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元スレ仗助「艦隊これくしょんンンン~~~~?」
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乙、これはもしかしてジョセフに指南を受けて波紋強化したジョナサンとかいう胸アツ展開が…?
乙です
毎回投下されるのが楽しみでしょうがないわ。まさかスタープラチナで操縦とかww
毎回投下されるのが楽しみでしょうがないわ。まさかスタープラチナで操縦とかww
乙
ジョセフは作戦練るのは得意そうだけど執務とかは確かに嫌がるだろうなwwww
そして最終的に仗助と承太郎のどちらが勝つのか凄く気になる
ジョセフは作戦練るのは得意そうだけど執務とかは確かに嫌がるだろうなwwww
そして最終的に仗助と承太郎のどちらが勝つのか凄く気になる
乙
指揮ジョナサン 参謀ジョセフ 執務承太郎 後方支援仗助の鎮守府きちゃうか?
ジョナサンとジョセフは相性悪いか?
指揮ジョナサン 参謀ジョセフ 執務承太郎 後方支援仗助の鎮守府きちゃうか?
ジョナサンとジョセフは相性悪いか?
最初は反発するけど、いざってときの行動で互いに認めるパターンは、王道だけど熱いよ
(まさかスタンドで空中戦するとは……マジにブッ飛んでやがるぜ、承太郎さんンンン~~~~~~~~~~~~~~ッ)
【クレイジー・ダイヤモンド】を傍らに携え、その双眼鏡で戦闘を見やる。
仗助も……戦闘に介入していいとしたら、実に簡単だ。
このままそこらの物を破壊して投げつける。話はそれで終わってしまう。
無論、遠すぎて届かないというのもあるし、届いたところで破壊など出来ない……とは言っておこう。
それこそ同様の事を、【スタープラチナ】なら苦も無く行えるだろう。
岩石を投げつけて、駆逐艦程度の装甲ならば突き破りそうだ。
しかしそんな風に、直接介入しないのが……承太郎なりのイカサマなのかも知れないが……。
(だったら俺は俺で、『提督』としてやらせて貰いますよ。この場にいる、加賀さんたちの『提督』としてな!)
双眼鏡を片手に首を回し、辺りを見回す。
航空機ほどの高度ではないが、仗助もそこそこの高台だ。
高ければ高いだけ、見通し距離というのは変わる。だからこそ、船には相当な高さの艦橋が作られる。
少しってどれくらい?
史上最弱が最も恐ろしいてスタンドの分裂数くらい?やりました
史上最弱が最も恐ろしいてスタンドの分裂数くらい?やりました
まず――承太郎は、左右に大回りに飛行機を飛ばした。そのまま挟み込むように、加賀たち目掛けて魚雷を打ち込む。
目的は雷撃。そして加賀たちの分断。その為に攻撃機は使い捨て――。
そう思わせて置いて、攻撃機を狩ろうと追いすがった戦闘機を撃ちぬく罠がある。そこに、対空砲火を用意してある。
まず、遥か向こうの承太郎の傍に瑞鶴――これで一。
そして、左右の雷撃と同方向に二隻=利根と那珂――これで三。
残るのは、巫女めいた衣装の高速戦艦比叡と、赤白ニーソックスの重雷装駆逐艦の島風。
承太郎ならば、間違いなくこの機に仕掛けてくる。いや、承太郎でなくともそうだ。
相手の隙に、立て続けに連続して叩き込むからこその戦闘。
ならば。
もう一度裏を掻こうと思ったのならば――。
(……見付けたぜ。回り込んでやがったな……当然ながら、ってとこっスけどよぉ~~~ッ!)
やはり、だ。
船は――『二隻』いた。
左右それぞれに一隻ずつ、と思わせおいて――――それを裏切ってこその奇襲。
仗助が見咎めるその先――群青の海原に刻まれた白い航跡。
飛沫を巻き上げ、水面に泡の轍を残し、大輪の弧を描いて周り込む船影。
駆逐艦の小回りと、更には最高の速力。それを利用した、背面からの奇襲。
通常ならば、まずあり得る筈もない攻撃だ。
四方が敵の領域の海域ならいざ知らず、自らが出港した港の方から攻撃を受けるなど、あり得まい。
故にその姿を確認した仗助は、タブレット目掛けて叫んだ。
「加賀さん、後ろから島風が回り込んでやるがるぜ――――ッ!」
高台に上り、双眼鏡を構える仗助からは丸見えだった。
回り込むように――高速で回頭する影。兎の耳が如く黒いリボンを立てた少女。
赤白ニーソックスが巻き上がる飛沫を跳ね退け、肌の殆どを露わにした扇情的な服装が海風を裂く。
そんな彼女と同様に、頭部の砲身を二本兎が如く立てた鋼鉄の砲台が、主と連なり並走。
その様は宛ら、群体型のスタンドを伴うスタンド使い。
人間としてはともかくスタンド使いとしては脂の乗りに乗った、まさしく全盛期だからなあこの承太郎
しかもDIOを殺した直後だから気も張って、油断も隙も一切ないだろうし
しかもDIOを殺した直後だから気も張って、油断も隙も一切ないだろうし
(グレートッ! こいつぁヤバイぜ……中々に!)
重雷装駆逐艦というのなら、大井よろしく大量の魚雷を発射するだろう。
普通なら一度攻撃した側からの二度目はないというのが奇襲のセオリーであるが――。
だからこそ逆に、敢えてそちらにも艦娘を配備し。
そしてそれすらも捨石に、本命はその高速力を活かして背後に回り込んだ駆逐艦。
ここに来て仗助は思った。
あの、左右からの航空機の攻撃というのは――。
同時に電探の、探知限界距離を見抜くために行ったものであったのだ。
加賀たちが反応するその様を見て、電探の限界を知り、そしてそれから魚雷を切り離した。
艦娘の数は同数ながら、一対一になってもほぼ確実に性能が上というアドバンテージを活かし――それを大胆にも戦法に取り入れた空条承太郎。
まさか同数の相手で、敵を取り囲もうなどとは普通は考えない。
そんな豪胆な発想。そしてそれを奇襲として成り立たせる精緻さ――――両立する二面性。
人の『ある筈がない』という無意識を突くからこその奇襲である。
だが、ここには仗助がいる。
完全に海に出てしまっているなら兎も角、現在はこうして加賀たちを監視できるし……。
何より空条承太郎が【スタープラチナ】を用いるなら、こうして声で指示を出すのは何も反則には当たらないのだ。
「加賀さん、後ろからが『本命』だ! 承太郎さんはこれを狙ってたんスよ! 初めから!」
なるほど、側面を突くというのは実に真っ当な奇襲方法だろうが、艦娘の艤装――砲台は問題なく左右を照準する。
特に背面に艤装が備えられているものは、自分自身の肉体によって正面への射線が宣言される。
なら、横腹を叩くというのは思ったほどの効果はない。
ましてや今は縦に長い船の形ではなく、人型。面積から言っても、横からの攻撃がそれほどまでに有効にはならない。
ならばこその、順当な背面打撃。
後ろに目は付いていない。喩え電探の力で四周の警戒は行えこそすれ、碌に照準は付けられない。
駆逐艦という装甲が問題な船に狙わせるのであるなら、背後こそが理想。
おまけに左右からの魚雷で、急速な回頭ができない。してしまったなら、弧を描く軌跡の分だけ魚雷に直撃する可能性が増える。
また、今は動きが単純であるから大井たちも左右から迫る魚雷への対処が出来る。
動きながらでは、流石の彼女たちも不可能だろう。
そんな、彼の予想と送信に対して――
『いいえ、違います』
しかし、断ずるような加賀の返答。
これは、彼女の思い込みから来る頑なさではない。
列記とした――たった今、自分が目の当たりにしているからこそ「否」と首を振れる言葉。
問い返そうとする仗助に、しかしそれを待たずに告げられる二の句。
『――敵は前に居た。当たり前のように……前に』
「え」
『そして……どうにも、罠にかけられたようです』
直後。
仗助の目の前で、十五門の魚雷が一斉に火を噴いた。
背中から突き刺すかの如き、航跡を碌に残さぬ酸素魚雷の槍襖。
しかし、警告しようにも――それは不可能。
「どーゆー事だ!? どーいう事なんスか、加賀さんッ!」
爆音と共に、無線への応答は消えてしまっていた。
◇ ◆ ◇
「それじゃあよー、ギリギリまでひきつけてからブッ飛ばすって事でいいのか?」
「遠くで狙っても、碌に当たらないし……そもそも『当たる魚雷』なのか、『当たらない魚雷』なのか見分けないと無駄撃ちよ」
左右を、扇状に拡散する魚雷に狙われているというのに――身振り手振りを交えて語る両翼の二隻。
中央に位置する加賀は矢を新たに番えたまま引き絞らず目を閉じて、山城は何を考えているのか判らない。
卯月には、今現在何が起きているのか判らなかった。
こうしている間にも、魚雷は迫ってくる。
それならばいくらか当たりを付けて、各自が回頭した方が被害が少なく済むのではないかと思う。
何より、左右から――たとえ威力の殆どない模擬演習弾だとして――一撃必殺の武器が迫りくる。
それなのに、どうしてこうも落ち着いていられるのだ。
「あの……」
そこに山城が、口を挟んだ。
無謀だ、と言うのか。それとも……不可能だ、とか。或いは馬鹿馬鹿しいと言うのか。
言うなら言うで一向に構わない。むしろ言ってやってくれ、と卯月は目線を送る。
こりゃ負けかな、加賀さんならやってくれるかとも思ったがダービーすら凌ぐ全盛承太郎だしなあ
だが、
「ここから主砲で……魚雷を壊したり、そういうのは……駄目なの?」
「あー、それは……どうすんだ、大井」
「出来るかはともかく……」
出来るに決まっている――嘘か本当か、プライドを覗かせて睨み付ける山城。
構わず、大井は決断。
「貴方の主砲はこの艦隊の武器ですから……余計な事に使わないで、前に集中しててくださいね」
「……そう。判りました」
不承不承、山城は鉾を収めた。
きっと――と、卯月は考える。
山城と程近くに開発された戦艦が、そんな芸当を過去に行ったから。
その手の対抗意識に由来するのだろう。今度こそは、という奴だ。
生まれ変わったのだから。
だからこそ、前世の無念を清算する――――山城はきっとそう考えているだろう。
などと、卯月が思索に耽ろうとしたその時、思考を裂いたのは加賀の声。
目を閉じて、艦上機の操作に集中していた筈の彼女。柳眉を寄せて、してやられたと臍を噛む。
「ど、どうしたっぴょん!?」
「やられました……これは、罠」
「……えと、初めからそのつもりじゃ……?」
「違います」
ぴしゃりと、加賀が跳ね退ける。
その視線は前方。卯月の頭を跨いでその向こう――相手の提督と、そして空母がいる方向。
放たれた航空機が撃墜されたのかと思えば、違う。
その全てはいったん散開して、敵の頭上――卯月たちからも見える高度に飛びあがり、再集結を行っている。
ならば、何故。
「……関係ない処刑法、という事ね」
一人、納得した風に頷く加賀。
それから彼女は、ここで再び水面を見た。遠方から迫りくる魚雷の航跡。
身が震えるが、しかしそれに対する解法を加賀たちは用意している筈だ。
だが、この分では――。
「大井さん。作戦の変更を頼めるかしら」
「変更……いいですけど、どうしました?」
しかし、それよりも早く――提督=東方仗助から入った通信。
敵が大回りで背後に向かって、そこから雷撃を仕掛けてくるという情報。
卯月は身を震わせた。そうなったら真実、分断して回避するしかない。留まっていたら、誰かしらが喰われる。
まさしく敵の当初の作戦通りとなってしまう――そういう事だが。
それでも加賀は、前を見る。後ろなどは本気で問題ではない、と言いたげに。
「可能な限り、近づく魚雷を迎撃してください。敵は――」
指示を飛ばす加賀の声を掻き消す爆音。
卯月たちの後方で上がる飛沫。強烈な水柱。
巻き起こる波に体が突き動かされ、マイナスの重力を僅かに感じる。内臓が吃驚し、思わず口から吐息。
これは――
「戦艦の、長距離砲撃……っ!」
「まだです。相手の狙いは、これから……!」
何が何だかわからぬ卯月に対して、残りの皆は既に覚悟を決めていた。
今まさに、己たちは死中にある。まんまと敵の罠に一杯喰わされたのだ、と。
そう。
これは――
「まさか砲撃で、魚雷を誘爆させる気なの……!?」
「それなら……精密さはいらない。夾叉も不必要。ただ、近くに着弾さえさせれば……」
「おいおい、こんな魚雷の使い方……ッ! 世界水準超えてやがるぜ……!」
彼らなりの長距離砲撃。
精密さが必要なのに、それが用意できないというのであれば。
ならば四方八方からの魚雷で網を作り込み、主砲着弾の衝撃によって起爆させるだけ。
細かい修正はいらない。精密な照準もいらない。
ただ近くに落としさえすれば、直撃しなくても魚雷の網に掛かり――その爆撃に巻き込まれる。
装備の差を埋めるための戦術。それを作り上げた、恐るべき空条承太郎。
所謂これは、チェスで言うところの詰み。
時を自在に操れぬ中、半径二十メートルをスタンドに覆われるように――。
或いは時の止まった世界で、四方八方から刃物を投げ付けるように――。
「……やれやれ、ね」
そして、爆発が巻き起こる。
呼び掛ける仗助の声が、波の海練に飲み込まれていった――。
「気合いッ、入れてッ……比叡、ドンドン撃つよー!」
比叡の膝が曲がる。落とされる腰。
その後――その言葉通り、爆音を奏でる主砲。
比叡の背後に装着された艤装――傾いた十字架を思わせる連結脚とその先に繋がる四基の砲塔:計八門の主砲。
それらが一斉に撃発すれば――。
(……間近で見ると、中々の迫力ってやつだぜ。スタンドでもこれほどまでのはいねえ)
火竜の吐息よろしく――砲口から吹き出す深紅の轟炎。尾を引き赤熱する綿雲。
一面が硝煙と、巻き起こす烈風に覆われる――帽子を抑える承太郎と、腕で傘を作る瑞鶴。
比叡は仁王立ち。
誇らしげに腰に手を当て、胸を張る。棚引く巫女服の袖を振りかざして、承太郎に振り返った。
「どうですっ、提督? これが! 戦艦の……いえ、比叡の! 主砲です!」
承太郎に向けられた輝く青い瞳。外向きの癖っ毛が、頭に合わせてぴょんぴょん揺れる。
対する承太郎は吐息を一つ。
帽子を人指しで持ち上げて――充満する煙の向こうではなく、上空を見やる。
そこにいるのは、急降下を仕掛ける加賀の彗星一二型甲。
プロペラの奥、胴体下の吸気口がぽっかりと開かれた様は――回游する鮫の一種。
一直線に迫り来るその様は、どこからどう見ても――――誰が見ても、自由落下ではない。
「どうやら、少なくとも……加賀ってのは生き残ったらしいな」
瑞鶴に伝える風に漏らして――上空を照準する空条承太郎。
呼応するかの如く、零戦内の【スタープラチナ】が操縦桿を倒す。応じて持ち上がる左翼。
操縦桿にカウンターを当て、ニュートラル。直後に引き上げられる操縦桿――持ち上がる機首/斜め宙返り。
このままヘッドオン――向かい合っての撃ち合いは不可能。
低空という、十分な位置を持たず――――そして決して高速戦闘向きの機体ではない零戦では、現状真上を向けば失速は必然。
瑞鶴は、他に護衛を用意してはいない。
強いて言うなら彼女自身の持つ対空砲火と、側に控える――先ほどまで物陰に隠れていた比叡のみ。
宙返りを行いつつ、機体がロール。
前後軸、百八十度の回転を行った機体。海を頭上としていた【スタープラチナ】の視界が目まぐるしく流れる。
海の深青が、空色の景色に。流れに合わせた僅かな重力も、しかし【スタープラチナ】を揺るがせず。
万力が如く姿勢を固定し、ピッチに対して減る揚力に引き下げられる筈の機首も、されど操縦桿の姿勢に従う。
四十五度――物体を射出する為の最大角で空を翔け登る零式艦上戦闘機。
また、翼を翻しての宙返り――直後に再びの百八十度ロール。
的確にラダーを踏み込み、カウンターを当てつつ見えない螺旋階段を登り詰める深緑の機体。
承太郎の狙いは、実に単純。
敵艦に機体そのものを叩き付ける訳でもなければ、爆雷を投下した後に爆撃機は機首を引き上げ降下姿勢を直す。
その瞬間を、【スタープラチナ】の駆る零戦で叩くのである。
「比叡……おめーは向こうに集中してな」
己の【スタープラチナ】の齎す視界を臨みつつ、承太郎は一瞥もせずに指示を飛ばす。
一つ、承太郎の予想と異なっていた事――。
彼としても知識としては持っていたが、実際に体験するのはこれが初めて。
この、彗星という爆撃機であるが……。
(思ったより――突入が速い……!)
その最高速度は、零戦を上回るのだ。爆撃機だと言うのに。
承太郎の狙いは、高度を稼ぎ、あるところで水平にレベルオフ。
そこから、突撃を試みる彗星目掛けて位置を速度に変えての猛追を図り、撃破する事。
擦れ違うその一瞬を――【スタープラチナ】と零戦で逃さず、叩き潰す。そんなシンプルな方法。
ある程度の接敵をしなければ敵母艦に回避される為に、適当な場所で爆弾を捨てる事なぞできない。
しかし近付き過ぎたなら、瑞鶴からの対空砲火の餌食になる。
そんな絶妙の場所――極めて微妙な薄氷のタイミングを加賀という船は突くと確信し。
そしてだからこそ、その領域で承太郎の零戦が爆弾投下前の彗星を撃ち抜くのか、それとも爆弾を投下されてしまうのか。
そんな、荒野のガンマンのごとき戦いになるものだと――彼は見込んでいた。
だからこそ。
「えっ」
瑞鶴が、驚愕を漏らす。
彗星が爆弾を切り離し、機首を引き上げたのである。それも有効圏内前に。
このまま、慣性に従い爆弾は落下を続けるだろう。瑞鶴目掛けて、その爆薬を叩き付けんと迫る。
しかし、まだ回避は十分に可能。
それどころか、近代兵器の対空機銃のタングステン弾がそうするように――――爆弾そのものを撃ち抜く事すらできる。
果たしてやはり、空中に黒と橙の華が咲く。明らかなる爆発雲。
だが、それをなしたのは承太郎でも――瑞鶴でもない。
加賀の、彼女の持つ別の艦上機がそれを為したのだ。
その目的は、即ち――
「あれ、機体は……!?」
――目眩まし。
これを引き換えに、左右からの雷撃を行うためか?
これを残して、己の艦上機を引き上げさせる為か?
これに並んで、空中から破片を降り注がせる為か?
――――答えは、全てが否。
(ドッグファイトか)
目隠しをし、身軽になったその機体で、備え付けられた機銃で、承太郎の零戦と空中戦を行う為である。
承太郎への意趣返しか、正面からの奇襲であろう。
空中での爆発なぞ、広すぎる大空に比べたらあまりにもちっぽけ。
本当にただ、一瞬気を引く役目しかない。
だが、達人同士の死合に於いて生死の明暗を分けるのがその一瞬。僅かな死線。針の穴ほどのキルゾーン。
とはいえ、心臓を貫き殺す針であるが……。
しかし――それを許さないのが【スタープラチナ】と空条承太郎。
爆発からの最中の須臾の時に、彗星の進行方向を見切った。
己より、未だ高く位置エネルギーを持つ機体。
そちら目掛けて、零戦が機首を向け――
「――『直しました』」
そんな声が、聞こえた気がする。
承太郎が照準を合わせると同時に、彗星一二甲は矢に姿を戻す。
爆風に煽られ、そして極端に的が小さくなったそれを前には流石の【スタープラチナ】も一撃必殺には射抜けない。
だが、まだ照準の範疇。
加賀が再び能力を使う前に、彗星が顕在し機銃を放つよりも前に、【スタープラチナ】と零戦が――
「そして……年期が違うわ」
――ブレた。
これは……航空機の性能や諸元を知り、人知を離れた精密さで機体を操る承太郎も知り得ぬ事。
どれだけ彼が優れていても、航空機に素人であるが故に知り得ぬ事。
プロペラ航空機には――特にその上昇時に、四つの力学が働く。
一つが、上に機首を傾ける事によるプロペラブレードでの左右揚力の違い。
一つが、プロペラの右回転に対する機体への反作用である逆回転。
一つが、その回転するプロペラが一方だけに片寄って産み出すプロペラ後流とそれによる機体の変動。
一つが、恰も回転する独楽が他の独楽を弾き飛ばすが如く、力が弾かれて起こるジャイロ効果。
【スタープラチナ】は今までの空戦機動でも、無意識にそれを行っていた。
だが、加賀が。
加賀が空中で爆発を起こし――そして新たに吹き荒ぶ気流を起こしたから。
ホンの、一瞬。
いや、一瞬にも満たぬほど僅かな時間だけ――。
零戦は、【スタープラチナ】の支配に反抗した。
「――――」
そしてその一瞬でいい。
再び航空機へと姿を戻した彗星一二型甲の機銃が、零戦の機体を撃ち抜き擦れ違った。
爆裂する機体を背後に、瑞鶴目掛けて降下する機体は――――しかし何をする訳でもなく。
実に得意気とも取れる運動で、海面手前で反転を行い母艦へと帰投していく。
「艦娘(わたしたち)が勝って……提督さんが……負けた……?」
呆然と呟く瑞鶴を前に、時を止めて【スタープラチナ】を待避させた承太郎は帽子を目深に。
フライングバイをする加賀の戦闘機を、見上げていた。
「……」
直接勝負には、加賀が勝利した。
だが、忘れてはならない。
圧倒的な戦力差を用意しつつも――その空戦の結果は、拮抗である。
作中の描写的に艦娘>>>>>>>>>>>>スタンド
だから仕方ないね
だから仕方ないね
初見でベテラン相手に空戦だし、なによりDIO討伐の旅とはモチベ違いすぎるししゃーない
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