元スレ美希「初めての」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
「星井さん…!好きです!ぼ、僕とつつ、付き合ってくだ、ください…!!」
これで7人目、今日はちょっと少なめ、かな?
「ど、どうしてもダメですか?」
これもいつもどおり
美希「ん~、ミキ的にピンと来てないって感じなの」
「そんな…ど、どうしたら付き合えるんですか…?」
むー…諦めが悪いの、いつもなら今ので諦めてくれるのに
美希「あんまりしつこいと嫌われちゃうよ?」
「…っ」
美希「あはっごめんね、じゃあミキ用事あるから」
美希「ばいばい」
「……」ガク
美希「あふぅ」
諦めてくれたみたいでよかったの
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1405358285
2 = 1 :
そういえば今日は事務所に行かなきゃいけない日だっけ?
たしか社長がミキに話があるって…
美希(ミキ何かしたっけ?)
わかんない
美希(行ってみればわかるよね)
その前に行きつけのおにぎり屋さんでおにぎり買うの!
美希「今日の具は何にしようかな~」
おにぎりがミキを待ってるの
美希「決めたの!今日は明太子で決まりなの!」
お腹が明太子おにぎりを食べたい~って言ってるの
美希(早くいかないと売り切れちゃうかもしれな)ドン
美希「ふぎゅ!」
「わわっ」ドテ
3 = 1 :
「いてて…す、すみません…余所見をしていたもんで」
ミキのほうが痛いの!
「怪我はないですか?」スッ
美希「大丈夫なの」パッパッ
「よかった…本当すみません」
美希「別にいいの、ミキ急いでるから!じゃあね」
「あ、あの!」
美希「…なに?」
新手のナンパ?
「あはは…恥ずかしながら今、道に迷ってまして」
美希「は?」
「急いでるところ悪いんですけど」
「○○通りってどっちに行けばいいか分かりますか?」
こんな下手くそなナンパ初めて見たの
4 = 1 :
美希「…あっちの道を突き当たって左なの」スッ
どうせ一緒に行ってくれないかとか言うんでしょ?
「あ、あっちですか!ありがとうございます」
「いや~このもらった地図じゃ分かりづらくて…助かりました!」
あれ?
「本当ありがとうございます!何かお礼を…」ゴソゴソ
美希「別にいいの」
わかった、お礼に一緒にご飯をとかいうんでしょ、このナンパ師さんは
「はい、イチゴキャンディ」スッ
美希「へ?」
「今これしか持ってなかったので…どうぞ」
美希「あ、ありがとう…なの」
「では、私はこれで…時間取らせてすみません、ミキさん」
「さようなら」ペコ
美希「……」
5 = 1 :
美希「行っちゃった…」
なんなのなの!
美希「意味分かんないの」
本当にただ道に迷ってただけ?
美希「むー…何か釈然としないの…」グー
あ、おにぎり
美希「早くしないと売り切れちゃうの!」タッ
そういえば○○通りって事務所のある通りだよね
美希(……)
美希「ま、関係ないの」
もう会うこともないだろうし
それよりおにぎりなの!
6 = 1 :
『売り切れ』
美希「……」
むー!!さっきのナンパ師さんのせいなの!
明太子が売り切れちゃってるの!!
美希「むぅ…じゃあシーチキンと梅を二つと…あと昆布も一つくださいなの」
「あいよー」
こうなったらやけ食いなの!
もし見かけることがあったら脛をけつってやるの!決めたの!
「おまち」
美希「…ありがとうなの」
はぁ…最悪な気分なの
美希「あむ…」ムグムグ
美味しい…でもミキは明太子が食べたかったのー!!
美希「事務所行くのめんどくさいなぁ」
でも行かなきゃダメだよね…はぁ
7 = 1 :
―――――――――――――
あ、もうなくなっっちゃった…あとは…イチゴキャンディーしかないの
むぅ…もう少し買っておけばよかったの
まあでももう事務所に着いたしいっか
ガチャ
美希「おはようなのー」
社長「おお、噂をすればなんとやらだね」
小鳥「おはよう美希ちゃん」
美希「おはようなの小鳥…はぁ今日は最悪な日だったの」
小鳥「あら?どうして?」
美希「変な人に絡まれて明太子おにぎりが買えなくて…」
「ミキさん…?」
美希「そう、こんな感じの人に…ってなんでナンパ師さんがここにいるの!?」
社長「おや?すでに面識があったのかね?」
小鳥「ナンパ師さんって…?」
「あ、いやちょっと…」
美希「ミキのことつけてきたの!?ナンパ師じゃなくてストーカーだったの?」
8 :
機体
9 = 1 :
―説明中
社長「はっはっは、なるほど、すごい偶然もあったものだね」
小鳥「これって運命じゃないかしら」キュンキュン
美希「えっと…つまりどういうこと?」
社長「美希君、君を今日事務所に呼んだのは彼を紹介するためだったんだよ」
「こほん…えっと初めまして…じゃないな」
「道を教えてくれてありがとうね、本当助かったよ」
「今日からこの事務所で働くことになったPという者です」
P「そして君のプロデューサーをさせてもらうことになった」
P「これからよろしくね」ニコ
えっと…頭がぐるぐるーってなってて
訳がわかんないの
ナンパ師さんでストーカのこの人が私のプロデューサーになったってこと?
P「星井さん…?」
あ、何か言わなきゃ…
10 = 1 :
美希「…て」
P「て…?」
美希「てりゃあ!!」ゲシッ!!
P「ぐぁあ!?脛が!!」
小鳥「美希ちゃん!?」
社長「おや…」
美希「明太子の恨みなの!」
P「明太…子?」ジンジン
美希「食べ物の恨みは恐ろしいの!」
美希「とにかくミキは認めないの!!」
美希「帰る!」
小鳥「あ!美希ちゃん…!」
P「いてて…何かしちゃったんですかね…」
社長「ううむ」
11 = 1 :
むしゃくしゃするの!
あのナンパ師さんのストーカーにあってからいいことが無いの
美希(こんな時はウィンドウショッピングでもして気を紛らわすの)
美希「あ、このショールちょっといいかも」
「ねぇ、君かわいいね」
「これから暇?俺らとカラオケいかね?」
美希「ミキ?」
「ミキちゃんっていうんだ」
「可愛い名前だね」
ナンパ…
今日はもううんざりなの
美希「もうミキは家に帰らなきゃだから」
美希「ごめんね」
「じゃあさ電話番号だけでも教えてくんない?」
「LINEやってる?」
12 = 1 :
美希「すぐ家に帰るつもりだったから携帯持ってきてないの」
美希「じゃあね」タッ
「あ…」
はぁ、もうウィンドウショッピングする気もなくなっちゃった
美希「ん~近くに誰もいないみたいだし」カチカチ
ホントにもう帰っちゃお
美希「さっさとお風呂に入って寝るの」
うん、寝たらこの気分もきっと晴れるの
14 = 1 :
――――――――――――
美希「あふぅ」
今日はレッスンの日なの
美希「おはようございますなの」ガチャ
P「あ、おはよう星井さん」
げっ…そういえばこの人いたんだった
せっかく忘れてたのに
P「えっと、今日はレッスンの日だよね?」
美希「そうだけど、ナンパ師さんは来なくてもいいよ」
P「俺は君のプロデューサーだし社長にも今の実力を知っておけと言われてるから」
P「ついていくよ」
P「あとナンパ師じゃないぞ」
美希「じゃあストーカーさんなの」
P「ストーカーでもない」
美希「はぁ…邪魔はしないでよね」
P「ああ、わかった」
美希「じゃあミキ、先行くから」
憂鬱な気分はまだまだ続きそうなの
15 = 1 :
―ダンスレッスン
キュッキュキュッ
タン タタン
キュッ
美希「はぁはぁ」チラ
P「……ふむ」カキカキ
美希「……」スッ
キュキュッ ッタン
・・・・・・・・・・
・・・・・・
美希「ふぅ…」
P「お疲れさん」スッ
美希「……」
P「なんだよ…邪魔しなかっただろ?」
美希「…気が散って仕方なかったの」ゴクゴク
16 = 1 :
P「アイドルなんだから人に見られても問題なく踊れないとダメだぞ?」
美希「他の人なら問題ないの」
P「嫌われたもんだなぁ」ハァ
美希「ふん」
P「…じゃあ、おにぎりが好きだっていうことを音無さんから聞いて」
P「買ってきたこのおにぎりは俺一人で食べるしかないな」ガサ
美希「あ…明太子」
P「ん?欲しいのか?」
美希「き、今日は明太子気分じゃないの!」プイ
P「……じゃあ食わなくていいよな」
美希「あ、待つの!…一つだけならもらってあげても…いいよ?」
17 = 1 :
美希「あむ…」ムグムグ
P「結局3つも食ってるじゃないか」
美希「食べ物でミキをつろうなんてむぐもぐ」
P「十分つられてるから、あと食べてから喋りなさい」
美希「わかってるの」ムグムグ
P「…今日のレッスンだけど、ステップはよく出来ているが」
P「指先を抜いてるところがちらほらあったぞ」
美希「……」
P「その都度指摘したかったが邪魔するなと言われてたからね…」
P「完璧に踊れるからって手を抜いてたら大事な場面でミスするぞ?」
美希「ふん」モグモグ
知ったような口を聞くな!なの
18 = 1 :
P「さて、だいぶ遅いし」
P「送ってくよ」
美希「……別にいいの」
P「だめだ、何かあったらどうするんだ?」
P「ほら、乗って」
美希「そこまで言うなら仕方ないの」
P「シートベルトしたか?じゃあ出るぞ?」
美希「……」
P「なんか音楽流そうか?いろいろあるぞ」
美希「好きにすれば」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
19 = 1 :
P「えっと、ここでいいのか?」
美希「うん」
P「じゃあまた明日な」
P「明日はボイスレッスンか」
美希「邪魔しないでよね」
P「星井さんの力量次第だな」
美希「何それ、意味分かんないの」
P「ま、明日もよろしくな」
美希「……」
P「ドア閉めてもらえると助かるんだが」
美希「おにぎり…ありがと」ボソ
P「え?なんだって?」
美希「…!何でもないの!」
美希「おやすみ!」バタン
P「おお…おやすみ」
20 = 1 :
――――――――――
美希「ごちそうさま」
菜緒「もういいの?」
美希「うん、帰る前におにぎり食べちゃったから」
菜緒「そう、お風呂もういれてあるから入っちゃいなさい」
美希「わかったの」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
美希「ふぅ」チャポン
おにぎりをくれたくらいで気を許すわけないの
…でもそんなに悪い人でもないんだよね
ダンスもドキッとするようなこと言ってたし
美希(……)
ナンパ師やストーカー呼びはやめてあげるの
21 = 1 :
美希「おはようなの」
小鳥「おはよう美希ちゃん」
P「おはよう星井さん」
美希「…そこの人」
P「……あ、俺?」
美希「うん」
P「どうした?」
美希「今日のレッスンもついてくるんでしょ?」
P「ん?ああ、昨日も言ったけど、ついてくぞ」
美希「…ふーん」
美希「今日はおかかがいいな」
P「はい?」
美希「よろしくなの」ニコ
22 = 1 :
―ボイスレッスン
美希「あ~あ~あ~♪」
P「腹式呼吸を意識して」
P「喉から声を出すんじゃなくて腹から出す」
美希「やってるの!」
P「出来てないから言ってるんだ」
P「そんななぁなぁな歌い方じゃ安定しないし」
P「何より喉に悪い」
美希「むーわかってるの!!」
P「もう一回頭から!」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
美希「鬼なの」ゼーゼー
P「だが、最初よりはだいぶよくなったぞ」
美希「…ふん」
23 :
いいぞ
24 = 1 :
P「まぁこれだけ踊れて歌えるなら…」ブツブツ
美希「…?」
P「ん?ああ、すまんちょっと考え事してた」
美希「ふーん」
P「そうだ、ほれ、おかかのおにぎり」ポイ
美希「わっ…え?ホントに買ってきてくれたの?」
P「星井さんが欲しいって言ったんだろ?」
P「ま、コンビニのだけど」
美希「…一個しかないの」
P「あんまり食べたら夕飯が入らなくなるだろ?…って昨日は大丈夫だったのか?」
美希「……」フイ
P「…やっぱりか」
25 = 1 :
P「おにぎり好きなのもいいけど、ほどほどにな」
美希「頭の片隅には置いといてあげるの」
P「おい…まあいいか」
P「そろそろ出る時間だから準備して」
美希「わかったの」
P「まだ暗いというほどでもない…か」
P「どうする?送ろうか?」
美希「…じゃあお願いするの」
P「わかった、それじゃ車をまわしてくるよ」
26 = 1 :
―――――――――――
今日はびっくりしたの
まさか本当におにぎりを買ってきてくれるなんて
美希(今度からおにぎりの人って呼ぶことにするの)
それにボイスレッスン…あの人の言う通りにしたら
いつもより声の通りがよかったの
あんなに冴えなさそうな人なのに
美希「…変な人」
次はなんのおにぎりを買ってもらおうかなぁ
美希「あふぅ」
27 = 1 :
「付き合ってください!」
いつもの告白
変わらない毎日
「あはは…やっぱり無理か」
美希「…ねぇ、君って何か特技ある?」
「え?」
美希「あ、やっぱり何でもないの!ばいばい」
「???」
ミキ、なんであんなこと聞いちゃったんだろ?
訳わかんない
美希(今日は事務所に行く用事もないし)
適当にお散歩しようかな
28 = 1 :
「これからどっか行かない?」
「奢るよ」
「俺、すっげー楽しいとこ知ってるんだけど」
街を歩くとナンパナンパにナンパなの
これも変わらないの
美希「ん~、今日はそんな気分じゃないかな?」
じゃあどんな気分なの?
美希(なんだろ…?)
いつもと変わらないはずなのに
何か違う
…わかんない
29 :
いいね
30 = 1 :
美希「あ!」
P「ん?」
おにぎりの人
P「おお星井さん、偶然だね」
美希「何してるの?」
P「ちょいと遅めの昼飯だよ」
美希「もうすぐお夕飯の時間だよ?」
P「じゃあ夕食はもっと遅くなるな」
美希「何それ、ふけんこーなの」
P「確かに」
P「星井さんは真似したらダメだぞ?」
真似なんかするわけないの
31 = 1 :
P「星井さんは何してたの?買い物?」
美希「ううん、そこら辺をふらふら~って」
P「散歩か…」
P「なるほど、今日は天気もいいし散歩日和だね」
美希「うん!で、さっきまで色んな人にナンパされてたんだよ?」
P「ナンパかぁ…星井さんかわいいから当然かな」
P「あ、でも星井さんは一応アイドルなんだからそこらへんの分別はつけろよ?」
美希「わかってるの」
P「そ、ならいいんだ」
32 = 1 :
P「あ、そうだ」
美希「?」
なに?おにぎり?
P「はい」スッ
美希「なにこれ?」
P「今度出てもらうオーディションの資料」
P「次事務所に来た時渡そうかと思ってたけど、手間が省けたよ」
美希「オーディション…?」
P「うん、まあ星井さんの実力なら余裕だと思うよ」
P「あんまり大きなとこじゃないし」
美希「ふーん」
P「あれ?反応薄いな」
美希「ミキ、あんまり乗り気じゃないの」
P「え?」
33 = 1 :
美希「こんな小さなお仕事じゃちっともやる気でないの」
美希「どうせやるならもっと大きなとこでキラキラしたいの」
P「……」
美希「あれ?どうしたの?」
P「いや…」
P(なるほど、これだけのポテンシャルがありながら燻ってたのはこれが原因か)
P「星井さん」
美希「なに?」
P「もう申し込んじゃったからどの道受けてもらうしかないんだよね」
美希「えー」
34 = 1 :
P「ここで辞退したら事務所にも迷惑がかかるし」
美希「それはミキのせいじゃないの」
P「俺を助けると思って…な?」
美希「なんでミキが助けなきゃいけないの?」
P「おにぎり買ってあげるから!」
美希「むー…」
P「明太子におかか、シーチキンもつける!」
美希「……」
―――――――――――
ミキがおにぎりで簡単に動くと思ったら大間違いなの
…今回は仕方なく、だからね
美希「せっかくほんのちょっとだけ見直してたのに」
なんかがっかり
35 = 1 :
―オーディション会場
P「さ、今日は頑張ってね」
美希「あふぅ」
P「あはは、まあいつも通りが一番だな」
P(小さなオーディションとはいえここまで脱力出来るのも才能だな)
「それではオーディションを始めさせていただきます」
「番号の呼ばれた方はこちらの部屋のほうに―…」
P「お、始まるぞ」
美希「ん~」ノビー
適当にやって終わらすの
P「星井さん」
なに?適当にやるなって?
P「普通にやってもどうせ受かるだろうから…」
美希「?」
36 = 1 :
・・・・・・・・・・
・・・・・・
「それでは結果のほうを発表させていただきます」
「3番 ~~さん、11番 --さん」
「17番 星井美希さん 23番 ……さん」
P「無事受かったな」
P「おめでとう」
美希「当然なの」
美希「でもなんでパフォーマンスの時、審査員の目を見て踊れって言ったの?」
P「ん?オーディションでは当たり前なんだが」
P「そんな簡単なことも出来ない子がたくさんいるからだよ」
P「星井さんには余計なアドバイスだったかな?」
美希「……」
なんかいいように使われた気がするの
37 :
見覚えがあると思ったら5月11日にVIPでやってたのと同じな訳ですが
少なくともここまでは
38 :
Vipだと落ちるまでの制限キツいけど、ここは最低1ヶ月は猶予があるからな
以前落としちゃったから、改めてココでってのは珍しくない
39 = 1 :
P「それじゃ、手続きをして事務所に戻ろうか」
美希「…わかったの」
P「なんでちょっと不機嫌なんだよ」
美希「別に…」
P「帰りにおにぎり買う約束は忘れてないぞ?」
そういうことじゃないの
P「とにかく、今日はちゃんとオーディションに出てくれてありがとな」ポンポン
美希「…! 勝手に頭触らないでほしいの!」
P「わ、わるい」
ふん
なんなのなの!
40 = 1 :
――――――――――
社長「おお、おかえり」
P「ただいま戻りました」
社長「聞いたよ、無事オーディションに通ったみたいだね」
P「はい、地方のテレビ番組ですが…」
社長「いやいや、それでもめでたいよ、いきなり大きな番組は厳しいだろうしね」
美希「ふん」
小鳥「あら…?どうしたのかしら…」
P「オーディションに終わってからずっとあんな感じなんですよ」
P「でもおにぎりはしっかり食べてたので大丈夫かと」
小鳥「そうなんですか…ふふ」
P「どうしました?」
小鳥「最初はどうなるかと思ってましたが」
小鳥「ちゃんとやれてるようで安心しました」
P「はは…まだまだですよ」
41 = 1 :
P「さてと…星井さん」
P「今日はお疲れ様」
美希「……」
P「いつまで不貞腐れてんの?」
美希「おにぎり…一個しか買ってくれなかった」
P「来週の収録の時にまた買うって言ったろ?」
美希「聞いてないもん」
P「あのときは言ってなかったからね」
美希「ずるいの」
P「買ってあげる事実は変わらないよ」
美希「むー!!」
卑怯者なの!嘘つきなの!
こんな意地悪な人初めてなの!!
P「ほら、うだうだしてないで早く帰りなさい」
P「遅くなってしまうよ?」
42 = 1 :
・・・・・・・・・
・・・・・・
美希「ふんだっ」プンプン
菜緒「ずいぶん機嫌が悪いのね」
美希「卑怯者に騙されたからなの!」
菜緒「卑怯者…?」
美希「何でもないの!ごちそうさま」
菜緒「今日はきちんと食べたのね」
美希「……ふん」
菜緒「あ、そういえばオーディションに受かったそうね」
美希「なんで知ってるの?」
菜緒「プロデューサーの方が連絡をくれたのよ」
菜緒「お父さんもお母さんも自由にやれっていってくれてるけど」
菜緒「あなたはまだ未成年で中学生だもの」
菜緒「こういう報告をくれるのはありがたいわ」
菜緒「それにしてもプロデューサーがついたのね、知らなかったわ」
美希「あんな嘘つきな人プロデューサーじゃないの!」
43 = 1 :
むしゃくしゃするの
あのしてやったり顔がムカつくのー!!
美希「絶対ぎゃふんって言わせてやるの!」
どうやって?
美希(…後ろからわーって驚かすとか?)
……なんか違うの
美希「うー」ゴロゴロ
あの人にあってからペースが乱されてる気がするの
それが一番むかむかする原因なのかな…?
44 = 1 :
――――――――――
P「お疲れさん」
P「よかったぞ」
褒めても何も出ないの
P「収録後はもう何もないし送ってくよ」
美希「…わかったの」
この人の車の後部座席に座るのもずいぶん慣れたの
P「シートベルトはしたか?」
そのセリフも聞きあきたの
P「そうそう、日程についてはまたあとで連絡するけど」
P「ラジオと営業の仕事をとってきたから」
美希「また小さなお仕事」
P「それはやってみてから言ってもらおうか」フッフッフ
…なにその不敵な笑いは
45 = 1 :
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
美希「―…って言ってたのに」
美希「本当に小さなお仕事だったんだよ!?」
菜緒「ふふ」
美希「そこは笑うとこじゃなくて怒るとこなの!」
菜緒「だって最近そのプロデューサーの話ばっかりしてるもの」
美希「え…?気のせいだと思うな」
菜緒「そうかしら?」
美希「そうなの!」
菜緒「ふふ、ならそういうことにしておきましょう」
美希「ホントだよ!」
46 = 1 :
ふんだ
ラジオのお仕事だって番組の宣伝をちょこっと言うだけだったし
営業なんかよくわかんない商品のキャンペーンガールで
ただニコニコしてるだけだったもん
美希(まあ…楽チンだったけど)
ミキはそんなことがしたいんじゃないの
もっと大きなステージでわーって踊って
キラキラ-って
美希(……)
うん
ミキはキラキラしたいの
今のままじゃ全然キラキラできないの
美希「あふぅ…」
もう寝るの
47 = 1 :
美希「おはようなのー!」
小鳥「おはよう美希ちゃん」
美希「うん…あれ?」
美希「あの嘘つきでおにぎりの人は?」
小鳥「プロデューサーさんのこと?」
美希「たぶんそれなの」
小鳥「プロデューサーさんなら外回りに行ってるけど、そろそろ帰ってくるんじゃないかしら」
美希「ふーん」
むしろいなくて良かったの
小鳥「何か用事かしら?今日は美希ちゃんレッスンだけよね?」
美希「うん、だから別に用事なんかないの」
P「ただいま戻りました」
48 = 1 :
小鳥「あ、おかえりなさいプロデューサーさん」
美希「……」
P「はい、お、星井さん来てたのか、丁度よかった」
ミキは丁度悪いの
P「仕事のオファーが来たぞ」
美希「どうせまた小さなお仕事なんでしょ」フン
美希「ミキやらないの」
P「まあとりあえず聞いてくれって」
P「一つ目は舞台の仕事だ」
どうせ端役とかなんでしょ
P「ま、これは星井さんが思ってる通り端役なんだけどね」
ほらやっぱり
P「でもこの舞台監督さんは業界でもかなり有名な○□さんで」
小鳥「えぇ!?○□さんっていったら舞台だけでなくテレビドラマでもよく聞く人じゃないですか」
小鳥「よく取って来れましたね」
誰それ、ミキ知らないの
49 = 1 :
P「正確に言うと取ってきたのではなくてオファーですね」
P「以前の番組を見ていてくれていたらしく、使ってみたいって」
小鳥「すごいじゃない美希ちゃん!」
美希「ふーん」
P「これを気にもっと大きな仕事が来るようになると思います」
美希「ミキはそんなのやら…」
P「ああ、あと大手お菓子メーカーの新商品のCMに星井さんを起用したいって話があって」
P「こっちは全国放送だから小さな仕事じゃあないと思うんだけど…?」
小鳥「CMのお仕事まで!?やったわね美希ちゃん!」
美希「……」
なんなのなの
P「星井さん、ちょっと前に大きなとこでキラキラしたいって言ってたよね?」
50 = 1 :
P「これはチャンスだよ」
P「確かに小さな仕事は地味で楽しくないかもだけど」
P「それを星井さんがちゃんとやったからこそ、CMの仕事や舞台の仕事が来たんだ」
P(まあ多少のコネもあるけど、ほとんど無名のこの子を使ってくれるとは思わなかったな)
P(この子本来の運も強いんだろうし、何よりビジュアルが圧倒的なのも大きな要因だろうな)
P「この仕事を成功させればもっともーっと大きな仕事が来るよ」
P「キラキラしたいならやらない手はないよね?」
美希「う…」
P「ん?おにぎりなら好きなのを買ってあげるよ?」
なんなのなの
こんなこと言われたら断れるわけないの
P「星井さん?」
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