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    元スレめぐり「比企谷くん、バレンタインデーって知ってる?」八幡「はい?」

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    101 = 1 :

    三浦「あ、じゃあ……隼人たちに聞いてみて、いいって言うなら……」

    顔を朱に染め、指をもじもじと動かしながら三浦がそう由比ヶ浜に返答していた。マズいよ、マズいですよ! 最近のあーしさんのヒロイン力が高すぎてマジあーしさんなんだけど。

    結衣「ほんと? じゃあもしやるって決まったら連絡してね」

    三浦「おっけー」

    海老名「わたし達もなんか手伝えることあったら、言ってね」

    結衣「うん、ありがとう! じゃあ部活行ってくるね」

    由比ヶ浜はそう言って二人との話を切ると、てててーっと俺のところにまでやってきた。

    結衣「ヒッキー、行こ?」

    八幡「ん、ああ」

    そういや由比ヶ浜たちの会話に聞き耳を立てていたので、先に教室の外に出ているのを忘れていた。少し周りを見渡してから、そのまま教室の外に出る。

    放課後ということもあって教室に残ってた人も多くはなかったし、特に一番心配などこぞの誰かさんもいなかったし、まぁこの程度でどうこう言われることもなかろう。

    102 :

    廊下に出ると、再び厳しい寒さが体を襲う。早いところ、廊下にもヒーターの導入を願うばかりだ。

    横を歩く由比ヶ浜も寒さのせいか、体をぶるっと震わせた。

    結衣「うう、寒いねー。じゃあ部室行こっか」

    八幡「今日は部室じゃなくて、会議室だって昨日言ってただろ」

    結衣「え? ……あっ、そうだった!」

    言われて思い出したのか、手の上に軽い握り拳をぽんっと叩いた。昨日の帰りに雪ノ下に念を押して言いつけられていたはずなのだが、もう忘れちゃってたのん……?

    そのまま会議室へ向かうルートを辿っていると、途中で雪ノ下と出会った。

    結衣「あっ、ゆきのーん! やっはろー!」

    雪乃「あら、由比ヶ浜さん。こんにち──ちょっと由比ヶ浜さん?」

    そのまま由比ヶ浜が雪ノ下に向かって飛び込むように抱きつくと、雪ノ下の体がグラッと揺れた。

    うーん、人通りの多い廊下で堂々とゆりゆりするとは。まぁ、こっちとしては滾るものがあるからいいんですけどね?

    103 = 1 :

    結衣「えへへー、これならあったかいよねー」

    雪乃「……暑苦しいわ」

    結衣「えっ、苦しかった!? ごめんゆきのん!!」

    ぼそっと雪ノ下が呟くと、由比ヶ浜がばっと雪ノ下から離れる。しかしそうすると、雪ノ下の顔がしゅんと落ち込んだ。

    雪乃「あ、いえ、嫌だったわけじゃないの」

    結衣「ゆきの──ん!!」

    再び由比ヶ浜は満面の笑みを浮かべながら、がばっと雪ノ下に抱きつく。

    雪ノ下が助けを求めるように俺の方へ目配せをしてくるが、当然俺はそれをスルーした。

    ……なんというか、なんだこれ。



    104 = 1 :



         ×  ×  ×


    ゆりゆりちゅっちゅ劇を経て、俺と雪ノ下、由比ヶ浜は会議室の前に来ていた。

    すると、めぐり先輩が向こう側の廊下からやってきていることに気が付いた。めぐり先輩も俺たちに気が付くと、挨拶のつもりか軽く手をふりながらとっとこと俺たちの傍にまで歩いてくる。その姿はどこぞのハム野郎なんぞとは比べ物にならないほどに可愛らしい。

    めぐり「あっ、みんな! おはよう!」

    八幡「……城廻先輩、もう放課後っすよ」

    ほんわかオーラを振りまきながら何故か朝の挨拶をしためぐり先輩にそう指摘すると、はわわっと自分の口を抑えた。

    めぐり「あっ、そうだった! さっき学校に来たばかりだから、なんか勘違いしちゃった」

    まぁ、バイトとかも最初に入る時とかはおはようございますとか言うし。慣れてくるとおはざまーすとかおーすとかって省略されてくるってどっかのバイトの先輩が言っていたような気がするけど、そもそもそこまで慣れるほどひとつのバイト続いたことがないので分からん。

    105 = 1 :

    めぐり「じゃあ改めまして。こんにちわっ、みんな! 今日もよろしくね」

    雪乃「こんにちは、城廻先輩」

    結衣「こんにちはー」

    八幡「……ども」

    改めて、にこやかに挨拶をしてきためぐり先輩に対して軽く頭を下げる。ああ~心がめぐりっしゅされるんじゃあ~。

    もしもめぐり先輩と結婚したら毎日このほんわかとした雰囲気でおかえりっなんて言ってくれるのかな。それなら働いてもいいかな。結婚しよ。間違いなく振られるけど。

    戸塚だけでなくめぐり先輩の笑顔もどこぞの美術館で永久保存するべきなんじゃないかなーと適当に考えながら、会議室の扉に手をかけた。鍵は開いておらず、中からは会話の声が聞こえる。ノックすると、どーぞーと間延びした声が聞こえてきたので、そのままガラッと扉を開いた。

    会議室の中に入ると、中にいた一色と目が合う。

    いろは「あっ、先輩!」

    八幡「よお」

    適当に手を挙げて一色に挨拶すると、とっとこと一色がこちらにやってきた。何? ハム太郎なの? 確かにハムスターに似てるところあるけど。あざといところとか。

    106 = 1 :

    いろは「あっ、結衣先輩、雪ノ下先輩、城廻先輩もこんにちはー。今日もよろしくお願いしますねー」

    結衣「やっはろー! いろはちゃん」

    雪乃「こんにちは、一色さん」

    めぐり「よろしくねー、一色さん」

    各位がそれぞれ挨拶を済ませると、俺は机の一番端にある椅子を引いてそれに座った。

    すると、隣の椅子も引かれる音がする。見れば城廻先輩が隣に座っていた。

    めぐり「お隣いいかな?」

    八幡「えっ、ああ、どうぞ」

    若干キョドり気味(編注:がっつりキョドってました)にそう返事をすると、めぐり先輩がふふっと笑みを浮かべる。いや、ダメとは言えない質問にいい? って聞くのは本当にズルいと思うんですよね。ほらバイト中のこれやってもらっていい? とか。他の客に対応中でもなければ断れるわけねぇじゃん。

    結衣「あっ……むぅ」

    雪乃「由比ヶ浜さん、どうしたの?」

    結衣「い、いや、なんでもないよー」

    そんなズルくも眩しいめぐり先輩から目を逸らすように会議室の中をぐるっと見渡した。

    向こう側の席には、今日から参戦する生徒会役員が三名座っている。えーと名前なんだったかな……思い出せないので福会長と書記とあともう一人でいいや。

    107 = 1 :

    そして黒板の前で一色が一人でかっかっとチョークで文字を書いている。少しは長としての風格が出てきただろうか。

    ふと、違和感を覚えて横のめぐり先輩をちらっと見る。めぐり先輩は、ん? と首を傾げていた。

    めぐり「どうしたの、比企谷くん」

    八幡「あ、いや、城廻先輩が前に立ってないで、こっちに座ってるのがちょっと違和感あるなって」

    今までにこの部屋でめぐり先輩と会議をしたことは二度ある。文化祭と体育祭だ。

    そして、そのどちらもめぐり先輩の位置は黒板の前であった。それが今では俺の隣になっているのだから、違和感を覚えるのも仕方がなかろう。

    めぐり「一色さんも一人前の生徒会長だからね、一人で出来るよ!」

    いろは「えーそんなことないですよー。あっ、だったら先輩一緒に前でやりません?」

    八幡「やらねぇっつの」

    しっしと手首を振ると、一色はもーなんでですかーとぶつくさ言いつつも黒板に再び文字を書いていく。本気で言っていたわけでもあるまい。

    一色はチョークを置くと、こちらの方に振り返って堂々と宣言した。

    いろは「それじゃあ、バレンタインデーイベントの打ち合わせを始めたいと思いまーす」

    ま、よしんば本気だったとしても今のあいつならめぐり先輩の言うとおり一人でやれるだろ。

    一色いろは。彼女はこの総武高校の立派な生徒会長である。



    108 = 1 :



        ×  ×  ×


    いろは「じゃあ、今日はここまでにしましょー」

    一色がそう言って締めると、会議室内の空気が緩んだ。

    会議の進行についてはすこぶる好調で、やることについてはある程度決まってきていた。明日か明後日にはステージで何かをやりたい有志団体を募るポスターも配布することが出来るだろう。

    今日から会議に参加した福会長たちも積極的に意見を出し、また他の意見を可能に出来るか色々と考えてくれた。

    あまりに滞ることもなく順調に進んだので、逆に不安を覚えてしまっているほどだ。

    109 = 1 :

    いや、当たり前といえば当たり前なのだ。

    メンバーは(俺以外)全員高いモチベーションを保っていて、どこぞの文実の時の様に人数が欠落することもない。

    そもそものイベント自体の規模も文化祭や体育祭に比べればはるかに小さいものだし、やらなければいけないこともそんなに多くない。会議の話題もやらなければならないことをいかにクリアするかというところより、プラスでさらにどう盛り上げるかというところが中心であった。

    いろは「じゃあ、有志団体を募集するポスター作りお願いしちゃって大丈夫ですかー?」

    この集まりのトップの一色も、どこぞの誰かさん──いい加減ぶっちゃけると相模のことだが──とは違ってきちんとやることをやれる人間だ。

    雪乃「イラストを新しく用意する必要がありそうね」

    そして変な足手まといがいないおかげで、事務仕事に置いて最強の雪ノ下のスペックが完璧に活かせる環境だ。ちなみに現時点俺はほとんど何もしてないので、足を引っ張ることすらしてない。

    そんないい感じに回っている会議室の中を眺めていると、隣にいるめぐり先輩がふふっと笑った。

    めぐり「本当、いい感じだね」

    八幡「ええ、順調過ぎてびっくりしてます」

    今まで関わってきたイベントでは必ずと言って良いほど何かしら面倒事があったものだが、メンバーが揃っていて、モチベーションがあって、日程にも余裕があるとこんなにもスピーディに物事が運ぶのかと感じる。

    ……ほんと、今までがおかしかっただけだよなあ……。

    110 = 1 :

    いや、当たり前といえば当たり前なのだ。

    メンバーは(俺以外)全員高いモチベーションを保っていて、どこぞの文実の時の様に人数が欠落することもない。

    そもそものイベント自体の規模も文化祭や体育祭に比べればはるかに小さいものだし、やらなければいけないこともそんなに多くない。会議の話題もやらなければならないことをいかにクリアするかというところより、プラスでさらにどう盛り上げるかというところが中心であった。

    いろは「じゃあ、有志団体を募集するポスター作りお願いしちゃって大丈夫ですかー?」

    この集まりのトップの一色も、どこぞの誰かさん──いい加減ぶっちゃけると相模のことだが──とは違ってきちんとやることをやれる人間だ。

    雪乃「イラストを新しく用意する必要がありそうね」

    そして変な足手まといがいないおかげで、事務仕事に置いて最強の雪ノ下のスペックが完璧に活かせる環境だ。ちなみに現時点俺はほとんど何もしてないので、足を引っ張ることすらしてない。

    そんないい感じに回っている会議室の中を眺めていると、隣にいるめぐり先輩がふふっと笑った。

    めぐり「本当、いい感じだね」

    八幡「ええ、順調過ぎてびっくりしてます」

    今まで関わってきたイベントでは必ずと言って良いほど何かしら面倒事があったものだが、メンバーが揃っていて、モチベーションがあって、日程にも余裕があるとこんなにもスピーディに物事が運ぶのかと感じる。

    ……ほんと、今までがおかしかっただけだよなあ……。

    111 = 1 :

    すると、突然扉がガラッと開けられた。長くて綺麗な黒髪が、ふわっと広がる。

    平塚「そろそろ下校時刻だぞー……おっ、城廻か」

    めぐり「あっ、平塚先生。こんにちはー」

    ノックもなく会議室に入ってきたのは平塚先生だった。雪ノ下が「ノックを……」と呟きながら、平塚先生のところへ向かった。

    雪乃「ちょうど今、撤収するところです」

    平塚「そうかそうか、準備は順調かね?」

    雪乃「はい、今のところ全く問題ないかと」

    雪ノ下がそう答えると、平塚先生はうむと満足げに頷いた。次に俺の姿を見つけると、そのままこちらにやってきた。

    平塚「比企谷、君はちゃんとやっているかね」

    八幡「一応、やっているつもりですけどね」

    平塚「城廻、比企谷はちゃんとやっているかね」

    えっ、めぐり先輩に聞きなおすの? そんなに信用ないの? だったら最初から聞かないでください。

    112 = 1 :

    めぐり「はい、比企谷くんはちゃんとやってくれていると思います」

    おお、さすがめぐめぐめぐりん先輩! 俺はそう答えてくれるって信じてましたよ!

    めぐり「でも、比企谷くんの考えた面白いアイディアがないんですよね……」

    げげーっとめぐり先輩の方を振り向く。まさかの女神の裏切りに、俺は動揺を隠せない。

    すると平塚先生がポンと俺の方を叩きながら笑った。

    平塚「いいじゃないか、比企谷。どうせだ、君の考えたアイディアでバレンタインデーイベントを盛り上げてみたまえ」

    八幡「じゃあそうですね……いっそ、このバレンタインデーイベントで婚活でもしてみればぐぼあっ!!」

    言い終わる前に俺の腹にじんわりと痛みが広がる。腹を抱えながら顔を上げると、平塚先生がパキポキと指を鳴らしていた。

    平塚「二度目はないぞ」

    いや、一度目で腹パンかましてるじゃないですか……。

    それに、相手がいなくても楽しめるイベントになるんだからありっちゃありだと思うんだけどな……。

    平塚「まぁいい、時間もまだ余裕があるだろう。しっかり考えたまえ」

    そういい残すと、平塚先生は一色の方へ向かってしまった。結婚を焦り始めるようになると、腹パンして謝りもせずに去っていくようになるのか……。と恨みを込めて平塚先生の背中を睨みつけていると、背中をポンポンと叩かれた。

    めぐり「じゃあ比企谷くんのアイディア、楽しみにしてるねっ」

    めぐり先輩のほんわか笑顔にそう言われると、さすがの俺も嫌ですとは言えない。

    ……この素晴らしい笑顔に応えられるような、そんなアイディアを捻り出さなきゃな。



    113 = 1 :

    めぐめぐ☆ふぁいあーエンドレスナイッ!!

    それでは書き溜めしてから、また来ます。

    114 :

    福会長ww

    115 :

    めぐりんまじめぐりん

    116 :

    >>114
    縁起がいいな

    117 = 1 :



       ×  ×  ×


    うん、全く思いつかない。

    めぐり先輩にアイディアを出せと言われてから二日後の放課後、俺は会議室の机に突っ伏しながらぷすぷすと頭から煙を出していた。

    今日はもう金曜日で、バレンタインデーまではあと丁度一週間である。

    会議の進行そのものはすこぶる順調なままで、現時点では問題もイレギュラーな自体も発生していない。

    ステージで何かをやろうという有志団体も現時点でそこそこの人数が集まっており、このまま行けば何事もなくイベントを進めることが出来るだろう。

    場所は体育館を使用するのだが、普段の授業や部活動でも使用するために体育館の飾り付けやイベントのための云々をやるのはイベント前日の木曜日の放課後になっている。

    イベント一週間前の現時点で残りのやるべきことはほとんど残っていなかった。

    118 = 1 :

    ただ、俺個人にはまだやることが残っている。

    それが、めぐり先輩による「比企谷くんの考えた盛り上げる何か」を考えることである。

    とは言っても、それが全く思いつかなくて結構本気で焦っている。あ、あれー? おかしいな……。なんか二日前めぐり先輩に楽しみにしてるねって言われたときはなんでも思いつくような気がしてたんだけど……。

    そもそもバレンタインデーイベントなんてリア充共が適当に乳繰り合っているだけだろうに、それを盛り上げる方法など俺から生まれるわけもない。台無しにする方法ならいくらでも思いつくんだけどな……。

    あーでもないこーでもないと頭の中で色々考えていると、コンコンと扉を叩かれる音がした。一色がどーぞーと声を掛けると、ガラッと扉が開かれた。

    葉山「失礼します」

    一色「わっ、葉山先輩! こんにちはー!」

    なんかイケメンオーラを溢れ出している奴が入ってきたと思ったら、案の定葉山隼人だった。一色がすぐにそちらに駆け寄る。

    一色「どうしたんですかー?」

    葉山「やぁ、いろは。有志の団体書類を出しにきたんだ」

    爽やかにそう言いながら一枚のプリントを一色に手渡す。

    有志ってことはあれか、三浦たちとのバンドのやつか。ということは、葉山は三浦の誘いを受けてくれたのだろう。良かったな三浦。

    119 = 1 :

    葉山と一色のやり取りをなんとなく眺めていると、ふと振り返った葉山と目が合う。するとそのまま葉山は何故か俺の近くに寄ってきた。

    葉山「調子はどうだい」

    八幡「良いんじゃねぇの、良過ぎてやることがねぇ」

    そっけなくそう返すと、葉山はそうかと軽く笑いながら襟足をかきあげる。こういったさりげない仕草ですら絵になるのだからイケメンは本当にズルい。世の中は不平等に出来ている。

    葉山「そういう割には、随分と浮かない顔をしてるな」

    八幡「気にすんな、いつもこんなんだ」

    葉山「それもそうか」

    納得されてしまった。いや自分で言っておいてなんだが、葉山にそう一瞬で納得されると我ながら悲しくなるな……。

    八幡「……また三浦たちとバンドでもやんのか」

    悲しみを誤魔化すように適当にそう言うと、葉山はああと頷く。

    120 = 1 :

    葉山「最後に何かいい思い出を残したいと思ってね」

    八幡「最後?」

    その単語に引っ掛かりを覚えて反射的に聞き返すと、葉山は一瞬驚いたような表情になった。しかしすぐにいつもの笑みを浮かべて俺の顔を見る。

    葉山「あ、いや、二年生最後のイベントって意味さ。バレンタインデーイベントの後には期末試験があるし、それが終わったらもう終業式だろ」

    八幡「……そうか」

    どこか葉山からは何かを有耶無耶にしたいような印象を受けたが、そこにあえて突っ込むほど興味もないので短くそう答えた。実際このバレンタインデーイベントは三年生の最後のお祭りというだけでなく、二年生や一年生にとっても年度最後のお祭りのようなものだ。

    葉山「前回、君は俺たちの演奏を見てなかっただろ。今回は見てくれると嬉しいけどな」

    八幡「……ま、今回もどこぞの委員長が消えていなくなったりしなけりゃな」

    去年の文化祭のことを思い返しながら、そう皮肉を返す。それに連なって、その後の屋上での葉山とのやり取りも思い出した。そうは言ったがさすがに今回もそのようなことがあるとは思えないし、もし一色がいなくなったとしても俺捜さねぇし。

    葉山もそのことを思い出したのか、苦笑する。

    葉山「ま、まぁ、そうだな……。じゃあ頑張ってくれ」

    そう言って葉山は俺に背を向けて、会議室を後にしようとする。その時、その先の扉が開かれて会議室にほんわかオーラが溢れ出しているお方が入ってきた。案の定、城廻めぐり先輩であった。

    121 = 1 :

    そのめぐり先輩が葉山に気が付くと、ぺこっと軽くおじきした。そういえば一応文化祭の時の文実でもちょこちょこ顔を合わせてたな。

    めぐり「あっ、葉山くん。こんにちはー」

    葉山「どうも、城廻先輩。お久しぶりです」

    葉山もそれに合わせて挨拶を返した。めぐり先輩がふふっと笑う。

    めぐり「葉山くんは有志団体の申し込み?」

    葉山「はい、そうです。今回もバンドをやろうと思いまして」

    めぐり「前もすごかったもんねー、今回も頑張ってね」

    めぐり先輩はそう葉山に言った後、次に俺の方にくるっと顔を向けてきた。ほんわかとした笑顔を向けられたおかげで、つい俺の表情も緩む。

    めぐり「比企谷くんも、何かアイディア思いついた?」

    八幡「いや、それがまったく」

    やや心苦しく思いながらも、めぐり先輩に対してそう返事をする。事実だし。すると葉山がアイディア? と口を挟んできた。お前なんでまだいんだよ俺はめぐり先輩とサシで話し合いたいの早く帰れ。

    めぐり「うん、比企谷くんにはね、イベントを盛り上げるためのアイディア出しを頼んでたの」

    葉山「ああ、だからさっきまで浮かない顔をしていたのか……」

    うるせぇ、同情するならアイディアをくれ。

    122 = 1 :

    そう心の中で悪態をつくと、ふと本当に葉山からアイディアを貰った方がいいんじゃないかという発想に行き着いた。

    バレンタインデーイベントは強制参加ではないため、必然的に参加する面子はこういうイケイケ系が中心になる。ならば、そのイケイケ系の筆頭とも言える葉山の意見を聞くというのは悪くない考えだろう。

    顔を上げて、葉山の顔を見た。

    八幡「葉山は去年のイベントに出てたんだろ、何かやったら盛り上がりそうなことって思いつかないか?」

    葉山「そこで俺に振るのか……」

    苦笑しながらも、葉山は顎に手をつきながら思考し始める。しかしすぐに首を横に振った。

    葉山「いや、俺には思いつかないな」

    八幡「本当かよ、頼むよお前だけが頼りだ」

    葉山「こんなところで頼られてもな……」

    一瞬、葉山の顔に陰が差したような気がした。しかし俺が何かを言う前に再び笑顔を浮かべながら口を開いた。

    葉山「なら、またどこかに出掛けて取材してくるとかどうかな? ほら、クリスマスの時みたいにさ」

    八幡「取材か……」

    葉山の言葉で、去年ディスティニーランドに行った時のことを思い出した。確かに、どこかから刺激を受けてそこからアイディアを出すというのは一つの手だろう。

    問題は俺がどこにも出掛けるつもりがないことくらいだが……休日に外とか出たくねぇし。とそこで、めぐり先輩がぽんっと手を打った。

    123 = 1 :

    めぐり「それはいいかもだね。あっ、じゃあ比企谷くん、明日一緒にお出掛けしよう!」

    八幡「ファッ!?」

    思わず変な声が漏れた。えっ、これってまさかデートのお誘いってやつですか!?

    先週の日曜日といい、まさかの二週連続でのめぐり先輩とのお出掛けである。

    これはもう天命がめぐりんルートに突っ切っちゃえというお告げを出しているのかと感じていると、めぐり先輩がさらに言葉を続けた。

    めぐり「ほら、一色さんとか雪ノ下さん達も呼んでさ」

    八幡「あっ…………そうですね」

    一体いつから──めぐり先輩と二人きりで出掛けると錯覚していた?

    ……イ、イヤダナー、めぐり先輩と二人きりで出掛けるだなんて思ってたわけないじゃないですかー。アイディア出しのための取材なんだから他の面子もいたって当然じゃないですかー。

    めぐり「じゃあ、他のみんなも誘ってみるね!」

    そうほんわか笑顔で言い残すと、ぱたぱたと一色たちの方へ向かってしまった。後には、俺と葉山が残される。

    八幡「……」

    葉山「ははっ……じゃ、頑張ってくれ」

    その葉山も苦笑しながらそう言って今度こそ会議室を後にした。それを見届けると、俺はふうとため息をつく。

    めぐり先輩が一色たちと話しているのを遠くから眺めながら、めぐり先輩について思考を巡らせる。

    あの先輩は本当に優しい先輩だ。俺なんかにも分け隔てなく接してくれるし、きっとそれがいつものことなのだろう。

    だがそんなありふれた優しさでも、俺みたいな馬鹿に勝手に期待させてしまうには十分過ぎるから困る。

    今までにも散々勘違い故に痛い目にはあってきただろうと、強く自分を戒めてきた。

    そんな俺が作り上げてきた防壁ですら、めぐり先輩の笑顔は簡単に乗り越えてくるから恐ろしい。

    やっぱめぐり先輩ってパねぇわ……と、もう一度大きなため息を吐きながら、めぐり先輩のほんわかした笑顔を眺めた。



    124 = 1 :

    めっぐめっぐりーん

    それでは書き溜めしてから、また来ます。

    125 :

    おつ

    126 :

    確かにめぐりんは八幡の大敵かもしれんな……
    勘違い男子の大敵でもあるか。

    127 :

    だから真面目に書けばちゃんとしたものが書けるのに、なんで時々変な短編に走るんですかね……

    128 :

    センスがぶっ飛んでるのか頭のネジがぶっ飛んでるかのどっちか
    感謝のやっはろーは名作だと思うけど、昨日のあれはなんだったんだろうな……

    129 :



         ×  ×  ×


    一夜明けて、土曜日の朝。

    今日は葉山の考案、めぐり先輩の誘いによって、バレンタインデーイベントを盛り上げるためのヒントを得るために出掛けることになっている。

    どこに出掛けるかなどは、めぐり先輩に一任してある。

    なお、その肝心のめぐり先輩との連絡手段がなかったため、今日の面子の一人の由比ヶ浜に今日の予定をメールで教えてもらった。

    小町「あれ、お兄ちゃんどっか出掛けるの?」

    着替えてからリビングに向かうと、首を傾げた小町にそう聞かれた。その瞳はえらく不思議そうにしており、休日のこの時間にお兄ちゃんが出掛けるなんておかしいと雄弁に語っていた。

    そんなに俺が休日に出掛けるのが珍しいかと、顔を小町の方に向けた。

    130 = 1 :

    八幡「ああ、だから昼は要らん」

    小町「へー、誰と出掛けるの? 雪乃さん? 結衣さん?」

    八幡「なんで真っ先にその二人が出るんだよ……」

    他にもいるだろ、ほら戸塚とか、戸塚とか、あと戸塚とかさぁ……。材木座? 誰それ? 食えんの?

    小町はふふーんと笑うと、てこてことこちらに近寄ってきた。

    小町「お兄ちゃんがデートに出掛けるなんて、小町はとっても感動しているのです」

    八幡「いや、デートじゃねぇし」

    小町「で、どっちとデートに行くの? ほらほらYou言っちゃいなYO!!」

    八幡「だからデートじゃねぇっつってんだろ……うぜぇ」

    まるで酔っぱらったおじさんのようにウザ絡みをしながらこのこの~と体当たりをしてくる小町を手で押さえつけながら、はぁと大きなため息が出た。お前はどこのジャニーズ事務所の社長だ。

    131 = 1 :

    八幡「雪ノ下も由比ヶ浜もいるんだよ、そもそも二人きりじゃねぇ」

    小町「は……?」

    そういうと、小町の表情が一瞬凍りつく。

    しかしすぐにハッと顔をあげると、今度は目を手でごしごしとこすって今度は芝居がかった泣き真似を始めた。目元にきらりと何かが光る。

    小町「そっか……お兄ちゃん、二人ともを選んだんだね……。二股かもしれないけど、小町は応援してるよ……あれっ、涙が」

    八幡「うっぜぇ……」

    再び大きなため息をつきながら、まだ下手な泣き真似をしている小町に顔を向けた。

    八幡「あのだな、今日は他にも面子がいるし、あくまで学校行事のためのリサーチみてぇなもんだ」

    小町「他に? 誰がいるの? 戸塚さん?」

    おお、ようやく戸塚の名前が出てきたか。出来れば一番初めにそれを思いついて欲しかった。

    もちろん戸塚にも声を掛けたのだが、残念ながら土曜日の今日もテニス部の練習があるとかで断られてしまった。やっぱ俺テニス部のマネージャーとかになった方がいいんじゃない? 休日にも戸塚に会えるし。

    132 = 1 :

    八幡「いや、残念だが戸塚はいない。一色っていう前に言った現生徒会長と、城廻先輩っていう前生徒会長を含めて全部で五人だ」

    小町「お兄ちゃんが五人で出掛ける方が、雪乃さんか結衣さんとデートするより信じられないんだけど……」

    それな。

    実際めぐり先輩に誘われてなかったら、間違いなく出掛けていなかっただろう。

    俺なんかを自然と面子に含めてくれためぐり先輩の器の広さたるや、まるでQVCマリンフィールドの如くである。いや、その例えはどうなの俺。あっ、現在コラボ中なので是非グッズとか買ってくださいね。オンラインショップもあるぞ!

    小町「で、その一色さんと城廻さんっていう人たちはどっちなの」

    八幡「どっちって、なにがどっちだよ」

    小町「性別だよ! 男の人? それとも女の人?」

    八幡「いや、どっちも女だけど……」

    小町「ハーレム!!」

    小町の顔がぱあっと明るく光り、両手をぐっと胸元で握った。

    133 = 1 :

    小町「いきなり女の人を四人もたらし込むなんて、なかなか出来ることじゃないよ! さすがお兄ちゃん!」

    八幡「俺はどこの劣等生のお兄様だ……」

    こいつの頭の中と耳だけはえらくご都合主義みたいだが。

    言うまでもなくあの四人ともが俺とそういう関係ではないし、そうなることもあり得ない。ていうか、本当になんで俺が混じってるんだろうね。バグ? 確かにめぐり先輩の可愛らしさは世界に混じったバグのようなものだが。

    小町「で、その二人って可愛い? お義姉ちゃん候補に加えられるかな?」

    八幡「いいから、お前はそろそろ勉強に戻れ」

    追い払うようにしっしっと手を振った。小町はえーと明らかに不満を顔に浮かべている。

    しかし、現時点で二月八日。小町の受験まであと幾ばくもない。こんなところで油を売っているわけにはいかないはず。

    もしも受験云々がなかったのならまず初めに小町にバレンタインデーイベントの件で相談をしにいっていたのだが、そうしなかったのにはそういう事情があるからなのだ。

    さすがにこの差し迫った時期に、変な面倒事を受験生相手に持ち込むわけにもいかないだろう。

    134 = 1 :

    八幡「なんか土産くらいは買ってきてやるから」

    小町「あっ、じゃあプリンがいい」

    八幡「へいへい」

    そう言って、俺はリビングを後にしようとする。しかしその俺の背中に再び小町の声が投げかけられた。

    小町「お兄ちゃーん」

    八幡「……んだよ」

    小町「一人くらいお持ち帰りしてきてもいいんだよー」

    おい、お前どっからその言葉知ったんだ。


    135 = 1 :



            ×  ×  ×


    休日の千葉駅前は、人で活気付いている。

    空は雲がほとんどない快晴であったが、空気はひんやりとしていた。

    この千葉駅東口前がめぐり先輩が指定した待ち合わせなのだと、昨日由比ヶ浜から送られてきたメールには書かれていた。

    コートのポケットから携帯を取り出して時間を確認してみると九時四十分。

    集合時間は十時なので、正直に言ってかなり早めに来てしまった感はある。

    もし遅れでもしたら女性陣になんて言われるか分からなかったので念のために早めに来てみたのだが、まだ誰の姿も見えない。

    早めに来ても寒さに身を震わせる羽目になるだけだし、これはミスだったかもしれない。

    寒さをしのぐために、近くにあるコンビニで雑誌でも読んで時間を潰そうかなんて考えていると、人並みの中にほんわかオーラを纏った人を発見した。

    136 = 1 :

    その人も俺の姿に気づくと、手を振りながらててっと小走りで寄ってくる。俺もそれに軽く頭を下げて挨拶をした。

    そのほんわかオーラの持ち主はやはり城廻めぐりであった。今回のお出掛けの企画人である。

    俺の側に立つと、にこりと微笑みを向けてくる。それだけで俺の心がめぐりっしゅされてめぐりんマジめぐりんって感じがしました。

    めぐり「おはよう、比企谷くん」

    八幡「ども、おはようございます、城廻先輩」

    ふと、何かに違和感を覚えてめぐり先輩のことを見直してみる。

    ああ、何かが違うと思ったら、今日のめぐり先輩は私服なのか。いつも見ている姿は制服かそれの上にコートを着ている姿が大半だから、いつもと印象が違うのだ。

    とはいえ一応めぐり先輩の私服は先週も見てはいるのだが……まさか二週連続で見ることになるとは、先週の俺には予想も出来なかった。

    137 = 1 :

    めぐり「どうしたの、比企谷くん?」

    八幡「あっ」

    思ったより長い間じろじろと見てしまっていたのか、めぐり先輩が訝しげに俺の顔を覗き込んできた。

    しまった、思わず見惚れてしまっていた……。めぐり先輩の魅了のオーラは本当に男の目線を引き付けてやみませんね、さっきから通り過ぎる野郎共の視線もちょこちょこ感じるし。『なんであんな目の腐った奴が、あんな美人さんと一緒にいるんだ』って感じの。

    八幡「いや、可愛らしいなって、つい……。あっ」

    めぐり「えっ、比企谷くん!? か、可愛らしいって……」

    何言ってんだ俺は!!

    つい本音が漏れてしまい、すぐに自分の口を閉じる。

    そのめぐり先輩といえば、明るい太陽がコンクリートに反射したのが当たっているせいなのか、どこか顔を朱色に染めて、顔をぷいっとそむけてしまった。

    とんだ失言だ。めぐり先輩も俺なんかに褒めてられても気分がいいわけがあるまい。

    なんとか誤魔化そうと、言葉を捜す。頼むっ、戸部! 今だけお前のなんか適当に合わせるスキルを俺に貸してくれっ!!

    八幡「あっ、いや、そのまぁ、ししし、城廻先輩の私服とか、見るの珍しいですし……き、気分を悪くされたらすんません」

    めちゃくちゃキョドってしまった。おのれ戸部。なんもかんも戸部が悪い。全部戸部のせいだ。

    138 = 1 :

    しかしめぐり先輩はあははと苦笑しながら、顔をあげて俺の方を向いてくれた。微妙に耳まで赤くしているような気がしたが、もしかしたらお前なんかに褒められても嬉しくないんじゃボケェと怒り心頭なのかもしれない。マジかよめぐり先輩がそんな腹黒かったら俺は一体誰を信用して生きていけばいいんだ。

    めぐり「あはは……べ、別に嫌だったってわけじゃ……」

    小さい声で何かを呟いたような気がしたが、それはあまりにか細く、この駅前の騒音の前にかき消されてしまった。

    それきり俯いてしまい、俺たちの間に気まずい沈黙が舞い降りる。

    くっ、こんな時葉山ならなんて声を掛けてやるんだ……。何か気の利いた言葉でも掛けてやれればいいのだが、対女性コミュニケーション能力皆無のこの俺では全く想像も付かん。

    仕方が無い……いっちょここらで、渾身の土下座というものを見せてやる時がきたようだ。

    膝を地面につけようとしたその時、俺の背中がぽんっと叩かれた。

    振り返ってみると、一色いろはがにっこにっこにーと笑みを浮かべていた。

    いろは「おはようございますー先輩、城廻先輩」

    八幡「お、おう」

    めぐり「あ……一色さん、お、おはよう」

    いろは「……どうかしたんですか?」

    俺たちの雰囲気に何か違和感を覚えたのか、ジト目で俺の顔を見つめてきた。まるでこの空気を作った犯人が俺だと分かっているようだ。はい、その通りでございます。

    139 = 1 :

    だが、さすがに先ほどの流れを説明するのは率直に言って嫌だ。俺は咳払いをしながらなんでもねーよとだけ返した。

    しかし一色はそれだけでは納得してくれず、ねー何があったんですかーと俺の肩を掴んでぐわんぐわんと揺さぶった。やめろ。酔う。吐く。

    八幡「だーっ、やめろ離せ一色」

    いろは「えーっ」

    めぐり「い、一色さん、なんでもないから……」

    肩を掴む一色の手を無理矢理引き剥がすと、ぶーぶーと文句を垂れながらもようやく追求をやめてくれた。

    そういうしているうちに、由比ヶ浜を右腕にくっつけたままの雪ノ下がやってきたので、なんとか誤魔化すことに成功した。助かった……。

    それにしてもあれですね、雪ノ下さん、由比ヶ浜さん、君たち本当に仲良いね? まさか外でもゆるゆりしてくるとは思いませんでしたよ。そのやり取りを見てるとなんだかぼくの心もぽかぽかしてきました。

    もしかして実はめぐり先輩も百合で、めっぐりーん! はーい! めぐゆり、はっじまっるよー! とかならないですよねとチラッと様子を窺ってみると、もうすっかり普通に由比ヶ浜たちと挨拶をしていた。

    先ほどまでの気まずい空気はどこかに消え、たちまち騒がしい雰囲気に塗り替えられた。ちなみに騒がしさの四割が由比ヶ浜で四割が一色、残りの二割を雪ノ下とめぐり先輩で折半していて、俺はその騒がしさに一厘足りとも貢献していない。

    140 = 1 :

    その由比ヶ浜が俺の姿にも気づくと、手を挙げて近寄ってきた。雪ノ下もそれに続く。

    結衣「おはよう、ヒッキー!」

    雪乃「おはよう、比企谷くん」

    八幡「よう」

    俺も短く挨拶を返すと、めぐり先輩がぱんと手を叩いて俺たちを見渡した。

    めぐり「じゃ、移動しよっか! まずはあそこのショッピングモールから行こうと思います!」

    結衣「そういえば、今なんかバレンタインデー特集みたいなのやってるって聞きました!」

    いろは「えーっ、ほんとですかー!」

    ざわざわと女性陣が移動し始めたので、俺も少し離れてその集団についていく。

    その女性陣、雪ノ下、由比ヶ浜、一色、めぐり先輩らの背中を見て。ふと小町の言葉を思い出す。

    ハーレム、だったか。

    だが、例え集団の女性比率が高かろうとも俺のやることはいつもと変わりない。

    いつも通り存在感を消して、空気と一体化することだ。


    141 = 1 :

    めっぐりーん

    それでは書き溜めしてから、また来ます。

    142 :

    千葉駅の東口で待ち合わせって、実際問題どこで待ち合わせすりゃいいんだろうなあ…

    143 :

    >めっぐりーん! はーい! めぐゆり、はっじまっるよー!

    存在感のないやつが主人公の作品どうしをかけてるのかw

    144 :

    乙、すごい書き込みっぷりだけど自分は好きだよ

    145 :

    貴重なめぐりんSS

    146 :


    戸部かわいそすw

    147 :

    めぐりっしゅされてえ…

    148 :

    >>141
    おう、11巻発売延期したけどどうすんだ
    多少ペース落とすか内容増やしてもええんやで

    149 :

    1週間延期とか…

    もうここに期待するしかない…

    150 :

    東口で待ち合わせって工事前なら改札出てそのまままっすぐ行って突き当りでしょ
    今は知らん


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