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    元スレ美希「デスノート」

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    151 = 146 :

    ワタリ「竜崎、言われた物をお持ちしました」

    「皆さんにお渡しして」

    (持っていたボックスを開いて総一郎達に見せるワタリ)

    ワタリ「皆さんの新しい警察手帳です」

    総一郎「!?」

    星井父「新しい?」

    松田「名前も役職もでたらめ……」

    相沢「偽名の警察手帳、ってわけか」

    「キラは殺人に顔と名前が必要……その前提で命懸けでキラを追うんです。このくらい当然です」

    総一郎「さっき『この本部以外で名前を名乗らないように』と言っていたのはこういうことか」

    「はい。今後、外でどうしても名前を出す時はその偽名の警察手帳でお願いします」

    星井父「しかし警察が偽造証というのは……」

    総一郎「いや、キラが殺人に名前も必要ならば、これは我々の命を守る為に大いに効果がある……これは持っていた方がいい」

    松田「私もそう思います」

    相沢「うむ」

    「では……いよいよ本題に入らせて頂きます。今後の捜査の進め方について」

    152 = 146 :

    「まず基本的な事ですが……今のまま、キラの裁きの対象となっている犯罪者の情報だけを基にキラを追っていても、おそらく永久にキラは見つけられません」

    総一郎「! …………」

    「それは言うまでもなく、キラがテレビやネットといった誰でも簡単にアクセスできる情報から裁きの対象となる犯罪者を選んでいるからです」

    星井父「まあ、そうだな。このままじゃ日本全国民……いや、下手すりゃ世界中の人間がキラ候補だ」

    「ですので現状、キラを絞り込める要素があるとしたらただ一つ。『キラの手による犯罪者以外の被害者』だけです」

    相沢「『犯罪者以外の被害者』……そんなのいるのか?」

    松田「キラはこれまで、少なくとも表立っては……犯罪者以外は殺してないですよね。あのエ……竜崎の身代わりとして生中継に出演していた者も殺さなかった」

    「はい。でも本当にいないかどうかは調べてみない限り分かりません」

    星井父「だが竜崎。仮にいたところで死因は心臓麻痺だぞ? それをキラの手によるものとそうでないもの、どうやって判別する?」

    「もちろん一人や二人の心臓麻痺死者だけでは無理でしょう。しかし百人や二百人、あるいは千人や二千人……」

    「それだけの数の心臓麻痺死者を網羅的に調べれば、その中から、何らかの共通項を持った者達が浮かび上がるかもしれません。同じ地域、同じ会社、同じ学校……」

    星井父「…………」

    「そしてその共通項はキラに……神を気取り、犯罪者殺しをしているキラではなく、あくまで普通の社会生活を営んでいる一人の人間としてのキラに、結びつく可能性があります」

    153 :

    神を気取ってないんだよなぁLプロファイリングしっかりな

    154 :

    「またもしキラが犯罪者以外の者を殺していたとしたら……そこには必ず何らかの『動機』があるはずです。神を気取った犯罪者殺しとは、また別の動機が」

    相沢「怨恨か?」

    「そうですね。その可能性が一番高いと思います。キラが普通に社会生活を送っている人間なら、日常の中で殺してやりたいと思う人間の一人や二人いてもおかしくはありません。そして言うまでもなく、それはキラを特定する上での大きな手がかりとなります」

    松田「竜崎。別の可能性として、金や地位を得る目的、というのも考えられるのでは?」

    「一応の可能性としてはそれもあると思います。ただ私はキラはまだ子どもではないかと推理しているので、可能性としては低いと思っています」

    松田「あっ。そういえば言ってましたね……」

    総一郎「だが仮にキラが子どもだとしても、特に個人的な怨恨等は無く、単純に自分の殺人の能力を試しただけ……という可能性はあるんじゃないか?」

    「はい。もちろんその可能性はあります。その場合はキラ個人を絞り込むのは難しいでしょうね。たまたま目に留まっただけの赤の他人を殺した可能性もあるわけですから」

    相沢「しかしそんなことを言って捜査の範囲を広げようとしなければ、いつまで経ってもキラを捕まえることはできない……というわけか」

    「そういうことです。だから私達は、たとえ99%無駄になると分かっていても、残り1%がキラにつながる可能性があるのなら、その可能性を信じて徹底的に捜査するしかありません」

    総一郎「ああ、そうだな。現状での目ぼしい手掛かりが無い以上、しらみつぶしにやるしかない。で、竜崎。具体的にはどうする?」

    「そうですね。とりあえず……キラの最初の犯行と思われる新宿の通り魔の殺人……その日から過去一年間分の日本全国の心臓麻痺死者を洗い出しましょう」

    星井父「!」

    松田「い、一年間分!?」

    「はい。また死因は『心臓麻痺』に限らず、心不全、心筋梗塞、心臓発作……その他、現在行われているキラによる殺人と実質的に同視しうる死因により亡くなった者全てです」

    相沢「それはまた膨大な数になるな」

    松田「しかも日本全国ですか」

    「はい。現状、キラが日本の……いえ、この地球上のどこに居るのか、まだ特定できていませんので」

    星井父「…………」

    155 = 154 :

    「ただ、私はやはり少なくとも日本にはいるだろうと思っています。理由は前に述べたとおり、キラは日本国内でしか報道されていなかった、件の新宿の通り魔を最初に殺しているからです。ですので、まずは日本国内を徹底的に洗いたい」

    総一郎「過去の分から、というのは何か理由があるのか?」

    「はい。普通の人間が、ある日突然顔と名前だけで人を殺せるような能力を持ち、またその能力を実際に使うとしたら、まず最初に思いつくのは自分の身近にいる人間で、殺したいと思っている人間を殺すことだと考えられるからです」

    「逆に、神を気取った犯罪者殺しを始めた後で、思い出したように身近な人間を殺すとは少し考えにくいですから」

    松田「なるほど」

    「また先ほど夜神さんが仰ったように、犯罪者殺しを始める前に適当な人間で能力を試していた可能性もありますしね。この場合には、先ほども言ったようにキラ個人を特定しうるほどの確証は得にくいと思われますが、キラの居る地域をある程度絞り込むくらいならできるかもしれません」

    相沢「竜崎。あなたの考えはよく分かった。しかしそこまで具体的に捜査方法を考えていたのなら、捜査員がもっと大勢いたときにこの捜査を始めていても良かったのでは? この人数でも可能ではあるが、掛かる時間が段違い……」

    「いえ……逆です。私はむしろこうなるまで、今言った捜査方法を取るつもりはありませんでした」

    相沢「? それはどういうことだ?」

    総一郎「そういえば竜崎……あなたは今日、『これからの捜査は人数を絞って行うべきと考えていた』と言っていたな。そのことか?」

    「はい。この捜査方法はいわば小細工無しの正面突破。その代わりもし的中した場合には、一気にキラに肉迫しうる可能性があります」

    松田「確かに」

    星井父「…………」

    「しかしそれは同時にリスクでもある。もし身内……つまり捜査本部にキラに通じる者がいた場合、その情報がそのままキラに伝わる可能性がある」

    「そうなればキラを捕まえるどころか、追う者は逆に殺されてしまう可能性が高い。そしてキラは逃げ、また生き残った捜査員の多くも殺されることを恐れ、委縮してそれまでのようにキラを追えなくなると考えられます」

    総一郎「……だから、あなたは捜査本部が今の状態になるまで待っていたということか。捜査本部の人間が死を恐れず悪に立ち向かい、そしてあなたを信用し、またあなたも信用できる人間だけの集まりになるまで……」

    「はい」

    「ここに残り、命懸けでキラを追うと言っていただけた皆さんとだからこそ……私はこの方法でキラを追うことができます」

    156 = 154 :

    相沢「そう言ってもらえるのは光栄だが……しかし現実的にはなかなか大変な作業だな」

    松田「まあこの人数で過去一年分、日本全国の心臓麻痺死者ですからね」

    総一郎「しかしやるしかあるまい。今は竜崎の言うように正面突破しかないんだ」

    「はい。私も探偵としてのネットワークを活用して可能な限り調べます。皆さんもどうかよろしくお願いします」

    星井父「…………」

    模木「係長?」

    星井父「ん? な、何だ。模木」

    模木「いえ……何か思い詰めてらっしゃるように見えたので……」

    星井父「あ、ああ……これでまた当分家に帰れないと思うとな……ハハハ」

    模木「そうですか」

    星井父「…………」

    星井父(新宿の通り魔の事件の直前……美希の事務所のプロデューサーが……)

    星井父(それに確か、同じ頃に美希のクラスメイトの男子も……)

    星井父(…………)

    星井父(いや、どうせどちらもキラ事件には無関係だろうし、調べればすぐに分かること……あえて今言う必要も無いだろう)

    星井父「…………」

    157 = 153 :

    総一郎の言った、悪いのは人を殺せる能力だってのが考えさせられるな……
    月の時は、いやどう考えても月が悪いだろと思うだけだったが

    158 = 154 :

    【同時刻・美希の自室】


    リューク「ククッ。珍しいな。こんな時間になってもまだ起きてるなんて」

    美希「だって明日テストなのにまだ範囲の半分も終わってないんだもん……あふぅ」

    リューク「大変だな。中学生ってのも」

    美希「ねぇリューク。問題を見ただけで答えが分かる目って無いの? ミキ、そういう目なら取引考えるんだけど……」

    リューク「残念ながら無いな」

    美希「あーんもー! 誰か助けてなのー!」

    159 = 154 :

    一旦ここまでなの。あふぅ

    160 :

    いきなり謎展開

    161 :

    アンサートーカーというチート能力があってだな

    162 :

    詰んでね?

    163 :

    プロデューサーの死から容疑者絞れてきそうな気はする

    164 :

    早くLと月のコンビプレイみたい

    165 :

    まだ月出てないんだからそういうこというのやめとこうな

    166 :

    デスノートSSのくせにわりとしっかりしててわろた期待

    167 :

    【翌日・765プロ事務所からの帰路】


    美希「くぁあ……あふぅ」

    春香「随分大きなあくびだね。美希」

    美希「んー……今日テストだったから、昨日ほとんど寝てないの」

    春香「えっ! 美希が? 試験中すらも余裕で爆睡してそうな美希が!?」

    美希「……流石にそれは失礼って思うな」

    春香「あはは、ごめんごめん」

    伊織「でも確かに、あんたが睡眠時間削ってまで勉強してたなんて驚きね」

    美希「むー。そりゃするよ。ミキだって一応受験生だもん」

    美希(裁き始めてからいきなり成績下がったらパパやママに変に思われそうだし……)

    伊織「? なんか言った?」

    美希「なんでもないの」

    伊織「そう? ならいいけど。でも確かにもう受験シーズンなのよね。私も気合入れて頑張らないと」

    168 :

    やよい「伊織ちゃん、頑張ってね」

    伊織「ありがとう、やよい。でも来年はあんたも受験なんだから、今のうちから少しずつでも準備しといた方が良いわよ」

    やよい「……えへへ~」

    伊織「? 何? その笑い」

    やよい「実は私、とっておきの秘策があるんだ」

    伊織「秘策?」

    春香「もしかして、もう通う塾を決めてあるとか?」

    やよい「いえ、私の学校の友達に、ものすごく頭の良いお兄さんがいる子がいるんです。そのお兄さん、今高3らしいんですけど、全国模試は毎回一位、東大合格間違い無し、って」

    美希「全国模試一位!?」

    伊織「それはまたすごいわね」

    春香「じゃあやよいの秘策っていうのは……」

    やよい「はい! 友達に頼んで、来年そのお兄さんに家庭教師お願いしようかなーって。あ、もちろんお金はちゃんと払いますよ!」

    伊織「なるほど、確かにそれは名案かもね」

    春香「でもそこまで頭良い人だったら、授業を受ける側の理解が追いつかなさそうな気もするなあ」

    やよい「あう……確かにそれはあるかもです。私、学校の成績かなり下の方だし……」

    美希「大丈夫なの、やよい。ミキだって特別学校の成績良くないし!」

    伊織「何のフォローなのよそれは……」

    169 :

    >>特別学校の成績

    「特別学校」と読んでしまい、一瞬焦った

    170 :

    どう考えても月じゃねーかそれ

    172 :

    >>171
    Lって兄弟居た描写有ったっけ?

    173 :

    あれ、やよいと粧裕って同学年だっけ?いおみきと同学年だと思ってたわ

    174 = 168 :

    春香「あはは。まあ受験生諸君頑張れって感じだね」

    やよい「あれ? でも春香さんも来年高3じゃ」

    春香「やめてやよい! 私はまだ夢見る少女でいたいの! 数Ⅱとか数Bとか見たくないの!」

    やよい「ご、ごめんなさい」

    伊織「にひひっ。じゃあこっちの受験が終わったら散々プレッシャーかけてあげるわよ、春香」

    春香「あうぅ、やめてぇ……」

    やよい「春香さん、来年は受験生同士、一緒に頑張りましょう!」

    春香「うん、そうだね。やよい。一緒に頑張ろう! ていうか、私もそのお兄さんに勉強見てもらいたいな……」

    やよい「じゃあ明日、学校で友達に聞いてみましょうか?」

    春香「え、いいの?」

    やよい「はい。とりあえず聞いてみるだけなら」

    春香「ありがとう、やよい! じゃあ早速よろしく!」

    やよい「はーい、わっかりましたー!」

    春香「よーしよし。これでもう春香さんの未来は開けたも同然ですよ! 同然!」

    伊織「ったく、もう。調子良いんだから」

    春香「えへへ」

    美希「…………」

    伊織「? どうしたの? 美希」

    美希「ん? んーん、別に? ただやっぱり眠いなあって。あふぅ」

    伊織「もう。勉強も大事だけど、夜はちゃんと寝なきゃだめよ? 無理して体調崩したら元も子も無いんだからね」

    美希「はーいなの」

    美希(こういう時間が、いつまでも続けばいいのにな)

    175 = 168 :

    短いけど一旦ここまでなの

    176 = 169 :

    春香理系なの?

    177 :

    文系でもセンターで数ⅡB受けたりするぞ
    というか受けないと入れる大学の幅が狭まる

    178 :

    むしろⅡBだと文系だな
    理系だとⅢCまでやらなきゃだろ

    179 :

    春香が理系だったとしてもまだ数3やってないだろう
    ちなみにもう数Cは息してない

    180 :

    【三週間後・キラ対策捜査本部(都内のホテルの一室)】


    「皆さん、過去一年分、日本全国の心臓麻痺死者の調査お疲れ様でした」

    「現時点で、我々が検知した該当の心臓麻痺死者――これには心不全、心筋梗塞、心臓発作などキラによる殺人と実質的に同視しうる死因により亡くなった者全てを含みますが――その数は15万2435人です」

    「毎年厚生労働省が発表している心臓麻痺等の死者の総数から推計するに、おそらく全量の7~8割方に相当するデータは収集できたものと思われます」

    「今後も残りのデータを収集する作業は継続しますが、もう既にこれだけの数のデータが集まっていますので、並行してこれらのデータの分析も行っていきたいと思います」

    「ここまで来れたのも、ひとえに皆さんの不断の努力の賜物です。本当にありがとうございます」

    総一郎「いや、竜崎……この短期間でここまでの量のデータが集められたのは、あなたの探偵としてのネットワークによるところが大きい。こちらこそ感謝する」

    相沢「L、コイル、ドヌーヴ……まさか世界の三大探偵といわれるこの三名が全員竜崎だったとはな」

    「私は元々持っていたものを利用したに過ぎません。ですが一応、私が他の名前も持っていることは秘密にしておいてください」

    松田「しかし、年代別、性別、地域別、職業別、死亡時期……可能な限りあらゆる項目でこれらの死亡者を類型化してみましたが、まだこれといって目立った共通項はありませんね」

    星井父「強いて言えば、そのほとんどが高齢者ってことか……まあある意味当然だが」

    総一郎「そうだな。だがまあこの数だ。後は竜崎の言うように、残りの2~3割の死亡者のデータを収集しつつ、既にあるデータについては地道に分析を重ねていくしかあるまい」

    「そうですね……キラ事件開始に近い時期に死亡した者達が何らかの共通した傾向を持っているなどということも、今のところは特に……ん?」

    相沢「? 竜崎?」

    181 = 180 :

    「…………」

    (収集したデータのうち、最も新しい日付のものは新宿の通り魔がキラに殺された日の前日のもの)

    (この日、日本全国で計412名が心臓麻痺等により死亡。そのうち398名が元々心臓に病を患っていたと思われる高齢者)

    (残り14名のうち、それまで全く心臓に関する病気を患っておらず、既往歴も無かった者は4名。そしてその中で死因が文字通り『心臓麻痺』と分類された者は1名)

    (その1名は『765プロダクション』というアイドル事務所のプロデューサーだった者……)

    (…………)

    相沢「どうしたんだ?」

    「いえ……ただ少し……」

    相沢「?」

    「『765プロダクション』……この名前、どこかで……」

    星井父「!」

    (そうか。確か、この捜査本部を日本の警察内に設置してもらった当初、捜査員及びその家族のプロフィールを警察からもらった時に――……)

    総一郎「竜崎。それは――」

    星井父「局長。私から」

    総一郎「! 星井君」

    星井父「竜崎」

    「はい」

    星井父「どうせ知られていることだろうし、隠すことでもないから言う。その事務所は俺の娘・星井美希が所属している事務所だ」

    「ええ、そうでしたね。今思い出しました。では星井さん。あなたはこのプロデューサーの件は……」

    星井父「ああ。もちろん知っていた」

    「…………」

    182 = 180 :

    星井父「変に勘ぐるなよ。言わなかったのはどう考えてもキラ事件には結びつかないからだ。そもそも死んだプロデューサーは犯罪者でもなんでもない。俺も娘が事務所に入るときに一度だけ会ったことがあるが、まだ若いのに人当たりの良い男だった。どう考えてもキラに標的にされるような人間じゃない」

    「……そうですか」

    松田「そ、そうですよ。ミキミキの事務所がキラ事件に関係してるわけないじゃないですか」

    「ミキミキ?」

    星井父「……娘のアイドルとしてのニックネームだ。しかし松田、今その呼び方をするのはやめろ」

    松田「す、すみません」

    「……松田さんは765プロダクションのアイドルに詳しいんですか?」」

    松田「えっ。ああ、まあ……それなりに。765プロ以外のアイドルも好きですけどね。特に最近のイチオシはヨシダプロの……」

    「ではこの頃、765プロダクション関係で他に何か心当たりのある出来事はありませんでしたか?」

    松田「えっ」

    星井父「おい竜崎。お前……」

    「別に娘さんの事務所を疑っているわけではありません。ただ新宿の通り魔が殺された日の前日に、文字通り『心臓麻痺』で死亡していたのは765プロダクションのプロデューサーだけだったから聞いているだけです」

    星井父「…………」

    松田「そうっすね……まあでも、765プロに限っての話は多分無いと思いますけど……あっ」

    「?」

    松田「そういえばこの頃、アイドル事務所の関係者が相次いで死亡した、っていうニュースがありましたよ」

    「! …………」

    星井父「…………」

    183 = 180 :

    相沢「ああ、そういえばワイドショーが中心となって何度か取り上げていたな。確かほとんどが事故や自殺っていう」

    松田「そうなんすよ。それも大手事務所の社長や会長ばかり。もっともその後にキラ事件が起こったんですっかり陰に隠れちゃいましたけどね。それに最近はアイドル事務所関係者で新たに誰かが亡くなったっていう話も聞かないですし」

    「……ワタリ。その事件、というか出来事についての情報を」

    ワタリ『はい』

    (LのPC画面に複数のネット記事の情報が表示される。それを素早く目で追うL)

    「アイドル事務所関係者……それも大御所ばかりが事故や自殺により相次いで死亡……」

    「その数、実に三か月間で八人……」

    星井父「竜崎。それは確かに奇妙な出来事だったが、死因が事故や自殺である以上、キラ事件と結びつけるのは無理があると思うが……」

    「キラが心臓麻痺以外でも人を殺せるとしたら?」

    星井父「! …………」

    総一郎「心臓麻痺以外で……?」

    相沢「竜崎。それは流石に飛躍では……」

    「そうでしょうか? 今我々に分かっているのはキラの殺しの条件だけです。具体的な殺人の方法はまだ解明できていません。単にこれまでキラによって殺されたと思われる者の死因が心臓麻痺だっただけで、それはキラが心臓麻痺以外では殺せないとする論拠にはならないはずです」

    松田「それはまあ、確かに……」

    星井父「…………」

    「それならば、少しでも可能性がある以上は徹底的に調べるべきです。以前から言っているように、そうしなければいつまで経ってもキラの糸口はつかめません」

    星井父「……しかし……」

    184 :

    「三か月間で八人ものアイドル事務所の大御所が事故や自殺により死亡」

    「それとほぼ同時期に、765プロダクションのプロデューサーが心臓麻痺により死亡」

    「そしてその直後にキラ事件が始まり、被害者は全て心臓麻痺により死亡」

    「……現状では、これらの事件ないし出来事の間に相互に関連性があるのかどうか分かりません。なので、それをはっきりさせるためには調べてみるしかありません。たとえ99%が無駄になるとしても、最後の1%がキラにつながる可能性があるのなら、です」

    総一郎「うむ……そうだな……」

    星井父「…………」

    「では相沢さんと松田さんは765プロダクションのプロデューサーが亡くなった日の一年前から現在に至るまで、既に報道されている分も含め、日本全国全てのアイドル事務所の関係者で死亡した者について調べて下さい。死んだ者の地位、死因は問いません」

    「そして夜神さんと模木さんは……同じく765プロダクションのプロデューサーが亡くなった日の一年前から現在に至るまで、765プロダクションの役員、従業員、所属アイドルに限定して、その周囲で死亡した者について重点的に調べて下さい。本人、家族、友人、知人全て含めてです。死因は問いません」

    星井父「! …………」

    総一郎「竜崎。そこまで捜査範囲を広げるのか」

    「765プロダクションは所属アイドル12人の小さな事務所です。この規模なら従業員も多くはないでしょうから、そこまで時間は掛からないはずです」

    総一郎「いや、そういう意味ではなく……」

    星井父「竜崎。何故そこまでうちの娘の事務所を?」

    「……仮に、件のアイドル事務所関係者連続死亡事案に含めて考えるとしても、765プロダクションのプロデューサーだけは少し性質が異なります」

    「まずこの事務所だけ、社長や会長などではなく一従業員が死亡しています。しかもその死因も他の事務所の者とは異なり、キラ事件の被害者と同じ心臓麻痺です」

    「そしてこのプロデューサーの死亡直後にキラ事件が発生しています」

    「さらにこのプロデューサーの死を最後に、現在報道されている限りにおいては、アイドル事務所関係者で新たに死亡した者はいないとのことです。……もっとも、この点の正確な情報については相沢さん達の捜査結果待ちですが」

    「以上が、765プロダクションの関係者を他の事務所の関係者より詳しく調べる理由です。別に星井さんの娘さんが在籍しているからではありません」

    星井父「…………」

    星井父(この流れでは、美希のクラスメイトの男子の件もすぐに……どうせ調べられるなら今言っておくべきか?)

    星井父(いやだが美希の名前が何度か挙がった後でそれは……そもそも美希がキラ事件に関係しているはずがないし……)

    星井父(…………)

    「なお、これらの捜査については星井さんは外れて下さい。娘さんは元より、星井さん自身も捜査対象者に入ることになりますので。星井さんは引き続き、残りの心臓麻痺死者のデータを収集するとともに、アイドル事務所関係者以外の心臓麻痺死者間において、何らかの共通項がみられないかの分析をお願いします」

    星井父「……分かった……」

    185 = 184 :

    (またミキ出なかったけど)一旦ここまでなの

    186 :

    乙なの美希につながりそうでこわいの

    187 :

    作品としてはミキが捕まるかどうかがクライマックスなんだが……

    正直捕まってほしくない自分がいる

    188 :

    乙乙
    いよいよ詰んできたぞお。ミキミキどう回避するのかしら

    189 :

    これもう積んでるじゃん・・・

    191 :

    L半端ねえわ もう目の前に来たな

    192 :

    プロデューサー以外は美希がやったわけじゃないけど、逆に僥倖だったな

    193 :

    まぁ月の存在が示唆されてるし、何か起きるだろ

    194 :

    お前らが月に対して厳しすぎることと星井父が警察として無能ということはわかった

    195 = 190 :

    ペンライト振ってるからミキの味方になるんじゃね

    196 :

    ミサ…月抜きは只の地雷
    火神…論外
    高田…月抜きは只の地雷
    魅上…論外
    月…論外

    まともな協力者候補が一人もいねぇ…

    197 :

    火神って何だ
    同誌内の漫画から作品の垣根超えて出張してくるのかたまげたなあ…

    198 :

    もしかして火口?

    199 :

    ヨツバの奈美川だっけあいつにうまく取り入ればかなり対抗できそうだけどな

    200 :

    ヨツバのイケメン二人はそこそこ有能だったよな
    紙村の意見を尊重していればもうちょっと善戦できたと思う


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