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    元スレ京太郎「偶然が重なって運命の人」

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★★×7
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    601 = 28 :

     







    ◆ ◆ ◆




    「おいしい……!」

    京太郎「ふっふっふっ……そうだろう?」

    「うん、ちょっとこれ止まんないかも……」

    京太郎「ははっ、それじゃ俺もいただきますかね」






    「はふぅ……美味しかったぁ」

    京太郎「帰らなくてよかったろ?」

    「うっ……い、言わないでよ」

    京太郎「ははっ……なぁ憧」

    「……なに?」

    602 = 28 :

     
    京太郎「東京には、こういうお店がいっぱいあると思うんだよな」

    「……うん」

    京太郎「だから、その……これからも一緒にいろんなお店に行ってさ、いろんな美味いモン探ししようぜ」

    「京太郎……」

    京太郎「な?」

    「うん……うん!」

    京太郎「やっと笑ってくれたな」

    「え?」

    京太郎「俺はさ、憧に笑ってて欲しいんだ」

    「っ/////////」

    京太郎「な?」

    「ぅ、うん////」

    603 = 28 :

     




    ◆ ◆ ◆



    京太郎「とりあえずちょっとブラブラするか」

    「そうね、歩いてるうちに何かあるかもしれないし」

    「京太郎は何か欲しいものとか無いの?」

    京太郎「そうだなぁ………あ、そうだ」

    「ん?なになに?」

    京太郎「帽子、買おうかな」

    「帽子?」

    京太郎「あぁ、これから暑くなるだろ?だから」

    「じゃあ帽子買いに行きましょ!」

    京太郎「いいのか?」

    「いいわよ、何をする予定があるわけでもないんだし」

    「あたしが京太郎にピッタリの帽子選んであげる!」

    京太郎「憧が選んでくれるなら安心だな」

    604 = 28 :

     
    「どういうのがいいとかはあるの?」

    京太郎「ん~…やっぱり涼しそうなやつ?」

    「じゃあストローハットね」

    京太郎「ストローハット?」

    「麦わら帽子のこと」

    京太郎「へぇ」

    「それじゃとりあえず帽子屋さん探さないとねっ!」

    京太郎「………」

    「ほら京太郎!」

    京太郎「あぁ…!」

    605 = 28 :

     



    ◆ ◆ ◆


    「う~ん……」

    「男の人のを選ぶのって案外難しいかも……」

    京太郎「…………」

    「街なかでかぶるんだから、あんまりつば広じゃない方がいいわよね……」

    京太郎「なぁなぁこれは?」

    「え?……ちょっとかぶってみて?」

    京太郎「ほい」

    「う~ん、却下」

    京太郎「あ、ハイ」

    「あ、これリボンかわいい」

    京太郎(どうやら俺に発言権は無いようです)

    「やっぱりブラウンのほうが着回しが効くわよね……」

    京太郎(まぁ楽しそうだからいいか)

    「京太郎!これちょっとかぶってみて!」

    京太郎「へいへい」

    「………ちょっと違うわね」

    京太郎「違うのか」

    「じゃあ次はー……

    606 = 28 :

     





    京太郎「じゃあこれにするか」

    「うん、やっぱりそれが一番だと思う。ね、もう一回かぶってみて?」

    京太郎「あいよ、どうすか?」

    「うん!かっこいい!」

    京太郎「ッ!お、おぅ…じゃあちょっと買ってくるよ」

    京太郎「すいませーん」



    「あたしも帽子買おっかなー……」






    京太郎「あれ?憧、どこ行った?」

    京太郎「憧さーんやーい」キョロキョロ

    京太郎「んー…………あっ」



     

    607 = 28 :

     
    京太郎「おーい」

    「あっ、京太郎」

    京太郎「何してんだー?」

    「ね!どっちがいいと思う!?」

    京太郎「はぃ?」

    「これとコレ!」

    京太郎「一緒じゃん」

    「デザインはこれでいいから、色よ!色!」

    京太郎「あぁ…そういうこと」

    京太郎「そうだな……こっちの、明るい色のほうが憧に似合うんじゃないか?」

    「そう?じゃあこっちにしよーっと」

    京太郎「………憧、それちょっと見せて」

    「ん?はい」

    京太郎「サンキュ」

    京太郎(俺が買ったのより高い……)

    京太郎(財布に余裕あったかな……)

    「京太郎?」

    京太郎「ん、返すな」

    「じゃあこれ買ってくるわね!」

    京太郎「えっ!?あっ………」

    「♪~」タタタッ

    京太郎「あー……」

    608 = 28 :

     



    ◆ ◆ ◆


    京太郎「今日はまぁ、その…いろいろありましたけども……」

    「もう…忘れてよ」

    京太郎「ふははっ、無理だな。一生忘れねぇ」

    「一生!?」

    京太郎「ん?」

    「なんでもないっ!」

    京太郎「今度はさ…」

    「……?」

    京太郎「憧が行きたいところに行こうぜ」

    「えっ…?」

    京太郎「今日は俺の回だったから、今度は憧の回だろ」

    京太郎「だから憧の行きたいところ」

    「あたしの行きたいところ?」

    京太郎「あぁ」

    「そうね………」

    京太郎「俺に気ぃ使わなくていいぞー」

    「動物園……」ボソッ

    京太郎「ん?」

    「動物園行きたい」

    609 = 28 :

     
    京太郎「……これはちょっと予想外なのが出て来たな」

    「あはは、やっぱりそう思う?」

    京太郎「動物、好きなんだ」

    「意外でしょ?」

    京太郎「正直な」

    「これでも一応山の子ですから」

    京太郎「え、そんなに山なの?阿知賀って」

    「山ん中よ。街に出るのにロープウェイ使うレベルなんだから」

    京太郎「マジかよ、すげーな。あっ、すごいとか言ったらダメか」

    「あはは…いいわよ、本当のことだし」

    「それで動物園、いい?」

    京太郎「あぁ行こう、動物園」

    「うん!」

    京太郎「意外と趣味も合うのかもな」
     
    「ん?」

    京太郎「俺も動物とか結構好きだからさ」

    「そうなんだ」

    京太郎「そうなんすよ……てことで到着」

    「ぁ……」

    610 = 28 :

     
    京太郎「今日は楽しかった、よな?」

    「うん、すごく楽しかった。ホントに…ありがと」

    京太郎「うん、よかった。今度のことはまたちゃんと決めよう」

    「そうね……」

    京太郎「じゃあまた明日な」

    「………」

    京太郎「憧?」

    「ねぇ、京太郎」

    京太郎「どうした?」

    「その……頭、撫でて」

    京太郎「へっ?」

    「ダメ?」

    京太郎「あ、いや……じゃあやるぞ?」

    「うん」

    京太郎「………」
    ナデナデ
    「ふきゅぅ…………」

    「あ、ありがとっ……それじゃ、その…また明日ね?」

    京太郎「あ、あぁ!遅れんなよ!」

    「ふふっ、そっちこそ」

    611 = 28 :

     



    ………




    「やばい」


    「ダメだ、あたしもう……」







    京太郎「髪サラサラだったな」


    京太郎「また、触りてえな……」




     

    612 = 28 :

    まだ付き合ってません

    613 = 596 :

    付き合ってない異性相手にこれとかタラシってレベルじゃねーぞ!

    614 :

    これは、聞かされるのどっちもいい迷惑じゃねぇ~か

    615 :

    でもまあ京ちゃんも好意あるし
    刺される系ではないよな

    616 :


    付き合うのはきっかけみたいなもんだし

    617 :

    本当に早く付き合えよとしか出てこねぇw

    618 :

    そろそろ原村家の壁が減るな

    619 :

    しかものどっちは憧からも京太郎からも聞かされるのか...

    620 :

    おつ

    >>京太郎「とりあえずちょっとブラブラするか」

    あやうく、素で ラブラブするか
    と読み違えたわww

    621 :

    >>620
    バカ野郎
    どこも間違ってねーだろが

    622 :

    >>620
    ちょっと笑っちゃったじゃねーかw

    623 :

    >>440
    >咲「もう…あんまり女の子の髪は触んないほうがいいよ?」

    >京太郎「心配しなくてもあんなことお前くらいにしかしねーよ」



    京ちゃんの嘘つき!!

    624 :

    寝起きが一番捗る

    625 = 28 :

     



    京太郎「にしても昨日と打って変わって今日は天気悪いなぁ」

    京太郎「昨日晴れてよかったー……あっ」


    京太郎「憧っ!」

    「京太郎!おはよっ!」

    京太郎「おぅ、おはよう。それ昨日買ったやつだよな?」

    「あっ、うん。そういえば昨日、かぶってるところを京太郎に見せてなかったなーって……」

    京太郎「あー、そういやそうだったな。憧、さっさと買っちゃうから」

    「それでね、その……どう?」

    京太郎「あぁ、よく似合ってるよ」

    「ほんとっ!?」

    京太郎「うん、すげー可愛い」

    「でしょ!」

    京太郎「ほんとに可愛いな」

    「そんな何回も言わなくていいわよー」

    「京太郎は、かぶってこなかったのね」

    京太郎「あー…まだ早いかなって。もうちょっと暑くなってきたらと思ってるんだけど」

    「んーまぁそうね。今日は日差しもそんなに強くないしね」

    「あ、でも春でも日差しが強い日とかなら全然いけるわよ?」

    京太郎「ふ~ん、勉強になります」



    京太郎(つーか可愛いのは帽子じゃなくて、憧なんだよなぁ)

    626 :

    来たか(ガタッ

    627 = 28 :

     


    ◆ ◆ ◆


    「二人とも、こんにちは」

    京太郎「う~っす」

    「やほー」

    「………憧、その帽子」

    「ん?これ?」

    「かわいいですね」アリデスネ

    「いいでしょ!?昨日、京太郎が選んでくれたんだー」

    「よく似合ってますよ」

    「ふふー、ありがとっ!」

    「………選んだ?」

    京太郎「おーい、話は座ってからにしろって。俺もう腹減ったよ」

    「それもそうね。ほらっ和」

    「……えぇ」




    「須賀くん須賀くん」チョイチョイ

    京太郎「ん?」

    628 = 28 :

     
    「あの帽子、須賀くんが選んだと言っていましたけど……」ヒソヒソ

    京太郎「あぁ、選んだって言っても色だけだけどな」

    「『選んだ』だけなんですか?」

    京太郎「は?…………あ、あー……」

    京太郎「べ、弁解の機会を求めます…!」

    「……許可します」

    京太郎「俺もそのつもりだったんだよ」

    京太郎「でも俺は俺でその前に買い物してて、財布と相談しようと思ったら、あいつさっさと買っちゃって……」

    京太郎「気がついたときにはもう手遅れで……」

    「ふむ……」

    京太郎「だから今度はちゃんとやりたい……いや、やるから」

    「今度の予定はもう決まってるんですか?」

    京太郎「まぁ、一応な」




    「…………」

    「京太郎!和!何してんのー」

    629 = 28 :

     


    ………



    「須賀くんも買ったんですか?帽子」

    京太郎「あぁ。俺も…というか俺が買ったついでに憧も買った、みたいな感じなんだけどな」

    京太郎「俺のは憧に選んでもらったんだよ」

    「……」ジー

    「憧にですか?」

    京太郎「自分で選ぶより憧に選んでもらったほうがセンスいいし」

    「そういえば須賀くんって帽子かぶってるイメージ無いですね」

    京太郎「だろうな。そもそも帽子なんて買ったの初めてだもん」

    「…………」ジジー

    京太郎「和はよくかぶってるよな。あの、お嬢様!って感じのを」

    「またそうやってからかって……ところで憧?」

    「へっ!?な、なに?」

    「なにか?」

    「うぅん!別に何にもっ!」


    京太郎(また変なことで悩んでるな……)
    (またしょうもないこと考えてますね……)

    「ほんとになんでもないからねっ!?」

    630 = 28 :

     



    ◆ ◆ ◆


    「…………」ジー

    「………」

    「……ねぇ和」

    「なんです?」

    「つかぬことをお聞きしますが……」

    「なんですか、改まって」

    「和のお母さんもその…胸大きいの?」

    「はぃ?」

    「だからね!和はその…かなり大きいじゃない?だから……」

    「あー………もしかしてお昼もそのこと考えてたんですか?」

    「え?あ、なんで……」

    「バレバレでしたよ」

    「ぁぅ…ごめん」

    「……須賀くんになにか言われたんですか?」

    「いや、そーゆーわけじゃない……こともないんですけども……」

    「京太郎もやっぱり大きい方が好きなんだって……あっ!誤解しないでね!?」

    「あたしが強引に聞いただけだから!京太郎は悪くないっていうか…」

    「はいはい。というかそのことなら私もよく知ってます」

    「へ?」

    631 = 28 :

     
    「もう今はそんなこともありませんけど、出会ったばかりの頃はそれはもうひどかったですから」

    「えっと……どゆこと?」

    「須賀くんです。私の顔より胸を見てることのほうが多かったんじゃないですかね」

    「そう、だったんだ……」

    「まぁ、昔の話ですよ」

    「…………」

    「でも男の人じゃなくても見ちゃうわよ」

    「こんなのいいことないですよ。服は選べないし、肩は凝るし、男の人にジロジロ見られるし……」

    「くっ…これが持つ者……」

    「あっ、そういえば質問に答えてませんでしたね。母も大きいですね」

    「やっぱり、遺伝なのかな……宥ねぇも玄も大きいもんね……」

    「うちの親戚はみんな細いからなぁ……いやまぁそれはそれでありがたいんだけど」

    「私はその方が羨ましいですけどね」

    「はぁ……」
    モミ
    「!!!??」

    「あたしもここまでとは言わないから、もうちょっとあったらなぁ……」
    モミモミ
    「ちょ、ちょっと!憧!?」

    「そしたら京太郎も……」
    モミモミモミ

    632 = 28 :

     


    ~~~~~~~~


    アタシ「もう!京太郎ったらさっきから胸ばっかり見すぎよ!」

    キョータロー「ごめんよ。憧があまりにも魅力的だから目が離せないんだ」

    アタシ「もう、調子いいんだから…………ねぇ」

    キョータロー「なんだい?」

    アタシ「見るだけでいいの?」

    キョータロー「えっ?」

    アタシ「さ、触りたいなら触ってもいいわよ……?」

    キョータロー「いいのか?本当に…」

    アタシ「いいわよ……京太郎なら、あたし……」

    キョータロー「憧……」

    アタシ「京太郎……」


    ~~~~~~~~



    「うへへ………」
    モミモミモミモミ
    「あっ…やめてくださいってば…!」

    633 = 28 :

     



    恭子「何しとんねんアレ」

    「さぁ……?」

    恭子「スキンシップにしてもやりすぎやろ」

    「高校のとき園城寺先輩もよく清水谷先輩にあんなコトしてましたよ」

    恭子「マジか。千里山爛れてるわー」

    「あの二人…というか園城寺先輩が特別なだけですって。あの人中身おっさんですからね」

    恭子「にしても……」ジロジロ

    「…………なんすか?」

    恭子「はっ」

    「……なんかいま、ひどくバカにされたような気がしたんですけど」

    恭子「いやいや格差社会やなーって」

    「むっ……先輩かてそんな変わらんやないですか」

    恭子「はぁ!?」

    恭子「私はちゃんとあるわ!あんたのまな板と一緒にすんなや!」

    「ま、まな板ってなんすか!まな板って!!!」

    恭子「凹凸もなくスーっと一直線…まな板やんけ!」

    「ちゃんと曲線になってるわ!」

    634 = 28 :

     
    「あ、憧!!いい加減に……」


    恭子「……」

    「………」

    恭子「なぁ泉」

    「なんです?」

    恭子「あれだけ大きいとご利益とかあるんちゃうかな?」

    「奇遇ですね。私も同じこと考えてましたよ」




    「あっ、二条さんに末原先輩!助けてください!」

    「ウヘヘヘヘヘ……」モミモミモミモミモミモミ

    恭子「およそ女子らしからぬ笑い声やな……」

    「憧の次は私、お願いしまーす」

    「はぃ!??」

    恭子「私らもご利益にあやかりたいと思って」

    「ご、ご利益なんてありませんよっ!!」

    恭子「とりあえず拝んどくか」

    「そうですね、きちんと挨拶しとかな」

    「なんなんですかもぉーー!!!」

    635 = 28 :

     





    ◆ ◆ ◆



    京太郎「ふ~ん……」カチッ

    京太郎「昼は園内で食べればいいか」

    京太郎「つーかやっぱり広いな。一日で回りきれるのかこれ」カチカチッ


    京太郎「問題は夕飯だな。やっぱり…できるだけ長く一緒にいたいし……」

    京太郎「どんな店がいいんだ?やっぱりパスタとかが無難なのかな」ウーヌヌヌ…

    636 = 28 :

    今日はこれだけで


    末泉が書いてて楽しかった

    637 :


    とりあえず俺も拝んでおく

    638 :

    じゃあ俺も

    639 :

    ありがたやー

    640 = 626 :


    原作の宥姉みたいな扱いにワロタ

    641 :

    乙です
    京太郎は次回のデートコースをネットで下調べか

    642 :

    いいねえ

    643 :

    行くでよ

    644 = 28 :

     


    「よしっ、いい感じ」

    「京太郎はまっだかな~」
    ピンポーン
    「!!」

    「はーい!」

    ガチャ
    京太郎「よっ」

    「おはよ!京太郎!」

    京太郎「おぅ、おはよう」

    「もう準備できてるから、早速行きましょ」

    京太郎「あれ、待たせちゃったか?」

    「うぅん、そういうわけじゃないけどね」

    京太郎「ならいいけど……なんかあれだな、いつもと感じが違うな」

    「へ?なに?」

    京太郎「いや憧の格好がさ」

    「あぁ、うん。今日は一日歩き回るわけじゃない?だから動きやすい感じで…」

    クルリンパ
    「じゃーん、どう?」

    京太郎「じゃーんて」

    「い、いいからっ!」

    京太郎「こういうのも新鮮でいいな、うん」

    「ほんと?よかったっ」

    645 = 28 :

     
    京太郎「そういえば今日はリュックなんだな」

    「あ、うん。両手空いてる方がいいと思って。ほら、パンフレットとか見ながら歩いたりするでしょ」

    京太郎「気合い入ってんなぁ」

    「だ、だって楽しみにしてたんだもん!悪い!?」

    京太郎「いやいや、悪くない悪くない」ハハハッ

    「京太郎は?」

    京太郎「ん?」

    「楽しみにしてたのあたしだけ?」

    京太郎「……またお前はそういうこと言う」

    「なんてね。冗談冗談」

    京太郎「……ふん」プイッ

    「あっ…怒った?ごめんね、あたし……」

    京太郎「なんてな」

    「え…」

    京太郎「冗談ジョーダン」

    「……もォーー!!」

    京太郎「ははは、騙されてやんのー」

    「さ、先にだまされたの京太郎のほうですーっ!」

    646 = 28 :

     


    ◆ ◆ ◆


    「今日ってどうやって行くの?全部任せちゃったけど」

    京太郎「いろいろ調べたんだけど、電車が一番簡単そうだから電車で行くことにしました」

    「はーい」

    京太郎「それで思ったんだけどな…」

    「なに?」

    京太郎「東京、路線、多すぎ問題」

    「あー」

    京太郎「うちなんてJRしか無かったのに。レベルが高すぎる」

    「うちは近鉄だけだったなー。街の方まで行けばJRもあるけど」

    京太郎「そんなわけだから、今日も何回か乗り換えしなきゃいけないんだけど」

    「??」

    京太郎「もし間違えて変なトコロ行っちゃったらごめんな」

    「やだ。絶対に許さない」

    京太郎「え、厳しい」

    「だって……」

    京太郎「……なに?」

    647 = 28 :

     
    「せっかくの…せっかくのデートなのに、そんなことでダメになったら、やだ」

    京太郎「ッ!……、そうだな…せっかくのデート、だもんな」

    「ぅ、うん……////」

    京太郎「……///」


    「そ、そもそも駅の案内とか見てたら迷わないでしょ」

    京太郎「だよな。さ……友だちにすげー方向音痴なやつがいるだけど、そういうの全然見ないんだよ」

    京太郎「こっちな気がするって勘で動く。で迷う」

    「なぜか自信満々なのよね」

    京太郎「そうそう、自分の決断に対しては迷いがねーんだ」

    「ちょっと違う、っていうか逆なんだけど…」

    京太郎「お?」

    「あたしの友だちに、どこにいても一瞬で東西南北がわかる子がいるわよ」

    京太郎「あー、たまにいるな。そういうやつ」

    「それでなんでわかるのか聞いたことあるんだけど、何て答えたと思う?」

    京太郎「う~ん……勘?」

    「ちょっと違うわね。不思議そうな顔で、空を見れば分かるじゃん?って」

    京太郎「漠然としすぎててわかんねー」

    「空を見て、直感的にわかるんだって。で、当たってるの。すごくない?」

    京太郎「たぶん太陽とか雲の流れとかから判断できるんだろうけど……」

    「たぶんそういうことなんだろうけど、そんな小難しく考えるタイプじゃないわね、あの子は」

    京太郎「いろんな人がいるもんだ」

    648 = 28 :

     


    ◆ ◆ ◆


    「あんまり混んでないといいなぁ……」

    京太郎「動物園が?電車が?」

    「電車。あんまりギュウギュウ詰めになったら嫌だなって」

    京太郎「………、あぁそっか」

    「うん……」

    京太郎「大丈夫だよ」

    「え?」

    京太郎「そのときは俺が守るから」

    「えっ…」

    京太郎「だから心配ご無用ってな」

    「京太郎……」

    京太郎「な?」

    「……うん、ありがと」






    京太郎「とは言ったものの……」

    「うわぁ…コレに乗る、のよね……」

    京太郎「これが東京か…!」

    「あ、でも降りる人も多い」

    京太郎「それでも座るのは無理そうだな」

    「…………っし!ほら京太郎っ!」

    京太郎「あぁ」

    649 = 28 :

     
    京太郎「あっ…憧、そこの角に入れ」

    「う、うん」

    京太郎「それで、俺が壁になれば…これで一安心だな」

    「お世話かけます」

    京太郎「気にすんなって。まぁそんなに長くは乗らないし……うぉ、まだ来るのか」

    京太郎「悪い、もうちょっと詰めるぞ」

    「え?えっ?」

    京太郎「おっとと……憧、大丈夫か?」

    「だ、大丈夫です、けど……」

    京太郎「ちょっと我慢してくれな」


    (めちゃくちゃ近いっっっっ!!てゆーかこれ壁ドンってやつじゃない!??)

    京太郎「ふぅ…やっと動き出したか」


    (きょ、京太郎の顔がすぐそこにあるし!!やだ、超カッコイイんですけど!ふわぁぁぁぁぁ)

    京太郎「憧?」

    「ふぇ!?」

    京太郎「いやなんか、すげー見られてんなぁって」

    「ぁ…ご、ごめん。なんでもないです」

    650 = 28 :

     
    京太郎「…………」


    京太郎(今気づいたけど、コレめっちゃ近い……)

    京太郎(改めて見るとやっぱり可愛いな。肌もキレイだしまつ毛長いし、それになんかいい匂いが…………)

    京太郎「あっ」

    「京太郎?」

    京太郎(やべぇやべぇやべぇ、意識しだしたら………とにかく落ち着け俺!こんなところでたったら………終わる!)

    「大丈夫?無理しないでね?」

    京太郎「だ、大丈夫だから」

    「ほんとに?なんか険しい顔してるけど……」

    京太郎「それはちょっと別で……」

    「??」


    京太郎(上目遣いで小首傾げるとか反則だっつーの!!可愛いんだよチクショウ!!!)

    (険しい顔もカッコイイ……)



    京太郎(頼むから早く着いてくれ………!!)
    (あぁ…もうずっとこのままでもいいかも……)


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