元スレ京太郎「修羅場ラヴァーズ」爽「完全無欠のハッピーエンド!」
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251 = 1 :
――ねえ、知ってる? 須賀って――。
妙な噂話。
ひそひそと陰で話す女子の声。
あまり質の良いモノではない。
無名の零細部からインターハイ優勝を成し遂げた清澄麻雀部には、様々な噂がある。
根も葉もないものから、わりと的を射ているものまで。
その中には、京太郎を小馬鹿にするものもあったが――京太郎は、それに気付いていながらも無視をした。
人の噂も七十五日。面倒だった。
名前も知らない奴らと話をして噂を晴らすよりは、下手な麻雀の練習でもしていた方がまだ建設的だ。
252 :
曰く、「須賀が麻雀部にいるのは女子が目的」
曰く、「須賀が麻雀部にいるのは弱味を握られてるから」
曰く、「須賀は麻雀部でドレーのような扱いをされている」
……よくもまあ、こんな妄想を噂に出来るものだと思う。
誰が流しているのか不明な噂、相手するだけバカらしい。
京太郎はただ全てを、苦笑で流す事を選んだ。
それが、間違いだったと気付くのはずっと、後の話だ。
253 = 1 :
数日後。
「はぁ……」
京太郎は、疲れていた。
噂と視線は、少しずつ少年の精神を削っていく。
「京ちゃん、大丈夫?」
「……なんでもねーよ。寝不足なだけだから」
心配そうにする幼馴染に適当な言い訳をしながらレディースランチを口に運ぶ。
部長が大学進学への準備で部活に顔を出せず、人手が足りない清澄麻雀の現状。
それを考えれば、部員に余計な心労を負わせたくなかった。
254 :
京太郎ェ
255 = 1 :
少年の間違いは、見栄と余計な気遣い。
少女たちの間違いは、何もしなかったこと。
「……?」
それは、ある日の放課後。
部活に行く前に、名前も知らない上級生に呼び止められて。
――ヤッたんたろ? 竹井先輩と。
――どうだったって、聞いてんだよ。
彼らにしてみれば、軽い気持ちで。
『竹井久がカラダを売った見返りに、京太郎を労働力にしている』
そんな噂の真偽を、確かめているにすぎない。
だが、しかし――あまりにも、間が悪かったちの
256 :
京太郎は、疲れていた。
余裕が、なくなっていた。
そんな時に、下卑た視線と口調で。
自分を、麻雀部に誘ってくれた部長を。
優勝した時、本当に嬉しそうにしていた部長の。
――竹井先輩、色々ヤッてるって話だし――
上級生の言葉は、続かなかった。
言葉を言い切る前に、殴り倒されたからだ。
257 = 1 :
瞬間的に頭に血が昇った。
つい手が出てしまった。
――な、てめ!
――須賀が、あいつがっ!
HRと部活動の合間。
多くの生徒が行き交う廊下で。
麻雀部について、色んな噂が流れている時に。
――やっぱり、あの噂は……。
時間も、場所も、タイミングも。
何もかもが悪かった。
258 :
a
259 :
oh……
260 = 1 :
噂は、あっという間に伝播する。
良いものを塗り潰して、悪いものだけが残る。
そして悪いものだけが残ると、また悪い噂が広まって。
「――それで、少年は非行へ走ったと。泣ける話だねぃ」
「……」
「そんなツラで睨むなって。イケメンが台無しだろー」
261 = 258 :
a
262 = 1 :
一人の少年が真面目さを捨て、部活を辞め、転校するまでの話。
何が面白いのかは京太郎には分からないが、目の前の女性は童女のように笑う。
「でもよー、何だかんだで未練はあるんだろ? こんなところでさー」
……それは、ただの勘違いだ。
気紛れに、暇潰しにフラフラと歩いていたら、雀荘が目に入ったから。
「……そっすか。じゃあ俺はこれで」
「ちょい待ちなって。今度はこっちの話も聞いとけよ、損はしねーからさ」
263 = 258 :
a
264 :
「お前さん、まだ学生……高校生くらいだろ? まぁ、すぐ終わる話。聞いとけって」
こんな時間に、こんな場所で、こんな相手と卓を囲んだのが運の尽きだったか。
京太郎は拗ねたように眉をひそめて、小さく舌打ちをすると上げかけた腰を下ろした。
「だからそんな顔すんなって。似合わねーから」
「……」
「……ま、いいか。コレ、私の連絡先だ。財布にでも入れときな」
「……ハァ?」
一枚の紙。
名刺くらいのサイズに、手書きで彼女の名前と携帯電話の番号が書いてある。
265 :
a
266 :
ヒッサは他の生徒からもロッカーおもわれてるんか...
267 = 1 :
「なんで、こんな」
「わっかんねー」
「……」
「あ、ちょ、破くなって!……たく、しょーがないねぃ」
ペチペチと、扇子で自分の頬を叩きながら。
彼女――三尋木咏は、にやりと自分の唇を吊り上げて。
「もったいね~ってのと、女のカンってヤツかな」
「意味わかんねぇっすけど」
「ああ。私もわっかんねーから安心しろ……まぁ、ホントに気紛れみたいなもんだから」
「……」
「なんとなくだけど、さ。資質っぽいのはあると思うんだよねぃ。今は腐り切ってるけど」
「……」
「あとは――まぁ、一目惚れみたいなもんかな。婿養子って、興味あるかい?」
268 = 265 :
a
269 = 1 :
咏と別れて、深夜の帰路を歩く。
久しぶりに打った麻雀で、惨敗したが悪い気はしなかった。
……あの、意味不明な出会いを除いては。
「なんだってんだよ……」
今の高校でも、麻雀部に入る気は無い……というより、部活に入る気がない。
真面目にやる事に、疲れてしまったから。
「……」
煙草やら酒やらに興味はないが、誰かと喧嘩をする事に躊躇いはないし、学校だって平気でサボる。
不良だとかクズだとか言われても仕方ないような生活をしている――それが今の自分だ。
「……ホント、意味わっかんねーよ」
そんな自分に資質があるだとか、しかも一目惚れ?
あまりの意味不明さに、溜息を吐きながら空を仰ぐ。
270 :
婿養子(ヒモ)でもいいじゃないか
271 = 1 :
「ま……どうでも、いいか」
どうせ、また会う事はない。
さっさと帰って、何も考えずに寝よう。
起きれたら登校して、起きれなかったらサボろう。
そんな舐め切った考えで、夜道を歩く。
……けれど、夜はまだ終わらない。
彼を引き止める声と出会いは、この後にもある。
272 = 1 :
「京……ちゃん?」
随分と懐かしい気がする呼び方に、足を止める。
こんな時間に、こんな場所で。
有り得ないと思いながらも、京太郎は振り向いた。
273 :
噂話にイライラ
↓
尊敬してる部長への侮辱でブチ切れ
↓
一発かまし、噂がエスカレート
↓
開き直って京太郎グレる
↓
転校
そんなヤン(キー)デレ京太郎
ヒロインは咏と照と久
男のヤンデレって書いてて楽しくないから捻ってたらこんな微妙なノリに
次にヤンデレ京太郎を書くならちょい違うノリでヤン(キー)デレ京太郎か、(物理的な)ヤンデレ京太郎を書くかも
多分次は大学生編です
おとうさんのアレは続くかもしれないしアレで終わりかもしれない。つまりは未定
274 :
すげー気になるわ
小ネタじゃなくて本腰入れて書いて欲しい
275 = 266 :
最近は照の転校時期が明らかになってしまい京照は減少傾向だよね。
276 :
乙です
誰が京ちゃんの溜め込んだものを発散してくれるのだろうか?(意味深)
278 :
乙です
最初全てはヒッサ策略だと思ってました
279 :
乙です
続きが気になる
280 :
乙
見込んだ咏、大学進学心配だが去られた久も心配だが
引き的に照が気になる
282 :
別シナリオでは悪評からテルーは全力で守りきったけど、
ヒッサは放置してたからちかたないよね
283 :
「ガンダムとかであんじゃん」
「んー?」
「初代が最高とかエイジはないとか、鉄血意外といいとか」
「あー」
「アレと同じでさ、俺にとっての牌のおねえさんははやりん一択なわけよ」
「ふーん」
「だから、他のアイドルの子が出てきてもナンバーワンは――」
「それがユキのおっぱいガン見してた言い訳か」
「はいすんませんっした!」
284 = 1 :
「第一さー。彼女への言い訳に他の女の名前使うのはどうなんよ」
「はい……」
「確かにユキかわいいけど。かわいいけど」
「うん……」
「でもさ、京太郎の彼女は私なわけじゃんか」
「……」
「なんつーか、彼女として自信なくすっつーか――」
「それはない」
「お?」
「俺のナンバーワンはいつだってお前だよ」
「お、おぅ……おう」
285 = 1 :
「……」
「……」
「いや。ちょっと今のキモいかも……」
「お、おう……言ってから恥ずかしくなってきた」
「……まーでも、許す。許してやろー」
「おお……!」
「その代わりメシ奢れよー」
「おー」
「いえーい」
「いえい」
286 = 1 :
……などとまぁ、ちょっと小学生的な会話をしたりする相手。
一個上の先輩で、同棲相手。
「いぇーい」
「いぇいえーい」
岩館揺杏、彼女が京太郎のガールフレンドだ。
287 :
いぇーい
288 :
いぇーい
289 :
こりゃ楽しみ
290 :
いぇーい
291 :
いぇーい
292 :
ゆあんいぇーい
かわいすぎなんなのもう
293 :
すんごいかわいい
294 :
京太ロット、ゆあんがかわいいか?
295 :
>>294
やめろここの1ならやりかねん
296 :
やっと追いついた
>>1のおかげでネリーの可愛さに気づけたよ、有珠山の良さにも
ネリー可愛い
揺杏いえーい
297 :
「あたためますか?」
コンビニで弁当を買ったことがあるならば、誰もが聞いた事のある言葉。
それに対する返答は、すぐに弁当を食べるなら「はい」で、時間が経つなら「いいえ」である。
「……」
迷うことなんてない質問……だというのに、京太郎は即答出来ずにいた。
表情は強張り、焦りで頬に汗が伝う。
たかが、昼飯を買いに来ただけなのに――
「あたためますね?」
「あの。手を、話してくれませんか。神代さん」
――何でか、巫女さんに迫られているからだ。
298 :
姫様がアルバイト……だと……?
299 :
自分と彼女、二人分の昼飯を買いに来ただけだというのに。
レジに立つ巫女さんに、熱っぽい視線で見つめられ、生暖かい手に握られて足止めをされている。
しかも。
「あたためませんか?」
「……いえ、結構です」
「あたためましょうよ」
「……」
この巫女さん、何か変なモノでも付いてんのか、と思うくらい会話が成立しない。
『はい』と頷けば解放されるのかもしれないが、それはそれでイヤな予感がした。
「あたためますかね?」
手を振りほどこうにも、ぴったりと接着されたかのように指が動かない。
そんなオカルト――と否定したいが相手が相手であるし――。
「あたためますね」
300 = 1 :
「はい、そこまで」
「ぎゃいんっ!?」
膠着した状況にトドメをさしたのは、レジの奥から出て来たもう一人のバイトさん。
その手に持つ祓串で、巫女さんの頭をひと叩きすると、巫女さんはあっさりと崩れ落ちた。
「……ふぅ。ごめんね須賀くん、迷惑かけちゃったね」
コンビニの制服と祓串という実にミスマッチな格好で、彼女は額の汗を拭った。
ネームプレートに書いてある名前は、狩宿巴。
巫女さんの先輩である。
「え、いや……その、神代さんは……」
「うん、まぁ……初めてのバイトだから。テンパっちゃうんだね」
「その、大丈夫なんですか……?」
「……大丈夫だよ」
「でも、さっきまで」
「大丈夫、だよ」
「……」
京太郎は、あたためた弁当×2を手に入れた。
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