元スレモバP「ブスだなー」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
卯月・未央・凛「」
P「いやー、びっくりびっくり。入って3秒ブス祭りとかいじめかと思うわ」
社長・ちひろ「」
P「俺事務所間違えた?」
ちひろ(…ちょっと社長!なんちゅう人スカウトしてきたんですか!三人とも固まっちゃってるじゃないですか!)
社長(ティンと来て引き抜いてきたんだが、まさかこんな感じだとは…)
ちひろ(とりあえずどうにかしてくださいよ!)
社長(う、うむ)
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2 :
構わん続けたまえ
3 = 1 :
社長「えー、本日から我が社で共に働くことになったP君だ」
P「どうもー、今日からお前らブスどもをプロデュースすることになったPだ。よろしく。しかしブスだなお前ら」
卯月・未央・凛・社長・ちひろ「」
P「そりゃ前のプロデューサーも辞めるわけだ」
卯月「あ、あの!」
P「なんだ?」
4 = 1 :
卯月「わ、私のことを罵るのは構いませんが、前のプロデューサーのことを悪く言わないでください!」
P「島村」
卯月「はい」
P「俺は一言も前プロデューサーを罵ってはいない。彼の苦労を思っただけだ。ブス三人をニュージェネレーションというユニットとしてこのプロダクションから必死に売り出そうとしていた彼の努力を。相当優秀なプロデューサーだったんだろう。こんなブスをここまで売れる商品に仕立て上げたんだからなあ」
卯月「」
5 :
ほう面白そうだ続けろ…続けて下さい!
6 = 1 :
P「俺は努力する人間、努力した人間を蔑むことはしない」
未央「じゃ、じゃあ!」
P「だが本田、それは俺がこの目で見てそう思えた時だけだ。それ以外はクソの足しにもならん。お前らブスの努力なんぞ、前プロデューサーの比ではない。お前らがここまで来た努力なんぞ、アイドルを目指す人間がすべからく通る道だ。自慢にも賞賛にも値しない」
凛「…あんたはプロデューサーと私たちの何がわかるっていうの」
卯月「ちょっと」
凛「卯月は黙ってて」
卯月「……」
7 = 1 :
凛「私たちは今まで一生懸命頑張ってきた。プロデューサー一人が頑張ったわけじゃない。私たち三人と一緒になって必死にここまで登ってきた。その努力を否定される言われはない」
P「威勢がいいな渋谷。もっと寡黙な奴かと思ったがそうでもないんだな。うるさいブスか、最悪だな」
凛「卯月も言ったけど、私を罵るのはいいよ。でもプロデューサーのしてきた事を悪く言うのは許さない。ニュージェネレーションは彼と私たちが努力して出来た結晶。それを否定するのは彼のやってきたことを否定するのと同じなの。撤回して」
P「思った以上に面倒くさいな。こりゃ前プロデューサーもお前らのことを見放すわけだ」
凛「…どういうこと?」ギリッ
P「どうもこうもないさ、言葉の通りだ。ねえ社長」
社長「……」
8 = 1 :
凛「社長、どういうことですか」ジロ
社長「いや…なんというかなあ」
ちひろ「…」
P「今のお前らブスには到底理解できないから聞いても意味ねえよ」
凛「あ?」
未央「ちょっと凛!」
P「怖いねぇ。アイドルの顔とは思えないわ。
ま、真実が聞きたいなら俺の懐が温かくなるぐらい立派なアイドルになることだな」
凛「…最低」
未央「…酷い」
卯月「…うぅ」グス...
P「おう、なんとでも言え。クズで結構。最低上等。泣くほど悔しいなら俺をアッと言わすよう努力するんだな」ハハハ
ちひろ「え、ええっと。あ、そうそう今日はこの後3人はレッスンだね!スタジオに移動しましょう!」
社長「そ、そうだな!さあ三人とも移動移動!」
「「「…はい」」」
P「じゃあ俺も見学させてもらうか。今日はそれぐらいしか予定もないしな」
凛「……」ギリ
P「ひゅー」
社長(どうしたものか…)
ちひろ(どうしましょう…)
9 = 1 :
事務所
社長「P君」
P「はい?」
社長「いや、どういったものかな。彼女たちは多感な年ごろだ。
彼女たちには少しきつすぎるのではないかな。言葉もそうだが、態度も対応も」
P「社長」
社長「なんだね?」
P「あれはだいぶ抑えた方ですよ?」
社長・ちひろ「」
10 = 1 :
P「もう少しきつくてもいいかなとも思ったのですが、
あまりにも彼女たちがひどいもので呆れてあれぐらいになってしまいました。
なんというか、彼女たちはそこまでなんだなと」
社長「…そこまでとは?」
P「彼女たちはアイドルでもプロでもなんでもない、ただの傀儡であることに満足しているんだなと」
社長「傀儡?」
P「はい、傀儡です。偶像でも象徴でもなく、ただ踊らされているだけです。だから…、いえ、まあそういうことです」
11 = 1 :
社長「君は彼女たちに何を見た」
P「何も。彼女たちからは何も見えません。そこらへんに転がっている石となんら変わりありません」
社長「そうか。なら君は彼女たちをどうする?見捨てるかい?」
P「ただ俺は俺の信じる道を進むだけです。それが間違っていればどうぞ自由に俺を捨ててください。
俺が捨てられることはあっても俺は誰も捨てません。それが俺の信じる道です」
社長「…わかった。それがどこまで本当なのか見極めさせてもらおう」
P「はい」
12 = 1 :
スタジオ内
トレ「ちょっと休憩入れましょうか」
「「「はい」」」
トレ「島村さん、ステップ遅れてる」
卯月「はい」
トレ「本田さん、この前教えたところまた間違えてたわ」
未央「すみません!」
トレ「渋谷さんはキレが悪いわね」
凛「…はい」
13 = 1 :
トレ「今日は三人とも調子が悪いけどどうしたの?」
未央「…それは」
P「おーす、真面目にやってるかブスどもー」ガチャ
トレ「?!お疲れ様です、あなたが新しいプロデューサーさん?」
P「はい、Pと申します。よろしくお願いいたします」
トレ(聞き間違えだったのかな、ブスって)
P「レッスン中は拍車をかけてブスだなお前ら」ハハハ
トレ(間違ってなかった!)
凛「…集中切れるから出てってくれない」
未央「凛!」
凛「…何?」
未央「いや、そのさぁ」
14 = 1 :
P「俺一人で集中切らすとか相当集中力無いんだな。あ、ブスだからしょうがないか」
トレ「」
P「ま、これから仲良くやってくんだからレッスンぐらい見せてくれや、ブスリン」
凛「…死ね」
P「ひゅー」
卯月「ト、トレーナーさん!レッスン再開しましょう!」
トレ「そ、そうね。じゃあプロデューサーさんはちょっと」
P「適当に邪魔になりそうなところで見てますよ。お気になさらず」
トレ「」
未央「トレーナーさん!」
トレ「はっ!じゃ、じゃあ早速再開しましょう!」
凛「…チッ」
P「イエーイ」
卯月「」
ダンスレッスン・ボイストレーニング中
P「……」
15 = 1 :
トレ「はい、じゃあ今日はここまで!」
「「「ありがとうございました」」」
P「やっと終わったかー、見てるこっちも疲れるレッスンとか本当にひどいな」
トレ「ちょっとプロデューサーさん!」
P「はい?」
トレ「先ほどから言葉が過ぎませんか」
P「そうですか?」
16 = 1 :
トレ「そうです!酷いってもんじゃありません。とても担当するアイドルにかける言葉ではありません!」
P「担当するアイドルねえ」
トレ「ええ!」
P「俺はこいつらのことをアイドルだなんて全く思っていないので心配無用です」
トレ「えっ」
P「言葉通りですよ。こんなブスをアイドルなんて言うなら日本中アイドルだらけになっちゃいますよ」ハハハ
トレ「」
17 = 1 :
P「さてと、色々わかったことだし今日はこのあたりで失礼するかね。おいブスども!」
「「「……」」」
P「返事もできないなんてブスとかそれ以前の話だな。まあいいや。
ブスが風邪なんかひいたら目も当てられないから早く着替えて帰るんだな」ハハハ
ガチャ
トレ「…あれは何?」
未央「…なんというか」
卯月「うぅ...」
凛「ただのクズ野郎だよ。プロデューサーでもなんでもない。ただのクソ野郎」
トレ「渋谷さん…」
P「…」
18 = 1 :
数日後
ちひろ(どうも、可愛い事務員ちひろです。新しいプロデューサーさんが入って数日経ちました。
初日は険悪ムードの中の自己紹介でした。さてさて今日はどうなることやら。事務所の扉を開けましょう!)
P「おはようございます、千川さん」
ちひろ「」
P「どうかしましたか?」
ちひろ「はっ!おはようございます。いつも私が事務所に一番で来ていたので驚いてしまいました」
P「それは失礼しました。いつもこれぐらいには事務所にいたので。
引っ越しなんかの身の回りの片づけが終わったのでこれからは通常営業です」
ちひろ「そうなんですね。それにしても早くないですか?」
19 = 2 :
リーガルハイっぽい
20 = 1 :
P「目を通さなければいけない資料が多いので。それに今日はニュージェネレーションの握手会でしょう。
軽く準備をと思いましてね」
ちひろ「久しぶりの握手会ですけれど、そんなに何か準備が必要でしたか?
準備は私の方で整えましたから、昨日渡した資料の内容で十分かと思いますが」
P「このプロダクションにきて初めての仕事ですからね。過去の資料と他の握手会の資料を見させてもらっていました」
ちひろ「…仕事熱心なんですね。彼女たちに対してはあんなに冷たいのに」
P「別に熱心ではないですよ?当たり前のことです。それに冷たく接しているわけではありません。普通の対応です」
ちひろ「あなたの基準がわかりません」
21 :
今の段階では中々面白そう
22 = 1 :
P「出会って数日ですからね。それで色々わかればエスパーか、よほどじっくりと見ているかのどちらかです」
ちひろ「そうですか」
ガチャ
未央「おっはようございまーす!」
ちひろ「はい、おはようございます」
P「おはよう、随分早い出社だな。いい心がけだ。見どころあるブスだな」
未央「…担当アイドルに朝一でブスって言うのはプロデューサーとしてどうなの?」
P「思ったことが口に出てきてしまうのが俺のいいところでな」
未央「…そう」
23 = 1 :
P「ああ。言いたいことは言う。それが一番だ」
未央「そっか」
P「そうだ。本田も言いたいことがあるなら言っておけよ」
未央「…私はあなたのことが嫌い。しまむーもしぶりんもあんたのことが嫌いだよ。わかってると思うけど」
P「これで好かれてたら相当気合の入ったドMか極度の変態だろう。
三人とも一応正常なブスだとわかって俺は嬉しいよ」
24 = 1 :
未央「私は全然嬉しくないよ。二人は一緒に仕事したいとも思ってないだろうし」
P「それは光栄だ。俺もお前らなんかと仕事をしたいと思わない。
とっとと売れるようになって新しいプロデューサー雇ってほしいわ」
未央「ほんと最っ低だね」
P「褒め言葉としてもらっておこう」
ちひろ「朝から険悪ムードやめやめ!未央ちゃんあっちで今日の握手会の打ち合わせしましょう!」
未央「は~い」
P(ここにいると嫌でもからまれそうだ。資料を読むのも面倒になりそうだし、応接室に移動するか)ドッコイセ
25 = 1 :
凛「…おはようございます」
卯月「おはようございまーす」
ちひろ「はい、二人ともおはよう。奥で未央ちゃんいるから待っててね。握手会の打ち合わせをしましょう」
卯月「はい!」
凛「…ちひろさん、あいつは」
ちひろ「プロデューサーさんは応接室で資料見てるわ。
粗方打ち合わせ終わったら最終確認をプロデューサーさんとしましょう」
凛「嫌」
ちひろ「凛ちゃんが嫌がるのは十分わかるけど、仕事って嫌な人とも顔を合わせなきゃいけないことの方が多いのよ。
仕事と割り切ってお願いね」
凛「…はい」
26 = 1 :
P「おーっす、揃いも揃ったりブスどもー」
卯月「あ…おはようございます」
凛「こんな奴に挨拶なんかしなくていいよ」
P「そうつれないこと言うなよブスリン。せっかくの俺らの初仕事なんだからさあ」
凛「これが最後の仕事になるといいと本気で思ってるよ」
P「お前らが俺の懐を潤してくれるまで辞める気はないぜ」キリッ
凛「死ね」
卯月「ちょっと凛ちゃん!」
凛「何?」ギロ
卯月「うぅ…」
27 = 1 :
P「それぐらい威勢がいいとからかいがいがあるってもんだ」
凛「本気で言ってるんだけどね」
P「俺も本気さ」
未央「…」
ちひろ(…本当に大丈夫なのかしら)
P「さ、俺も久しぶりの握手会に向けて出発と行きますかね。車出してくるから準備してから降りてこいよー」ヒラヒラ
28 = 1 :
凛「私今日仕事やめていい?」
ちひろ「仕事って嫌なこともあるんだよ。それを乗り越えてこそ!」
未央「…あっと」
凛「何?」
未央「えっと…、いやさ!さっさと準備しちゃおう!またあいつになんか言われるのも癪だしさ!」
卯月「そうだね!お仕事だもん、頑張らなきゃ!」
凛「…うん」
未央「…」
ちひろ「?」
29 = 1 :
握手会会場
P「ご無沙汰しております!Pです!今はCGプロにお世話になっています。
おかげんいかがですか?変わりありませんか?」
卯月(…めちゃくちゃにこにこしながら話してるよ!)ヒソヒソ
未央(知り合いなのかな?)ヒソヒソ
凛(外面だけ整えるとか吐き気がする)ボソ
P「見ての通りまだまだの三人ですが今日はよろしくお願いいたします」
卯月・未央・凛 ペコリ
30 = 1 :
ニュージェネレーションアクシュカイカイジョウハコチラデース!
ワイワイガヤガヤ
P「暑い中これだけの人数がくるっちゅうのは相当だな。流石前プロデューサー様。おいブスども!」
「「「…」」」
P「俺と仕事するのが嫌だろうがなんだろうが知らねえが、
今ここにきているファンのためにお前らのやるべきことをやりやがれ」
卯月「…はい」
未央「…はい!」
凛「…」
31 = 1 :
P「お、ブスリン返事はどうした?仕事だぞ仕事。前プロデューサーと一緒にやってきた大切なファンとのお仕事だぞー」
凛「軽々しくプロデューサーのことを口に出さないでくれる?汚らわしい」
P「おーこわ。ま、なんだっていいさ。ブスでもファンにとってお前らはアイドルだ。
怖い顔なんかしないで笑顔で行けよー。ちょっとはブスも見れるようになるかもしれんしな」ハハハ
ニュージェネレーションサン、ニュウジョウオネガイシマース
P「さ、行った行った。ファンと交流してこいよー」
「「「…」」」
32 = 1 :
ソレデハ、ニュージェネレーションノサンニンノトウジョウダー!
ワーーーーーーーー!!
P(…さてと)
33 = 1 :
プロデューサー君が辞めてもう数か月が経った。特にしまむーとしぶりんが酷かった。
私も当然のようにショックだったし、しばらくは食事も喉を通らなかった。
それだけプロデューサー君を信頼していたし、大切だったんだと思う。
でもしまむーもしぶりんもそれ以上にプロデューサー君が大切だった。
だから今でもまだ彼の影を引きずっている。
どうにかならないかなと頑張ったけど、彼を大切に思っていたのは一緒だから、
何を言っても慰めにならないことを知っているから、余計にかける言葉がなかった。
34 = 1 :
新しいプロデューサーが来るという話があった。新しいプロデューサーが来た。
でもすぐ辞めた。仕事の大変さよりも何よりも事務所の雰囲気に耐えられなかったのだと思う。
また新しいプロデューサーが来た。でもすぐ辞めた。
四人目のプロデューサーが辞めた時、社長も諦めて色々落ち着くまで社長とちひろさんが私たちの面倒を見ることになった。
今までの仕事をひたすらこなす。定例ライブも営業活動も。
プロデューサー君が作ってきた仕事をただひたすらこなす。
そうすることでしまむーもしぶりんも少しだけ気力を取り戻したような気がした。
そして数日前あいつが来た。センセーショナルな言葉を放ち、私たちに言いたい放題。
それでも私はそれがなぜか嬉しかった。今まで来たどのプロデューサーよりも私たちを見てくれていた気がした。
35 = 1 :
私はなんでアイドルなんだろうって思う。どこにでもいるような高校生だし。
それでも今日の握手会には沢山のファンの人が来てくれて、頑張ってねと言ってくれる。
それに応えるのが何より楽しいと思える。だから私はここにいる。
でもしまむーもしぶりんもそうじゃないみたい。
二人はプロデューサー君との繋がりを壊さないようにニュージェネレーションの仕事をしているように感じてしまう。
だからあいつは私たちに、
36 = 1 :
P「お前らアイドル失格だ」
37 = 1 :
そう言い放った。
P「お前らは何のためにアイドルをやってるんだ。前プロデューサーのためか?」
静かに、落ち着いた口調であいつは聞いた。
凛「…そうだよ」
P「渋谷、お前帰れ。いや、もう一生事務所に来なくていい。吐き気がする」
卯月「ちょっと待ってくださいよ!」
P「待たない。お前らの目には何が見えてるんだ」
あいつはモニターを指差す。そこには多くのファンが列をなしていた。
私たちが休憩から明けるのを今か今かと待っている。
38 = 1 :
P「お前らにはこれだけのファンが見えないのか?」
凛「…見えてるよ」
P「全く見えてねえって言ってんだよ、ブスが!!」
あざ笑うだけのあいつが初めて怒鳴った。
P「お前らが見てんのは前プロデューサーが作った仕事だけだ!
何一つファンなんか見ちゃいない!お前らを支えてくれてるのはなんだ、前プロデューサーか!
違うだろ!今さっきまで目の前にいたファンの一人一人だろうが!!」
凛「…」
卯月「…」
ああ、そうだ。私たちは目の前のファンが見えていなかった。プロデューサー君との繋がりだけを見続けていた。
39 = 1 :
P「お前らが前プロデューサーとの繋がりを大切にしたいんだったら大切にすればいい。
だがな、それよりも大切にしなきゃいけないものが目の前にあるだろ!
それが見えないなら帰れ、今すぐ帰れ!金輪際アイドルを名乗るな!!」
激昂したあいつの目は何よりも真剣に私たちを見つめていた。
ソロソロキュウケイアケデース!
P「…休憩が明ける。お前らがどうアイドルとしてファンに接するか、もう一度考えながら一人一人と触れ合ってこい。
それで何も感じなかったらアイドル辞めろ」
そういってあいつは控室から出て行った。
40 = 1 :
凛「…」
卯月「…」
未央「…口は悪いけどさ、本当のこと言われちゃうと何も言えなくなっちゃうよね」
卯月「…」
凛「…」
未央「さ、気を取り直して行ってみよー!ファンのみんな暑い中来てくれてるんだしさ!」
凛「…うん」
ニュージェネレーションサンオネガイシマース!
休憩明けから何かが変わった気がした。それは小さな変化だったかもしれない。
目くばせや笑い方だったり、話し方や握手のし方だったり。
目に映るのはファンの一人一人で、それ以外には何も映らない。この人たちのために私は頑張るんだと。
P(…)
41 = 1 :
私もしまむーもしぶりんも疲れて車中で寝てしまった。こんなに疲れたのはここ最近では久しぶりだった。
P「起きろブスども。事務所だ」
未央「うぅん」ノビー
卯月「あっ、寝ちゃってすみません...」
P「そう思うなら涎を拭いて早く事務所に行くんだな」
卯月「…っ」ゴシゴシ
凛「…どうも」
P「今日はもうやることねえから荷物とって来い。駅まで送ってやる。ブスでも通り魔にあうご時世だからな」ハハハ
「「「…」」」
ブロロロロ
42 = 1 :
P「ただ今帰りましたよー」
ちひろ「お帰りなさい。みんなを駅まで?」
P「ええ。ブスだって通り魔や痴漢にあう時代ですからね。商売道具を傷つけられたらたまったもんじゃない」
ちひろ「」
P「さてと、仕事仕事」
ちひろ「はっ!そういえば今日はどうだったんですか、握手会」
P「100点満点中3点ってところですかね」
43 = 1 :
ちひろ「一人1点ですか?」
P「いえ、一人が2点で二人は0.5点といったところですかね」
ちひろ「誰が2点ですか?」
P「秘密です」
ちひろ「けちー」
P「そんなもんです。そういえば視聴覚資料とかはどこにありますか?」
ちひろ「ライブ映像とかですか?それなら奥の衣裳部屋の横の部屋に名前順に並んでいますよ」
P「ありがとうございます。後程見させて頂きます」
ちひろ(なんでこういう丁寧な口調をあの子たちに使わないのかしら)
P「?」
ちひろ「いえー。それでは私はこれで失礼しますね。プロデューサーさんも今日は早く帰って疲れを癒してくださいね」
P「どもー。気を付けてください」ヒラヒラ
P(…さてと)
44 = 1 :
未央(バックの中にないとすると事務所しかないよね。ちひろさんまだいるかなあ。
お、事務所まだ電気ついてる!ラッキー♪)
未央「おじゃましまーす」ソロリ
未央(あれ?鍵かかってなかったけど誰もいない?不用心な事務所だなあ。
…ん?この曲私たちの曲?去年のライブのかな。どこから流れてる?あいつの机から?)
未央(ん…この資料は?)
本田未央。ほかの二人と比べるとダンスも歌もレベルの差が開いているのが現実。
しかし二人よりもよっぽど彼女のダンスや歌は見ていて聴いt バタン!
未央(やば!あいつどこからか帰ってきたみたい!どうしよ!とりあえず隠れよう!)
45 = 1 :
翌日事務所
P「ニュージェネレーションの活動を休止する。これは俺だけでなく社長の判断でもある」
卯月「…えっ?」
未央「…」
凛「…どういうこと?」
P「日本語も理解できないのかブスリン。言葉の通りだ。活動休止。それ以上でもそれ以下でもない。
異論反論は一切受け付けない。これは決定事項だ」
卯月「そんな…」
46 = 1 :
凛「…あんたはそこまでしてプロデューサーに勝ちたいの?」
P「どういう意味だ?」
凛「そうやって彼のやってきたことをぶち壊して新しく自分の功績を立てたいだけなんじゃないのって言ってんの!」
P「ははは!お前本気でそんなこと思ってんのか?」
卯月「…私たちを辞めさせたいんですか?」
47 = 1 :
P「それもいいな。ま、お前ら辞めさせるだけなら何もそんな面倒な手なんか使わずにスパッと辞めさせるさ。
それにお前らは大切な商品だ。辞めさせるには惜しいしな。
せいぜいプロデューサーさんとの思い出を抱きしめながら俺が辞めるのを待つんだな」ハハハ
凛「…後ろに気を付けなよ」
P「ご忠告どうも。格闘技の心得もあるもんでな。そうやすやすと後ろには近づけんと思うがな」
凛「…」ギリ
P「さて、活動休止と言っても何もやらんわけにもいかん。各々の活動方針も決まっている。
社長からお前らの活動内容は俺に一任されているから、口答えするなら辞めてもらう」
未央「…」
48 = 1 :
P「まず島村」
卯月「…はい」
P「お前は老人ホームと幼稚園でボランティア活動をしてもらう。千川さんに内容を伝えてある。
しばらくは千川さんと共に行動してもらう」
卯月「…アイドル活動ではなくボランティアですか?」
P「お前みたいなブスがアイドル活動なんか出来るわけねえだろ。質問も一切受け付けん。やってこい。それだけだ」
卯月「…はい」
49 = 1 :
P「次に渋谷」
凛「…」
P「返事ぐらいしたらどうだー、ブスリン?」
凛「…」チッ
P「いい返事だ。お前はさらにブスだから人前には当然出せん。とにかくお前は俺が許可するまでレッスンだ。
俺の知り合いのトレーナーを呼んでいる。そいつの指示に従え。いいな」
凛「…」
P「肯定と受け取った。ま、お前に口答えする権利はないがな」
凛「死ね」
P「なんだ話せたのか。結構結構」
50 = 1 :
P「そして本田」
未央「…はい!」
P「お前は俺と一緒に活動してもらう。内容はその都度説明していく」
未央「はい」
P「そんじゃ、今日からそんな感じで動くからよろしくー。
千川さん、トレーナーから活動報告をもらうから、真面目にやるんだぞー」バタン
「「「…」」」
みんなの評価 : ★
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