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元スレにこ「きっと青春が聞こえる」
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にこ「お、おはよー……」
凛「…………」
うわ、ものっそ嫌そうな顔された。
例えるなら、そう、「なにこの人朝校門の前で待ち伏せまでしてストーカー?」って感じの顔。
なんでそんなに具体的に表現できるかって?
その通りの状況だからよ、ちくしょう。
凛「……なんの用ですか?」
にこ「い、いやね、昨日の話、ちょっとばかし考えてもらえないかしらー、なーんて思ったり……」
凛「はぁ……」
ため息!
これ見よがしにため息!
いや確かに自分のやってることがちょっとうっとうしいかなーとはわかってるけども!
凛「ちょっと……ううん、かなりうっとうしいです」
……ちょっとじゃなかった。
凛「その話は昨日お断りしましたよね?」
にこ「や、それはたしかにそうなんだけど……」
凛「じゃあこれ以上話すことないです」
にこ「わ、私にはあるの!」
凛「私にはないです!」
にこ「あるの!」
凛「ないです!」
花陽「ちょちょちょ、ちょっとふたりとも……こんなところでやめようよ……」
まるでこころとここあみたいなやり取りをしていると、ずっとだんまりだった花陽が間に入る。
花陽「矢澤先輩、凛ちゃんのことは昨日話しましたよね……?」
ぼそっと、私にだけ聞こえるように耳打ちしてくる。
にこ「そりゃ、聞いたけど……」
だからといって、はいそうですかとあっさり譲れないものもこちらにはあるわけで。
にこ「ほら、なんていうか……ワンチャンあるかなー、みたいな」
花陽「……? 凛ちゃんはワンちゃんっていうか猫ちゃんって感じですけど……」
にこ「あー……うん、そうねー……」
花陽「凛ちゃんも。そんなに邪険にする必要ないでしょ?」
凛「だって……凛は……」
花陽「うん、私はわかってるよ」
凛「…………」
黙り込む凛。
言い負かされたとか、そんなじゃなくて。
あったかーく包み込まれて、ぐうの音も出ない感じ。
かと思うと、凛は私の方に向き直り。
凛「……ムキになってすいませんでした」
そっぽ向きながら、だけど、しっかりとその言葉を口にした。
なによ。
これじゃまるで、私が悪者みたいじゃない――
にこ「…………」
まるでもなにも、これ明らかに私が悪者よねぇ……
にこ「お昼」
凛「え?」
にこ「お昼、よかったら一緒に食べない?」
花陽「私たちと、ですか?」
にこ「他に誰がいるのよ。私がそっちの教室行くからさ」
にこ「小泉さんとは同じ部員同士だし、親睦深めるのも悪くないでしょ?」
花陽「悪くは、ないですけど……」
にこ「星空さんとも、仲直りってわけじゃないけどさ」
凛「別にいいですけど……矢澤先輩、一緒にご飯食べる人いないんですか?」
にこ「うぐぅ!?」
凛「え、ひょっとして……ご、ごめんなさい」
にこ「いいの、謝んないで。余計傷つくから」
花陽「で、でも貸し切りの部室があるならひとりぼっちのご飯も恥ずかしくないですもんね!」
にこ「楽しい!? 先輩を的確に殺しにかかって楽しいの!?」
花陽「あ、あれぇ……?」
今回、ちょっと凛ちゃんの性格きつく感じるかも
アニメ一期の序盤の真姫ちゃんとの絡み見てたら懐いてない人には結構ドライなのかなと思ったらこんな感じになった
凛ちゃんはこんな子じゃねえと思った人にはすまぬ
アニメ一期の序盤の真姫ちゃんとの絡み見てたら懐いてない人には結構ドライなのかなと思ったらこんな感じになった
凛ちゃんはこんな子じゃねえと思った人にはすまぬ
ぼっちから友達げっとを経験した俺からしたら
この気持ちわかるぞ
乙
この気持ちわかるぞ
乙
にこ「というわけでお昼よ」
凛「ほんとに来た……」
にこ「嫌そうな声出さないでよ、傷つくじゃない!」
凛「べ、別に嫌そうにしたつもりはないですけど……」
花陽「ほらほら二人とも、またけんかになっちゃう前に、ほら、ご飯食べよ?」
にこ・凛「はーい……」
あろうことか花陽にたしなめられ、凛と私は渋々ながらお弁当を開いた。
凛「へぇ、先輩の卵焼きおいしそうですねー」
にこ「あ、あああ、あげないんだからね!?」
凛「えーっと、まだなにも言ってないんですけど……」
にこ「ふかー!」
凛「そんな威嚇してる猫みたいな真似されても……」
いけないいけない、連日お弁当箱からかっさらわれた苦い思い出からつい卵焼きを守ろうとしてしまったわ……
あ、猫といえば。
にこ「そういえばり……星空さん、猫の真似しないの? ほら、語尾ににゃーにゃーつけてさ」
凛「ぅえ!?」
え、なんでそんなに驚くの?
なんか普通に喋ってる凛に違和感バリバリだったから聞いただけなんだけど。
花陽「えっと、矢澤先輩?」
なにかのどに詰まらせたのかけほけほとせき込む凛の代わりに、花陽が答える。
花陽「なんで凛ちゃんが普段猫みたいな喋り方してるって知ってるんですか?」
にこ「ぅえ!?」
数秒前の凛と全く同じ声を出しつつ、今度は私がせき込む番だった。
しまった。
名前は何とかかろうじて寸止めできてたけど、こんなところでループのほころびがでてしまった。
にこ「あ、や、えーっと、それはその、あれよ。あんたたち二人が部室の前で会話してたのを聞いたからよ」
しどろもどろになりながらなんとか記憶を手繰り寄せる。
その時にゃーにゃー言ってたわよね……言ってたわよね?
凛「あー、あの時」
花陽「そっか、あの時の会話、聞いてたんですもんね」
にこ「で、でしょ?」
せ、セーフ……
危うくやぶへびになるところだったわ。
にこ「それで? 質問には答えてもらえるの?」
凛「え、っと……」
もじもじする凛。
ほっぺが少し赤くなってるのは……恥ずかしがってるの?
なによ、ちょっとかわいいじゃない、この後輩。
花陽「恥ずかしいんだよね、凛ちゃん」
凛「か、かよちん!」
にこ「恥ずかしい?」
花陽「はい。凛ちゃんがあの言葉遣いになるのって、親しい人の前だけですから」
花陽「あんまり慣れてないひと相手だと、恥ずかしいんだと思います」
にこ「へー……」
正直、意外だった。
凛って言ったら底抜けに元気で明るくて、人見知りとかそういうのとは対極の存在だと思ってたから。
まさしく借りてきた猫、って感じなのかしら。
にこ「なんていうか……猫っぽいわよね、あなた」
凛「え?」
にこ「いや、もちろんにゃーにゃー言うっていうのもあるけどさ」
にこ「なんか性格というか生き方というか。猫ちゃんそっくりよね」
にこ「よっぽど好きなんでしょ? 猫が」
花陽「あ……凛ちゃん、あの、」
凛「好きじゃないです」
にこ「…………へ?」
凛「好きじゃないです、別に」
頑なな否定は。
昨日と同じ、強い拒絶。
にこ「……なんなの? それ」
凛「なんなのって……なにがですか」
にこ「しらばっくれてるんじゃないわよ。アイドルの話といい今の話といい、急に冷たくなっちゃって」
にこ「『その話はしないでくださいオーラ』全開じゃない」
凛「そこまで、わかってるなら……」
にこ「やめないわよ」
凛「っ」
にこ「この話。やめないわよ」
凛「なん、で……」
にこ「理由は、なんていうか、答えづらいんだけど……」
今の状況をぼやかしつつうまく伝える方法を探して。
にこ「なんていうか――アイドルにしろ猫にしろ、ほんとは好きなんじゃないかな、って」
この世界が過去なのか並行世界なのか、はたまた全く違うなにかなのか。それは私にはわからない。
だけど。
にこ「私にはあなたがそれらを嫌ってるとは、どーしても思えないのよねぇ」
だって、なんにせよ「凛」だもん。
人一倍元気ににゃーにゃー言ってて。
ぴょんぴょん身軽に跳ねまわって。
かわいいのは似合わない、って言い張りながら。
あの真っ白なウェディングドレスがあれほど似合った――凛だもん。
ねえ、凛。
一体なにを強がってんのよ、あんたは。
【Side:凛】
勝手な人だなぁ、とは思ってた。
なんだか強引で、私がいいって言ってるのにしつこく勧誘してきて。
気持ちがぐらぐらぐら揺れちゃうから――やめてほしいのに。
私がアイドル?
考えられないよ。
きらきらでふわふわなお洋服を着て、踊る?
笑われちゃうよ、きっと。
だから私は、アイドルなんて――
にこ「私にはあなたがそれらを嫌ってるとは、どーしても思えないのよねぇ」
頭がカーッって熱くなった。
隣でかよちんが慌ててるけど……ごめん、我慢できないや。
凛「先輩に――なにがわかるんですか!」
ついおっきな声を出してしまう。かよちんも、周りの人たちも、びっくりしながら私を見てる。
だけど、目の前に座る人だけは。
矢澤先輩だけは、すごく真剣な顔だった。
凛「勝手なことばっかり言わないでください! 迷惑なんです!」
ダメだ、ってわかってるのに、止まんない。
なんだかよくわからない感情がぶわーってなって、次から次へと良くない言葉が出てくる。
それは、きっと。
凛「嫌ってるとは思えないって? 嫌いです! アイドルも、猫も、だいっきらい!」
図星だったって、わかってるから。
だんだんのどが痛くなってきちゃった。
いつの間にか立ち上がってたみたい。すとん、と落ちるように椅子に腰かけた。
これで参ってくれたかな? ってちょっぴり期待したけど、矢澤先輩の顔色が変わることはなかった。
それどころか。
にこ「あんた――うそ、下手ね」
なんて。余裕ぶってるのがむかつき。
だけどもう叫ぶ元気も残ってないや。
どうせなにを言ってもへっちゃらみたいだし、叫ぶ必要もないよね。
凛「昨日会ったばかりの人に――なにがわかるんですか?」
にこ「――――」
あれ? おかしいな。
なんでこの人。
今日一番、悲しそうな顔してるんだろう。
夕暮れ色の遊歩道を、一人で歩く。
かよちんはアイドル研究部に顔を出すって言ってた。
私も陸上部に行こうかと思ったんだけど、ちょっとそういう気分じゃないから先輩にごめんなさいして今日はお休み。
そんなこんなで、ひとりぼっちの帰り道です。
>>124はミスです、申し訳ない
* * * * *
凛「はぁ……」
ため息は、疲れたから。
昨日今日となんだかよくわからない先輩にからまれて、精神的にぐったり。
なーんであんなにしつこいんだろ。
凛「凛なんて、アイドルやってもかわいくないのに……」
ぽつん、とひとりごと。
それは、ずっとずーっと昔から私にかかってる、のろい。
スカートなんて似合わない。
女の子らしさなんてない。
かわいらしさなんて、ない。
凛「――――」
そうやって、自分に言い聞かせてる、のろい。
凛「あ……」
かさかさ、と生垣が揺れたかと思うと、中から小さな黒猫が顔を出した。
――みゃう。
小さく鳴きながら、黄色いおめめが私を見上げる。
凛「わぁ……」
かわいいなー。
こっち来ないかな?
凛「にゃーにゃー、こっちに来るにゃー」
しゃがんで手招き。これがほんとの招き猫?
って、これじゃ猫招きか。
なんて、つまらないことを考えてたら。
凛「わっ、わっ、」
びっくり。ほんとに近づいてきた。
飼われてない猫ちゃんて警戒心が強いから、どうせ無理かな、なんて思ってたのに。
みゃう。
ちっちゃな体は、もう私の目の前まで来ていた。
手を伸ばせば、触れられる。
ふわふわの体を撫でられる。
大好きな猫に、触れる。
もうちょっと、もうちょっとで――
凛「……っくちゅん。――あ、」
すぅ、って。
気持ちが一気に、冷たくなった。
凛「ごめんね」
言いながら立ち上がる。
びっくりしたのか、黒猫はすぐにまわれ右してどこかへ行ってしまった。
凛「えへへ、ティッシュ、持ってたかな」
ひとりごとを呟きながら鞄をあさる。
お目当てはなかなか見当たらない。
そうだよね。ダメだよね。
許されないことだもんね。
私がかわいいカッコするのも。
私が猫を触るのも。
許してもらえないもんね。
ねぇ、矢澤先輩。
あなたには、きっとわかりません。
「やりたい」が、できない気持ち。
「やりたい」を、否定される気持ち。
「やりたい」を、許されない気持ち。
それは例えば、「かわいくなりたい」をクラスの男の子に否定された女の子。
それは例えば、「猫を撫でたい」をアレルギーに否定された少女。
それは例えば――「生きたい」を冷たさに否定された、小さな二つの命。
世の中には、許されないことなんてたくさんあるんです。
自分の「やりたい」を否定されることなんて、やまほどあるんです。
ねぇ、矢澤先輩。
あなたには、わかりませんよね?
こんな、みじめな気持ち。
凛「……あれぇ? おっかしいなぁ。見つからないなぁ」
鞄の中をいくら探っても、入れたはずのポケットティッシュは見当たらない。
もう鼻はぐずぐずだよ。
それに、ほら。
涙まで、出てきちゃった。
次の日。いろんな気持ちがぐるぐるして寝付けなかったせいで、遅刻ギリギリの時間に登校することになってしまった。
かよちんには先に行くようにメールしておいたので、今日はひとりで登校。
凛「おはよー……」
ねむたい目をこすりつつ、教室のドアを開ける。
花陽「あ、凛ちゃん……」
凛「おはよーかよちん……ふあぁ」
花陽「眠そうなところ悪いんだけど、ちょっと聞いてもらいたくて」
凛「え?」
ちょっとまじめな顔のかよちん。
なにかあったのかな?
花陽「昨日のお昼……ほら、いろいろあったでしょ?」
凛「あ、……うん」
思い出すと、とっても恥ずかしい一日前の思い出。
うー、もう思い出したくない。
花陽「あれを見てたクラスの子がね、矢澤先輩のこと見覚えあって、それであんまり関わらない方がいいんじゃないか、って」
凛「見覚え?」
花陽「あ、見覚えっていうか、正確には部活の先輩から聞いたらしいんだけど」
花陽「矢澤先輩って、一年生の時にちょっといろいろあったらしくて、その……」
花陽「友達が、いなくなっちゃったらしいの」
凛「……ふーん」
なんていうか、あんまり意外って感じはない。
むしろ、あーやっぱりなー、って気持ち。
花陽「それでね、その時の事件が……」
凛「それ、聞かなきゃダメかにゃ?」
正直、かよちんには申し訳ないけど、あんまり興味がない。
もともと気が合いそうにない人だったし、そんな人の昔話聞いても――
花陽「うん、だめ」
凛「…………」
久しぶり、だった。
かよちんがこんなに、強引なの。
花陽「聞いてほしい。凛ちゃんには」
凛「え、っと……」
答えられずもごもごしてる私を置いてけぼりにして、かよちんは話し始めた。
花陽「三年生の間では『アイドル研究部事件』って言われてるらしいんだけどね――」
ここまで
シフトとエンター同時押しで即書き込みとは知らなんだ
今回SID知らないとちょっとついてこれないかも、すまん
自分もにこにー関連と円盤について来たの以外は漫画版しか知らないけど
シフトとエンター同時押しで即書き込みとは知らなんだ
今回SID知らないとちょっとついてこれないかも、すまん
自分もにこにー関連と円盤について来たの以外は漫画版しか知らないけど
凛「矢澤先輩!」
にこ「え?」
凛にぼろくそ言われた次の日の放課後。
なによりもきっつい一言をもらって、柄にもなくへこみながら部室で花陽を待っていると、意外な人物が私の名前を呼んだ。
にこ「星空さん? なんでここに、」
凛「教えてください!」
にこ「え?」
凛「教えてください!」
にこ「な……なにを?」
鬼気迫る様子で同じ言葉を繰り返す凛。
戸惑う私の質問に、少し考えるようなそぶりを見せた後、こう言った。
凛「なんで――なんで、アイドルになりたいんですか?」
にこ「なんでって……え?」
この子、私に怒ってるんじゃなかったっけ?
いや、今も険悪な顔つきではあるんだけど。
突然の訪問。突然の質問。
それでも、なんで急に、という言葉は。
凛「――――」
彼女の真剣な視線の前では、口にできなかった。
改めて問われると答えに詰まる質問だった。
みんなを笑顔にさせたいから?
仲間と一緒に頑張りたいから?
達成感が欲しいから?
どれも合ってて、どれもぴんとこない。
答えはきっと、もっともっとシンプルで。
でも、本質的。
にこ「――やりたいから、よ」
凛「――――」
息をのむ凛。きゅっ、と唇を結んで、視線を床へ落とす。
凛「なんで……」
それは、質問というよりは独り言のように聞こえた。
凛「なんで……あんなこと、あったのに……」
にこ「あんなこと? って――」
凛「好きなこと……やりたいこと、否定されたのに」
凛「なんで……そんなこと、言えるの……」
にこ「――――」
ああ、知っちゃったんだ。
私が三年前――この世界では、二年前か――どれだけ惨めだったか。
にこ「だって、さ」
凛「え?」
にこ「だって、それが自分じゃない」
にこ「誰に否定されようと」
にこ「誰に馬鹿にされようと」
にこ「それが私。矢澤にこだもの」
にこ「痛さだって本気なの。悪い? 本気なのよ」
にこ「それが――私だもん」
凛「――――」
凛は、押し黙ったままだった。
花陽「ね、凛ちゃん」
凛の後ろから姿を現したのは、いつの間にかいた花陽であった。
訳知り顔の様子を見ると最初から聞いていたのかもしれない。
花陽「凛ちゃんは、どうしたい?」
凛「凛は……」
花陽「――いいんだよ、言っても」
凛「かよ、ちん?」
花陽「ああしたい、こうしたいって。いいんだよ、言っても」
凛「でも凛は、」
花陽「許されないから?」
凛「…………」
花陽「――もっと、早く言えればよかったんだと思う」
花陽「だけど、私に勇気がなかったから」
花陽「ひょっとしてこれも、凛ちゃんからしたら『否定』になっちゃうかもしれないって」
花陽「凛ちゃんに嫌われちゃうんじゃないかって」
花陽「だから、言う勇気がなかった」
花陽「でも、矢澤先輩を見て、思ったの」
花陽「私も、やりたいことやっていいんだって」
花陽「言いたいこと、言っていいんだって」
凛「……かよちん? 何言って、」
花陽「凛ちゃんの――ばかっ!」
凛「えっ……」
花陽「許されるってなに!? 誰にそんな権利があるの!?」
花陽「ばかみたいっ! 凛ちゃんそんなこと言って、逃げてるだけだもん!」
花陽「あの雪の日から――」
凛「あ、やめ……」
花陽「猫ちゃんたちを助けられなかったあの日から、ずっと逃げてるだけ!」
凛「――――っ」
花陽「……ね、凛ちゃん」
花陽「花陽はね、ずっと凛ちゃんのまぶしさにあこがれてたの」
花陽「きらきらで、まっすぐで、元気いっぱいな凛ちゃんに、あこがれてたの」
花陽「だからね。いますごく悲しい」
花陽「否定されるのを怖がって曇ってる凛ちゃんを見るのが、すごく悲しい」
花陽「……えへへ。勝手、だよね。わかってる」
花陽「だから言えなかった」
花陽「これが、花陽の……ほんとの気持ち、です」
花陽「ばかって言って、ごめんね?」
凛「かよ、ちん……」
花陽「凛ちゃん?」
凛「……なぁに?」
花陽「怖いよね、否定されるのって」
凛「……うん」
花陽「怖いよね、許されないのって」
凛「……う、ん」
花陽「でもね、大丈夫」
凛「……う……」
花陽「たとえこれから先。十人が、百人が、千人が、凛ちゃんを許さなくっても」
凛「う……ぅぅうう……」
花陽「私が――凛ちゃんを許してあげるから」
凛「ううぅぅ……うあぁぁぁぁぁぁあああああん!」
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