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    元スレ京太郎「修羅場ラヴァーズ」爽「完全無欠のハッピーエンド!」

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    551 :

    乙っした!!!!

    552 = 1 :

    プロ・大人勢から適当にチョイス下3まで

    553 :

    ノーウェイ

    554 :

    555 :

    野依

    556 :

    かいのうさん

    557 :

    シノハユだとしたら戒能さんの年齢……
    善野監督

    558 = 1 :

    シノハユはやり編にノーウェイさん難しいので義姉編でもいいですか(小声)

    559 = 553 :

    しゃあないか

    560 :

    三尋木咏にとって、義弟の存在は目に入れても痛くない――どころか、ずうっと瞼の裏側に閉じ込めていたい程である。

    所謂ブラコンというヤツで、それは自他共に認めていることだ。


    「は……オイ、なんだいありゃあ……?」


    では、ここで一つ問題がある。

    そんな愛しの義弟が、目の前で余所の女に誘惑されて。

    対局相手の女子プロに、ハニトラ染みた勧誘を受けて。

    そんな様子を、解説として招かれているために、モニター越しに見せつけられている状況で。

    その激情の矛先は、果たしてどこに向かうのか。


    「あ、あの。三尋木プロ? ちょっと、落ち着いてですね……?」


    彼女の相方であるえりは、全力で放送事故が起きぬように務めるしかない。

    しかし、内心では逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

    561 :

    三尋木京太郎。

    今年度インターハイ男子の部の優勝者にして、三尋木咏の弟。

    血の繋がりは無いが、圧倒的火力で卓を蹂躙するスタイルは間違いなく姉譲りのもの。

    女子に比べて実力が低いとされる男子の部では、予定調和のようにトップの座を捥ぎ取って見せた。

    そうして今は、優勝後のエキシビション・マッチで卓についているのだが――


    「三尋木プロ、とりあえず落ちついて……」


    ぎり、ぎり、ぎり。
    みし、みし、みし。


    返事の代わりに返ってきた、歯軋りと扇子が軋む音。

    とてもじゃないが、その表情は直視できない。

    冷や汗を流しながら、えりはモニターを注視する。

    562 = 1 :

    『卒業後の進路は決まってる? ハートビーツなんかオススメだけど☆』


    ばちこーん☆とウィンクと星を飛ばす現役ベテランアイドル雀士。

    憧れのアイドルを前に、京太郎は鼻の下を伸ばして頬を赤くする。


    『ノーウェイ。彼の才能を活かすならフロティーラ一択でしょう』


    何が一択なのか、具体的な理由は不明。

    だがしかし、彼女も京太郎好みのスタイルをしている。

    それがより一層、咏の機嫌を悪くさせた。


    『神戸! いいところっ』


    ……どの辺が? と突っ込みを飛ばしたいがえりとしてはそれどころじゃない。

    563 = 1 :

    ここで京太郎全部きっぱりと断ってくれたのなら状況は好転するのだが、残念ながらそれはあり得ない。


    咏は、義弟の教育には全身全霊を込めている。麻雀においても、私生活においても。

    始めて出会った日の事や、始めて麻雀を教えた日の事。

    瞼を閉じれば、五分前の事のように脳内再生が可能だ。


    それほどまでに溺愛していて――だからこそ、女と関わらせる事は殆どさせなかった。

    指導の為に仕方なく他の女と関わらせるにしても、物理的に手の届く範囲内でしか許さなかった。


    詰まる所、京太郎は咏の保護なく女性と関わる機会がなかった為に。

    女性に対する免疫・耐性がついていないのである。

    564 = 1 :

    「ああぁ……京太郎ぉ……」

    「だ、大丈夫ですよ三尋木プロ……えぇ、多分……」


    京太郎という存在は様々な意味で期待株であり優良物件だ。

    長い間不足していた男子麻雀界の期待の星。

    女子プロ達にとっては、将来が楽しみな逸材であり――あわよくば、といったところ。

    元々出会いが少ない仕事において舞い込んできた数少ないチャンス、それを逃す道理はない。


    「……えりちゃん」

    「あ、はい」

    「あと任せた」

    「は、いえ!?」


    もう我慢できねぇ。

    席を立つ咏と、羽交い締めで止めるえり。


    『ふふ……良い手、だね。いっぱい練習してることがわかります』

    『いやぁ、それほどでも……』


    その背後のモニターには、良子に手を握られて赤面する京太郎が映っていた。

    565 :

    おつん

    566 = 565 :

    ageちまった……スマンorz

    567 :

    良いね良いね
    乙でした

    568 :

    やっと追いついたー

    569 :

    久しぶりにこのスレザッと読み直したけど、霞さんの義姉ネタってこのスレじゃなかったっけ?

    570 :

    「お、お父様!? どうしてここに!?」


    と、龍門渕の透華さん。

    どうしても何も。
    あなたの龍門渕を決勝で破った清澄所属ですが……雑用だけど。


    「パパ、モッテモテだねー」


    そうだね。
    できれば身に覚えのない父娘じゃなくて普通に知り合いたかったなぁ。


    「……おとーさん……私より、そいつらが大事なの……?」


    騒ぎを聞きつけたのか、さっきの子も追い付いてシャツの裾を引っ張ってくる。
    捨てられた子犬のような目線が、事実無根の筈なのに胸の内を抉る。


    複数の女子に取り合いをされる、と書くと喜ばしい筈なのに。
    いざ、その直面になると何もかもを放り出して逃げ出したくなった。

    571 = 1 :

    「待ちなさい、あなたたち」


    そんな混沌とした状況に、また新しい声。
    どうせまた厄介ごとだろう――と半分諦めながら京太郎は振り向く。


    「京太郎が困ってるでしょ?」


    有無を言わせず女子3人と京太郎の間に割って入ったのは、風越のキャプテン福路美穂子。
    女子3名の抗議の目線を物ともせず、彼女たちを京太郎から引き離した。


    「大丈夫? 怪我はない?」

    「あ、はい……大丈夫、です」

    「そう、よかった――あなたに何かあったら、私……」


    ホッと安心して息を吐く美穂子。
    京太郎としても、やっと現れてくれた唯一の味方。
    この状況を喜びたい、が。


    ――この人、こんなに俺と親しかったっけ……。


    なんとなく、不安が拭いきれない。

    572 = 1 :

    「パパ、その人はー?」

    「お父様……まさか、私達というものがありながら……」

    「おとうさん……そいつのせいで……?」


    異口同音に抗議してくる娘(仮)たち。


    「あ、いや、コレは違くて……」

    「わかってるわ、安心して」


    テンパる京太郎だが、美穂子は落ち着いて微笑む。
    もしかすると、本当に救いの手が現れたのかもしれない。


    「あなたがそんな人じゃないって、わかってるから」

    「ほ、本当ですか」

    「ええ、だって」


    京太郎は、気を抜かずに身構える。
    またこの人も、娘とか言い出すんじゃ――


    「私の――おかーさんの育てた、自慢の息子ですもの」


    ――ああ、そうきたかぁ。

    ガックリと両肩を降ろして、京太郎は項垂れた。

    573 :

    カッチャマ……

    574 :

    ネリー純愛スレはここですか?

    575 :

    ママ!

    576 :

    待ってたやつの続きがきてウレシイ……ウレシイ……

    577 :


    いつも、きみのそばをあるくもう一人がいる。

    578 = 1 :


    サードマン、或いはイマジナリー・フレンドと呼ばれるモノがある。
    危機的状況に現れ助けてくれる人、自分を絶対に助けてくれる友達。


    例えば、遭難しかけたところを導いてくれたとか。
    例えば、寂しい想いを過ごした幼少期の頃に励ましてくれたとか。

    世界各地で様々な例が挙げられているが――それらには、一つ共通点がある。


    不要になれば、いなくなるということだ。

    579 :

    きてた

    580 :

    「アレ……?」


    くらり、と目眩を感じて京太郎は宿泊所の壁に寄りかかった。
    体調は悪くないし、ずっと室内にいたから日差しにやられた訳でもない。

    なのに、急に全身から力が抜けていく。


    「……あー、そろそろ、かぁ……」


    家族と別れ、傷付いた心の隙間を埋める。
    麻雀部へ参加する。
    姉と再会し話をする為に、全国に行く。

    須賀京太郎という存在は、少女をこの流れへと運ぶ為に生まれてきた。
    彼女が全国大会に来た時点で、目的の3分の2は果たされた。

    後は、最後の一つを満たせばお役御免となるだろう。

    581 = 1 :

    『須賀くんて、意外と面倒見良いのね』


    大分前、部長にそんな事を言われた覚えがある。

    当たり前だ。
    少女の心を慰め、迷子になったら助けてやる。
    その子にとっての頼れる存在となる為だけに、自分は存在しているのだから。

    ――もっとも、もう直ぐその必要もなくなるのだが。


    「全国に来てから、こんなんばっかだなぁ……」


    清澄が勝ち進んで行く度に、部内での自分の存在感は薄れていく。
    それはつまり、その少女が自分の助けを必要としない程に成長しているということ。

    それは嬉しいことだけど、少しだけ寂しい。


    「……まぁでも、しゃーないか」


    ぐっとヘソに力を入れて持ち直す。
    せめて結末を見届けるまでは、少女の側にいたい。


    「気分転換に、どっか出かけるか」

    キャラ安価 下2

    583 = 579 :

    ネリー

    584 :

    霞さん

    585 = 1 :

    外は曇り空。
    空気はジメッと生暖かく、少し不快感がある。

    気分転換にと出掛けてみたものの、これなら合宿所にいた方が良かったかもしれない。


    「ん、アレは……」


    それでも何だか勿体無い気がして外をブラブラしていると、見覚えある少女が困った様子で辺りを見渡していた。
    特長的な民族衣装に身を包んだ彼女は確か――ネリー・ヴィルサラーゼといったか。


    「どうかしました?」

    「エ?」

    「いや、なんか困ってる風なんで」

    「エ、なんで?」


    助けになれるかも、と声をかけてみたら益々困惑気味に。
    赤の他人に声をかけられれば、確かにそうなるかもしれない。


    「なんでってまぁ、特に理由はないけど……」

    「なにそれ……けど、助けてくれるの?」

    「ん、まぁ……内容によるけど……」

    「……何も、あげられないよ?」

    「いらねーよ」

    「……」


    ネリーは、悩んだ様子で口を閉じ。

    少し経ってから、京太郎を上目遣いで見つめて。


    「えっとね――」


    ネリーの悩みは―― 下3自由安価

    586 :

    お金が欲しい

    587 :

    なにかが足りない

    588 :

    財布を落とした

    589 :

    お金では決して手に入らない、本当の愛が欲しい

    590 = 1 :

    「財布を……? 特長は?」

    「白い、ネコみたいなの」

    「なるほど……心当たりのある場所は?」


    ふるふる、とネリーは無言で首を横に振る。
    思い当たる場所は全て探しているのだろう、その首筋には彼女の疲労を示す汗がじんわりと浮かんでいる。


    「このままじゃ……」


    不安げに空を見上げるネリー。
    雲の色が段々と濃くなっていくその様子は、今にも強い雨が降り出しそうに見えた。


    「わかった、一緒探そう」

    「いいの? 中身は」

    「だからいらないって。この辺でまだ探してない場所を探すか」


    未だオロオロしているネリーの手を掴んで歩き出す。


    「あっ……」

    「あ、わ、悪い」


    つい、いつものノリで手を掴んでしまったが相手は初対面。
    掴んだ手のひらから驚いた様子が伝わってくる。

    慌てて、謝りながら手を離そうとするが――


    「……別に、いいよ」


    きゅっと、繋いだ手を、小さな手で握り返された。


    「そ、そっか……んじゃ、急ごうぜ。天気が崩れる前に」

    「……うん」

    591 = 1 :

    天候が荒れる前に、と口に出しながら。
    気恥ずかしくなって熱くなる頰を誤魔化すように、急ぎ足で。


    「良かったぁ……!」

    「何とか見つかったなぁ」


    結論から言えば、財布は見つかった。
    自販機の下の奥の方にに転がり落ちていて、ネリーの体格では手が届かなかっただろう。


    「ありがと! えっと――」

    「須賀。須賀京太郎」

    「キョウタロ!」


    ピョンピョンと跳ねて、文字通り小躍りするネリー。
    様々な理由から懐事情に厳しい彼女にとって、この状況は九死に一生。気分は奇跡の生還者である。

    自然と京太郎の頰も緩む。


    「あ、ヤベ」


    しかし、そんな時間は長く続かない。
    いよいよ崩れ始めた空から、ポツポツと雨の雫が降り始める。


    「それじゃ! 俺はこれで!」

    「あ! ちょっと――」

    592 = 1 :

    雨の向こうに消えて行こうとする背中。
    反射的に、ネリーは手を伸ばし――

    直下
    1~50 すり抜けていった
    51~00 シャツの裾を掴んだ

    593 :

    594 :

    595 = 1 :

    伸ばした手は、彼を引き止められず、すり抜けていく。

    あっという間に、雨の向こうに消えて行く背中を見送ることしかできない。


    「あ……」


    何で手を伸ばしたのか、それすら分からない。
    財布は見つかったのだから、それでいいじゃないか。

    自分にそう言い聞かせても、胸の内が締まるような気持ちになる。


    「キョウタロ……」


    彼の名前を小さく呟き、微かに温もりの残る手のひらを胸にやる。
    少しだけ、胸が楽になったような気がして――鼓動が、速くなった。

    596 = 1 :

    一年ぶりくらいに書く気がするネリー
    今晩はここまでですがサードマン京太郎はまだ続きます

    597 :

    おっつー

    600 :

    ネリかわ乙


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