ガシャン
提督&中佐「「!?」」
ドガァァァァン
中佐「ぎゃあああ!!」フットバサレ
朝潮「大和さん!?」
提督「……」アッケ
電「……司令官さんがもう一人いるのです」
朧「もうむちゃくちゃだよ……」アタマカカエ
部下1「中佐!?」
部下3「……な、なあ、ここはもう諦めたほうが……」
部下2「だ、だが、手ぶらで帰るわけにはいかないだろう!?」
提督「おい大和?」
大和「は、はい、なんでしょうか?」
提督「今のはさすがに俺も引く」
大和「ええ!? そ、そんなぁ!!」
中佐「っ提ぇぇえ督ぅぅうう!! こいつを何とかしろおおおお!!」グオオオ!
大和「あぁ!?」ギロリ
中佐「ひっ」
朝潮(機嫌が悪い時の司令官そっくりです……!)
提督「だから落ち着け大和。冷静になれ、深呼吸しろ」
大和「ですが!」
提督「いいから頭を冷やせ。それじゃ的に弾が当たらねえだろ」
大和「そ、そうですね! 落ち着きます!」スーハー
中佐「おい!? 誰が的だ!!」
提督「的は的だ、ものの喩えだ。誰も中佐が的だとは言っていない」シレッ
大和「的になりたいんですか? 喜んで的にしますよ?」ガシャン
中佐「ひいいっ!?」
提督「……中佐。もういい加減、諦めたらどうなんだ」ハァ
提督「俺の地位とか立場とか関係なく、初対面であそこまで嫌悪されてたら、中佐の命令に従うどころか命の危険まであり得る」
中佐「ば、馬鹿を言え! ここまで来て諦められるか!!」
提督「退くも兵法のうち、ここは……」
中佐「き……貴様ごときが兵法を語るなああ!」バシッ
提督「っ!」ドタッ
朝潮「し、司令官!!」
中佐「さっきから生意気なんだお前は! お前は、俺の部下だ! 下僕だ! 俺と同じ目線で喋るなあああ!」ガッ! ゲシッ!
提督「……っ!」
中佐「お前はとっとと大和を受け渡せ! それで全部済むんだ!」バキッ!
提督「ぐ……っ」ドサッ
朝潮「大丈夫ですか、司令官!」
中佐「はー、はー……」
電「司令官さんになんてことを……!」
如月「司令官!」ダッ
神通「待ってください!」ガシッ
ザワッ
中佐「!」ゾクッ
大和「……」ゴゴゴゴゴゴ
部下3「や、大和の髪の毛が……」
部下2「逆立ってる……!!」
大和「……」ギロリ
中佐「ひっ!?」
部下1「……ち、中佐、ここはもう、引き上げたほうが……」
大和「その必要はありません」
部下1「え!?」
大和「この場で全員、消し炭にして差し上げます」ガジャン
部下たち「「「う、うわああああ!?」」」ダッ
朝潮「や、大和さん……!」オロオロ
中佐「はははは、そんな脅しに、乗るわけがないだろう! 提督、立て!」グイッ
提督「!」ウデヲツカマレ
中佐「行け! 大和をおとなしくさせろ!」
提督「なんで俺が……」
大和「……提督を、人質に取ろうとするなんて、言語道断! それでも軍人ですか!」ジャキン
中佐「くっ、早く行け! この場を収めなられければ、解体だ! この鎮守府の艦娘を全員解体するぞ!」
朝潮「!?」
提督「……は?」
中佐「は、じゃない! とっとと行け! なんとしても大和をおとなしくさせろ!」
提督「……断る」
中佐「は?」
提督「艦娘を解体だ? そうかそうか、俺の部下を全員解体するってか。じゃあ俺が生きてても仕方ない」ガシッ
提督「そういう話なら、俺は大和の好きにさせるぜ。おい大和、俺は構わねえからやっちまえ」
中佐「ななななにを言ってるんだお前はああああ!?」
提督「さっきは口を出すなと言い、おまけに殴られ損だ。だったらこうなることくらい、想定しろっつうんだよ」
大和「……」ゴゴゴゴゴゴ
提督「いいぞ、中佐を撃て。俺もろともでいいからよ」ガシッ
中佐「おおおおおい!? やめろ! やめてくれ!! 提督、離せ!!」
提督「……解体するんだろう? だったら離せねえな」ミシッ
中佐「し、しない! 取り消す!」
提督「絶対に、だな?」
中佐「絶対にしない!!」
提督「……よーし、言質は取った。約束だ、朝潮も聞いたよな?」
朝潮「は、はいっ!」
中佐「っ!」
提督「もし約束を反故にしたら……そうだな、中将に油の闇取引のことでも伝えるか。いいな?」ヒソッ
中佐「な……!?」
提督「……」スタスタ
大和「……提督」
提督「つうわけでだ、一応落ち着いてくれるか?」
大和「ああ、よくぞご無事で……! ご安心ください、この大和が……」
ジャキン
大和「目の前の敵すべてを殲滅致します」ギロリ
提督「おい!?」
大和「さあ、提督は後ろへ。この大和の背へ……!」ハイライトオフ
中佐「て、提督、何をしている! 貴様、約束と言った手前だぞおお!」
提督(別に破ってもいいんだが……大和の手を汚させるわけにもいかねえな。どうしたもんか……)
提督「……」
提督「……大和。ちょっとこっち向け」
大和「はい?」
提督「……」スッ
朝潮「司令官が大和さんの顎に手を添えて、何を……!?」
グイ
大和「!!!」
中佐「な……っ!?」
部下たち「「!?」」
朝潮「こ、これは……!」
敷波「し、司令官が……」
朧「大和さんに……」
電「キスしちゃったのです!!?」キャーー
如月「」マッシロ
神通「き、如月さん!? しっかりして!?」
相手に処理しきれない情報を与えオーバーフローさせ冷静に戻すという事かぁ
提督策士よねぇ、中佐が本編で死んだのは知ってるけど本編の死に方でもまだ足りない位に糞だなぁ
更新乙さまです、次回もゆっくりまってます
提督策士よねぇ、中佐が本編で死んだのは知ってるけど本編の死に方でもまだ足りない位に糞だなぁ
更新乙さまです、次回もゆっくりまってます
さすが提督!おれたちにできないことを平然とやってのける!そこに痺れるッ!あこがれるゥ!
なんか大和は嫁というよりはヤンデレ妹って感じだな、似すぎててw
皆さん盛り上がっておられるところ恐縮ですが……してないんですよ。
* ご注意 *
今回のお話、お食事しながらの閲覧は控えてください。
続きです。
* ご注意 *
今回のお話、お食事しながらの閲覧は控えてください。
続きです。
敷波「ほ、本当にキスしちゃったの!?」
朧「お、朧は、提督はそういうことする人じゃないと思ってたんだけど……」
電「電、見ちゃいました! なのです!!」キャーー
敷波(うわー、青葉さんそっくり……)
不知火「! 待ってください。司令は大和さんにキスをしてないようですよ」
敷波「えっ? どういうこと?」
不知火「司令の右手をよく見てください。大和さんの唇に、人差し指を当てています」
敷波「……ほんとだ!」
電「キスする振りをしてただけなのですか!」
不知火「ええ。顔をぎりぎりまで近づけてはいますが、触れてはいませんね」
如月「ほんと!?」シャキーン
朧(瞬時に戻った……)
不知火「はい。我々は横から見ているからわかりましたが、中佐の立ち位置からは見えてないようですね」チラッ
中佐「」マッシロ
敷波「うわあ……」
電「この一瞬で一気に老けて見えるのです……」
朧「効果はばつぐんだね……」
神通「いい気味です」ニヤリ
如月「いい気味だわ」ニヤリ
朧(如月にも効果はばつぐんだったのに……)
不知火(この二人も本格的に司令に感化されてきましたね……)
大和「……」ポワーーン
提督「どうだ大和。少しは落ち着いたか」(←顔を近づけたまま)
大和「!」
提督「我慢できたらあとでご褒美やるから、おとなしくしてろよ」
大和「!!」コクコク
提督「よし……」スッ
大和(ああ、提督のお顔がこんなに近くに……幸せ……♪)ウットリ
提督「さて、中佐」クルリ
中佐「」マッシロ
提督(効果ありすぎたか……?)
部下2「ちゅ、中佐殿!! しっかりしてください!」
部下3「提督! お前、中佐の大和になにをする!!」
提督「あ? 何を言ってんだ? 俺の大和だぞ?」
大和「俺の……!」ポ
中佐「」ピク
中佐「き……きッ……!」プルプルプル
中佐「きっさまあああああああああああああああああ!!」
部下1「うわああ!?」
朝潮「きゃあ!?」(←ダッシュで提督の後ろへ)
部下2「ちゅ、中佐殿!?」
中佐「その大和は俺の大和だぞおおおおお! それを貴様は、貴様わああああ!!」
提督「おとなしくさせろと命じたから、口を塞いでその通りにしたまでだが?」
中佐「うぎいいいいいいいいいいいい!!!」
提督(このまま血管ブチ切れて、おっ死んでくれねーかなー)
不知火(司令が心なしか笑っているように見えます)
神通「ええ、楽しんでいるように見えますね」
電「はうっ!?」ビクッ
朧「や、やっぱりそう思いますか」ビクッ
敷波「だ、だよね」ビクッ
如月「司令官、悪乗りしてるわよね……」コクコク
不知火(みなさん同じことを考えてましたか)
部下1「提督、貴様、中佐の大和に手を出したのか!?」
提督「だから、いつ大和が中佐のものになったんだよ。大和の管理者は昔も今も俺だ」
提督「大和はこの鎮守府で建造されたんだぞ? この鎮守府の全権を俺に任せたのもほかならぬ中佐だ」
部下2「中佐への報告が先だろう!」
提督「報告したくても、その中佐はしょっちゅう鎮守府を留守にしてんじゃねえか」
提督「話ができねえから中将にも話を通して、お目通しまで済ませたんだぜ。それのどこに問題があるよ」
部下3「中佐の確認を待つべきだろうが!」
提督「重要な連絡が伝播せず途中で止まってるほうが組織にとっては有害じゃねーか。何考えてんだ?」
提督「そもそも、大和が最初から中佐の部下になる前提で建造されたのなら、最初から中佐の鎮守府に出向かせてる」
部下1「ぐ……」
提督「つうか、この鎮守府の艦娘がどういう経緯で着任しているか、お前ら知らないわけじゃねえよな?」
提督「どんなかたちであれ、この鎮守府に着任した艦娘が余所に異動すること自体、問題視されかねねえぞ」
中佐「それと大和は関係ないだろう! これは命令だ! とっとと大和を引き渡せ!」
提督(まーだ懲りねえのか。もう少しダメージを与えられそうな言葉は……)
提督「んー……命令。命令ねえ……なあ、中佐? 命じていると言うことは、今の大和が俺の管理下にあることを認めているってことだよな?」
中佐「いいから早くしろおおおお!!」
提督「ったく、ヒステリーかよ。どうしてそこまでして俺のお古を欲しがるんだか……」
大和「!!」
中佐「……お、ふ……!!!」
提督(お、刺さったか?)
朝潮「し、司令官! そ、そのような言葉はあまり望ましくありませんので、控えるべきかと……!」
提督「気に障ったか。悪いな」
大和「いえ、そうです! その通りです! 大和はもう提督のものです!!」ダキツキッ
提督「うお!?」
大和「ふふふ……この大和! すでに身も心も提督のものです……中佐のものではありません!!」スリスリ
中佐「き、さ……まぁ……!!!」ギリギリギリギリッ
朧「うわあ……すごい顔」
敷波「嫉妬に狂った人の顔って怖いね……」
如月「私もあんな顔してるのかしら……」シュン
電「如月ちゃんはあんな変な顔してないのです! 大丈夫なのです!」
如月「へっ!? あ、ありがと……」ポ
中佐「許せん! 貴様、俺の大和を傷物にしやがったのか!!」
大和「ですから、あなたのものじゃないと、さっきから何度も……」
中佐「口答えするな!!」チャッ
部下たち「「中佐!?」」
朧「こんなことで銃を抜くの!?」
神通「提督!」
如月「司令官、逃げて!」
朝潮「司令官はお下がりください!」
大和「早く私の後ろに!!」
提督「だ、大丈夫なのか!?」
大和「はい! おまかせくださ……」
中佐「いちゃいちゃしてんじゃねえぞおらああああ!!」ドドドドドド
大和&提督&朝潮「「!?」」
中佐「もう形振り構っていられるか! 大和は俺のものにする!」
中佐「手始めに……ちゅーだあああ!」タコチュー
朝潮「はう!?」ギョッ
提督「おい大和!? 逃げろ!!」
大和(ひいい!? な、なんて気持ち悪い!!!)マッサオ
大和「う、うぶっ」ゴポッ
中佐「!?」
大和「ヴォエエエエ /
中佐「ぎゃあ /
プツン
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