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    元スレ美希「デスノート」

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    101 :


    海外の犯罪者はどうしよう?

    102 :

    美希今のところ強すぎるな
    解決の糸口はパパぐらいか?

    103 = 93 :

    いつの間にか一年経ってただと
    L…

    104 :

    「特に理由のない無邪気な裁きが名探偵(の権威)を襲う!」

    105 :

    しかしミサミサにはバレるよな。
    デスノート保有者は死神の目でも寿命が見えなくなるし。

    このミサミサはまだノート拾ってない?

    106 :

    どっかから前任Pの死を掴めたらLのターン
    掴めない場合は分からん

    107 :

    他の死神とか取っ掛かりが無い限り現状維持でしょうなー

    108 :

    リューク的には先走って自爆の多かった月と比べて、淡々と目立たずに処理する美希だと面白!が少なかろうなあ

    109 :

    リュークは月が新世界の神になったらつまらないって言ってノートに名前を書き込んだ可能性はあるかね?

    110 :

    美希「これ……海砂ちゃんのファンの個人サイト……」

    リューク「ん? 何々……『今から一年前、弥海砂の両親は強盗に殺された』……? うお、マジかよ」

    美希「しかもこの犯人の名前……確か……」パラパラ

    美希「何日か前、まだ裁いていなかった過去の凶悪事件の犯人をまとめて裁いたときに……」

    美希「! ……やっぱり……」

    リューク「おー、ばっちり書いてあるな」

    美希「…………」

    リューク「ククッ。つまりお前は彼女の両親の仇を討った恩人ってわけか。もちろん、向こうはそんなこと知るわけもないが」

    美希「…………」

    リューク「こういうことならいっそ、あの子に自分がキラだって教えてやったらどうだ? 今よりもっと仲良くなれるかもしれないぞ」

    美希「…………」

    リューク「そうしたら、お前が今一人でやってる裁きだって、喜んで手伝ってくれるかもしれない」

    美希「……何バカなこと言ってるの、リューク」

    リューク「あれ」

    美希「海砂ちゃんはミキのアイドル仲間で普通の友達。それ以上でもそれ以下でもないの」

    リューク「……ああ、そう……」

    美希「…………」

    美希(そうだよ。ミキは誰の力も助けも借りない)

    美希(このデスノートだけで、皆が楽しく生きていける世界を作ってみせるの)

    111 = 110 :

    【Lの私室】


    「…………」

    (先日、私は捜査本部に対してキラの人物像についての自分の見解を述べたが……結局、その後もキラの裁きの傾向に変化はみられなかった)

    (この現状では、キラが捜査本部から情報を得ている可能性は低いと判断せざるを得ない)

    (あわよくば、ここからキラの手掛かりをつかめるかとも思ったが……)

    (これでまた振り出しか)

    ワタリ『L。日本の警察に頼んでいた情報が上がってきました』

    「分かった。回してくれ」

    ワタリ『こちらです』

    「…………」

    (私が警察に調べるよう依頼していたのは、これまでキラに殺された犯罪者が日本でどのような報道のされ方をしていたか、という点)

    (キラが殺人を行う上で必要となる条件を知るために依頼していたものだ)

    (それによると……)

    (これまで殺された犯罪者は、すべて日本で顔と名前が報道されていた者……か)

    (とすると、キラが殺人を行うためには、少なくとも対象者の顔と名前の両方を知ることが必要……?)

    (つまりキラは、殺したい人物がいても、その者の顔を見ただけでは殺せない……?)

    (いやだが、氏名不詳の者などでない限り、そもそも犯罪者の顔だけが報道されるということは無い。そして少なくともキラが活動を始めてからそのような報道がされたケースは無い)

    (ならばもう少し……捜査本部の情報が漏れていないという前提であれば……)

    「…………」

    112 = 110 :

    【同日・警視庁/凶悪連続殺人特別捜査本部(キラ対策捜査本部)】


    『捜査本部の皆さん。この度は私の依頼に応じて情報を提供して下さりありがとうございました』

    『これにより、私はキラの殺人に必要な条件をほぼ特定することができました』

    星井父「! 本当か」

    総一郎「…………」

    『ただ、これは今後のキラ捜査の基本となる情報ですので、可能な限りより明確にしておきたい』

    『そこで、皆さんに報道機関を使ってやって頂きたいことがあります』

    星井父「また報道操作か……? 今度は何をする気だ」

    松田「まさかまた自分の身代わりを晒させる気ですかね?」

    総一郎「…………」

    『今回お願いしたいことは、犯罪者の報道内容の操作です』

    星井父「? 報道内容?」

    総一郎「…………」

    『そしてできれば、今から述べる内容を明日の報道で実施して頂きたい』

    『まず、これまでのキラの裁きの傾向から、裁きの対象となりそうな重大犯罪を犯した者のうち、任意の一名を偽名で報道させて下さい。この際、顔写真は本人の物をそのまま使用して報道させて下さい』

    星井父「? 偽名ということは……わざと誤った報道をしろということか?」

    『はい。私の考えではキラの殺人には顔と名前が必要……しかしもし仮に顔だけでも殺せるとすれば、偽名での報道でもこの容疑者は殺される筈。逆にこの容疑者が殺されなければ、名前まで必要という私の考えが裏付けられることになります』

    星井父「なるほど……」

    総一郎「…………」

    『そして次に、それとは別に、同じくキラの裁きの対象となりそうな犯罪を犯した者のうち、比較的年齢の近い容疑者二名の顔写真を入れ替えて報道させて下さい。この際、名前については二名とも本名での報道をお願いします』

    松田「さっきの逆のパターンですね」

    星井父「これでもしその二名が殺されれば名前だけでも殺せる……逆に殺されなければ名前だけでは殺せない、ということになるということか」

    『その通りです。もっとも殺害対象を特定するという観点からは、いくら名前が分かっていても顔が分からない相手を殺せるとはまず考えにくいですが……念の為です』

    『この三名以外の者は、これまでの犯罪者と同様、本名と本人の顔写真で報道させて下さい』

    『そしてこれらの報道操作にもかかわらず、誤った情報で報道した三名の容疑者全員が殺された場合は速やかに……もしその中で殺されなかった者がいた場合は、数日間様子を見、それでも何も起こらなければ訂正の報道をさせて下さい』

    総一郎「…………」

    113 = 110 :

    星井父「Lがやろうとしていることは分かった。しかし……」

    総一郎「……L。これでは犯罪者をキラの殺人の条件を知るための実験台に使っているのと同じ……やっていることはキラと大差無い。申し訳無いが、警察としては承服しかねる」

    星井父「局長」

    松田「確かにそうっすよね……。この捜査本部の中でも、キラが報道から犯罪者の情報を得ている以上、犯罪者個人が特定されるような報道はやめるべきだって意見も出ていますし」

    『……その考えは一意見としては理解できますが、今警察がそのような措置を取ってしまうと、キラが抗議と脅しの意を込めて無作為に一般人を殺し始めたりする可能性もゼロではありません』

    『犯罪者だから死んでもいい、などと言うつもりは毛頭ありません。それではまさにキラと同じ考えです』

    『しかし現状のまま手をこまねいていても状況が変わらないことも確かです。これまで通り、キラの基準に沿う、一定以上の重大犯罪を犯した者が殺され続けるだけです』

    『それならば、少なくとも今この状況でできることはやっておきたい』

    総一郎「………」

    『必ずしも人道に沿ったやり方とはいえないことは否定しません。しかしキラ事件そのものを終結させるためには必要なことです』

    『どうかご理解下さい』

    総一郎「……分かった。Lがそこまで言うのなら……」

    星井父「局長」

    松田「良いんですか?」

    総一郎「良いとは思っていない。だが現時点で我々警察がキラの殺人の条件を特定できていないのも事実だ……」

    星井父「それは……そうですが……」

    『ご協力、感謝いたします。では、よろしくお願いいたします』

    総一郎「…………」

    114 = 110 :

    【翌日夜・美希の自室】


    美希「さて。今日も裁きの時間なの。テレビテレビっと」ピッ

    リューク「もうすっかりキラとしての活動が日常の一コマになってるな」

    美希「まーねー。なんだかんだでもうこの裁きを始めてから一か月近くになるし」

    リューク「アイドルとしての活動の方も忙しくなってきてるっていうのに大したもんだな」

    美希「その分ガッコの勉強はやばいけどね……ミキ、これでも一応受験生なのに」

    リューク「受験なんてどうにでもなるだろ。たとえばデスノートを使って入学したい高校の校長を脅してみるとか」

    美希「むー。ミキはそういう目的でノートを使ったりはしないの。見くびらないでほしいな」

    リューク「ククッ。それは悪かったな」

    TV『……本日未明、東京都渋谷区で強盗殺人事件が発生し……』

    美希「おっと。早速きたの」

    TV『……警察は中岡寺松四郎容疑者の行方を追っており……』

    美希「中岡寺松四郎……ね。よし、顔も覚えたの」

    リューク「……ん?」

    美希「? どうしたの?」

    リューク「いや……なんでもない」

    美希「? 変なリューク。まあいいや」カキカキ

    リューク「…………」

    美希「よし。これでまず一人なの」

    115 = 110 :

    TV『……続いて、昨日都内で起きた銀行強盗事件ですが、警察は恐田奇一郎容疑者の犯行と断定し……』

    美希「はいはい、恐田奇一郎……っと。こんな大人しそうな顔して銀行強盗なんて、結構大胆な奴なの」カキカキ

    リューク「……?」

    TV『……先月15日に起きた女児誘拐殺人事件で、警察は鳩梅﨑元次郎容疑者を逮捕……』

    美希「鳩梅﨑元次郎……ね。こっちはなんかいかにも悪そうな顔なの」カキカキ

    リューク「……ククッ。なるほど、そういうことか」

    美希「え? 何か言った? リューク」

    リューク「いや、何も?」

    美希「もー。人が頑張って裁きしてる時にジャマしないでほしいの。……あっ。海砂ちゃんから電話なの!」

    リューク「俺はダメでミサはいいのかよ」

    美希「うん。だって海砂ちゃんはミキの友達だもん」ピッ

    リューク「…………」

    美希「……もしもし? 海砂ちゃん? うん、まだ起きてたの」

    美希「……うん。ああ、そこミキも行ってみたいって思ってたの! あはっ」

    美希「うん、大丈夫なの。じゃあまた明日ね。おやすみなさいなの」ピッ

    リューク「……ミサと会うのか? 明日」

    美希「うん。明日オフだから駅前にできたケーキ屋さんでも行ってみない? って。ミキもちょうど明日お休みだし、前から一度行ってみたかったところだから良かったの」

    リューク「へぇ。それは良かったな」

    美希「さて、じゃあ残りの裁きもちゃっちゃと終わらせて寝ようっと。あふぅ」

    リューク「…………」

    116 = 110 :

    【翌日】


    美希「なんか友達と遊ぶの久しぶりなの」

    リューク「そうなのか?」

    美希「うん。事務所の友達とは、前のプロデューサーが亡くなってから、ちょっとしばらくそういうのはやめとこうみたいな空気になっちゃってたし」

    美希「ガッコの友達の方も、ちょっと前にクラスメイトの男子が死んじゃったから、なんとなく羽目を外しにくい感じになってるの」

    リューク「……どっちも自分で殺しといて……」

    美希「なんか言った?」

    リューク「いや、別に……」

    美希「あっ、そうだ。これ、うっかり海砂ちゃんに触られないように気を付けないと。もうちょっと鞄の底の方に押しやっといた方がいいかな」グイグイ

    リューク「……遊びに行く時でも持って行くんだな。デスノート」

    美希「うん、そうだよ。当然なの」

    リューク「前から思ってたんだが、そうやって常にノートを持ち歩くのって危なくないか? 今自分で言ってたように、何かの拍子に他のやつに触られたりする可能性もあるわけだし」

    美希「それを言うなら、家に置きっぱなしの方がよっぽどアブナイの。ミキの部屋、ママがちょくちょく掃除しに入ってくるし、お姉ちゃんも勝手に入ってきてはミキの服とか借りてっちゃうしね」

    リューク「……なるほどな。常に肌身離さず持ち歩いてる方が安全ってことか」

    美希「そういうことなの。あっ! 海砂ちゃんなの! おーい、海砂ちゃーん!」

    海砂「やっほー美希ちゃん。あっ、ちゃんと変装してるんだね」

    美希「そーなの。ミキ的にはどっちでもイイって感じなんだけど、律子がしろしろってウルサくて」

    海砂「それだけ売れてるって証拠じゃん。いいなあ、早くミサも売れるようになりたい」

    美希「ミキ的には、海砂ちゃんならすぐ売れるようになるって思うな」

    海砂「本当? 嬉しい、ありがとう! じゃ、早速行こっか」

    美希「はいなの!」

    117 = 110 :

    【同日・Lの私室】


    「…………」

    (昨日報道された犯罪者で、キラの裁きの対象となりそうな重大犯罪を犯した者のうち、実際に殺されたのは顔と名前が正しく報道された者のみ)

    (顔と名前のいずれかが誤った情報で報道された三名については、まだ誰も殺されていない)

    (これはやはり……)

    「……ワタリ。例の三名の犯罪者だが、数日間様子を見て何も無ければ……」

    ワタリ『はい。その際は予定通りの対応を取る旨、警察と再度確認済みです』

    「分かった。引き続きよろしく頼む」

    (……さあ、どう出る? キラ……)

    118 = 110 :

    【数日後・美希の自室】


    美希「あふぅ。今日もちゃっちゃと裁きいってみよーなの」ピッ

    リューク「…………」

    TV『……先日お伝えした、東京都渋谷区で起きた強盗殺人事件についてですが、容疑者の名前を誤ってお伝えしていました』

    美希「……え?」

    TV『正しくは『中岡字松四郎』容疑者でした。訂正してお詫びいたします』

    美希「……ってことは……」パラパラ

    美希「あっ。やっぱりミキ、間違った方で書いちゃってる。……ねえリューク、名前を間違えて書いちゃってたらやっぱり無効?」

    リューク「ああ。無効だな」

    美希「もー。二度手間になっちゃったの。ちゃんと報道してよね」カキカキ

    リューク「…………」

    TV『……えー、これも先日お伝えした銀行強盗事件と女児誘拐殺人事件についてですが、この二つの事件の容疑者の顔写真を取り違えてお伝えしていたことが判明しました」

    美希「えっ! 取り違え!?」

    リューク「…………」

    TV『正しくは、銀行強盗事件の容疑者、恐田奇一郎の顔写真がこちら、そして女児誘拐殺人事件の容疑者、鳩梅﨑元次郎の顔写真がこちらとなります。訂正してお詫びいたします』

    美希「……ねぇ、リューク」

    リューク「ん? 何だ?」

    美希「一応聞くけど、違う人の顔を思い浮かべながら名前を書いちゃった場合もやっぱり無効?」

    リューク「ああ。無効だな」

    美希「もー! 何なの!? こんなにいっぱい間違えないでほしいの!」カキカキ

    リューク「……ククッ。不便だな、人間ってやつは。殺したい奴の顔を見ても名前が分からないとは」

    美希「? どういうこと?」

    119 = 110 :

    リューク「ああ。そういやまだ説明してなかったな」

    美希「?」

    リューク「いいか、ミキ。死神とデスノートを持った人間とでは二つの大きな違いがある」

    美希「二つの違い?」

    リューク「ああ。そもそも何故、死神がデスノートに人間の名前を書くか知ってるか?」

    美希「そんなの、ミキが知るわけないの」

    リューク「……ククッ。それはな、死神は人間の寿命をもらっているからだ」

    美希「? 寿命をもらう?」

    リューク「ああ。たとえば、人間界で普通に60歳まで生きる人間を40歳で死ぬようにノートに書く。そうすると、60-40=20、その人間界での20年という時間が死神の寿命にプラスされるんだ」

    リューク「だからよほど怠けてない限り、頭を拳銃でぶち抜かれようと心臓をナイフで刺されようと死神は死なない」

    美希「ふぅん。そうなんだ」

    リューク「もっとも、ダラダラと何百年も人間の名前を書く事を忘れていて死んだ死神も俺は見たし……」

    リューク「俺も知らないが、死神を殺す方法ってのも存在してるらしい」

    美希「へぇ」

    リューク「しかし、ミキがデスノートに人間の名前を書いてもミキの寿命は延びない。これが死神とデスノートを持った人間との違いのひとつめだ」

    美希「なるほどね。まあミキも流石に何百年も生きたくはないからそれはそれで良かったの」

    リューク「ククッ。確かにもう散々殺しまくってるからな、お前の場合」

    美希「むー。死神に言われたくないの」

    リューク「ああ、すまん」

    120 = 110 :

    リューク「次にふたつめの違いだが……俺達死神は死神界から人間界を見下ろし、ノートに書く人間を選んでいる」

    リューク「そこに多少の好き嫌いはあるかもしれないが、ほとんどがたまたま目に留まった人間だ」

    リューク「じゃあ何故死神界から覗いているだけでその人間の名前が分かるかだが……」

    美希「…………」

    リューク「死神の目には……人間の顔を見ると、そいつの名前と寿命が顔の上に見えるんだ」

    美希「! ……名前と寿命……」

    リューク「そうだ。だから死神は殺す奴の名前が分からなくて困ることはないし、その人間を殺せば自分の寿命がどれだけ延びるかがはっきり分かる」

    リューク「目が違う。それが俺とミキとの決定的な違いだ」

    美希「…………」

    リューク「そしてもちろん今、俺の目にはミキの名前と寿命が見えている」

    美希「! …………」

    リューク「人間界単位に直すと何年かはっきり分かる。もちろんそんな事はここまで口の裂けている俺でも口が裂けても言えない」

    美希「……なるほどね。じゃあ……」

    リューク「……?」

    美希「もし名前が分からない犯罪者がいた場合、リュークに聞いたらそいつの名前を教えてくれるの?」

    リューク「いや、あいにくだがそれもできない。死神界の掟があるからな。だが……」

    美希「?」

    121 = 110 :

    リューク「死神は、自分の落としたノートを拾った人間の目を死神の目にしてやることができる」

    美希「! 目を……死神の目に?」

    リューク「ああ。ある古くから伝承されてきた取引をすることでな」

    美希「と……取引って?」

    リューク「死神の眼球の値段は……その人間の残りの寿命の半分だ」

    美希「! …………」

    リューク「つまり、あと50年生きるとすれば25年。あと一年の命なら半年だ」

    美希「…………」

    リューク「どうする? ミキ。この取引をすれば顔を見るだけで全ての人間の名前が分かる。そうすればもう今日みたいなことは無くなる」

    美希「……リューク」

    リューク「おう」

    美希「確かにさっき、ミキは何百年も生きたくはないって言ったけど……だからって、寿命をみすみす減らすようなことはしたくないの」

    リューク「…………」

    美希「悪人達を消していき、皆が笑って生きていける世界を作るには、きっとそれなりに時間がかかると思うしね」

    美希「だからそのためには、元々持ってる寿命まで減らすようなことはしたくないの。それに今日みたいなこともそう滅多には起こらないと思うし」

    リューク「そうか。分かった。まあこの取引はミキがノートを持っている限りいつでも出来る。また気が向いたら言ってくれ」

    美希「…………」

    122 = 110 :

    【翌日・Lの私室】


    「…………」

    (顔と名前のいずれかを誤った情報で報道していた三人の容疑者全員が、昨日、その訂正の報道を行った直後に心臓麻痺で死亡した……)

    (状況的に、訂正報道を見たキラによって改めて裁きがなされたものとみてまず間違いないだろう)

    (しかしこうも簡単に……これでは『私は顔と名前のいずれか一方の情報だけでは殺せません』と宣言しているようなもの)

    (いや、だが当初の誤った情報による報道の時点で殺せていなかった以上、それはどのみち分かることともいえるか)

    (いずれにせよ、キラの殺人には顔と名前の両方が必要……つまり、どちらか一方のみの情報では殺せない。今回そのことがはっきりと分かった)

    (今後はこのことを念頭に置いて捜査を行うべき)

    (そしてもちろん、この事実が意味するリスクも踏まえた上で……)

    「…………」

    (待っていろ……キラ)

    (私は必ずお前を……死刑台に送ってみせる!)

    123 = 110 :

    一旦ここまでなの

    124 :

    おつ

    125 :

    ここは流石に引っかかったか
    そりゃそうだよな

    126 :

    まあ殺し方がわかったからなんだって話だけど

    127 :

    エルと美希の温度差がシュール

    128 :

    乙乙
    じょじょに詰まされてるねえ。まだキラ自身の特定は絞り込めてないけど

    129 :

    【警察庁/凶悪連続殺人特別捜査本部(キラ対策捜査本部)】


    総一郎「な……何だこれは?」

    捜査員A「見ての通り辞表です」

    総一郎「…………!」

    捜査員A「他の事件の担当に回して頂くか、それができなければ警察を辞めます」

    総一郎「……キラに殺されるかもしれないからか?」

    捜査員A「はい」

    総一郎「…………」

    捜査員B「Lがキラの殺人の条件を特定してくれましたからね」

    総一郎「キラは顔と名前が分からなければ殺せない……」

    捜査員B「ええ。しかし逆に言えば、顔と名前さえ分かれば殺せる」

    捜査員C「もちろん、顔と名前以外の条件がある可能性も否定はできませんが、これまでの裁きを見る限りおそらくそれは無いでしょう」

    総一郎「…………」

    捜査員B「私達はLとは違い、警察手帳という顔写真と名前の入った身分証明書を持って捜査をしています。堂々と顔を隠さずです」

    捜査員A「キラはこれまでまだ犯罪者以外は殺していませんが、それはまだ我々捜査本部がキラに迫れていないからと考えます」

    捜査員B「今後捜査が進展し、もし自分が捕まりそうになったら……私がキラなら、たとえ犯罪者でなくとも自分を捕まえようとする者は殺します」

    捜査員C「捕まれば自分が死刑ですからね」

    捜査員A「つまり我々はいつキラに殺されてもおかしくない……局長の仰ったとおり、これが部署異動を希望する理由です」

    捜査員B「では局長、よろしくお願いします」

    総一郎「…………」

    130 = 129 :

    【Lの私室】


    「…………」

    (キラの殺しの条件は分かった。これで今後ある程度キラに近づき、仮に顔を見られたとしても名前さえ知られなければ殺されることは無い)

    (つまりこれからは、より直接的にキラの身辺に探りを入れる捜査も可能となるということ)

    (ただそれは、私のようにどこにも顔や名前といった自分の情報を残していない者に限った話)

    (常に身分証明書を携帯している警察の人間にとってはまた勝手が違うだろう)

    (それに今後の捜査はキラの足取りに直結する可能性もある……現状、捜査本部の情報が外に漏れているとは考えていないが、それでもリスクは可能な限り減らしておきたい)

    (そのために必要なのは……今後のキラ捜査は、外部に情報を漏らすことが無いと確信できる人間のみで行っていくこと)

    (この点、今の捜査本部は捜査効率は高いが大所帯過ぎる……)

    (しかしこちらから『捜査員を厳選してくれ』と切り出すのも『私はあなた方を信用していません』と言うようなもの)

    (キラ捜査に警察の協力は不可欠……ここで警察との信頼関係を壊してしまうのはまずい)

    (さて……どうするか……)

    ワタリ『L。捜査本部の夜神局長からです。携帯電話からの発信のようです』

    「携帯から? 分かった。つないでくれ」

    131 = 129 :

    総一郎『L。局長の夜神だ』

    「お疲れ様です。携帯からとは珍しいですね。何かありましたか?」

    総一郎『ああ。今は周囲に他の者がいない状況で通話している。実は今日、捜査本部から三名、異動を希望する者が現れた』

    「! ……理由は?」

    総一郎『このまま捜査が進めば、いつキラに殺されるか分からないから、ということだ』

    「……そうですか。実は私も同じことを考えていました」

    総一郎『そうなのか?』

    「はい。キラが顔と名前だけで人を殺せると分かった以上、身分証明書を持って捜査している警察の皆さんが殺されてしまう可能性は十分にありますから」

    総一郎『なるほどな』

    「で、どう対応されたんですか?」

    総一郎『……私の方から、捜査本部の捜査員全員に向けて一つの提案をした』

    「? 提案?」

    総一郎『ああ。……確かに今後、我々はキラに殺されるかもしれない。このような状況である以上、今ここで捜査から外れても降格などにはしない。自分の人生、家族、友の事をよく考え、そういったものを犠牲にしてでもキラと戦おうという信念のある者だけ、今から三時間後にこの捜査本部に居てくれ、と』

    「! 夜神さん」

    総一郎『L。あなたは勝手をされて怒っているかもしれないが、これは我々警察内部の組織体制の問題……どうか許してほしい』

    「いえ……逆です。夜神さん」

    総一郎『? 逆?』

    「はい。私もこれからの捜査は人数を絞って行うべきと考えていました。それをどうそちらへ切り出そうかと思案していたところです」

    総一郎『! そうだったのか?』

    「はい。その理由はまた後ほどお話しいたします。とにかくその夜神さんの提案は私にとっては願っても無いものです。感謝します。ではメンバーが確定した段階でまた連絡して下さい」

    総一郎『ああ、分かった』

    132 = 129 :

    【三時間後・警察庁/凶悪連続殺人特別捜査本部(キラ対策捜査本部)】


    『今、そこに残っておられる方が今後もキラと戦って行く覚悟をお持ちの方、ということでよろしいですね』

    総一郎「ああ。私を含めて七名が残っている」

    星井父「…………」

    松田「…………」

    相沢「…………」

    模木「…………」

    伊出「…………」

    宇生田「…………」

    『分かりました。私は強い正義感を持ったあなた方こそを信じます』

    『それでは、これから今後の捜査の進め方についてご説明します』

    総一郎「……いや、待ってくれ。L」

    『?』

    総一郎「ここに居る者は全員、命を懸けてキラを追う覚悟を持った者だが……全員が全く同じ考えというわけではない。伊出。宇生田」

    伊出「L。我々は命懸けでキラを捕まえると決心した。キラに対して命を懸ける意味は分かっているはずだ」

    宇生田「しかし、あなたはいつも顔を見せず我々に指図するだけ……このままでは我々はあなたを信用して協力することができない」

    『…………』

    133 = 129 :

    伊出「キラの殺人には顔と名前が必要……これは他でもない、L。あなたが検証してくれたことだ」

    伊出「そして今後、互いに信用し協力してキラを追っていくためには……そもそもの前提として、互いに互いをキラでないと確信しあっていることが必要不可欠」

    宇生田「現に世間では『L=キラ』、つまりLの二重人格という説を立てている者もいる」

    宇生田「もちろん、我々がそう思っているというわけではない。だが、L。我々とともに捜査をする気があるならここに来て顔を見せ、名前も教えてほしい」

    『! …………』

    伊出「あなたは当然、我々全員の顔と名前を知っているだろう。なのに我々はあなたの顔も名前も知らない……これではあまりにアンフェアだ」

    伊出「もしあなたが今言った条件を受け容れてくれるのなら……我々もあなたと共にキラを追うことに異存はない」

    総一郎「…………」

    『……すみません』

    伊出・宇生田「!」

    『私は、いずれにせよあなた方全員の前に顔を見せることは考えていました』

    『これはあなた方も仰ったように、互いに対する信用の証とするためです』

    『しかし、名前を教えることだけはできません』

    『これは私が世界のどこにも自分の名前を情報として残していないからということもありますが……』

    『それ以上に、いかなる状況においても、キラの殺人に必要となる情報を開示するべきではないと考えているからです』

    総一郎「L……」

    134 = 129 :

    伊出「分かりました。それならば仕方ありません。私はあなたとは組まずに、警察内部で独自にキラを追います」

    宇生田「私も同じです」

    総一郎「伊出。宇生田……」

    伊出「局長。後の事はお任せします」

    宇生田「こちらでもし有益な情報が見つかれば、必ずお伝えしますので」

    総一郎「すまん……よろしく頼む」

    (伊出と宇生田が捜査本部から去る)

    総一郎「では、改めて……L。今この場に居る五名が、あなたを信用し、あなたと共にキラを追う覚悟を持った者達だ」

    星井父「…………」

    松田「…………」

    相沢「…………」

    模木「…………」

    『分かりました。……ワタリ』

    ワタリ「はい」

    (『L』の文字が映し出されたノート型PCを総一郎達の方へ向けるワタリ)

    総一郎「?」

    星井父「なんだ?」

    135 = 129 :

    (PCの画面にメッセージウィンドウが表示され、文字が次々と入力されていく)


    『今、これから起きることは
     我々七人だけの秘密にして
     頂きたい。

    先ほども言ったように、
     私が信用した、あなた方五人と
     今すぐにでも会う事を考えています。

     会う事、会った事、これからの我々の行動、
     全てを一切会話にしない。
     今ここに居ない者、もちろん警察内部、
     自分の身内や友人等にも漏らさない。

     上記の事を約束して頂けるのであれば、
     警察庁の建物からすぐの帝東ホテルまで来て下さい。
     
     私は今、このホテルの一室にいます。

     私はこれから数日おきに
     都内のホテルを移動します。

     今後、警察庁の捜査本部は
     飾りの捜査本部とし、

     私の居るホテルの部屋を
     事実上の捜査本部として頂きたい

     もちろんこれは、キラに私の顔を知られたくない
     という防衛策であり、
     あなた方とまったく同じ土俵に立つ事にはなりません。
     しかし、これが私を信用してもらい共に捜査をする為に
     今、私が歩み寄れるボーダーラインです。

     この条件で協力して頂けるなら
     二組に分かれ、30分以上の間を空けて
     ワタリに私の居る部屋の番号のメモをもらい、
     午前0時までに、ここに来て頂きたい。

     では、お待ちしております。』

    136 = 129 :

    (ミキ出なかったけど)一旦ここまでなの

    138 :

    あずささんが迷い込んだりして 

    139 :

    アイドルという立場は人との繋がりが強い
    それが一般人ではない美希の弱点
    繋がりというものは踏み潰してもミミズのように這い出てくる!

    140 :

    >>38の部分をLに掴まれてからが本番だな

    夜神月
    レイ・ペンバー夫婦とFBI
    第二のキラ
    メロ
    ジェバンニ

    もし出てくるとしたらコイツら、どう切り抜けるんだ…

    141 :

    ジェバンニは大丈夫だろwwww

    一番の強敵になりうるのはやっぱ月か

    142 :

    おつ

    そっか総一朗いるから月もいるのか

    143 :

    おつ

    レムの動きも気になるな、期待

    144 :

    美希はミサ友達として大切にしてるから、レムも協力姿勢だろうな

    145 :

    Lと月が最初から最後まで正義側のタッグで動いたら面白そう

    146 :

    (PCの画面にメッセージウィンドウが表示され、文字が次々と入力されていく)


    『今、これから起きることは
     我々七人だけの秘密にして
     頂きたい。

     先ほども言ったように、私が信用した、あなた方五人と
     今すぐにでも会う事を考えています。

     会う事、会った事、これからの我々の行動、
     全てを一切会話にしない。
     今ここに居ない者、もちろん警察内部、
     自分の身内や友人等にも漏らさない。

     上記の事を約束して頂けるのであれば、
     警察庁の建物からすぐの帝東ホテルまで来て下さい。
     
     私は今、このホテルの一室にいます。

     私はこれから数日おきに
     都内のホテルを移動します。

     今後、警察庁の捜査本部は
     飾りの捜査本部とし、

     私の居るホテルの部屋を
     事実上の捜査本部として頂きたい

     もちろんこれは、キラに私の顔を知られたくない
     という防衛策であり、
     あなた方とまったく同じ土俵に立つ事にはなりません。
     しかし、これが私を信用してもらい共に捜査をする為に
     今、私が歩み寄れるボーダーラインです。

     この条件で協力して頂けるなら
     二組に分かれ、30分以上の間を空けて
     ワタリに私の居る部屋の番号のメモをもらい、
     午前0時までに、ここに来て頂きたい。

     では、お待ちしております。』

    147 = 146 :

    (PCの画面にメッセージウィンドウが表示され、文字が次々と入力されていく)


    『今、これから起きることは
     我々七人だけの秘密にして
     頂きたい。

     先ほども言ったように、
     私が信用した、あなた方五人と
     今すぐにでも会う事を考えています。

     会う事、会った事、これからの我々の行動、
     全てを一切会話にしない。
     今ここに居ない者、もちろん警察内部、
     自分の身内や友人等にも漏らさない。

     上記の事を約束して頂けるのであれば、
     警察庁の建物からすぐの帝東ホテルまで来て下さい。
     
     私は今、このホテルの一室にいます。

     私はこれから数日おきに
     都内のホテルを移動します。

     今後、警察庁の捜査本部は
     飾りの捜査本部とし、

     私の居るホテルの部屋を
     事実上の捜査本部として頂きたい

     もちろんこれは、キラに私の顔を知られたくない
     という防衛策であり、
     あなた方とまったく同じ土俵に立つ事にはなりません。
     しかし、これが私を信用してもらい共に捜査をする為に
     今、私が歩み寄れるボーダーラインです。

     この条件で協力して頂けるなら
     二組に分かれ、30分以上の間を空けて
     ワタリに私の居る部屋の番号のメモをもらい、
     午前0時までに、ここに来て頂きたい。

     では、お待ちしております。』

    148 = 146 :

    【一時間後・帝東ホテル】


    (ホテルの一室のドアの前に立つ総一郎と星井父)

    総一郎「この部屋にLが……」

    星井父「一体どんな人なんでしょうね」

    総一郎「うむ……」

    星井父「おっ、来たな。後発組」

    相沢「お待たせしました」

    松田「いよいよっすね」

    模木「…………」

    総一郎「よし。では行こう」

     コンコン

    「お待ちしておりました。お入り下さい」

    総一郎「…………」

     ガチャッ

    「Lです」

    総一郎「…………」

    星井父「…………」

    相沢「…………」

    松田「…………」

    模木「…………」

    149 = 146 :

    「? どうしました? 面食らったような顔をして」

    総一郎「あ、いえ……申し遅れました。警察庁の夜神です」

    星井父「星井です」

    相沢「相沢です」

    松田「松田です」

    模木「模木です」

    「よろしくお願いします。もっとも今後、その名前はこの捜査本部以外では名乗らないようにして下さい」

    総一郎「え?」

    「用心のためです。そして私のこともこれからは『L』ではなく『竜崎』と呼んで下さい」

    総一郎「わ、分かった」

    「では早速ですが……捜査の話をする前に、『この中にキラはいない』ということを明らかにする為に一人ずつお話をさせて頂きたい」

    星井父「? し、しかしエ……いや、竜崎。あなたはさっき我々を信用すると……」

    「もちろん信用しています。そうでなければこのように顔を出すことはしません」

    星井父「じゃあ……」

    「それとこれとは別の話です。キラが巧みに私を誘導し、自分の顔を出しても良いと思わせる程度にまで私を信用させたという可能性もありますから」

    松田「それって結局信用してないってことなんじゃ……」

    総一郎「いや、ここは竜崎の言うとおりにしよう」

    星井父「局長」

    総一郎「もし仮に、始めから捜査本部にキラがいて情報を得ていたのなら、今ここに残っている可能性は高い。ならば納得のいくまで調べてもらった方が我々としても安心できる」

    松田「確かに。ここに残れば竜崎の顔見れたわけですしね」

    星井父「分かりました。局長がそう言うのなら」

    相沢「私も構いません」

    模木「私もです」

    「ありがとうございます。では夜神さんからこちらの部屋へ」

    150 = 146 :

    【数時間後】


    「一人一人に尋問する様な事をして申し訳ありませんでした」

    「この中にキラはいません」

    総一郎「竜崎……何故いないと言い切れるんです?」

    「一言でいえば、キラであるかどうか確かめるあるトリックを用意していたんですが……皆さんにはそのトリックを仕掛ける気すら起こりませんでした」

    一同「…………」

     ピピピピ

    「失礼」ピッ

    「……わかった。こっちも終わった所だ。自分のキーで入ってきてくれ」ピッ

    「ワタリが来ます」

    一同「!」

     ガチャッ

    「皆様、お疲れ様です。ワタリと申します。と言っても、先ほどまで一緒に居たばかりですが」

    一同「…………」

    ワタリ「いつもの格好だとワタリですと言わんばかりで、このホテルに竜崎がいるとばれますので」

    総一郎「な、なるほど……」

    ワタリ「こうして私の顔をお見せできるのも、竜崎が皆さんを信用した証拠です」

    星井父「は、はい……」

    松田「ハハハ……」


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