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    元スレ未央「安価で他のアイドルに告白する!」

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    651 :

    待ってた

    652 = 650 :

    そして、待ちに待った日曜日当日。

    私は目的の施設に念のため2時間ほど前に到着し、今か今かと彼女の到着を待っていた。荷物を入れたバッグの中にはこの日のために新調した水着一式が入っている。
    本当は「ねぇ、どんな水着着ていったらいいのかな?」と加蓮に相談したものの、「そこまで面倒見られるか!!」とにべもなく一蹴されてしまったので、自分のセンスを信じて買った次第である。

    未央「うわ……まだ集合1時間前なのに、もう緊張してきた……。考えてみれば、あーちゃんと仕事以外で二人っきりになるのなんて初めてじゃないのかな……」

    そんな事をつぶやきながら空に立ち上った入道雲を眺めていると、ふと、向こうからたったったっ……と人が小走りに駆ける音が聞こえてきた。


    藍子「未央ちゃーん! ……ごめんなさい、待ちましたか?」


    未央「あっ、あーちゃん!」

    見るとあーちゃんは、彼女らしいふわりとした雰囲気を漂わせる明るく可愛らしい服に身を包み、向日葵の花があしらわれた髪留めでその艶やかな髪を纏めていた。
    ふわふわと揺れるポニーテールが、照り付ける太陽光をやさしく受けとめているのが印象的だ。

    未央「ぜ、全然待ってないから大丈夫だよ! 私も今来たところだから!」

    藍子「本当ですか? よかった……。遅刻したらいけないと思って、つい早く家を出すぎちゃいました」

    えへへ、と彼女は笑う。
    ゆるやかな雰囲気に包まれた彼女の笑顔に、どきり、と私の心臓が鳴る音が聴こえた。

    653 = 650 :

    未央「と……とりあえず、じゃあ約束通りプールにいこっか! ちょっと予定より早いけど……」

    藍子「そ、そうですね!」

    昨日のLINEで間違えて送ってしまった「デート」という文字が頭にちらつく。普通に「二人でどこかに遊びに行こう」なんて言い回しをしていたら、ここまで緊張する事はなかったのかもしれないけど……。
    そう言えばあーちゃんもどこか緊張している様子に見える。……私の物言いのせいで変に気を使わせてしまったのかもしれない。

    未央「な、なんかさ。こうやって二人で遊びに行くのなんて初めてだね。仕事で一緒になる時はあったけど」

    藍子「そ、そうですね。私もこうやって未央ちゃんと休日を一緒に過ごせるのは、すっごく嬉しいです」

    にっこりと私に笑いかけてくれるあーちゃん。そんな彼女に歩幅を合わせるようにして、私たちは建物の中に入っていった。

    654 = 650 :

    未央「わぁ……結構広いとこなんだね……」

    新設されたアミューズメントパークの一コーナーとして開かれていた屋外プール場は、その辺りの市民プールよりもずっと広く、いろいろな設備が充実していた。見渡してみると、大きなウォータースライダーに流れる温水プール、水上アスレチックのコーナーにフードコートまである。
    屋外プール特有の強い日差しが水面に反射して、キラキラと私たちの顔を照らす。時折吹いてくる涼しい風が、日光で火照った肌を撫でていくのが心地よかった。

    未央「なんだかわくわくしてきたね! まずどうしよっか……って、あーちゃん?」

    ふと後ろを振り返ると、いつの間にか一緒に更衣室を出たはずのあーちゃんが視界から消えていることに気付いた。軽くあたりを見渡してみると……あ、いた。

    未央「……何やってるの、あーちゃん」

    藍子「だ、だってだって……いざ水着を見せるってなったら、なんだか急に恥ずかしく……」

    あーちゃんは更衣室の入り口近くまで戻っており、建物の陰に体を半分隠して恥ずかしそうにおろおろしながらこちらを見ていた。
    仕方がないのであーちゃんの方に駆け足で戻り、少しひんやりとする更衣室の陰に入って彼女の近くに寄る。こちらが彼女を見れる位置まで来ると、あーちゃんは再びその体を建物で隠してしまった。

    未央「大丈夫だって! あーちゃんすっごく水着似合ってるし、可愛いから自信もっていいって!」

    藍子「……でも、未央ちゃんと比べたら、なんというか……すごく貧相ですし、私の体」

    そう言ってあーちゃんは、自分の胸元へと寂しげに視線を落とした。
    ……あぁ、本当にかわいいのになぁ。というかむしろあーちゃんの水着姿が見れた喜びで内心私は心臓ドキドキなんですけれど。

    655 :

    待ってました!

    656 = 650 :

    あーちゃんが着てきた水着は可愛らしい花柄があしらわれたゆるめのタンキニ型の水着で、彼女らしいふんわりとした雰囲気が感じられてよく似合っていると思う。
    正直あーちゃんの水着姿なんて今まで雑誌で数えるほどしか見たことがなかったから、今目の前に生の彼女が水着姿でいるという事実に私の胸は高揚感で溢れていた。

    未央「……大丈夫だって、そんなこと気にしなくても。あーちゃんだって、アイドルなんだからさ」

    いつまでも彼女をここに残している訳にもいかないので、彼女の方にゆっくりと、少しづつ近づいていく。
    ……多少勇気がいったけれど、隠れていたあーちゃんの細い腕をできるだけ優しく握ると、軽くこっち側へ引っ張ってみた。つられたあーちゃんが、日差しの当たる床へと一歩足を踏み出す。
    肌越しに伝わってくる、滅多に触れることのない彼女の地肌のさらさらと柔らかい感触が、ふいに私の脈拍を速くした。

    藍子「……ほんとに似合ってますか?」

    未央「うん、ばっちし! 私が保証するって!」

    藍子「……そっか、よかった……」

    ようやく少し恥ずかしさも消えたのか、ぎこちなさが残るような笑顔で彼女は微笑んだ。柔らかそうな彼女のポニーテールが風になびかれて揺れるたび、やっぱり彼女は笑っていた方が似合うなぁ、と再認識する。

    藍子「…………あんなに時間かけて水着選んだ甲斐が、あったかな……」

    未央「え? 何か言った?」

    藍子「えっ!? あっ、みっ、未央ちゃんの水着もすっごく可愛いなーって思って!」

    未央「そ、そう? それは嬉しいな……。えへへ、ありがと!」



    これからどうする?

    ↓2

    657 = 651 :

    ウォータースライダー

    658 :

    日焼け止めクリームを全身に塗ってあげる

    659 :

    どちらが塗るんじゃろ?お互いかな?

    660 = 650 :

    どっちが塗る?

    1.未央→藍子
    2.藍子→未央
    3.お互い塗りっこ

    ↓1

    663 :

    こっちの世界の未央は攻めか

    664 :

    まだわからんぞ

    665 = 650 :

    藍子「それにしても……今日は日差しが強いですね。日焼けしちゃいそう……」

    屋外プールの宿命か、あるいはこの季節の宿命か。頭上から容赦なく降り注ぐ日光は、こうして日の当たる場所にじっと立っているだけでも肌がじりじりと焼かれるようだ。

    未央「そうだね、今はお昼前だから特に……あっ、私日焼け止めクリーム持ってきてるよ。使う?」

    藍子「あっ、いいんですか? 実は今日持ってくるの忘れちゃって……。それじゃあ未央ちゃんの後に貸してもらえます?」

    未央「んー、私はさっき更衣室で塗ってきたから大丈夫だよ。それじゃああっちのパラソルがある方にいこっか」


    日差しから逃げるように、デッキチェアやパラソルが置いてあるスペースへと二人で移動する。日陰になって丁度休める場所に来たからか、少し暑さから解放された気がする。

    藍子「アイドルだと勝手に日焼けもできませんもんね」

    そう笑みを漏らしながらデッキチェアに腰かけた彼女は、よく締まった太ももをぴったりとくっつけ、少し恥ずかしそうに私から日焼け止めのクリームを受け取った。

    未央「………」

    パラソルにくぐりこんでくる夏の風が、彼女のふんわりとした水着を揺らす。さっきまで日光が染み込んで熱くなっていたであろう彼女の白い肌は、確かに紫外線に無防備に晒すにはあまりにも繊細すぎる。

    未央「(……ほんとに、きれいだな……あーちゃん)」


    気が付けば、さっき更衣室に隠れて恥ずかしがる彼女の腕を掴んだ時の感触が、私の手のひらにまだ残っていた。柔らかい絹を撫でた時の様に心地いい感触が、私の指の腹からまだ離れようとしてくれない。
    彼女の横から垂れた髪の先端が、その胸元をくすぐっているところに、自然に目が行ってしまう。

    ふと彼女の方を見ると、クリームのキャップをくるくると回して外そうとしていた。


    一つのパラソルの下に一緒に入った私たち。手を伸ばせば、触れられる距離に彼女がいる。
    そんな状況と、日差しの暑さに――私は少しのぼせていたのだろうか。


    未央「……あ、あーちゃん」

    藍子「?」

    ふと、自分でも何をやっているんだか分からなかった。気が付けば、私はあーちゃんが持っていたクリームのキャップをがっしりと、彼女の手ごと掴んでいた。


    未央「クリーム……私が塗ってあげよっか?」

    666 = 650 :

    藍子「…………へっ?」

    口をぽかんと開けて、目をぱちくりさせながら。目の前で、あーちゃんが見たこともないくらい混乱した表情を見せる。

    その非現実感に、数秒ほど経ってからようやく私の頭が冴え渡った。
    自分が何をしているのか、自分が何を言っているのか。

    未央「……あ」

    思考が硬直したまま握っていた彼女の手を、反射的にバッと離した。……まずい。私、何口走ってるんだろう。あーちゃんの肌に触りたいなんてぼんやり考えてたら、つい……!
    まだ口がぱくぱくとしか動かないが、自分の思考に追いつかない混乱した脳を絞り出してなんとか言葉を紡ぎだす。

    未央「な……なーんちゃって! 冗談冗談! いや、いくら女の子同士だからって、人から塗ってもらうなんて嫌だよねぇー!」

    あははは、と無理に笑い飛ばしてごまかそうとしたものの……彼女はそのまま動こうとしない。


    未央「(……やばい、デート始まっていきなり本気で引かれた、かも……。いやそりゃそうか、こんなこと急に言われたら……)」


    くらくらと目の前が暗くなっていく感覚を覚えながら後ろにふらついていると。
    ――ふと、目の前のあーちゃんが少し下を向いて、うつむいたまま何か考え込むようなそぶりをしているのが目に入った。


    未央「えっと……あーちゃん?」

    藍子「…………はい。……お願いします」

    未央「え? なに?」


    すると彼女は、その手に握ったク日焼け止めクリームの容器を、おずおずと私に差し出してきた。

    藍子「その……じゃあ、せっかく、ですので……」

    そう言うとあーちゃんは腕を滑らせ、ゆっくりとデッキチェアに寝そべっていく。
    ――垂れた髪の先端がデッキチェアに触れ、細い脚が宙を交差するように軌跡を描いて動く。その光景は、ただでさえ頭が火照りがちな私には、異様に扇情的に見えた。


    あーちゃんも日光にあてられたのか。前髪の隙間から一瞬だけ見えた表情は、どこか赤くなっているように感じた。

    667 = 650 :

    薄く伸ばした乳白色のクリームを、しっとりとした彼女の肌に少しづつ塗りこんでいく。自分でも、今自分が何をやっているのかよく分からない。
    あれ? なんでこんなことになっているんだっけ――。

    未央「(……あ、あーちゃんの肌、やっぱり柔らかくて気持ちいい…………じゃなくって!)」

    デッキチェアにうつ伏せになったあーちゃんの二の腕に、ぺたぺたとした感触で触っていく。女の子らしい肌のきめ細やかさが私の指の間に沈み込むようで、混乱する私の頭をその感触がさらにかき乱していく。

    未央「(な……なんであーちゃんおっけーしてくれたんだろ……。いや、でもあれかな。同じポジティブパッションのユニットで活動してることもあるし、あーちゃん的には友達に塗ってもらうくらいなら普通なのかな……)」

    脳裏でそんな事を考えながら、彼女の手のひら、指先まで直接私の手でクリームを塗ってゆく。この薄い液体の膜一枚隔てて私とあーちゃんの手が触れ合っているのだと思うと、急に顔に熱が灯ってくるのが分かる。

    未央「ど、どうかな、こんな感じで……」

    藍子「……は、はい。大丈夫、です……」

    声をかけるもそれ以上会話が進行する事はなく、もう片方の彼女の手にも同じようにクリームを塗る。――あぁ、なんだかもうこれだけで、今日の私は満たされてしまったような気もするけれどしかし、冷静に考えてみれば自分の理解の整理が及びもつかないところで物事が進行している、という感覚が私の頭を上滑りしていく。

    もう片方の彼女の手のひらに、指に、私の指を絡めるようにして隅々までクリームを塗っていく。

    ――するとあーちゃんは突然、私の指先をぎゅっ……と、ほんの少しの弱々しい力で静かに握ってきた。一瞬、私の手の動きが止まる。

    未央「………っ」

    クリームでぬめった感触と、彼女の指の腹の柔らかい感触が合わさって、彼女に包まれた指先が急に暖かい熱を帯びたような感覚がした。

    藍子「あ……ご、ごめんなさい、つい……」

    未央「い、いや、大丈夫だけど……」

    ……びっくりした。急に――あんなことされたもんだから、なんだか心臓のどきどきが、さらに加速しちゃうよ……。

    669 :

    全身っていうことは手足はもちろん胸やお尻・恥部まで忘れずに塗らないとね(ワクワク

    670 :

    今日はもう終わりかな
    できたら終わりなら終わりって書いて欲しいな、待ちぼうけになるんで

    671 :

    みおあいのこの初々しい感じたまらんわ

    672 :

    未央「あの……あーちゃんは、さ」

    藍子「? なんですか?」

    未央「その……こういうこと、結構あるの? こうやって、日焼け止めクリーム誰かに塗ってもらう、みたいな……」

    藍子「え!? な、なんでそんな急に!?」

    未央「あ、いやえっと、別に……ただ、あーちゃんは友達にこういうことされるの、結構普通なのかな……なんて、思っただけだから」

    つっかえつっかえになりながら言葉を発する。あまりに会話がなかったのが逆に息苦しくなって、つい聞かなくていいことを聞いてしまったかもしれない。
    するとあーちゃんは、少し恥ずかしそうに俯きながら、消え入りそうな声でつぶやいた。

    藍子「……そんなこと、ないですよ」


    藍子「…………未央ちゃんだから、です……、……っ」

    ――彼女の耳が、ほんのりと赤くなっていく。それを受けて私は、ついクリームを塗る手が止まる。

    未央「そ……そう、なんだ……ありがと」

    藍子「いえ、その……どう、いたしまして」


    ――な、なんだこの雰囲気! いや、そりゃあーちゃんが私の事を仲がいい友達だと思っててくれたのは嬉しいけど! でもなんか、今このタイミングで言われたら、なん……か、緊張しちゃうよ……!

    未央「(と、とにかく早く終わらせた方がいい気がする……。よし、両手両脚は終わったし、後は……)」

    彼女の上下の水着の間から覗く白く細い背中が私の目に飛び込んでくる。
    あの領域にこの私の素手でクリームを塗るのは、なにか犯罪的な背徳感が漂う気がする……!


    ……ごく

    一度生唾を飲み込み、十分な量のクリームを手のひらに取り出すと、よく伸ばしながら少しづつ彼女の背中に手を近づける。

    未央「それじゃ……背中、失礼します……」

    藍子「は……はい」

    自分はホテルのマッサージ師か何かか、と思う間もなく、彼女のすべすべの肌に手のひらが触れた瞬間、私のこざかしい思考は一瞬で吹っ飛んでしまった。

    673 = 672 :

    >>670 次から気を付けます。申し訳ない。

    674 :

    まあ寝落ちするまでとか都合あるかもしれんしそこまで気にしなくていいと思うよ
    こちらとしては読ませてもらう側なんだから今日の分ってしっかり決まってたら書くかな程度で考えとけばいいんじゃないかな

    675 = 672 :

    藍子「ん………」

    彼女の声が、吐息とともに漏れる。その甘美な声が私の耳に入ってくるその感触が、まるで何かとんでもない禁忌を犯しているような、そんなうしろめたさを私に教え込んでくる。
    ほんの少しづつ、まだ踏み荒らされていない処女地を均すように、あーちゃんの絹のような感触の背中に手のひらを滑らせていく。彼女の少し浮かんだ汗がちょっとだけクリームに混ざって、その生暖かさが私の奥底の理性を揺さぶっているかのようだ。

    未央「あ……お腹側……塗るね」

    藍子「ん……はい」

    体を少し持ち上げてくれたあーちゃんのお腹側に手を滑り込ませるように忍びこませ、柔らかな感触のお腹をまさぐるように手を動かす。
    ほどよくついた女の子らしい脂肪に、だけどしっかり引き締まったその魅惑的な身体は……きっと水着でグラビア雑誌にでも載った日には、見る人すべての視線を独り占めしてしまうのであろう、そんな想いを抱かせずにはいられない。

    未央「(ほんとに……なんで、こんな……)」

    今、私はあーちゃんの体に触れている。肌と肌が、零距離で密着している。しかも水着で――

    改めて考えてみると、とんでもないことだ。彼女を知ってからというもの、話したくても話せなかった、触れたくても触れられなかった時間があんなにも長かったっていうのに。
    ほんの私の手違いから、普段だったら絶対に遅れないであろうあんなメールを送ってしまったことで、今――こんなことになっているんだと考えると、彼女の体に触れている今が奇跡的な時間に思えてくる。

    未央「(きれい……あーちゃん。……このまま、抱きしめられたらいいのに――)」

    676 = 672 :

    あらぬ妄想が頭を支配する。
    ――夏の暑さのせいか。うん、きっとそうだ。何かのせいにしなきゃやってられない。脳が茹ってしまいそうだ。

    未央「(……だけど、それは……)」

    彼女の体を触る手に、心なしか力が入る。
    なぜ? もうすぐクリームが塗り終わるから? それが名残惜しい?

    彼女を――できれば、今すぐにでも、抱きよせたいと思っているから?


    未央「(……すきだよ、あーちゃん。きっと、伝えられないだろうけれど――)」


    頭の中でぐるぐるとそんな事を考えていると。いつの間にか……あれ?

    あーちゃんの肩がぷるぷると震えているのに気が付いた。


    藍子「あ……あの、未央ちゃん、そこは……!」

    未央「……?」


    藍子「……っ、その、む……むね、ですので……」


    見れば耳を真っ赤にしたあーちゃんが、絞り出したような震える声でそう発しているのが耳に入ってきた。

    未央「むね? …………あっ!!」


    瞬間、自分の手のひらに、今まで味わったことのない感触が触れているのに気が付いた。
    頭の中であーちゃんのことをぼんやりと考えていた私は、いつのまにか彼女の上の水着に手を滑り込ませ――彼女の、胸に、直接触れていたのだと分かった。

    677 :

    先生、藍子ちゃん視点も要所要所に織り交ぜてくれると俺が喜びます!!

    678 :

    >>677
    仲間がいた。メールの時といい日焼けぬりぬりといい美味しいシーンばかりっすわ
    まあ>>1も大変だと思うんで気が向いたらでぜひ

    679 :

    あーちゃんのお山は平坦だからね。気づかないのもちかたないね。

    680 = 672 :

    し……しまった! ぼんやりしてて、クリーム塗ってる手が勝手に動いてたよ!!

    藍子「そ、その……そこまでは、だいじょうぶ、ですので……」

    未央「そ、そうだよね!! いや、わ、わかってるよ!? 今のはその、なんか、あーちゃんの事考えてたらぼーっとしちゃって、つい! いやほんと! ごめん!」

    藍子「……? 私の、事を……?」

    未央「あああああ違うの違うの!! ほら! あーちゃんの体すべすべで気持ちいいなっていうか、いや違うこれも違う!! そうじゃなくって、その……! か……かわいいなって! 思って!!」

    な、な、なにを言ってるんだ私は! 完全にパニックになった頭で、彼女の体からぱっと離れてとにかく平謝りをしまくる。

    未央「ご、ごめ……その、わざとじゃないんだ、今のは……」

    藍子「わ、わかってます……。だ、大乗ですから……」

    彼女もこちらを心配したように言葉をかけてくれる。……うぅ、正直、なんだか今日は夏の暑さとあーちゃんの魅力にあてられて、またもな行動ができてない気がする……!

    藍子「そ、その、ありがとうございました。塗ってもらって……」

    未央「いや、こ、こちらこそごめんね、あんなことしちゃって」

    藍子「それはもう大丈夫ですから……。そろそろ、行きましょうか……?」

    未央「あ、そう……だね」

    彼女につられる様に、そそくさとその場を後にする。……うう、なんだかただ日焼け止めをするだけの筈なのに、やたら精神力を失った気がするよ……。


    まだまだきつく降り注ぐ日差しで熱された床が、私の足に仕置きのような火照りを与えてきているようだった。

    681 = 672 :

    **


    「クリーム……私が塗ってあげよっか?」


    ――なんて。
    ……あぁ、どうしましょう。まさか未央ちゃんから、あんなことを言われるなんて。
    突然の事であっけにとられてしまったけれど。急にそう言われた瞬間、私の心臓がどきんと大きく跳ねたのが、自分でもよく分かりました。

    どう返事をしたらいいんだろう。未央ちゃんは……こういうこと、普通にできる人なのかな。友達同士なら――意識せずに、できちゃうのかな。突然の事で嬉しく戸惑う反面、そんなほんの少しもやもやとした気持ちが私の中に生まれていく。

    「…………はい。……お願いします」

    だけど気づけば、私の口は半ば勝手にそう動いていました。たとえ――ただの友達としてしか意識されていないとしても。
    彼女のその手で、私に触れてほしい。そんなあさましい考えを抱いた私は、悪い子でしょうか。


    藍子「(それでも私は……未央ちゃん、あなたに……)」

    彼女の横顔をばれないように見つめながら、胸に手を当てる。さっき彼女に触られた胸が、まだどきどき、じんじんしている。
    ……恥ずかしい。だけど、なぜだろう。それと同じくらい、彼女に触れられてうれしいという気持ちもあって――。
    もう、自分でもわけが分かりません。私、こんなにふしだらな女の子だったでしょうか?


    藍子「(……デート)」

    藍子「(デート……なんですよね。これって……)」

    未央ちゃんがあの日LINEでそう言ってきた意味が、私には……友達同士で休日を過ごすという意味にも勿論聞こえるけれど。

    藍子「(本当は…………なんて)」

    都合のいい妄想を頭の中に浮かべては、かき消す。そんなことあるわけないって、分かってしまうのは怖かったけれど。


    でも……もう少しだけ、この時間を、デートを楽しませてくださいませんか。未央ちゃん。


    藍子「……さてと。まずはどこに行きましょうか、未央ちゃん」


    願わくば、夢が冷めないうちに。



    私の――王子様。



    **

    682 = 672 :

    今回はこの辺にしておきます。
    次回更新は多分水曜あたりになると思います。

    一応トリップ付けておきますね。

    683 = 678 :

    乙、また水曜に

    684 = 671 :

    乙乙

    685 :

    おつ
    クリーム塗りあーちゃんの視点でもっとkwsk見たかったな特にお胸揉まれるとこ
    視点安価で未央取った自分にちょっと後悔

    686 :

    よかった
    よかった

    687 :

    乙です
    あーちゃんのゆるふわゲージがぐんぐん上昇してますね

    688 :

    乙 
    相変わらず素晴らしい

    689 :

    1部のみおりんみたいに安価で早々にくっつければさらにイチャイチャ成分が多く見れるのかな
    今のくっつく前の甘酸っぱい状態も好きだけど長さが限られてる中でみおりんのような激しいイチャイチャ成分と天秤にかけるとイチャイチャの方が・・・ね

    690 :

    みおあいやっぱり好きだわ
    もっと流行れ

    691 :

    今週はこないかな?

    692 :

    遅くなりました。再開します。


    次は何をする? ↓2

    693 :

    694 :

    2人でウォータースライダー

    695 = 672 :

    未央「(うぅ……なんだか、私が変な事やっちゃったせいで妙な空気になっちゃったな)」

    未央「(あーちゃんもさっきから恥ずかしがって下向いちゃってるし……。いくら友達でも、やっぱ胸触られたら嫌だよね、そりゃ……)」

    うむむ、どうしたものか……と思案していると、ふと、ここの名物的な存在だと聞いていたウォータースライダーの存在を思い出した。なんでも県内でも指折りの大型らしく、下調べをしている時から実は結構気になっていたのだ。
    そうだ、ここはあーちゃんと一緒にウォータースライダーで滑って、何となく気まずくなったこの空気を吹き飛ばしてしまおう!

    未央「ねぇねぇあーちゃん、せっかくだからさ、ウォータースライダー乗らない? ここの名物みたいなんだ」

    藍子「そ、そうなんですか? 私、こういうのはやったことないですけど……でも、なんだか楽しそうですね」

    未央「うんうん! 今丁度人少ないから、そんなに並ばなくても乗れそうだね。それじゃあレッツゴー!」

    自分を奮い立たせるためにやたら大きめの声でそう言うと、私はあーちゃんの手をとってウォータースライダーへと早歩きで歩き出した。

    ついさっきまで彼女の体を隅から隅まで――というと語弊があるものの、ともかくもっとすごいことをしていたのだから、私の中では今さら手を繋ぐことへの抵抗感は薄くなっていた。
    彼女の手を握ると一瞬、ぴくんとその小さな手が私の手の中で跳ねる。しかしすぐに、あーちゃんはおずおずと優しい力で私の手を握り返してくれた。
    上目遣いでこちらを恥ずかし気に見つめるあーちゃんと視線が合うと、その瞬間私の心拍数がぐぐっと上昇する。

    ……いや、やっぱりこれはこれで結構恥ずかしい。

    696 = 672 :

    未央「わぁ……結構高いね……」

    幸い、並んでからほんの十数分足らずで私たちはウォータースライダーのてっぺんへと到着していた。さすが県内でも指折りの大型と言うだけあって、その高さも相当なものだ。

    未央「あーちゃん、高いところ大丈夫?」

    藍子「あっ……えぇと、すみません。その……この高さはちょっと、怖くて……」

    見るとあーちゃんは、さっきから頑なに下の様子を見ないようにしているようだった。その小ぶりな肩はさっきよりもなんだか小さく、震えているようにも見える。

    未央「高いところ苦手ならさっき断ってもよかったのに! ムリそうなら今からでも降りようか?」

    藍子「だっ、大丈夫です! だって……せ、せっかく未央ちゃんが乗ろうって言ってくれたんだから、断るなんてしたくなくて……」

    あーちゃんは健気にそう言うも、その体は小動物の様に小さくなってしまっている。……しまった、私がちゃんと気を付けてれば、あーちゃんにわざわざ怖い思いさせなかったのに……。

    未央「…………」

    本当は怖いだろうに、無理に笑顔を作って大丈夫です、と言う彼女を見ていると、なんだかここに誘ったことへの罪悪感がふつふつと湧いてくる。
    私はそんな彼女を見て居られずに――ゆっくりと彼女に近づくと、片腕を伸ばして震えるその肩をぎゅっと抱きしめた。

    697 = 672 :

    藍子「み……未央ちゃん……?」

    少し驚いたように、あーちゃんがびくっと跳ねてこちらを見てくる。私はできるだけ彼女が安心できるように、片腕で彼女を優しくこっちへと抱き寄せる。

    吐息がかかるような距離まで近づいた彼女の、露出した肌と肌が直にぶつかる。……恥ずかしいけど、だけどなんだか、隣で不安そうになっているあーちゃんを見ていると、自然とこうしたくなっていたのだ。

    未央「あ、えっと……こうしたら、あーちゃん少しは安心するかなって……。その、い、嫌だったらすぐ離すけど……!」

    ……勢いで抱き寄せちゃったけど、冷静になって考えるとなんだか自分でもすっごく大胆なことをやっている気がする。うぅ、水着同士だから嫌でも肌のすべすべ感とか、体温とかが直接伝わってきて、ドキドキしちゃうよ……!

    藍子「……いえ。ありがとう、ございます」

    するとあーちゃんは、抱き寄せた私の手にそっと手をのせ、優しい力でぎゅっと手を握ってくれた。
    彼女はふっとこちらに笑いかけ、そのまとめた髪が太陽の香りを放ちながらゆらりと揺れる。

    藍子「おかげで、安心できました。……やさしいんですね、未央ちゃん」

    未央「えっ、あ、いや別に! 嫌じゃないならよかったよ! ほら、私から誘っちゃってるのに怖い思いさせちゃって悪いなーって思ってたし!」

    藍子「そんな……。……あ、じゃあ……」

    すると彼女は、何か思案するような間を一泊置いたかと思うと、軽く咳ばらいを一度し、また言葉を紡いだ。

    藍子「……怖くなくなるまで、もう少し甘えてみてもいいですか……?」

    未央「へ?」

    次の瞬間。
    あーちゃんは、その細い両腕をこちらに伸ばし、私の腰にゆっくりと、触れるか触れないか分からないような力で手を回してきた。
    彼女の頭が、私の肩に寄り掛かるようにして密着する。

    698 = 672 :

    未央「あ、あーちゃん……!」

    藍子「ごめんなさい。まだちょっと怖くて……。でも、こうしていたら安心できる気がします」

    弱々しい力で私に抱き着くあーちゃん。私も彼女の肩を抱き寄せている訳で、これはその……傍から見たら、なんというか、お互い抱き合うような格好になっているのだろうか。
    突然彼女に抱き着かれたことで、まだ思考がまともに定まらない。浮遊感で埋め尽くされた私の脳にかすかにとらえられるのは、さっきよりも近くなった彼女のおひさまのような香りと、どきどきと鳴り響く私の心臓の鼓動音がやたらとうるさいことくらいだ。

    藍子「……嫌だったら、離れます」

    未央「え!? いや、別に嫌とかそんなことは全く全然ないよ!? むしろうれ……わ、私も安心するし!」

    藍子「そうですか……。じゃあ、順番が来るまでこうしていても……いいですか?」

    距離が近づいた彼女の上目遣いがまた炸裂する。その透き通った瞳に、私の魂まで持っていかれてしまいそうだ。

    未央「う、うん! ぜ、全然おっけーですよ! もー、あーちゃんは怖がりやさんだなー!」

    声が裏返るのを必死に抑えながら、平静を装いつつそう答える。
    するとあーちゃんはふわりとした笑みを浮かべると、ありがとうございます、と言って私に抱き着く腕の力を少しだけ強めた。

    699 :

    おぉ……!

    700 = 672 :

    未央「(ど、どうしたんだろ。なんだか急にあーちゃんが積極的になったような……)」

    未央「(でも、あ、あれかな? 先に抱き寄せたのは私だし、友達同士ならこれくらいは普通……なの、かな?)」



    藍子「(…………)」

    藍子「(……うぅ、自分でやっておきながら何だけど、これ、すっごく恥ずかしい……!)」

    藍子「(未央ちゃんに急に抱き寄せられて、何だか咄嗟に私も未央ちゃんに触れたくなっちゃったけど……心臓のどきどき、ばれてないかな……?)」

    藍子「(怖いから、なんて理由でこんな風に抱き着いたりして……。前にもつまづいたふりをして未央ちゃんに抱き着いちゃった事があったけど、騙してるみたいですっごくいけないことをしてる気がしてきます……)」

    藍子「(だけど……でも、せっかくこうして二人でプールに来てるんだから、私も少しは距離を縮められるように努力しないと……!)」


    藍子「(……なんだか、磨いた演技力を別の所で使っちゃってる気がしますけど……)」


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