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    元スレ未央「安価で他のアイドルに告白する!」

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    852 :

    ……ちゅ


    藍子「……へ?」


    ふと、気が付くと。


    未央「……あ」

    私の舌先は、柔らかくすべすべした物体と、冷たく味のついた液体を舐めとる感触で埋め尽くされていた。

    ほんの少し身を乗り出して、あーちゃんの口元を伝うドリンクを、彼女の唇のほんのすぐそばの場所に――私は唇を寄せていた。


    藍子「…………」

    ペーパータオルに手を伸ばしかけていた彼女の動きが、電池の切れたロボットのようにぴたっと止まってしまう。
    私も思わず衝動的にやってしまった頭の熱がほんの少し冷えて、彼女の柔らかな口元にくっついたままの唇の処遇を頭の中で問うていた。

    未央「……っ、あっ、ご……ごめん! つい……いやなんか、あーちゃん可愛いなって思ってたら、体が勝手に……!」

    処遇が決まる前に、私の唇は反射的に彼女から離れた。

    ……な、なにをやっているんだろう、私は。
    いや、さっきからずっとあんなに近くに彼女の唇があって、触れたい……って思ってたのは確かかもしれないけど、でも! こ、こんなに急にあんなことしたら、あーちゃんきっと怒って……!


    藍子「……するんですか?」

    未央「へ?」

    藍子「あの……友達とかに、するんですか? 今みたいなこと、結構……」

    あーちゃんは視線をこちらに合わさないまま、体の動きを止めたまま、そんなことをつぶやくように聞いてきた。

    853 = 672 :

    今みたいなことっていうと……その、零れたジュースをぬぐいとってあげる、みたいなことだろうか。

    未央「な、なんで急に?」

    藍子「い、いえ! 未央ちゃんってすっごくフレンドリーな人だから、あれくらい……ぱぱーってやっちゃうのかなって、思っただけで」

    彼女のその言葉に、私は心の中で自分に問いかける。
    ……いや、例えばしまむーとか茜ちんが同じようになってたら、そりゃあハンカチでぬぐってあげるくらいは反射的にやっちゃうかもしれないけれど。

    未央「思わず直接舐めとりたい……って思っちゃうのは、多分あーちゃんだけだなぁ……」

    藍子「……!」

    未央「……って、今声に出てた!? いやその……さっきのはほんとについ……」

    藍子「……それなら………………です」

    未央「へ?」


    藍子「そ、それなら……あの、今みたいなこと、もっと……し、してほしい、です」


    搾り出すように蚊の鳴くような震える声で、彼女のそんな言葉が漏れるように聞こえてきた。
    その言葉を聞いた瞬間……私の顔が、一気にかぁっと熱くなるのが自分でも分かる。

    藍子「という…………いや、その、す、すみません……」

    未央「う、うん……」

    ……なけなしの勇気を振り絞ったのだろう。あるいはそれで耐えられなくなったのか。
    彼女は沸騰したやかんみたいに頭から蒸気を昇らせると、その後ぴくりともこちらを向かないまま動かなくなった。……私が彼女の分のドリンクも飲み干すまで。

    854 = 672 :

    未央「……さて、お次はこれか……」

    ドリンクを飲み終わった後、ほんの少しして次のメニューが運ばれてきた。少し大きめのパフェなのは分かるけど……大事なのは、用意されているスプーンが一本しかないってことだ。

    「ごゆっくりどうぞー♡」

    そう言ってまたさっきのお姉さんが去っていく。……なんかあの人さっきから私たちの状況を楽しんでない!?

    未央「じゃあ……食べよっか。私も甘いのは好きだけど……これはなぁ。……ん、あーちゃん?」

    藍子「………………はぃ」

    未央「いや、なんかもう顔赤くなりすぎてすごいよあーちゃん。汗とか」

    藍子「…………ご、ごめんなさい。冷静になると、さっき私すごいこと……」

    未央「……うん。まぁそれを言うなら、今日のプールでずっと泣いてたのもすごかったけどね」

    藍子「忘れてください!! あれはもう忘れてください!!」

    ぶんぶんと頭を振って恥ずかしがるあーちゃん。
    ……いや、だけど。


    「今みたいなこと、もっと……し、してほしい、です」


    ――さっきのあーちゃんの言葉が私の脳裏をリフレインする。
    この個室に二人っきりの状況で、あんなこと言われたら。


    未央「(なんだか私も、さっきより大胆なこと、したくなっちゃうじゃんか……)」

    855 = 672 :

    未央「……はい、あーちゃん。……あーんして」

    ぼけっとしていても仕方がないので、一つしかないスプーンの先端でパフェのてっぺんを軽くすくうと、そのままあーちゃんの口元に持っていく。

    藍子「……!」

    あーちゃんは一瞬どきっと身を震わせたようだけど、覚悟を決めたのか、おずおずと口元を私が差し出したスプーンへと持っていった。



    ……ぱく


    手にしたスプーンの先端に、ほんの少し重みが加わる。
    彼女が目を瞑りながら、パフェを口に入れた感触だ。


    藍子「……もくもく、んく……」

    数秒、ゆっくりと味わうようにパフェを味わったかと思うと、次の瞬間には弾かれるように口を話して元の位置へと戻ってしまう。

    未央「……おいしい?」

    藍子「緊張して……味が、よく分からないです」

    未央「……だよね。私もさっきそうだった」

    あはは、と軽く笑っていると――あーちゃんが、私が持っていたスプーンを似合わないほど素早い手つきで取り去ってしまった。


    藍子「それじゃあ次は……未央ちゃんの番ですね。

    藍子「……あーんして、ください」

    856 = 672 :

    続きはまた明日書きます。
    ポッキーゲームでは理性がきかなくなる攻め本田とか誘い受けあーちゃんとか書きたい……

    857 = 851 :

    おつー
    期待してるけど無理だけはせんでな

    858 :

    乙、待った甲斐があった

    859 :

    おつかれさまでした。うーん甘い、いいぞ。
    あまり焦らず、マイペースでいいんだよ、こっちはいつでも待ってるからさ。

    860 :

    乙、久々のみおあいイチャイチャ見れて心がほっこり、明日も期待です。
    次回はブレーキが壊れてアクセル全開で押し倒しちゃう攻め本田さんと
    誘った結果予想以上の攻め本田さんに赤面でドッキドキにうろたえる受けあーちゃんかな

    862 :

    ちゃんみおはへたれ攻めなのではないだろうか

    863 = 851 :

    いつもはなんだかんだ空気読む常識人だから理性がぷっつんすると結構変わるのでは?

    864 = 672 :

    未央「うぇっ!?」

    藍子「わ、私ばっかり食べるわけにいかないじゃないですか。未央ちゃんも……はい」

    そう言ってあーちゃんは、私の目の前にパフェをのっけたスプーンを差し出す。

    未央「(う、うわ、さっきあーちゃんが食べたスプーンって意識すると、なんか……!)」

    ついさっき彼女が口にしたクリームの痕跡が後を引くようにスプーンに残っているところが妙に蠱惑的で、本当にこれに口をつけてしまっていいものかと思わず躊躇してしまう。

    未央「あ、あーん……」

    恐る恐るといった風にゆっくりとスプーンに口を伸ばし、そのままゆっくりとパフェを口の中に入れる。ふわっとしたクリームの口どけが舌の上に広がるが、そんな感触を素直に味わっていられるほど私の心はすでに平静ではない。
    スプーンに彼女の唾液がまだ残っているかもしれない、なんて考えると、なんだか無性に舌の位置が気になってくる。過剰に味わってしまうのもそれはそれでいけない気分になってくるというか、変態的っていうか……!

    未央「(っていうかコレ……よく考えなくても、あーちゃんと間接キス……しちゃってるんだよね)」

    その事実が改めて頭を覆うと、途端に胸の奥が熱くなってくる。舌先の間隔が鈍っているかのように、パフェの味も感触ももはやよくわからない。


    未央「……んく」

    未央「やっぱこれ……恥ずかしいね。すっごく……」

    藍子「い、いまさらですよ! 私も……うぅ」

    ついさっき告白しあった私たちが密室でパフェの食べさせあいっこって、なんだか色々な階段を駆け足で上りすぎな気がする。



    865 :

    未央「……なんか、いけないことしてるみたいな気分になっちゃうね、なんとなく」

    藍子「……わかりません。こんなことしたの、はじめてなので……」

    二人して俯いてしまって、なんだか変な空気が個室に流れる。

    未央「じゃあ、あーちゃん……はい」

    藍子「ま、また私ですか?」

    未央「そ、そりゃ交互に食べてかないとね……ほら、あーん」

    藍子「んん…………ぱく……。……えっと、じゃあ、未央ちゃんも……はい」

    未央「……はむ……。……あまい……」

    そうして数口お互いがお互いの口にパフェを運ぶことを繰り返していると、既にスプーンの腹に残る唾液の跡は私のものなのかあーちゃんのものなのか分からなくなってしまっていた。
    あのあーちゃんと何度も間接キスをしてしまっているという事実が、胸の芯を焼くような興奮と、かすかな背徳感を私に与えてくる。

    866 = 672 :

    未央「これ……さっきから、間接キス……だよね」

    藍子「う……わ、私さっきから言わないようにしてたのに……なんで行っちゃうんですかぁ!」

    未央「い、いや……でもなんかさ。ふつーのキスより逆にドキドキしちゃうような気が……」

    藍子「……普通のキス、したことあるんですか?」

    未央「いや、ないけどさ! ただ、こんなことしてたら普通のキスもしたくなっちゃうっていうか……。……な、なんだろう。……また口滑っちゃってるな……今日はなんか変だな、私」

    ぽりぽりと頭をかいて下を向く。流石にこんな空間で好きな人とずっとこんなことしてたら、色々と私の心境も変になってきているのかもしれない。


    藍子「……私は、未央ちゃんとなら……大丈夫ですけど。……普通の、キス」


    未央「…………へ? 今、なんて……」

    藍子「い、いえ……、ただ、未央ちゃんはキス、とか……そういうの、興味あるのかなって」


    急に彼女からそんなことを言われて、一瞬面食らってしまう。

    ――私は……


    未央「↓2」

    867 :

    じゃあ、してみる?

    868 :

    あーちゃんとキス一杯したいな、恋人のキス

    869 :

    あーちゃんとキスしたいな

    870 :

    これでポッキーゲームか
    わくわくが止まらない

    871 = 672 :

    未央「……いっぱいしたいよ。あーちゃんと」

    未央「……恋人みたいな、キス」


    藍子「…………っ……!」


    思わず、自分の心が口から勝手に飛び出していた。
    はっとして目の前を見ると、顔を燃えるような赤色に染めてこちらを見つめる彼女が視界に入る。

    未央「いや、えっと……」

    未央「……ごめん、やっぱさっきからあんなことしてたら……したいって気持ちが……その」

    未央「で、でもやっぱり変だよね。だって私たち、ほんのついさっき告白したばっかりなのに、早すぎるっていうか……」

    言い訳を零すようにもごもごと口を動かす。


    藍子「……ですよ」

    未央「え?」

    藍子「……いい、ですよ。私は……。……未央ちゃんなら」

    蚊の鳴くような、今にも消え入りそうな声でつぶやかれた彼女の声が辛うじて耳に入ってくる。彼女の言葉だと注意していなければ個室内に流れるBGMにそれこそかき消されてしまいそうな。

    未央「……あーちゃん?」

    藍子「…………あの、いま、すっごく恥ずかしいので……」

    彼女の顔は――どんどん加速度的に赤くなってゆく。

    872 = 672 :

    未央「(これは……あーちゃんもキス、したいってこと……!?)」


    未央「あーちゃん……キスしたいの?」

    藍子「な、なんではっきり言っちゃうんですか!」

    未央「あっ! ご、ごめん! つい……!」


    ……しーんとした空気が個室に流れる。
    数十秒、数分か。秒針が動く音が聞こえないこの空間では、体感時間で測ろうとも肝心の脈拍や心音はさっきから狂いっぱなしだ。





    未央「………………いい? ……しても」


    つい私がそう口を動かすと。
    あーちゃんは、私との間の距離をほんの少しだけ詰め、頭を私の肩にゆっくりと預けてきた。


    藍子「……未央ちゃんから、してほしいです」


    その言葉を聞いて、更に一気に心音が加速する。

    あーちゃんは……私のキスを、待ってる。

    873 = 672 :

    ゆっくりと、震える手で彼女の柔らかな服の上から両肩を掴む。
    その瞬間あーちゃんの体はぴくんと跳ね、上気したピンク色の頬がどうしようもなく私を惑わせる。

    彼女のしっとりと濡れた唇が、軽くのぼせた視界にぴったりと入った。


    未央「…………じゃあ、するね……?」

    藍子「………」

    ただ無言で、ゆっくりと瞳を閉じて、こくりと小さく彼女はうなずいた。
    それがなんだか生々しい合図のようで、私の緊張は一気に頂点に上り詰める。










    未央「…………いくよ、あーちゃ」


    「失礼しまーす。ご注文の品をお持ちいたしましたー♡」


    未央「あわわわわわわわあーちゃんほらこんなとこにゴミがついてるよとってあげるよー!!」

    藍子「わあああああああありがとうございますすっごく助かりました未央ちゃんありがとうございますー!!」


    突然背後から聞こえてきた扉をノックする音と例の店員さんの声に、私たちはお互いの額を激しくごっつんこさせてしまった!
    痛みに耐えながら後ろを振り返ると……女性の店員さんが、目をぱちくりしながら私たちのことを見つめている。


    「……ごめんなさい。お邪魔しちゃいましたね」

    未央「いやいや全然邪魔とかじゃなかったですよ!? ほんとに!!」

    藍子「そうですそうです! 別に今から未央ちゃんにちゅーしてもらえる状況だったとかそんな感じでは全然なかったので!」

    未央「いやあーちゃんダダ漏れ! 取り繕ってる意味がない!」

    藍子「あああああ違うんです違うんです!」


    874 = 672 :

    店員さんは申し訳なさそうに目を伏せると、すぐに、すでに見慣れた笑みを浮かべて持ってきたものを私たちのテーブルに置いた。

    「お楽しみのところ、邪魔してしまって申し訳ありませんでした……。……ので、お持ちした“これ”で存分にお楽しみ下さいね♡」

    それだけ言うと、店員さんは風のような身のこなしで颯爽と部屋を後にしてしまった。

    未央「…………」

    藍子「…………」

    ……いや、なんだこの空気! さっきまで……なかば勢いみたいな感じでキスしかけてた手前、すっごく居たたまれない!
    っていうかもうあの店員さん、完全に私たちで楽しんでるよね!? そうだよね!?


    未央「えっ……と」

    見ればあーちゃんも、顔から煙が出るかのごとく俯いてしまっている。……いや、相当恥ずかしいんだろう。その気持ちは私も全く同じだ。

    ど、どうしようどうしよう! とりあえず、この空気を何とかなんとかしなくちゃ……! えぇとえぇと、何か、何かきっかけになるもの……!


    そこで私の視界に入ってきたのは――いみじくも、ついさっきこの空気を生み出した原因である店員さんが持ってきた“それ”だった。
    切迫した状況に追い詰められていた脳裏は大した思考も行うことなく、ただこの空気の打破だけを目的として、ほとんど反射的に言葉を紡いでしまう







    未央「…………ポッキーゲームでもしよっか。あーちゃん」



    ――いや、追い詰められすぎでしょ、私。

    875 = 672 :

    今回はここまでにしときます。

    876 :


    追い詰められすぎて理性ぷっつんしちゃうか未央

    877 :

    乙乙

    879 :

    サービスとしてもう一品あるかな

    881 :

    あけましておめでとうございます、今年も一年みおあいを見守っていこう

    882 :

    凛ちゃん視点のりんみおも見たいと思う今日この頃

    883 :

    ちょっと離れてたらみおあい編だと!?うおおおおおお

    884 :

    これはいいss

    885 :

    全裸待機してもう一週間になる

    886 :

    明けましておめでとうございます。
    年末年始は何の因果か箱根の温泉旅館にいました。ここでりんみおが愛を育んだのか……(遠い目)

    ぼちぼち再開していきます。

    887 = 672 :

    藍子「っえ」

    間違えてしゃっくりが出たかのような声があーちゃんから漏れる。
    ついさっきまでキスしようとしていた、という事実がもたらす雰囲気に耐えられなかったからか。あーちゃんは顔を真っ赤にしたまま固まってしまった。

    未央「いっ、いや! これ、なんかメニューにそういうふうに使う的な事が書いてあったから……!」

    震える指で一本だけつまんだポッキーを震わせながら、固まったままのあーちゃんにおずおずとそれを差し出す。
    いや、もう、今私がどんな表情で何を言っているのかすら自分でもよく分かっていない。ただ、自分でも耳の端が燃えるような温度になっているということは何となくわかった。

    お互いがさっきまでの空気をなるべく気にしないように、と振る舞っていることがびしびしと伝わってくる。
    気にしてしまうと――それこそ、羞恥心で胸がはちきれそうになってしまうから。

    藍子「ぽ、ぽっきーげーむって……どうやるんでしたっけ」

    未央「……えっと、私もやったことないからよく分からないけど……」

    私は、頭の片隅に残っているどこかで聞いたような情報をかき集め、さっき遠ざかってしまったあーちゃんとの距離をほんの少しだけ縮めた。

    888 = 672 :

    未央「や……やってみる?」

    おずおずと彼女にそう尋ねてみる。

    藍子「そ」

    藍子「そうですよね。ものは試ですものね」

    するとあーちゃんは少し身を乗り出し、軽く咳ばらいをした後そう答えた。

    ついさっき、あとほんの少しで彼女の唇に触れようとしていた熱気が、この得も言われぬな空気で再びぶり返してしまったかのようだ。
    あーちゃんの唇を見つめていると、その艶やかなピンク色が私の心臓をふいにドキドキさせてしまう。


    ポッキーゲームはどっちから攻める?
    ↓1

    889 :

    未央

    890 :

    ちゃんみお

    891 :

    お、来てたのか!

    892 = 672 :

    未央「じゃ、じゃああーちゃん、はい!」

    そう言って私は半ば勢いでポッキーの片方を咥えると、もう片方の先端をあーちゃんの方へと突き出す。

    藍子「……っ!」

    未央「ほ、ほら……」

    ぐいっと彼女の体を片手で引き寄せ、彼我の距離を一気に縮める。
    つい先ほどキスしそうになっていたこともあってか、そんな大胆な行動も今ではとれるようになっていた。

    藍子「……は、はい……」

    蚊の鳴くような声で俯きながらあーちゃんはそういうと、ゆっくりと、普通に食べる時よりもずっとのろまな動作でチョコが塗られた先端をぱくっと咥えた。
    瞬間、ポッキー一本分よりもずっと近くなってしまった私たちの距離に、ふわっと彼女の香りが私の鼻腔に届く。


    どき、どき、と。十センチよりも縮まった私と彼女の顔の距離に、心臓がうるさく自己主張をしてくる。
    片手で抱きしめたあーちゃんの体は、やわらかく、触っているだけで私の興奮を加速させてしまうようだ。

    目の前でうるんだ瞳に、長い睫毛、真っ赤に染まった頬。そのすべてが私の頭を緊張で埋め尽くす。

    893 :

    待ってました

    894 :

    待ってたぁぁぁ!

    895 :

    素晴らしいな
    本当に素晴らしいな!!

    896 :

    そろそろ更新来ないかな.....

    897 :

    今日も来ないか

    898 :

    リアルがひと段落したので続き書いていきます。

    899 = 672 :

    未央「……」

    藍子「……」

    お互い見つめあったまま、数秒が経過する。
    目の前には触れなくても熱そうだと分かるほど赤くなったあーちゃんの頬が差し迫り、それに釣られるようにして私も喉元まで形容できないような興奮がこみ上げてくる。

    藍子「……こ、これ……このあと、どうしたら……」

    唇にポッキーを咥えたあーちゃんが、少し空気が漏れるような声でそう尋ねてきた。

    未央「え、えっと……確か、お互いにちょっとずつ端から食べ進めていく、んじゃなかったかな……。それで、先に口を離したほうが負け、とか……」

    私も詳細なルールを知っているわけではないけれど、どこかで小耳にはさんだ馬鹿話程度にならおぼろげながら知っている。

    ――その場のノリでやっちゃうようなパーティーゲームだなぁ、なんて、聞いた時は確か笑っていたような気がしたけど。今になって、これはそんな適当な感じでできるゲームではなかったのだと思い知る。

    未央「(……だって、こんな――)」

    未央「(……あーちゃんのこんな顔を見ながら、こんな近くで、こんな雰囲気でやることになるだなんて、思わなかったよ……!)」

    900 = 672 :

    未央「…………」

    藍子「…………」

    またしても、無言のまま、無動のまま沈黙が流れる。
    私たちはお互いポッキーの端を咥えたまではよかったものの、そのあまりの状況に、それ以上何をどうすることもできなくなってしまっているみたいだった。

    未央「……食べないの? あーちゃん」

    藍子「……み、未央ちゃんこそ、お先にどうぞ……」

    彼女がその雰囲気に耐えられなくなったことを示すかのように、斜め横に視線を逃がした。俯きがちになった顔からは、あまりにも分かりやすく羞恥の色が滲み出ている。
    そんな彼女の女の子らしい部分が、またしても私をドキンとさせてしまう――。


    未央「……あーちゃんが食べないんだったら、私が食べちゃうからね……」

    藍子「……ふぇ?」


    このままお互いポッキーを咥えた状況でそのまま何分も過ごすのは私の心臓が持たないと悟ったからか、あるいはこの状況にいよいよもって私も我慢が効かなくなったからか、それは定かではないけれど。


     …………ぽり


     ……ぽり、ぽり……


    私は自分でも知らないまま、口にくわえたポッキーを、ほんの少しずつ齧りだしていた。


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