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    元スレ京太郎「修羅場ラヴァーズ」爽「完全無欠のハッピーエンド!」

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    351 :

    宿泊所の布団にゴロゴロと転がりながら、爽はテレビを指差す。

    『恐怖! 愛のあまり狂気に走るオンナたち!!』と、そんな三流以下の番組が垂れ流しになっている。


    「うわー。監禁だってさ、こわいなー」

    成香「……はぁ」

    「これ全部実話なんだと」


    『財力に任せてカレを屋敷に監禁』『複数人で協力してカレを管理』『カレをクスリ漬けにして支配』……等々、常識で考えればあり得ないものばかり。

    ポカンとしている成香に代わり、誓子が呆れたような溜息を吐いてテレビを消した。


    誓子「はいはい、明日も早いしもう寝るわよ」

    「はーい」

    成香「……」

    353 = 1 :

    成香「……私、そんなことしませんよ? もったいないですし」

    ――どっちも、台無しになっちゃいますし。

    続く言葉は、彼女たちの耳には届かなかった。

    354 :

    あんまりに久しぶりなので小ネタ的なの募集下3~5くらいまで
    数日以内にちょっとずつ書いてきます

    355 :

    依存しきった霞さん

    356 :

    もんぶちで修羅場

    357 :

    はやりんとの関係をフライデーされた

    358 :

    ネリーと駆け落ち

    359 :

    『複数人で協力してカレを管理』@松江小学生麻雀大会ファイナリストの4人(28)

    360 :

    照との爛れた関係

    361 :

    アナ勢の修羅場

    362 :

    須賀京太郎は恋を知らない。

    脳が甘さに満たされる幸せも、胸を締め付けられるような苦しさも経験した事がない。

    故に――これはまぁ、ある意味で当然のことなのかもしれなかった。

    363 = 1 :

    「……やっべぇかもなあ」


    夏休み、インターハイも決着がつき日常に落ち着きが戻り始めた頃。

    スマホのカレンダーを眺めながら、京太郎はポツリと呟く。

    注目するは今週の土曜日、夏祭りの日。


    「……どうすっかなぁ……」


    ぽいっとスマホを投げ捨ててベッドに身を投げる。

    天井を見上げながらウンウン唸るも答えは出ない。

    なんせ、人生初めての悩み。


    ダブルブッキングならぬ――ファイブブッキングをやらかしてしまったからだ。

    364 :

    「次の土曜日、おヒマ?」


    最初の誘いは、一から。

    夏祭りデートのお誘いに、京太郎は快く頷いた。

    どうせその日はヒマであり――ちょっとした思い出になればとの下心もあった。



    「おつかれさん。次の土曜日、空いてるか?」


    次の誘いは純からで、一と同じく夏祭りデートのお誘い。

    京太郎のミスは、この時に純の誘いにも頷いてしまったこと。

    同じ龍門渕の面子に誘われたことで――二人っきりのデートだとは思わなかったのである。


    ここまでならまだ、修正は効いた。

    問題は、ここからである。

    365 :

    ブッキングしすぎぃ!

    366 :

    そう。

    京太郎は同じミスをあと3回――智紀と透華と衣相手にもやらかした。

    それが間違いだと気付いたのは、金曜日の夜。

    寝る直前の、一からの着信。


    『あ、もしもし? 起きてる?』

    「はい」

    『ゴメンね、こんな時間に』

    「いえ、大丈夫っすよ。何かありました?」

    『あはは……何がってワケでもないけど。声が聞きたくて』

    「え、えっと……」

    『ちょっとだけ話したかったんだ。明日が楽しみで、ちょっと眠れなくてさ』

    「はは」


    まるで遠足前の小学生だ、カワイイ人だなぁ。

    この時までは京太郎も呑気に笑っていた。

    その笑顔が凍りつくのは、次の瞬間。



    『エスコート、楽しみにしてるからね? 王子様』

    367 = 1 :

    京太郎はここでやっと違和感を覚える。

    ん? 龍門渕のみんなで行くのでは? ――と。

    それを口に出さなかったのは、ある意味で運が良かったといえる。


    『それじゃ、おやすみ。また明日ね』

    「あ、はい……おやすみなさい」


    もしかして、マズったか。

    ようやっと焦り始めた京太郎は、それとなく全員に確認を取り。


    『水入らずってヤツかな。楽しみにしてるぜ』

    『人混みは苦手だけど……あなたと二人なら』

    『わたくしの隣を歩くのです。半端は許しませんわ!』

    『デートだからな! 色々見るぞキョータロー!!』


    ――あ、マズったわ。

    ようやっと京太郎は、己の失敗を自覚した。

    368 = 1 :

    素直に謝るしかない。

    普通なら誰だってそう思うだろう、が。


    『他のみんな?……何故、明日のデートの話に他の女の話が?』

    『二人っきりなのですから……あなたは、わたくしだけを見ていれば良いのです』


    電話越しの透華の声音を聞いてしまってはそれすら出来ない。

    冷や汗が頬を伝い、五臓六腑が冷え切る。


    つまるところ、京太郎は詰んでいた。

    369 :

    逃げよう(提案)

    370 :

    こんな状況になったら手首切る自信あるわ

    371 :

    流石に途中で気付けwww

    372 :

    何やってんだこいつー!

    373 :

    急病を患って逃げるしかないな

    374 :

    お嬢様があんなに見事に冷え切っていらっしゃるとは・・・(感動

    376 :

    これモンブチ側で全く気付かれてないって相当仲冷え込んでるよね
    5人で仕掛けたドッキリの可能性も微レ存だけど

    377 :

    素直に謝るには勇気と知恵と力が足りない。

    どデカイ爆弾が複数個。

    この手の経験が圧倒的に不足している。


    「どうすんの俺、どうするよ……!?」


    パッと思い浮かぶ選択肢は3つ。


    1.『諦める』
    2.『誤魔化す』
    3.『逃げる』


    カードの切り方が人生だ。

    嫌な気持ちばかり膨らむ胸を抑え、京太郎は静かに息を吐く。

    378 = 1 :

    1を選んだ場合。

    諦める――即ち素直に謝る。

    透華が怖いしどうなるかちょっと想像がつかない。



    2を選ぶ場合。

    誤魔化す――即ち仮病で休む。

    楽しみにしている5人には申し訳ないが……また後日に調整してお詫びをしよう。



    3を選ぶなら。

    逃げる――急に外せない用事が入った!とでも言い訳をして遠くに出かける。

    男として最低だが今更の話である。



    「……」

    「……3、か?」

    379 :

    マズイですよ!

    380 = 1 :

    物理的に離れてしまえばニアミスの怖れはない。

    親戚の叔母さんが急病て倒れて……とかそんな感じに言い訳をすれば仕方ないと諦めてくれる筈。

    諦めてくれるといいなぁ。


    「……よし!」


    変な方に思い切りが良い京太郎。

    財布を引っ掴みベッドから起き上がる。

    今から終電で適当に遠くまで行って、適当にネカフェ辺りで過ごせば何とかなる。

    根拠もない穴だらけの思考に無意味な自信を持って、京太郎は歩き出す。

    修羅場なんて、逃げてしまえばどうということは――





    「どこへ行くのですか?」

    381 = 1 :

    いざ玄関から踏み出した第一歩。

    目の前には完璧執事――と京太郎が心の中で呼ぶ相手。



    「ハ、ハギヨシさん……!」

    「どちらへ行かれるのですか?」


    フリーズする京太郎に、ハギヨシが一歩詰め寄る。

    ハギヨシは笑顔を崩さない。

    京太郎は冷や汗が止まらない。


    「皆様、どうやら明日に何か良いことがあるらしく」

    「……」

    「えぇ、お嬢様も国広さんも、とても楽しそうにしていまして」

    「……」

    「何があるかはナイショ……との事ですが」

    「……」

    「とても――とても、楽しそうにしているんですよ」

    「…………」

    「ええまぁ。それは置いておくにしても」

    「……」

    「感心しませんね。こんな夜遅くに出歩くのは」

    「……」

    「須賀くん?」

    「……すんません……」

    382 = 376 :

    京太郎は逃げ出した!しかし、回り込まれた!

    383 :

    ハギヨシルートか!?

    384 = 371 :

    目の前の人に多重影分身を教われば解決だな!(錯乱)

    385 :

    奇跡は起きない希望など無い諦めろ
    慈悲も無い

    386 :

    素直にハギヨシさんに相談するという手はないんですか

    387 :

    とーか怖い

    388 :

    ハギヨシさんに「お嬢様含む皆さんと逢い引きの約束をしたけどすっぽかす方法考えてください」とでも言えってのか

    389 :

    せめて誰も傷つかないような道を探ってくれないのだろうか

    390 :

    その考えは余計に事態を泥沼にさせるんだよなぁ

    391 :

    ――翌日。



    「……2番だ。2番しかねぇ……」


    布団を頭からすっぽり被り、カーテンまで完全に締め切る。

    完全に外と部屋を遮断し、薄暗い部屋の中でスマホを操作する。


    熱出て夏祭りにはいけないこと
    喉やられて声が出ないのでメールを送っていること
    また今度埋め合わせをすること


    要約するとこんな文面のメールを一人一人に合わせて作成。

    上手くいきますようにと祈りを込めて、京太郎は送信を押した。

    392 = 1 :

    少し経つと、スマホから着メロが鳴り始める。

    相手は見るまでもなく龍門渕の誰かだろう。


    「……すいませんすいません……!」


    震える手をぎゅっと握り、布団の中で丸くなる。

    目を瞑り、ひたすらに時間が過ぎるのを待つ。


    兎に角、誰からの連絡にも答えない。

    そうすればきっと、諦めてくれるに違いない。

    393 = 1 :

    京太郎は恋を知らない。

    好きな人を思いやる心も、デートの期待に胸を膨らませた経験もない。

    故に、この後の展開もまるで予想ができない。



    「……仕方ないなぁ。まったくもう」

    「オイオイ、ガキかっての……ったく」

    「……風邪……粘膜……接触……」

    「むむ……キョータローは苦しんでいるのか……」

    「…………」



    メールを読んだ五人が看病のために自宅に集うまで。

    そう、時間はかからない。

    396 :

    そらそうよ

    397 :

    一体(須賀家で)何が始まるんです?

    398 :

    無言の透華さんヒェッ

    399 :

    そらそうなる

    400 :

    何が始まるんです?


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