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    元スレ京太郎「修羅場ラヴァーズ」爽「完全無欠のハッピーエンド!」

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    851 :

    どうなる?

    853 :

    ――こいつは、キョウタローを捨てようとしてるのに!


    きっと、彼の献身は報われない。

    宮永咲の想いの行く先は、彼には向いていない。

    その後押しを受けながら、彼女が京太郎に振り向くことはない。


    「……なら」


    ――諦める?

    854 = 1 :

    いや――そんなことは、在りえない。


    挫けかけた心を、鼻で笑い飛ばす。

    宮永咲が京太郎を捨てるなら、奪い取るだけ。

    京太郎が咲ばかり見ているのなら、無理矢理にでも振り向かせる。


    ――負けない! きょーたろーも、勝利も! 奪い取る!

    ――ネリーには、お金がいる……でも、それだけじゃない!



    少女たちの想いが激突する中で、決勝の火蓋が切って落とされた。

    855 :

    このネタ一回で終わらすにはもったいねーな
    個別でスレを建てられるくらい完成度高いと思う

    856 :

    ネリかわ

    857 :

    ネリーがんばれ

    858 = 1 :

    「フェイタライザー……だったかな」


    「運の波に乗る力。自分の好きなように、運命を手繰り寄せる能力」

    「だけど、きょーちゃんのソレは自分の為には使えない」

    「全て、『アイツ』の為だけに使われてる」



    「そのためだけに、きょーちゃんは生まれて来たんだから」



    「……まったく、妬けるねぃ。『サードマン』ってのを差し引いてもさ」


    「でも、それも直ぐに終わる」


    「きょーちゃんも、それは解ってんだろ?」

    859 :

    間近にいる咏の言葉すら、耳に届かない。

    視界は霞み、思考すら曖昧になっていく。


    「 」


    意外にも、気怠さや苦しさは感じない。

    ……というよりは、それを感じ取れる機能も既に消えてしまった。

    後少しで、自分という存在は完全に消え去るだろう。


    「 」


    でも、それでも構わない。

    少女の望みが果たされ、笑顔でいてくれるのならば――

    860 = 1 :

    『京ちゃん』

    「 あ 」


    ――少女。


    『きょーたろー!』

    「 れ 」


    ――少女って。


    『キョウタロー?』

    「 」


    ――誰、だっけ?


    判定、下3までの平均
    1~60 特徴的な民族衣装を着た女の子が、息を切らして駆け付けた。
    61~00 特徴的な民族衣装を着た女の子と、白いワンピースのような制服を着た女の子が、息を切らして駆け付けた

    861 :

    ふむ

    866 :

    安価の結果だから仕方ないけどここに穏乃も入れて上げたかった……

    867 = 1 :

    もう、京太郎には何も見えず、聞こえない。

    身体を起こすどころか、指先を動かすだけの力も残っていない。


    「きょーたろー!」

    「キョウタロッ!」


    そうして、京太郎の瞼が完全に降り切った頃。

    特徴的な民族衣装を着た女の子と、白いワンピースのような制服を着た女の子が、息を切らして駆け付けた。


    「ふむふむ、やっぱりねぃ」


    彼女たちが此処に来たという事は、決勝戦は幕を下ろしたということであり――京太郎の役目は、終わったということだ。


    「さて……それじゃあ、始めよっか」


    慌てて駆け寄ってくる二人を前にして、咏の唇は弧を描く。

    これから始めることが、楽しみで仕方ないと言わんばかりに。

    868 = 1 :

    咏は、指先で京太郎の顎を持ち上げる。

    そして、そのまま身を屈めて。


    「いただきまーす……てね♪」


    二人に、見せ付けるように。

    唇を、重ね合わせた。

    869 :

    この童女、必要な事とは言え、ガソリンの海にナパーム弾を叩き込みやがったwww

    870 = 1 :

    その瞬間、少女たちの思考は真っ白に塗り潰される。

    宮永咲に向けていた憤りや、京太郎への淡い感情を、上塗りする想い。


    「三尋木、咏……!」

    「っ! きょーたろーに、何してんのっ!?」


    少女たちは、その想いの呼び方を知らない。

    しかし身を灼く激情を抑えることも出来ず、ただ咏を責め立てるように叫ぶ。


    「ふふふ……!」


    対して咏は、二人の様子が心底面白くて堪らないと、上機嫌に扇子を扇ぐ。


    「さて、わっかんねー……てねぃ♪」

    「ふっざけんな! きょーたろーはっ」


    そして彼女は知っている。

    その感情は――嫉妬と、呼べるもの。

    871 = 1 :

    この世の何よりも強い女の情念。

    二人分のソレを真っ向から受け止めて尚、咏は上機嫌にころころと笑った。


    「さてさて、それじゃあ聞いてみるかい?」

    「はぁっ!?」

    「……誰に」


    喚き立てる淡と、冷静でいようと努めながらも溢れる感情が抑えきれていないネリー。

    面白いくらいに予想通りの反応を見せる二人を前に、咏はあえて挑発的な声音で語りかける。


    「だれって、決まってるだろう?」


    咏の指が、横たわる京太郎の頰へと伸びる。

    その指先から伝わる感覚は――仄かに、熱い。


    「みんなが愛しくて愛しくって堪らない――この子に、さ」

    872 = 1 :

    先程まで、死んだように目を閉じていた彼の瞼が微かに動く。

    少女たちの激情に応えるように、彼の身体が熱くなっていく。


    「く……う、ぁ……?」

    「きょーたろー!」

    「だ、大丈夫っ!?」


    『サードマン』が消え去るのは、『お友達』に不要とされるから。

    ならばソレを上回る程の想いで、彼を引き止めるコトが出来るのなら。


    「くふふっ」


    そうして咏は、目論見通り『お友達』から『須賀京太郎』を切り離すことに成功した。

    女の情念を煽ることで、彼の存在承認をより強固なものとした。

    故に、後は。


    「いやぁ、楽しみだ」


    コイツらから、彼を奪い取る。

    ただ、それだけだ。

    873 = 1 :


    瞼が徐々に開かれる。

    何度か瞬きを繰り返して、ぼやける視界が少しずつ鮮明になっていく。


    「ここは……」


    先ほどまで、咏と話していた公園。

    自分の役目は終わった、それは確信している。

    だというのに、自分がまた目覚めたということは。

    自分を必要とする『少女』が、未だ。


    「俺、は……そう、か――」


    ぎこちなく、口を動かす。

    目を開いて、最初に彼が呼びかけた名前は――

    874 = 1 :


    「あれ?」

    「どうしたの?」

    「……ううん、何でもないよ。お姉ちゃん」

    「何だか、悲しそうに見えるけど」

    「そう、かな?」

    「うん……よかったら、聞かせて? 今までの分も、あるから」

    「……えっとね。何て言えばいいのか、わからないけど」


    ――大事な何かを、失くしちゃったような、気がして。

    875 = 1 :


    ――インターハイ終了から、数週間後。

    アレクサンドラ・ヴィントハイムは机の前で頭を悩ませていた。

    876 = 1 :

    臨海女子の共学化と、それに向けて二学期からの男子生徒の受け入れ。

    余りにも唐突に決まったので驚かされたが、それだけならまだいい。

    自分たちの商売には強く影響しない。

    問題は、それに伴って転校してきた男子生徒が麻雀部に入部してきたこと。


    「恋に浮かされた小娘の戯言、だと思ってたんだけどね……」


    そして、その男子生徒の名前が須賀京太郎ということだ。

    877 :

    アレクサンドラが臨海麻雀部の『選手』に求めることは二つ。

    自分を痺れさせる貪欲さと、商売になるかどうかだ。


    この二点を元に『選手』として評価するなら、現時点での京太郎は落第とせざるを得ない。


    磨けば光るモノは持っているように感じるが、今の臨海はそんな悠長に選手が育つのを待ってはいられない。

    男子生徒の数が増えて男子麻雀部が設立されれば、恐らく似たようなスタンスを上から強いられる事になるだろう。


    「しかし、ソレを理由に彼を退かす事は……論外か」


    別の側面から、『部員』或いは『マネージャー』としてみれば、彼は中々に有用だ。

    見てくれに似合わず意外と気も効くし行動もテキパキしている。

    雑用も嫌がらず率先して行うからか、サトハや明華たちの覚えも良い。

    無論、それだけなら彼を麻雀部に置く理由にはなり得ないのだが。


    「……さて、どうしたものか……」


    アレクサンドラの悩みの種は、彼そのものよりも、彼を取り巻く女たちにあった。

    878 = 1 :

    悩みの種の一つ。

    我らが大将、ネリー・ヴィルサラーゼ。

    彼女は、明らかに須賀京太郎に惚れていて――その恋慕が、ネリーの力を後押ししている。

    恋愛感情なんてモノが絡むのは不安要素でしかないが、結果を出している以上は口出しできない。


    「……はぁ」


    溜息を吐きながら、手元の資料を捲る。

    悩みの種のその二。


    「なんで、白糸台の大将がこっちにやってくるのやら……」


    大星淡。


    夏のインターハイで、激戦を繰り広げた白糸台の大将。

    何がどうなったのかは皆目検討つかないが、彼女も臨海女子へと転校してきたのだ。


    件の男子、須賀京太郎と一緒に。

    879 = 1 :

    彼女もまた、京太郎にラブのベクトルを向けている。

    ネリーと度々火花を散らし、下らないラブ・コメディを部内で演出している。

    外でやれ、むしろ出て行けと言いたいところだがソレが起爆剤となって成績が上がっているので今のところは放置中。


    「……」


    最後に、無言で資料を捲る。

    三つ目にして、最大の悩みの種。


    「なんで」


    特別指導員、三尋木咏。


    「なんで、日本代表の先鋒まで来るんだか……!」


    この名前に、アレクサンドラは毎日悩まされている。

    880 = 1 :

    信じたくないが、咏が度々京太郎に向ける目線。

    それに込められた意味を、アレクサンドラは察してしまう。


    「ああ、もう……どうしたらいいんだか!」


    信じられないようなことが連なり、今の状態が出来上がってしまった。

    そのせいで、今の麻雀部は非常に危ういバランスの上に成り立っている。

    大きな波のうねりに物事が運ばれているような、そんな錯覚すら覚える。

    そして、その物事の中心に立っているのは。


    「……いや、考え過ぎか」


    溜息を吐き、椅子に体重を預けて目を閉じる。

    ギシ、と小さく軋む音がした。

    881 = 1 :


    ――夏休み明け、清澄にて。

    882 = 1 :


    姉とも和解し、咲は充実した気持ちで新学期に登校する。


    気力も十分に放課後を迎えた彼女は、少し強めに部室の戸を開けた。

    883 = 1 :


    「あれ?」



    「そっか、京ちゃんお休みだっけ」



    「え? 聞いてないって……何を?」



    「え」



    「京ちゃんが……転校……?」

    884 = 1 :


    『きょーちゃんが解放されるのは』


    『そいつの心の隙間が埋まった時か』


    『そいつの心に、昔と同じぐらいデッカい隙間を作ってやるか』

    885 = 1 :


    少女は、満開の花が散っていく様を、幻視した。


    886 = 1 :


    といったところでサードマン短編終了
    短編というかプロローグ
    京太郎の全国以降の存在感の薄さとかフェイタライザーのアレコレを考えたら変な方向に話が飛んでいった

    次はシノハユ編続きから
    それ終わったらいくつか小ネタ書いてスレ終わります


    でもまだ書きたい話が
    ・大阪二校
    ・ヒッサ編
    ・ネリーに原作みたいに悪い顔させたいのでヒロイン未定・ネリー可愛い補正なしの臨海編
    ・ヤン(キー)デレ京太郎
    ・先生編で高校絞ってリベンジ
    ・まだいくつか書いてない義姉ネタ
    ・怜に憑依しちゃった話
    ・アナウンサー組でラストシンデレラ


    と色々出て来たのと書いて来たら少しずつモチベ上がって来たので多分また何かスレ立てると思います
    修羅場・ヤンデレに限らず書いてくので立てるとしてもスレタイは変えると思いますが

    888 :

    咲さんが失って京太郎の大切さに気づいて取り返しに来る展開はまだでせうか?

    890 :


    サードマン次元で宮守メンバーの設定どうなってるか気になりました

    891 :

    乙です
    シノハユ編続きも楽しみです

    892 :


    大阪とアナウンサーは見てみたい

    893 :


    スレ続きやったー!

    894 :


    照も絡ませてもっとドロドロさせてみたかったぜ

    895 :

    ヤンデレ京太郎とアナウンサーというよりかはこーこちゃんを見たい

    897 :

    それはすばらですっ!!

    898 :

    安価って怖いなー

    899 :


    ネリー可愛い補正無しの臨海編は悪い顔のネリーがヒロインでいいんじゃね

    900 :

    唐突だが、京太郎は甘やかすよりは甘えたい派である。


    家庭的で女性的な年上のおねえさんに思いっきり甘えたい――とまぁ、そんなシチュエーションに憧れるお年頃。

    何故だが清澄ではちびっ子の面倒を見る機会が多かったが、今でもその憧れは変わらない。


    そして、今。


    「はぁ……」

    「こーら、幸せ逃げるよー?」


    京太郎は憧れのシチュエーションの、真逆の状況を体験していた。


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