私的良スレ書庫
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元スレ仗助「艦隊これくしょんンンン~~~~?」
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ええ!生きる希望とやる気がムンムンわいてくるじゃあねーかッ!おいッ!
>>1生きてる?
イベント始まる前から更新してなかったからイベントが終わったから再開するだなんて望み薄
生きていてくれて「ありがとう」・・・・・・それしか言う言葉がみつからない
(確かにここまで追い込まれたのは実に不味いが……おかげで俺にも思い付いたぜ。『必勝法』っつー奴がよォー)
次の親は東方仗助。
握り締めたナプキンと、その右手の内に残った『C』を刻んだコイン――ジョニィの言葉に従うなら妖精が言う事を聞いてくれるコインが、彼の親を証明する。
つまり、出目の――「表」か「裏」かを宣言できるのはジョニィ。
原理は一切不明だが、先程から連続して表が出続けている。
全く理解がおっつかぬが……最早明らかに偶然を超越したレベルで、コインは特定の面だけに吸い寄せられる風に姿を晒す。
となれば――。
(この野郎が賭けるとしたら、『表』の方だぜ……自分の能力への、まるで神様や仏様に向けるみてーな『無限』の確信をしてやがる)
仗助が仕掛けるとしたらそこ。
仗助側が賭けるなら――ひょっとしたらいい加減に「絶対に表が出る」と、仗助から表に賭ける可能性もあるだろう。
となったら、ジョニィはそれを見込んで、その原理不明なスタンド能力を解除するかも知れない。己の手にコインがある内に。
或いは逆の逆で、そう仗助が推論付けてくるとして解除しないかもしれない。
更に、それの裏を掻いて――。
そう、そんな可能性がお互いにある。
それは読み合いだ。
単純な、『蹴り上げた下駄がどんな天気を指し示すのか』のような運への伺いではない。
人間同士が、『知性』と『魂の尊厳』を懸けた手札の睨み合い。
運よりもよほど確実に――そして、何よりも絶対的に『決着』を付ける手段!
(今のこの……『敵の攻撃も判らず』『まんまと状況に押し込められた』……そんな状態で精神力の勝負ってのは明らか分が悪いもんだけどよぉー)
故に――――仗助は必然にしなければならない。
何よりも己自身の手で。己が主体で。己からの攻撃で。
ジョニィの確信めいた心理の隙に一太刀を浴びせねばならない。それこそが、『必然』ッ!
(将棋には『詰めろ』っつー……『詰みの連続攻撃』が途切れた時こそ逆に敗北に繋がるやり取りがあるが――)
コインが手の内にあるここで! そして、賭けを行うのがジョニィというここでッ!
『賭けそのもの』の土台を蹴り飛ばして、『賭け』に来たジョニィの足許を崩さねば――勝ちは/価値はないのだ。
(ここで俺が仕掛けるのはそれだ……。覚悟っつーのはもう十分出来てるぜ……! この場合なら、なおさらの事そーなるッスよ……!)
今一――――今一東方仗助は、彼は、己が賭け事でコケにされるというのに戸惑いや苛立ち以上のものは覚えなかった。
だが、ここで。ここにきて。
瑞鶴という――例え所在は違っても、共に敵に相対した艦娘の身への危険が降りかかっていると確信したその時には。
だからこそ。
却って、腹が据わった。
(加賀さんはあーゆー人だが、自分の後輩が人質に取られても無表情決め込む性格じゃあねえ……)
今はこの場にいないとしても、己の秘書艦ならば――――彼は目を閉じた。
(この場にいないあんたの為にも、俺が変わってここはキチっと決めさせて貰いますよ……勝利って奴をよォォォ――――――!)
そう、運賦天賦ではない。
『確信』を以て。
――――仕掛けられた敵の罠を叩き潰すのみ。
そして、テーブルの下で東方仗助は拳を握り、その内にあるコインを弄ぶ。
裏を出す。
それこそが、敵の鼻を明かす唯一の手段である。
(コインを少し削って……裏が上にくるような風に破片を置いて直せば……)
拳に力を籠める。
彼の生身の、人間の力ではビクともしないが……スタンドの力に持ちこたえられるほど強靭ではない。
つまり、どうにかして【クレイジー・ダイヤモンド】を用いて壊す――そんな過程が必要となる。
(もしも仮に『絶対に表が出続ける運命』にでもなってない限りは……どーにかできる……。グレート、必勝法ってやつっすね、こいつぁ!)
ちらりと、ジョニィの平静然とした顔を見る。仗助とは対照的に、汗一つ掻いていない。
まぎれもなく、己の能力の優位を確信しているという表情だ。
だからこそ――だからこそ、だ。
(その綺麗な面をぶっ飛ばしてやるぜ……そんなスカした態度と一緒に)
そんな、伺うような視線を向ける仗助めがけて、頬杖を突いたジョニィから溜息一つ。
「どうしたんだい、ヒガシカタ・ジョースケ。やっぱり不安になったとか……」
「うるせーっすよ! 集中してるだけだぜ! 大勝負の前って奴だからよォーッ!」
「そうかい?」
何気ない動作で振り返って、周囲を見渡すジョニィ。
「まぁ、僕は構わないけど」――――このまま時間切れになったら不利なのは仗助の方だ、という態度=心理的プレッシャー。
仗助も、彼としても理解している。
悪戯に時間を費やしたとしても、テーブルの向こう、目の前で眺めるジョニィへ余計な不信感を与えるだけ。
決断は済ませた。覚悟は決めた。必勝法だというのならば、どうにかして行うだけ。
だが――手の内に滲む脂汗が、仗助の頬を伝う冷汗が、最後の一歩を躊躇わせた。
(ぐ……)
数瞬。眉根を寄せて逡巡。
しかし歯を食いしばって――仗助の、震える右手がテーブルの上に現れる。
「もう少し、時間が必要だったりはしないのか? 僕としてはどっちでも構わないんだけど」
「どっちでも構わねーっつーんなら黙って口でも閉じてるんスね。『表か』『裏か』以外のセリフはよぉ~!」
「……つまり、覚悟は」
「出来てるぜ、『とっくのとう』に……あとは『あんたが賭ける方じゃあねーのが出るように頼む』だけで」
互いに拳銃を突き付けあったかのごとき緊張感。
テーブルに両肘をついたジョニィと、右手だけを堂々とテーブルの上に表した東方仗助。
今にも落ちてきそうな青空の下、二人はにらみ合う――――ジョニィは静かな面持ちで/仗助は闘志を顔に表して。
そして――仗助の親指が動いた。
「ドラァッ!」
甲高い金属の弾ける音。強烈な弾指。
身の金色を振りまいて、風景の中躍り出るコイン。強烈な直線で、己に降り注ぐ陽光を引き連れての逃避行。
ただし、その先はテーブルの上ではない。
まるで完全に――――道の向こうに目掛けられている。何故!
「こいつぁー、『予想外』ッスね」
先ほどまでの緊張した瞳はどこへやら。
「失敗したときの事は決めてはなかったし、拾いにいかねーとなんねーかも……『時間がかかっちまう』としても、コインがなくなったら賭けにもなんねーからよぉー」
たった今ミスをしてしまったなどと――そんな気負いすらない口調で、東方仗助は両手をテーブルに付いた。
背もたれが軋んだ椅子。路上のタイルと擦れ合い、鳴る擦過音。
目元に笑みが浮かびそうになるその時……しかし、中腰の仗助目掛け、
「――それは違うんじゃあないか、ジョースケ」
「へ」
上半身を持ち上げかけたそのまま、東方仗助は停止。
そこへと続けられる、仗助以上に焦りのないジョニィの声――――ジッと据えられた双眸。
「あん? それは、どーいう意味だ?」
「そのままの意味――――そう、『拾いに行かないとならない』というのも『失敗した時の事を決めていない』のも……『違う』」
何を――――と仗助が口を開こうとした、そこで。
バサバサと、音がした。
どこにでもいる――――そう、人っ子一人いないこの街でも、どこにでもいる鳩の羽音。
それが、仗助たちのテーブルと他のテーブルとの間のスペースに、降り立った。
それはいい。
だが…………彼の心のうちに、妙な焦燥感が広がった。
「ッ!?」
道の向こう……猫の喧嘩声が聞こえた。
そう、それだけも特に驚くべきに値しないもの。赤ん坊が泣きだす声に似た、猫の唸り声と喧騒。
しかし、仗助の頬に汗が滲む。
「『ルール――②:トスしたコインはテーブルに落とす』……つまり落とさないとルール違反になるけど」
平然としたジョニィの声。その一方で、高まる猫の威嚇声。
「まあ、座りなよ。落ち着いて賭けをしよう」
ドドド、と心臓の鼓動が車のエンジンめいて唸り上げるような気分の仗助。
彼を尻目に――いよいよ、猫の喧騒は最大限に達した。
(こ、こいつのスタンド能力……まさか……ッ!)
猫が唸り合って、道路の向こうの建物の陰から飛び出した。
追われる猫は黒猫。追う猫は白猫。もつれる馬身めいて、大通りへと駆け出す二匹。
その先――通りを、ゆるりと歩くカラス。
ホッピングと呼ばれる独特の、両足での跳躍移動は平和そのものだが……己の方へと転がり走る猫を目にしたカラスは、大慌てで羽を広げた。
「な……ッ!?」
力が入る仗助の両膝。力強く浮き出る膝裏の筋が、椅子を追いやった。
その音に――のんきに集っていた鳩が驚き、我先にと翼を開く。
猫を避けるために飛行するカラスの経路は、道の向こうから仗助たち目掛けて。
その一方で、飛び上がる鳩は仗助たちから離れようと――――つまり、
「な、なんだとぉ――――――ッ!?」
ちゃりんと、テーブルの上に落下したコイン。
丁度その真ん中、綺麗にジョニィと仗助のその間に。何事もなく、真上目掛けて指で弾き飛ばしたかの如く。
仗助が弾いたそれは――。
『たまたまカラスが拾っていて』、『たまたま猫が喧嘩して』、『たまたまカラスの方向目掛けて飛び出して』――。
『たまたまカラスが仗助たちの方へと逃げあがり』、『たまたま同じく鳩が飛び上がって』、『たまたまテーブルの真上で邂逅し』――。
『たまたま鳩に驚いたカラスの口から落下した』――――そう、偶然が重なって。
まるで『そこへ押し上げられる運命があるように』。
巡る運命の輪が、その輪の回転が制御されている――無限の回転への『必然』がある風に。
「掛けなくていいのか、そのナプキン」
「ハッ――」
ジョニィが指さすそこに、大慌てで仗助はナプキンを掛ける。コインは覆われた。
だが、仗助は一瞬――だが確かに、確実に目にした。
コインは――――『表』だったッ!
一旦中断
長さ的に次スレに行くが、この後かそれとも翌日に続きを書くのでお待ちください
長さ的に次スレに行くが、この後かそれとも翌日に続きを書くのでお待ちください
「さてと……それじゃあ僕が賭けるのは『表』だ」
ナプキンは掛けられた。賽は既に投げられた。
素知らぬ顔で、ミルクケースを裏返しに並べるジョニィの顔には何の動揺も見られない。
そう、依然変わりなく。予定通りに。運命に従って――――そう話が進んでいるとでも言いたげな態度。
相変わらず周囲に、人の動きはない。
先ほど賑わいを見せたのも鳩だけで、あらゆる人間も、艦娘も、仗助とジョニィ以外はこの世界に存在していないかの如く――。
「それで……どうするんだ。いくつ賭ける?」
ジョニィに応じてチップを――ガムシロップのケースを積み重ねる仗助に、たやすい口調で向けられたジョニィの言葉。
それは挑発か。侮蔑の響きを含まないからこそ、余計に相手の名誉を陥れるというそれなのか。
対する仗助は――
「――オールベットっすよ。当初の予定通り……依然変わりなくよぉー」
両手でリーゼントを掻き上げる態度で、断固として応じる。
自棄になったか。それとも捨て鉢なのか。この期に及んで、何かしらの幸運が舞い降りる事を期待しているというのか。
無論――
(ここで……やはりどうにかするしかねーみてーッスね……『予定通り』『依然変わりなく』)
――そのどれでもない。東方仗助は、そのような男ではない。
震える手で、彼の持つ残りすべてのチップ――すなわち『七つ』。参加料として提出した一つを除いた、テーブルに散乱する六つを掴み上げる。
あらかじめ、手元で六つの塔を作り……そして、既に築かれた二つの並んだ山を目指す。そんな手法。
「それ、却って危ないんじゃあないか?」
「うるせーんスよッ、あんたは黙ってみてるんだよ、黙ってッ!」
バランスが肝心。僅かに角度が〇.一度ですら傾いただけで崩壊するプラスチック製の頼りない塔。
当然ながら、それを運ぶ仗助の手つきというのは牛歩が如く遅々としたものであり――頬に冷汗を垂らしながらも。
営業を行うサラリーマンが何度も何度も頭を下げる風に、角度を変えて塔の具合を伺いながらも、蝸牛がごとき速度で末端の震えを噛み殺す仗助。
心臓の鼓動を伝える血管。関節の稼働につっかえる軟骨。筋肉の動きに揺れる腱――――それらが齎す指先の強張り。
尖らせた口先から、細く、長く、仗助の吐息が宙に歩み出す。
「……ふぅ」
「この数、中々な数だ……いや、改めてそー見るとたまげるな」
外国人らしく両手でリアクションを取るジョニィを尻目に――仗助はテーブルの下、握った拳の親指を開閉する。
禁煙を試みる苛立った喫煙者がライターの蓋を弄ぶが如く。或いは、起爆スイッチに力を籠めるが如く。
そして――。
その親指には一滴、水滴が付いている。
「それじゃあ、僕も『コール』だ。ただし――」
「じゅーぶんに分かってますよ。テーブルを揺らすとか、そーゆー妨害行為はやらねーぜ。この先俺にできるのは、『あんたが賭けを外すように頼む事だけ』だからよぉ~~~」
警告に対する仗助も、普段通りの飄々とした態度。
ジョニィが、ミルクのチップを持ち上げ――そしてこちらも、ガムシロップが構成する都合九つの積みあがった、土偶や電波アンテナめいていびつな塔の土台に注意。
ゆっくりと、震える指先で、つまんだミルクケースを頂点に運ぶ。
底に向かって細まっていく円柱の小分けのミルク。
その底面が、ガムシロップの上面に触れる。
瞬間――
(――【クレイジー・ダイヤモンド】)
細まった仗助の瞳。
左手だけ、かぶさる風に発現する雄々しい【クレイジー・ダイヤモンド】の左腕。ジョニィの視線はミルクとガムシロップの塔――。
親指。
粘度のある、透明の水滴。にちゃりと触れるそれを、【クレイジー・ダイヤモンド】の親指が押さえた。
(ガムシロップの、中身も『治す』)
既に、仕掛けていた。
コインを道の向こうに弾き飛ばしたその間に――ジョニィの視線を誘導したそこで、テーブルに置かれたガムシロップを破壊。
ナプキンに中身を染み込ませたその上で、ケースの外見だけを修復していたのだ。
後々のために、一滴だけを己の手元に残して。
(ナプキンに染み込んだそいつも乾ききってねーしよぉ~~~~)
丁度、コインの真上に被さって触れる――つまり、ジョニィからも仗助からも、上からは見れない位置にある染み。ナプキンに吸われた液体。
そして、仗助の親指にあるそれが、【クレイジー・ダイヤモンド】の力によって、独りでに動き出す。
(一緒に戻るんだな……。塔の基礎の基礎に置かれたケースの中目掛けて、『外野コースにふっ飛ばした野球選手が塁を目指す』みてーに全力でよぉー)
そうなったなら。
見事に、戻ろうとするそれらが塔を揺らすのだ。
ジョニィが積み上げようとしたこのタイミングで。彼だけが、チップに触れたというこの条件で。
仗助自身は決してテーブルに触れてはいないと潔白を証明したその上で。
何よりも――絶対的な明示として、仕掛けられた【ルール】――――『⑨:チップはナプキンの上に積み上げる。崩したら逆側の総取り。』――――に従って。
「――――ヒガシカタ・ジョースケ」
塔が揺らぐ――――しかしその中でも、己の能力の成果をしっかりと認識する仗助の視覚よりも優先されて、聴覚が彼に届けたジョニィの声。
落ち着いた。
どこまでも平然とした声。
「何か勘違いしてるかもしれないから、僕からも一つだけ言っておくが……念のため」
塔は確かに揺れた。バランスを崩した。
ジョニィが置こうと、指先をかろうじて触れさせたままのミルクの――その下の土台は歪に歪んだ。
転覆するタイタニック号がそうなったように、明らかにテーブルに対して蓋が平行でないというのに。
「――――これは『技術』だ。人間には未知の可能性がある」
崩れようとしたそれらは回転して――ピエロが玉乗りをするように、回転しながらも上下を貫く見えない回転軸自体は一切揺らがず。
そんな揺らがぬ点同士をお互いに触れ合わせて――曲芸めいて出来上がった、回転の塔ッ!
(ぐ、グレート……!)
これは――錯覚ではない。
そして特有の、幽霊がごとき『スタンドヴィジョン』も現れてはいない。
つまり。
つまりまさしくこれは――ジョニィの言う通り――――
(これが……『技術』だとォーッ!?)
――『技術』ッ!
(なんだっつーんだ、このイカサマすれすれの『技術』って奴はよぉー……!)
積み上げて仕掛けた東方仗助の策を、叩き潰した『回転の技術』。
あとは、回転が収まるまでを待って……そして積み上げるのみ。
そこから先にドラマはない。
ただ、『ルール⑨』は――――決してジョニィの敵にはなりえず、そして仗助の味方にもなりえない……それだけの話だった。
>>1000なら青葉が悲しい友情運を発揮する
>>1000なら足柄にアヌビス神装備
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