元スレめぐり「比企谷くん、バレンタインデーって知ってる?」八幡「はい?」
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151 :
× × ×
結衣「あっ、これ超可愛くない!?」
いろは「これとかも、ちょーよさそうじゃないですかー?」
千葉駅からそのままやってきた、とあるショッピングモール。
バレンタインデー関係の広告や飾りがあちこちに並んでおり、あなたの大切な人に贈り物はどうですか。などと書かれている。
土曜日だからか学校帰りにたまに寄る時に比べて活気に満ちている店内の中でも、女子同士のお買い物というものはかしましいものらしく、その中でも由比ヶ浜と一色が一段と楽しそうにあちこちの商品を眺めていた。
152 = 1 :
結衣「ほら、これとかゆきのんに超似合うって!」
雪乃「えっ、その、由比ヶ浜さん?」
いろは「えー、でも雪ノ下先輩にならこっちもよくないですかー?」
雪乃「あの、一色さん?」
めぐり「あはは、雪ノ下さん、こういうの似合いそうじゃないかなぁ?」
結衣「あっそれ超似合いそうですね!」
雪乃「城廻先輩まで……」
そんな女性陣の盛り上がりを、俺は三歩くらい離れた場所から遠巻きに眺めていた。いやー、でかいショッピングモールはぼっちでいても人ゴミに紛れるからなー、別にぼっちでいても目立たないから嬉しいなー。
当然、あんな女子女子してる中に葉山レベルのコミュ力を持っているわけでもない俺が入っていけるわけもない。
ここにやってきてわずか三分、早くも時代に取り残されている俺であった。
153 = 1 :
結衣「ゆきのんゆきのん、これとかどう?」
いろは「雪ノ下先輩、これとか超いけそうじゃないですかー?」
めぐり「雪ノ下さん、こっちもどうかな?」
雪乃「あ、あの、三人共……今日はバレンタインデーのイベントの参考になるものを見に来たのだと聞いたのだけれど……」
で、そのうち由比ヶ浜たち三人はあれこれ服や装飾品を見ては雪ノ下に似合うかどうかを競い合っていた。その当の雪ノ下はというと、あたふたするばかりでどう反応していいのか分かっていなさそうだ。
いや、楽しそうなのはなによりなんですけど、今日ってバレンタインデーイベントの参考探しに来たんだよね?雪ノ下着せ替え人形化計画のために来たんじゃないよね?
とはいえ、俺があんな楽しそうにしている女性陣の間に水を差すわけにもいかないので、そのやり取りを遠巻きに見守ることにした。
154 = 1 :
雪乃「あ、あの……ひ、比企谷くん……」
いろは「いやー、雪ノ下先輩ってすっごいこういうのやりがいがあるっていうかー。ちょっと嫉妬しちゃいますけど、まぁ楽しいんでいいです」
雪乃「い、一色さん、ちょっと待っ……!?」
途中、雪ノ下から助けを求めるような目線を向けられたような気がしたが、すぐに一色にまたなんか服を押し付けられていた。もうすっかり着せ替え人形である。
そのまま一色が雪ノ下の手を引き、試着のためか更衣室の方に行ってしまった。あれ、本当に今日の目的忘れてないよね……?
若干不安になりながらそれを見送ると、由比ヶ浜とめぐり先輩がこっちの方にやってきた。
結衣「ほらほら、ヒッキーもこっち来てよ」
八幡「やめてくれよ……」
どうやったって女子四人、男子一人という構図では俺が気後れしてしまう。戸塚でもいるならともかく。
155 = 1 :
めぐり「ほら、ここの店メンズもあるから。比企谷くんの服も見てあげようか?」
八幡「い、いやぁ、大丈夫です」
めぐり先輩の提案を即座に、そして丁重にお断りする。先ほどの雪ノ下のような目に合いたいわけでもないし。
しかしそれを聞いた由比ヶ浜が目を輝かせながら、うんうんと力強く頷いていた。
結衣「あっ、それいいですね! ヒッキー、見に行こう!」
八幡「や、勘弁してもらいたいんだけど……」
めぐり「比企谷くん……ダメかな?」
八幡「うっ」
めぐり先輩に上目遣いをされながら、おねだりをするように言われると真っ向からは断りづらい。
あのですね、お姉さんキャラの上目遣いっていうのは最終決戦兵器な訳で、そうポンポン使うのはやめてください俺が死にます。
156 = 1 :
結衣「ほら、行くよヒッキー!」
八幡「あっ、おい!」
めぐり先輩の上目遣いの前に少しの間固まっていると、由比ヶ浜にコートの袖を引っ張られてしまった。振り払うのも憚れたので、そのまま店内の奥のほうに連れて行かれる。
ちらっと助けを求める意味でめぐり先輩の方を見ると、うふふとほんわか笑顔を顔に浮かべているだけであった。
めぐり「男子の服を見るのって初めてだから、ちょっと新鮮だなー」
えっ、めぐり先輩の初めて? 今初めてって言ったよね?
結衣「ほら、ヒッキーは服さえちゃんとしてればそれなりにちゃんと見えるんだから、真面目に選ばないとね!」
八幡「お前は俺のお母さんか……」
どこか妙に所帯染みていたりと、由比ヶ浜にはお母さんっぽい一面を覗かせるところがある。いや、こんなアホな奴がお母さんだったら息子が苦労しそうだなぁ……。主に料理面で。
157 = 1 :
めぐり「うーん、比企谷くんにはどんな服が似合うかなー?」
一方でめぐり先輩は服の並んでいる棚を見ながら、うんうんと唸っている。その悩んでいる姿も非常に可愛らしく、是非そのまま眺めていたいところだが、何が問題かってそれは何故か俺の服選びなのである。
どうやって阻止したものかと考えていると、つやつやとしている一色とどこか疲れた顔をしている雪ノ下がこちらにやってきた。ああ、雪ノ下さん、一色さんにキズモノにされてしまったんですね……。
いろは「何してるんですかー?」
結衣「あっ、いろはちゃん。今ね、ヒッキーの服を選ぼうってことになって」
八幡「あっ、馬鹿」
よりによって、こういうのに関わらせると一番めんどくさそうな奴に言うなよ!
見れば、案の定一色の目が興味深そうに見開かれている。俺の顔を見ると、なるほどーと頷いた。
158 = 1 :
いろは「なるほど、先輩の……面白そうですね、じゃあわたしもなんか選んでこよーっと」
八幡「いや、その、マジでやめてほしいんだけど……」
ちらっと懇願の目線を雪ノ下に向けると、その雪ノ下もどこか加虐的な笑みを浮かべていた。
雪乃「比企谷くんの……いいわ、私も何か見繕ってこようかしら」
八幡「や、そういうのいいんだけど」
雪乃「あなただって、さっき助けてくれなかったじゃない」
そう言って、雪ノ下はぷいっとそっぽを向いてしまった。
確かにそれを言われると厳しい。確かに、先ほど一色に連れ去られるのを見捨てたのは事実だし。
159 = 1 :
雪乃「あなたに似合う服を探すのは大変そうだけれど、なんとか一番マトモそうなものを見つけてみせるわ」
別に見つけなくていいんだけど、なんならそのまま帰ってもいいんだけどと思ったが、見れば雪ノ下の顔は燃えているように見える。だからさ、別にこれ勝負とかじゃないから。負けん気をこんなところで発揮しなくていいから。
雪ノ下がその場を去ったのと同時に、めぐり先輩が服を抱えて戻ってきた。
めぐり「お待たせ、比企谷くん」
いやーお姉さんのお待たせって台詞って何気に破壊力高いなー。これが陽乃さんだったら顔を引きつらせるところなんだが。
めぐり「じゃ、着替えてみよっか」
八幡「あ、あの、城廻先輩?」
思わずそんなことを考えていると、めぐり先輩から逃げ出す機会を失ってしまった。結局そのままズルズルと更衣室に入れられ、しばし女性陣の着せ替え人形にさせられる羽目になったのであった。
や、その。なんだ。何を着ても「その腐った目が邪魔ね……」とか抜かすのは本気で傷付くからやめようね。誰とは言わないけど。誰ノ下さんとは言わないけど。
160 = 1 :
>>148
うっおマジですか……残念。
でもこのスレを抱えているのという都合と、あとどう見ても胃がキリキリしそうな11巻のあらすじを見る限り、ほんのちょっとだけ延期嬉しい……。
まぁそういうことなら、ということで大幅加筆を予定していますので、もう少々お付き合いいただけたらなと思います。
それでは書き溜めしてから、また来ます。
161 :
素晴らしい
162 :
めぐりーっしゅ!
163 :
やったぜ
164 :
僕もめぐりさんに上目遣いされてえよなあ?
165 :
めぐりんきゃわわ
170 :
× × ×
雪乃「おかしいわ、ファッションに問題はなかったはずなのだけれど」
八幡「おい、まだ引っ張るのかよ……」
俺を着せ替え人形にし終わった後、昼食をとり(女性四人に囲まれて食べるのはなんとも肩身が狭かった)、その後ショッピングモール内のバレンタインデー特集なるものをやっている広場にやってきた。
かなり大きいスペースが広がっており、その中では様々なチョコや飾り、ラッピング用品などが大量に並んでいる。
当然バレンイタンデーというだけあって、この広場にいる人のほとんどが女性である。正直男の俺は入りづらいことこの上ないのだが、一応仕事の取材ということなので帰るわけにもいかない。帰りたい。
171 = 1 :
しかし、このブースの基本はバレンタイン系グッズの販売である。これを眺めて、一体何をイベントに活かせというのだろうか。
いろは「あっ、あれ見てください、あの飾りつけとかちょっと真似出来そうじゃないですか?」
雪乃「体育館の飾りつけは木曜の放課後からでしょう、間に合うかしら」
めぐり「事前に作って生徒会室に置いて、木曜日に持っていくのもありかもね」
結衣「ここで何か飾りつけ用の材料とか買ってもいいのかな?」
いろは「はい、きちんと経費出るそうなので、ここで買っていっても大丈夫ですー」
と思っていたのは俺だけで、他の女性陣はちゃんとイベントに使えそうなものをしっかりと見ているようだ。
なるほど。体育館の飾りつけなど、そういう視点からここで学べることもあるのか。
去年のイベントの様子の写真を見た限りだが、体育館の飾りつけはあるにはあったものの割と簡素なものだったはずだ。
クリスマスの時のようにそれが小学生や保育児の作った物というのであれば、まだチープさも武器に出来ただろう。だが、さすがに高校生のイベントともなると適当すぎるのはあまり受け付けられないかもしれない
だからと言って、文化祭の時のように準備に長い時間を取れるわけじゃない。となれば、既製品を買ってそれを多少改造して使うというのは確かにいいアイディアだ。
172 = 1 :
八幡「一色、予算はどんくらいあるんだ」
いろは「まーぼちぼちですね。でも、さすがに体育館全体に飾りつけるのほどの量を買うのは難しそうです」
雪乃「なら、ステージと入り口周りに集中させるべきかしら」
めぐり「じゃあ、会場の壁には一年間のイベントの写真を貼るのはどうかな?」
結衣「あっ、それいいですね!」
雪乃「卒業式で使う写真との兼ね合いも考える必要がありますね、先生に一度相談を──」
会議室でもないのに、意外にポンポンと案が出てくる。実際にこういうイベントに足を運びに来たのは正解だったかもな。
他の面々とバレンタインデーのブースを見回りながら、イベントに活かせそうなものを捜す。
雪乃「……あれは、パンさん……!?」
結衣「あ、ゆきのん待ってー!」
その途中、雪ノ下が何かを見つけるとそれに向かってまっしぐらに雪ノ下が突撃してしまった。それを由比ヶ浜が追う。
一体何を見つけたんだと雪ノ下の向かった先を見てみると、そこにはパンさんを含むディスティニーランドのコーナーが広がっていた。ああ、なるほどね……。
173 = 1 :
別に俺はここで商品のチョコなどを見ても仕方がないので、向こうに行ってしまった雪ノ下たちを見届けると、また周りに目をやった。
俺が見るのは、例えばこのスペースで使われている飾りとかだ。バルーンとか、ポスターとか。この中で学校のイベントにも流用出来そうなものを捜し、そしてそれは本当に実行できるか脳内で考え直す。
まさか自分がこんなものを提供する側になるとは思わなかったなと、やや自虐的な考えになりながらブースを眺めていると、ちょこちょことコートの袖を引かれた。
振り返ってみれば、めぐり先輩がこちらを見ている。
八幡「城廻先輩、どうしたんですか?」
めぐり「ほら、比企谷くんにもチョコあげるって言ったけど、どういうのがいいかなぁって」
八幡「はい!?」
言われて、そういえば前にめぐり先輩がチョコ持ってきてあげるねなんてことを言っていたことを思い返す。
そういえばそんなこともあったな。その場の社交辞令だと思っていたから、すっかり忘れていた。
あれ本気で言ってたのか、めぐりんやっぱマジ天使かよ……と思いながら、周りに陳列しているチョコの棚をぐるっと眺めた。
八幡「まぁ甘いの好きなんで、チョコなら大体なんでも食えますよ」
めぐり「甘いのがいいんだね、分かった!」
そう答えると、めぐり先輩があはっとほんわか笑顔を浮かべる。
瞬間、周りの空気もほんわかとしてきた気がした。笑顔を浮かべるだけで空気まで変えるとか、めぐりんマジ天使。
174 = 1 :
いろは「へー、先輩って甘いの好きなんですねー」
俺とめぐり先輩の話を聞いていたのか、横から一色がぴょこっと湧き出てきた。なにやら興味深そうに至近距離から俺の顔を見つめている。
ちょっと一色さん近くないですかね、と身体を軽く引くと、一色が少し不満そうな顔になった。
いろは「この前のデートだとこってりしてたラーメン食べてましたし、こういう甘いの苦手なんだと思ってましたよ」
八幡「いや、甘いのは結構好きだぞ」
特にマックスコーヒーとか大好き。そのマックスコーヒーの味のチョコが普通に売っていればそれが最高なのだが、あれ市原サービスエリア限定で、しかも下りでしか売ってないんだよな……。
普通に一般販売してくれれば試験勉強の合間にでも食べるんだけどなと思っていると、一色の横にいるめぐり先輩もぴょこっと身を乗り出してきた。
めぐり「へぇ、一色さんって比企谷くんとデートしたことあるんだ」
いろは「そうなんですよー、この前先輩とデートしたんですよー、ねぇ先輩?」
ですよね? みたいな顔で俺の顔を見られても困る。いや、確かにしたんだけど、堂々とこいつとデートしたんですよーとか俺答えられないからね? いやだって恥ずかしいし。
すると、めぐり先輩がほんわかした笑顔を浮かべたまま俺の方に振り向いた。
めぐり「比企谷くんはモテモテだねー」
八幡「いや、そんなんじゃないんですけどね……」
あれはデートっていうか、葉山へのアプローチのために他のライバルと差をつけるための云々ってやつだったと思うが。ほら、安パイが伏兵だどうのこうのって言ってたあれ。
しかしそう否定すると、今度は一色が俺の顔を振り向きながら、キッと睨み付けてきた。
175 = 1 :
いろは「でも先輩、先週は城廻先輩とデートしてましたよねー?」
八幡「だから、あれもそういうのとは違うって説明しただろ」
そう言われて先週のめぐり先輩とのお出かけを思い出した。しかし、あれもデートと呼ぶかというとかなり怪しい。
あくまで、たまたま俺が突っ立ってたらナンパ師からの手助けになっただけで、その後のお礼云々と後になし崩し的に色々見て回っただけなのだから。
一応その辺りの下りは前に追求された時にしつこいくらいに説明したはずなのだが、一色はあざとく頬を膨らませると、むーっと俺の顔を睨み付けてきた。
いろは「でも、ほらプリクラとか撮ってましたし」
八幡「……まぁ、それはそうなんだが」
プリクラ撮っただけでデートって呼ぶのかなぁ……。しかし、例えば葉山が他の女子とプリクラを撮っていて「いや、デートじゃないよ」とか笑いかけてきたら[ピーーー]と思うし、もしかして先週のめぐり先輩とのあれはデートと呼んでもいいのか……?
いや待て、その理論でいくと俺は戸塚ともプリクラを撮りにいったことがある。ということは戸塚ともデートしたことがあると言えるのではないでしょうか。うん、いい響きだデート。あの時は約一名紛れ込んでいた気がするが、そっちの記憶はデリートしたい。
いろは「だから先輩、わたしともプリクラ撮りましょうよー」
八幡「やだ」
いろは「即答!?」
なんでそこでだからになるのか分からないし、そもそも女子とプリクラとかSAN値削れるからあんまりやりたくない。
177 = 1 :
一色がなんでですかーと俺の腕を取ってぶんぶんと振り回していると、その光景が微笑ましかったのかめぐり先輩があははと笑った。
めぐり「じゃあ、この後みんなでプリクラ行こうか」
結衣「プリクラですか、いいですね行きましょうよ! ほら、ゆきのんも!」
雪乃「別に私は……」
いつの間にか戻ってきていた由比ヶ浜と雪ノ下まで会話に加わっていた。由比ヶ浜が雪ノ下になんとかしてプリクラに参加させようと、必死にお願いをしている姿がなんとも微笑ましい。ところで雪ノ下さん、その手に紙袋を持っているということは、やっぱりあのパンさんチョコ買ったんですね……。
しかしめぐり先輩、そのみんなにまさか俺を入れていませんか? さすがにこの面子で一緒に撮るとか、俺には耐えられそうにないんですけど……。
葉山だったらこんな状況でも爽やかイケメンスマイルを浮かべながらさらっとやり過ごすんだろうなと思っていると、俺の腕を掴んだままだった一色の手がぎゅっと強く握り締めてきた。
八幡「……なんだよ」
いろは「いーえ、別にー」
そうは言うが、どう聞いてもその言葉の奥には何かが隠れているように感じる。
いろは「ほんとはみんなで撮りたいってわけじゃ……まぁ先輩ですし仕方ないですねー」
八幡「はぁ?」
意味が分からなくて聞き直したが、一色はそれには答えずにたたっと由比ヶ浜たちの輪に走り去ってしまった。
178 = 1 :
どうやらそのまま移動する流れになりそうだったので、俺も少し後ろから女性陣の後をついていく。
しかし今の一色の言葉の意味はなんだったんだろうな……。うんうんと考えても答えは出ず、ふと後ろを振り返ってバレンタインデー特集をやっているブースを見渡した。
やべ、結局ここを見てもめぐり先輩による「比企谷くんの考えた盛り上げる何か」を考えてなかった。
まぁ他にもいくつか回るって言ってたし、そこも見てからゆっくりと考えることにしよう。
そう思って前に視線を戻すと、思ったよりめぐり先輩たちと距離が離れていたので、早歩きでその後を追った。
× × ×
ショッピングモールを出ると、再び冷たい風が体を襲った。
うう、さみぃ……早くドラえもんが未来からやってきてあべこべクリームとか渡してくれないかな……。寒いと暖かく感じるクリーム。でもあれを塗ると今度は暖房が掛かっている店内が寒くなるんだろうな……。
巻いているマフラーの位置を微調整しながら、ショッピングモール前の道、通称ナンパ通りを歩いていく。
週末の昼下がりだけあって人通りが非常に多く、女性陣から少し離れると見失ってしまいそうだ。
さすがにはぐれるわけにも行かないなと早歩きで追いつくと、由比ヶ浜たちが足音に気が付いたのか俺の方を振り向いてきた。
179 = 1 :
結衣「あっ、ヒッキー。いたんだ」
八幡「ねぇ、ナチュラルにいなかったことにすんのやめてくんない?」
確かに俺の存在感は薄いし、こんな人混みのなかでは忘れられてしまうのも仕方がないかもしれないが。
由比ヶ浜がそ、そういう意味じゃないよと手をぶんぶんと振りながら否定すると、ふと何かに気が付いたようにきょろきょろと周りを見渡した。忙しいやっちゃな。
結衣「あれ、城廻先輩は?」
八幡「ん、お前たちと一緒じゃねぇのか」
それを聞いて俺も周りを見回してみたが、確かにめぐり先輩の姿が見えない。雪ノ下と一色もはてなと首を傾げていた。
雪乃「あなたと一緒にいたと思っていたのだけれど」
いろは「わたしもそう思ってたんですけどー」
八幡「マジか。まぁ人通り多いし、はぐれたかもしれないな」
そう言いながら、後ろを振り返る。本当にすごい人混みだ。これならはぐれてしまった可能性も否定できない。
めぐり先輩を捜すべく来た道を引き返そうとすると、道の端にどこかで見たお下げがちらっと見えた。
180 = 1 :
そちらに目線をやると、やはりそれはめぐり先輩だ。
しかしよく見ると、その近くにいるチャラそうな男の二人組に囲まれるようにして何か話しかけられている。
これはもしかして……。
男>1「この後ちょっとどう?」
男>2「良かったら一緒に遊びにいきませんか?」
めぐり「あ、あの、私、他の友達と遊びに来ているので」
男>1「友達? 女の子? だったらその子達も一緒でいいからさー」
八幡「……」
おいおいマジか。ちょっとはぐれただけでこれか。すげぇなナンパ通り。実際に見るのははじめてだが。
確かにめぐり先輩の容姿ならば、引く手数多であろう。
当のめぐり先輩は当然ながら迷惑そうにしているが、前と後ろで挟み撃ちにされるような形で囲まれており、脱出するタイミングを図りかねているようだ。
ふと、先週のことが脳裏を掠める。
まためぐり先輩が俺の存在に気が付いて、上手くあそこから脱出出来ないだろうか──
結衣「ヒッキー、城廻先輩見つかった? ……あれって、もしかして」
雪乃「なるほど、男に捕まっていたのね……仕方ないわ、私が──」
──なんてアホなことを考えていた、一瞬前の俺を酷く恥じた。
181 = 1 :
八幡「……俺が行く」
雪乃「え?」
めぐり先輩だって女の子だ。前後を知らない大の男に囲まれて、周りを見渡せるほど冷静であるとは限らない。
それなのにも関わらず、自分はまた突っ立っているだけの道を選ぼうとしたのか。
同じく女の子である雪ノ下ですら率先して助けに行こうとしたのに比べ、俺のなんと愚かしいことか。
本当に恥ずかしい。本当に阿呆だ。本当に馬鹿だ。死んでしまえばいい。
だから、さっきまで恥ずかしいことを考えていた俺を殺しに行く。
ここでめぐり先輩を救うことで、せめて少しでもこの恥を雪ごうではないか。
そう決意を固めると、俺はめぐり先輩を囲む男たちの方に向けて足を踏み出した。
八幡「すんません、うちの連れなんで」
男>1「えっ?」
めぐり「あ、比企谷くん!?」
八幡「行きますよ、めぐりさん」
めぐり先輩の手を掴むと、そのまま強引に引っ張り出して男たちの囲いから脱出した。
そしてそのまま早歩きでめぐり先輩を引っ張りながら、雪ノ下たちと合流する。
ちらっと後ろを確認したが、男たちはちぇー男持ちかーと文句を垂れ流しながらどこかへ去っていった。とりあえず、これで一安心といったところだろう。
182 = 1 :
八幡「あっ、すみません城廻先輩。ちょっと強く引っ張っちゃって」
めぐり「……えっ、ああ、うん、大丈夫だよ」
結衣「へぇーヒッキー、かっこいいとこあるじゃん!」
いろは「今のはなかなか女子的にポイント高いですよ!」
雪乃「やるじゃない、比企谷くん」
八幡「別にそんなんじゃねぇよ」
女子たちが口々に褒めてくるが、本当に褒められるようなことではない。
先ほどまでめぐり先輩一人で脱出してくれないだろうかと思っていたような大馬鹿野郎だ。
もし雪ノ下が進み出していなかったら、俺はまた先週のように立ち尽くしていただけだろう。
だからいくら他の人から賞賛の声を受けても、俺の心は晴れなかった。
めぐり「ひ、比企谷くん!」
八幡「は、はい?」
突然、俺の腕が強く掴まれた。見ればめぐり先輩がその腕を掴んでおり、真っ直ぐに俺の目を射抜くように見つめている。
めぐり「ありがとうね、比企谷くん……助かっちゃった」
八幡「い、いや別に……」
馬鹿な考えをしてしまったという罪悪感が心を占めているせいか、そのめぐり先輩の真っ直ぐな眼差しを見ることが出来ず、思わず目を逸らしてしまった。
俺はそんな礼を言われるような人間じゃない。本来なら雪ノ下に言ってあげてほしい言葉である。
183 = 1 :
八幡「あのですね、城廻先輩──」
めぐり「めぐり」
八幡「えっ?」
めぐり「さっきみたいに……めぐりって、呼んで欲しいかな……」
そういえば、先ほどあの男たちの包囲からめぐり先輩を引っ張り出した時、ちょっと知り合い感を出すために名前で呼んでたな。あれも今思い返すと恥ずかしい。いやだってほら、よくドラマとかでもナンパ師から助け出す時って普段苗字で呼んでても名前で呼んでたりするじゃん……。
懇願するように上目遣いで俺を見るめぐり先輩は可愛らしいことこの上ないが、しかし名前で呼ぶのは恥ずかしいし、丁重にお断りしよう。
八幡「いや、その、城廻せんぱ──」
めぐり「め・ぐ・り!!」
八幡「あっはい、めぐり先輩」
めぐり「先輩もいらない!」
八幡「め……、めぐり、さん……」
めぐり「よし!」
そう呼ぶと、めぐり先輩の顔にいつも通りのほんわかした笑顔が戻ってきた。
意外と強引な時は強引だな、めぐりせんぱ……めぐりさん。これが年上のお姉さんというものなのか。
こう、普段はほんわかしているのに、いざという時はきっちりとして、時に強引な所がすごいお姉さんっぽい。どこかに、時々どころか常に強引なお姉さんがいたような気がするけど、そちらの方は今は除外しておこう。
184 = 1 :
めぐり「よーし、じゃあいこっか!」
めぐりさんがそう宣言して前に進み始めると、由比ヶ浜と一色もそれに並んで次の目的地に向かって歩き出す。
その背中姿をぼーっと眺めていると、雪ノ下がこちらに近寄ってきた。
雪乃「どうしたの、比企谷くん。またはぐれるわよ」
八幡「あ、ああ、すまん」
雪ノ下に言われて、俺も歩き始める。
しばらく雪ノ下と並んでめぐりさん達の後ろを歩いていると、俺はさっきの礼を雪ノ下に言ってなかったことを思い出した。
八幡「ああ、そうだ雪ノ下。さっきはありがとな」
雪乃「え……私、何かしたかしら」
その雪ノ下は訳が分からなそうにしていたが、俺はそのまま言葉を続ける。
八幡「さっき、お前がしろめぐ……めぐりさんを助けようとしてただろ。あれがなかったら、俺は前に進めてなかったと思う」
雪乃「どういうことかしら?」
八幡「……最初から助けようとしてたわけじゃなくて、めぐりさんが自分で抜け出してくれねぇかなって思ってたんだよ」
やや自虐的に笑いながら、先ほどの考えを素直に吐露する。
八幡「お前が助けに行こうとしたのを見て、やっと自分のアホさに気が付いたんだ。なんで男の俺が行かねぇんだって」
雪乃「あなたって人は……」
俺が全てを言い切ると、雪ノ下が額に手をやりながら、はぁと呆れたようなため息をついた。
しかしすぐにこちらの方に振り向く。その目は、どこか優しい。
185 = 1 :
雪乃「……まぁ、結果的にはあなたが助けたわけだし、私が礼を言われる筋合いはないわ」
八幡「そういうな。お前のおかげだよ」
雪乃「……そこまで言うのなら受け取っておくけれど」
そこで雪ノ下は言葉を切り、俺から目線を外すと前を見る。
少し前ではめぐり先輩が由比ヶ浜、一色と並んで談笑している。ちらっとめぐりさんの笑った横顔が見えた。
雪乃「あの城廻先輩の笑顔を守ったのはあなた自身なのだし、そこは堂々と胸を張っていいと思うわ」
八幡「……」
雪ノ下にそう言われて、前を歩いているめぐりさんの方を再び見た。
最初は見捨てるに近い行動を取ろうとしていた俺は、許されていいのだろうか。
俺は、胸を張っていいのだろうか。
罪悪感のせいで、素直にそうは思えなかったが。
雪ノ下の言葉のおかげで、少し気が楽になったように感じた。
八幡「……さんきゅ、雪ノ下」
雪乃「……その感謝は、何に対してかしらね?」
ふふっと笑う雪ノ下に釣られて、俺もふっと軽い笑みを浮かべた。
あの雪ノ下先生が言うんだから、間違いねぇんだろうな。
俺のこの手でめぐりさんを助けられたんだって、思ってもいいんだろう。
あのほんわかした笑顔が消えなくて済んだと、この手で守れたんだと思うと、俺はこの胸を堂々と張っていいように感じた。
186 = 1 :
× × ×
八幡「……はぁ」
次に向かった別のショッピングモールに着くと、バレンタインデー特集をやっているブースを眺めるのもそこそこに、俺たちはゲームコーナーの方にやってきていた。
さっきのめぐりさんと一色の提案どおり、本当にプリクラを撮りに来たのであった。
当然俺は即座に辞退を申し出たのだが、何故か全員に却下されたため、結局五人でプリクラを撮る羽目になったわけだが……。
当然五人も入れば、その、中は結構狭いわけでしてね?
その、当然の結末として、そこそこ密着することになるわけで……。
八幡「……」
さっきのめぐり先輩の件とは全く別の意味で死にたくなり、俺は熱くなった頭と顔を冷やすため、少し離れたベンチで頭を抱えながら休んでいた。
ちらっとプリクラの筐体の方を見れば、由比ヶ浜と一色が雪ノ下を囲むようにしてきゃっきゃと騒いでいる。たぶん、落書きか何かをしているのだろう。
雪ノ下も最初の最初だけは遠慮気味だったのだが、いつの間にか撮る側に回っていた。今ではああいう風に由比ヶ浜たちと並んで楽しそうにやっている。ほんと良い友達にめぐり会えたなぁ。
187 = 1 :
ふと、そこでめぐりさんの姿が見えないことに気が付いた。
プリクラのところにはいないし、どこにいるんだろうと捜していると、ぴとっと俺の頬に冷たい何かが押し当てられた。
びっくりして振り返ってみると、そこにはマッ缶を持ったほんわか笑顔のめぐりさんの姿があった。
めぐり「はい、これあげる。さっきのお礼としては安いかもしれないけどね」
八幡「あっ、しろめぐ……めぐりさん、ども……」
そのマッ缶を受け取ると、めぐり先輩も俺の横にぽすっと座った。
缶のプルトップを開けると、そのままその中身を喉に流し込む。甘ったるい、いつもの味が口の中に広がった。
めぐり「イベントの話し合い中も、いつもそれ飲んでたよね」
八幡「ああ、見てたんすか……」
そういえばなんでめぐりさんは俺がマッ缶を好きなのだろうと疑問に思ったが、俺がそれを問う前にめぐりさんから答えてくれた。
思い返してみれば、会議室で行なわれる会議中はいつもマッ缶を飲んでいたような気がする。奉仕部の部室であれば、雪ノ下の淹れてくれた紅茶を飲んでいることが多いのだが。
188 = 1 :
八幡「……」
めぐり「……」
マッ缶の中身を飲み干すと、俺たちの間に沈黙が舞い降りる。
何か俺から声を掛けるべきかどうか考えていると、めぐりさんの方から口を開いた。
めぐり「比企谷くん……さっきは、本当にありがとうね……」
八幡「……礼なら、さっきも受け取りましたよ」
めぐり「それでもさ、もう一度お礼が言いたくて……」
めぐりさんはやや俯きながら、ぎゅっと膝の上に乗せた手を握った。そのまま、小さい声で言葉を続ける。
めぐり「実はさ、さっきの結構怖くて……だから、比企谷くんが手を引っ張ってくれた時……すごく頼もしくて……すごいかっこいいなって思った」
八幡「……」
ちらっと見てみればめぐりさんの顔が朱色に染まっているように見えたが、多分俺の顔も負けてないくらい赤くなっていると思う。
ああ、なんか暑いなー。このゲームコーナー冷房効いてないんじゃないのー? それとも本当にあべこべクリーム塗っちゃったかなー?
めぐり「だから──ありがとう、比企谷くん」
八幡「……どういたしまして」
再び礼を言うめぐりさんだったが、俺はそのめぐりさんの顔を直視出来ずにゲームコーナーの方へ目線をやっていた。だから、今めぐりさんがどんな顔をしているかは分からない。
分からないが──笑顔なら嬉しいなと、そう思った。
189 = 1 :
めぐり「ああ、そういえばさ、比企谷くん」
八幡「え?」
さっきまでとは打って変わって通常通りの声に戻っためぐりさんの方を振り返ってみると、表情の方も通常通りのほんわか笑顔に戻っていた。
それを見ると俺も先ほどまでの恥ずかしさが引いて、こちらまでほんわかしてきた。
めぐり「結局、何かイベントで使うアイディア考え付いた?」
八幡「……いやー、実は何も」
いや、それがマジで思い付いてないのだ。
先ほど行った所と今いるショッピングモールで、計二つのバレンタインデー特集をやっているブースを見回ったのだが、飾りつけとかそういう部分でのアイディアは出ても、盛り上げる何かみたいなものは思い付かなかったのである。
そう素直に答えると、めぐりさんがもう! とぷんぷん頬を膨らませて怒っていた。うっわ可愛い。ここにあざとらしさを感じないのが本物の天然さんである故なのか。
めぐり「あ……じゃあ、比企谷くん……」
八幡「ん、なんですか?」
めぐり「明日も、お出かけしない?」
八幡「え……?」
190 = 1 :
めぐりさんの突然の提案に、思わず聞き返してしまう。
まぁ確かに今日中にアイディアが出せていない以上、今週の金曜日に迫ったイベントの前の休日は明日しかない。足を使ってアイディアを捜すなら最後の日だ。
八幡「まぁ、俺はいいですけど。でもあいつらもいいって言いますかね」
めぐり「や、明日はさ、みんなでじゃなくて……比企谷くんと二人で、お出かけしたいなぁって」
八幡「……はい?」
思わず、間抜けっぽい声が出てしまった。今なんて言ったこの人?
めぐり「一色さんともデートしてたって言ってたし……もし良かったらさ、私ともお出かけしてくれないかなって」
八幡「……」
……これはあれですかね、ガチでデートのお誘いって思っていいんですかね。近くにドッキリ看板持った一色とかいないよね? いや、まだプリクラのところで由比ヶ浜たちときゃーきゃーやってるな。
もしそうであれば、これは人生初めてのデートのお誘いなのかもしれない。
雪ノ下や由比ヶ浜と出かけた時は誕生日プレゼントを捜すという名目があったわけだし、一色のあれもデートだって誘われたのではなく、騙されたような形で始まったデートだ。
めぐり「ダメ、かな?」
めぐりさんがやや不安そうな表情で、そう聞く。
……俺に出来るなら、この顔を曇らせたくない。笑顔のままでいてほしいと思った。
191 = 1 :
八幡「……俺なんかでよければ、いいですよ」
めぐり「本当? 嬉しいな!」
その笑顔を守れた。やったぜ。
……つい流されてオーケーを出しちゃったけど、大丈夫かな……。めぐりさんとデートとか、改めて意識してみるとめちゃくちゃ緊張してきたんだけど……。
めぐり「でも、自分なんかって言わないで欲しいな。私は比企谷くんと行きたいんだから」
八幡「あ……はい」
そう悪戯っぽく微笑むめぐりさんを前に、思わずどきっと自分の心臓が飛び跳ねたような気がした。
……その笑顔は、なかなかに破壊力が高い。
マズい、マズいって。
なんとか冷静さを取り戻さないと……。
こういう時は素数を数えるのがいいんだったな、えっと確か1,2,3,4、5,6ってそれただの自然数ですやーん。
192 = 1 :
めぐり「じゃあ比企谷くん、連絡先教えてもらっていいかな?」
八幡「ああ、どうぞ」
めぐりさんに言われるがままに電話番号とメルアドの交換を済ませると、プリクラの筐体の方から一色がたたたっと早歩きでこちらの方にやってきた。
いろは「先輩方ー、終わりましたよー」
めぐり「あっ、終わったみたいだね」
一色の終了宣言を聞いて、めぐり先輩がベンチから立ち上がる。
そして数歩前に進んだかと思うと、くるっと回り、ほんわかした満面の笑みを浮かべながら、俺に向かって言った。
めぐり「じゃあ比企谷くん、明日楽しみにしてるねっ!」
八幡「っ……!!」
……小町、お前は一人くらいお持ち帰りしてきてもいいんだよー、なんて言ってたけど。
どうも、お持ち帰りされたのは俺の心らしい。
193 = 1 :
ホンワカ(´・ω・`)メグリン
今回はここまでです。
それでは書き溜めしてから、また来ます。
195 :
素晴らしい
乙
196 :
めぐりん可愛いよめぐりん
めぐりんには彼を裏切らないで欲しい
200 :
めぐりんSSには頑張ってもらいたい
みんなの評価 : ☆
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